説明

照明用ガラス及び蛍光ランプ用外套容器

【課題】 液晶表示装置内の樹脂部材を劣化させない優れた紫外線遮蔽性を備え、しかもAs及びSbを必須成分として使用しなくとも高い透過率を達成することが可能な照明用ガラス及び蛍光ランプ用外套容器を提供する。
【解決手段】 質量百分率でSiO 55〜75%、Al 0〜10%、B 11〜25%、MgO 0.1〜10%、CaO 0〜10%、SrO+BaO+ZnO 0〜15%、TiO 3〜5%(ただし3%を含まず)、NaO 0〜5%、KO 0〜10%、LiO+NaO+KO 3〜15%、Fe 0.005〜0.03%、Sb 0.2%未満、As 0.1%未満の範囲にあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用ガラスに関し、特に液晶表示素子のバックライト光源として使用される蛍光ランプ用外套容器を作製するための照明用ガラスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルは、自己発光しないためバックライト等の照明装置が必要である。その照明装置はバックライトユニットと呼称され、光源であるランプ、ランプから後方に放射された光を前面に反射する反射板、光を均質に平均化する拡散板や液晶開口部に光を集中させ、その他を反射するレンズシート等からなる。反射板、拡散板、レンズは樹脂で形成されている。具体的には、蛍光ランプを液晶表示パネルの直下に置き、反射板でパネル側に光を出し、これを拡散板で均質な光とする直下型照明装置と、蛍光ランプを液晶表示パネルの側方に設置して、反射板からの光を導光板に導き、拡散板を通して液晶表示パネル側に光を出すエッジ型照明装置がある。直下型液晶表示装置はTVなどの大型液晶表示パネルに好適であり、エッジ型液晶表示装置は薄型化が可能であるためパーソナルコンピューター(PC)に広く使用されている。
【0003】
光源として使用される蛍光ランプには、冷陰極蛍光ランプが使用されるのが一般的である(例えば特許文献1)。冷陰極蛍光ランプは、コバール、タングステン、モリブデン等の電極と、電極を封着するための封着ビーズと、蛍光体が内面に塗布されたホウケイ酸ガラス製の外套管を用いて作製される。また、電極が外套管表面に形成された外部電極ランプ(例えば特許文献2)と呼ばれる蛍光ランプも使用され始めている。これらのランプの発光原理は、一般の熱陰極ランプと同様で、電極間の放電によって封入された水銀ガス等が励起し、励起したガスから放射される紫外線によって外套管の内壁面に塗られた蛍光体が可視光線を発光するというものである。
【0004】
バックライトユニットの寿命は、当初の光束の半分になった時間で表される。光束劣化原因は、光源の蛍光ランプのみならず、その光を効率良く反射する樹脂製の反射板や、その光を拡散する拡散板の劣化による着色によって、反射率や透過率が低下することでも引き起こされる。これら樹脂材料の劣化は、ランプ内部で発生する紫外線がランプ外に漏れることが主たる原因である。特に、TV用途では長期にわたって使用されるため、比較的寿命が短いPC用途では問題にならないような、より長波長側の紫外線(313nm等)の漏洩の影響が無視できなくなっている。
【0005】
そこで、長寿命が要求される蛍光ランプの外套管には、TiOを多量に添加することによって高い紫外線遮蔽性を備えたホウケイ酸ガラスを使用することが検討されている。例えば特許文献3には、TiOを用いて紫外線遮蔽性を付与した蛍光ランプ用外套管ガラス材質が開示されている。
【特許文献1】特開平6−111784号公報
【特許文献2】特開2005−93422号公報
【特許文献3】特開2005−320225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ホウケイ酸ガラスにおいてTiOの含有量を増やすと、不純物成分としてガラス中に含まれるFe、Cr等の着色が強まり、可視光の透過が低下してガラスが著しく着色する。照明用の外套容器として用いられる場合、ガラスの着色により照明ランプの中で発生した可視光を効率よく外部に透過することができず、照明ランプの明るさの低下をまねく。また、液晶用バックライト光源としては特定波長の可視光の透過が阻害されることにより、液晶表示装置で得られる画像の色合いが変わるなどの問題が起こる。
【0007】
そこで上記特許文献3においては、ホウケイ酸ガラスの着色を防ぐ方法として、ガラスにAsあるいはSbを含有させることが開示されている。しかしながら、AsやSbは環境面から使用しないことが望まれており、また一部の環境規制においては使用量制限の法令化が進んでいることが現状である。
【0008】
