説明

照明器具

【課題】LED発光部からの光の損失をなくして器具中心を明るく照射でき、パネルを均一に照射できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、器具本体11と、器具本体11に取り付けられるLED発光部12,16と、略山形状に形成されてLED発光部16からの光を反射させるための反射板15と、反射板15の前面に配置されるパネルカバー17とを備え、反射板15は、表面に凹凸部29が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井面に直接設置されてシーリングライト等に適用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、天井面に固定される器具本体と、LEDに光学的に結合するとともに器具本体に対してLEDの光が出射する方向を変化させるように回動可能に連結された導光体とを備える照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4363387号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、導光体を器具本体に体して回動させることにより、配光を容易に変更できる。
ところが、特許文献1のような従来の照明器具は、LEDの粒が発光する際に生ずる粒感を消す構造や構成が必要である。
しかし、従来の照明器具は、この粒感を消す方法として、床面に対して床面側へLEDを向けた直射式を採用した場合、LEDと床面の間に拡散パネルを使用しなくてはならなかった。
【0005】
さらに、従来の照明器具は、拡散パネルを、LEDから、ある程度距離を置いて配置しないと粒感をなくすことができない。
従って、従来の照明器具は、その制約上、天井面からの高さが必要となり、薄さ感を実現できない。
【0006】
一方、粒感を消す方法として、反射式を採用した場合、反射板を利用するために、LEDから離れた場所のパネルが暗くなる。
そのため、従来の照明器具は、器具中心に天井への固定用の引掛シーリングを使用するが、器具中心に、その構成を備えなければならず、その部分が空洞、あるいは、発光していないために、暗くなる。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、LED発光部からの光の損失をなくして器具中心を明るく照射でき、パネルを均一に照射できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明器具は、器具本体と、前記器具本体に取り付けられるLED発光部と、略山形状に形成されて前記LED発光部からの光を反射させるための反射板と、前記反射板の前面に配置されるパネルカバーとを備え、前記反射板は、表面に凹凸部が設けられる。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記反射板の前記凹凸部は、前記LED発光部からの光照射方向に対して交差する方向に沿って連続する。
【0010】
本発明に係る照明器具は、前記反射板は、頂部に設けられた開口部に収容され、引掛シーリングに係合される取付金具と、前記開口部を塞ぐ蓋とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る照明器具によれば、LED発光部からの光の損失をなくして器具中心を明るく照射でき、パネルを均一に照射できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る一実施形態の照明器具の垂直断面図
【図2】本発明に係る一実施形態の照明器具の斜め上方から視た分解斜視図
【図3】本発明に係る一実施形態の照明器具の光学的特性を説明する一部破断垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る一実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10は、器具本体11と、器具本体11の上面に取り付けられる上部LED発光部12と、上部LED発光部12の上部を覆う上部枠13とを備える。
また、照明器具10は、上部枠13の上部に取り付けられる上部パネル14と、器具本体11の下面に取り付けられる反射板15と、反射板15の下面に配置される下部LED発光部16とを備える。
【0014】
そして、照明器具10は、反射板15の下面に取り付けられる透過性を有するパネルカバー17を備える。
照明器具10は、天井面1に設置されている引掛シーリング2に係合されることにより、引掛シーリング2に機械的に取り付けられて電気的に接続される取付金具18を器具本体11の中央部に有する。
【0015】
上部LED発光部12は、LED基板19に複数のLED20が封止され、LED20が器具本体11の上面において側方に照射方向を向けて取り付けられる。上部LED発光部12の側部には、透過性を有するレンズカバー21が取り付けられる。
上部LED発光部12は、LED基板19に有する不図示のプリント回路が、取付金具18に電気的に接続された不図示の電源ユニットに電気的に接続される。
そのため、上部LED発光部12は、電源ユニットの駆動に伴い、LED20が、レンズカバー21を通じて器具本体11の側部および天井面1に向けて光を出射する。
【0016】
下部LED発光部16は、LED基板22に複数のLED23が封止され、LED23が器具本体11の下面において中央部に照射方向を向けて取り付けられる。
