照明装置、ならびに、投射装置および投射装置の制御方法
【課題】蛍光体を励起させて各色の光を得る場合において、より少ない光源で各色の光を得ることを可能とする。
【解決手段】1の光源から出射される光の光路を、光により励起され、互いに異なる色を発光する2以上の蛍光体のうち何れの蛍光体に導くかを、偏光変換スイッチと偏光ビームスプリッタとを組み合わせた光路選択手段により選択する。光路の選択の際に、画像データの1フレーム期間内で、2以上の蛍光体のそれぞれに対して順次に光路が導かれるように、光路選択手段を制御する。
【解決手段】1の光源から出射される光の光路を、光により励起され、互いに異なる色を発光する2以上の蛍光体のうち何れの蛍光体に導くかを、偏光変換スイッチと偏光ビームスプリッタとを組み合わせた光路選択手段により選択する。光路の選択の際に、画像データの1フレーム期間内で、2以上の蛍光体のそれぞれに対して順次に光路が導かれるように、光路選択手段を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに色が異なる複数の光束を射出する照明装置、ならびに、投射装置および投射装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議などの場において、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)といった情報処理装置の画面情報をプロジェクタを使ってスクリーンに投影することで、その場の出席者と情報の共有が行われている。
【0003】
このようなプロジェクタでは、従来、例えば超高圧水銀ランプといった高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であった。放電ランプは、高輝度を低コストで実現できる一方で、点灯開始後、所定の発光を行うまでに時間を要する点や、環境への配慮などの点などにより、代替の光源が求められている。
【0004】
そこで、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光ダイオード(LED)や有機ELなどの固体発光素子を、プロジェクタにおける放電ランプの代替光源として用いることが提案され、また、実用化されている。これらの固体発光素子をプロジェクタの光源として用いることにより、プロジェクタの高速起動が可能となると共に、環境への配慮も実現できる。
【0005】
固体発光素子の一つである、青色を発光する青色レーザダイオードや発光ダイオードを用いて様々な色の光を得る技術が実用化されている。例えば青色レーザダイオードを用いる場合、青色レーザダイオードから出力されたレーザ光を蛍光体に照射することで蛍光体が励起され、その蛍光体特有の色の光が射出される。この特性を利用することで、R、G、B各色の光を得ることができ、この蛍光体により得られた光をプロジェクタの光源として用いる技術が開発されている。このようにして得られたR、G、B各色の光を、DMD(Digital Micromirror Device)などの光変調素子を用いて画素毎に階調制御を行うことで、カラーの投射画像を得る。
【0006】
なお、例えば青色レーザダイオードをプロジェクタの光源として用いる場合、1色に付き1個のレーザダイオードでは光量が不足する。そのため、一般的には、光源として、数個乃至数10個のレーザダイオードが一体的に構成されるレーザダイオードアレイが用いられる。
【0007】
特許文献1には、発光ダイオードと、発光ダイオードが発光する紫外光を可視光に変換する蛍光体層と、透明基材とを有する投写型表示装置が開示されている。
【0008】
特許文献1によれば、円盤を3つの領域に分割し、入射側には各領域に紫外光を透過し可視光を反射する可視光反射膜を形成し、入射側と透明層を介して対向する出射側には各領域に、紫外光をR、G、Bの各色に波長変換する蛍光体層をそれぞれ形成する。円盤を回転させることにより、光源からの紫外光が蛍光体層の各領域によりR、G、Bの波長の光に変換され、R、G、Bの繰り返しの色光が放射される。この色光を空間光変調器に照射させて光変調し、投射レンズを介してスクリーン上に拡大投射している。
【0009】
また、特許文献2には、円形状の透明基材の複数のセグメント領域に蛍光体の層を配置し、紫外光よりもエネルギの低い可視光を励起光として蛍光体に照射して、各色の光を得るようにした光源装置およびプロジェクタが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上述した特許文献1や特許文献2のような従来技術では、円盤を半径で複数領域に分割し、分割された各領域において異なる色を発する蛍光体層を形成し、円盤を回転させることで、各色を時分割で出射している。そのため、各色それぞれの蛍光体層において、レーザ光が限られた面積に集中して照射されてしまい、当該照射箇所が所謂「焼けた」状態となり、蛍光体層の特性が劣化してしまうおそれがあった。
【0011】
レーザ光が各色の特定箇所に集中的に照射されることによる蛍光体層の特性劣化を避けるために、円盤を各色の領域に分割せずに、1色分の蛍光体層を備えた円盤を色毎に備えることが考えられる。しかしながら、この場合、光源を各色毎に設ける必要があり、コストが嵩んでしまうと共に、装置のサイズも大きくなってしまうという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、蛍光体を励起させて各色の光を得る場合において、より少ない光源で各色の光を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の発明は、変調信号に応じて画像を形成して被照明体を照射する光変調素子に対して光を照射するための照明装置であって、光源と、光源の出射する光の色とは異なる色を発光する蛍光体と、光源から出射される光を蛍光体に導く状態と、光を蛍光体に導かない状態とを備える導光手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また、第2の発明は、画像データによる画像を投射する投射装置であって、第1の光源と、第1の光源の出射する光の色とは異なる色を発光する蛍光体と、第1の光源から出射される光を蛍光体に導く第1の状態と、光を蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光手段と、導光手段から出射された光が照射され、光を用いて、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子と、光変調素子で形成された画像を表示媒体に投射させる投射光学系と、画像データの1フレーム期間内で、導光手段の第1の状態および第2の状態を順次に切り替える制御手段とを有することを特徴とする。
【0015】
また、第3の発明は、光変調素子で形成された、画像データによる画像を表示媒体に投射する投射装置の制御方法であって、導光手段が、第1の光源から出射される光を、光の色とは異なる色を発光する蛍光体に導く第1の状態と、光を蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光ステップと、制御手段が、画像データの1フレーム期間内で、導光ステップによる第1の状態および第2の状態を順次に切り替える制御ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
また、第4の発明は、画像データによる画像を投射する投射装置であって、第1の色の光を発光する第1の光源と、第2の色の光を発光する第2の光源と、第1の色の光により励起されて第3の色の光を発光する蛍光体と、第1の光源から出射される光を蛍光体に導く第1の状態と、光を蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光手段と、導光手段から出射された光と、第2の光源から出射された光とが照射され、照射された各光を用いて、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子と、画像データの1フレーム期間内で、第1の色の光と、第2の色の光と、第3の色の光とのうち1または複数が光変調素子に照射されるように第1の光源と、第2の光源と、導光手段とを制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0017】
また、第5の発明は、画像データによる画像を投射する投射装置の制御方法であって、導光手段が、第1の光源から出射された第1の色の光を、第1の色の光により励起されて第2の色の光を発光する蛍光体に導く状態と、第1の色の光を蛍光体に導かない状態とを備えて導光する導光ステップと、制御手段が、画像データの1フレーム期間内で、第1の色の光と、第2の色の光と、第2の光源から出射される第3の色の光とのうち1または複数が、照射された光を用いて変調信号に応じて画像を形成する光変調素子に照射されるように、第1の光源と、第2の光源と、導光ステップとを制御する制御ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、蛍光体を励起させて各色の光を得る場合において、より少ない光源で各色の光を得ることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図2】図2は、偏光変換スイッチについて説明するための略線図である。
【図3】図3は、蛍光体ホイール部における基板を蛍光体の形成面側から見た略線図である。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る照明装置を用いた投射装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図6】図6は、第1の実施形態の変形例による制御の例を示す略線図である。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図8】図8は、第2の実施形態の変形例に適用可能な基板を、蛍光体の形成面側から見た例を示す略線図である。
【図9】図9は、第2の実施形態の変形例に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図10】図10は、第3の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図11】図11は、第3の実施形態における、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図12】図12は、第3の実施形態の変形例に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図13】図13は、第4の実施形態による反射/透過ホイールの例を示す略線図である。
【図14】図14は、第4の実施形態による照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図15】図15は、第4の実施形態による照明装置を用いた投射装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図16−1】図16−1は、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図16−2】図16−2は、2の光源を同時に点灯させる場合の、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図17】図17は、第5の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図18】図18は、第5の実施形態の変形例に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図19】図19は、第6の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図20】図20は、第6の実施形態の照明装置における、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図21】図21は、第6の実施形態の変形例に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図22】図22は、第7の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図23】図23は、第7の実施形態による反射/透過ホイール周辺の構成の例をより詳細に示す略線図である。
【図24】図24は、反射/透過ホイールに照射される光線の様子を示す略線図である。
【図25】図25は、第8の実施形態による照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図26】図26は、第8の実施形態による照明装置を用いて各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図27】図27は、第9の実施形態による照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図28】図28は、第9の実施形態による蛍光体ホイール部における基板を蛍光体の形成面側から見た略線図である。
【図29】図29は、第9の実施形態においてRGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る照明装置および投射装置の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1の一例の構成を示す。照明装置1は、光源100および109と、カップリングレンズ101および110と、偏光変換スイッチ102と、偏光ビームスプリッタ103と、蛍光体ホイール部104および107と、ミラー105と、ダイクロイックミラー106および108とを含む。また、蛍光ホイール部104は、集光素子120および124と、蛍光体121と、基板122と、駆動部123とを含む。同様に、蛍光体ホイール部107は、集光素子130および134と、蛍光体131と、基板132と、駆動部133とを含む。
【0021】
図1を用いて、照明装置1における光路について説明する。先ず、光源100による光路について説明する。光源100は、短波長の光を射出する発光素子であり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用いることができる。光源100は、青色を発光する発光ダイオードでもよい。光源100は、波長A(例えば波長400nm〜450nmの範囲)、直線偏光の光線を射出する。ここでは、光源100は、p偏光の光線を射出するものとする。光源100から射出された光線は、カップリングレンズ101により平行光束とされ、偏光変換スイッチ102に入射される。
【0022】
偏光変換スイッチ102は、入射された光線の偏光をON/OFFに応じて変換する。例えば、図2に例示されるように、p偏光の光線は、偏光変換スイッチ102を通過する際に、当該偏光変換スイッチ102がONならばs偏光に変換されて出力され、OFFならばp偏光のまま出力される。同様に、入射された光線の偏光がs偏光の場合には、偏光変換スイッチ102がONならばp偏光に変換されて出力され、OFFならばs偏光に変換されて出力される。偏光変換スイッチ102は、外部からの制御信号に応じてON/OFFされる。偏光変換スイッチ102としては、例えば液晶の特性を利用して光の偏光を制御する液晶偏光素子を用いることができる。
【0023】
この偏光変換スイッチ102と、偏光の方向によって光線の透過および反射を切り替える偏光ビームスプリッタ103とを組み合わせることで、複数の光線照射対象の何れに光路を導くかを選択する光路選択手段を構成することができる。すなわち、偏光ビームスプリッタ103の透過方向および反射方向の何れに光路を導くかを、偏光変換スイッチ102によって光線の偏光方向を制御することで選択する。
【0024】
図1の説明に戻り、先ず、偏光変換スイッチ102がOFFの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光のまま偏光変換スイッチ102を透過して偏光ビームスプリッタ103に入射される。偏光ビームスプリッタ103は、p偏光の光線を透過し、s偏光の光線を反射する。したがって、光線は、偏光ビームスプリッタ103を透過して蛍光体ホイール部104に導かれ入射される。蛍光体ホイール部104に入射されたp偏光の光線は、集光素子120で集光されて蛍光体121を照射する。
【0025】
図3は、蛍光体ホイール部104における基板122を蛍光体121の形成面側から見た図である。透明部材からなる円盤状の基板122に対して、蛍光体121がリング状に形成される。蛍光体121は、波長Aの光に励起されて、波長Aより長波長の波長Bの光を発光する。波長Bは、例えば赤色となる620nm〜750nmの範囲である。この光源100からの波長Aの光に励起されて発光した、波長Bの光は、基板122を透過して集光素子124を介して蛍光体ホイール部104から出射される。
【0026】
基板122は、円盤の中央に設けられた回転中心125を中心として、駆動部123により回転駆動される。すなわち、光源100より出射された光線は、集光素子120により集光されて蛍光体121に照射される。このとき、光線は、微小な領域に集光されて蛍光体121に照射されるため、蛍光体121の同一箇所に常時この光線が照射されると、蛍光体121が所謂「焼けた」状態となり、蛍光体121の特性の劣化や破損を引き起こしてしまう可能性がある。
【0027】
本第1の実施形態では、基板122を回転中心125を中心として回転駆動し、蛍光体121に対して光線が照射される位置を時間的に変化させる。これにより、光線のエネルギが蛍光体121の微小領域に集中することが避けられ、蛍光体121の特性劣化などを抑制させることができる。
【0028】
なお、蛍光体121に対する光線の照射位置を時間的に変化させる方法は、基板122の回転駆動に限られない。すなわち、蛍光体121に対して光線が連続的に照射され、且つ、照射される位置が所定周期で戻るように、基板122を移動させればよい。一例として、基板122を光線の入射方向に対して垂直に振動移動させることが考えられる。また、基板122を回転駆動する場合の回転速度は、特に限定されない。
