照明器具
【課題】渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具において大型化を招くことなく補助光源部を設けることができる照明器具を提供する。
【解決手段】管状の放電路が長手方向中央部411を始点として同一平面に沿って渦巻状に旋回された発光管41を有する渦巻状蛍光ランプ40を用いるので、面発光で均一な照明光を得ることができる。また、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所に補助光源部36を設けたので、スペースを有効活用でき、器具本体20の大型化および照明器具10の大型化を回避できる。
【解決手段】管状の放電路が長手方向中央部411を始点として同一平面に沿って渦巻状に旋回された発光管41を有する渦巻状蛍光ランプ40を用いるので、面発光で均一な照明光を得ることができる。また、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所に補助光源部36を設けたので、スペースを有効活用でき、器具本体20の大型化および照明器具10の大型化を回避できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井面に取り付けられ、渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、天井面に取り付けられ、渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具が知られている(例えば特許文献1参照)。
図15に示すように、特許文献1に記載の照明器具100は、天井や壁等の壁面101に固定して使用するものであり、例えば矩形箱状の器具本体102と、器具本体102の前面開口を覆う透明あるいは半透明の樹脂等からなるパネル103を有している。器具本体102の底板104には、一方の端部寄りに商用交流電源(図示省略)に接続されている点灯装置105等の電気部品が取付けられており、点灯装置105等を覆うとともにパネル103を取付けるための取付板106が設けられている。底板104の中央部および他方の端部よりには、渦巻状蛍光ランプ107の照明光をパネル103側に反射して照明効率を向上させる反射板108が設けられており、反射板108の上面に、渦巻状蛍光ランプ107を装着するための一対のランプソケット109,109が取付けられている。
【0003】
従って、渦巻状蛍光ランプ107の両端の口金111、111に設けられているランプピン112をランプソケット109に取り付けることにより、渦巻状蛍光ランプ107を装着する。
これにより、面発光で均一な照明光を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−176657号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、照明器具に補助光源を設ける場合、従来の環形蛍光ランプを用いた照明器具においては、環形蛍光ランプの内側の中央部分にスペースがあるため、この部分に補助光源を配置することが行われている。
しかしながら、前述した特許文献1に記載の照明器具のように渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具においては、渦巻状蛍光ランプの内側に設置スペースが確保できず、渦巻状蛍光ランプの外側に補助光源用の設置スペースを確保しなければならないため、照明器具の大型化を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具において大型化を招くことなく補助光源部を設けることができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明器具は、管状の放電路が長手方向中央部を始点として同一平面に沿って渦巻状に旋回された発光管と、発光管の両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、口金に設けられて発光管の旋回軸に対して直交する平面に沿って延びるランプピンと、を備える渦巻状蛍光ランプと、渦巻状蛍光ランプを搭載する器具本体と、を有し、器具本体におけるランプピンの延長方向で、かつ発光管が位置しない少なくとも一方の箇所に補助光源部を設けたものである。
【0008】
また、本発明の照明器具は、補助光源部からの光が渦巻状蛍光ランプへ照射されるのを防止する遮光部材を設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、スペースを有効活用でき、器具本体の大型化および照明器具の大型化を回避できるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施形態の照明器具の全体構成を示す分解斜視図
【図2】本発明に係る実施形態の照明器具の詳細な構成を示す分解斜視図
【図3】器具本体および渦巻状蛍光ランプを斜め下方から見た斜視図
【図4】器具本体と天井面との取付部の構造を示す断面図
【図5】(A)は器具本体と渦巻状蛍光ランプの斜視図,(B)は遮蔽板を開いた状態の拡大斜視図
【図6】アダプタに電源コネクタを装着した状態を示す拡大斜視図
【図7】ランプソケットの取り付け構造を示す斜視図
【図8】(A)はランプソケットを下方から見た底面図,(B)は(A)中B−B位置の断面図
【図9】リモコン受信器の向きを示す渦巻状蛍光ランプを装着した器具本体の側面図
【図10】(A)は渦巻状蛍光ランプを支持バネに装着した器具本体を斜め上方から見た斜視図、(B)は(A)中B部分の拡大図
【図11】(A)〜(C)は渦巻状蛍光ランプを支持バネに取り付ける状態を示す工程図
【図12】(A)は渦巻状蛍光ランプを別の支持バネに装着した器具本体を斜め上方から見た斜視図、(B)は(A)中B部分の拡大図
【図13】(A)は補助光源部の向きを示す渦巻状蛍光ランプを装着した器具本体の側面図、(B)は(A)中B方向から見た底面図
【図14】補助光源部および操作スイッチ部の分解斜視図
【図15】従来の渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態の照明器具10は、被取付部である天井面11に取り付けて使用することができる。すなわち、照明器具10は、天井面11に取り付けられ商用電源(図示省略)に接続されている配線器具としての例えば引っ掛けシーリング12にアダプタ13を介して取り付けられる器具本体20と、器具本体20に搭載される光源である渦巻状蛍光ランプ40と、渦巻状蛍光ランプ40を覆って器具本体20に着脱可能に装着される透光性の樹脂製のセード50を有する。
なお、以下の照明器具10の説明において、「上(面)側」は天井面11側を示し、「下(面)側」は照射方向を示すこととする。
【0012】
アダプタ13は、略円筒形状を呈しており、上面側には引掛シーリング12の栓刃挿通孔(図示省略)を挿通して引掛栓刃受け部(図示省略)に電気的に接続されて機械的に引掛保持される引掛栓刃部131が突設されている(図4参照)。また、アダプタ13の下面側には、照明器具10に電力を供給するために、後述する電源コネクタ29が接続可能なコネクタ挿入孔133を有する。なお、アダプタ13は、後述するホルダ23を外嵌して押し上げるだけで係止できる係止部(図示省略)を、外周面に有する。
