説明

照明器具

【課題】地震発生または停電時に、部屋全体を照明するとともに避難する際には避難者が任意の方向、場所を照明可能な点灯ユニットを備える照明器具を提供すること。
【解決手段】照明器具は、第1の光源を有する器具本体に感震センサと該感震センサの動作により点灯する第2の光源を有する点灯ユニットと、この点灯ユニットの少なくとも第2の光源及び第2の光源の点灯手段を器具本体より昇降させる昇降装置とを設けることにより部屋全体を照明するとともに、避難する際には避難者が任意の方向、場所を照明できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、感震センサ、補助光源、二次電池などを有する点灯ユニットを備え、感震センサが地震の振動を検知したとき及び地震や台風などにより停電が発生したときに補助光源を点灯させるようにした照明器具が知られている。
【0003】
このような照明器具は、一般家屋の天井に直に設置されたもの、または主光源として用いられる照明器具に内蔵されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8‐228442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記の照明器具においては、補助光源が天井や照明器具に固定されているため照明する範囲が限られてしまうという問題があった。
【0005】
夜間に震度の大きな地震が発生した際には部屋全体を照明することは安全を確認する上で重要だが、避難するときには部屋全体を照明することよりも避難者の避難方向や足元をより明るく照明することが重要になる。
避難方向は家屋の形状、避難者の立ち位置などにより常に異なる。
そこで、避難者が避難方向や足元を任意に照明可能な照明器具が望まれている。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題を解消すべくなされたもので、部屋全体を照明するとともに避難する際には避難者が任意の方向、場所を照明可能な点灯ユニットを備える照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題を解決するため、請求項1記載の発明は、第1の光源を有する器具本体と;感震センサと該感震センサの動作により点灯する第2の光源とを有する点灯ユニットと;該点灯ユニットの少なくとも第2の光源及び、第2の光源の点灯手段を前記器具本体より昇降させる昇降装置と;を具備することを特徴とする。
【0008】
器具本体に取付けられる第1の光源は、特に限定されず、蛍光ランプ、水銀灯、ハロゲンランプ、LEDなど任意のものが適用可能である。同様に第2の光源も特に限定されるものではないが、例えば一般的な豆球やLEDが使用可能である。
【0009】
感震センサは、特に限定されるものではないが、例えば圧電素子などを用いることができる。
【0010】
点灯ユニットは、感震時の非常灯として使用できるが、常時は第1の光源の補助光源としたり、常夜灯としても使用できる。
点灯ユニットの設置場所は、器具本体の中央部とすることが望ましいが第1の光源の形状などにより器具本体の所定の場所に設置することもできる。
【0011】
昇降装置は点灯ユニットを使用者の手の届く位置まで降下させる、あるいは降下させた点灯ユニットを上昇させ器具本体の所定の場所へ収納させる装置をいい、例えば点灯ユニットを吊り下げ部材の先端に取付け、モータの駆動で吊り下げ部材を上げ下げさせるような装置である。
【0012】
なお、「使用者の手の届く位置」は、小さな子供でも手が届く位置が望ましいが、特に限定されるものではなく、第2の光源が点灯可能な状態で下降してくるものである。
【0013】
また、点灯ユニットの降下位置や降下速度は、例えばリモコンを用いて使用者が任意に変更、設定できるようにすることができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の照明器具において、前記感震センサの感震検知により、前記昇降装置を駆動させる制御部を具備することを特徴とする。制御部を有することにより感震検知時に瞬時に昇降装置を駆動させることもできるし、一定の地震以下では昇降装置を駆動させないこともできる。
【0015】