【0029】
図1の説明に戻り、蛍光体ホイール部104から出射された波長Bの光線は、ミラー105で所定の角度に反射されてダイクロイックミラー106に照射される。ダイクロイックミラー106は、波長Bの光線を反射し、他の波長の光線を透過させるように構成されている。ダイクロイックミラー106に照射された波長Bの光線は、所定の角度に反射されて照明装置1から射出される。
【0030】
次に、偏光変換スイッチ102がONの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光からs偏光に変換されて、偏光変換スイッチ102から出射されて、偏光ビームスプリッタ103に入射される。このs偏光の光線は、偏光ビームスプリッタ103で所定の角度に反射されて蛍光体ホイール部107に入射される。すなわち偏光変換スイッチ102がONの場合、s偏光の光線は、蛍光体ホイール部104には導かれずに、蛍光体ホイール107に導かれる。
【0031】
蛍光体ホイール部107は、図3を用いて説明した蛍光体ホイール部104と略同一の構成を有し、透過部材で構成された円盤状の基板132に対して蛍光体131がリング状に形成され、基板132の中央部を回転中心として駆動部133似て回転駆動される。蛍光体ホイール部107の蛍光体131は、波長Aの光に励起されて、波長Aより長波長である波長Cの光を発光する。波長Cは、例えば緑色となる495nm〜570nmの範囲である。この光源100からの波長Aの光に励起されて発光した、波長Cの光は、基板132を透過して集光素子134を介して蛍光体ホイール部107から出射される。
【0032】
蛍光体ホイール部107から出射された波長Cの光線は、ダイクロイックミラー108に照射される。ダイクロイックミラー108は、波長Cの光線を反射し、他の波長の光線を透過するように構成されている。ダイクロイックミラー108に照射された波長Cの光線は、所定の角度に反射され、ダイクロイックミラー106を透過して照明装置1から出射される。
【0033】
次に、光源109による光路について説明する。光源109は、短波長の光を射出する発光素子であり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用いることができる。光源109は、青色を発光する発光ダイオードでもよい。光源109は、光源100と同様に波長Aの光線を射出する。なお、光源109において、射出される光線の偏光方向は、特に限定されない。光源109から射出された波長Aの光線は、カップリングレンズ110により平行光束とされ、ダイクロイックミラー108および106をそれぞれ透過して、照明装置1から出射される。
【0034】
このように、偏光変換スイッチ102と偏光ビームスプリッタ103との組み合わせは、光線を蛍光体121に導く状態と導かない状態とを備える。また、蛍光体131側から見れば、偏光変換スイッチ102と偏光ビームスプリッタ103との組み合わせは、光線を蛍光体131に導く状態と導かない状態とを備えるともいえる。
【0035】
(第1の実施形態の適用例)
図4は、図1の照明装置1を用いた投射装置10の一例の構成を示す。なお、図4において、図1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。投射装置10は、図1を用いて説明した照明装置1に対応する照明装置1’と、制御部150とを有すると共に、集光素子140および142と、インテグレータ141と、ミラー143と、画像生成部144と、投射レンズ145とを含む投射光学系を有する。
【0036】
投射装置10に組み込まれる照明装置1’において、光源100および109から射出された波長Aの光線の光路は、蛍光体ホイール部104および107それぞれの出射側の集光素子124および134が省略されている以外は、図1を用いて説明した光路と同一であるので、ここでの説明を省略する。
【0037】
投射装置10において、ダイクロイックミラー106から出射後の波長A、BおよびCの光線の光束は、集光素子140で集光され、インテグレータ141で面状に均一的に分散され、集光素子142およびミラー143を介して画像生成部144に照射される。
【0038】
画像生成部144は、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子であって、例えばDMD(Digital Micromirror Device)を適用することができる。この例では、画像生成部144は、照射された光に対し、画像データに基づく駆動信号(変調信号)により表示画素毎に階調を制御して反射させる。1の画像生成部144のみを用いる場合、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の光束を、1フレーム期間内において時間順次に切り替えて照射させる。それと共に、RGBそれぞれの画像データによる駆動信号を、RGB各色の照射のタイミングに同期させて生成して画像生成部144を駆動する。これにより、目の残像現象を利用して、画像データに従ったフルカラーの画像を得ることができる。
【0039】
画像生成部144で表示画素毎に階調が制御されたRGB各色の光束は、投射レンズ145を介して投射装置10外に出射され、被照明体であるスクリーンなどの表示媒体(図示しない)に投射され、拡大画像が表示される。
【0040】
なお、制御部150は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を有し、ROMに予め記憶されたプログラムに従い、RAMをワークメモリとして用いてこの投射装置10の全体の動作を制御する。また、制御部150は、外部の情報機器に対するインターフェイスを有し(図示しない)、例えばパーソナルコンピュータから出力された画像データを取り込むことができる。
【0041】
制御部150は、取り込んだ画像データに対して画像処理を施し、画像生成部144を駆動するために適切な画像データを生成する。生成されたこの画像データは、例えば図示されない駆動信号生成部に供給される。駆動信号生成部は、供給された画像データに基づき駆動信号を生成して画像生成部144を駆動する。また、制御部150は、取り込んだ画像データに基づき光源100および109、ならびに、偏光変換スイッチ102の制御を行う。蛍光体ホイール部104および107における駆動部123および133の回転制御を、制御部150が行うこともできる。
【0042】
図5は、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。図5では、図5(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。なお、図5において、便宜上、光源100を光源#1、光源109を光源#2としてそれぞれ示している。また、光源#1(光源100)は、p偏光の光線を出射し、偏光変換スイッチ102は、ONでp偏光をs偏光に変換して出射させ、OFFでp偏光をそのまま透過させる。
【0043】
図5(b)に示されるように、制御部150は、光束Rnを生成する期間aでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、偏光変換スイッチ102をOFFに制御する。また、制御部150は、光束Gnを生成する期間bでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、偏光変換スイッチ102をONに制御する。さらに、光束Bnを生成する期間cでは、光源#1を消灯させ(OFF)。光源#2を点灯させる(ON)。この場合、偏光変換スイッチ102に光線が照射されないため、偏光変換スイッチ102は、ON/OFFの何方でも構わない。
【0044】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射され、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また例えば、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0045】
このように、本第1の実施形態によれば、1の光源100から出射された波長Aの光線から、波長Bおよび波長Cの構成を生成しているため、RGB各色毎に光源を用意する必要が無く、投射装置10のコストを削減できると共に、装置のサイズを小さくすることができる。
【0046】
(第1の実施形態の変形例)
次に、本第1の実施形態の変形例について説明する。上述の第1の実施形態では、光源100および光源109は、何れか一方のみを点灯させるようにしていた。これはこの例に限定されず、光源100および109を同時に点灯させてもよい。
【0047】
図6は、本第1の実施形態の変形例による制御の例を示す。図6(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成されるものとする。図6(b)に示されるように、光源#2(光源109)が点灯している期間を2の期間c1および期間c2に分け、例えば期間c1において、光源#1を同時に点灯させる。
【0048】
このとき、偏光変換スイッチ102をONとすることで、光源100から出射された波長Aの光線が偏光変換スイッチ102で偏光をs偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ103で反射されて蛍光体ホイール部107に入射される。蛍光体ホイール部107では、入射された波長Aの光線が蛍光体131に照射されて波長C(例えば緑色)の光線とされ、ダイクロイックミラー108で反射されダイクロイックミラー106を透過して出射される。同時に、光源109から出射された波長Aの光線がダイクロイックミラー108および106を透過して出射される。したがって、波長Cの光線と波長Aの光線とが同時に出射され、青色と緑色が混合された色(シアン)を得ることができ、より明るい投射画像を得ることが可能となる。
【0049】
同様に、偏光変換スイッチ102をOFFとした場合は、蛍光体ホイール部104から出射された波長B(赤色)の光線が、光源109から出射された波長Aの光線と同時に出射されることになる。この場合には、赤色と青色とが混合された色(マゼンタ)を得ることができる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、蛍光体ホイール部104および107において、蛍光体121が形成される基板122を透過部材で構成していた。これに対して、本第2の実施形態では、蛍光体を形成する基板を、反射部材で構成する。
【0051】
図7は、本第2の実施形態に係る照明装置2の一例の構成を示す。照明装置2は、光源200および209と、カップリングレンズ201および210と、偏光変換スイッチ202と、偏光ビームスプリッタ203と、ミラー204と、蛍光体ホイール部205および207と、ダイクロイックミラー206および208とを含む。また、蛍光ホイール205部は、集光素子220と、蛍光体221と、基板224と、駆動部223とを含む。同様に、蛍光体ホイール部207は、集光素子230と、蛍光体231と、基板232と、駆動部233とを含む。
【0052】
照明装置2における光路について説明する。先ず、光源200による光路について説明する。光源200は、上述した光源100と対応するものであり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用い、波長A(例えば波長400nm〜450nmの範囲)、p偏光の光線を射出する。光源200から射出された光線は、カップリングレンズ201により平行光束とされ、偏光変換スイッチ202に入射される。
【0053】
偏光変換スイッチ202は、上述した偏光変換スイッチ102に対応するものであり、入射された光線の偏光をON/OFFに応じて変換する。すなわち、偏光変換スイッチ202は、ONの状態では、入射された光の偏光方向を他の偏光方向に変換して射出し、OFFの状態では、入射された光を偏光方向を変えずにそのまま出射する。
【0054】
先ず、偏光変換スイッチ202がOFFの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光のまま偏光変換スイッチ202を透過して偏光ビームスプリッタ203に入射される。偏光ビームスプリッタ203は、p偏光の光線を透過し、s偏光の光線を反射する。したがって、光線は、偏光ビームスプリッタ203を透過し、ミラー204にて所定の角度に反射されて蛍光体ホイール部207に入射される。蛍光体ホイール部207に入射されたp偏光の光線は、集光素子230で集光されて蛍光体231を照射する。
【0055】
蛍光体ホイール部207は、上述の蛍光体ホイール部104などと略同一の構成を有し、反射部材で構成された円盤状の基板232に対して蛍光体231がリング状に形成され、基板232の中心部を回転中心として駆動部233で以て回転駆動される。これに限らず、基板232は、第1の実施形態と同様に、駆動部233によって所定の回転速度で回転駆動される。これに限らず、基板232は、振動駆動されてもよい。
【0056】
蛍光体231は、上述した蛍光体121に対応するもので、波長Aの光に励起されて、例えば赤色となる620nm〜750nmの範囲の波長Bの光を発光する。波長Bの光は、反射部材で構成される基板232で反射され、集光素子230を介してダイクロイックミラー208に入射される。このように、本第2の実施形態では、集光素子230は、蛍光体231に照射される波長Aの光線と、蛍光体231から出射される波長Bの光線とで共通に用いられる。
【0057】
ダイクロイックミラー208は、波長Bの光線を反射し、他の波長の光線を透過させるように構成されている。ダイクロイックミラー208に入射された波長Bの光線は、所定の角度に反射されて照明装置2から出射される。
【0058】
次に、偏光変換スイッチ202がONの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光からs偏光に変換されて、偏光変換スイッチ202から出射されて、偏光ビームスプリッタ203に入射される。このs偏光の光線は、偏光ビームスプリッタ203で所定の角度に反射されて蛍光体ホイール部205に入射される。
【0059】
蛍光体ホイール部205は、上述の蛍光体ホイール部207と略同一の構成を有し、反射部材で構成された円盤状の基板224に対して蛍光体221がリング状に形成され、基板224の中央部を回転中心として駆動部223で似て回転駆動される。蛍光体ホイール部205の蛍光体221は、波長Aの光に励起されて、例えば緑色となる495nm〜570nmの範囲である波長Cの光を発光する。この光源200からの波長Aの光に励起されて発光した、波長Cの光は、基板224に反射され、集光素子220を介してダイクロイックミラー206に入射される。このように、本第2の実施形態では、集光素子220は、蛍光体221に照射される波長Aの光線と、蛍光体221から出射される波長Cの光線とで共通に用いられる。
【0060】
ダイクロイックミラー206は、波長Cの光線を反射し、他の波長の光線を透過させるように構成されている。ダイクロイックミラー206に入射された波長Cの光線は、所定の角度に反射され、ダイクロイックミラー208を透過して照明装置2から出射される。
【0061】
次に、光源209による光路について説明する。光源209は、上述した光源109と対応するものであり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用い、波長Aの光線を射出する。なお、光源209において、射出される光線の偏光方向は、特に限定されない。光源209から射出された波長Aの光線は、カップリングレンズ210により平行光束とされ、ダイクロイックミラー206および208をそれぞれ透過して、照明装置2から出射される。
【0062】
なお、本第2の実施形態による照明装置2は、第1の実施形態による照明装置1と同様にして投射装置10に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図5を用いて説明した制御と同様であり、図6を用いて説明した、第1の実施形態の変形例も、本第2の実施形態に同様に適用できる。
【0063】
このように、本第2の実施形態では、蛍光体ホイール部205および207で用いる基板224および232を、反射部材により構成している。そのため、例えば蛍光体221に照射される光線と、蛍光体221から出射される光線とで光路を一部重複することができるので、照明装置2のスペースを有効活用でき、照明装置2のサイズの小型化が可能である。
【0064】
(第2の実施形態の変形例)
次に、本第2の実施形態の変形例について説明する。上述の第2の実施形態では、波長Aの光でそれぞれ波長Bおよび波長Cの光を発光する蛍光体231および221を、それぞれ異なる基板232および224に形成していた。これに対して、本第2の実施形態の変形例では、1の波長の光でそれぞれ異なる波長の光を発光する第1の蛍光体および第2の蛍光体を、1の基板上に形成する。
【0065】
図8は、本第2の実施形態の変形例に適用可能な基板500を、蛍光体221および231の形成面側から見た例を示す図である。反射部材からなる基板500に対して、波長Aの光に励起されて波長Cの光を発光する蛍光体221と、波長Aの光に励起されて波長Bの光を発光する蛍光体231とが、所定幅の帯状で同心円状に形成される。同心円の中心が回転中心503とされ、基板500は、この回転中心503を中心として回転駆動される。
【0066】
この例では、蛍光体221および231は、それぞれ帯状に形成されているが、これはこの例に限定されず、円盤状の基板を所定の半径で分割して、例えば外側に蛍光体221を形成し、内側に蛍光体231を形成するようにしてもよい。また、波長Cの光すなわち緑色を発光する蛍光体221を、他の色を発光する蛍光体よりも外側に配置すると好ましい。これは、緑色は、視感度が高く、最も高い光出力が必要とされるため、円周が長くより広い面積を確保できる外側部分に、蛍光体221を形成することで、緑色光の出力をより安定的に得ることができる。
【0067】