【0013】
図3に示すように、渦巻状蛍光ランプ40は、管状の放電路が長手方向中央部411を始点すなわち旋回軸CLとして同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管41を有する。発光管41の中央部411は、その他の部分に比して太径となっており、最冷点となっている。発光管41の両端部にはそれぞれ口金42、42が取付けられており、両口金42は、発光管41の中央部411に対して、点対称の位置に設けられている。両口金42は、照射方向と反対側(図3中上側)の裏面に設けられたブリッジ43によって連結されている。また、各口金42には、発光管41の旋回軸CLに対して直交する平面に沿って延びる方向に一対のランプピン44,44が、一端を発光管41の軸方向に沿って突出して設けられており、他端は発光管41の内側端部に設けられているフィラメント(図示省略)に接続されている。
【0014】
図2に示すように、器具本体20は、金属製の円板状のベースプレート21を有しており、ベースプレート21の上面には、天井面11に取り付けた際に天井面11に当接して、振動を吸収するとともに一定の間隔を保持するために、例えばスポンジ212等の弾性部材が等間隔で3個以上貼り付けられている(図9および図10(A)参照)。
ベースプレート21の中央には下方へ凹んだ凹部22が設けられていて、凹部22の中央には開口221が設けられている。凹部22には、アダプタ13に取り付けることにより、器具本体20を天井面11に取り付けるためのホルダ23が取り付けられる。ホルダ23は中央に円筒形状のアダプタ取付部231を有し、取付部231の内面には係止溝(図示省略)が形成されている。また、アダプタ取付部231の外側にはベースプレート21に取り付けるための取付板232を有しており、ホルダ23をベースプレート21に取り付けた状態で、アダプタ取付部231は、開口221からベースプレート21の下方へ突出する。
【0015】
従って、引っ掛けシーリング12に取り付けられたアダプタ13をアダプタ取付部231の内部に挿入して、ホルダ23を押し上げることにより、アダプタ取付部231の係止溝がアダプタ13の係止部に係止されることにより、器具本体20はアダプタ13を介して天井面11に取り付けられる。
【0016】
ベースプレート21の下面の外周縁部には、セード50を着脱可能に装着するためのセード受け具211が、周方向に所定間隔で複数個(図3では3個)設けられている(図3参照)。一方、セード50の外周縁内側には、セード受け具211に係止される係止部(図示省略)がセード受け具211に対応して所定間隔で複数個設けられている。
従って、セード50を器具本体20へ取り付ける際は、セード50を回転させることにより係止部を器具本体20のセード受け具211に係止して取り付ける。また、セード50を外す際には、反対方向にセード50を回転させて、係止部をセード受け具211から外す。
【0017】
ベースプレート21の下面には、絶縁板24が設けられており、絶縁板24を介して点灯装置25、リモコン受信器26,制御基板27等の電気部品がベースプレート21に取り付けられる。ベースプレート21の下面には、絶縁板24および点灯装置25等の電気部品を内包する本体カバー28が取り付けられる。本体カバー28の下面は白色塗装されており、反射板としても機能する。なお、器具本体20という場合には、ベースプレート21から本体カバー28までを含んだものを意味する(図2参照)。
【0018】
図3および図5に示すように、本体カバー28の中央すなわち器具本体20における渦巻状蛍光ランプ40の中央部411の真上には、電源コネクタ29の着脱等の作業用の開口281が設けられており、開口281には遮蔽板31が設けられている。遮蔽板31は例えば略長円形状をしており、対向する長辺の一方の長辺311は、回動軸312によって本体カバー28に開閉可能に取り付けられる。また、他方の長辺313側には、ロック穴314を有するロック部315が、外側へ突出して設けられている。一方、本体カバー28において開口281を挟んで回動軸312の反対側には、ラッチ32が回転可能に設けられている。
従って、遮蔽板31を閉じて、ラッチ32をロック穴314に貫通させた後に、ラッチ32を回転させることにより、遮蔽板31は閉じた状態でロックされる。
【0019】
また、図3に示すように、遮蔽板31の下面には、渦巻状蛍光ランプ40の一対の口金42,42を連結するブリッジ43を保持する保持部316が設けられている。保持部316は、下方が開口した断面コ字状の直線部材であり、渦巻状蛍光ランプ40のブリッジ43が嵌合する大きさの開口を有する。また、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20に装着した際のブリッジ43の位置および方向に対応して設けられている。
【0020】
図4乃至図6に示すように、遮蔽板31はアダプタ13の下方に位置しており、遮蔽板31を開けることにより、電源コネクタ29をアダプタ13に対して着脱可能となっている。電源コネクタ29は、矩形箱状の本体291と、本体291に直交する接続端子部292と、この接続端子部292に一端が接続されたリード線293を有する。接続端子部292は、アダプタ13のコネクタ挿入孔133に挿入されて、引掛栓刃部131と電気的に接続されている電源端子132に接触する。リード線293は、電源コネクタ29の本体291から天井面11と平行に引き出され、ベースプレート21と本体カバー28との間に配線されて、他端が点灯装置25に接続される。
【0021】
従って、電源コネクタ29を、引っ掛けシーリング12に取り付けられたアダプタ13に接続することにより、引掛栓刃部131、電源端子132、接続端子部292およびリード線293を介して、点灯装置25に電力が供給される。なお、電源コネクタ29にはロック部294が設けられており、接続端子部292をコネクタ挿入孔133に挿入した状態で、電源コネクタ29がアダプタ13から脱落しないように、ロック可能となっている。
【0022】
図3に示すように、器具本体20の下面である本体カバー28の下面には、器具本体20の中心に対して対称の位置に一対のランプソケット台34、34が取り付けられている。各ランプソケット台34には、ランプピン44を接続することにより渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20に装着するためのランプソケット33がそれぞれ設けられる。従って、一対のランプソケット33、33は、器具本体20の中心に対して対称の位置に設けられる。
【0023】
図7および図8に示すように、ランプソケット33は、ランプピン44を装着するソケット本体331と、ソケット本体331を本体カバー28から所定高さ持ち上げるための台部332を有する。ソケット本体331の下頂部には、ランプピン44を挿入する挿入口333が設けられており、さらに装着した渦巻状蛍光ランプ40のランプピン44の脱落を防止する蓋334が開閉可能に設けられている。
【0024】
