照明器具
【課題】アダプタに照明器具本体を取付ける場合や取外す場合、簡単な操作で作業を行うことができる照明器具を提供する。
【解決手段】本発明は、器具取付面Cに設置された配線器具Cbに対向する係合口51を有する取付部5と、前記係合口51に対向して略中央部に開口71を有し、外周部に光入射端面72を備えた導光板7と、この導光板7の前記光入射端面72に出射光が入射するように配設された発光素子61と、前記係合口51に対向して係合口51を開閉可能に覆う透光性を有するカバー部材10とを備える照明器具である。
【解決手段】本発明は、器具取付面Cに設置された配線器具Cbに対向する係合口51を有する取付部5と、前記係合口51に対向して略中央部に開口71を有し、外周部に光入射端面72を備えた導光板7と、この導光板7の前記光入射端面72に出射光が入射するように配設された発光素子61と、前記係合口51に対向して係合口51を開閉可能に覆う透光性を有するカバー部材10とを備える照明器具である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば、LED等の発光素子を光源として、導光板を用いて照明を行う照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、LEDの高出力化、高効率化及び普及化に伴い、光源としてLEDを用いた屋内又は屋外で使用される長寿命化が期待できる照明器具が開発されている。この照明器具は、LEDを基板に複数実装して所定の光量を得るようにしたもので、例えば、天井面等に直接的に取付けられる、いわゆる直付タイプのベース照明として用いられている。
【0003】
しかし、LEDから出射される光は指向性が強くグレアが生じやすく、また、輝度むらが発生しやすい。そこで、グレアを抑制し、発光面の均斉度の向上を図るため、導光板を用いて照明を行う新たな照明器具が開発されている。
【0004】
このような照明器具の場合、例えば、一般住宅用として天井面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディにアダプタが電気的かつ機械的に接続され、このアダプタに取付部を介して照明器具本体が取付けられる形式のものでは、照明器具本体の下方における略全面が導光板で覆われるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−21200号公報
【特許文献2】特開2009−283197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような照明器具において、アダプタに照明器具本体を取付ける場合や取外す場合、アダプタの操作等のために、導光板を取外して作業を行わなければならない。
【0007】
この種、導光板を用いる照明器具では、LED等の光源から出射される光が導光板の光入射端面に入射するように、光入射端面とLED等の光源とを対向配置する必要があるため、前記作業が伴う場合には、その構成が複雑化するという問題が生じる。
【0008】
また、導光板を用いない照明器具であっても、アダプタに照明器具本体を取付ける場合や取外す場合、照明器具本体の下方における略全面を覆う比較的大型に構成されたセードを取外して作業を行わなければならない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、アダプタに照明器具本体を取付ける場合や取外す場合、簡単な操作で作業を行うことができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態による照明器具は、器具取付面に設置された配線器具に対向する係合口を有する取付部と、前記係合口に対向して略中央部に開口を有し、外周部に光入射端面を備えた導光板とを備えている。
【0011】
また、導光板の前記光入射端面に出射光が入射するように配設された発光素子と、前記係合口に対向して係合口を開閉可能に覆う透光性を有するカバー部材と備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、照明器具本体を取付ける場合や取外す場合、簡単な操作で作業を行うことができる照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【図2】同照明器具を分解して示す斜視図である。
【図3】同器具本体を背面側から見て示す斜視図である。
【図4】図3中、X−X線に沿って示す断面図である。
【図5】図4中、A部を示す拡大図である。
【図6】図4中、B部を示す拡大図である。
【図7】同器具本体の取付部(アダプタガイド)を示す斜視図である。
【図8】同器具本体のカバー部材を示す斜視図である。
【図9】同器具本体における取付部(アダプタガイド)及びカバー部材を示す断面図である。
【図10】同照明器具の天井面への取付状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る照明器具を示す図5に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態について図1乃至図10を参照して説明する。なお、各図においてリード線等による配線接続関係は基本的には省略して示している。また、各図において同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0015】
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディに取付けられて使用される形式であり、導光板を用いて例えば、室内の照明を行うものである。
【0016】
図1乃至図4において、照明器具は、器具本体1と、器具取付面としての天井面Cに設置された配線器具としての引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタA(図2及び併せて図10参照)と、赤外線リモコン送信器Rとを備えている。器具本体1は、図1に示すように略正方形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。
【0017】
図2に代表して示すように、器具本体1は、点灯装置2と、サポートシャーシ3と、センターシャーシ4と、取付部としてのアダプタガイド5と、光源部6と、導光板7と、補助部品ユニット8と、本体枠9と、カバー部材10とを備えている。これら構成要素について順次説明する。
