説明

照明制御装置および照明制御方法

【課題】電源投入直後に照明装置を点灯させた場合に、ランプへの悪影響を防止するように調光制御を開始させる。
【解決手段】電源投入直後に点灯指示を照明装置Lに出力した場合、当該点灯指示に応じて点灯した照明装置LのランプLaが安定し得る時間である安定時間が経過した後に、照明装置Lの調光制御を開始するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高速度道路のインターチェンジやサービスエリア等に配設された照明装置を制御する照明制御装置および照明制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば高速度道路のインターチェンジやサービスエリア等に配設された照明装置を制御する照明制御装置にあっては、周囲の照度値を検出する照度検出器を有し、この照度検出器により検出された照度値が所定の照度以下になった場合に、照明装置に対して点灯指示を出力するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。また、この種の照明制御装置では、照明装置の調光を制御する場合、点灯指示を照明装置に出力してから一定の時間が経過したときに照明装置の調光制御を開始している。
【特許文献1】特開平5−260637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、電源投入直後に照明装置を点灯させる場合、その電源投入が例えば停電復旧による電源投入であると、点灯指示が出力されてから照明装置のランプが点灯するまでに遅延が生じることがあり、この場合には、例えばランプが点灯してまもなくランプが安定しないうちに調光制御が開始されてしまい、ランプの寿命を短くする等の悪影響が生じる恐れがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電源投入直後に照明装置を点灯させた場合に、ランプへの悪影響を防止するように調光制御を開始させることのできる照明制御装置および照明制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、周囲の照度値を検出する照度検出手段を有し、当該照度検出手段により検出された照度値に基づいて点灯指示を照明装置に出力し当該照明装置の点灯を制御すると共に、前記点灯指示を出力した後に前記照明装置の調光制御を開始する照明制御装置において、電源投入直後に前記点灯指示を前記照明装置に出力した場合、当該点灯指示に応じて点灯した前記照明装置のランプが安定し得る時間である安定時間が経過した後に、前記照明装置の調光制御を開始することを特徴とする。
【0005】
また上記目的を達成するために、本発明は、周囲の輝度を検出する輝度検出手段を有し、当該輝度検出手段により検出された輝度値に基づいて点灯指示を照明装置に出力し当該照明装置の点灯を制御すると共に、前記点灯指示を出力した後に前記照明装置の調光制御を開始する照明制御装置において、電源投入直後に前記点灯指示を前記照明装置に出力した場合、当該点灯指示に応じて点灯した前記照明装置のランプが安定し得る時間である安定時間が経過した後に、前記照明装置の調光制御を開始することを特徴とする。
【0006】
本発明は、上記発明において、停電復旧を検知する停電復旧検知手段を備え、電源が投入された直後に前記点灯指示を前記照明装置に出力した場合、前記停電復旧検知手段により停電復旧が検知されているか否かに応じて前記安定時間を決定し、決定した安定時間が経過した後に、前記照明装置の調光制御を開始することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記発明において、前記照度検出手段により検出された照度値または前記輝度検出手段により検出された輝度値、前記点灯指示の出力状態および前記調光制御状態のそれぞれを電源が投入されてから所定時間ごとに記録するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また上記目的を達成するために、本発明は、周囲の照度値を検出する照度検出手段を有し、当該照度検出手段により検出された照度値に基づいて点灯指示を照明装置に出力し当該照明装置の点灯を制御すると共に、前記点灯指示を出力した後に前記照明装置の調光制御を開始する照明制御装置の照明制御方法において、電源投入直後に前記点灯指示を前記照明装置に出力した場合、当該点灯指示に応じて点灯した前記照明装置のランプが安定し得る時間である安定時間が経過した後に、前記照明装置の調光制御を開始するようにしたことを特徴とする。