台部332の上端部には平坦なネジ止め部335を有しており、ネジ止め部335にはネジ穴336が設けられている。また、台部332の上端部には、引掛け用爪337が上方および渦巻状蛍光ランプ40側に向かって突出して設けられているが、引掛け用爪337は、ソケット本体331の前面331Aから渦巻状蛍光ランプ40側に突出していない(図8(B)の2点鎖線参照)。すなわち、ネジ止め部335および引掛け用爪337は、ランプソケット33の投影面内(図7中点線で表示)に設けられている。さらに、ネジ止め部335と引掛け用爪337とは、ランプソケット33の投影面内において対角位置に設けられている(図8(A)参照)。
【0025】
一方、ランプソケット33が取り付けられる器具本体側であるランプソケット台34には、引掛け用爪337を引っ掛ける係止部である矩形の係止穴341と、ネジ止め部335をネジ338止めするネジ止め位置であるネジ穴342が設けられている。ここでは、1個の係止穴341と1個のネジ穴342とで一組であり、これが複数組(ここでは、2組)設けられている。
従って、ランプソケット33を器具本体20に取り付ける際には、まず、ランプソケット33を斜めにして引掛け用爪337をランプソケット台34の係止穴341に挿入して引掛け、ランプソケット33をまっすぐにして、ネジ338をネジ穴336に通してネジ穴342に締結する。
【0026】
図9および図10に示すように、ランプソケット台34の外側面343には、リモコン受信器26が取り付けられており、リモコン受信器26は受信器カバー261で覆われている。ランプソケット台34の外側面343は器具本体20の外側下方へ向けて傾斜されており、この外側面343に取り付けることにより、リモコン受信器26は下方外向き(図9中矢印A参照)に取り付けられる。なお、リモコン受信器26は、渦巻状蛍光ランプ40よりも天井面11側に配置されており、渦巻状蛍光ランプ40の光を遮らないようにしている(図9中矢印B参照)。
【0027】
図10および図11に示すように、ランプソケット33の渦巻状蛍光ランプ40側の近傍には、渦巻状蛍光ランプ40の一対の口金42を保持する一対の支持バネ35が設けられている。支持バネ35は、口金42を保持する保持バネ部351と、口金42に近接して渦巻状蛍光ランプ40の旋回軸CL回りの回転を規制する回転規制片352と、本体カバー28に取り付けるための基礎部353とを一体的に有する。
【0028】
保持バネ部351は口金42の外周面に対応して円弧状に屈曲され、下端部は外側に屈曲されて導入部351Aが形成されている。保持バネ部351は、そのバネ力により内側に付勢されており、口金42を弾性保持する。また、回転規制片352は発光管41の外周面に対応して円弧状に屈曲され、下端部は外側に屈曲されて導入部352Aが形成されている。回転規制片352は、そのバネ力により内側に付勢されており、発光管41を弾性保持する。
【0029】
保持バネ部351の導入部351Aは、回転規制片352の導入部352Aよりも下方に位置する。
従って、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20に装着する際には、図11(A)に示すように、渦巻状蛍光ランプ40のランプピン44をランプソケット33の挿入口333(図7参照)の位置に合わせて、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20に接近させる。図11(B)に示すように、まず、保持バネ部351の導入部351Aが口金42に接触し、保持バネ部351を外側へ拡げる。さらに、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20側へ移動させると、回転規制片352の導入部352Aが発光管41に接触し、回転規制片352を外側へ拡げる。そして、図11(C)に示すように、保持バネ部351が口金42を保持し、回転規制片352が発光管41を保持する。
【0030】
なお、支持バネ35Bとして、図12(A)および(B)に示すように、渦巻状蛍光ランプ40のブリッジ43に当接して渦巻状蛍光ランプ40の回転を規制する回転規制片354を設けることもできる。なお、保持バネ部351は、前述した支持バネ35のものと同様である。
【0031】
図13に示すように、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所、すなわちランプソケット33に対して渦巻状蛍光ランプ40の口金42と反対側には、補助光源部36が設けられている。図14に示すように、補助光源部36は、例えばLED等の補助光源361,補助光源361を搭載した基板362および基板362を覆う補助光源カバー363を有する。基板362は矩形板状を呈しており、補助光源カバー363は上部が開口した矩形箱状を呈している。補助光源カバー363の下面364における補助光源361に対応する位置には、補助光源361からの光が渦巻状蛍光ランプ40に入射しないように、先端に発光部365を有する例えば筒状の遮光部材366が設けられており、補助光源361は遮光部材366の内部に挿入される。
なお、遮光部材としては、上述した筒状部材に限らず、壁状部材で仕切るようにすることもできる。
【0032】
図13および図14に示すように、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所、すなわちランプソケット33に対して渦巻状蛍光ランプ40の口金42と反対側には、操作スイッチ部37が設けられている。ここでは、前述した補助光源部36を設ける位置と同じ位置に操作スイッチ部37を設けることができるので、補助光源部36に操作スイッチ部37を一体的に設けた場合を示す。また、操作スイッチ部37はランプソケット33の近傍に設けられており、ランプソケット33が設けられているランプソケット台34にはリモコン受信器26が設けられているので、操作スイッチ部37はリモコン受信器26の近傍に配置されることになる。
【0033】
操作スイッチ部37は渦巻状蛍光ランプ40を点灯させるものであり、操作スイッチ基板371とこの操作スイッチ基板371を覆う操作基板カバー372を有する。操作スイッチ基板371には複数個のスイッチつまみ373が搭載されており、操作スイッチ基板371における外周側(渦巻状蛍光ランプ40から遠い側)に並んで設けられている。スイッチつまみ373の先端は、操作基板カバー372に設けられている切欠き374から下方に露出している。すなわち、スイッチつまみ373の先端は、切欠き374から下方に突出しているか、あるいは、突出はしていないが切欠き374の内部に見えている。
【0034】
次に、照明器具10を天井面11に取り付ける動作について説明する。
まず、天井面11に取り付けられている引っ掛けシーリング12に、アダプタ13を取り付ける。次に、渦巻状蛍光ランプ40を装着していない器具本体20の中央のホルダ23をアダプタ13に外嵌する。このとき、遮蔽板31を開けて、内部を見ながらアダプタ13を装着する。次いで、電源コネクタ29をアダプタ13のコネクタ挿入孔133に挿入して、点灯装置25を電源に接続する。接続がすんだら、遮蔽板31を閉じ、ラッチ32を回して遮蔽板31を固定する。
【0035】
