説明

照明器具

【課題】複数の常夜灯用LED及び受光素子の配置スペースをコンパクトにする。
【解決手段】リモコン信号による放電灯2の点灯制御を可能とする照明器具1において、放電灯2を保持する器具本体3に、放電灯を点灯制御する点灯回路の電子部品が実装された点灯回路基板5が絶縁板50を通じて固定されている。この点灯回路基板5には、リモコン信号を受信する受光素子6が実装され、この受光素子6の周囲には複数の常夜灯用LED7・・・のそれぞれが実装されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコン信号による放電灯の点灯制御を可能とする照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リモコン信号による放電灯の点灯制御を可能とする従来の照明器具として、特許文献1に開示されているようなものがある。この特許文献1の照明器具は、リモコン制御信号(リモコン信号)を受信する受光素子と、この受光素子とは別の位置に設けられて保安灯となる集合型のLED(複数の常夜灯用LED)とを有する照明器具用リモコンユニットを装備している。
【特許文献1】特開2003−162920号公報(段落0006及び第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような照明器具では、例えば点灯回路(インバータ基板)などに発熱部品が実装されており、他の部品と比べて使用保証温度の低い受光素子を発熱部品から離隔して実装する必要がある。
【0004】
しかしながら、従来の照明器具には、複数の常夜灯用LEDと受光素子とが別々の位置に実装されているので、配置スペースが大きくなってしまうという問題があった。これにより、複数の常夜灯用LED及び受光素子を発熱部品から十分に隔離させることができなかった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、複数の常夜灯用LED及び受光素子の配置スペースをコンパクトにすることができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、リモコン信号による放電灯の点灯制御を可能とする照明器具であって、前記放電灯を保持する器具本体と、前記器具本体に設けられる基板と、前記基板に実装されて前記リモコン信号を受光する受光素子と、それぞれが前記基板のうち前記受光素子の周囲に実装される複数の常夜灯用LEDとを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記基板が、前記放電灯を点灯制御する点灯回路の電子部品が実装された点灯回路基板であることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記放電灯が環状ランプであり、前記器具本体に設けられて前記環状ランプの口金を装着するソケットを備え、前記受光素子が前記器具本体の中心と前記ソケットとの間に配置されることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項の発明において、前記器具本体が円板状に形成され、当該器具本体が、建築物の配線器具への取付用に設けられた長円状の取付部を有し、前記複数の常夜灯用LED及び前記受光素子が前記取付部の短手方向の外方に配置されることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項の発明において、前記複数の常夜灯用LED及び前記受光素子の先端側に開口が形成され当該複数の常夜灯用LED及び当該受光素子を内側に取り囲む包囲部材を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記受光素子が先端に受光面を有し、前記基板の実装面の法線方向から見て前記受光面が内部に位置するように当該受光面の先端側に設けられ、当該内部を介して前記リモコン信号を当該受光面に伝達させる筒部を有する採光用部材を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記採光用部材が、前記基板の実装面の法線方向から見て前記包囲部材の中央に配置されることを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、請求項6又は7の発明において、前記採光用部材が、前記筒部の前記基板側に前記受光素子を収納する収納部を有することを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明は、請求項5乃至8のいずれか1項の発明において、前記包囲部材の前記開口に覆設される絶縁カバーを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、複数の常夜灯用LEDが受光素子の周囲に配置されることによって、複数の常夜灯用LEDと受光素子が別々に配置される場合と比べて、複数の常夜灯用LED及び受光素子の配置スペースをコンパクトにすることができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、複数の常夜灯用LED及び受光素子と点灯回路の電子部品とが同一基板に実装されるので、複数の常夜灯用LED及び受光素子と点灯回路の電子部品とを電気的に接続する例えばコネクタや電線などの接続部品を削減することができるとともに、複数の常夜灯用LED、受光素子及び点灯回路の電子部品を高密度に実装することを可能とする。
