照明器具
【課題】設置場所において、設置環境に対応して照射方向を調整できる照明器具を提供する。
【解決手段】ＬＥＤ３５１を有する複数の発光部３０が、各々回転軸３２回りに個別に回転可能なので、各発光部３０の照射方向を容易に変えることができ、設置場所において、設置環境に対応して照射方向を調整できる。
【解決手段】ＬＥＤ３５１を有する複数の発光部３０が、各々回転軸３２回りに個別に回転可能なので、各発光部３０の照射方向を容易に変えることができ、設置場所において、設置環境に対応して照射方向を調整できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＬＥＤを備えた複数の発光部を有する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ＬＥＤを備えた複数の発光部を有する照明器具が知られている（例えば、特許文献１参照）。
図３に示すように、特許文献１に記載の照明器具１００は、道路用の照明灯具であり、１個のＬＥＤ光源１０１と１個の凸レンズ１０２とを組み合わせた光学ユニット１０３を複数個（ここでは５個）有する。５個の凸レンズ１０２は所定の曲率で曲線状に配置されており、それぞれ３０°の間隔をもって一体成型されており、広い範囲に均一に光を照射している。
なお、光学ユニット１０３は、放熱させるために放熱構造１０４に取り付けられている。また、光学ユニット１０３は、ＬＥＤ光源１０１の光出力を制御する点灯回路電源１０５に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−２４５６２１号公報（第１図）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、前述した特許文献１に記載の照明器具１００では、各光学ユニット１０３の向き、すなわち照射方向が固定されているため、設置場所に応じて配光を変えることが困難であるという問題があった。
このため、例えば住民等が眩しいため、特定の方向への光の照射を防止する設置環境にあっても対応できなかった。
【０００５】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、設置場所において、設置環境に対応して照射方向を調整できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の照明器具は、ＬＥＤを有する複数の発光部と、前記発光部を各々個別に回転可能に支持する複数の回転軸と、を有し、複数の前記回転軸が互いに平行であるものである。
【０００７】
また、本発明の照明器具は、複数の前記回転軸が、同心円上に配置されたものである。
【０００８】
また、本発明の照明器具は、前記発光部の回転範囲を規制する回転範囲規制手段を有するものである。
【０００９】
さらに、本発明の照明器具では、前記回転範囲規制手段は、他の前記発光部の背面を照射しない回転範囲に設定するものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明は、ＬＥＤを有する複数の発光部が、各々回転軸回りに個別に回転可能なので、各発光部の照射方向を容易に変えることができ、設置場所において、設置環境に対応して照射方向を調整できるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】（Ａ）は本発明に係る実施形態の照明器具の（Ｂ）中Ａ−Ａ位置の断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）中Ｂ方向から見た正面図
【図２】（Ａ）は発光部の横断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）中Ｂ方向から見た正面図
【図３】従来のＬＥＤを用いた照明器具の断面図
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明に係る実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図１に示すように、本発明に係る実施形態の照明器具１０は、街路灯照明器具として主に屋外で使用することができる。
照明器具１０は、地中や舗道等に立設されるパイプ状のポスト１１を有し、ポスト１１の上端に灯具２０を有する。
【００１３】
灯具２０は、ポスト１１の上端に取り付けられた上方に開口した例えば円形の灯具本体２１を有し、灯具本体２１の上には複数個（ここでは、例えば３個）の発光部であるＬＥＤユニット３０を有する。灯具本体２１の上には、ＬＥＤユニット３０を内部に収容するように、例えば円錐台形状の透光性のカバー２２が取り付けられ、カバー２２の上には、蓋２３が取り付けられる。
蓋２３およびカバー２２は、取り外し可能に設けられるとともに、雨等の水分が侵入しないように、水密性を保持して取り付けられる。
【００１４】