次に、渦巻状蛍光ランプ40のランプピン44をランプソケット33の挿入口333の下方位置に合わせ、渦巻状蛍光ランプ40を押し上げて、ランプピン44をランプソケット33に挿嵌する。このとき、まず、保持バネ部351の導入部351Aが口金42に接触し、保持バネ部351を外側へ拡げる。さらに、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20側へ移動させると、回転規制片352の導入部352Aが発光管41に接触し、回転規制片352を外側へ拡げる。そして、保持バネ部351が口金42を保持し、回転規制片352が発光管41を保持する。そして、電気的に接続した後、蓋334を閉じる。
最後に、セード50を器具本体20に合わせて回転させ、セード50に設けられている係止部(図示省略)を、器具本体20のセード受け具211に係止して取り付ける。
【0036】
以上、説明した本発明に係る実施形態の照明器具10によれば、管状の放電路が長手方向中央部411を始点として同一平面に沿って渦巻状に旋回された発光管41を有する渦巻状蛍光ランプ40を用いるので、面発光で均一な照明光を得ることができる。また、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所に補助光源部36を設けたので、スペースを有効活用でき、器具本体20の大型化および照明器具20の大型化を回避できる。
【0037】
また、補助光源部36からの光が渦巻状蛍光ランプ40へ照射されるのを防止する例えば筒形状や壁形状をした遮光部材366を設けたので、補助光源部36からの光が均一にセード50に照射されて、光のムラをなくし、きれいな発光ができる。
【0038】
また、天井面11に設置された引っ掛けシーリング12に、引掛栓刃部131を係止してアダプタ13を電気的および機械的に取り付け、このアダプタ13を介して器具本体20を取り付けるので、一般ユーザが容易に取り付けることができる。
【0039】
また、渦巻状蛍光ランプ40から発する紫外線が、他のランプに比して中央に集中するが、渦巻状蛍光ランプ40とアダプタ13の間の器具本体中央部に、遮蔽板31を設けたので、アダプタ13、電源コネクタ29等の部品の紫外線劣化による商品不良を防止できる。
【0040】
また、渦巻状蛍光ランプ40の一対の口金42を連結するブリッジ43に対して、従来は回転防止用のガイドを別部品で設けていたが、遮蔽板31にブリッジ43を保持する保持部316を設けたので、部品点数を削減できる。
【0041】
また、遮蔽板31は外れないので、遮蔽板31の取り付けを忘れて渦巻状蛍光ランプ40を取り付けるのを防止でき、アダプタ13、電源コネクタ29等の部品の紫外線劣化を確実に防止できる。また、遮蔽板31の落下を、確実に防止できる。
【0042】
また、アダプタ13に係合し、引っ掛けシーリング12から引き出すリード線293が天井面11に平行に引き出される電源コネクタ29を用いたので、電源コネクタ29と遮蔽板31の空間距離を小さくでき、照明器具10の薄型化を図れる。
【0043】
また、ランプソケット33の近傍は最も渦巻状蛍光ランプ40のノイズを受けにくい場所であり、ランプソケット33の外側面にリモコン受信器26を配置したので、リモコンの性能アップを図れる。さらに、ランプソケット33にリモコン受信器26を配置したので、リモコン受信器26によって生じる影の範囲を小さくすることができる。
【0044】
また、リモコン受信器26を器具本体20の外側下方へ向けて傾斜させてランプソケット33の外側面に取り付けたので、渦巻状蛍光ランプ40からのノイズをさらに受けにくくでき、リモコンの性能アップを図れる。
【0045】
また、リモコン受信器26を渦巻状蛍光ランプ40よりも天井面11側に配置したので、渦巻状蛍光ランプ40からの光を遮るのを減少させて、影になる部分を減少させることができる。
【0046】
また、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所に操作スイッチ基板371およびこれを覆う操作基板カバー372を設けたので、スペースを有効活用でき、器具本体20の大型化および照明器具10の大型化を回避できる。
【0047】
また、操作スイッチ基板371および操作基板カバー372をリモコン受信器26の近傍に配置して、渦巻状蛍光ランプ40の光を遮るものをまとめたので、影になる部分を減らすことができる。
【0048】
また、操作基板カバー372の下面側でかつ外周側にスイッチつまみ373を露出して配置したので、手が渦巻状蛍光ランプ40に触れにくくなり、操作性が向上する。なお、露出して配置したとは、スイッチつまみ373の先端が操作基板カバー372の下面から突出する場合、および突出はしないが、切欠き374を介して露出する場合も含む。
【0049】
また、支持バネ35において、口金42を保持する保持バネ部351に渦巻状蛍光ランプ40を回転規制する回転規制片352を一体化したので、渦巻状蛍光ランプ40の回転の起点となる部位を規制することになり、効率よく渦巻状蛍光ランプ40の回転を規制できるとともに、部品点数を減少できる。
【0050】
また、回転規制片352にも弾性を持たせることにより、渦巻状蛍光ランプ40の発光管41を支持することができ、回転規制性能を向上させて、安全性を向上できる。
【0051】
また、渦巻状蛍光ランプ40を装着する時に、保持バネ部351が口金42に接触した後に、回転規制片352が発光管41に接触するので、ユーザが誤って回転規制片352に口金42を嵌めるのを防止でき、渦巻状蛍光ランプ40の保持バネ35への誤装着を防止して安全性向上を図れる。
【0052】
また、ランプソケット33は、引掛け用爪337とネジ止め部335を有しており、引掛け用爪337を引っ掛けて、ネジ止め部335をネジ338止めして取り付けるので、ランプソケット33側から取り付けることができる。このため、ランプソケット33を取り付ける際に、器具本体20を裏返す必要がなく、作業効率が改善される。また、ランプソケット33の投影面内に引掛け用爪337とネジ止め部335を有するので、ランプソケット33をコンパクト化でき、ランプソケット33による影を低減できる。
【0053】
また、ネジ止め部を、ランプソケットの投影面内における引掛け用爪の位置に対して対角位置に設けたので、ランプソケットを強固に取り付けることができる。
【0054】
また、引掛け用爪337を引っ掛ける係止穴341と、ネジ止め部335をネジ338止めするネジ穴342とを、ランプソケット台34に複数組設けたので、同じ器具本体を用いて、異なるサイズの渦巻状蛍光ランプを装着することができ、部品の共有化によるコストダウンおよび生産性向上を図ることができる。
【0055】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【符号の説明】
【0056】
10 照明器具
20 器具本体
36 補助光源部
366 遮光部材
40 渦巻状蛍光ランプ
41 発光管
411 中央部
42 口金
44 ランプピン
CL 旋回軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井面に取り付けられ、渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、天井面に取り付けられ、渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具が知られている(例えば特許文献1参照)。