【0018】
点灯装置2は、アルミニウム等の金属材料で形成された箱状のカバーケースと、このカバーケース覆われるように収容された回路基板及びこの基板に実装された回路部品とから構成されており、アダプタAを介して商用交流電源に接続されるようになっていて、この交流電源を受けて直流出力を生成するものである。したがって、点灯装置2は、後述する光源部6に電気的に接続されて、その直流出力を発光素子61に供給し、発光素子61を点灯制御するようになっている。この点灯装置2は、サポートシャーシ3の背面側に位置して取付けられている(図3参照)。
【0019】
サポートシャーシ3は、アルミニウム等の金属材料から略正方形状に形成されており、正方形状の浅皿状の凹部31を有し、この凹部31の各辺には外側に段状に屈曲して延出する取付片32が形成されている。また、凹部31の前面側は、導光板7を支持する支持面として構成されており、さらに、略中央部には、四角形状の開口33が形成されている。
【0020】
センターシャーシ4は、冷間圧延鋼板等の金属材料から略直方体の箱状に形成されており、一端側(図示上、下側)を開放し、この開放した各辺には外側に向かって水平方向に延出する鍔状の当接部41が形成されている。また、他端側(図示上、上側)には、円形状の開口42が形成されている。したがって、センターシャーシ4は、全体としては高さの低い直方体形状をなしている。当接部41は、導光板7の背面側にサポートシャーシ4を介して当接される部分であり、開口42は、アダプタAが挿通される部分である。そして、図5に示すように、センターシャーシ4の当接部41は、サポートシャーシ3における開口33の周辺部に上から重合されるように配置され、こられが固定手段によって固着されている。なお、センターシャーシ4の当接部41は、導光板7を補強する機能を有している。
【0021】
取付部としてのアダプタガイド5は、図5、図7及び図9の参照を加えて示すように、センターシャーシ4と同様に、全体としては高さの低い直方体形状に形成されていて、中央部にアダプタAが挿通し、係合する係合口51が設けられており、下端側に外方へ向かう鍔部52が形成されている。このアダプタガイド5は、その外周面がセンターシャーシ4の内周面に接するように配設され取付けられている。また、アダプタガイド5は、詳細を後述するカバー部材10が着脱可能に取付けられる着脱機構を備えている。
【0022】
光源部6は、図2、図4及び図6に示すように、発光素子61が実装された基板62と、この基板62が取付けられる取付部材としての取付板63とから構成されている。
【0023】
基板62は、横長の長方形状で絶縁材であるガラスエポキシ樹脂の平板からなり、表面側には銅箔で形成された配線パターンが施されている。また、適宜レジスト層が施されるようになっている。なお、基板62の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用してもよい。
【0024】
発光素子61は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが基板62の長手方向に沿って多数直線状に並べられて実装され配設されている。LEDパッケージは、概略的にはセラミックスで形成された本体に配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。
【0025】
LEDチップは、青色光を発光する青色のLEDチップである。透光性樹脂には、蛍光体が混入されており、白色光を出射できるようにするために、青色の光とは補色の関係にある黄色系の光を放射する黄色蛍光体が使用されている。
【0026】
なお、LEDは、LEDチップを直接基板62に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
【0027】
取付板63は、アルミニウムや亜鉛めっき鋼板等の熱伝導が良好な材料から作られており、横長で側面が略C型形状に形成されている。この取付板63の内側壁には、基板62が、ねじ止め等によって、その裏面側が密着するように取付けられている。したがって、光源部6は、取付板63に基板62が取付けられてユニット化されている。
【0028】
本実施形態では、主として図2に示すように、このユニット化された光源部6が2個用いられており、導光板7の対向する二つの辺に対応して配設されるようになっている。なお、このユニット化された光源部6は、導光板7の各辺に対応するように配設してもよく、適宜設計に応じて選択することができる。
【0029】
導光板7は、アクリル樹脂等の透過率の高い材料を用いて四角形状の平板状に形成され、背面側の全面には光を拡散する多数の白色の反射ドットからなるドットパターンが印刷によって形成されているとともに反射シートが設けられている。また、前面側の全面には、拡散シートが設けられている。さらに、導光板7の略中央部には、アダプタガイド5の外形と対応し、また、アダプタAと対応するように四角形状の開口71が形成されている。また、この導光板7の外周部である四角形状の各辺、すなわち、側端面は、発光素子61から出射される光が入射して導光板7内を進行する光入射端面72として機能するようになっている。
【0030】
補助部品ユニット8は、横長箱状のケース内にユニット基板及びこの基板に実装された複数の電気的補助部品を備えて構成されている。本実施形態における電気的補助部品は、赤外線リモコン信号受信部、照度センサ、補助光源としての常夜灯、スイッチやモニターランプ等である。
【0031】
この補助部品ユニット8は、照明器具、すなわち、器具本体1の外周縁部、具体的には、本体枠9の外周縁部に配設される。したがって、導光板7の発光領域の外側に配設されるようになっている。このように構成された補助部品ユニット8は、複数の電気的補助部品が集中化して設けられていて、本体枠9に取付けられるようになっている。
【0032】
本体枠9は、ABS樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂から作られていて、略正方形状であって前記導光板7の寸法より大きな枠状に形成されており、側壁91と、この側壁91の下端部から内側に向かって斜め下方に延出し、さらに内側に向かって斜めに立ち上がる傾斜状部を有する底壁92とを備えている。また、底壁92には、複数のボス93が立設されており、このボス93には、サポートシャーシ3の取付片32がねじ止めされるようになっている。