なお、本発明の照明制御方法においては、上記照度値に代えて輝度値を用いるようにしても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電源投入直後に点灯指示を照明装置に出力した場合、当該点灯指示に応じて点灯した前記照明装置のランプが安定し得る時間である安定時間が経過した後に、前記照明装置の調光制御を開始するため、ランプが安定状態にあるときに調光制御を開始させることができ、調光制御によるランプへの悪影響を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明制御装置の概要構成を示す図である。照明制御装置10は、図1に示すように、高速道路に設けられたサービスエリアやインターチェンジ等において互いに異なるエリアA1〜A3に配設された複数の照明装置Lの点灯、消灯および調光を制御するものであり、これらの照明装置Lに対して点灯/消灯指示を示す点滅制御信号Cnおよび調光制御信号Cxを出力する制御部本体11と、周囲環境の照度を検出して照度検出信号Dを制御部本体11に出力する照度検出手段としての受光器12とを備えて構成されている。
【0011】
上記制御部本体11の構成について詳細には、図2に示すように、マイクロコンピュータとして構成されて全体を制御する制御部回路21と、制御部回路21の制御下で受光器12との間の通信を行う通信回路22と、通信回路22に接続される通信コネクタ部23と、複数のリレー回路を有し、上記点滅制御信号Cnを複数の照明装置Lに対して個別に出力するリレー出力端子回路24と、このリレー出力端子回路24に複数の照明装置Lを接続するためのコネクタ端子が設けられた制御コネク部25と、ユーザに対し異常状態の告知を行うための異常検出信号を出力する異常出力回路26と、異常出力回路26を外部の警報装置(スピーカ、ランプなど)に接続するための異常出力コネクタ部27と、外部の商用電源(100/200V)から電源端子28を介して電力供給を受けて制御部本体11全体に電力を供給する主電源回路29と、受光器12を駆動する電力を受光器電源コネクタ31を介して受光器12に供給する受光器用電源回路32とを備えている。また、制御部本体11は、通信回路22、リレー出力端子回路24、異常出力回路26、主電源回路29および受光器用電源回路32と、通信コネクタ部23、制御コネクタ部25、異常出力コネクタ部27および受光器電源コネクタ31との間に介挿され、サージ電流や各種信号のノイズを除去するサージ・ノイズ対策素子/回路30を備えている。
【0012】
また、上記受光器12は、照度を検出するための照度センサとして構成された受光素子41と、受光素子41が出力したセンサ出力信号をアナログ/ディジタル変換して照度検出信号Dとして通信コネクタ部42および通信ラインLCを介して制御部本体11に出力する通信回路43と、受光器電源コネクタ31、電源供給ラインLPおよび電源端子44を介して受光器用電源回路32から供給された電力に基づいて動作用電源を受光器12全体に供給する電源回路45とを備えて構成されている。また、この受光器12は、通信回路43および電源回路45と、通信コネクタ部42および電源端子44との間に介挿され、サージ電流や各種信号のノイズを除去するサージ・ノイズ対策素子/回路46を備えている。
上記制御コネクタ部25は、3つの照明装置Lをそれぞれ制御するための3系統分の照明制御端子TLA〜TLCと、これらの照明装置Lの調光を制御するための調光制御端子TCNと、照明制御端子TLA〜TLCおよび調光制御端子TCNのコモン電極端子として機能するコモン端子TCMとを備えている。
【0013】
また、制御部回路21は、書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM(以下、単にROMという)50を有し、このROM50には、制御部回路21が制御プログラムの他に、照明装置Lの点灯、消灯および調光を制御するための制御データ60が格納されている。具体的には、本照明制御装置10は、周囲の照度値に基づいて照明装置Lを点灯および消灯することとし、制御データ60には、図3に示すように、照明装置Lの点灯条件となる点灯照度値Ea、および、消灯条件となる消灯照度値Ebが含まれている。
【0014】