図２に示すように、ＬＥＤユニット３０は、前方が開口（開口部３１１）した矩形箱状の発光部本体３１を有し、発光部本体３１は、回転軸３２によりブラケット３３に回転可能に支持されている。なお、ＬＥＤユニット３０は回転軸３２に回転可能に支持されるが、自由に回転するものではなく、ある程度の力で回転させた際には回転可能である。あるいは、回転可能であるとともに、所定の位置で回転を固定できるようにしても良い。
ブラケット３３は、例えば灯具本体２１の中心に、上下方向に柱状部材を設け、この柱状部材から外側へ張り出すように設けることができる。
【００１５】
図１（Ａ）に示すように、各回転軸３２は、同心円Ｒ上に配置され、互いに上下方向に平行となるように設けるのが望ましい。各回転軸３２の左右両側には回転範囲規制手段であるストッパ３６が設けられており、各ＬＥＤユニット３０の回転範囲を規制している。
すなわち、各ＬＥＤユニット３０は、他のＬＥＤユニット３０の背面を照射しないように，回転範囲が規制されている。
【００１６】
ストッパ３６は、ＬＥＤユニット３０を回転可能に支持しているブラケット３３を大きくして、ブラケット３３の上面または下面において発光部本体３１が回転した際に干渉する位置に取り付けることができる。
あるいは、ストッパ３６として、灯具本体２１から上方へ向けて棒状の部材を所定位置に設けることも可能である。
なお、ストッパ３６の位置を調整可能にすることもできる。
【００１７】
図２に示すように、発光部本体３１の内部には基板３４が取り付けられている。基板３４には、ＬＥＤチップ（ＬＥＤ）３５１とレンズ３５２とを有するＬＥＤパッケージ３５が、上下方向の直線上に複数個（ここでは、例えば５個）配置されている。
なお、基板３４の表面を白色や金属色等光を反射させる色にするのが望ましい。
【００１８】
従って、照明器具１０を設置する際には、設置されているポスト１１の上端に灯具２０を取り付ける。灯具２０には、灯具本体２１の内部に複数個のＬＥＤユニット３０が取り付けられている。
蓋２３およびカバー２２を外して、ＬＥＤユニット３０の照射方向を調整する。このとき、上方から作業できる場合には、カバー２２は取り付けられていても良い。
そして、ＬＥＤユニット３０の照射方向を設定する。このとき、照射方向の後方に位置するＬＥＤユニット３０が、前方のＬＥＤユニット３０の背面を照射しないように、回転軸３２を中心として回転させた後、固定する。
そして、カバー２２を取り付け、蓋２３を取り付ける。
【００１９】
以上、説明した本発明に係る実施形態の照明器具１０によれば、ＬＥＤパッケージ３５を有する複数のＬＥＤユニット３０が、各々回転軸３２回りに個別に回転可能なので、各ＬＥＤユニット３０の照射方向を容易に変えることができ、設置場所において、設置環境に対応して照射方向を調整できる。
【００２０】
また、ＬＥＤユニット３０を回転可能に支持する回転軸３２を同心円上に配置したので、照射方向を任意の方向に設定できる。
【００２１】
また、ストッパ３６が回転軸３２まわりのＬＥＤユニット３０の回転範囲を規制するので、所望の照射範囲に確実に光を照射でき、設置環境に応じて、光を照射したくない範囲には光の照射を防止できる。
【００２２】
さらに、ＬＥＤユニット３０が、他のＬＥＤユニット３０の背面を照射しないようにするので、光の照射効率を高めることができる。また、他のＬＥＤユニット３０の背面の温度上昇を回避できるので、温度上昇に伴うＬＥＤユニット３０の寿命を縮めるのを防止できる。
【００２３】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形，改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、カバー２２が円錐台形状の場合を例示したが、照射方向に応じて、円筒形状や、下方を照射する球形等を採用できる。
【００２４】
また、前述した実施形態においては、各ＬＥＤユニット３０が、複数個のＬＥＤパッケージ３５を有する場合を例示したが、ＬＥＤユニット３０が１個のＬＥＤパッケージ３５を有する場合にも適用できる。
【符号の説明】
【００２５】
１０ 照明器具
３０ ＬＥＤユニット（発光部）
３２ 回転軸
３５１ ＬＥＤチップ（ＬＥＤ）
３６ ストッパ（回転範囲規制手段）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＬＥＤを備えた複数の発光部を有する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ＬＥＤを備えた複数の発光部を有する照明器具が知られている（例えば、特許文献１参照）。
図３に示すように、特許文献１に記載の照明器具１００は、道路用の照明灯具であり、１個のＬＥＤ光源１０１と１個の凸レンズ１０２とを組み合わせた光学ユニット１０３を複数個（ここでは５個）有する。５個の凸レンズ１０２は所定の曲率で曲線状に配置されており、それぞれ３０°の間隔をもって一体成型されており、広い範囲に均一に光を照射している。