【0033】
カバー部材10は、図5、図8及び図9の参照を加えて示すように、アクリル樹脂やポリカーボネート等の透光性を有する合成樹脂材料から略正方形状で前面側が凸となるように形成されている。また、前面側の表面には、拡散性の機能を果たす多数の凹凸が形成されている。このカバー部材10は、前記アダプタガイド5に取付けられていて、前記係合口51に対向して係合口51を開閉可能に覆うようになっており、さらに、取外し可能になっている。
【0034】
ここで、カバー部材10とアダプタガイド5との着脱機構について図5、図7乃至図9を参照して説明する。まず、図8及び図9に示すように、カバー部材10の背面側の一辺部の角部には、一対の枢軸10aが突出して形成されている。加えて、同一辺部の中間部には、一対の位置規制突起10bが設けられている。また、前記一辺部と対向する他辺部の略中央部には、係止爪10cを有する弾性変形可能な側面形状がU字状の係止操作摘み10dが設けられている。
【0035】
一方、図7及び図9に示すように、アダプタガイド5の対向する両側壁には、屈曲したガイド孔5a形成されている。このガイド孔5aは、カバー部材10の枢軸10aが導入される導入部5a1及び、カバー部材10を開いたときに、枢軸10aが係止され保持される保持部5a2とから構成されている。
【0036】
また、前面壁(図示上、右側)の中央部には、係止操作摘み10dの係止爪10cが係止される係止溝5bが形成されている。さらに、背面壁(図示上、左側)には、位置規制突起10bが係合する一対のスリット5cが形成されている。
【0037】
このような構成において、カバー部材10をアダプタガイド5に取付ける場合には、カバー部材10の枢軸10aをガイド孔5aの導入部5a1から導入し、保持部5a2まで進入させる。その後、カバー部材10を枢軸10aを支点として閉塞方向に回動し、係止爪10cを係止溝5bに係止させる。この状態では、図5に示すように、アダプタガイド5の係合口51は、カバー部材10によって覆われ閉塞状態となる。
【0038】
このとき、位置規制突起10bは一対のスリット5cに適正に係合し、そのため係止爪10cが係止溝5bに係止し、正常にカバー部材10が係合口51を閉塞状態に維持できるようになる。しかしながら、仮に、位置規制突起10bを設けない場合には、係止爪10cが係止溝5bに確実に係止されないまま、つまり、中途半端にカバー部材10が係合口51を閉塞状態とする可能性がある。
位置規制突起10bは、このようにカバー部材10が正常に係合口51を閉塞状態に維持するための機能を有している。
【0039】
次に、アダプタガイド5の係合口51を開放状態にする場合には、図5に示すように、係止操作摘み10dを矢印方向に操作して係止爪10cの係止を解き、カバー部材10を枢軸10aを支点として開放方向に回動する。このとき、枢軸10aは、ガイド孔5aの保持部5a2に係止され保持されため、カバー部材10はアダプタガイド5から外れて落下してしまうことが防止される(図10参照)。したがって、本実施形態では、カバー部材10の枢軸10aとアダプタガイド5のガイド孔5a、具体的には、保持部5a2によって落下防止手段が構成されている。
【0040】
また、カバー部材10をアダプタガイド5から取外すには、前述のカバー部材10をアダプタガイド5に取付ける場合とは反対にカバー部材10の枢軸10aをガイド孔5aに沿って移動させるようにすればよい。
【0041】
以上のようにカバー部材10は、係合口51を開閉可能に覆うようになっているが、この開閉可能な構成は、カバー部材10を係合口51に対して着脱して開放、閉塞したり、また、一端側を軸支してそれを支点として回動して係合口51を開放、閉塞したりするような構成が適用できる。要は、係合口51を開放状態、閉塞状態とすることができ、係合口51を開放状態にした場合に、アダプタAを操作できる形態であればよい。
【0042】
続いて、アダプタAは、図2及び図10に示すように、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置2へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯装置2とコネクタを介して接続されるようになっている。
【0043】
赤外線リモコン送信器Rは、例えば、周波数38kHzのパルス状の特定のコード化された赤外線リモコン制御信号を送信するもので、例えば、全光点灯ボタン、調光点灯ボタン、常夜灯ボタンや消灯ボタン等が設けられている。このリモコン送信器Rを補助部品ユニット8、すなわち、赤外線リモコン信号受信部に向けて操作することによって光源部6における発光素子61の発光状態、つまり、全光点灯、調光点灯、消灯等の制御を行うことができる。
【0044】
次に、上記のように構成された照明器具の天井面Cへの取付状態について、図10を参照して説明する。なお、図においてアダプタAから導出される電源コードの図示は省略している。
【0045】
図10に示すように、天井面Cに引掛けシーリングボディCbが設置されている。また、この引掛けシーリングボディCbには、アダプタAが電気的かつ機械的に接続されている。この状態からカバー部材10を開き又は取外して係合口51を開放状態として図示矢印で示すように、器具本体1におけるアダプタガイド5の係合口51をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部A1がアダプタガイド5の係合口51に確実に係合するまで器具本体1を下方から手で押し上げて取付け操作を行い、カバー部材10で係合口51を覆い閉塞状態とする。
【0046】
これにより、器具本体1の取付状態では、アダプタAがセンターシャーシ4の開口42を挿通し、アダプタAの係止部A1がアダプタガイド5の係合口51に係止されて取付状態が保持される。
【0047】
また、器具本体1を取外す場合には、カバー部材10を開き又は取外し、アダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
【0048】