下部LED発光部16は、LED基板22に有する不図示のプリント回路が、取付金具18に電気的に接続された不図示の電源ユニットに電気的に接続される。
そのため、下部LED発光部16は、電源ユニットの駆動に伴い、レンズ24を介して、LED23が、器具本体11の中央部に向けて光を出射する。
【0017】
反射板15は、逆四角錐形状(山形)に形成されて、中央の頂部25に小判形状の開口部26が形成されており、器具本体11の下面において、下部LED発光部16の内側に取り付けられる。
なお、反射板15は、屋根形状やピラミッド形状であってもよい。
反射板15は、開口部26に蓋27が装着されており、床面に向けて突出する頂部25の上方に引掛シーリング2に係合される取付金具18が収容される。
反射板15は、頂部25よりも上方に配置される外縁部28が器具本体11の外縁部に取り付けられる。反射板15は、頂部25と外縁部28との間に、凹凸部29が形成される。
【0018】
図2に示すように、器具本体11は、例えばアルミニウムダイカスト製の厚みの薄い板部材を打ち抜き加工することにより四角形に形成される。
そして、上部枠13と、上部パネル14と、反射板15と、パネルカバー17とが、器具本体11に相似する四角形に形成される。
上部LED発光部12は、上部枠13の四辺に沿って複数配置される。これとは異なり、下部LED発光部16は、反射板15の対向位置に複数配置される。
反射板15は、凹凸部29が、下部LED発光部16からの光照射方向に対して交差する方向に沿って凹形状および凸形状を連続して有する。
凹凸部29は、並行リブ形状や凹凸の溝形状や凸の梨地や凹のディンプルや凹凸の格子形状である。
【0019】
次に、照明器具10の光学的な特性について説明する。
図3に示すように、電源ユニットが駆動されるのに伴い、上部LED発光部12においてLED基板19を通じてLED20に給電されることにより、LED20が、レンズカバー21を通じて器具本体11の側部および天井面1に向けて光を出射する。
同時に、電源ユニットが駆動されるのに伴い、下部LED発光部16においてLED基板22を通じてLED23に給電されることにより、LED23が、レンズ24を介して、器具本体11の中央部に向けて光を出射する。
【0020】
このとき、器具本体11の中央部に向けて出射された下部LED発光部16のLED23からの光成分は、下部LED発光部16の前面である器具本体10の中心側に反射板15が配置されているために、反射板15の開口部26および蓋27を照射する。
同時に、反射板15に照射されたLED23からの光成分は、反射板15における頂部25と外縁部28との間において、凹凸部29によりパネルカバー17に向けて反射される。
そのため、反射板15に照射されたLED23からの光成分は、反射板15に凹凸部29を有さない場合と比べて、パネルカバー17に透過される光量が飛躍的に増大する。
【0021】
以上、説明した本発明に係る一実施形態の照明器具10によれば、器具中心を明るく照射でき、反射板15において反射した多くの光量の光をパネルカバー17へ透過させて、ルーメン(Lm)が低下することなく、パネルカバー17の全体を均一に発光できる。
そして、照明器具10によれば、反射板15の凹凸部29が、下部LED発光部16からの光をパネルカバー17へ強制的に反射させることにより、全ての光を無駄なく透過できる。
【0022】
また、照明器具10によれば、下部LED発光部16からの光の照射方向に対して交差する方向に沿って連続する反射板15の凹凸部29により、下部LED発光部16からの光成分を効率よくパネルカバー17に誘導できる。
【0023】
そして、照明器具10によれば、反射板15の開口部26に蓋27が装着され、反射板15の頂部25の上方に、引掛シーリング2に係合される取付金具18が収容されるために、取付金具18の位置周辺を明るく照射できる。
【0024】
なお、本発明の照明器具において器具本体,上部枠,上部パネル,パネルカバー,取付金具,LED発光部等は、前述した一実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0025】
2 引掛シーリング
10 照明器具
11 器具本体
12 上部LED発光部(LED発光部)
15 反射板
16 下部LED発光部(LED発光部)
17 パネルカバー
18 取付金具
26 開口部
27 蓋
29 凹凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
前記器具本体に取り付けられるLED発光部と、
略山形状に形成されて前記LED発光部からの光を反射させるための反射板と、
前記反射板の前面に配置されるパネルカバーとを備え、
前記反射板は、表面に凹凸部が設けられる照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記反射板の前記凹凸部は、前記LED発光部からの光照射方向に対して交差する方向に沿って連続する照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記反射板は、頂部に設けられた開口部に収容され、引掛シーリングに係合される取付金具と、前記開口部を塞ぐ蓋とを有する照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−25993(P2013−25993A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158999(P2011−158999)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】