一定の地震以下で昇降装置を駆動させない方法としては上記した点灯ユニットの降下位置や降下速度の変更、設定と同様にリモコンなどを用いることができる。
【0016】
制御部の設置位置は限定されるものではなく例えば器具本体や点灯ユニットなどの所定個所に内蔵させることができる。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1または2いずれか記載の照明器具において、前記点灯ユニットは、商用電源の遮断時にも第2の光源が点灯するようになっているとともに、前記制御部は商用電源の遮断を検出すると、前記昇降装置を駆動させるようになっていることを特徴とする。
【0018】
地震またはその他の理由により商用電源からの電力供給が遮断された場合でも第2の光源が点灯され、昇降装置を駆動させるようにすることが望ましい。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3いずれか記載の照明器具において、前記点灯ユニットに内蔵され、常時は商用電源から充電されて前記第2の光源の電源として機能する二次電池を具備することを特徴とする。
【0020】
地震またはその他の理由により停電した場合に備え、第2の光源を点灯させるための電源として点灯ユニットには二次電池が内蔵されていることが望ましい。
二次電池は、化学電池に限らず主電源で充電される二次電池として機能するキャパシターなども含まれる。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4いずれか1項に記載の照明器具において、前記点灯ユニットと、前記昇降装置とを着脱可能な着脱機構を具備している。
【0022】
着脱機構としては例えば前記点灯ユニット及び前記昇降装置との取付け部それぞれに磁石などの磁性体とこの磁性体が吸着するような金属を用いそれぞれを固定するものなどである。
【0023】
点灯ユニットの所定個所に照明の入切りスイッチを設けることができ、昇降装置より取外して持運びする際に必要に応じて点灯ユニットの点灯、消灯を行える。これにより点灯ユニット内の二次電池を節約して使用できる。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5いずれか1項に記載の照明器具において、前記点灯ユニットは、感震センサの動作又は商用電源の遮断時に下降する点灯ユニット部分を、器具本体側から照射する補助光源部を有することを特徴とする。
【0025】
器具本体側から照射する補助光源部としては、特に限定されるものではないが、点灯ユニットと同様に、例えば一般的な豆球やLEDが使用可能である。
【0026】
本発明の照明器具は、一般家庭の屋内照明が適しているが、ビルなどの屋内照明についても同様に適用することが可能である。
【発明の効果】
【0027】
請求項1記載の発明によれば、第1の光源を有する器具本体に感震センサと、この感震センサの動作により点灯する第2の光源とを有する点灯ユニットと、この点灯ユニットの少なくとも第2の光源及び、第2の光源の点灯手段を器具本体より昇降させる昇降装置とを備えることで、避難者が点灯ユニットを手に持つ事ができ、避難者が照らしたい任意の場所を照明することができる。
【0028】
請求項2記載の発明によれば、感震センサの感震検知により、昇降装置を駆動させる制御部を備えることで、感震検知直後に点灯ユニットを器具本体より降下させたり、使用者の任意の設定により一定以上の地震でなければ点灯ユニットを降下させないようにすることができる。
【0029】
請求項3記載の発明によれば、点灯ユニットは、商用電源の遮断時にも第2の光源が点灯され、制御部は商用電源の遮断を検出すると、昇降装置を駆動させるようになっているので地震またはその他の理由により商用電源からの電力供給が遮断された場合でも点灯ユニットを点灯、降下させることができる。
【0030】
請求項4記載の発明によれば、点灯ユニットに内蔵され、常時は商用電源から充電されて前記第2の光源の電源として機能する二次電池を備えることによって、停電時でも点灯ユニットを点灯させることができる。
【0031】
請求項5記載の発明によれば、点灯ユニットと、昇降装置とを着脱可能な着脱機構を備えることで、避難の際に、点灯ユニットを独立した光源として持ち運び、手元を照らすことができる。
【0032】