また、本実施の形態では、本制御部本体11の電源が停電等の異常事態により遮断された事を電源復旧時に制御部回路21が検知可能とすべく、制御データ60には停電検知フラグFaが含まれている。この停電検知フラグFaは「0」または「1」のいずれかの値となるものであり、制御部本体11の電源が正常に遮断される際には、制御部回路21によって停電検知フラグFaの値は「0」とされ、また、制御部本体11の電源が投入された際に停電検知フラグFaの値が「0」である場合には、制御部回路21によって、停電検知フラグFaの値が「1」とされる。したがって、停電等の異常事態により電源が遮断された場合には、停電検知フラグFaの値は「1」のままとなるため、電源復旧時に、停電検知フラグFaの値が「1」であるか否かを判断することにより、停電を検知可能となる。なお、制御データ60には、上記のデータの他にも、照度値補正データGが含まれているが、これについては後に説明する。
【0015】
さて、上記の構成の下、本実施の形態にあっては、電源投入時に照明装置Lを点灯し、その後、調光制御する場合、制御部回路21は、照明装置LのランプLaを保護すべく、照明装置Lに点灯指示を出力してから調光制御を開始までの待機時間(安定時間)を、今回の電源投入が停電復旧によるものか否かに応じて異ならせるようにしており、かかる動作について図4を参照して以下に詳述する。
【0016】
図4は電源投入時に照明制御装置10により実行される電源投入時処理のフローチャートである。電源が投入された場合、照明制御装置10の制御部回路21は、先ず、受光器12から照度検出信号Dを受信して現在の照度値を検出し(ステップS1)、この照度値と上記点灯照度値Eaとに基づいて、現時点で照明装置Lを点灯させる必要があるか否かを判断する(ステップS2)。この判断の結果、照明装置Lを点灯させる必要がない場合(ステップS2:No)、すなわち、周囲がまだ十分明るく照明の必要がない場合、照明装置Lの点灯および調光する必要がないため、制御部回路21は本電源投入時処理を終了する。
【0017】
一方、ステップS2における判断の結果、照明装置Lを点灯させる必要がある場合には(ステップS2:Yes)、制御部回路21は、点灯を指示する点滅制御信号Cnを各照明装置Lに対して出力し(より正確には、点滅制御信号Cnの信号レベルをHレベルとして)、各照明装置Lを点灯させる(ステップS3)。このようにして照明装置Lが点灯されると、照明装置Lの点灯からランプLaが安定状態になるまでの安定時間が経過するまで待機した後、各照明装置Lの光量等を制御するための調光制御が実行される。
【0018】
詳述すると、例えば、照明装置Lが点灯している時に停電が合った場合、停電から復旧までの時間によってはランプLaが十分に冷えていないことがある。この場合に、各照明装置Lに対して点灯を指示する点滅制御信号Cnが出力された場合、ランプLaはホットスタートされることとなるが、各照明装置LはランプLaが十分に冷えないと点灯しないため、点灯を指示してから実際にランプLaが点灯するまでに遅延が生じることとなる。したがって、従来のように停電復旧時にかかわらず、照明装置Lに対して点灯指示を示す点滅制御信号Cnを出力してから、当該照明装置Lに対して調光制御のための調光指示を出力するまでの時間を通常の設定時間(以下「通常設定時間」という)Taとしてしまうと、ランプLaが十分に安定していない状態で調光制御が行われる恐れがある。
【0019】
そこで、図4に示すように、本実施の形態に係る電源投入時処理にあっては、ステップS3において各照明装置Lに対して点灯を指示した後、制御部回路21は、続くステップS4において、ROM50に格納された停電検知フラグFaの値を参照することで、今回の電源投入が停電復旧によるものであるか否かを判断し、この判断結果に基づいて調光制御が開始されるまでの時間を変更することとしている。
【0020】
すなわち、ステップS4の判断の結果、今回の電源投入が停電復旧によるものではない場合(ステップS4:No)、ステップS3において点灯指示を出力した時点で照明装置LのランプLaは十分に冷えていたと考えられるため、制御部回路21は、ステップS3にて点灯指示を出力したタイミングから上記通常設定時間Ta(例えば30分)が経過したときに、調光制御のための指示を照明装置Lに出力する(ステップS5)。