このような器具本体1において、導光板7には開口71が形成されていて、アダプタガイド5の係合口51を含めて器具本体1の下方における略全面を覆うように構成されていない。したがって、器具本体1の取付け、取外し操作に際し、アダプタAの操作等のために、導光板7を器具本体1から取外すことなく、カバー部材10を係合口51に対して開放状態とすることにより、簡単な操作で作業を行うことができる。加えて、アダプタガイド5は、導光板7の開口71を挿通して取付けられるようになっているので、器具本体1の薄型化が可能となる。
【0049】
また、器具本体1の取付け操作において、器具本体1を下方から手で押し上げる際に、導光板7を手で押し上げて応力を加え、導光板7を変形させてしまう虞がある。しかしながら、本実施形態においては、センターシャーシ4に導光板7の背面側に対向する当接部41が形成されており、この当接部41が導光板7の背面側にサポートシャーシ3を介して当接しているので、導光板7を補強する機能を果たし、導光板7の変形を抑制することができる。さらに、当接部41は、導光板7の開口71の周囲に配設されるようになっているので、導光板7の変形の抑制を有効に行うことができる。
【0050】
照明器具の取付状態において、点灯装置2に電力が供給されると、基板62を介して発光素子61に通電され、各発光素子61が点灯する。発光素子61から出射された光は、導光板7の光入射端面72へ入射し、この入射した光は、導光板7内で全反射して導光板7全体に広がるとともに、背面側に形成された反射ドットからなるドットパターンによって拡散反射され、さらに前面側の拡散シートによって拡散されて均質化された光が前面側から放射される。また、導光板7から漏れた一部の光は、反射シートによって反射され前面側に放射されて再利用されるようになる。
また、カバー部材10は、透光性を有しているので、導光板7から漏れた光を透過させることができ、暗さ感を抑制できる。
【0051】
さらに、各発光素子61から発生する熱は、基板62裏面側から取付板63に伝導され、サポートシャーシ3に伝導され、サポートシャーシ3の広い面積で効果的に放熱される。
【0052】
以上のように本実施形態によれば、アダプタガイド5の係合口51に対応して導光板7に開口71を形成したので、アダプタAに器具本体1を取付ける場合や取外す場合、導光板7を取外すことなく、カバー部材10を操作することによって、簡単な操作で作業が行え、かつ薄型化が可能な照明器具を提供することができる。
【0053】
また、カバー部材10には落下防止手段が備えられているので、カバー部材10の開閉に際し、カバー部材10の落下を防止することが可能となる。さらに、カバー部材10は透光性を有しているので暗さ感を抑制できる。
次に、本発明の第2の実施形態について図11を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0054】
本実施形態では、カバー部材10の背面側に補助部品ユニット8を取付け配設したものである。補助部品ユニット8は、箱状の透光性のケース81内にユニット基板82及びこの基板82に実装された複数の電気的補助部品を備えて構成されている。電気的補助部品は、赤外線リモコン信号受信部、照度センサ、補助光源としての常夜灯、スイッチやモニターランプ等である。なお、人感センサや感振ユニットを設けるようにしてもよい。
この補助部品ユニット8は、コネクタ83を介してリード線によって点灯装置2に接続されている。
【0055】
このような構成によれば、補助部品ユニット8を器具本体1の略中央部に配置することができ外観性の向上を図ることができる。また、点灯装置2は、中央側に位置しているので、この点灯装置2との配線長を短くすることが可能となり、配線処理作業も容易となる。
【0056】
さらに、補助部品ユニット8から導出されるリード線は、コネクタ83によって着脱可能に接続されており、このためコネクタ83による接続がカバー部材10の落下防止手段としての機能を兼用することが可能となる。したがって、この落下防止手段と第1の実施形態において説明した落下防止手段とで二重に落下防止がなされることになる。
【0057】
加えて、例えば、補助部品ユニット8の電気的補助部品を赤外線リモコン信号受信部と常夜灯、又は赤外線リモコン信号受信部、照度センサと常夜灯のように組み合わせて、種類の異なる補助部品ユニット8をカバー部材10に設けたものを用意することにより、カバー部材10を交換することで複数の機種展開(機能の選択)が可能となる。
【0058】
なお、補助部品ユニット8を構成するケース81は、カバー部材10と一体的に形成するようにしてもよい。また、本実施形態の構成は、発光素子から出射される光を導光板を用いて照明を行う形式に適用する場合に限るものではない。導光板を用いることなく、例えば、基板に実装された発光素子から出射される光を拡散性を有する透光性カバーを透過させて照明を行う形式のものにも適用できる。さらに、光源の種類も格別限定されるものではない。
本発明は、上記実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1・・・器具本体、2・・・点灯装置、3・・・サポートシャーシ、
4・・・センターシャーシ、5・・・取付部(アダプタガイド)、6・・・光源部、
7・・・導光板、8・・・補助部品ユニット、9・・・本体枠、
10・・・カバー部材、51・・・係合口、61・・・発光素子、62・・・基板、
71・・・導光板の開口、72・・・光入射端面、A・・・アダプタ、
C・・・器具取付面(天井面)、Cb・・・配線器具(引掛けシーリングボディ)
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば、LED等の発光素子を光源として、導光板を用いて照明を行う照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、LEDの高出力化、高効率化及び普及化に伴い、光源としてLEDを用いた屋内又は屋外で使用される長寿命化が期待できる照明器具が開発されている。この照明器具は、LEDを基板に複数実装して所定の光量を得るようにしたもので、例えば、天井面等に直接的に取付けられる、いわゆる直付タイプのベース照明として用いられている。
【0003】
しかし、LEDから出射される光は指向性が強くグレアが生じやすく、また、輝度むらが発生しやすい。そこで、グレアを抑制し、発光面の均斉度の向上を図るため、導光板を用いて照明を行う新たな照明器具が開発されている。
【0004】