請求項6記載の発明によれば、点灯ユニットは、感震センサの動作又は商用電源の遮断時に下降する点灯ユニット部分を、器具本体側から照射する補助光源部を有することで、避難者が下降する点灯ユニットに誤ってぶつかってしまうなどの事故を防止できる。また、点灯ユニットを独立した光源として持ち運ぶ際の点灯ユニットと、昇降装置との着脱作業を円滑におこなうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例の照明器具の分解斜視図である。図2は図1の照明器具を一部透視して示す平面図である。図3は第1実施例のLED点灯ユニットを下方より見た斜視図である。図4は第1実施例のLED点灯ユニットの内部構成を示すブロック図である。図5はリモコンの一例を示す平面図である。図6は第1実施例のLED点灯ユニット降下時の状態を一部透視して示す平面図である。図7は第2実施例のLED点灯ユニットを下方より見た斜視図である。図8は第2実施例のLED点灯ユニットの降下時の状態を下方より見た斜視図である。図9は第2実施例のLED点灯ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【0034】
〔第1実施例〕
図1及び図2に示すように、この第1実施例の照明器具1は、器具本体2、第1の光源としての蛍光ランプ3、第2の光源としての発光ダイオード(以下LEDと略す)LEDを備えたLED点灯ユニット4及びセード5及びリモコン20を有する照明器具である。照明器具1は、アダプタ6を介して引掛けシーリング7に固定されている。
【0035】
引掛けシーリング7は、部屋の天井に着脱自在に固定されている。アダプタ6は、引掛けシーリング7の爪部に係止して固定されている。アダプタ6には、器具本体2がビス止めなどにより取り付けられている。
【0036】
器具本体2は、略円盤状のシャーシ8と複数の蛍光ランプ3取り付け用のホルダー9と点灯回路16(図4参照)などから構成されている。
【0037】
ホルダー9には、蛍光ランプ3が取り付けられている。
シャーシ8の中央部、つまり器具本体2の中央部にはLED点灯ユニット4を装着するための凹部10が設けられている。シャーシ8の下面側には、点灯回路16を収容した点灯回路収容部2aが同心的に固定されている。
【0038】
点灯回路収容部2aの下面には、シャーシ8の中心からほぼ等距離でかつ所定間隔を隔ててホルダー9が環状に配設されている。
【0039】
凹部10の近傍には、リモコン受光部11が設けられている。リモコン受光部11は、リモコン20から発行された赤外線通信の動作コマンドを受信する。動作コマンドは、例えば照明の点消灯、調光、昇降などを行うためのコマンドである。
【0040】
セード5は、点灯回路収容部2aの下面側に蛍光ランプ3を覆うように取付けられている。セード5の中央部には、LED点灯ユニット4のランプ部13を通すための孔5aが穿設されている。
LED点灯ユニット4は、この孔5aを通じてセード5よりわずかに突出するようにシャーシ8から吊り下げられて凹部10の位置に装着される。
【0041】
LED点灯ユニット4は、図3に示すように、略円筒状の筐体12とこの筐体12に嵌合し脱着可能に取付けられるランプ部13とを有している。ランプ部13の下面側には、補助光源部14が挿設されている。
【0042】
LED点灯ユニット4の筐体12の内部及びランプ部13の内部には、図4に示すように、商用電源に接続された感震検知動作を行う感震センサ15と、ランプ部13の補助光源部14を点灯させる点灯回路16と、充電回路18と、この充電回路18からの電源供給により充電される二次電池19とスイッチ39と、ランプ部13を昇降する昇降機構40の一部が収容されている。
【0043】
昇降機構40は、モータ41、巻き取り部42、吊り下げ部材43、着脱機構としてのジョンイント部44などを有している。
【0044】
モータ41は、点灯回路16により制御されて、回転軸41aの回転方向が変えられる。巻き取り部42は、モータ41の回転軸41aに支持された、例えばリールのようなものであり、吊り下げ部材43の一端が固着されている。
【0045】
すなわち、モータ41が駆動されることで巻き取り部42が吊り下げ部材43を巻上げ及び巻き下げるので、ランプ部13が昇降される。
【0046】
吊り下げ部材43は、商用電源を二次電池19へ供給する電源供給線及び点灯回路16からの制御信号を伝達するための信号線などを備えた集合ケーブルであり、そのケーブルの一端が巻き取り部42に固着され、他端は器具本体2の所定の個所に固着されている。