本発明の目的は、液晶表示装置内の樹脂部材を劣化させない優れた紫外線遮蔽性を備え、しかもAs及びSbを必須成分として使用しなくとも高い透過率を達成することが可能な照明用ガラス及び蛍光ランプ用外套容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は種々の研究を重ねた結果、TiOを高含有するホウケイ酸ガラスに一定量以上のMgOを含有させることによって、AsやSbを多量に使用することなくガラスの着色を緩和できることを見出した。さらにTiOを高含有するホウケイ酸ガラスにCaOを適量含有させれば、紫外線吸収端を長波長側にシフトさせて313nmの紫外線遮蔽性を向上させられることを見出した。
【0010】
即ち、本発明の照明用ガラスは、質量百分率でSiO 55〜75%、Al 0〜10%、B 11〜25%、MgO 0.1〜10%、CaO 0〜10%、SrO+BaO+ZnO 0〜15%、TiO 3〜5%(ただし3%を含まず)、NaO 0〜5%、KO 0〜10%、LiO+NaO+KO 3〜15%、Fe 0.005〜0.03%、Sb 0.2%未満、As 0.1%未満の範囲にあることを特徴とする。
【0011】
本発明の照明用ガラスは、MgOを0.6質量%以上、特に1質量%以上含有することが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、TiOを高含有する場合であっても、不純物によるガラスの着色を効果的に緩和することができる。
【0013】
本発明の照明用ガラスは、CaOを0.1質量%以上含有することが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、紫外線吸収端を長波長側にシフトさせて313nmの紫外線遮蔽性を向上させることが可能となる。その結果、TiO含有量を低減でき、ガラス着色を一層抑制できる。
【0015】
本発明の照明用ガラスは、蛍光ランプ用であることが好ましい。蛍光ランプには、熱陰極型(HCFL)、冷陰極型(CCFL)、外部電極型(EEFL)等がある。本発明においては、全てのタイプの蛍光ランプを対象とするが、特に液晶表示素子のバックライト光源として広く採用されているCCFLやEEFLであることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、本発明の効果を的確に享受できる。
【0017】
本発明の蛍光ランプ用外套容器は、上記照明用ガラスからなることを特徴とする。ここで「外套容器」とは、蛍光ランプの内部空間(放電空間)を形成するための部材である。一般には、管型形状のものが広く普及している。しかし近年では種々の形態の蛍光ランプが検討されており、例えば平面タイプの蛍光ランプでは、箱型形状等の外套容器が使用される。本発明においては、これらの形態全てを総称して「外套容器」と呼ぶ。
【0018】
本発明の蛍光ランプ用外套容器は、液晶表示装置のバックライト用蛍光ランプの外套容器として使用されることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、本発明の効果を的確に享受できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の照明用ガラスは、TiOを高含有しているため、より長波長側の紫外線(313nm等)を遮蔽することが可能である。よって液晶TVのバックライト光源のように長期間使用される場合であっても、蛍光ランプ周辺材料の劣化を効果的に防止することができる。
【0021】
また所定量のMgOを含有しているため、TiOを多量に含有していても、不純物によるガラスの着色を緩和することができる。このため、AsやSbといった環境上好ましくない成分の使用を最小限にすることが可能である。
【0022】
それゆえ液晶表示装置のバックライト用蛍光ランプの外套容器を構成する材料として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の照明用ガラスの組成を上記のように限定した理由を述べる。なお以下の説明において特に断りのない限り「%」は「質量%」を意味する。
【0024】
SiOは、ガラスの骨格を構成するために必要な主成分であり、その含有量は55〜75%、好ましくは60〜75%である。SiOが75%以下であれば、シリカ原料の溶融に長時間を要せず、ガラスの粘度も高くなりすぎない。このため、例えばガラス管製造において無理なく溶融でき、また成形温度も高くなりすぎないことから、容易に製造できる。また消費エネルギーを低く抑えることが可能になる。一方、SiOが55%以上であれば、照明用ガラスとして十分な強度を有することから、蛍光ランプ用外套容器として使用されるに十分耐えうるようになる。
【0025】