このような照明器具の場合、例えば、一般住宅用として天井面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディにアダプタが電気的かつ機械的に接続され、このアダプタに取付部を介して照明器具本体が取付けられる形式のものでは、照明器具本体の下方における略全面が導光板で覆われるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−21200号公報
【特許文献2】特開2009−283197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような照明器具において、アダプタに照明器具本体を取付ける場合や取外す場合、アダプタの操作等のために、導光板を取外して作業を行わなければならない。
【0007】
この種、導光板を用いる照明器具では、LED等の光源から出射される光が導光板の光入射端面に入射するように、光入射端面とLED等の光源とを対向配置する必要があるため、前記作業が伴う場合には、その構成が複雑化するという問題が生じる。
【0008】
また、導光板を用いない照明器具であっても、アダプタに照明器具本体を取付ける場合や取外す場合、照明器具本体の下方における略全面を覆う比較的大型に構成されたセードを取外して作業を行わなければならない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、アダプタに照明器具本体を取付ける場合や取外す場合、簡単な操作で作業を行うことができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態による照明器具は、器具取付面に設置された配線器具に対向する係合口を有する取付部と、前記係合口に対向して略中央部に開口を有し、外周部に光入射端面を備えた導光板とを備えている。
【0011】
また、導光板の前記光入射端面に出射光が入射するように配設された発光素子と、前記係合口に対向して係合口を開閉可能に覆う透光性を有するカバー部材と備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態によれば、照明器具本体を取付ける場合や取外す場合、簡単な操作で作業を行うことができる照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【図2】同照明器具を分解して示す斜視図である。
【図3】同器具本体を背面側から見て示す斜視図である。
【図4】図3中、X−X線に沿って示す断面図である。
【図5】図4中、A部を示す拡大図である。
【図6】図4中、B部を示す拡大図である。
【図7】同器具本体の取付部(アダプタガイド)を示す斜視図である。
【図8】同器具本体のカバー部材を示す斜視図である。
【図9】同器具本体における取付部(アダプタガイド)及びカバー部材を示す断面図である。
【図10】同照明器具の天井面への取付状態を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る照明器具を示す図5に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施形態について図1乃至図10を参照して説明する。なお、各図においてリード線等による配線接続関係は基本的には省略して示している。また、各図において同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0015】
本実施形態の照明器具は、器具取付面に設置された配線器具としての引掛けシーリングボディに取付けられて使用される形式であり、導光板を用いて例えば、室内の照明を行うものである。
【0016】
図1乃至図4において、照明器具は、器具本体1と、器具取付面としての天井面Cに設置された配線器具としての引掛けシーリングボディCbに電気的かつ機械的に接続されるアダプタA(図2及び併せて図10参照)と、赤外線リモコン送信器Rとを備えている。器具本体1は、図1に示すように略正方形状の外観に形成され、前面側を光の照射面とし、背面側を天井面Cへの取付面としている。
【0017】
図2に代表して示すように、器具本体1は、点灯装置2と、サポートシャーシ3と、センターシャーシ4と、取付部としてのアダプタガイド5と、光源部6と、導光板7と、補助部品ユニット8と、本体枠9と、カバー部材10とを備えている。これら構成要素について順次説明する。
【0018】
点灯装置2は、アルミニウム等の金属材料で形成された箱状のカバーケースと、このカバーケース覆われるように収容された回路基板及びこの基板に実装された回路部品とから構成されており、アダプタAを介して商用交流電源に接続されるようになっていて、この交流電源を受けて直流出力を生成するものである。したがって、点灯装置2は、後述する光源部6に電気的に接続されて、その直流出力を発光素子61に供給し、発光素子61を点灯制御するようになっている。この点灯装置2は、サポートシャーシ3の背面側に位置して取付けられている(図3参照)。
【0019】
サポートシャーシ3は、アルミニウム等の金属材料から略正方形状に形成されており、正方形状の浅皿状の凹部31を有し、この凹部31の各辺には外側に段状に屈曲して延出する取付片32が形成されている。また、凹部31の前面側は、導光板7を支持する支持面として構成されており、さらに、略中央部には、四角形状の開口33が形成されている。
【0020】
センターシャーシ4は、冷間圧延鋼板等の金属材料から略直方体の箱状に形成されており、一端側(図示上、下側)を開放し、この開放した各辺には外側に向かって水平方向に延出する鍔状の当接部41が形成されている。また、他端側(図示上、上側)には、円形状の開口42が形成されている。したがって、センターシャーシ4は、全体としては高さの低い直方体形状をなしている。当接部41は、導光板7の背面側にサポートシャーシ4を介して当接される部分であり、開口42は、アダプタAが挿通される部分である。そして、図5に示すように、センターシャーシ4の当接部41は、サポートシャーシ3における開口33の周辺部に上から重合されるように配置され、こられが固定手段によって固着されている。なお、センターシャーシ4の当接部41は、導光板7を補強する機能を有している。
【0021】