【0017】
請求項3の発明によれば、ソケットに装着される環状ランプの口金にはランプ発光体がなく、リモコン信号に対する光ノイズが少ないので、このような環状ランプの口金と器具本体の中心との間に受光素子が配置されることによって、他のスペースに受光素子が配置される場合と比べて、受光素子におけるリモコン信号の受光性能を向上させることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、円板状の器具本体において、取付部の長手方向と比べて大きなスペースを有する取付部の短手方向の外方に複数の常夜灯用LED及び受光素子が配置されることによって、スペースを有効に利用することができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、包囲部材によって、例えば発熱部品などの他の電子部品から発生する熱を遮断することができるので、複数の常夜灯用LED及び受光素子に伝達する熱を低減することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、受光素子が受光面で基板の実装面の法線方向からの光を主に受光することができるので、例えば受光素子に内蔵されている光学フィルタを効果的に作用させることができるなど、受光素子におけるリモコン信号の受光性能を十分に発揮させることができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、採光用部材が包囲部材の中央に配置されることによって、それぞれの常夜灯用LEDから外部に放射される光に対して採光用部材の影響を小さくすることができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、採光用部材が受光素子を収納することによって、受光素子の受光面をそれぞれの常夜灯用LEDと隔離することができるので、それぞれの常夜灯用LEDから放射されて包囲部材で乱反射した光による光ノイズを低減することができ、受光素子におけるリモコン信号の受光性能をより向上させることができる。
【0023】
請求項9の発明によれば、包囲部材の開口を絶縁カバーが覆うことによって、ユーザが複数の常夜灯用LED及び受光素子に誤って触れる可能性を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る照明器具の構成について図1〜4を用いて説明する。この照明器具1は、図1に示すように、リモコン送信器(図示せず)からのリモコン信号による放電灯2の点灯制御を可能とするものであり、放電灯2を上面側で保持する器具本体3と、器具本体3の上面側に配置される反射板4と、放電灯2を点灯制御する点灯回路の電子部品(例えば発熱部品51など)が実装された点灯回路基板(インバータ基板)5と、点灯回路基板5に実装されてリモコン信号を受光する受光素子6と、それぞれが点灯回路基板5のうち受光素子6の周囲に実装された複数の常夜灯用LED7・・・と、複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6を内側に取り囲む保護ケース8と、保護ケース8の開口80に覆設される絶縁カバー9とを備えている。また、図示していないが、照明器具1は、例えば部屋などの建築物の天井面に設置され例えば商用電源などの外部電源と接続する例えば引掛ローゼットや引掛シーリングなどの配線器具に係合する例えば引掛ローゼットアダプタや引掛シーリングアダプタなどの取付アダプタと、例えば細長い金属板などで形成され放電灯2を支持するランプ支持具と、放電灯2を収納して器具本体3の上面側全体を覆い被せるようにして取り付けられるグローブとをも備える。グローブは、例えばアクリル樹脂など乳白色の透過拡散性を有する樹脂材料で形成されたものである。このような構成の照明器具1は、配線器具(図示せず)が設置されている天井面(図示せず)に、器具本体3の上面が地面と対向するように設置される。
【0025】
リモコン送信器(図示せず)からのリモコン信号は赤外線信号である。このリモコン信号の波長帯域は赤外線の波長帯域であれば限定されるものではなく、実施形態1では945nmとしている。
【0026】
放電灯2は例えば二重環状タイプの蛍光灯などの環状ランプであり、電極部(図示せず)を内蔵する口金20を備え、器具本体3に同心円状に取り付けられる。この器具本体3に取り付けられる放電灯2は、口金20で点灯回路基板5の点灯回路と電気的に接続し、この点灯回路から電力が供給されると点灯する。また、口金20の近傍にはランプ発光体がなくランプ光量が少ないため、光ノイズが他の場所より小さい。なお、放電灯2は二重環状タイプのものに限定されるものではなく、1本の環状タイプのものであってもよい。
【0027】
器具本体3は例えば金属板などで円板状に形成されたものであり、円状の底面部30と、底面部30の外縁から上方に延設された段差部31と、段差部31の外縁から外方に延設された円環部32と、円環部32の外縁から上方に延設された筒状の端部33とを一体に備えている。底面部30の中央には、建築物の配線器具(図示せず)への取付用に設けられた長円状(小判状)の取付部34が設けられている。この取付部34には、円状の開口35が中央に形成され、この開口35の周囲に1対の孔部36,36(図2参照)が形成されている。円環部32には、グローブに設けられた突出部(図示せず)と係合するための3つの係合部37,37,37(図2参照)が同一円上に等間隔で設けられている。上記それぞれの係合部37がグローブの突出部と係合することによって、グローブが器具本体3に取り付けられる。また、底面部30の上面には、放電灯2を装着するソケット38が設けられ、器具本体3はソケット38を通じて放電灯2を上面側で保持する。このソケット38は電線(図示せず)を介して点灯回路基板5の点灯回路と電気的に接続する。