Alは、ホウケイ酸ガラスで容易に起こる分相を起こりにくくする効果がある。この効果により、ガラスの耐候性を向上させ、ガラスからのアルカリの溶出を抑制し、ガラス管の長期にわたる保管や使用を行いやすくする。その一方で、ガラスの粘度を高くする成分であり、ガラス溶融やガラス成形を高温化し、消費エネルギーを増大させる。Alの含有量は0〜10%、好ましくは0〜5%である。Alが10%以下であれば工業的にガラスを溶融することが容易になる。また、Alが5%以下であるとガラス生産における消費エネルギーが少なくなり環境上から好ましい。
【0026】
は、溶融性の向上、粘度の調整のために必要な成分であり、その含有量は11〜25%、好ましくは15〜25%、さらに好ましくは15〜20%である。Bが25%以下であるとガラス融液からの蒸発が少なくなって均質なガラスが得られる。20%以下であるとさらにガラスの均質性が高まり、本発明の特徴であるMgO添加による着色緩和効果が最も顕著となる。また分相防止の観点からもBは少ない方がよい。ホウケイ酸ガラスで起こりうる分相は、ある温度域でガラスの相が分離し、ガラスの均質性を失う現象であり、青白く着色したり、分離したガラス相からの結晶の析出に起因してガラスが白濁したりするものである。Bを25%以下とすれば分相が抑制されガラスが白濁しにくくなり、20%以下とすればさらに分相が抑制されガラスが白濁しなくなる。一方、Bが11%以上であれば粘度が十分に低くなり、寸法精度のよい管ガラスが得やすくなる。15%以上であれば製造条件が変化しても常に高い寸法精度が得られるようになる。
【0027】
MgOは本発明において重要な成分であり、必須成分である。Fe、Crなどの着色成分は不純物としてホウケイ酸ガラス中に存在しているが、TiOの含有量が多いとこれらがガラスを着色させてしまう。MgOは、この不純物着色を緩和する効果があり、可視光域での透過率低下を防止することができる。また、ガラスの溶融を助ける成分でありガラスの溶解を容易にする。また、耐候性を高める効果もある。一方で、ガラスの分相を促進する成分であり、多量に含有するとガラス製造において生産性を悪化させる可能性がある。MgOの含有量は0.1〜10%であり、好ましくは0.2〜10%、0.3〜10%、0.6〜10%、より好ましくは1〜10%、さらに好ましくは1.3〜5%である。MgOの含有量が10%以下であると分相を起こすことなくガラスを種々の形状に成形することが可能となり、5%以下であると大量生産時にも分相による生産不良を起こさず安定した生産を行うことができる。一方で、0.1%以上であるとガラスの着色緩和効果が現れ、0.6%以上、特に1%以上であると実用上十分に使用可能な可視光透過率を得ることができる。さらに1.3%以上であるとFe、Crなどの不純物成分が増加した場合においても、ガラス着色を十分に緩和し、可視光における透過率低下を防止することが可能になる。
【0028】
なおMgOによる不純物着色緩和効果は、前述のBの他、後述のTiO含有量、アルカリ金属酸化物含有量(RO)、Fe含有量にも左右される。TiO含有量が少ないときは少量のMgOでも効果を発揮するが、TiO含有量が多いときは多量のMgOを必要とする。RO含有量が多いときは少量のMgOでも効果を発揮するが、RO含有量が少ないときは多量のMgOを必要とする。Fe含有量が少ないときは元々のガラス自体の着色が弱いため、MgOを含有しても着色緩和効果が得られない。Fe含有量が多いときは元々のガラスの着色が非常に強いため、MgOを多量に含有しても着色緩和効果は小さい。
【0029】
CaOは、TiOを含有するホウケイ酸ガラスにおいて、TiOによる紫外線遮蔽効果を著しく向上させる成分であるとともに、Fe、Cr、Euなどの不純物成分によるガラス着色を緩和し、可視光域の透過率低下を防止する成分である。またガラスの溶融性を助ける成分であり、ガラスの溶解を容易にする。また耐候性を高める効果もある。一方でCaOはガラスの分相を促進する成分である。またCaOを多量に含有すると、CaO含有結晶が析出しやすくなり、ガラス製造において生産性を悪化させる要因になる。CaOは必須成分ではないが、0.1%以上、特に0.5%以上含有することが好ましく、またその上限は10%以下、好ましくは5%以下である。CaOが0.1%以上であるとTiOの紫外線遮蔽効果を高めたり、ガラス着色を緩和したりする効果が現れる。0.5%以上であると上記効果が顕著になることから、TiO含有量を低減することができ、その結果、ガラス着色を一層緩和することが可能になる。一方、CaOの含有量が10%以下であると分相を起こさず、結晶を析出することなくガラスを種々の形状に成形することが可能となり、5%以下であると大量生産時にも分相、結晶析出による生産不良を起こさず安定した生産を行うことができる。
【0030】