取付部としてのアダプタガイド5は、図5、図7及び図9の参照を加えて示すように、センターシャーシ4と同様に、全体としては高さの低い直方体形状に形成されていて、中央部にアダプタAが挿通し、係合する係合口51が設けられており、下端側に外方へ向かう鍔部52が形成されている。このアダプタガイド5は、その外周面がセンターシャーシ4の内周面に接するように配設され取付けられている。また、アダプタガイド5は、詳細を後述するカバー部材10が着脱可能に取付けられる着脱機構を備えている。
【0022】
光源部6は、図2、図4及び図6に示すように、発光素子61が実装された基板62と、この基板62が取付けられる取付部材としての取付板63とから構成されている。
【0023】
基板62は、横長の長方形状で絶縁材であるガラスエポキシ樹脂の平板からなり、表面側には銅箔で形成された配線パターンが施されている。また、適宜レジスト層が施されるようになっている。なお、基板62の材料は、絶縁材とする場合には、セラミックス材料又は合成樹脂材料を適用できる。さらに、金属製とする場合は、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたべース板の一面に絶縁層が積層された金属製のべース基板を適用してもよい。
【0024】
発光素子61は、LEDであり、表面実装型のLEDパッケージである。このLEDパッケージが基板62の長手方向に沿って多数直線状に並べられて実装され配設されている。LEDパッケージは、概略的にはセラミックスで形成された本体に配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ系樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されている。
【0025】
LEDチップは、青色光を発光する青色のLEDチップである。透光性樹脂には、蛍光体が混入されており、白色光を出射できるようにするために、青色の光とは補色の関係にある黄色系の光を放射する黄色蛍光体が使用されている。
【0026】
なお、LEDは、LEDチップを直接基板62に実装するようにしてもよく、また、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、格別限定されるものではない。
【0027】
取付板63は、アルミニウムや亜鉛めっき鋼板等の熱伝導が良好な材料から作られており、横長で側面が略C型形状に形成されている。この取付板63の内側壁には、基板62が、ねじ止め等によって、その裏面側が密着するように取付けられている。したがって、光源部6は、取付板63に基板62が取付けられてユニット化されている。
【0028】
本実施形態では、主として図2に示すように、このユニット化された光源部6が2個用いられており、導光板7の対向する二つの辺に対応して配設されるようになっている。なお、このユニット化された光源部6は、導光板7の各辺に対応するように配設してもよく、適宜設計に応じて選択することができる。
【0029】
導光板7は、アクリル樹脂等の透過率の高い材料を用いて四角形状の平板状に形成され、背面側の全面には光を拡散する多数の白色の反射ドットからなるドットパターンが印刷によって形成されているとともに反射シートが設けられている。また、前面側の全面には、拡散シートが設けられている。さらに、導光板7の略中央部には、アダプタガイド5の外形と対応し、また、アダプタAと対応するように四角形状の開口71が形成されている。また、この導光板7の外周部である四角形状の各辺、すなわち、側端面は、発光素子61から出射される光が入射して導光板7内を進行する光入射端面72として機能するようになっている。
【0030】
補助部品ユニット8は、横長箱状のケース内にユニット基板及びこの基板に実装された複数の電気的補助部品を備えて構成されている。本実施形態における電気的補助部品は、赤外線リモコン信号受信部、照度センサ、補助光源としての常夜灯、スイッチやモニターランプ等である。
【0031】
この補助部品ユニット8は、照明器具、すなわち、器具本体1の外周縁部、具体的には、本体枠9の外周縁部に配設される。したがって、導光板7の発光領域の外側に配設されるようになっている。このように構成された補助部品ユニット8は、複数の電気的補助部品が集中化して設けられていて、本体枠9に取付けられるようになっている。
【0032】
本体枠9は、ABS樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂から作られていて、略正方形状であって前記導光板7の寸法より大きな枠状に形成されており、側壁91と、この側壁91の下端部から内側に向かって斜め下方に延出し、さらに内側に向かって斜めに立ち上がる傾斜状部を有する底壁92とを備えている。また、底壁92には、複数のボス93が立設されており、このボス93には、サポートシャーシ3の取付片32がねじ止めされるようになっている。
【0033】
カバー部材10は、図5、図8及び図9の参照を加えて示すように、アクリル樹脂やポリカーボネート等の透光性を有する合成樹脂材料から略正方形状で前面側が凸となるように形成されている。また、前面側の表面には、拡散性の機能を果たす多数の凹凸が形成されている。このカバー部材10は、前記アダプタガイド5に取付けられていて、前記係合口51に対向して係合口51を開閉可能に覆うようになっており、さらに、取外し可能になっている。
【0034】
ここで、カバー部材10とアダプタガイド5との着脱機構について図5、図7乃至図9を参照して説明する。まず、図8及び図9に示すように、カバー部材10の背面側の一辺部の角部には、一対の枢軸10aが突出して形成されている。加えて、同一辺部の中間部には、一対の位置規制突起10bが設けられている。また、前記一辺部と対向する他辺部の略中央部には、係止爪10cを有する弾性変形可能な側面形状がU字状の係止操作摘み10dが設けられている。
【0035】
一方、図7及び図9に示すように、アダプタガイド5の対向する両側壁には、屈曲したガイド孔5a形成されている。このガイド孔5aは、カバー部材10の枢軸10aが導入される導入部5a1及び、カバー部材10を開いたときに、枢軸10aが係止され保持される保持部5a2とから構成されている。
【0036】
また、前面壁(図示上、右側)の中央部には、係止操作摘み10dの係止爪10cが係止される係止溝5bが形成されている。さらに、背面壁(図示上、左側)には、位置規制突起10bが係合する一対のスリット5cが形成されている。
【0037】