図15に示すように、特許文献1に記載の照明器具100は、天井や壁等の壁面101に固定して使用するものであり、例えば矩形箱状の器具本体102と、器具本体102の前面開口を覆う透明あるいは半透明の樹脂等からなるパネル103を有している。器具本体102の底板104には、一方の端部寄りに商用交流電源(図示省略)に接続されている点灯装置105等の電気部品が取付けられており、点灯装置105等を覆うとともにパネル103を取付けるための取付板106が設けられている。底板104の中央部および他方の端部よりには、渦巻状蛍光ランプ107の照明光をパネル103側に反射して照明効率を向上させる反射板108が設けられており、反射板108の上面に、渦巻状蛍光ランプ107を装着するための一対のランプソケット109,109が取付けられている。
【0003】
従って、渦巻状蛍光ランプ107の両端の口金111、111に設けられているランプピン112をランプソケット109に取り付けることにより、渦巻状蛍光ランプ107を装着する。
これにより、面発光で均一な照明光を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−176657号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、照明器具に補助光源を設ける場合、従来の環形蛍光ランプを用いた照明器具においては、環形蛍光ランプの内側の中央部分にスペースがあるため、この部分に補助光源を配置することが行われている。
しかしながら、前述した特許文献1に記載の照明器具のように渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具においては、渦巻状蛍光ランプの内側に設置スペースが確保できず、渦巻状蛍光ランプの外側に補助光源用の設置スペースを確保しなければならないため、照明器具の大型化を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具において大型化を招くことなく補助光源部を設けることができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明器具は、管状の放電路が長手方向中央部を始点として同一平面に沿って渦巻状に旋回された発光管と、発光管の両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、口金に設けられて発光管の旋回軸に対して直交する平面に沿って延びるランプピンと、を備える渦巻状蛍光ランプと、渦巻状蛍光ランプを搭載する器具本体と、を有し、器具本体におけるランプピンの延長方向で、かつ発光管が位置しない少なくとも一方の箇所に補助光源部を設けたものである。
【0008】
また、本発明の照明器具は、補助光源部からの光が渦巻状蛍光ランプへ照射されるのを防止する遮光部材を設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、スペースを有効活用でき、器具本体の大型化および照明器具の大型化を回避できるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る実施形態の照明器具の全体構成を示す分解斜視図
【図2】本発明に係る実施形態の照明器具の詳細な構成を示す分解斜視図
【図3】器具本体および渦巻状蛍光ランプを斜め下方から見た斜視図
【図4】器具本体と天井面との取付部の構造を示す断面図
【図5】(A)は器具本体と渦巻状蛍光ランプの斜視図,(B)は遮蔽板を開いた状態の拡大斜視図
【図6】アダプタに電源コネクタを装着した状態を示す拡大斜視図
【図7】ランプソケットの取り付け構造を示す斜視図
【図8】(A)はランプソケットを下方から見た底面図,(B)は(A)中B−B位置の断面図
【図9】リモコン受信器の向きを示す渦巻状蛍光ランプを装着した器具本体の側面図
【図10】(A)は渦巻状蛍光ランプを支持バネに装着した器具本体を斜め上方から見た斜視図、(B)は(A)中B部分の拡大図
【図11】(A)〜(C)は渦巻状蛍光ランプを支持バネに取り付ける状態を示す工程図
【図12】(A)は渦巻状蛍光ランプを別の支持バネに装着した器具本体を斜め上方から見た斜視図、(B)は(A)中B部分の拡大図
【図13】(A)は補助光源部の向きを示す渦巻状蛍光ランプを装着した器具本体の側面図、(B)は(A)中B方向から見た底面図
【図14】補助光源部および操作スイッチ部の分解斜視図
【図15】従来の渦巻状蛍光ランプを用いた照明器具の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態の照明器具10は、被取付部である天井面11に取り付けて使用することができる。すなわち、照明器具10は、天井面11に取り付けられ商用電源(図示省略)に接続されている配線器具としての例えば引っ掛けシーリング12にアダプタ13を介して取り付けられる器具本体20と、器具本体20に搭載される光源である渦巻状蛍光ランプ40と、渦巻状蛍光ランプ40を覆って器具本体20に着脱可能に装着される透光性の樹脂製のセード50を有する。
なお、以下の照明器具10の説明において、「上(面)側」は天井面11側を示し、「下(面)側」は照射方向を示すこととする。
【0012】
アダプタ13は、略円筒形状を呈しており、上面側には引掛シーリング12の栓刃挿通孔(図示省略)を挿通して引掛栓刃受け部(図示省略)に電気的に接続されて機械的に引掛保持される引掛栓刃部131が突設されている(図4参照)。また、アダプタ13の下面側には、照明器具10に電力を供給するために、後述する電源コネクタ29が接続可能なコネクタ挿入孔133を有する。なお、アダプタ13は、後述するホルダ23を外嵌して押し上げるだけで係止できる係止部(図示省略)を、外周面に有する。
【0013】
図3に示すように、渦巻状蛍光ランプ40は、管状の放電路が長手方向中央部411を始点すなわち旋回軸CLとして同一平面に沿って2重渦巻状に旋回された発光管41を有する。発光管41の中央部411は、その他の部分に比して太径となっており、最冷点となっている。発光管41の両端部にはそれぞれ口金42、42が取付けられており、両口金42は、発光管41の中央部411に対して、点対称の位置に設けられている。両口金42は、照射方向と反対側(図3中上側)の裏面に設けられたブリッジ43によって連結されている。また、各口金42には、発光管41の旋回軸CLに対して直交する平面に沿って延びる方向に一対のランプピン44,44が、一端を発光管41の軸方向に沿って突出して設けられており、他端は発光管41の内側端部に設けられているフィラメント(図示省略)に接続されている。
【0014】
図2に示すように、器具本体20は、金属製の円板状のベースプレート21を有しており、ベースプレート21の上面には、天井面11に取り付けた際に天井面11に当接して、振動を吸収するとともに一定の間隔を保持するために、例えばスポンジ212等の弾性部材が等間隔で3個以上貼り付けられている(図9および図10(A)参照)。