SrO、BaO、ZnOは、ホウケイ酸ガラスにおいてTiOによる紫外線遮蔽効果を著しく向上させる成分である。またガラスの分相を抑制する成分であり、ガラス生産において分相による生産性の低下を抑制する効果がある。一方で、これらの成分は、密度が重いためガラス溶融時に他の低密度成分と分離し、ガラスの均質性を悪化させることもある。また、これらの成分とSiO成分とを含む結晶が析出しやすくなる。SrO、BaO、ZnOの含有量は合量で0〜15%、好ましくは0〜10%である。SrO、BaO、ZnOの合量が15%以下であると均質なガラスを得ることが可能となり、脈理などの不均質部分や結晶析出のないガラスを安定して製造することができる。10%以下であると大量生産時にも脈理、結晶析出などが発生せず、安定に生産を行うことができる。なおSrO、BaO、ZnOの含有量は、何れも0〜5%、特に0〜4%であることが好ましい。
【0031】
TiOは本発明において重要な成分であり、必須成分である。TiOは紫外領域に吸収を持ち、ガラスに紫外線遮蔽効果を与える成分である。さらに短波長の紫外線に晒されることによるガラスの変色を防止する効果(耐短波長紫外線変色性)がある。一方、TiOを多量に含有すると、不純物着色を促進してしまう。さらに針状または板状形状をもつTiO系結晶が容易に生じたり、分相傾向が増大したりして生産性を低下させるおそれがある。TiOの含有量は3〜5%(ただし3%を含まない)、好ましくは3.5〜5%である。TiOが5%を超えると不純物着色が著しくなり、MgOを添加しても実用上問題ないレベルに着色を緩和することが困難になる。TiOの含有量が5%以下であるとTiO系結晶や分相を生じることなくガラスを製造することが可能となる。TiOを3%よりも多く含有すると十分な紫外線遮蔽効果が得られ、液晶表示装置で使用される樹脂部材の紫外線による変色を効果的に抑制できる。また短波長紫外線による変色を防止することが可能となり、液晶表示装置の光源として長時間使用されてもガラスが変色することがない。
【0032】
アルカリ金属酸化物(RO)であるLiO、NaO、及びKOは、ガラスの粘度を低下させてガラス溶融を容易にし、均質なガラスを得やすくする成分である。またガラスを低粘性化させられることから、低温操業が可能となり、溶融、ガラス成形におけるエネルギー消費の低減が可能になる。また熱膨張係数や粘度を調節するための成分でもある。さらにMgOによるガラスの着色緩和効果を促進する働きがある。その一方で、ガラスの耐候性を悪化させる成分であり、ガラスからのアルカリの溶出を増やし、ガラス表面に析出物などを発生させてしまう。それゆえこれらの成分が多いと長期にわたる保管や使用が行いにくくなる。アルカリ金属酸化物の含有量は合量で3%以上、好ましくは4%以上である。また15%以下、好ましくは12%以下である。これらの成分の合量が15%以下であれば実用上十分な耐侯性が得られる。また電極にコバール金属、タングステン金属、モリブデン金属等が使用される蛍光ランプの外套容器に使用する場合に、これらの電極材料を封止するためのガラス封着ビーズと適合する熱膨張係数に調整しやすくなる。一方、これらの成分の合量が3%以上であればガラスの溶融が容易になり、粘度も高くなりすぎないため、溶融、ガラス成形における消費エネルギーを低減できる。また電極にコバール金属、タングステン金属、モリブデン金属等が使用される蛍光ランプの外套容器として使用する場合には、熱膨張係数が小さくなり過ぎず、ガラス封着ビーズの熱膨張係数と適合させやすくなる。特に電極にコバール金属、モリブデン金属等を使用する場合には、アルカリ金属酸化物の含有量は合量で6〜15%、好ましくは6〜12%である。また、電極にタングステン金属等を使用する場合には、アルカリ金属酸化物の含有量は合量で3〜10%、好ましくは4〜8%である。上述のように、電極に合わせてアルカリ金属酸化物の合量を変えることで、外套容器とガラスビーズとの良好な封着性が得られ、蛍光ランプの強度の信頼性が高まる。なお上述の通りRO成分が多い程、MgOの着色緩和効果が顕著に表れる。よってこの観点からすれば、アルカリ金属酸化物の含有量の合量は6%以上であることが望ましい。
【0033】
NaOは、溶融性、膨張特性、粘度特性等を向上させる効果があり、5%まで含有させることができる。NaOが5%以下であれば、実用上十分な耐候性を確保でき、ガラスの長期にわたる保管にも十分耐えることができる。一方、NaOは、Hgとイオン交換しやすいため、その含有量は好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
【0034】
Oは、溶融性、膨張特性、粘度特性等を向上させるために10%まで含有させることができる。KOが10%以下であれば実用上十分な耐候性を確保でき、ガラスの長期にわたる保管にも十分耐えることができる。またKイオンはNaイオンに比べてイオン半径が大きく、Hgとイオン交換しにくいという特徴がある。従ってNaOに比べて有利であり、多量に含有させることが可能である。KOの含有量は好ましくは2〜9%、さらに好ましくは4〜9%である。
【0035】