このような構成において、カバー部材10をアダプタガイド5に取付ける場合には、カバー部材10の枢軸10aをガイド孔5aの導入部5a1から導入し、保持部5a2まで進入させる。その後、カバー部材10を枢軸10aを支点として閉塞方向に回動し、係止爪10cを係止溝5bに係止させる。この状態では、図5に示すように、アダプタガイド5の係合口51は、カバー部材10によって覆われ閉塞状態となる。
【0038】
このとき、位置規制突起10bは一対のスリット5cに適正に係合し、そのため係止爪10cが係止溝5bに係止し、正常にカバー部材10が係合口51を閉塞状態に維持できるようになる。しかしながら、仮に、位置規制突起10bを設けない場合には、係止爪10cが係止溝5bに確実に係止されないまま、つまり、中途半端にカバー部材10が係合口51を閉塞状態とする可能性がある。
位置規制突起10bは、このようにカバー部材10が正常に係合口51を閉塞状態に維持するための機能を有している。
【0039】
次に、アダプタガイド5の係合口51を開放状態にする場合には、図5に示すように、係止操作摘み10dを矢印方向に操作して係止爪10cの係止を解き、カバー部材10を枢軸10aを支点として開放方向に回動する。このとき、枢軸10aは、ガイド孔5aの保持部5a2に係止され保持されため、カバー部材10はアダプタガイド5から外れて落下してしまうことが防止される(図10参照)。したがって、本実施形態では、カバー部材10の枢軸10aとアダプタガイド5のガイド孔5a、具体的には、保持部5a2によって落下防止手段が構成されている。
【0040】
また、カバー部材10をアダプタガイド5から取外すには、前述のカバー部材10をアダプタガイド5に取付ける場合とは反対にカバー部材10の枢軸10aをガイド孔5aに沿って移動させるようにすればよい。
【0041】
以上のようにカバー部材10は、係合口51を開閉可能に覆うようになっているが、この開閉可能な構成は、カバー部材10を係合口51に対して着脱して開放、閉塞したり、また、一端側を軸支してそれを支点として回動して係合口51を開放、閉塞したりするような構成が適用できる。要は、係合口51を開放状態、閉塞状態とすることができ、係合口51を開放状態にした場合に、アダプタAを操作できる形態であればよい。
【0042】
続いて、アダプタAは、図2及び図10に示すように、天井面Cに設置された引掛けシーリングボディCbに、上面側に設けられた引掛刃によって電気的かつ機械的に接続されるもので略円筒状をなし、周壁の両側には一対の係止部A1が、内蔵されたスプリングによって常時外周側へ突出するように設けられている。この係止部A1は下面側に設けられたレバーを操作することにより没入するようになっている。また、このアダプタAからは、前記点灯装置2へ接続する図示しない電源コードが導出されていて、点灯装置2とコネクタを介して接続されるようになっている。
【0043】
赤外線リモコン送信器Rは、例えば、周波数38kHzのパルス状の特定のコード化された赤外線リモコン制御信号を送信するもので、例えば、全光点灯ボタン、調光点灯ボタン、常夜灯ボタンや消灯ボタン等が設けられている。このリモコン送信器Rを補助部品ユニット8、すなわち、赤外線リモコン信号受信部に向けて操作することによって光源部6における発光素子61の発光状態、つまり、全光点灯、調光点灯、消灯等の制御を行うことができる。
【0044】
次に、上記のように構成された照明器具の天井面Cへの取付状態について、図10を参照して説明する。なお、図においてアダプタAから導出される電源コードの図示は省略している。
【0045】
図10に示すように、天井面Cに引掛けシーリングボディCbが設置されている。また、この引掛けシーリングボディCbには、アダプタAが電気的かつ機械的に接続されている。この状態からカバー部材10を開き又は取外して係合口51を開放状態として図示矢印で示すように、器具本体1におけるアダプタガイド5の係合口51をアダプタAに合わせながら、アダプタAの係止部A1がアダプタガイド5の係合口51に確実に係合するまで器具本体1を下方から手で押し上げて取付け操作を行い、カバー部材10で係合口51を覆い閉塞状態とする。
【0046】
これにより、器具本体1の取付状態では、アダプタAがセンターシャーシ4の開口42を挿通し、アダプタAの係止部A1がアダプタガイド5の係合口51に係止されて取付状態が保持される。
【0047】
また、器具本体1を取外す場合には、カバー部材10を開き又は取外し、アダプタAに設けられているレバーを操作してアダプタAの係止部A1の係合を解くことにより取外すことができる。
【0048】
このような器具本体1において、導光板7には開口71が形成されていて、アダプタガイド5の係合口51を含めて器具本体1の下方における略全面を覆うように構成されていない。したがって、器具本体1の取付け、取外し操作に際し、アダプタAの操作等のために、導光板7を器具本体1から取外すことなく、カバー部材10を係合口51に対して開放状態とすることにより、簡単な操作で作業を行うことができる。加えて、アダプタガイド5は、導光板7の開口71を挿通して取付けられるようになっているので、器具本体1の薄型化が可能となる。
【0049】
また、器具本体1の取付け操作において、器具本体1を下方から手で押し上げる際に、導光板7を手で押し上げて応力を加え、導光板7を変形させてしまう虞がある。しかしながら、本実施形態においては、センターシャーシ4に導光板7の背面側に対向する当接部41が形成されており、この当接部41が導光板7の背面側にサポートシャーシ3を介して当接しているので、導光板7を補強する機能を果たし、導光板7の変形を抑制することができる。さらに、当接部41は、導光板7の開口71の周囲に配設されるようになっているので、導光板7の変形の抑制を有効に行うことができる。
【0050】
照明器具の取付状態において、点灯装置2に電力が供給されると、基板62を介して発光素子61に通電され、各発光素子61が点灯する。発光素子61から出射された光は、導光板7の光入射端面72へ入射し、この入射した光は、導光板7内で全反射して導光板7全体に広がるとともに、背面側に形成された反射ドットからなるドットパターンによって拡散反射され、さらに前面側の拡散シートによって拡散されて均質化された光が前面側から放射される。また、導光板7から漏れた一部の光は、反射シートによって反射され前面側に放射されて再利用されるようになる。
また、カバー部材10は、透光性を有しているので、導光板7から漏れた光を透過させることができ、暗さ感を抑制できる。