【0047】
また、吊り下げ部材43の、LED点灯ユニット4の近傍の側には、ジョイント部44が設けられている。
【0048】
ジョンイント部44は、ランプ部13を吊り下げ部材43より取外してランプ部13を持運べるようにするものであり、係止機能と電源供給機能を併せ持つように、オスコネクタ44a及びメスコネクタ44bにより構成されている。係止機能の一部に磁石等を用いてもよい。ジョイント部44は、緊急時に容易に取り外せるようコネクタ44a、44bで構成したが、磁石などを利用してもよい。
【0049】
なお、この実施例ではジョイント部44にオスコネクタ44aとメスコネクタ44bを用いたが、吊り下げ部材43とランプ部13とを着脱自在にできる機構ならば、これ以外の機構でもよく、特に機構には限定されず、例えばバックルなどを用いることができる。
【0050】
感震センサ15は、地震の振動を検知して検知信号を点灯回路16へ出力する。
【0051】
点灯回路16は、感震センサ15から検知信号を受信してスイッチ39をオンにする。
【0052】
スイッチ39は、点灯回路16からの制御信号によりオンし、二次電池19の電力を補助光源部14に供給する。補助光源部14は、電力の供給により点灯する。
【0053】
また点灯回路16は、モータ41を駆動させLED点灯ユニット4のランプ部13を降下させる。点灯回路16は、シャーシ8に設置されているリモコン受光部11と配線により接続されている。
【0054】
すなわち、点灯回路16は、感震センサ15の動作時または停電時に二次電池19の電力をランプ部13に給電して補助光源部14を点灯させる制御部として機能する。
【0055】
なお、この実施例では、昇降機構40の一部をLED点灯ユニット4の筐体12内に設けたがこの位置以外に、例えば器具本体2側に設けてもよい。
【0056】
LED点灯ユニット4は、地震発生時または停電時には非常灯として点灯されるが、常時は常夜灯として使用してもよい。またLED点灯ユニット4は、部屋の雰囲気を演出するスポットライトとしても使用してもよい。
【0057】
また、LED点灯ユニット4は、調光制御することで光の強弱のみではなく色も使用者の好みに応じて変更できる。
【0058】
リモコン20は、蛍光ランプ3、LED点灯ユニット4の入切及び吊り下げ部材43の昇降の各種操作を行うためのものである。
【0059】
リモコン20は、図5に示すように、外形が矩形状をなしており、操作面21を有している。操作面21には、現在の設定を表示する表示窓22と、各種操作用の釦が配設されている。
【0060】
釦は、蛍光ランプ3を入切させるための主電源釦23、LED点灯ユニット4を入切させるための補助電源釦24、昇降機構40作動時にランプ部13が降下を終える高さを調整する高さ調整釦25、ランプ部13が降下する早さを調整する速さ調整釦26,26、震度が一定以上の強さになった時のみ昇降装置が駆動するような設定が可能な震度調整釦27などである。
【0061】
また、リモコン20の表示窓22近傍には赤外線を発光する送信窓28が配設されている。この送信窓28から発信された赤外線のコマンドが、器具本体2に設けられたリモコン受光部11で受光される。
【0062】
なお、リモコン20の形状、機能はこの実施例に限定されるものではなく、少なくとも主光源の入切釦及び高さ調整釦25が配設されていれば、任意の形状、機能を持たせることができる。
【0063】
ここで、図4及び図6を参照して感震時のランプ部13の降下動作を説明する。
図6に示すように、LED点灯ユニット4の筐体12に内蔵された感震センサ15が地震を検知すると、検知信号が点灯回路16に入力される。
【0064】
検知信号の入力により点灯回路16は、モータ41を駆動させて吊り下げ部材43を巻き下げ、結果的に吊り下げ部材43の一端にジョイント部44を介在させて取付けられているランプ部13を降下させる。
【0065】
常時及び降下時にジョイント部44が結合されていれば、器具本体2からの電源が電源供給線を通じてLED点灯ユニット4の感震センサ15、点灯回路16及びモータ41に供給されるが、降下動作により所定の位置まで降下したランプ部13が人によって取り外されると、ランプ部13への電源供給が停止されるが、ランプ部13内部に設けられた二次電池19からの電源供給によりランプ部13の点灯が継続される。