LiOは、5%まで添加可能な成分である。ただしLiOをホウケイ酸ガラスに添加するとガラスの分相を起こしやすくするため、他のアルカリ成分等の使用によって所定の特性を得ることができるのであれば、必ずしも含有する必要がない。
【0036】
SbおよびAsは清澄剤成分として用いられ、ガラスの泡品位を向上させる成分である。またTiOが高含有されたホウケイ酸ガラスの着色を抑制する成分である。一方で近年では法令などで、環境を害するとして使用量の規制が検討されている成分である。また、これらの成分がガラス中に多量に含有されていると、後加工における熱処理時にガラスが黒化したり、TiO系結晶が生じたりする。このため、本発明においてはこれらの成分の使用量が少ないほど望ましく、具体的にはSbを0.2%未満、好ましくは0.15%未満、Asを0.1%未満、好ましくは0.05%未満にそれぞれ制限している。
【0037】
(LiO+NaO+KO)/SiOの値は、ガラスの熱膨張係数を調整する上での指標となる。この値が0.04〜0.10未満の範囲にあれば、タングステン金属と整合する熱膨張係数(30〜380℃で30〜45×10−7/℃)を得やすくなり、0.10〜0.27の範囲にあれば、コバール金属やモリブデン金属と整合する熱膨張係数(30〜380℃で46〜58×10−7/℃)を得やすくなる。
【0038】
Feは、ガラスの紫外線遮蔽効果を著しく向上させる成分であるが、同時にガラスの着色を著しく促進し、可視光の透過率を低下させる成分である。Feは原料や製造工程からも不純物としても混入するため、その含有量は厳密に管理する必要がある。Feの含有量は0.005〜0.03%、好ましくは0.005〜0.015%である。Feの含有量が0.005%以上であればガラスの紫外線遮蔽性を向上させる効果が認められる。またFeの存在下でTiOの含有量が増加すると、具体的には3%を超えると着色が著しくなる傾向がある。ガラスの工業的な生産においてFeの混入は不可避である。原料の選択や特殊な設備の採用等によってFeの含有量を極端に少なくすることが望ましいが、コストが高くなりすぎて現実的でない。またFeの含有量が極めて少ない領域、具体的には0.005%未満ではTiOの含有量が3%を超えても不純物着色が殆ど起こらないので、MgOを添加する必要性が小さくなる。一方、Feが多すぎるとMgOによる着色緩和能力を超えてしまい、ガラスの着色が著しくなる。Feの含有量が0.03%以下であればMgOによって着色抑制することが可能になり、0.015%以下であればMgOの着色緩和効果がより顕著となる。
【0039】
Feの混入によるガラスの着色は、Feイオンに酸素イオンが配位することによって生じる。Feイオンの酸素イオン配位数が6になったときに最も安定な配位となり、バンドギャップが大きくなって紫外域の吸収を示す。一方、TiイオンがFeイオンの近くに来ると、Tiイオンの高い起分極性によって、Feイオンに配位した酸素イオンが変形し、バンドギャップが小さくなって着色しやすくなる。TiO含有量が多いほど着色しやすくなる原因はこのためであると考えられる。
【0040】
Sb3やAs3が上記の着色を緩和する効果を示すのは、これらの成分の価数が高温領域で小さくなって酸素をガラス中に供給し、Feイオンの周りの酸素イオン数を増加させ、これによりFeイオンが高配位数をとりやすくなるためであると思われる。本発明ではSbやAsを含まないことが望まれるため、このメカニズムは活用できない。
【0041】
そこで本発明者はMgOに着目した。即ち、MgOはイオン半径が小さく酸素イオンをひきつける力が強い。それゆえTiイオンによって変形したFeイオンの周囲の酸素イオンをMgイオンが引きつけて、Feイオンの変形を緩和すると考えられる。
【0042】
本発明の照明用ガラスは、上記成分以外にも種々の成分を含有可能である。例えばLa、Nb、ZrO、Y、WO、SnO、SO、Cr、Eu、Cl等を任意成分として、或いは不純物成分として含みうる。
【0043】
Laは、TiOによる紫外線遮蔽効果を向上させる成分である。一方で不純物着色を非常に促進する成分である。Laの含有量は3%以下であることが望ましい。
【0044】
Nbは、TiOによる紫外線遮蔽効果を向上させる成分である。一方で不純物着色を非常に促進する成分である。Nbの含有量は3%以下であることが望ましい。
【0045】
ZrOは、不純物着色を抑制する成分である。一方でガラスを高粘性化し、ガラスの溶融性や成形性を低下させる成分である。ZrOの含有量は5%以下であることが望ましい。
【0046】
は、TiOによる紫外線遮蔽効果を向上させる成分であり、不純物着色を抑制する成分でもある。一方でガラスの溶融性を低下させる成分である。Yの含有量は5%以下であることが望ましい。
【0047】
WOは、TiOと同様紫外線遮蔽効果のある成分である。一方で多量にホウケイ酸ガラスに含有されるとガラスの分相を促進してしまうという不都合がある。WOの含有量は5%以下であることが望ましい。
【0048】