【0051】
さらに、各発光素子61から発生する熱は、基板62裏面側から取付板63に伝導され、サポートシャーシ3に伝導され、サポートシャーシ3の広い面積で効果的に放熱される。
【0052】
以上のように本実施形態によれば、アダプタガイド5の係合口51に対応して導光板7に開口71を形成したので、アダプタAに器具本体1を取付ける場合や取外す場合、導光板7を取外すことなく、カバー部材10を操作することによって、簡単な操作で作業が行え、かつ薄型化が可能な照明器具を提供することができる。
【0053】
また、カバー部材10には落下防止手段が備えられているので、カバー部材10の開閉に際し、カバー部材10の落下を防止することが可能となる。さらに、カバー部材10は透光性を有しているので暗さ感を抑制できる。
次に、本発明の第2の実施形態について図11を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0054】
本実施形態では、カバー部材10の背面側に補助部品ユニット8を取付け配設したものである。補助部品ユニット8は、箱状の透光性のケース81内にユニット基板82及びこの基板82に実装された複数の電気的補助部品を備えて構成されている。電気的補助部品は、赤外線リモコン信号受信部、照度センサ、補助光源としての常夜灯、スイッチやモニターランプ等である。なお、人感センサや感振ユニットを設けるようにしてもよい。
この補助部品ユニット8は、コネクタ83を介してリード線によって点灯装置2に接続されている。
【0055】
このような構成によれば、補助部品ユニット8を器具本体1の略中央部に配置することができ外観性の向上を図ることができる。また、点灯装置2は、中央側に位置しているので、この点灯装置2との配線長を短くすることが可能となり、配線処理作業も容易となる。
【0056】
さらに、補助部品ユニット8から導出されるリード線は、コネクタ83によって着脱可能に接続されており、このためコネクタ83による接続がカバー部材10の落下防止手段としての機能を兼用することが可能となる。したがって、この落下防止手段と第1の実施形態において説明した落下防止手段とで二重に落下防止がなされることになる。
【0057】
加えて、例えば、補助部品ユニット8の電気的補助部品を赤外線リモコン信号受信部と常夜灯、又は赤外線リモコン信号受信部、照度センサと常夜灯のように組み合わせて、種類の異なる補助部品ユニット8をカバー部材10に設けたものを用意することにより、カバー部材10を交換することで複数の機種展開(機能の選択)が可能となる。
【0058】
なお、補助部品ユニット8を構成するケース81は、カバー部材10と一体的に形成するようにしてもよい。また、本実施形態の構成は、発光素子から出射される光を導光板を用いて照明を行う形式に適用する場合に限るものではない。導光板を用いることなく、例えば、基板に実装された発光素子から出射される光を拡散性を有する透光性カバーを透過させて照明を行う形式のものにも適用できる。さらに、光源の種類も格別限定されるものではない。
本発明は、上記実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1・・・器具本体、2・・・点灯装置、3・・・サポートシャーシ、
4・・・センターシャーシ、5・・・取付部(アダプタガイド)、6・・・光源部、
7・・・導光板、8・・・補助部品ユニット、9・・・本体枠、
10・・・カバー部材、51・・・係合口、61・・・発光素子、62・・・基板、
71・・・導光板の開口、72・・・光入射端面、A・・・アダプタ、
C・・・器具取付面(天井面)、Cb・・・配線器具(引掛けシーリングボディ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具取付面に設置された配線器具に対向する係合口を有する取付部と;
前記係合口に対向して略中央部に開口を有し、外周部に光入射端面を備えた導光板と;
この導光板の前記光入射端面に出射光が入射するように配設された発光素子と;
前記係合口に対向して係合口を開閉可能に覆う透光性を有するカバー部材と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
器具取付面に設置された配線器具に対向する係合口を有する取付部と;
前記係合口に対向して係合口を開閉可能に覆う透光性を有するカバー部材と;
このカバー部材の背面側に配設された補助部品ユニットと;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項3】
前記カバー部材は、照明器具本体に対して着脱可能であって、カバー部材を操作して係合口を開放した場合、当該カバー部材が照明器具本体側に保持されて落下が防止できる落下防止手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【請求項1】
器具取付面に設置された配線器具に対向する係合口を有する取付部と;
前記係合口に対向して略中央部に開口を有し、外周部に光入射端面を備えた導光板と;
この導光板の前記光入射端面に出射光が入射するように配設された発光素子と;
前記係合口に対向して係合口を開閉可能に覆う透光性を有するカバー部材と;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
器具取付面に設置された配線器具に対向する係合口を有する取付部と;
前記係合口に対向して係合口を開閉可能に覆う透光性を有するカバー部材と;
このカバー部材の背面側に配設された補助部品ユニットと;
を具備することを特徴とする照明器具。
【請求項3】
前記カバー部材は、照明器具本体に対して着脱可能であって、カバー部材を操作して係合口を開放した場合、当該カバー部材が照明器具本体側に保持されて落下が防止できる落下防止手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−109054(P2012−109054A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255358(P2010−255358)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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