一方、停電復旧によって今回の電源投入がなされている場合には(ステップS4:Yes)、制御部回路21は、点灯指示から実際にランプLaが点灯するまでの遅延を考慮すべく、ステップS3にて点灯指示を出力したタイミングから、上記通常設定時間Taよりも長い停電復旧設定時間Tbが経過したときに、調光制御のための指示を照明装置Lに出力する(ステップS6)。このように、今回の電源投入が停電復旧によるものである場合には、照明装置Lに対して点灯指示が出力されてから、通常の設定時間よりも長い時間が経過したときに、調光制御指示が出力されるため、ホットスタートにより照明装置Lの点灯に遅延が生じたとしても、ランプLaが十分に安定した状態となった後に調光制御が行われることとなり、ランプLaの寿命が短くなるなどの劣化を防ぐことができる。
【0021】
なお、照明装置LのランプLaが冷えるまでの時間は外気温によって変動するため、照明制御装置10に外気温度センサ等を設けて上記停電復旧設定時間Tbを可変させる構成としても良く、また、季節ごとに停電復旧設定時間Tbを予め設定する構成としても良い。このような構成とすることで、外気温が低い場合には停電復旧設定時間Tbが短くなるため、調光制御を開始するまでの待機時間を短縮することができ、また、外気温が高い場合には、ランプLaが確実に冷えた状態で調光制御を開始することができる。
【0022】
また、上記の構成においては、ステップS3にて点灯指示を出力してから通常設定時間Taあるいは停電復旧設定設定時間Tbが経過したときに、調光制御のための指示を照明制御装置10が照明装置Lに対して出力するが、この構成に限らず、例えば、所定の調光制御開始時刻になった場合に、照明制御装置10が調光制御のための指示を照明装置Lに出力する構成としても良い。
この構成においては、ステップS4にて停電復旧が検出されている場合、現在時刻から所定の調光制御開始時刻までの時間が上記停電復旧設定時間Tbよりも短いときには、ランプLaが安定したときに調光制御を行うために、点灯指示を出力したタイミングから停電復旧設定時間Tbが経過した後に、調光制御のための指示を出力する。
【0023】
ところで、前掲図1に示すように、本実施の形態では、互いに異なる場所に配設された3つの照明装置Lの点灯および消灯を、1つの受光器12で検出した照度値と上記点灯照度値Eaおよび消灯照度値Ebに基づいて制御する構成としている。しかしながら、この構成においては、受光器12が検出する照度値が必ずしも各照明装置Lの設置場所(より正確には照明するエリアA1〜A3)の照度値を示すとは限らず、照明装置Lの点灯および消灯が上記点灯照度値Eaおよび消灯照度値Ebとずれる恐れがある。
【0024】
そこで本実施の形態では、前掲図3に示すように、受光器12にて検出される照度値を各エリアA1〜A3の照度値に補正するための照度値補正データGが制御データ60に設けられている。この照度値補正データGはエリアA1〜エリアA3ごとに設けられており、受光器12にて検出された照度値をX(lx:ルクス)、このときのエリアAの照度値をY(lx)とした場合には、照度値補正データGの補正値は(Y/X)となっている。
【0025】
そして、照明制御装置10の制御部回路21は、受光器12で検出された照度値Xと上記点灯照度値Eaおよび消灯照度値Ebに基づいて制御する場合、各エリアA1〜A3の照度値補正データGを用いて照度値Xを補正することで、各エリアA1〜A3の実際の照度値を算出し、これらの実際の照度値に基づいて、各エリアA1〜A3の照明装置Lの点灯および消灯を制御する。
【0026】
これにより、1つの受光器12にて周囲の照度値を検出し、この検出値に基づいて、互いに異なる場所に設置された複数の照明装置Lの点灯および消灯を制御する構成であっても、各照明装置Lの設置場所の照度に応じて正確に点灯および消灯を制御することが可能となる。また、照明装置Lの設置場所ごとに受光器12を設ける必要も無いため、装置コストが低減される。
さらに、停電復旧時に各照明装置Lを点灯させる場合においても、それぞれの設置場所の照度に基づいて点灯させるべき照明装置Lだけを点灯させることができるため、実際には点灯の必要の無い照明装置Lが点灯させられ、そして、調光制御を開始するまでの待機時間が不要に長くされてしまうといった事態も防止可能となる。
【0027】
なお、上記受光器12の受光素子41が劣化した場合、当該受光器12にて検出される照度値Xと実際の照度値との間にずれが生じる恐れがある。この場合、受光器12を校正するためには、当該受光器12を現地から外し、製造メーカに送り校正してもらう等すると、手間と時間とコストがかかる。