SnOは、ガラス溶融時に清澄剤として働きガラスの泡品位を向上させる成分である。一方でガラスを着色させる成分であり、また、ガラス熱加工時に黒化する成分である。SnOの含有量は3%以下であることが望ましい。
【0049】
SOは、適量含有するとガラス溶融時に清澄剤として働きガラスの泡品位を向上させる成分である。一方で多量に含有するとSOガスがガラスから抜け切れず、かえって泡品位を悪くする成分である。SOの含有量は1%以下であることが望ましい。
【0050】
Crは、原料やリサイクルカレットの不純物として不可避的に混入する成分である。Crはガラスの着色を著しく促進し、可視光の透過率を低下させる成分であるため含有量を管理すべき成分である。Crの含有量は0.01%以下であることが望ましい。
【0051】
Euは、蛍光体の成分であり、蛍光ランプのリサイクルが行われる場合に不純物としてガラスに混入する成分である。ガラスの着色を著しく促進し、可視光の透過率を低下させる成分であるため含有量を管理すべき成分である。Euの含有量は0.01%以下であることが望ましい。
【0052】
Clは清澄剤として働き、ガラスの泡品位を向上させる成分である。一方で多量に含有するとガラス熱加工時ガラスに塩化物の結晶が析出し、ガラスを白濁させてしまう。Clの含有量は1%以下であることが望ましい。
【0053】
本発明の照明用ガラスは、波長400nmにおける分光透過率が、ガラス肉厚4mmで82%以上であることが望ましい。ホウケイ酸ガラスでは通常、TiOを多量に含有させると著しく不純物着色する。Feイオンの透過率の吸収は波長350〜550nmに存在し、この波長領域の透過率の低下がガラスの着色の原因となる。透過率の低下はランプ輝度の低下に繋がることから、ガラスの着色が生じないことが望まれる。不純物着色の程度は、波長400nmの分光透過率で評価することができる。なお波長400nmにおける分光透過率は、MgOの含有量を増加させる、TiOの含有量を少なくする、着色原因となる不純物の混入量を少なくする等の方法によって高めることができる。
【0054】
本発明の照明用ガラスは、波長313nmにおける分光透過率が、ガラス肉厚0.3mmで30%以下であることが望ましい。バックライトユニットの寿命はその光を効率良く反射する樹脂製の反射板や、その光を拡散する拡散板の劣化による着色によって、反射率や透過率が劣化することでも引き起こされる。これらの樹脂材料の劣化は、ランプ内部で発生する紫外線が管外に漏れることによって引き起こされる。このためバックライトに用いられるガラスは紫外線遮蔽性が高いことが望まれる。紫外線遮蔽性は、波長313nmの透過率で評価することができる。なお波長313nmにおける分光透過率は、TiOの含有量を増加させる、CaOの含有量を増加させる等の方法によって低下させることができる。
【0055】
本発明の照明用ガラスは、紫外線照射前後の波長400nmの分光透過率の変化がガラス肉厚0.3mmで5%以下であることが望ましい。紫外線、特に短波長紫外線がホウケイ酸ガラスに照射されると、ガラス自体が変色する。紫外線によるガラスの変色は主として波長300nmから650nmの透過率が低下することにより起こる。透過率の低下はランプ輝度の低下に繋がることから、ガラスの変色が起こらないことが望まれる。耐短波長紫外線変色性は、短波長紫外線照射前後の波長400nmの分光透過率の変化で評価することができる。なお紫外線の照射は、両面を鏡面研磨した厚さ0.3mmの板状ガラスに40Wの石英ガラスの低圧水銀ランプによって主波長253.7nm(その他波長185nm、313nm、365nm)の短波長紫外線を60分間照射(照射距離25mm)する条件で行うことが望ましい。また紫外線照射前後の波長400nmの分光透過率の変化量は、TiOの含有量を増加させる、Nb及びWOを必須成分として添加する等の方法で小さくすることができる。
【0056】
本発明の照明用ガラスは、ガラスの分相温度が1000℃以下であることが望ましい。ホウケイ酸ガラスは分相を生じ易いことが知られている。分相した部分に結晶が析出(失透)すると、ガラス製造においてブツの原因となり生産性が低下する。また分相が生じる温度が高いとガラス製造における作業温度が狭くなり量産性が損なわれる。また分相に起因して失透が生じたガラスを外套容器として使用すると、ガラスの透過率が低いことからランプとしては不良となる。このため分相が起こりにくいガラスであることが望まれる。ガラスの分相傾向は分相温度により評価することができ、この温度が高いほど分相し易いと言える。なおガラスの分相温度は、Alの含有量を増やす、B、MgO、CaO、TiO、LiOの含有量を少なくする等の方法によって低下させることができる。
【0057】