ベースプレート21の中央には下方へ凹んだ凹部22が設けられていて、凹部22の中央には開口221が設けられている。凹部22には、アダプタ13に取り付けることにより、器具本体20を天井面11に取り付けるためのホルダ23が取り付けられる。ホルダ23は中央に円筒形状のアダプタ取付部231を有し、取付部231の内面には係止溝(図示省略)が形成されている。また、アダプタ取付部231の外側にはベースプレート21に取り付けるための取付板232を有しており、ホルダ23をベースプレート21に取り付けた状態で、アダプタ取付部231は、開口221からベースプレート21の下方へ突出する。
【0015】
従って、引っ掛けシーリング12に取り付けられたアダプタ13をアダプタ取付部231の内部に挿入して、ホルダ23を押し上げることにより、アダプタ取付部231の係止溝がアダプタ13の係止部に係止されることにより、器具本体20はアダプタ13を介して天井面11に取り付けられる。
【0016】
ベースプレート21の下面の外周縁部には、セード50を着脱可能に装着するためのセード受け具211が、周方向に所定間隔で複数個(図3では3個)設けられている(図3参照)。一方、セード50の外周縁内側には、セード受け具211に係止される係止部(図示省略)がセード受け具211に対応して所定間隔で複数個設けられている。
従って、セード50を器具本体20へ取り付ける際は、セード50を回転させることにより係止部を器具本体20のセード受け具211に係止して取り付ける。また、セード50を外す際には、反対方向にセード50を回転させて、係止部をセード受け具211から外す。
【0017】
ベースプレート21の下面には、絶縁板24が設けられており、絶縁板24を介して点灯装置25、リモコン受信器26,制御基板27等の電気部品がベースプレート21に取り付けられる。ベースプレート21の下面には、絶縁板24および点灯装置25等の電気部品を内包する本体カバー28が取り付けられる。本体カバー28の下面は白色塗装されており、反射板としても機能する。なお、器具本体20という場合には、ベースプレート21から本体カバー28までを含んだものを意味する(図2参照)。
【0018】
図3および図5に示すように、本体カバー28の中央すなわち器具本体20における渦巻状蛍光ランプ40の中央部411の真上には、電源コネクタ29の着脱等の作業用の開口281が設けられており、開口281には遮蔽板31が設けられている。遮蔽板31は例えば略長円形状をしており、対向する長辺の一方の長辺311は、回動軸312によって本体カバー28に開閉可能に取り付けられる。また、他方の長辺313側には、ロック穴314を有するロック部315が、外側へ突出して設けられている。一方、本体カバー28において開口281を挟んで回動軸312の反対側には、ラッチ32が回転可能に設けられている。
従って、遮蔽板31を閉じて、ラッチ32をロック穴314に貫通させた後に、ラッチ32を回転させることにより、遮蔽板31は閉じた状態でロックされる。
【0019】
また、図3に示すように、遮蔽板31の下面には、渦巻状蛍光ランプ40の一対の口金42,42を連結するブリッジ43を保持する保持部316が設けられている。保持部316は、下方が開口した断面コ字状の直線部材であり、渦巻状蛍光ランプ40のブリッジ43が嵌合する大きさの開口を有する。また、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20に装着した際のブリッジ43の位置および方向に対応して設けられている。
【0020】
図4乃至図6に示すように、遮蔽板31はアダプタ13の下方に位置しており、遮蔽板31を開けることにより、電源コネクタ29をアダプタ13に対して着脱可能となっている。電源コネクタ29は、矩形箱状の本体291と、本体291に直交する接続端子部292と、この接続端子部292に一端が接続されたリード線293を有する。接続端子部292は、アダプタ13のコネクタ挿入孔133に挿入されて、引掛栓刃部131と電気的に接続されている電源端子132に接触する。リード線293は、電源コネクタ29の本体291から天井面11と平行に引き出され、ベースプレート21と本体カバー28との間に配線されて、他端が点灯装置25に接続される。
【0021】
従って、電源コネクタ29を、引っ掛けシーリング12に取り付けられたアダプタ13に接続することにより、引掛栓刃部131、電源端子132、接続端子部292およびリード線293を介して、点灯装置25に電力が供給される。なお、電源コネクタ29にはロック部294が設けられており、接続端子部292をコネクタ挿入孔133に挿入した状態で、電源コネクタ29がアダプタ13から脱落しないように、ロック可能となっている。
【0022】
図3に示すように、器具本体20の下面である本体カバー28の下面には、器具本体20の中心に対して対称の位置に一対のランプソケット台34、34が取り付けられている。各ランプソケット台34には、ランプピン44を接続することにより渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20に装着するためのランプソケット33がそれぞれ設けられる。従って、一対のランプソケット33、33は、器具本体20の中心に対して対称の位置に設けられる。
【0023】
図7および図8に示すように、ランプソケット33は、ランプピン44を装着するソケット本体331と、ソケット本体331を本体カバー28から所定高さ持ち上げるための台部332を有する。ソケット本体331の下頂部には、ランプピン44を挿入する挿入口333が設けられており、さらに装着した渦巻状蛍光ランプ40のランプピン44の脱落を防止する蓋334が開閉可能に設けられている。
【0024】
台部332の上端部には平坦なネジ止め部335を有しており、ネジ止め部335にはネジ穴336が設けられている。また、台部332の上端部には、引掛け用爪337が上方および渦巻状蛍光ランプ40側に向かって突出して設けられているが、引掛け用爪337は、ソケット本体331の前面331Aから渦巻状蛍光ランプ40側に突出していない(図8(B)の2点鎖線参照)。すなわち、ネジ止め部335および引掛け用爪337は、ランプソケット33の投影面内(図7中点線で表示)に設けられている。さらに、ネジ止め部335と引掛け用爪337とは、ランプソケット33の投影面内において対角位置に設けられている(図8(A)参照)。
【0025】
一方、ランプソケット33が取り付けられる器具本体側であるランプソケット台34には、引掛け用爪337を引っ掛ける係止部である矩形の係止穴341と、ネジ止め部335をネジ338止めするネジ止め位置であるネジ穴342が設けられている。ここでは、1個の係止穴341と1個のネジ穴342とで一組であり、これが複数組(ここでは、2組)設けられている。
従って、ランプソケット33を器具本体20に取り付ける際には、まず、ランプソケット33を斜めにして引掛け用爪337をランプソケット台34の係止穴341に挿入して引掛け、ランプソケット33をまっすぐにして、ネジ338をネジ穴336に通してネジ穴342に締結する。
【0026】
図9および図10に示すように、ランプソケット台34の外側面343には、リモコン受信器26が取り付けられており、リモコン受信器26は受信器カバー261で覆われている。ランプソケット台34の外側面343は器具本体20の外側下方へ向けて傾斜されており、この外側面343に取り付けることにより、リモコン受信器26は下方外向き(図9中矢印A参照)に取り付けられる。なお、リモコン受信器26は、渦巻状蛍光ランプ40よりも天井面11側に配置されており、渦巻状蛍光ランプ40の光を遮らないようにしている(図9中矢印B参照)。