そこで、本実施の形態では、図5に示すように、校正された照度計70を用いて受光器12に隣接した場所の照度値Zを測定すると共に、このときの受光器12により検出される照度値Xを取得し、これら照度値ZおよびXに基づいて、受光器12の劣化による照度値のずれを補正するための劣化補正値H(=Z/X)を算出し、この劣化補正値Hが、図3に示すように、制御データ60としてROM13に格納される構成としている。そして、制御部回路21は、受光器12からの照度検出信号Dに基づいて照度値を検出した後、この検出した照度値に劣化補正値Hを乗じることで、劣化等の影響の無い、より正確な照度値を求めることとしる。
【0028】
この劣化補正値Hは例えば1年ごとといったように定期的に更新されるのが望ましく、本実施の形態によれば、校正された照度計70を受光器12に隣接した場所に設置して測定するだけで、簡単かつ容易に劣化補正値Hを求めることができるため、当該劣化補正値Hの更新作業が容易となる。
また、劣化補正値Hを求めておくだけで、受光器12の劣化等による検出値のずれが補償されるため、受光器12自体を校正したり、或いは、新規のものに交換する等の必要がなく、装置の維持コストを抑えることができる。
【0029】
さらに、本実施の形態では、上記受光器12の故障等を早期に発見することを可能にすべく、受光器12により検出された照度値、各照明装置Lへの点灯指示状態、消灯指示状態、および、調光状態を、電源が投入された直後から一定時間(例えば1分〜10分)ごとに制御部回路21が取得して、例えば図6に示すようなロガー記録データ80を作成し、例えば記録媒体(不図示)に格納するように構成されている。
【0030】
このように、ロガー記録データ80を記録する構成とすることで、作業員等がロガー記録データ80に基づいて受光器12の故障や照明制御装置10の異常、それらの原因等を推測することが可能となる。
具体的には、前掲図6における記録R1に示されるように、時間的に急に照度値が低くなった場合には、例えば雲がかかる等の原因によるものと推定され、受光器12に異常は無いと推定される。
【0031】
また、記録R2に示されるように、時間的に急に照度値が高くなった場合には、例えば車のヘッドライトが受光器12に照射されたものと推定され、受光器12の設置位置が悪いことが特定される。したがって、この記録R2に基づき、受光器12の設置位置を変更することで、ヘッドライトの影響を避け、また、照明装置Lの不要な点灯および消灯を防止することができる。
さらに、記録3に示されるように、照度値が検出不能になっている場合には、受光器12が故障したものと推定され、また、そのときの時刻から故障時刻を推定することができる。このとき、受光器12の故障原因が例えば車両衝突等の事故によるものである場合には、この事故の時刻も判明可能となる。
【0032】
このように、本実施の形態によれば、電源投入直後に点灯指示を照明装置Lに出力した場合、当該点灯指示に応じて点灯した照明装置LのランプLaが安定し得る時間が経過した後に、照明装置Lの調光制御が開始されるため、必ずランプLaが安定状態にあるときに調光制御を開始させることができ、調光制御によるランプLaへの悪影響を防止することができる。
【0033】
特に、本実施の形態によれば、照明装置Lの調光制御を開始するまでの待機時間(安定時間)を、停電復旧が検知されているか否かに応じて変更するため、停電復旧直後に照明装置LのランプLaを点灯させた場合であっても、このランプLaが十分に安定した状態で調光制御を開始することができる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、少なくとも、受光器12により検出された照度値、点灯指示の出力状態、および、調光制御状態のそれぞれを電源が投入されてから所定時間ごとにロガー記録データ80として記録するようにしたため、作業員等がロガー記録データ80に基づいて受光器12の故障や照明制御装置10の異常、それらの原因等を推測することが可能となる。
【0035】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能であることは勿論であり、例えば、受光器12により輝度値を検出し、この輝度値に基づいて各照明装置Lを制御する構成としても良い。
【0036】
また、上述した実施の形態では、ROM50に格納した停電検知フラグFaにより停電復旧を検知するようにしたが、例えば、照明制御装置10の制御部本体11の扉の開閉状況を見て検知を行う構成としても良い。具体的には、扉に開閉スイッチを設け、扉が閉じている状態で電源が遮断した場合、停電と見なし停電復旧の状態とする。扉が開いている状態で電源が遮断した場合、人為的にブレーカーで遮断したと見なし正常に電源を落とした事とする構成である。