なお、光学ユニット１０３は、放熱させるために放熱構造１０４に取り付けられている。また、光学ユニット１０３は、ＬＥＤ光源１０１の光出力を制御する点灯回路電源１０５に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−２４５６２１号公報（第１図）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、前述した特許文献１に記載の照明器具１００では、各光学ユニット１０３の向き、すなわち照射方向が固定されているため、設置場所に応じて配光を変えることが困難であるという問題があった。
このため、例えば住民等が眩しいため、特定の方向への光の照射を防止する設置環境にあっても対応できなかった。
【０００５】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、設置場所において、設置環境に対応して照射方向を調整できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の照明器具は、ＬＥＤを有する複数の発光部と、前記発光部を各々個別に回転可能に支持する複数の回転軸と、を有し、複数の前記回転軸が互いに平行であるものである。
【０００７】
また、本発明の照明器具は、複数の前記回転軸が、同心円上に配置されたものである。
【０００８】
また、本発明の照明器具は、前記発光部の回転範囲を規制する回転範囲規制手段を有するものである。
【０００９】
さらに、本発明の照明器具では、前記回転範囲規制手段は、他の前記発光部の背面を照射しない回転範囲に設定するものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明は、ＬＥＤを有する複数の発光部が、各々回転軸回りに個別に回転可能なので、各発光部の照射方向を容易に変えることができ、設置場所において、設置環境に対応して照射方向を調整できるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】（Ａ）は本発明に係る実施形態の照明器具の（Ｂ）中Ａ−Ａ位置の断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）中Ｂ方向から見た正面図
【図２】（Ａ）は発光部の横断面図であり、（Ｂ）は（Ａ）中Ｂ方向から見た正面図
【図３】従来のＬＥＤを用いた照明器具の断面図
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明に係る実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図１に示すように、本発明に係る実施形態の照明器具１０は、街路灯照明器具として主に屋外で使用することができる。
照明器具１０は、地中や舗道等に立設されるパイプ状のポスト１１を有し、ポスト１１の上端に灯具２０を有する。
【００１３】
灯具２０は、ポスト１１の上端に取り付けられた上方に開口した例えば円形の灯具本体２１を有し、灯具本体２１の上には複数個（ここでは、例えば３個）の発光部であるＬＥＤユニット３０を有する。灯具本体２１の上には、ＬＥＤユニット３０を内部に収容するように、例えば円錐台形状の透光性のカバー２２が取り付けられ、カバー２２の上には、蓋２３が取り付けられる。
蓋２３およびカバー２２は、取り外し可能に設けられるとともに、雨等の水分が侵入しないように、水密性を保持して取り付けられる。
【００１４】
図２に示すように、ＬＥＤユニット３０は、前方が開口（開口部３１１）した矩形箱状の発光部本体３１を有し、発光部本体３１は、回転軸３２によりブラケット３３に回転可能に支持されている。なお、ＬＥＤユニット３０は回転軸３２に回転可能に支持されるが、自由に回転するものではなく、ある程度の力で回転させた際には回転可能である。あるいは、回転可能であるとともに、所定の位置で回転を固定できるようにしても良い。
ブラケット３３は、例えば灯具本体２１の中心に、上下方向に柱状部材を設け、この柱状部材から外側へ張り出すように設けることができる。
【００１５】
図１（Ａ）に示すように、各回転軸３２は、同心円Ｒ上に配置され、互いに上下方向に平行となるように設けるのが望ましい。各回転軸３２の左右両側には回転範囲規制手段であるストッパ３６が設けられており、各ＬＥＤユニット３０の回転範囲を規制している。
すなわち、各ＬＥＤユニット３０は、他のＬＥＤユニット３０の背面を照射しないように，回転範囲が規制されている。
【００１６】
ストッパ３６は、ＬＥＤユニット３０を回転可能に支持しているブラケット３３を大きくして、ブラケット３３の上面または下面において発光部本体３１が回転した際に干渉する位置に取り付けることができる。
あるいは、ストッパ３６として、灯具本体２１から上方へ向けて棒状の部材を所定位置に設けることも可能である。
なお、ストッパ３６の位置を調整可能にすることもできる。
【００１７】