【0066】
したがって、地震発生時に部屋の照明が消えることなく、避難者は、ランプ部13を持って、行く先を照らしつつ非難することができる。
【0067】
このように第1実施例の点灯器具1によれば、感震センサ15が地震を検知した際、LED点灯ユニット4に装着されたランプ部13が点灯し部屋を照明できる。また、点灯回路16が昇降機構40を駆動させランプ部13を避難者の手の届く位置まで降下させるので避難者の任意の場所を照明できる。
【0068】
ジョイント部44を設けたことで、器具本体2と、降下したランプ部13とはジョイント部44から取外し可能なので、避難者は、降下したランプ部13を取外してランプ部13を持ち運ぶことができ、行く先を照らしながら安全に避難することができる。
【0069】
次に、図7乃至図9を参照して第2実施例の点灯器具1について説明する。
〔第2実施例〕
この第2実施例の点灯器具1は、第1実施例のLED点灯ユニット4の構造を変形させた変形例である。
【0070】
すなわち、図7及び図8に示すように、LED点灯ユニット29は、筐体30とランプ部31aとランプ部31bとから構成されている。
【0071】
ランプ部31aは、筐体30の内側に嵌合するように装着されている。ランプ部31aは、筐体30内に設置されている昇降機構40(図9参照)及び吊り下げ部材43により昇降可能とされ、筐体30から着脱自在である。
【0072】
ランプ部31bは、筐体30下面縁部に突設される突設片31cと、この突設片31c下面に設けられるLEDなどの補助光源部34とから構成されている。
【0073】
補助光源部34は、照明方向を下方に向けて設けられており、昇降機構40の動作時にランプ部31aを上方より照明可能である。
【0074】
図9に示すように、筐体30には、感震センサ15、点灯回路16、充電回路18、昇降機構40の一部が収容されている。ランプ部31aには、二次電池35、スイッチ37、LEDなどの補助光源部33が設けられている。ランプ部31bには、二次電池36、スイッチ38、補助光源部34が設けられている。
【0075】
二次電池35は、充電回路18から供給された電源により充電される。スイッチ37は、点灯回路16からの制御信号によりオンし、二次電池35の電力を補助光源部33に供給する。補助光源部33は、電力の供給により点灯する。
【0076】
二次電池36は、充電回路18から供給された電源により充電される。スイッチ38は、点灯回路16からの制御信号によりオンし、二次電池36の電力を補助光源部34に供給する。補助光源部34は、電力の供給により点灯する。
【0077】
昇降機構40は、点灯回路16からの制御によりモータ41を駆動して吊り下げ部材43を巻き下げまたは巻き上げてランプ部31aを昇降させる。感震検知時に点灯回路16は、それまでの点灯状態にかかわらずランプ部31a,31bを点灯させるとともに、モータ41を駆動して吊り下げ部材43を巻き下げてランプ部31aを所定の位置(高さ)まで降下させる。
【0078】
器具そのものの構造は、第1実施例と同じであり、図4と対応する構成に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0079】
なお、この実施例ではランプ部31bを筐体30下面縁部に設けたが、ランプ部31bの設置個所は限定されるものではなく、ランプ部31aの降下時にランプ部31aを上方より照明可能ならば任意の個所に設置できる。
【0080】
第2実施例の点灯器具の場合、昇降機構40が動作したときには、ランプ部31bは、筐体30に固定されて下方を照明し、ランプ部31aが下降または上昇される。例えば地震検知時には、ランプ部31bは、照明器具の下方を照明する補助光源として機能し、ランプ部31aは、降下されて、人によって取り外されることで、任意の個所を照明する光源として機能する。
【0081】
このように第2実施例の点灯器具によれば、感震センサ15が地震を検知した際、2つのランプ部31a,31bが同時に点灯し、ランプ部31aのみが降下して取り外せるので、2つのランプ部31a,31bを別々の用途で利用することができる。
【0082】