図9は、本第2の実施形態の変形例に係る照明装置2’の一例の構成を示す。なお、図9において、上述の図7と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。蛍光体ホイール部510は、図8を用いて説明した、蛍光体221および231が共に形成された基板500と、回転中心503で基板500を回転駆動する駆動部511とを有する。また、基板500は、集光素子220から出射された光が蛍光体221に照射されると共に、集光素子230から出射された光が蛍光体231に照射されるように配置される。
【0068】
このように構成することで、偏光ビームスプリッタ203で反射された波長Aの光がダイクロイックミラー206および集光素子220を介して基板500上に形成された蛍光体221に照射される。蛍光体221において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光され、この波長Cの光が基板500で反射されて集光素子220を介してダイクロイックミラー206に入射および反射されて、照明装置2’から出射される。
【0069】
同様に、ミラー204で反射された波長Aの光は、ダイクロイックミラー208および集光素子230を介して基板500上に形成された蛍光体231に照射される。蛍光体231において、波長Aの光に励起されて波長Bの光が発光され、この波長Bの光が基板500で反射されて集光素子230を介してダイクロイックミラー208に入射および反射されて、照明装置2’から出射される。
【0070】
なお、本第2の実施形態の変形例による照明装置2’は、第1の実施形態による照明装置1と同様にして投射装置10に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図5を用いて説明した制御と同様であり、図6を用いて説明した、第1の実施形態の変形例も、本第2の実施形態の変形例に同様に適用できる。
【0071】
本第2の実施形態の変形例によれば、蛍光体が形成される基板と、当該基板を駆動する駆動部とがそれぞれ1つで済むため、上述の第2の実施形態に対して、さらにコストおよび消費電力の削減が可能である。
【0072】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述の第2の実施形態では、蛍光体221および231を形成する基板224および232をそれぞれ反射部材で構成すると共に、波長Aの光線を2の光源200および209から射出していた。これに対して、本第3の実施形態では、1の光源のみを用いて、RGB各色の光束を得るようにしている。
【0073】
図10は、本第3の実施形態に係る照明装置3の一例の構成を示す。照明装置3は、光源300と、カップリングレンズ301と、偏光変換スイッチ302および304と、偏光ビームスプリッタ303および305と、ミラー306と、ダイクロイックミラー307、309および311と、蛍光体ホイール部308および310とを有する。また、蛍光体ホイール部308は、集光素子320と、蛍光体321と、基板322と、駆動部323とを含む。同様に、蛍光体ホイール部310は、集光素子330と、蛍光体331と、基板332と、駆動部333とを含む。
【0074】
なお、図10において、偏光変換スイッチ302および304は、上述した偏光変換スイッチ102に対応するものであり、入射された光線の偏光をON/OFFに応じて変換する。すなわち、偏光変換スイッチ302および304は、それぞれ、ONの状態では、入射された光の偏光方向を他の偏光方向に変換して射出し、OFFの状態では、入射された光を偏光方向を変えずにそのまま出射する。また、図10において、偏光ビームスプリッタ303および305は、それぞれ、p偏光の光線を透過し、s偏光の光線を反射する。
【0075】
照明装置3における光路について説明する。光源300は、上述した光源100と対応するものであり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用い、波長A(例えば波長400nm〜450nmの範囲)、p偏光の光線を射出する。光源300から射出された波長Aの光線は、カップリングレンズ301により平行光束とされ、偏光変換スイッチ302に入射される。
【0076】
先ず、偏光変換スイッチ302がOFFの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光のまま偏光変換スイッチ302を透過して偏光ビームスプリッタ303に入射される。偏光ビームスプリッタ303は、p偏光の光線を透過し、s偏光の光線を反射するので、光線は、偏光ビームスプリッタ303を透過して偏光変換スイッチ304に入射される。
【0077】
ここで、偏光変換スイッチ304がOFFの場合、光線は、偏光がp偏光のまま偏光変換スイッチ304を透過して偏光ビームスプリッタ305に入射される。そして、光線は、偏光ビームスプリッタ305を透過して、ミラー306で所定の角度に反射され、波長Aの光線を反射し、その他の波長の光線を透過するダイクロイックミラー307に照射される。ダイクロイックミラー307に照射された光線は、波長Aの光線なので、ダイクロイックミラー307で所定の角度に反射されて照明装置3から出射される。
【0078】
一方、偏光変換スイッチ304がONの場合、光線は、偏光がp偏光からs偏光に変換されて偏光変換スイッチ304から出射され、偏光ビームスプリッタ305に入射される。この光線は、偏光ビームスプリッタ305で所定の角度に反射されて、波長Bの光線を反射し、その他の波長の光線を透過するダイクロイックミラー311に入射される。ダイクロイックミラー311に入射された光線は、波長Aの光線なので、ダイクロイックミラー311を透過して蛍光体ホイール部310に入射され、集光素子330を介して蛍光体331に照射される。
【0079】
このように、偏光変換スイッチ304と偏光ビームスプリッタ305との組み合わせは、光線を蛍光体331に導く状態と、当該蛍光体331に導かない状態とを備える。
【0080】
蛍光体ホイール部310は、上述の蛍光体ホイール部207などと略同一の構成を有し、反射部材で構成された円盤状の基板332に対して蛍光体331がリング状に形成され、基板332の中心部を回転中心として駆動部333で以て回転駆動される。蛍光体331は、上述した蛍光体121に対応するもので、波長Aの光に励起されて、例えば赤色となる620nm〜750nmの範囲の波長Bの光を発光する。波長Bの光は、反射部材で構成される基板332で反射され、集光素子330を介してダイクロイックミラー311に入射される。そして、ダイクロイックミラー311により所定の角度で反射され、さらにダイクロイックミラー307を透過して、照明装置3から出射される。
【0081】
上述した偏光変換スイッチ302がONの場合、光線は、偏光がp偏光からs偏光に変換されて偏光変換スイッチ302から出射され、偏光ビームスプリッタ303に入射される。この光線は、偏光ビームスプリッタ303で所定の角度に反射されて、波長Cの光線を反射し、その他の波長の光線を透過するダイクロイックミラー309に入射される。ダイクロイックミラー309に入射された光線は、波長Aの光線なので、ダイクロイックミラー309を透過して蛍光体ホイール部308に入射され、集光素子320を介して蛍光体321に照射される。
【0082】
このように、偏光変換スイッチ302と偏光ビームスプリッタ303との組み合わせは、光線を蛍光体321に導く状態と、当該蛍光体321に導かない状態とを備える。
【0083】
蛍光体ホイール部308は、上述の蛍光体ホイール部310と略同一の構成を有し、反射部材で構成された円盤状の基板322に対して蛍光体321がリング状に形成され、基板322の中央部を回転中心として駆動部323で似て回転駆動される。蛍光体ホイール部308の蛍光体321は、波長Aの光に励起されて、例えば緑色となる495nm〜570nmの範囲である波長Cの光を発光する。この光源300からの波長Aの光に励起されて発光した、波長Cの光は、基板322に反射され、集光素子320を介してダイクロイックミラー309に入射される。そして、ダイクロイックミラー309により所定の角度で反射され、さらにダイクロイックミラー311および307を透過して、照明装置3から出射される。
【0084】
図11は、本第3の実施形態の照明装置3における、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。図11では、図11(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0085】
なお、図11において、便宜上、光源300を単に光源とし、偏光変換スイッチ302および304を、それぞれ偏光変換スイッチ#1および偏光変換スイッチ#2として示している。また、光源(光源300)は、p偏光の光線を出射し、偏光変換スイッチ302および304は、それぞれONでp偏光をs偏光に変換して出射させ、OFFでp偏光をそのまま透過させる。
【0086】
図11(b)に示されるように、光源は、光束Rn、GnおよびBnの生成期間a、bおよびcの全てにおいて点灯される(ON)。一方、偏光変換スイッチ#1および#2は、光束Rnを生成する期間aでは、偏光変換スイッチ#1および#2をそれぞれOFFおよびONに制御する。また、光束Gnを生成する期間bでは、偏光変換スイッチ#1をONに制御し、偏光変換スイッチ#2は任意とする。さらに、光束Bnを生成する期間cでは、偏光変換スイッチ#1および#2を共にOFFに制御する。
【0087】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射されているため、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0088】
なお、本第3の実施形態による照明装置3は、第1の実施形態による照明装置1と同様にして投射装置10に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0089】
このように、本第3の実施形態では、蛍光体ホイール部308および310で用いる基板322および332を反射部材により構成している。そのため、例えば蛍光体321に照射される光線と、蛍光体321から出射される光線とで光路を一部重複することができるので、照明装置3のスペースを有効活用でき、照明装置3のサイズの小型化が可能である。また、1の光源300のみを用いてRGB各色を得ているので、照明装置3のサイズをさらに小型化することができると共に、コストおよび消費電力を削減することができる。
【0090】
(第3の実施形態の変形例)
次に、本第3の実施形態の変形例について説明する。本第3の実施形態の変形例は、上述の第2の実施形態の変形例と同様に、第3の実施形態の構成において、1の波長の光でそれぞれ異なる波長の光を発光する第1の蛍光体および第2の蛍光体を、1の基板上に形成する。
【0091】
本第3の実施形態の変形例に適用可能な、第1の蛍光体および第2の蛍光体が形成される基板は、図8を用いて説明した基板500と同様の構成を有する。すなわち、波長Aの光に励起されて波長Cの光を発光する蛍光体321と、波長Aの光に励起されて波長Bの光を発光する蛍光体331とが、反射部材からなる基板500上に、それぞれ所定幅の帯状で同心円上にそれぞれ形成される。ここでは、蛍光体321が蛍光体331に対して外側に形成されるものとする。
【0092】
図12は、本第3の実施形態の変形例に係る照明装置3’の一例の構成を示す。なお、図12において、上述の図10と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。蛍光体ホイール部520は、蛍光体321および331が共に形成された基板500と、回転中心503で基板500を回転駆動する駆動部511とを有する。また、基板500は、集光素子320から出射された光が蛍光体321に照射されると共に、集光素子330から出射された光が蛍光体331に照射されるように配置される。
【0093】
このように構成することで、偏光ビームスプリッタ303で反射された波長Aの光がダイクロイックミラー309および集光素子320を介して基板500上に形成された蛍光体321に照射される。蛍光体321において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光され、この波長Cの光が基板500で反射されて集光素子320を介してダイクロイックミラー309に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー311および307を透過して照明装置3’から出射される。
【0094】
同様に、偏光ビームスプリッタ305で反射された波長Aの光は、ダイクロイックミラー311および集光素子330を介して基板500上に形成された蛍光体331に照射される。蛍光体331において、この波長Aの光に励起されて波長Bの光が発光され、この波長Bの光が基板500で反射されて集光素子330を介してダイクロイックミラー311に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー307を透過して照明装置3’から出射される。
【0095】
なお、本第3の実施形態の変形例による照明装置3’は、第1の実施形態による照明装置1と同様にして投射装置10に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図11を用いて説明した制御と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0096】
本第3の実施形態の変形例によれば、蛍光体が形成される基板と、当該基板を駆動する駆動部とがそれぞれ1つで済むため、上述の第3の実施形態に対して、さらにコストおよび消費電力の削減が可能である。
【0097】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、光路選択手段として偏光変換スイッチ102と偏光ビームスプリッタ103とを用いた。これに対して、本第4の実施形態では、図13に示されるような、回転軸402を中心に回転し、半径で区切られた一方の領域が光を透過する透過領域410、他方の領域が光を反射する反射領域411とされた部材である反射/透過ホイール400を用いる。この反射/透過ホイール400を所定の角度で以て光線の光路上におき、各色の画像データに同期して反射/透過ホイール400を回転させることで、光線の光路を色毎に選択することができる。
【0098】
なお、図13では、反射/透過ホイール400において、反射領域411が回転軸402に対して略45°の角度範囲で形成されているが、これはこの例に限定されない。
【0099】
図14は、本第4の実施形態による照明装置4の一例の構成を示す。なお、図14において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。このように、照明装置4では、図1に示した照明装置1における偏光変換スイッチ102および偏光ビームスプリッタ103の代わりに反射/透過ホイール400を設ける。
【0100】
反射/透過ホイール400は、駆動部401より、回転軸402を中心に回転される。また、反射/透過ホイール400は、光源100から出射された波長Aの光線の光路上に設けられ、透過領域410が当該光路上にあるときには、当該光線を透過し、反射領域411が当該光路上にあるときには、反射/透過ホイール400の角度に応じた反射角で、当該光線を反射する。
【0101】
先ず、光源100から出射された波長Aの光線の光路上に透過領域410が在る場合の、当該光線の光路について説明する。この場合、当該光線は、カップリングレンズ101を介して反射/透過ホイール400に入射される。入射された当該光線は、反射/透過ホイール400の透過領域410を透過し、蛍光体ホイール部104に入射される。
【0102】
蛍光体ホイール部104に入射された波長Aの光は、集光素子120で集光され、駆動部123により回転される蛍光体121を照射する。蛍光体121は、図3を用いて説明したように、透明部材からなる円盤状の基板122に対してリング状に形成され、波長Aより長波長の波長Bの光を発光する。この波長Bの光は、基板122を透過して集光素子124を介して蛍光体ホイール部104から出射される。蛍光体ホイール部104から出射された波長Bの光は、ミラー105およびダイクロイックミラー106で所定に反射されて、照明装置4から射出される。
【0103】
次に、光源100から出射された波長Aの光線の光路上に反射領域411が在る場合の、当該構成の光路について説明する。光源100から出射された波長Aの光線は、カップリングレンズ101を介して反射/透過ホイール400に入射される。入射された当該光線は、反射/透過ホイール400の反射領域411で反射され、蛍光体ホイール部104と略同一の構成を有する蛍光体ホイール部107に入射される。
【0104】
蛍光体ホイール部107に入射された波長Aの光線は、集光素子130を介して蛍光体131に照射される。蛍光体131は、波長Aの光により、波長Aよりも長波長の波長Cの光を発光する。この波長Cの光は、基板132を透過して集光素子134を介して蛍光体ホイール部107から出射される。蛍光体ホイール部107から出射された波長Cの光は、ダイクロイックミラー108で所定に反射され、さらにダイクロイックミラー106を介して、この照明装置4から出射される。
【0105】
なお、光源109から出射される波長Aの光線は、ダイクロイックミラー108および106を透過して、この照明装置4から出射される。
【0106】
以上のように、反射/透過ホイール400は、光線を蛍光体121に導く状態と導かない状態とを備える。また、蛍光体131側から見れば、偏光変換スイッチ102と偏光ビームスプリッタ103との組み合わせは、光線を蛍光体131に導く状態と導かない状態とを備えるともいえる。したがって、反射/透過ホイール400を用いて、光源100から出射された波長Aの光線の光路を2方向に選択し、波長Bおよび波長Cの光を得ることができる。
【0107】
ここで、図13を参照し、反射/透過ホイール400において、透過領域410は、開口部とすることができる。これにより、透過領域の形成のために部材を用意する必要が無いため、装置コストを抑えることができる。勿論、反射/透過ホイール400は、透明部材に対して反射領域411を形成したものでもよい。