また例えば、上記ロガー記録データ80を例えば1秒間隔で記録していた場合、タイムスタンプが明らかに値が飛んでいた場合に停電とみなす構成としても良い。すなわち、ブレーカーから電源を遮断する場合には、ロガーで取得し続けている記録を一旦終了させてからブレーカーを遮断させる構成とし、これにより、ロガー記録データ80の記録動作が行われている時に電源が遮断した場合には停電とみなすことができる。但し、ロガー記録データ80の記録動作が行われていないときに電源が遮断した場合は通常にブレーカーが落ちたとみなすのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明制御装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】照明制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】制御データの内容を模式的に示す図である。
【図4】電源投入時処理のフローチャートである。
【図5】受光器の劣化等による検出値のずれの補正を説明するための図である。
【図6】ロガー記録データを説明するための図である。
【符号の説明】
【0038】
10 照明制御装置
11 制御部本体
12 受光器
21 制御部回路
50 EEPROM
60 制御データ
G 照度値補正データ
H 劣化補正値
L 照明装置
La ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の照度値を検出する照度検出手段を有し、当該照度検出手段により検出された照度値に基づいて点灯指示を照明装置に出力し当該照明装置の点灯を制御すると共に、前記点灯指示を出力した後に前記照明装置の調光制御を開始する照明制御装置において、
電源投入直後に前記点灯指示を前記照明装置に出力した場合、当該点灯指示に応じて点灯した前記照明装置のランプが安定し得る時間である安定時間が経過した後に、前記照明装置の調光制御を開始する
ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項2】
周囲の輝度を検出する輝度検出手段を有し、当該輝度検出手段により検出された輝度値に基づいて点灯指示を照明装置に出力し当該照明装置の点灯を制御すると共に、前記点灯指示を出力した後に前記照明装置の調光制御を開始する照明制御装置において、
電源投入直後に前記点灯指示を前記照明装置に出力した場合、当該点灯指示に応じて点灯した前記照明装置のランプが安定し得る時間である安定時間が経過した後に、前記照明装置の調光制御を開始する
ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項3】
停電復旧を検知する停電復旧検知手段を備え、
電源が投入された直後に前記点灯指示を前記照明装置に出力した場合、前記停電復旧検知手段により停電復旧が検知されているか否かに応じて前記安定時間を決定し、決定した安定時間が経過した後に、前記照明装置の調光制御を開始する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御装置。
【請求項4】
前記照度検出手段により検出された照度値または前記輝度検出手段により検出された輝度値、前記点灯指示の出力状態および前記調光制御状態のそれぞれを電源が投入されてから所定時間ごとに記録するようにした
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項5】
周囲の照度値を検出する照度検出手段を有し、当該照度検出手段により検出された照度値に基づいて点灯指示を照明装置に出力し当該照明装置の点灯を制御すると共に、前記点灯指示を出力した後に前記照明装置の調光制御を開始する照明制御装置の照明制御方法において、
電源投入直後に前記点灯指示を前記照明装置に出力した場合、当該点灯指示に応じて点灯した前記照明装置のランプが安定し得る時間である安定時間が経過した後に、前記照明装置の調光制御を開始するようにした
ことを特徴とする照明制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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