【0028】
反射板4は例えば金属板などで形成されたものであり、円錐台状の主要部40と、主要部40の外縁から外方に延設された円環部41とを一体に備えている。主要部40には、長円状(小判状)の開口42が中央に形成され、開口42の短手方向の外方に、保護ケース8が嵌め込まれる長方形状の開口43が形成され、さらに外縁に、ソケット38が挿入される開口44が形成されている。つまり、開口43は、器具本体3の中心とソケット38との間に形成されていることになる。
【0029】
点灯回路基板5は絶縁板50によって器具本体3の上面側に固定されるものである。この点灯回路基板5上に構成されている点灯回路は、取付アダプタ(図示せず)を介して外部電源(図示せず)から電力が供給され、受光素子6からのリモコン信号に基づいて放電灯2及び複数の常夜灯用LED7・・・を点灯制御する。なお、点灯回路を構成する電子部品には発熱部品51が含まれている。
【0030】
絶縁板50は樹脂成型され、器具本体3の底面部30に取り付けられるものであり、長円状の開口500が形成された底面部501と、開口500の外縁から上方に延設された長円状の内壁部502と、底面部501の外縁から上方に延設された外壁部503と、底面部501の複数箇所から上方に突出して設けられた複数の係合部504・・・とを一体に備えている。この絶縁板50は、複数の係合部504・・・が点灯回路基板5の外縁と係止することによって、点灯回路基板5を固定する。
【0031】
受光素子6は先端に受光面60を備え(図3参照)、樹脂成型されたケース61に収納された状態で、器具本体3の中心とソケット38との間に配置されると同時に、複数の常夜灯用LED7・・・とともに、取付部34の短手方向の外方に配置されるようにして、点灯回路基板5に実装されている。このように実装された受光素子6は、リモコン送信器(図示せず)から送信されたリモコン信号を受光し、受光したリモコン信号を、点灯回路基板5に構成されている点灯回路に出力する。ここで、受光素子6におけるリモコン信号の受光性能は、リモコン送信器(図示せず)からのリモコン信号レベルと光ノイズレベルとの信号レベル比で表される。この信号レベル比が大きいほうが、リモコン信号の受光性能が良好といえる。なお、放電灯2の口金20にはランプ発光体がなく光ノイズが小さくなることから、受光素子6は器具本体3の中心とソケット38との間の中でもできるだけソケット38側に配置されるほうが好ましい。
【0032】
複数の常夜灯用LED7・・・のそれぞれは、互いに受光素子6からの距離を等しくして受光素子6の周囲に配置されている。つまり、それぞれの常夜灯用LED7は、受光素子6を中心とする同一円上に配置されていることになる。これにより、照明器具1は、それぞれの常夜灯用LED7からの光を反射板4の開口43を介して均一に配光することができる。
【0033】
それぞれの常夜灯用LED7は波長580nm以上600nm以下の光を放射する。この波長範囲とリモコン信号の波長(945nm)とは300nm以上も離れており、互いに干渉することを低減可能な波長差である。これにより、受光素子6がそれぞれの常夜灯用LED7からの光をリモコン信号と誤って認識することを低減することができる。
【0034】
保護ケース8は、断熱効果を有する例えばポリプロピレンなどの樹脂材料で直方体状に成型されたものであり、長手方向の一端側に上端から下端まで貫通する開口80が形成され、長手方向の他端側に開口81が形成されている。この保護ケース8は、図3に示すように、開口80の点灯回路基板5側の下端と点灯回路基板5との間に隙間を空けて取り付けられている。これにより、保護ケース8に上からの力が加わった場合であっても、点灯回路基板5に応力がかからないようにすることができる。隙間の間隔は限定されるものではないが、実施形態1では光が漏れない点から1mm程度としている。
【0035】
点灯回路基板5に取り付けられた保護ケース8は、図1に示すように、長手方向の一端側で複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6を内側に取り囲み、それぞれの常夜灯用LED7からの光を開口80から外部に放射させるための包囲部材82としての機能を有する。これにより、複数の常夜灯用LED7・・・を発熱部品51から隔離することができる。一方、保護ケース8は長手方向の他端側で操作用スイッチ52を取り囲み、操作スペース部83としての機能を有する。
【0036】
このような保護ケース8がないとそれぞれの常夜灯用LED7からの光が拡散してしまい、グローブ(図示せず)に到達するまでに障害物があると、グローブに投影される形状がいびつになってしまうが、実施形態1のように保護ケース8を備えることによって、光の広がる範囲を制限し、グローブに投影されるシルエットを美しくすることができる。
【0037】