【0108】
また、光源100としてレーザダイオードのようなレーザ光源を用いる場合には、反射/透過ホイール400の透過領域410を拡散板を用いて構成することが考えられる。この場合、光源100から出射されたレーザ光が当該透過領域410を透過する際に、当該レーザ光によるスペックルが抑制される効果が得られる。
【0109】
なお、図14の例では、反射/透過ホイール400を、光源100から照射される光線の進行方向に対して45°の角度で配置しているように示したが、これはこの例に限定されない。すなわち、反射/透過ホイール400は、回転させることで光源100から出射される光線の光路を蛍光体ホイール部104および107との間で切り替えられるならば、どのような角度で配置してもよい。したがって、照明装置4のレイアウトの自由度が向上される。
【0110】
なお、上述では、反射/透過ホイール400が回転することで、透過領域410および反射領域411が切り替わるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、振動運動など直線的な運動で透過領域410および反射領域411が切り替わるようにしてもよい。
【0111】
(第4の実施例の適用例)
図15は、図14の照明装置4を用いた投射装置20の一例の構成を示す。なお、図15において、図4および図14と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。投射装置20に組み込まれている照明装置4において、光源100および109から出射された波長Aの光線の光路は、図14を用いて説明した光路と同一である。また、照明装置4から出射された波長A、BおよびCの光線の光束の光路は、図4を用いて説明した光路と同一であるので、これらの光路の説明は、省略する。
【0112】
図15に例示されるように、反射/透過ホイール400を回転させる駆動部401は、制御部150により駆動制御される。すなわち、制御部150は、パーソナルコンピュータなどから取り込んだ画像データに基づき画像生成部144の駆動制御を行うと共に、光源100および109、ならびに、駆動部401の制御を行う。
【0113】
図16−1は、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。この図16−1は、上述した図5に対応するものである。図16−1では、図16−1(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0114】
図16−1(b)に示されるように、制御部150は、光束Rnを生成する期間aでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、反射/透過ホイール400の透過領域410が光源#1(光源100)からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。また、制御部150は、光束Gnを生成する期間bでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、反射/透過ホイール400の反射領域411が光源#1からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。さらに、光束Bnを生成する期間cでは、光源#1を消灯させ(OFF)。光源#2を点灯させる(ON)。この場合、反射/透過ホイール400に光線が照射されないため、光源#1からの波長Aの光線の光路上に透過領域410および反射領域411の何れがあっても構わない。
【0115】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射され、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また例えば、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0116】
また、上述した第1の実施形態の変形例で説明した、光源100および109を同時に点灯させる例は、本第4の実施形態にも適用できる。すなわち、図16−2(a)および図16−2(b)に例示されるように、光源#2(光源109)が点灯している期間を2の期間c1および期間c2に分け、例えば期間c1において、光源#1を同時に点灯させる。
【0117】
このとき、光源#1からの波長Aの光線の光路上に透過領域410があるように、駆動部401を駆動する。波長Aの光線は、蛍光体ホイール部104に入射され蛍光体121を波長Bで発光させる。この波長Bの光は、ミラー105で反射され、さらにダイクロイックミラー106で反射される。同時に、光源#2から出射された波長Aの光線がダイクロイックミラー108および106を介して出射される。したがって、波長Bの光線と波長Aの光線とが同時に出射され、赤色と青色とが混合された色(マゼンタ)を得ることができ、より明るい投射画像を得ることができる。
【0118】
同様に、光源#1からの波長Aの光線の光路上に反射領域411があるように、駆動部401を駆動した場合は、反射/透過ホイール400で反射された波長Aの光線が蛍光体ホイール部107に入射され、蛍光体131を波長Cで発光させる。この波長Cの光線が、光源#2から出射された波長Aの光線と共に、ダイクロイックミラー106から出射される。したがって、波長Cの光線と波長Aの光線とが同時に出射され、青色と緑色が混合された色(シアン)を得ることができ、より明るい投射画像を得ることが可能となる。
【0119】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。図17は、本第5の実施形態に係る照明装置5の一例の構成を示す。なお、図17において、上述した図7と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0120】
本第5の実施形態は、上述した第2の実施形態に対応し、蛍光体が形成される基板が反射部材とされた蛍光体ホイール部205および207を有すると共に、図7に示した第2の実施形態による照明装置2における偏光変換スイッチ202および偏光ビームスプリッタ203が、反射/透過ホイール400に置き換えられている。
【0121】
照明装置5における光路について説明する。光源200から射出された例えば青色である波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の透過領域410が在る場合、当該光線は、反射/透過ホイール400を透過してミラー204に照射される。そして、当該光線は、ミラー204で所定の角度で反射され、波長Bの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー208を透過して蛍光体ホイール部207に入射される。
【0122】
蛍光体ホイール部207に入射された波長Aの光線は、集光素子230を介して蛍光体231に照射される。蛍光体231は、波長Aの光線に励起されて、波長Aより長波長の波長B(例えば赤色)の光を発光する。この波長Bの光は、基板232により反射され集光素子230を介してダイクロイックミラー208に照射され、所定の角度に反射されて照明装置5から出射される。
【0123】
一方、光源200から射出された波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の反射領域411が在る場合、当該光線は、反射/透過ホイール400で所定の角度に反射され、波長Cの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー206を透過し、蛍光体ホイール部205に入射される。
【0124】
蛍光体ホイール部205に入射された波長Aの光線は、集光素子220を介して蛍光体221に照射される。蛍光体221は、波長Aの光線に励起されて、波長Aより長波長の波長C(例えば緑色)の光を発光する。この波長Cの光は、基板224により反射され集光素子220を介してダイクロイックミラー206に照射され、所定の角度に反射され、さらにダイクロイックミラー208を透過して照明装置5から出射される。
【0125】
光源209から出射される波長Aの光線は、カップリングレンズ210、ダイクロイックミラー208および206を透過して、この照明装置5から出射される。
【0126】
このように、反射/透過ホイール400は、光線を蛍光体221に導く状態と導かない状態とを備える。また、蛍光体231側から見れば、反射/透過ホイール400は、光線を蛍光体231に導く状態と導かない状態とを備えるともいえる。
【0127】
なお、本第5の実施形態による照明装置5は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図16−1および図16−2を用いて説明した制御と同様に適用できる。
【0128】
上述のように、本第5の実施形態では、蛍光体ホイール部205および207で用いる基板224および232を、反射部材により構成している。そのため、例えば蛍光体221に照射される光線と、蛍光体221から出射される光線とで光路を一部重複することができるので、照明装置5のスペースを有効活用でき、照明装置5のサイズの小型化が可能である。
【0129】
(第5の実施形態の変形例)
次に、本第5の実施形態の変形例について説明する。本第5の実施形態の変形例は、上述の第2の実施形態の変形例などと同様に、第5の実施形態の構成において、1の波長の光でそれぞれ異なる波長の光を発光する第1の蛍光体および第2の蛍光体を、1の基板上に形成する。
【0130】
図18は、本第5の実施形態の変形例に係る照明装置5’の一例の構成を示す。なお、図18において、上述の図17と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。蛍光体ホイール部510は、図8を用いて説明した、蛍光体221および231が共に形成された基板500と、回転中心503で基板500を回転駆動する駆動部511とを有する。また、基板500は、集光素子220から出射された光が蛍光体221に照射されると共に、集光素子230から出射された光が蛍光体231に照射されるように配置される。
【0131】
このように構成することで、反射/透過ホイール400で反射された波長Aの光がダイクロイックミラー206および集光素子220を介して基板500上に形成された蛍光体221に照射される。蛍光体221において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光され、この波長Cの光が基板500で反射されて集光素子220を介してダイクロイックミラー206に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー208を透過して照明装置5’から出射される。
【0132】
同様に、ミラー204で反射された波長Aの光は、ダイクロイックミラー208および集光素子230を介して基板500上に形成された蛍光体231に照射される。蛍光体231において、波長Aの光に励起されて波長Bの光が発光され、この波長Bの光が基板500で反射されて集光素子230を介してダイクロイックミラー208に入射および反射されて、照明装置5’から出射される。
【0133】
なお、本第5の実施形態の変形例による照明装置5’は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図16−1および図16−2を用いて説明した制御と同様に適用できる。
【0134】
本第5の実施形態の変形例によれば、蛍光体が形成される基板と、当該基板を駆動する駆動部とがそれぞれ1つで済むため、上述の第5の実施形態に対して、さらにコストおよび消費電力の削減が可能である。
【0135】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。図19は、本第6の実施形態に係る照明装置6の一例の構成を示す。なお、図19において、上述した図17と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本第6の実施形態は、1の光源300のみを用いて、RGB各色の光束を得るようにしたものである。
【0136】
本第6の実施形態は、上述した第3の実施形態に対応し、蛍光体が形成される基板が反射部材とされた蛍光体ホイール部308および310を有すると共に、図10に示した第3の実施形態による照明装置2における偏光変換スイッチ302および偏光ビームスプリッタ303、ならびに、偏光変換スイッチ304および偏光ビームスプリッタ305が、それぞれ反射/透過ホイール400Aおよび400Bに置き換えられている。
【0137】
なお、反射/透過ホイール400Aおよび400Bの構成は、上述の反射/透過ホイール400と同一である。すなわち、反射/透過ホイール400Aは、駆動部401Aにより、回転軸402Aを中心として回転される。同様に、反射/透過ホイール400Bは、駆動部401Bにより、回転軸402Bを中心として回転される。
【0138】
照明装置6の光路について説明する。第1に、光源300から射出された例えば青色である波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400Aの反射領域411が在る場合について説明する。この場合、当該光線は、反射/透過ホイール400Aで所定の角度で反射され、例えば緑色である波長Cの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー309を透過して蛍光体ホイール部308に入射される。蛍光体ホイール部308において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光される。この波長Cの光線は、蛍光体ホイール部308から出射され、ダイクロイックミラー309により反射され、波長Bの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー311を透過し、さらにまた、波長Aの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー307を透過して、照明装置6から出射される。
【0139】
第2に、光源300から射出された波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400Aの透明領域410があると共に、反射/透過ホイール400Bの反射領域411が在る場合について説明する。この場合、当該光線は、反射/透過ホイール400Aを透過して反射/透過ホイール400Bに照射され、反射/透過ホイール400Bで所定の角度で反射される。反射/透過ホイール400Bで反射された波長Aの光線は、波長Bの光を反射し、他の波長の光を透過するダイクロイックミラー311を介して蛍光体ホイール部310に入射される。蛍光体ホイール部310において、波長Aの光線に励起されて例えば赤色である波長Bの光が発光される。この波長Bの光線は、蛍光体ホイール部310から出射され、ダイクロイックミラー311により反射され、ダイクロイックミラー307を透過して、照明装置6から出射される。
【0140】
第3に、光源300から射出された波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400Aの透明領域410と、反射/透過ホイール400Bの透明領域410が在る場合について説明する。この場合、当該光線は、反射/透過ホイール400Aおよび400Bを透過してミラー306に照射される。そして、ミラー306で所定の角度で反射されて、さらに、ダイクロイックミラー307で所定の角度で反射されて、照明装置6から出射される。
【0141】
このように、反射/透過ホイール400Aは、光線を蛍光体321に導く状態と導かない場合とを備える。また、反射/透過ホイール400Bは、光線を蛍光体331に導く状態と導かない場合とを備える。
【0142】
図20は、本第6の実施形態の照明装置6における、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。図20では、図20(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0143】
なお、図20において、便宜上、光源300を単に光源とし、反射/透過ホイール400Aおよび400Bを、反射/透過ホイール#1および反射/透過ホイール#2として示している。また、光源300から出射された光線の光路上に反射/透過ホイール#1または#2の透過領域410が在る場合を「透過」、反射領域411が在る場合を「反射」として、それぞれ示している。
【0144】
図20(b)に示されるように、光源は、光束Rn、GnおよびBnの生成期間a、bおよびcの全てにおいて点灯される(ON)。一方、反射/透過ホイール#1および#2は、光束Rnを生成する期間aでは、反射/透過ホイール#1および#2をそれぞれ透過および反射に制御する。また、光束Gnを生成する期間bでは、反射/透過ホイール#1を反射に制御し、反射/透過ホイール#2は任意とする。さらに、光束Bnを生成する期間cでは、反射/透過ホイール#1および#2を共に透過に制御する。
【0145】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射されているため、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0146】
なお、本第6の実施形態による照明装置6は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0147】
このように、本第6の実施形態では、蛍光体ホイール部308および310で用いる基板322および332を反射部材により構成している。そのため、例えば蛍光体321に照射される光線と、蛍光体321から出射される光線とで光路を一部重複することができるので、照明装置6のスペースを有効活用でき、照明装置6のサイズの小型化が可能である。また、1の光源300のみを用いてRGB各色を得ているので、照明装置6のサイズをさらに小型化することができると共に、コストおよび消費電力を削減することができる。