本発明の照明用ガラスは、TiO系結晶の析出温度が1000℃以下であることが望ましい。ホウケイ酸ガラスにTiOを多量に含有するとTiO系結晶を生じることがある。TiO系結晶の析出は、ガラス製造においてブツの原因となり生産性を低下させる。またTiO系結晶が析出する温度が高いとガラス製造における作業温度が狭くなり量産性が損なわれる。またTiO系結晶が析出したガラスを外套容器として使用すると、ガラスの透過率が低いことからランプとしては不良となる。このためTiO系結晶が析出しにくいガラスであることが望まれる。TiO系結晶の析出傾向は、TiO系結晶の析出温度により評価することができ、この温度が高いほどTiO系結晶が析出し易いと言える。なおTiO系結晶の析出温度は、TiOの含有量を少なくする等の方法によって低下させることができる。
【0058】
本発明の照明用ガラスは、30〜380℃における熱膨張係数が30〜58×10−7/℃であることが望まれる。内部に電極を有する蛍光ランプに用いる場合、棒状電極をガラス封着ビーズに挿入し、ガラス封着ビーズを加熱軟化させることにより電極と融着一体化させて電極部材を作製する。このようにして作製した電極部材を、管状の外套容器の両端から挿入し、熱加工して外套容器と電極部材を融着し、封止する。ガラス封着ビーズは電極材料と適合する熱膨張係数を有している。また外套容器はガラス封着ビーズと適合する熱膨張係数を有するガラスが使用される。一般的にはガラス封着ビーズと外套容器は同一材質のガラスで作製される。このような事情から、電極材料がタングステン金属、モリブデン金属、コバール金属の場合、外套容器を構成する本発明の照明用ガラスはこれらの金属と適合するように、30〜380℃における熱膨張係数を30〜58×10−7/℃に調整することが望ましい。
【0059】
また蛍光ランプにおいて、ガラス封着ビーズと外套容器とを同一材質で作製しない場合もあり得る。この場合、外套容器は棒状電極と直接接することがないため、電極材料と膨張特性が適合している必要はない。特に、電極材料にコバール金属を選択する場合に、ガラス封着ビーズと外套容器とを異材質とすることは、外套容器ガラスの組成設計の自由度を高めることができ有用である。つまりコバール金属は温度に対する伸び特性が急激に変化するため、封着ビーズ用ガラスはコバール金属と同じ膨張変化を有することが必要となる。しかし封着ビーズと外套容器とを異なる材質とすれば、本発明の照明用ガラスをコバール金属と同じ膨張変化にする必要がなく、封着ビーズ用ガラスの膨張特性とのみ適合させればよくなる。
【0060】
また内部に電極を持たない、いわゆる外部電極蛍光ランプの場合、外套容器ガラスに対する熱膨張係数の制約はなく、例えば30〜380℃における熱膨張係数が30〜100×10−7/℃の範囲であればよい。
【0061】
本発明の蛍光ランプ用外套容器は、上記照明用ガラスからなる。外套容器を構成するガラスの組成や特性は既述の通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0062】
次に本発明の蛍光ランプ用外套容器を作製する方法を説明する。なおここでは管状の外套容器(外套管)の作製を例にして説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0063】
まず上記特徴を有するガラスとなるように原料を調合し、1400〜1650℃で溶融する。次いで溶融ガラスをダンナー法、ダウンドロー法、アップドロー法等の管引き方法により、管状に成形する。続いて管状ガラスを所定の寸法に切断し、必要に応じて後加工することにより、管状の外套容器を得る。
【0064】
このようにして得られた蛍光ランプ用外套容器は、例えば液晶表示素子のバックライト用蛍光ランプの作製に供される。
【実施例】
【0065】
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0066】
表1、2に本発明の実施例(試料No.1〜10)、表3、4は比較例(試料No.11〜19)をそれぞれ示している。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
まず、目的組成となるようにガラス原料を調合した後、白金坩堝を用いて1550℃で5時間溶融した。なお原料は、天然鉱物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩等が使用可能であり、原料の分析値を考慮して調合すればよく、原料の種類は限定されない。なおFeは原料から混入する不純物の量を示している。またCr及びEuは、ガラスへの混入量が各々0.01質量%以下となるように管理した。
【0072】
溶融後、融液を所定の形状に成形、加工して各ガラス試料を作製し、各評価に供した。結果を表5〜8に示す。
【0073】
【表5】

【0074】
【表6】

【0075】
【表7】

【0076】
【表8】

【0077】