ところで、保護ケース8の色は、光が反射しやすい例えば白色などの色である。これにより、内側に取り囲んでいる複数の常夜灯用LED7・・・のそれぞれからの光を開口80より外部に放射しやすくすることができる。また、保護ケース8の樹脂材料としてさらに好ましいものは、可視領域から赤外線領域までの波長の光に対して透過率の低い樹脂材料である。
【0038】
また、保護ケース8には、図3に示すように、点灯回路基板5の実装面の法線方向から見て開口80の中央に配置された採光用部材84が設けられている。上記のように採光用部材84が開口80の中央に配置されることで、複数の常夜灯用LED7・・・から配光される光の均一性を阻害することがない。この採光用部材84は、点灯回路基板5の実装面の法線方向から見て受光面60が内部に位置するように上記受光面60の先端側(図3の上側)に設けられた筒部840と、筒部840の点灯回路基板5側(図3の下側)に延設され受光素子6を収納する収納部841とを一体に備えている。図4には採光用部材84の斜視図を示している。このような構成の採光用部材84は、図3に示すように、収納部841の点灯回路基板5側(図3の下側)の端部が受光面60より点灯回路基板5側に位置し、この端部と点灯回路基板5との間に隙間を空けて取り付けられている。これにより、保護ケース8に上からの力が加わった場合であっても、点灯回路基板5に応力がかからないようにすることができる。隙間の間隔は限定されるものではないが、実施形態1では光が漏れない点から1mm程度としている。このようにして取り付けられた採光用部材84は筒部840の内部を介してリモコン信号を受光面60に伝達させる。
【0039】
絶縁カバー9は、表面がすりガラス状又はガラス状に処理された拡散用のものであり、図1に示すように、保護ケース8の開口80に覆設されることによって、保護ケース8の内部から放射された複数の常夜灯用LED7・・・の光を拡散し、より均一な光とする。これにより、部屋全体をぼやっと照らし出すようなやわらかい光にすることができる。一方、絶縁カバー9は外部からのリモコン信号を集光させることができるので、グローブ(図示せず)の種類に影響することなく、受光素子6におけるリモコン信号の受光性能を安定させることができる。さらに、絶縁カバー9が開口80に覆設されることによって、ユーザが容易に複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6に触れることができないようにすることができる。
【0040】
以上、実施形態1によれば、複数の常夜灯用LED7・・・が受光素子6の周囲に配置されることによって、複数の常夜灯用LED7・・・と受光素子6が別々に配置される場合と比べて、複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6の配置スペースをコンパクトにすることができる。また、複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6と点灯回路の電子部品とが同一基板(点灯回路基板5)に実装されるので、複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6と点灯回路の電子部品とを電気的に接続する例えばコネクタや電線などの接続部品を削減することができるとともに、複数の常夜灯用LED7・・・、受光素子6及び点灯回路の電子部品を高密度に実装することを可能とする。
【0041】
環状ランプである放電灯2において、ソケット38に装着される口金20にはランプ発光体がなく、リモコン信号に対する光ノイズが少ないので、このような放電灯2の口金20と器具本体3の中心との間に受光素子6が配置されることによって、他のスペースに受光素子6が配置される場合と比べて、受光素子6におけるリモコン信号の受光性能を向上させることができる。また、円板状の器具本体3において、取付部34の長手方向と比べて大きなスペースを有する取付部34の短手方向の外方に複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6が配置されることによって、スペースを有効に利用することができる。
【0042】
保護ケース8によって、複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6が取り囲まれ、発熱部品51から発生する熱を遮断することができるので、複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6に伝達する熱を低減することができる。また、保護ケース8の内部に採光用部材84が設けられることによって、受光素子6が受光面60で点灯回路基板5の実装面の法線方向からの光を主に受光することができるので、例えば受光素子6に内蔵されている光学フィルタ(図示せず)などを効果的に作用させることができるなど、受光素子6におけるリモコン信号の受光性能を十分に発揮させることができる。
【0043】
採光用部材84が包囲部材82の中央に配置されることによって、それぞれの常夜灯用LED7から外部に放射される光に対して採光用部材84の影響を小さくすることができる。また、採光用部材84が受光素子6を収納することによって、受光素子6の受光面60をそれぞれの常夜灯用LED7と隔離することができるので、それぞれの常夜灯用LED7から放射されて包囲部材82で乱反射した光による光ノイズを低減することができ、受光素子6におけるリモコン信号の受光性能をより向上させることができる。
【0044】