【0148】
(第6の実施形態の変形例)
次に、本第6の実施形態の変形例について説明する。本第6の実施形態の変形例は、上述の第2の実施形態の変形例などと同様に、第6の実施形態の構成において、1の波長の光でそれぞれ異なる波長の光を発光する第1の蛍光体および第2の蛍光体を、1の基板上に形成する。
【0149】
本第6の実施形態の変形例に適用可能な、第1の蛍光体および第2の蛍光体が形成される基板は、上述した第3の実施形態の変形例で説明した基板500と同等であるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0150】
図21は、本第6の実施形態の変形例に係る照明装置6’の一例の構成を示す。なお、図21において、上述の図19と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。蛍光体ホイール部520は、上述した第3の実施形態の変形例で説明した蛍光体ホイール部520と同等であるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0151】
このように構成することで、反射/透過ホイール400Aで反射された波長Aの光がダイクロイックミラー309および集光素子320を介して基板500上に形成された蛍光体321に照射される。蛍光体321において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光され、この波長Cの光が基板500で反射されて集光素子220を介してダイクロイックミラー309に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー311および307を介して照明装置6’から出射される。
【0152】
同様に、反射/透過ホイール400Bで反射された波長Aの光は、ダイクロイックミラー311および集光素子330を介して基板500上に形成された蛍光体331に照射される。蛍光体331において、この波長Aの光に励起されて波長Bの光が発光され、この波長Bの光が基板500で反射されて集光素子330を介してダイクロイックミラー311に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー307を介して照明装置6’から出射される。
【0153】
なお、本第6の実施形態の変形例による照明装置6’は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御については、図20を用いて説明した第6の実施形態の場合と同等なので、ここでの説明を省略する。
【0154】
本第6の実施形態の変形例によれば、蛍光体が形成される基板と、当該基板を駆動する駆動部とがそれぞれ1つで済むため、上述の第6の実施形態に対して、さらにコストおよび消費電力の削減が可能である。
【0155】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。図22は、本第7の実施形態に係る照明装置7の一例の構成を示す。なお、図22において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本第7の実施形態は、反射/透過ホイール400の入射光路および出射光路に対して、それぞれ集光素子420と、カップリングレンズ421および422とを設けた例である。
【0156】
なお、照明装置7において、各光源100および109から出射された光線の光路は、反射/透過ホイール400の入射側で集光素子420を透過し、出射側でカップリングレンズ421または422を透過する以外は上述した第1の実施形態と何ら変わるところがないので、ここでの詳細な説明を省略する。また、反射/透過ホイール400の制御についても、第1の実施形態と同一なので、ここでの説明を省略する。
【0157】
図23を用いて、第7の実施形態についてより詳細に説明する。図23は、本第7の実施形態による、反射/透過ホイール400周辺の構成の例を、より詳細に示す。なお、図23は、照明装置7のうち本第7の実施形態に関わり合いの深い部分を示し、その他の部分を省略している。
【0158】
光源100から出射された光線は、カップリングレンズ101で平行光束とされ、集光素子420により集光される。この光線の集光点に、反射/透過ホイール400を配置する。集光点に配置された反射/透過ホイール400から反射または透過された光線は、カップリングレンズ421または422で平行光束とされ、蛍光体ホイール部107または104に入射される。
【0159】
図24は、反射/透過ホイール400に照射される光線の様子を示す。集光素子420を用いない場合、スポット430として示されるように、光線は、ある広がりを以て反射/透過ホイール400に照射される。一方、集光素子420を用い、集光点に反射/透過ホイール400を配置した場合、スポット431として示されるように、スポット430に対してより小さいスポット径で以て、反射/透過ホイール400に照射される。これにより、光線が反射領域411と透過領域410との境界部分を通過する時間、すなわち、R色とG色との切替時間を短縮でき、投射光における色純度が向上される。
【0160】
なお、ここでは、本第7の実施形態による、反射/透過ホイール400に対して集光素子420と、カップリングレンズ421および422とを配置する構成を、第4の実施形態による照明装置4に対して適用したが、これはこの例に限定されない。すなわち、本第7の実施形態は、上述した第5の実施形態による照明装置5や、第6の実施形態による照明装置6に対しても、同様に適用することができる。
【0161】
なお、本第7の実施形態による照明装置7は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0162】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。上述の第1〜第7の実施形態による照明装置1〜7は、光源を複数有している場合であっても、その複数の光源が同一の波長の光線を射出していた。これに対して、本第8の実施形態では、2の光源が互いに異なる波長の光線を射出する。
【0163】
図25は、本第8の実施形態による照明装置8の一例の構成を示す。なお、図25において、上述した図17と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。照明装置8は、光源200および440、カップリングレンズ201および441、ミラー204、ダイクロイックミラー208および442、反射/透過ホイール400、ならびに、蛍光体ホイール部207を有する。
【0164】
光源200は、例えば青色である波長Aの光線を射出する。一方、光源440は、波長Aとは異なる波長、例えば赤色である波長Cの光線を射出する。また、ダイクロイックミラー442は、波長Aの光を反射し、他の波長の光を透過させる。ダイクロイックミラー208は、例えば赤色である波長Bの光を反射させ、他の波長の光を透過させる。
【0165】
先ず、光源200から出射される波長Aの光線の光路について説明する。当該光線の光路上に、反射/透過ホイール400の反射領域411が在る場合、当該光線は、カップリングレンズ201を介して反射/透過ホイール400に入射され、所定の角度で反射される。反射/透過ホイール400で反射され出射された波長Aの光線は、ダイクロイックミラー442で所定の角度で反射され、さらにダイクロイックミラー208を透過して照明装置8から出射される。
【0166】
光源200から出射される波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の透過領域410が在る場合、当該光線は、カップリングレンズ201を介して反射/透過ホイール400に入射され、反射/透過ホイール400を透過してミラー204に照射される。当該光線は、ミラー204で所定の角度で反射され、ダイクロイックミラー208を透過して蛍光体ホイール部207に入射される。
【0167】
蛍光体ホイール部207に入射された波長Aの光線は、集光素子230を介して蛍光体231に照射される。蛍光体231は、波長Aの光線に励起されて、波長Aより長波長の波長Bの光を発光する。この波長Bの光は、基板232により反射され集光素子230を介してダイクロイックミラー208に照射され、所定の角度に反射されて照明装置8から出射される。
【0168】
光源440から出射される波長Cの光線は、カップリングレンズ441を介してダイクロイックミラー442に入射される。当該光線は、ダイクロイックミラー442を透過し、さらに、ダイクロイックミラー208を透過して、照明装置8から出射される。
【0169】
この第8の実施形態においても、反射/透過ホイール400は、光線を蛍光体231に導く状態と導かない状態とを備える。
【0170】
図26は、第8の実施形態による照明装置8を用いて各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。この照明装置8では、光源440が光源200と異なる色(この例ではR色)の光線を出射するため、R色およびB色との同時出射、ならびに、R色およびG色との同時出射が可能となる。
【0171】
図26では図26(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成されると共に、R色およびG色との同時出射によるイエローの光束Ynと、R色とB色との同時出射によるマゼンタの光束Mnとを生成し、これら光束Rn、GnおよびBn、ならびに、光束YnおよびMnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0172】
図26(b)に示されるように、制御部150は、光束Rnを生成する期間aでは、光源#1(光源200)を消灯させ(OFF)、光源#2(光源440)を点灯させる(ON)。光源#1が消灯されているため、反射/透過ホイール400の状態は任意である。すなわち、光源#1からの波長Aの光線の光路上に透過領域410および反射領域411の何れがあっても構わない。
【0173】
制御部150は、光束Gnを生成する期間bでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、反射/透過ホイール400の透過領域410が光源#1からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。また、制御部150は、光束Bnを生成する期間cでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、反射/透過ホイール400の反射領域411が光源#1からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。
【0174】
さらに、光束Ynを生成する期間dでは、光源#1および光源#2を共に点灯させる(ON)。それと共に、反射/透過ホイール400の透過領域410が光源#1からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。
【0175】
これにより、光源#2による波長Cの光線がダイクロイックミラー442および208を透過して照明装置8から出射される。それと共に、光源#1による波長Aの光線が反射/透過ホイール400を透過され、ミラー204で所定に反射されて蛍光体ホイール部207に入射され、蛍光体231により当該光線に励起されて波長Bの光が発光され、ダイクロイックミラー208に反射されて照明装置8から出射される。照明装置8から波長B(赤色)の光線と波長C(緑色)の光線とが同時に出射され、イエローの光束Ynが得られる。
【0176】
さらにまた、光束Mnを生成する期間eでは、光源#1および光源#2を共に点灯させる(ON)。それと共に、反射/透過ホイール400の反射領域411が光源#1からの波長Aの光線の光路上にあるように、駆動部401を駆動制御する。
【0177】
これにより、光源#2による波長Cの光線がダイクロイックミラー442および208を透過して照明装置8から出射される。それと共に、光源#1による波長Aの光線が反射/透過ホイール400で所定に反射され、さらにダイクロイックミラー442で反射される。そして、ダイクロイックミラー442から出射された波長Aの光線が、ダイクロイックミラー208を透過して照明装置8から出射される。照明装置8から波長B(赤色)の光線と波長A(青色)の光線とが同時に出射され、マゼンタの光束Mnが得られる。
【0178】
なお、上述では、本第8の実施形態において光路を切り替える手段として反射/透過ホイール400を用いたが、これはこの例に限られず、第1の実施形態などで示した、偏光変換スイッチ102と、偏光ビームスプリッタ103とを組み合わせて用いる場合にも、本第8の実施形態を適用することができる。この場合、少なくとも光源200は、直線偏光の光線を出射することが好ましい。
【0179】
なお、本第8の実施形態による照明装置8は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0180】
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について説明する。上述の第1〜第8の実施形態では、例えば蛍光体ホイール部104において、基板121に対して1の波長の光線を発光する蛍光体121を1種類のみ、形成した。これに対して、本第9の実施形態では、基板に対して、互いに異なる波長の光を発光する蛍光体を複数種類、形成する。
【0181】
図27は、本第9の実施形態による照明装置9の一例の構成を示す。照明装置9は、光源450、カップリングレンズ451、反射/透過ホイール400、ミラー452、ダイクロイックミラー453および455、ならびに、蛍光体ホイール部470を有する。光源450は、例えば青色である波長Aの光線を出射する。カップリングレンズ451は、入射された光線を平行高速の光線として出射する。反射/透過ホイール400は、上述と同様に、駆動部401により回転軸402を中心に回転され、透過領域410と反射領域411とが半径で区切られて設けられる。
【0182】
ダイクロイックミラー453は、波長Bの光線と、波長Cの光線とを反射し、その他の波長の光線を透過させる。また、ダイクロイックミラー455は、青色である波長Aの光線を反射し、その他の波長の光線を透過させる。
【0183】
蛍光体ホイール部470は、集光素子460と、基板462と、基板上に形成される蛍光体461と、駆動部463とを有する。集光素子460は、入射された光線を、蛍光体461上に集光させる。基板462は、この例では、反射素材からなる。駆動部463は、制御部150からの制御に従い、基板462を回転駆動させる。
【0184】
図28は、本第9の実施形態による、蛍光体ホイール部470における基板462を蛍光体461の形成面側から見た図である。図28に示されるように、本第9の実施形態では、基板462上に形成される蛍光体461は、第1の蛍光体461Aと、第2の蛍光体461Bとからなる。ここで、第1の蛍光体461Aは、例えば青色である波長Aの光で励起され、波長Aより長波長の、例えば赤色である波長Bの光を発光する。一方、第2の蛍光体462Bは、同様に波長Aの光で励起され、波長Aより長波長の、例えば緑色である波長Cの光を発光する。
【0185】
なお、図28では、第1の蛍光体461Aと第2の蛍光体461Bとが、回転中心465に対してそれぞれ180°の角度範囲で形成されているが、これはこの例に限定されない。すなわち、第1の蛍光体461Aおよび第2の蛍光体461Bは、互いに重ならなければ、他の角度範囲で形成されていてもよい。
【0186】
駆動部463は、例えばステッピングモータを備え、回転軸465を中心に、第1の蛍光体461Aおよび第2の蛍光体461Bそれぞれの角度範囲を基準として、基板462を回転駆動する。
【0187】
図27を用いて、照明装置9の光路について説明する。第1に、光源450からの波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の透過領域410が在る場合について説明する。この場合、光源450から出射された波長Aの光線は、カップリングレンズ451で平行光束とされ反射/透過ホイール400を透過してミラー452に入射される。当該光線は、ミラー452で所定の角度で反射され、ダイクロイックミラー455で所定の角度で反射されて、照明装置9から出射される。
【0188】
第2に、光源450からの波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の反射領域411が在る場合について説明する。この場合、光源450から出射された波長Aの光線がカップリングレンズ451を透過して反射/透過ホイール400に入射される。当該光線は、反射/透過ホイール400で所定の角度で反射され、ダイクロイックミラー453を透過して蛍光体ホイール部470に入射される。
【0189】
蛍光体ホイール部470において、入射された波長Aの光線は、集光素子460で蛍光体461上に集光される。ここで、集光点に第1の蛍光体461Aが在るように基板462が回転制御されている場合は、当該第1の蛍光体461Aが波長Aの光線で励起されて波長Bの光を発光する。一方、集光点に第2の蛍光体461Bが在るように基板462が回転制御されている場合は、当該第2の蛍光体461Bが波長Aの光線で励起されて波長Cの光を発光する。
【0190】
これら、第1の蛍光体461Aまたは第2の蛍光体461Bで発光された、波長Bまたは波長Cの光線は、集光素子460を介してダイクロイックミラー453に照射される。この波長Bまたは波長Cの光線は、ダイクロイックミラー453で所定の角度で反射され、ダイクロイックミラー455を透過して、照明装置9から出射される。
【0191】
この第9の実施形態においても、反射/透過ホイール400は、光線を第1の蛍光体461Aまたは第2の蛍光体461Bのうち何れか一方に導く状態と、第1の蛍光体461Aまたは第2の蛍光体461Bの何れにも導かない状態とを備える。
【0192】