図２に示すように、発光部本体３１の内部には基板３４が取り付けられている。基板３４には、ＬＥＤチップ（ＬＥＤ）３５１とレンズ３５２とを有するＬＥＤパッケージ３５が、上下方向の直線上に複数個（ここでは、例えば５個）配置されている。
なお、基板３４の表面を白色や金属色等光を反射させる色にするのが望ましい。
【００１８】
従って、照明器具１０を設置する際には、設置されているポスト１１の上端に灯具２０を取り付ける。灯具２０には、灯具本体２１の内部に複数個のＬＥＤユニット３０が取り付けられている。
蓋２３およびカバー２２を外して、ＬＥＤユニット３０の照射方向を調整する。このとき、上方から作業できる場合には、カバー２２は取り付けられていても良い。
そして、ＬＥＤユニット３０の照射方向を設定する。このとき、照射方向の後方に位置するＬＥＤユニット３０が、前方のＬＥＤユニット３０の背面を照射しないように、回転軸３２を中心として回転させた後、固定する。
そして、カバー２２を取り付け、蓋２３を取り付ける。
【００１９】
以上、説明した本発明に係る実施形態の照明器具１０によれば、ＬＥＤパッケージ３５を有する複数のＬＥＤユニット３０が、各々回転軸３２回りに個別に回転可能なので、各ＬＥＤユニット３０の照射方向を容易に変えることができ、設置場所において、設置環境に対応して照射方向を調整できる。
【００２０】
また、ＬＥＤユニット３０を回転可能に支持する回転軸３２を同心円上に配置したので、照射方向を任意の方向に設定できる。
【００２１】
また、ストッパ３６が回転軸３２まわりのＬＥＤユニット３０の回転範囲を規制するので、所望の照射範囲に確実に光を照射でき、設置環境に応じて、光を照射したくない範囲には光の照射を防止できる。
【００２２】
さらに、ＬＥＤユニット３０が、他のＬＥＤユニット３０の背面を照射しないようにするので、光の照射効率を高めることができる。また、他のＬＥＤユニット３０の背面の温度上昇を回避できるので、温度上昇に伴うＬＥＤユニット３０の寿命を縮めるのを防止できる。
【００２３】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形，改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、カバー２２が円錐台形状の場合を例示したが、照射方向に応じて、円筒形状や、下方を照射する球形等を採用できる。
【００２４】
また、前述した実施形態においては、各ＬＥＤユニット３０が、複数個のＬＥＤパッケージ３５を有する場合を例示したが、ＬＥＤユニット３０が１個のＬＥＤパッケージ３５を有する場合にも適用できる。
【符号の説明】
【００２５】
１０ 照明器具
３０ ＬＥＤユニット（発光部）
３２ 回転軸
３５１ ＬＥＤチップ（ＬＥＤ）
３６ ストッパ（回転範囲規制手段）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ＬＥＤを有する複数の発光部と、
前記発光部を各々個別に回転可能に支持する複数の回転軸と、を有し、
複数の前記回転軸が互いに平行である照明器具。
【請求項２】
請求項１に記載の照明器具において、
複数の前記回転軸が、同心円上に配置された照明器具。
【請求項３】
請求項１または請求項２に記載の照明器具において、
前記発光部の回転範囲を規制する回転範囲規制手段を有する照明器具。
【請求項４】
請求項３に記載の照明器具において、
前記回転範囲規制手段は、他の前記発光部の背面を照射しない回転範囲に設定する照明器具。
【請求項１】
ＬＥＤを有する複数の発光部と、
前記発光部を各々個別に回転可能に支持する複数の回転軸と、を有し、
複数の前記回転軸が互いに平行である照明器具。
【請求項２】
請求項１に記載の照明器具において、
複数の前記回転軸が、同心円上に配置された照明器具。
【請求項３】
請求項１または請求項２に記載の照明器具において、
前記発光部の回転範囲を規制する回転範囲規制手段を有する照明器具。
【請求項４】
請求項３に記載の照明器具において、
前記回転範囲規制手段は、他の前記発光部の背面を照射しない回転範囲に設定する照明器具。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１２−８９４５３（Ｐ２０１２−８９４５３Ａ）
【公開日】平成２４年５月１０日（２０１２．５．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２３７７３０（Ｐ２０１０−２３７７３０）
【出願日】平成２２年１０月２２日（２０１０．１０．２２）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年５月１０日（２０１２．５．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１０月２２日（２０１０．１０．２２）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]