保護ケース8の一端側にある包囲部材82の開口80を絶縁カバー9が覆うことによって、ユーザが複数の常夜灯用LED7・・・及び受光素子6に誤って触れる可能性を低減することができる。
【0045】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る照明器具の構成について図5を用いて説明する。この照明器具1aは、実施形態1の照明器具1(図1参照)と同様に、器具本体3と、反射板4と、点灯回路基板5と、絶縁カバー9とを備えているが、実施形態1の照明器具1にはない以下に記載の特徴部分を有する。
【0046】
実施形態2の照明器具1aは、図5に示すように、点灯回路基板5において実施形態1の受光素子よりも器具本体3の中心側に実装された受光素子6と、受光素子6の周囲のうち片側のみに実装された複数の常夜灯用LED7・・・とを備えている。つまり、それぞれの常夜灯用LED7は受光素子6を中心とする同一円上に扇状に実装された構成である。なお、実施形態2の受光素子6及び複数の常夜灯用LED7・・・は上記以外の点において実施形態1の受光素子及び複数の常夜灯用LEDと同様である。
【0047】
実施形態2の保護ケースは図示されていないが、複数の常夜灯用LED7・・・を内側に取り囲み、さらに受光素子6を内側に取り囲むように採光用部材が設けられている。なお、実施形態2の保護ケースは上記以外の点において実施形態1の保護ケース8(図1参照)と同様である。
【0048】
以上、実施形態2においても、実施形態1と同様の効果を奏することができるとともに、受光素子6が、実施形態1のように複数の常夜灯用LEDの内側に囲まれて実装された場合と比べて、より器具本体3の中心側に実装されて設けられているので、リモコン信号をより受光しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
【図2】同上に係る照明器具の要部を示す断面図である。
【図3】同上に係る照明器具の平面図である。
【図4】同上に係る採光用部材の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る照明器具の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1,1a 照明器具
2 放電灯
3 器具本体
34 取付部
38 ソケット
5 点灯回路基板
50 絶縁板
6 受光素子
60 受光面
7 常夜灯用LED
8 保護ケース
80 開口
82 包囲部材
84 採光用部材
840 筒部
841 収納部
9 絶縁カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモコン信号による放電灯の点灯制御を可能とする照明器具であって、
前記放電灯を保持する器具本体と、
前記器具本体に設けられる基板と、
前記基板に実装されて前記リモコン信号を受光する受光素子と、
それぞれが前記基板のうち前記受光素子の周囲に実装される複数の常夜灯用LEDと
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記基板が、前記放電灯を点灯制御する点灯回路の電子部品が実装された点灯回路基板であることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記放電灯が環状ランプであり、
前記器具本体に設けられて前記環状ランプの口金を装着するソケットを備え、
前記受光素子が前記器具本体の中心と前記ソケットとの間に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記器具本体が円板状に形成され、当該器具本体が、建築物の配線器具への取付用に設けられた長円状の取付部を有し、
前記複数の常夜灯用LED及び前記受光素子が前記取付部の短手方向の外方に配置される
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記複数の常夜灯用LED及び前記受光素子の先端側に開口が形成され当該複数の常夜灯用LED及び当該受光素子を内側に取り囲む包囲部材を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記受光素子が先端に受光面を有し、
前記基板の実装面の法線方向から見て前記受光面が内部に位置するように当該受光面の先端側に設けられ、当該内部を介して前記リモコン信号を当該受光面に伝達させる筒部を有する採光用部材を備える
ことを特徴とする請求項5記載の照明器具。
【請求項7】
前記採光用部材が、前記基板の実装面の法線方向から見て前記包囲部材の中央に配置されることを特徴とする請求項6記載の照明器具。
【請求項8】
前記採光用部材が、前記筒部の前記基板側に前記受光素子を収納する収納部を有することを特徴とする請求項6又は7記載の照明器具。
【請求項9】
前記包囲部材の前記開口に覆設される絶縁カバーを備えることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−98116(P2008−98116A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281803(P2006−281803)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【出願人】(392000567)朝日松下電工株式会社 (100)
【Fターム(参考)】