図29は、本第9の実施形態においてRGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。図29では、図29(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0193】
図29(b)に示されるように、光源#1(光源450)は、光束Rn、GnおよびBnを生成する各期間a、bおよびcにおいて、常時点灯される(ON)。光束Rnを生成する期間aにおいて、蛍光体ホイール部470では、光線の集光点に第1の蛍光体461Aがあるように回転制御される。それと共に、反射/透過ホイール400は、光源450から光線の光路上に反射領域411があるように制御される。光束Gnを生成する期間bにおいて、蛍光体ホイール部470は、光線の集光点に第2の蛍光体461Bがあるように回転制御される。それと共に、反射/透過ホイール400は、光源450からの光線の光路上に反射領域411があるように制御される。また、光束Bnを生成する期間cでは、反射/透過ホイール400が光源450から光線の光路上に透過領域410があるように制御される。このとき、光源450からの光線は、蛍光体ホイール部470に入射されないため、蛍光体ホイール部470において、集光点に第1の蛍光体461Aおよび第2の蛍光体461Bの何れがあっても構わない。
【0194】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射され、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また例えば、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0195】
なお、上述では、本第9の実施形態において光路を切り替える手段として反射/透過ホイール400を用いたが、これはこの例に限られず、第1の実施形態などで示した、偏光変換スイッチ102と、偏光ビームスプリッタ103とを組み合わせて用いる場合にも、本第9の実施形態を適用することができる。この場合、光源450は、直線偏光の光線を出射することが好ましい。
【0196】
なお、本第9の実施形態による照明装置9は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0197】
このように、本第9の実施形態では、蛍光体ホイール部において、基板に対して、互いに異なる1の波長の光線を発光する蛍光体を複数種類、形成しているので、1の光源からの光線により、1の蛍光体ホイール部で複数色の光を発光することができる。そのため、照明装置における部品点数を削減することができ、照明装置のサイズの小型化および装置コストの削減が実現できる。
【符号の説明】
【0198】
1,1’,2,3,4,5,6,7,8,9 照明装置
10 投射装置
100,109,200,209,300,440,450 光源
102,202,302,304 偏光変換スイッチ
103,203,303,305 偏光ビームスプリッタ
104,107,205,207,308,310,470 蛍光体ホイール部
106,108,206,208,307,309,311,442,453,455 ダイクロイックミラー
121,131,221,231,321,331 蛍光体
122,132,224,232,322,332,462,500 基板
400 反射/透過ホイール
410 透過領域
411 反射領域
461A 第1の蛍光体
461B 第2の蛍光体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0199】
【特許文献1】特開2004−341105号公報
【特許文献2】特開2009−277516号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに色が異なる複数の光束を射出する照明装置、ならびに、投射装置および投射装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議などの場において、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)といった情報処理装置の画面情報をプロジェクタを使ってスクリーンに投影することで、その場の出席者と情報の共有が行われている。
【0003】
このようなプロジェクタでは、従来、例えば超高圧水銀ランプといった高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であった。放電ランプは、高輝度を低コストで実現できる一方で、点灯開始後、所定の発光を行うまでに時間を要する点や、環境への配慮などの点などにより、代替の光源が求められている。
【0004】
そこで、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光ダイオード(LED)や有機ELなどの固体発光素子を、プロジェクタにおける放電ランプの代替光源として用いることが提案され、また、実用化されている。これらの固体発光素子をプロジェクタの光源として用いることにより、プロジェクタの高速起動が可能となると共に、環境への配慮も実現できる。
【0005】
固体発光素子の一つである、青色を発光する青色レーザダイオードや発光ダイオードを用いて様々な色の光を得る技術が実用化されている。例えば青色レーザダイオードを用いる場合、青色レーザダイオードから出力されたレーザ光を蛍光体に照射することで蛍光体が励起され、その蛍光体特有の色の光が射出される。この特性を利用することで、R、G、B各色の光を得ることができ、この蛍光体により得られた光をプロジェクタの光源として用いる技術が開発されている。このようにして得られたR、G、B各色の光を、DMD(Digital Micromirror Device)などの光変調素子を用いて画素毎に階調制御を行うことで、カラーの投射画像を得る。
【0006】
なお、例えば青色レーザダイオードをプロジェクタの光源として用いる場合、1色に付き1個のレーザダイオードでは光量が不足する。そのため、一般的には、光源として、数個乃至数10個のレーザダイオードが一体的に構成されるレーザダイオードアレイが用いられる。
【0007】
特許文献1には、発光ダイオードと、発光ダイオードが発光する紫外光を可視光に変換する蛍光体層と、透明基材とを有する投写型表示装置が開示されている。
【0008】
特許文献1によれば、円盤を3つの領域に分割し、入射側には各領域に紫外光を透過し可視光を反射する可視光反射膜を形成し、入射側と透明層を介して対向する出射側には各領域に、紫外光をR、G、Bの各色に波長変換する蛍光体層をそれぞれ形成する。円盤を回転させることにより、光源からの紫外光が蛍光体層の各領域によりR、G、Bの波長の光に変換され、R、G、Bの繰り返しの色光が放射される。この色光を空間光変調器に照射させて光変調し、投射レンズを介してスクリーン上に拡大投射している。
【0009】
また、特許文献2には、円形状の透明基材の複数のセグメント領域に蛍光体の層を配置し、紫外光よりもエネルギの低い可視光を励起光として蛍光体に照射して、各色の光を得るようにした光源装置およびプロジェクタが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上述した特許文献1や特許文献2のような従来技術では、円盤を半径で複数領域に分割し、分割された各領域において異なる色を発する蛍光体層を形成し、円盤を回転させることで、各色を時分割で出射している。そのため、各色それぞれの蛍光体層において、レーザ光が限られた面積に集中して照射されてしまい、当該照射箇所が所謂「焼けた」状態となり、蛍光体層の特性が劣化してしまうおそれがあった。
【0011】
レーザ光が各色の特定箇所に集中的に照射されることによる蛍光体層の特性劣化を避けるために、円盤を各色の領域に分割せずに、1色分の蛍光体層を備えた円盤を色毎に備えることが考えられる。しかしながら、この場合、光源を各色毎に設ける必要があり、コストが嵩んでしまうと共に、装置のサイズも大きくなってしまうという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、蛍光体を励起させて各色の光を得る場合において、より少ない光源で各色の光を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の発明は、変調信号に応じて画像を形成して被照明体を照射する光変調素子に対して光を照射するための照明装置であって、光源と、光源の出射する光の色とは異なる色を発光する蛍光体と、光源から出射される光を蛍光体に導く状態と、光を蛍光体に導かない状態とを備える導光手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また、第2の発明は、画像データによる画像を投射する投射装置であって、第1の光源と、第1の光源の出射する光の色とは異なる色を発光する蛍光体と、第1の光源から出射される光を蛍光体に導く第1の状態と、光を蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光手段と、導光手段から出射された光が照射され、光を用いて、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子と、光変調素子で形成された画像を表示媒体に投射させる投射光学系と、画像データの1フレーム期間内で、導光手段の第1の状態および第2の状態を順次に切り替える制御手段とを有することを特徴とする。
【0015】
また、第3の発明は、光変調素子で形成された、画像データによる画像を表示媒体に投射する投射装置の制御方法であって、導光手段が、第1の光源から出射される光を、光の色とは異なる色を発光する蛍光体に導く第1の状態と、光を蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光ステップと、制御手段が、画像データの1フレーム期間内で、導光ステップによる第1の状態および第2の状態を順次に切り替える制御ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
また、第4の発明は、画像データによる画像を投射する投射装置であって、第1の色の光を発光する第1の光源と、第2の色の光を発光する第2の光源と、第1の色の光により励起されて第3の色の光を発光する蛍光体と、第1の光源から出射される光を蛍光体に導く第1の状態と、光を蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光手段と、導光手段から出射された光と、第2の光源から出射された光とが照射され、照射された各光を用いて、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子と、画像データの1フレーム期間内で、第1の色の光と、第2の色の光と、第3の色の光とのうち1または複数が光変調素子に照射されるように第1の光源と、第2の光源と、導光手段とを制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0017】
また、第5の発明は、画像データによる画像を投射する投射装置の制御方法であって、導光手段が、第1の光源から出射された第1の色の光を、第1の色の光により励起されて第2の色の光を発光する蛍光体に導く状態と、第1の色の光を蛍光体に導かない状態とを備えて導光する導光ステップと、制御手段が、画像データの1フレーム期間内で、第1の色の光と、第2の色の光と、第2の光源から出射される第3の色の光とのうち1または複数が、照射された光を用いて変調信号に応じて画像を形成する光変調素子に照射されるように、第1の光源と、第2の光源と、導光ステップとを制御する制御ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、蛍光体を励起させて各色の光を得る場合において、より少ない光源で各色の光を得ることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図2】図2は、偏光変換スイッチについて説明するための略線図である。
【図3】図3は、蛍光体ホイール部における基板を蛍光体の形成面側から見た略線図である。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る照明装置を用いた投射装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図6】図6は、第1の実施形態の変形例による制御の例を示す略線図である。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図8】図8は、第2の実施形態の変形例に適用可能な基板を、蛍光体の形成面側から見た例を示す略線図である。
【図9】図9は、第2の実施形態の変形例に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図10】図10は、第3の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図11】図11は、第3の実施形態における、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図12】図12は、第3の実施形態の変形例に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図13】図13は、第4の実施形態による反射/透過ホイールの例を示す略線図である。
【図14】図14は、第4の実施形態による照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図15】図15は、第4の実施形態による照明装置を用いた投射装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図16−1】図16−1は、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図16−2】図16−2は、2の光源を同時に点灯させる場合の、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図17】図17は、第5の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図18】図18は、第5の実施形態の変形例に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図19】図19は、第6の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図20】図20は、第6の実施形態の照明装置における、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図21】図21は、第6の実施形態の変形例に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図22】図22は、第7の実施形態に係る照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図23】図23は、第7の実施形態による反射/透過ホイール周辺の構成の例をより詳細に示す略線図である。
【図24】図24は、反射/透過ホイールに照射される光線の様子を示す略線図である。
【図25】図25は、第8の実施形態による照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図26】図26は、第8の実施形態による照明装置を用いて各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【図27】図27は、第9の実施形態による照明装置の一例の構成を示す略線図である。
【図28】図28は、第9の実施形態による蛍光体ホイール部における基板を蛍光体の形成面側から見た略線図である。
【図29】図29は、第9の実施形態においてRGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る照明装置および投射装置の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1の一例の構成を示す。照明装置1は、光源100および109と、カップリングレンズ101および110と、偏光変換スイッチ102と、偏光ビームスプリッタ103と、蛍光体ホイール部104および107と、ミラー105と、ダイクロイックミラー106および108とを含む。また、蛍光ホイール部104は、集光素子120および124と、蛍光体121と、基板122と、駆動部123とを含む。同様に、蛍光体ホイール部107は、集光素子130および134と、蛍光体131と、基板132と、駆動部133とを含む。
【0021】
図1を用いて、照明装置1における光路について説明する。先ず、光源100による光路について説明する。光源100は、短波長の光を射出する発光素子であり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用いることができる。光源100は、青色を発光する発光ダイオードでもよい。光源100は、波長A(例えば波長400nm〜450nmの範囲)、直線偏光の光線を射出する。ここでは、光源100は、p偏光の光線を射出するものとする。光源100から射出された光線は、カップリングレンズ101により平行光束とされ、偏光変換スイッチ102に入射される。
【0022】
偏光変換スイッチ102は、入射された光線の偏光をON/OFFに応じて変換する。例えば、図2に例示されるように、p偏光の光線は、偏光変換スイッチ102を通過する際に、当該偏光変換スイッチ102がONならばs偏光に変換されて出力され、OFFならばp偏光のまま出力される。同様に、入射された光線の偏光がs偏光の場合には、偏光変換スイッチ102がONならばp偏光に変換されて出力され、OFFならばs偏光に変換されて出力される。偏光変換スイッチ102は、外部からの制御信号に応じてON/OFFされる。偏光変換スイッチ102としては、例えば液晶の特性を利用して光の偏光を制御する液晶偏光素子を用いることができる。
【0023】