表から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜10の各試料は、いずれも400nm透過率が82%以上であり、ガラスの着色が十分に抑制されている。また、波長313nmの透過率が全て30%以下となっており、有害紫外線をほとんど透過しない。さらに、紫外線照射による400nm透過率の低下も0%であり、非常に高い耐紫外線変色性を有していた。
【0078】
なおガラスの着色は、400nmにおける透過率測定を行い評価した。具体的には、各ガラス試料から25mm×30mmの板状試料を切り出し、厚み4mmになるように研磨し、さらに両面を光学鏡面研磨した。加工した試料をSHIMADZU製 UV−3100PC分光光度計を用い、波長380nmから780nmの可視光領域を含む波長200nmから800nmについて透過率測定した。測定データから波長400nmの値を読み取った。
【0079】
紫外線遮蔽性は、313nmにおける透過率測定を行い評価した。具体的には、各ガラス試料から25mm×30mmの板状試料を切り出し、厚み0.3mmに研磨し、さらに両面を光学研磨した。加工した試料をSHIMADZU製 UV−3100PC分光光度計を用い、波長313nmの値を読み取った。
【0080】
耐紫外線変色性は、400nmにおける紫外線照射前後の透過率測定を行い評価した。具体的には、各ガラス試料から25mm×30mmの板状試料を切り出し、厚み0.3mmに研磨して両面を光学研磨した。加工した試料をSHIMADZU製 UV−3100PC分光光度計を用い、波長400nmの透過率の値を読み取った。次いで、その試料に25Wの低圧水銀ランプによって主波長185nm、254nm、313nm、364nmの紫外線を照射距離25mmで60分間照射した後、再び波長400nmの透過率の値を読み取り、紫外線照射前後での波長400nmの透過率差を計算した。
【0081】
熱膨張係数は、MAC SCIENCE社製熱膨張係数測定装置を用いて30〜380℃における平均線熱膨張係数を測定した。
【0082】
分相性は、分相温度を測定することにより評価した。具体的には、各ガラス試料からガラスを切り出し、120mm×1.2cm×1cmの耐熱性のボート形状の容器の中に容器容量の9割程度入れ、電気炉中で1250℃、2時間加熱してガラスを融液化し、これを800℃〜1100℃の温度勾配を有し、測温された温度傾斜炉に入れ、48時間保持した。試料を温度傾斜炉から取り出した後、ガラスを目視観察して、分相し白濁した領域を予め測温した温度データを照らし合わせることによって、分相温度を評価した。
【0083】
TiO結晶の析出温度は、分相性の評価と類似の方法により評価した。具体的には、各ガラス試料からガラスを切り出し、120mm×1.2cm×1cmの耐熱性のボート形状の容器の中に容器容量の9割程度入れ、電気炉中で1250℃、2時間加熱してガラス融液化し、これを800℃〜1100℃の温度勾配を有し、測温された温度傾斜炉に入れ、48時間保持した。試料を温度傾斜炉から取り出した後、耐熱性のボートからガラスを剥離し、剥離面を偏光顕微鏡観察し、TiO結晶の析出している最高温度地点を予め測温した温度データと照らし合わせることによって、TiO結晶析出温度を評価した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量百分率でSiO 55〜75%、Al 0〜10%、B 11〜25%、MgO 0.1〜10%、CaO 0〜10%、SrO+BaO+ZnO 0〜15%、TiO 3〜5%(ただし3%を含まず)、NaO 0〜5%、KO 0〜10%、LiO+NaO+KO 3〜15%、Fe 0.005〜0.03%、Sb 0.2%未満、As 0.1%未満の範囲にあることを特徴とする照明用ガラス。
【請求項2】
MgOを0.6質量%以上含有することを特徴とする請求項1の照明用ガラス。
【請求項3】
CaOを0.1質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2の照明用ガラス。
【請求項4】
蛍光ランプ用であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の照明用ガラス。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかのガラスからなることを特徴とする蛍光ランプ用外套容器。
【請求項6】
液晶表示装置のバックライト用蛍光ランプの外套容器として使用されることを特徴とする請求項5の蛍光ランプ用外套容器。

【公開番号】特開2010−138063(P2010−138063A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257073(P2009−257073)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】