【0027】
図10および図11に示すように、ランプソケット33の渦巻状蛍光ランプ40側の近傍には、渦巻状蛍光ランプ40の一対の口金42を保持する一対の支持バネ35が設けられている。支持バネ35は、口金42を保持する保持バネ部351と、口金42に近接して渦巻状蛍光ランプ40の旋回軸CL回りの回転を規制する回転規制片352と、本体カバー28に取り付けるための基礎部353とを一体的に有する。
【0028】
保持バネ部351は口金42の外周面に対応して円弧状に屈曲され、下端部は外側に屈曲されて導入部351Aが形成されている。保持バネ部351は、そのバネ力により内側に付勢されており、口金42を弾性保持する。また、回転規制片352は発光管41の外周面に対応して円弧状に屈曲され、下端部は外側に屈曲されて導入部352Aが形成されている。回転規制片352は、そのバネ力により内側に付勢されており、発光管41を弾性保持する。
【0029】
保持バネ部351の導入部351Aは、回転規制片352の導入部352Aよりも下方に位置する。
従って、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20に装着する際には、図11(A)に示すように、渦巻状蛍光ランプ40のランプピン44をランプソケット33の挿入口333(図7参照)の位置に合わせて、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20に接近させる。図11(B)に示すように、まず、保持バネ部351の導入部351Aが口金42に接触し、保持バネ部351を外側へ拡げる。さらに、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20側へ移動させると、回転規制片352の導入部352Aが発光管41に接触し、回転規制片352を外側へ拡げる。そして、図11(C)に示すように、保持バネ部351が口金42を保持し、回転規制片352が発光管41を保持する。
【0030】
なお、支持バネ35Bとして、図12(A)および(B)に示すように、渦巻状蛍光ランプ40のブリッジ43に当接して渦巻状蛍光ランプ40の回転を規制する回転規制片354を設けることもできる。なお、保持バネ部351は、前述した支持バネ35のものと同様である。
【0031】
図13に示すように、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所、すなわちランプソケット33に対して渦巻状蛍光ランプ40の口金42と反対側には、補助光源部36が設けられている。図14に示すように、補助光源部36は、例えばLED等の補助光源361,補助光源361を搭載した基板362および基板362を覆う補助光源カバー363を有する。基板362は矩形板状を呈しており、補助光源カバー363は上部が開口した矩形箱状を呈している。補助光源カバー363の下面364における補助光源361に対応する位置には、補助光源361からの光が渦巻状蛍光ランプ40に入射しないように、先端に発光部365を有する例えば筒状の遮光部材366が設けられており、補助光源361は遮光部材366の内部に挿入される。
なお、遮光部材としては、上述した筒状部材に限らず、壁状部材で仕切るようにすることもできる。
【0032】
図13および図14に示すように、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所、すなわちランプソケット33に対して渦巻状蛍光ランプ40の口金42と反対側には、操作スイッチ部37が設けられている。ここでは、前述した補助光源部36を設ける位置と同じ位置に操作スイッチ部37を設けることができるので、補助光源部36に操作スイッチ部37を一体的に設けた場合を示す。また、操作スイッチ部37はランプソケット33の近傍に設けられており、ランプソケット33が設けられているランプソケット台34にはリモコン受信器26が設けられているので、操作スイッチ部37はリモコン受信器26の近傍に配置されることになる。
【0033】
操作スイッチ部37は渦巻状蛍光ランプ40を点灯させるものであり、操作スイッチ基板371とこの操作スイッチ基板371を覆う操作基板カバー372を有する。操作スイッチ基板371には複数個のスイッチつまみ373が搭載されており、操作スイッチ基板371における外周側(渦巻状蛍光ランプ40から遠い側)に並んで設けられている。スイッチつまみ373の先端は、操作基板カバー372に設けられている切欠き374から下方に露出している。すなわち、スイッチつまみ373の先端は、切欠き374から下方に突出しているか、あるいは、突出はしていないが切欠き374の内部に見えている。
【0034】
次に、照明器具10を天井面11に取り付ける動作について説明する。
まず、天井面11に取り付けられている引っ掛けシーリング12に、アダプタ13を取り付ける。次に、渦巻状蛍光ランプ40を装着していない器具本体20の中央のホルダ23をアダプタ13に外嵌する。このとき、遮蔽板31を開けて、内部を見ながらアダプタ13を装着する。次いで、電源コネクタ29をアダプタ13のコネクタ挿入孔133に挿入して、点灯装置25を電源に接続する。接続がすんだら、遮蔽板31を閉じ、ラッチ32を回して遮蔽板31を固定する。
【0035】
次に、渦巻状蛍光ランプ40のランプピン44をランプソケット33の挿入口333の下方位置に合わせ、渦巻状蛍光ランプ40を押し上げて、ランプピン44をランプソケット33に挿嵌する。このとき、まず、保持バネ部351の導入部351Aが口金42に接触し、保持バネ部351を外側へ拡げる。さらに、渦巻状蛍光ランプ40を器具本体20側へ移動させると、回転規制片352の導入部352Aが発光管41に接触し、回転規制片352を外側へ拡げる。そして、保持バネ部351が口金42を保持し、回転規制片352が発光管41を保持する。そして、電気的に接続した後、蓋334を閉じる。
最後に、セード50を器具本体20に合わせて回転させ、セード50に設けられている係止部(図示省略)を、器具本体20のセード受け具211に係止して取り付ける。
【0036】
以上、説明した本発明に係る実施形態の照明器具10によれば、管状の放電路が長手方向中央部411を始点として同一平面に沿って渦巻状に旋回された発光管41を有する渦巻状蛍光ランプ40を用いるので、面発光で均一な照明光を得ることができる。また、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所に補助光源部36を設けたので、スペースを有効活用でき、器具本体20の大型化および照明器具20の大型化を回避できる。
【0037】
また、補助光源部36からの光が渦巻状蛍光ランプ40へ照射されるのを防止する例えば筒形状や壁形状をした遮光部材366を設けたので、補助光源部36からの光が均一にセード50に照射されて、光のムラをなくし、きれいな発光ができる。
【0038】
また、天井面11に設置された引っ掛けシーリング12に、引掛栓刃部131を係止してアダプタ13を電気的および機械的に取り付け、このアダプタ13を介して器具本体20を取り付けるので、一般ユーザが容易に取り付けることができる。