この偏光変換スイッチ102と、偏光の方向によって光線の透過および反射を切り替える偏光ビームスプリッタ103とを組み合わせることで、複数の光線照射対象の何れに光路を導くかを選択する光路選択手段を構成することができる。すなわち、偏光ビームスプリッタ103の透過方向および反射方向の何れに光路を導くかを、偏光変換スイッチ102によって光線の偏光方向を制御することで選択する。
【0024】
図1の説明に戻り、先ず、偏光変換スイッチ102がOFFの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光のまま偏光変換スイッチ102を透過して偏光ビームスプリッタ103に入射される。偏光ビームスプリッタ103は、p偏光の光線を透過し、s偏光の光線を反射する。したがって、光線は、偏光ビームスプリッタ103を透過して蛍光体ホイール部104に導かれ入射される。蛍光体ホイール部104に入射されたp偏光の光線は、集光素子120で集光されて蛍光体121を照射する。
【0025】
図3は、蛍光体ホイール部104における基板122を蛍光体121の形成面側から見た図である。透明部材からなる円盤状の基板122に対して、蛍光体121がリング状に形成される。蛍光体121は、波長Aの光に励起されて、波長Aより長波長の波長Bの光を発光する。波長Bは、例えば赤色となる620nm〜750nmの範囲である。この光源100からの波長Aの光に励起されて発光した、波長Bの光は、基板122を透過して集光素子124を介して蛍光体ホイール部104から出射される。
【0026】
基板122は、円盤の中央に設けられた回転中心125を中心として、駆動部123により回転駆動される。すなわち、光源100より出射された光線は、集光素子120により集光されて蛍光体121に照射される。このとき、光線は、微小な領域に集光されて蛍光体121に照射されるため、蛍光体121の同一箇所に常時この光線が照射されると、蛍光体121が所謂「焼けた」状態となり、蛍光体121の特性の劣化や破損を引き起こしてしまう可能性がある。
【0027】
本第1の実施形態では、基板122を回転中心125を中心として回転駆動し、蛍光体121に対して光線が照射される位置を時間的に変化させる。これにより、光線のエネルギが蛍光体121の微小領域に集中することが避けられ、蛍光体121の特性劣化などを抑制させることができる。
【0028】
なお、蛍光体121に対する光線の照射位置を時間的に変化させる方法は、基板122の回転駆動に限られない。すなわち、蛍光体121に対して光線が連続的に照射され、且つ、照射される位置が所定周期で戻るように、基板122を移動させればよい。一例として、基板122を光線の入射方向に対して垂直に振動移動させることが考えられる。また、基板122を回転駆動する場合の回転速度は、特に限定されない。
【0029】
図1の説明に戻り、蛍光体ホイール部104から出射された波長Bの光線は、ミラー105で所定の角度に反射されてダイクロイックミラー106に照射される。ダイクロイックミラー106は、波長Bの光線を反射し、他の波長の光線を透過させるように構成されている。ダイクロイックミラー106に照射された波長Bの光線は、所定の角度に反射されて照明装置1から射出される。
【0030】
次に、偏光変換スイッチ102がONの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光からs偏光に変換されて、偏光変換スイッチ102から出射されて、偏光ビームスプリッタ103に入射される。このs偏光の光線は、偏光ビームスプリッタ103で所定の角度に反射されて蛍光体ホイール部107に入射される。すなわち偏光変換スイッチ102がONの場合、s偏光の光線は、蛍光体ホイール部104には導かれずに、蛍光体ホイール107に導かれる。
【0031】
蛍光体ホイール部107は、図3を用いて説明した蛍光体ホイール部104と略同一の構成を有し、透過部材で構成された円盤状の基板132に対して蛍光体131がリング状に形成され、基板132の中央部を回転中心として駆動部133似て回転駆動される。蛍光体ホイール部107の蛍光体131は、波長Aの光に励起されて、波長Aより長波長である波長Cの光を発光する。波長Cは、例えば緑色となる495nm〜570nmの範囲である。この光源100からの波長Aの光に励起されて発光した、波長Cの光は、基板132を透過して集光素子134を介して蛍光体ホイール部107から出射される。
【0032】
蛍光体ホイール部107から出射された波長Cの光線は、ダイクロイックミラー108に照射される。ダイクロイックミラー108は、波長Cの光線を反射し、他の波長の光線を透過するように構成されている。ダイクロイックミラー108に照射された波長Cの光線は、所定の角度に反射され、ダイクロイックミラー106を透過して照明装置1から出射される。
【0033】
次に、光源109による光路について説明する。光源109は、短波長の光を射出する発光素子であり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用いることができる。光源109は、青色を発光する発光ダイオードでもよい。光源109は、光源100と同様に波長Aの光線を射出する。なお、光源109において、射出される光線の偏光方向は、特に限定されない。光源109から射出された波長Aの光線は、カップリングレンズ110により平行光束とされ、ダイクロイックミラー108および106をそれぞれ透過して、照明装置1から出射される。
【0034】
このように、偏光変換スイッチ102と偏光ビームスプリッタ103との組み合わせは、光線を蛍光体121に導く状態と導かない状態とを備える。また、蛍光体131側から見れば、偏光変換スイッチ102と偏光ビームスプリッタ103との組み合わせは、光線を蛍光体131に導く状態と導かない状態とを備えるともいえる。
【0035】
(第1の実施形態の適用例)
図4は、図1の照明装置1を用いた投射装置10の一例の構成を示す。なお、図4において、図1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。投射装置10は、図1を用いて説明した照明装置1に対応する照明装置1’と、制御部150とを有すると共に、集光素子140および142と、インテグレータ141と、ミラー143と、画像生成部144と、投射レンズ145とを含む投射光学系を有する。
【0036】
投射装置10に組み込まれる照明装置1’において、光源100および109から射出された波長Aの光線の光路は、蛍光体ホイール部104および107それぞれの出射側の集光素子124および134が省略されている以外は、図1を用いて説明した光路と同一であるので、ここでの説明を省略する。
【0037】
投射装置10において、ダイクロイックミラー106から出射後の波長A、BおよびCの光線の光束は、集光素子140で集光され、インテグレータ141で面状に均一的に分散され、集光素子142およびミラー143を介して画像生成部144に照射される。
【0038】
画像生成部144は、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子であって、例えばDMD(Digital Micromirror Device)を適用することができる。この例では、画像生成部144は、照射された光に対し、画像データに基づく駆動信号(変調信号)により表示画素毎に階調を制御して反射させる。1の画像生成部144のみを用いる場合、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の光束を、1フレーム期間内において時間順次に切り替えて照射させる。それと共に、RGBそれぞれの画像データによる駆動信号を、RGB各色の照射のタイミングに同期させて生成して画像生成部144を駆動する。これにより、目の残像現象を利用して、画像データに従ったフルカラーの画像を得ることができる。
【0039】
画像生成部144で表示画素毎に階調が制御されたRGB各色の光束は、投射レンズ145を介して投射装置10外に出射され、被照明体であるスクリーンなどの表示媒体(図示しない)に投射され、拡大画像が表示される。
【0040】
なお、制御部150は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を有し、ROMに予め記憶されたプログラムに従い、RAMをワークメモリとして用いてこの投射装置10の全体の動作を制御する。また、制御部150は、外部の情報機器に対するインターフェイスを有し(図示しない)、例えばパーソナルコンピュータから出力された画像データを取り込むことができる。
【0041】
制御部150は、取り込んだ画像データに対して画像処理を施し、画像生成部144を駆動するために適切な画像データを生成する。生成されたこの画像データは、例えば図示されない駆動信号生成部に供給される。駆動信号生成部は、供給された画像データに基づき駆動信号を生成して画像生成部144を駆動する。また、制御部150は、取り込んだ画像データに基づき光源100および109、ならびに、偏光変換スイッチ102の制御を行う。蛍光体ホイール部104および107における駆動部123および133の回転制御を、制御部150が行うこともできる。
【0042】
図5は、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。図5では、図5(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。なお、図5において、便宜上、光源100を光源#1、光源109を光源#2としてそれぞれ示している。また、光源#1(光源100)は、p偏光の光線を出射し、偏光変換スイッチ102は、ONでp偏光をs偏光に変換して出射させ、OFFでp偏光をそのまま透過させる。
【0043】
図5(b)に示されるように、制御部150は、光束Rnを生成する期間aでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、偏光変換スイッチ102をOFFに制御する。また、制御部150は、光束Gnを生成する期間bでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、偏光変換スイッチ102をONに制御する。さらに、光束Bnを生成する期間cでは、光源#1を消灯させ(OFF)。光源#2を点灯させる(ON)。この場合、偏光変換スイッチ102に光線が照射されないため、偏光変換スイッチ102は、ON/OFFの何方でも構わない。
【0044】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射され、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また例えば、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0045】
このように、本第1の実施形態によれば、1の光源100から出射された波長Aの光線から、波長Bおよび波長Cの構成を生成しているため、RGB各色毎に光源を用意する必要が無く、投射装置10のコストを削減できると共に、装置のサイズを小さくすることができる。
【0046】
(第1の実施形態の変形例)
次に、本第1の実施形態の変形例について説明する。上述の第1の実施形態では、光源100および光源109は、何れか一方のみを点灯させるようにしていた。これはこの例に限定されず、光源100および109を同時に点灯させてもよい。
【0047】
図6は、本第1の実施形態の変形例による制御の例を示す。図6(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成されるものとする。図6(b)に示されるように、光源#2(光源109)が点灯している期間を2の期間c1および期間c2に分け、例えば期間c1において、光源#1を同時に点灯させる。
【0048】
このとき、偏光変換スイッチ102をONとすることで、光源100から出射された波長Aの光線が偏光変換スイッチ102で偏光をs偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ103で反射されて蛍光体ホイール部107に入射される。蛍光体ホイール部107では、入射された波長Aの光線が蛍光体131に照射されて波長C(例えば緑色)の光線とされ、ダイクロイックミラー108で反射されダイクロイックミラー106を透過して出射される。同時に、光源109から出射された波長Aの光線がダイクロイックミラー108および106を透過して出射される。したがって、波長Cの光線と波長Aの光線とが同時に出射され、青色と緑色が混合された色(シアン)を得ることができ、より明るい投射画像を得ることが可能となる。
【0049】
同様に、偏光変換スイッチ102をOFFとした場合は、蛍光体ホイール部104から出射された波長B(赤色)の光線が、光源109から出射された波長Aの光線と同時に出射されることになる。この場合には、赤色と青色とが混合された色(マゼンタ)を得ることができる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、蛍光体ホイール部104および107において、蛍光体121が形成される基板122を透過部材で構成していた。これに対して、本第2の実施形態では、蛍光体を形成する基板を、反射部材で構成する。
【0051】
図7は、本第2の実施形態に係る照明装置2の一例の構成を示す。照明装置2は、光源200および209と、カップリングレンズ201および210と、偏光変換スイッチ202と、偏光ビームスプリッタ203と、ミラー204と、蛍光体ホイール部205および207と、ダイクロイックミラー206および208とを含む。また、蛍光ホイール205部は、集光素子220と、蛍光体221と、基板224と、駆動部223とを含む。同様に、蛍光体ホイール部207は、集光素子230と、蛍光体231と、基板232と、駆動部233とを含む。
【0052】
照明装置2における光路について説明する。先ず、光源200による光路について説明する。光源200は、上述した光源100と対応するものであり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用い、波長A(例えば波長400nm〜450nmの範囲)、p偏光の光線を射出する。光源200から射出された光線は、カップリングレンズ201により平行光束とされ、偏光変換スイッチ202に入射される。
【0053】
偏光変換スイッチ202は、上述した偏光変換スイッチ102に対応するものであり、入射された光線の偏光をON/OFFに応じて変換する。すなわち、偏光変換スイッチ202は、ONの状態では、入射された光の偏光方向を他の偏光方向に変換して射出し、OFFの状態では、入射された光を偏光方向を変えずにそのまま出射する。
【0054】
先ず、偏光変換スイッチ202がOFFの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光のまま偏光変換スイッチ202を透過して偏光ビームスプリッタ203に入射される。偏光ビームスプリッタ203は、p偏光の光線を透過し、s偏光の光線を反射する。したがって、光線は、偏光ビームスプリッタ203を透過し、ミラー204にて所定の角度に反射されて蛍光体ホイール部207に入射される。蛍光体ホイール部207に入射されたp偏光の光線は、集光素子230で集光されて蛍光体231を照射する。
【0055】
蛍光体ホイール部207は、上述の蛍光体ホイール部104などと略同一の構成を有し、反射部材で構成された円盤状の基板232に対して蛍光体231がリング状に形成され、基板232の中心部を回転中心として駆動部233で以て回転駆動される。これに限らず、基板232は、第1の実施形態と同様に、駆動部233によって所定の回転速度で回転駆動される。これに限らず、基板232は、振動駆動されてもよい。
【0056】
蛍光体231は、上述した蛍光体121に対応するもので、波長Aの光に励起されて、例えば赤色となる620nm〜750nmの範囲の波長Bの光を発光する。波長Bの光は、反射部材で構成される基板232で反射され、集光素子230を介してダイクロイックミラー208に入射される。このように、本第2の実施形態では、集光素子230は、蛍光体231に照射される波長Aの光線と、蛍光体231から出射される波長Bの光線とで共通に用いられる。
【0057】
ダイクロイックミラー208は、波長Bの光線を反射し、他の波長の光線を透過させるように構成されている。ダイクロイックミラー208に入射された波長Bの光線は、所定の角度に反射されて照明装置2から出射される。
【0058】
次に、偏光変換スイッチ202がONの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光からs偏光に変換されて、偏光変換スイッチ202から出射されて、偏光ビームスプリッタ203に入射される。このs偏光の光線は、偏光ビームスプリッタ203で所定の角度に反射されて蛍光体ホイール部205に入射される。
【0059】
蛍光体ホイール部205は、上述の蛍光体ホイール部207と略同一の構成を有し、反射部材で構成された円盤状の基板224に対して蛍光体221がリング状に形成され、基板224の中央部を回転中心として駆動部223で似て回転駆動される。蛍光体ホイール部205の蛍光体221は、波長Aの光に励起されて、例えば緑色となる495nm〜570nmの範囲である波長Cの光を発光する。この光源200からの波長Aの光に励起されて発光した、波長Cの光は、基板224に反射され、集光素子220を介してダイクロイックミラー206に入射される。このように、本第2の実施形態では、集光素子220は、蛍光体221に照射される波長Aの光線と、蛍光体221から出射される波長Cの光線とで共通に用いられる。
【0060】
ダイクロイックミラー206は、波長Cの光線を反射し、他の波長の光線を透過させるように構成されている。ダイクロイックミラー206に入射された波長Cの光線は、所定の角度に反射され、ダイクロイックミラー208を透過して照明装置2から出射される。
【0061】