地震検知によりランプ部31aが所定位置、例えば避難者の手の届く位置まで降下されても、ランプ部31bは、天井にある器具本体2に固定されたままの位置で下方を照明する。すなわち避難者が暗闇でもランプ部31aの位置を容易に確認できるので降下されたランプ部31aに誤ってぶつかってしまうことが無い。
【0083】
さらに、ランプ部31aを携帯する際、避難者はランプ部31bの照明によって手元が明るい状態でランプ部31aを昇降装置より取り外すことができる。
すなわちランプ部31aを迅速に携帯して安全に避難することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1実施例の照明器具の分解斜視図。
【図2】図1の照明器具を一部透視して示す平面図。
【図3】第1実施例のLED点灯ユニットを下方より見た斜視図。
【図4】第1実施例のLED点灯ユニットの内部構成を示すブロック図。
【図5】リモコンの一例を示す平面図。
【図6】第1実施例のLED点灯ユニット降下時の状態を一部透視して示す平面図。
【図7】第2実施例のLED点灯ユニットを下方より見た斜視図。
【図8】第2実施例のLED点灯ユニットの降下時の状態を下方より見た斜視図。
【図9】第2実施例のLED点灯ユニットの内部構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0085】
1…照明器具、2…器具本体、2a…点灯回路収容部、3…蛍光ランプ、4…LED点灯ユニット、5…セード、5a…孔、6…アダプタ、7…引掛けシーリング、8…シャーシ、9…ホルダー、10…凹部、11…リモコン受光部、12…筐体、13…ランプ部、14,33,34…補助光源部(LED)、15…感震センサ、16…点灯回路、18…充電回路、19,35,36…二次電池、40…昇降機構、41…モータ、42…巻き取り部、43…吊り下げ部材、44…ジョンイント部、44a…オスコネクタ、44b…メスコネクタ、20…リモコン、21…操作面、22…表示窓、23…主電源釦、24…補助電源釦、25…高さ調整釦、26,26…速さ調整釦、27…震度調整釦、28…送信窓、29…LED点灯ユニット、30…筐体、31a,31b…ランプ部、31c…突設片、37,38,39…スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源を有する器具本体と;
感震センサと該感震センサの動作により点灯する第2の光源とを有する点灯ユニットと;
該点灯ユニットの少なくとも第2の光源及び、第2の光源の点灯手段を前記器具本体より昇降させる昇降装置と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記感震センサの感震検知により、前記昇降装置を駆動させる制御部を具備することを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記点灯ユニットは、商用電源の遮断時にも第2の光源が点灯するようになっているとともに、前記制御部は商用電源の遮断を検出すると、前記昇降装置を駆動させるようになっていることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の照明器具。
【請求項4】
前記点灯ユニットに内蔵され、常時は商用電源から充電されて前記第2の光源の電源として機能する二次電池を具備することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の照明器具。
【請求項5】
前記点灯ユニットと前記昇降装置とを着脱可能な着脱機構を具備することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の照明器具。
【請求項6】
前記点灯ユニットは、感震センサの動作又は商用電源の遮断時に下降する点灯ユニット部分を、器具本体側から照射する補助光源部を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−287500(P2007−287500A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114079(P2006−114079)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【出願人】(303063643)東芝ホームライティング株式会社 (24)
【Fターム(参考)】