【0039】
また、渦巻状蛍光ランプ40から発する紫外線が、他のランプに比して中央に集中するが、渦巻状蛍光ランプ40とアダプタ13の間の器具本体中央部に、遮蔽板31を設けたので、アダプタ13、電源コネクタ29等の部品の紫外線劣化による商品不良を防止できる。
【0040】
また、渦巻状蛍光ランプ40の一対の口金42を連結するブリッジ43に対して、従来は回転防止用のガイドを別部品で設けていたが、遮蔽板31にブリッジ43を保持する保持部316を設けたので、部品点数を削減できる。
【0041】
また、遮蔽板31は外れないので、遮蔽板31の取り付けを忘れて渦巻状蛍光ランプ40を取り付けるのを防止でき、アダプタ13、電源コネクタ29等の部品の紫外線劣化を確実に防止できる。また、遮蔽板31の落下を、確実に防止できる。
【0042】
また、アダプタ13に係合し、引っ掛けシーリング12から引き出すリード線293が天井面11に平行に引き出される電源コネクタ29を用いたので、電源コネクタ29と遮蔽板31の空間距離を小さくでき、照明器具10の薄型化を図れる。
【0043】
また、ランプソケット33の近傍は最も渦巻状蛍光ランプ40のノイズを受けにくい場所であり、ランプソケット33の外側面にリモコン受信器26を配置したので、リモコンの性能アップを図れる。さらに、ランプソケット33にリモコン受信器26を配置したので、リモコン受信器26によって生じる影の範囲を小さくすることができる。
【0044】
また、リモコン受信器26を器具本体20の外側下方へ向けて傾斜させてランプソケット33の外側面に取り付けたので、渦巻状蛍光ランプ40からのノイズをさらに受けにくくでき、リモコンの性能アップを図れる。
【0045】
また、リモコン受信器26を渦巻状蛍光ランプ40よりも天井面11側に配置したので、渦巻状蛍光ランプ40からの光を遮るのを減少させて、影になる部分を減少させることができる。
【0046】
また、器具本体20におけるランプピン44の延長方向で、かつ発光管41が位置しない少なくとも一方の箇所に操作スイッチ基板371およびこれを覆う操作基板カバー372を設けたので、スペースを有効活用でき、器具本体20の大型化および照明器具10の大型化を回避できる。
【0047】
また、操作スイッチ基板371および操作基板カバー372をリモコン受信器26の近傍に配置して、渦巻状蛍光ランプ40の光を遮るものをまとめたので、影になる部分を減らすことができる。
【0048】
また、操作基板カバー372の下面側でかつ外周側にスイッチつまみ373を露出して配置したので、手が渦巻状蛍光ランプ40に触れにくくなり、操作性が向上する。なお、露出して配置したとは、スイッチつまみ373の先端が操作基板カバー372の下面から突出する場合、および突出はしないが、切欠き374を介して露出する場合も含む。
【0049】
また、支持バネ35において、口金42を保持する保持バネ部351に渦巻状蛍光ランプ40を回転規制する回転規制片352を一体化したので、渦巻状蛍光ランプ40の回転の起点となる部位を規制することになり、効率よく渦巻状蛍光ランプ40の回転を規制できるとともに、部品点数を減少できる。
【0050】
また、回転規制片352にも弾性を持たせることにより、渦巻状蛍光ランプ40の発光管41を支持することができ、回転規制性能を向上させて、安全性を向上できる。
【0051】
また、渦巻状蛍光ランプ40を装着する時に、保持バネ部351が口金42に接触した後に、回転規制片352が発光管41に接触するので、ユーザが誤って回転規制片352に口金42を嵌めるのを防止でき、渦巻状蛍光ランプ40の保持バネ35への誤装着を防止して安全性向上を図れる。
【0052】
また、ランプソケット33は、引掛け用爪337とネジ止め部335を有しており、引掛け用爪337を引っ掛けて、ネジ止め部335をネジ338止めして取り付けるので、ランプソケット33側から取り付けることができる。このため、ランプソケット33を取り付ける際に、器具本体20を裏返す必要がなく、作業効率が改善される。また、ランプソケット33の投影面内に引掛け用爪337とネジ止め部335を有するので、ランプソケット33をコンパクト化でき、ランプソケット33による影を低減できる。
【0053】
また、ネジ止め部を、ランプソケットの投影面内における引掛け用爪の位置に対して対角位置に設けたので、ランプソケットを強固に取り付けることができる。
【0054】
また、引掛け用爪337を引っ掛ける係止穴341と、ネジ止め部335をネジ338止めするネジ穴342とを、ランプソケット台34に複数組設けたので、同じ器具本体を用いて、異なるサイズの渦巻状蛍光ランプを装着することができ、部品の共有化によるコストダウンおよび生産性向上を図ることができる。
【0055】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【符号の説明】
【0056】
10 照明器具
20 器具本体
36 補助光源部
366 遮光部材
40 渦巻状蛍光ランプ
41 発光管
411 中央部
42 口金
44 ランプピン
CL 旋回軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の放電路が長手方向中央部を始点として同一平面に沿って渦巻状に旋回された発光管と、前記発光管の両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、前記口金に設けられて前記発光管の旋回軸に対して直交する平面に沿って延びるランプピンと、を備える渦巻状蛍光ランプと、
前記渦巻状蛍光ランプを搭載する器具本体と、を有し、
前記器具本体における前記ランプピンの延長方向で、かつ前記発光管が位置しない少なくとも一方の箇所に補助光源部を設けた照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記補助光源部からの光が渦巻状蛍光ランプへ照射されるのを防止する遮光部材を設けた照明器具。
【請求項1】
管状の放電路が長手方向中央部を始点として同一平面に沿って渦巻状に旋回された発光管と、前記発光管の両端部にそれぞれ設けられた一対の口金と、前記口金に設けられて前記発光管の旋回軸に対して直交する平面に沿って延びるランプピンと、を備える渦巻状蛍光ランプと、
前記渦巻状蛍光ランプを搭載する器具本体と、を有し、
前記器具本体における前記ランプピンの延長方向で、かつ前記発光管が位置しない少なくとも一方の箇所に補助光源部を設けた照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記補助光源部からの光が渦巻状蛍光ランプへ照射されるのを防止する遮光部材を設けた照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−216289(P2011−216289A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82607(P2010−82607)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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