次に、光源209による光路について説明する。光源209は、上述した光源109と対応するものであり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用い、波長Aの光線を射出する。なお、光源209において、射出される光線の偏光方向は、特に限定されない。光源209から射出された波長Aの光線は、カップリングレンズ210により平行光束とされ、ダイクロイックミラー206および208をそれぞれ透過して、照明装置2から出射される。
【0062】
なお、本第2の実施形態による照明装置2は、第1の実施形態による照明装置1と同様にして投射装置10に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図5を用いて説明した制御と同様であり、図6を用いて説明した、第1の実施形態の変形例も、本第2の実施形態に同様に適用できる。
【0063】
このように、本第2の実施形態では、蛍光体ホイール部205および207で用いる基板224および232を、反射部材により構成している。そのため、例えば蛍光体221に照射される光線と、蛍光体221から出射される光線とで光路を一部重複することができるので、照明装置2のスペースを有効活用でき、照明装置2のサイズの小型化が可能である。
【0064】
(第2の実施形態の変形例)
次に、本第2の実施形態の変形例について説明する。上述の第2の実施形態では、波長Aの光でそれぞれ波長Bおよび波長Cの光を発光する蛍光体231および221を、それぞれ異なる基板232および224に形成していた。これに対して、本第2の実施形態の変形例では、1の波長の光でそれぞれ異なる波長の光を発光する第1の蛍光体および第2の蛍光体を、1の基板上に形成する。
【0065】
図8は、本第2の実施形態の変形例に適用可能な基板500を、蛍光体221および231の形成面側から見た例を示す図である。反射部材からなる基板500に対して、波長Aの光に励起されて波長Cの光を発光する蛍光体221と、波長Aの光に励起されて波長Bの光を発光する蛍光体231とが、所定幅の帯状で同心円状に形成される。同心円の中心が回転中心503とされ、基板500は、この回転中心503を中心として回転駆動される。
【0066】
この例では、蛍光体221および231は、それぞれ帯状に形成されているが、これはこの例に限定されず、円盤状の基板を所定の半径で分割して、例えば外側に蛍光体221を形成し、内側に蛍光体231を形成するようにしてもよい。また、波長Cの光すなわち緑色を発光する蛍光体221を、他の色を発光する蛍光体よりも外側に配置すると好ましい。これは、緑色は、視感度が高く、最も高い光出力が必要とされるため、円周が長くより広い面積を確保できる外側部分に、蛍光体221を形成することで、緑色光の出力をより安定的に得ることができる。
【0067】
図9は、本第2の実施形態の変形例に係る照明装置2’の一例の構成を示す。なお、図9において、上述の図7と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。蛍光体ホイール部510は、図8を用いて説明した、蛍光体221および231が共に形成された基板500と、回転中心503で基板500を回転駆動する駆動部511とを有する。また、基板500は、集光素子220から出射された光が蛍光体221に照射されると共に、集光素子230から出射された光が蛍光体231に照射されるように配置される。
【0068】
このように構成することで、偏光ビームスプリッタ203で反射された波長Aの光がダイクロイックミラー206および集光素子220を介して基板500上に形成された蛍光体221に照射される。蛍光体221において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光され、この波長Cの光が基板500で反射されて集光素子220を介してダイクロイックミラー206に入射および反射されて、照明装置2’から出射される。
【0069】
同様に、ミラー204で反射された波長Aの光は、ダイクロイックミラー208および集光素子230を介して基板500上に形成された蛍光体231に照射される。蛍光体231において、波長Aの光に励起されて波長Bの光が発光され、この波長Bの光が基板500で反射されて集光素子230を介してダイクロイックミラー208に入射および反射されて、照明装置2’から出射される。
【0070】
なお、本第2の実施形態の変形例による照明装置2’は、第1の実施形態による照明装置1と同様にして投射装置10に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図5を用いて説明した制御と同様であり、図6を用いて説明した、第1の実施形態の変形例も、本第2の実施形態の変形例に同様に適用できる。
【0071】
本第2の実施形態の変形例によれば、蛍光体が形成される基板と、当該基板を駆動する駆動部とがそれぞれ1つで済むため、上述の第2の実施形態に対して、さらにコストおよび消費電力の削減が可能である。
【0072】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述の第2の実施形態では、蛍光体221および231を形成する基板224および232をそれぞれ反射部材で構成すると共に、波長Aの光線を2の光源200および209から射出していた。これに対して、本第3の実施形態では、1の光源のみを用いて、RGB各色の光束を得るようにしている。
【0073】
図10は、本第3の実施形態に係る照明装置3の一例の構成を示す。照明装置3は、光源300と、カップリングレンズ301と、偏光変換スイッチ302および304と、偏光ビームスプリッタ303および305と、ミラー306と、ダイクロイックミラー307、309および311と、蛍光体ホイール部308および310とを有する。また、蛍光体ホイール部308は、集光素子320と、蛍光体321と、基板322と、駆動部323とを含む。同様に、蛍光体ホイール部310は、集光素子330と、蛍光体331と、基板332と、駆動部333とを含む。
【0074】
なお、図10において、偏光変換スイッチ302および304は、上述した偏光変換スイッチ102に対応するものであり、入射された光線の偏光をON/OFFに応じて変換する。すなわち、偏光変換スイッチ302および304は、それぞれ、ONの状態では、入射された光の偏光方向を他の偏光方向に変換して射出し、OFFの状態では、入射された光を偏光方向を変えずにそのまま出射する。また、図10において、偏光ビームスプリッタ303および305は、それぞれ、p偏光の光線を透過し、s偏光の光線を反射する。
【0075】
照明装置3における光路について説明する。光源300は、上述した光源100と対応するものであり、例えば青色のレーザ光を射出する青色レーザダイオードを用い、波長A(例えば波長400nm〜450nmの範囲)、p偏光の光線を射出する。光源300から射出された波長Aの光線は、カップリングレンズ301により平行光束とされ、偏光変換スイッチ302に入射される。
【0076】
先ず、偏光変換スイッチ302がOFFの場合について説明する。この場合、光線は、偏光がp偏光のまま偏光変換スイッチ302を透過して偏光ビームスプリッタ303に入射される。偏光ビームスプリッタ303は、p偏光の光線を透過し、s偏光の光線を反射するので、光線は、偏光ビームスプリッタ303を透過して偏光変換スイッチ304に入射される。
【0077】
ここで、偏光変換スイッチ304がOFFの場合、光線は、偏光がp偏光のまま偏光変換スイッチ304を透過して偏光ビームスプリッタ305に入射される。そして、光線は、偏光ビームスプリッタ305を透過して、ミラー306で所定の角度に反射され、波長Aの光線を反射し、その他の波長の光線を透過するダイクロイックミラー307に照射される。ダイクロイックミラー307に照射された光線は、波長Aの光線なので、ダイクロイックミラー307で所定の角度に反射されて照明装置3から出射される。
【0078】
一方、偏光変換スイッチ304がONの場合、光線は、偏光がp偏光からs偏光に変換されて偏光変換スイッチ304から出射され、偏光ビームスプリッタ305に入射される。この光線は、偏光ビームスプリッタ305で所定の角度に反射されて、波長Bの光線を反射し、その他の波長の光線を透過するダイクロイックミラー311に入射される。ダイクロイックミラー311に入射された光線は、波長Aの光線なので、ダイクロイックミラー311を透過して蛍光体ホイール部310に入射され、集光素子330を介して蛍光体331に照射される。
【0079】
このように、偏光変換スイッチ304と偏光ビームスプリッタ305との組み合わせは、光線を蛍光体331に導く状態と、当該蛍光体331に導かない状態とを備える。
【0080】
蛍光体ホイール部310は、上述の蛍光体ホイール部207などと略同一の構成を有し、反射部材で構成された円盤状の基板332に対して蛍光体331がリング状に形成され、基板332の中心部を回転中心として駆動部333で以て回転駆動される。蛍光体331は、上述した蛍光体121に対応するもので、波長Aの光に励起されて、例えば赤色となる620nm〜750nmの範囲の波長Bの光を発光する。波長Bの光は、反射部材で構成される基板332で反射され、集光素子330を介してダイクロイックミラー311に入射される。そして、ダイクロイックミラー311により所定の角度で反射され、さらにダイクロイックミラー307を透過して、照明装置3から出射される。
【0081】
上述した偏光変換スイッチ302がONの場合、光線は、偏光がp偏光からs偏光に変換されて偏光変換スイッチ302から出射され、偏光ビームスプリッタ303に入射される。この光線は、偏光ビームスプリッタ303で所定の角度に反射されて、波長Cの光線を反射し、その他の波長の光線を透過するダイクロイックミラー309に入射される。ダイクロイックミラー309に入射された光線は、波長Aの光線なので、ダイクロイックミラー309を透過して蛍光体ホイール部308に入射され、集光素子320を介して蛍光体321に照射される。
【0082】
このように、偏光変換スイッチ302と偏光ビームスプリッタ303との組み合わせは、光線を蛍光体321に導く状態と、当該蛍光体321に導かない状態とを備える。
【0083】
蛍光体ホイール部308は、上述の蛍光体ホイール部310と略同一の構成を有し、反射部材で構成された円盤状の基板322に対して蛍光体321がリング状に形成され、基板322の中央部を回転中心として駆動部323で似て回転駆動される。蛍光体ホイール部308の蛍光体321は、波長Aの光に励起されて、例えば緑色となる495nm〜570nmの範囲である波長Cの光を発光する。この光源300からの波長Aの光に励起されて発光した、波長Cの光は、基板322に反射され、集光素子320を介してダイクロイックミラー309に入射される。そして、ダイクロイックミラー309により所定の角度で反射され、さらにダイクロイックミラー311および307を透過して、照明装置3から出射される。
【0084】
図11は、本第3の実施形態の照明装置3における、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。図11では、図11(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0085】
なお、図11において、便宜上、光源300を単に光源とし、偏光変換スイッチ302および304を、それぞれ偏光変換スイッチ#1および偏光変換スイッチ#2として示している。また、光源(光源300)は、p偏光の光線を出射し、偏光変換スイッチ302および304は、それぞれONでp偏光をs偏光に変換して出射させ、OFFでp偏光をそのまま透過させる。
【0086】
図11(b)に示されるように、光源は、光束Rn、GnおよびBnの生成期間a、bおよびcの全てにおいて点灯される(ON)。一方、偏光変換スイッチ#1および#2は、光束Rnを生成する期間aでは、偏光変換スイッチ#1および#2をそれぞれOFFおよびONに制御する。また、光束Gnを生成する期間bでは、偏光変換スイッチ#1をONに制御し、偏光変換スイッチ#2は任意とする。さらに、光束Bnを生成する期間cでは、偏光変換スイッチ#1および#2を共にOFFに制御する。
【0087】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射されているため、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0088】
なお、本第3の実施形態による照明装置3は、第1の実施形態による照明装置1と同様にして投射装置10に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0089】
このように、本第3の実施形態では、蛍光体ホイール部308および310で用いる基板322および332を反射部材により構成している。そのため、例えば蛍光体321に照射される光線と、蛍光体321から出射される光線とで光路を一部重複することができるので、照明装置3のスペースを有効活用でき、照明装置3のサイズの小型化が可能である。また、1の光源300のみを用いてRGB各色を得ているので、照明装置3のサイズをさらに小型化することができると共に、コストおよび消費電力を削減することができる。
【0090】
(第3の実施形態の変形例)
次に、本第3の実施形態の変形例について説明する。本第3の実施形態の変形例は、上述の第2の実施形態の変形例と同様に、第3の実施形態の構成において、1の波長の光でそれぞれ異なる波長の光を発光する第1の蛍光体および第2の蛍光体を、1の基板上に形成する。
【0091】
本第3の実施形態の変形例に適用可能な、第1の蛍光体および第2の蛍光体が形成される基板は、図8を用いて説明した基板500と同様の構成を有する。すなわち、波長Aの光に励起されて波長Cの光を発光する蛍光体321と、波長Aの光に励起されて波長Bの光を発光する蛍光体331とが、反射部材からなる基板500上に、それぞれ所定幅の帯状で同心円上にそれぞれ形成される。ここでは、蛍光体321が蛍光体331に対して外側に形成されるものとする。
【0092】
図12は、本第3の実施形態の変形例に係る照明装置3’の一例の構成を示す。なお、図12において、上述の図10と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。蛍光体ホイール部520は、蛍光体321および331が共に形成された基板500と、回転中心503で基板500を回転駆動する駆動部511とを有する。また、基板500は、集光素子320から出射された光が蛍光体321に照射されると共に、集光素子330から出射された光が蛍光体331に照射されるように配置される。
【0093】
このように構成することで、偏光ビームスプリッタ303で反射された波長Aの光がダイクロイックミラー309および集光素子320を介して基板500上に形成された蛍光体321に照射される。蛍光体321において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光され、この波長Cの光が基板500で反射されて集光素子320を介してダイクロイックミラー309に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー311および307を透過して照明装置3’から出射される。
【0094】
同様に、偏光ビームスプリッタ305で反射された波長Aの光は、ダイクロイックミラー311および集光素子330を介して基板500上に形成された蛍光体331に照射される。蛍光体331において、この波長Aの光に励起されて波長Bの光が発光され、この波長Bの光が基板500で反射されて集光素子330を介してダイクロイックミラー311に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー307を透過して照明装置3’から出射される。
【0095】
なお、本第3の実施形態の変形例による照明装置3’は、第1の実施形態による照明装置1と同様にして投射装置10に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図11を用いて説明した制御と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0096】
本第3の実施形態の変形例によれば、蛍光体が形成される基板と、当該基板を駆動する駆動部とがそれぞれ1つで済むため、上述の第3の実施形態に対して、さらにコストおよび消費電力の削減が可能である。
【0097】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、光路選択手段として偏光変換スイッチ102と偏光ビームスプリッタ103とを用いた。これに対して、本第4の実施形態では、図13に示されるような、回転軸402を中心に回転し、半径で区切られた一方の領域が光を透過する透過領域410、他方の領域が光を反射する反射領域411とされた部材である反射/透過ホイール400を用いる。この反射/透過ホイール400を所定の角度で以て光線の光路上におき、各色の画像データに同期して反射/透過ホイール400を回転させることで、光線の光路を色毎に選択することができる。
【0098】
なお、図13では、反射/透過ホイール400において、反射領域411が回転軸402に対して略45°の角度範囲で形成されているが、これはこの例に限定されない。
【0099】
図14は、本第4の実施形態による照明装置4の一例の構成を示す。なお、図14において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。このように、照明装置4では、図1に示した照明装置1における偏光変換スイッチ102および偏光ビームスプリッタ103の代わりに反射/透過ホイール400を設ける。
【0100】
反射/透過ホイール400は、駆動部401より、回転軸402を中心に回転される。また、反射/透過ホイール400は、光源100から出射された波長Aの光線の光路上に設けられ、透過領域410が当該光路上にあるときには、当該光線を透過し、反射領域411が当該光路上にあるときには、反射/透過ホイール400の角度に応じた反射角で、当該光線を反射する。
【0101】
先ず、光源100から出射された波長Aの光線の光路上に透過領域410が在る場合の、当該光線の光路について説明する。この場合、当該光線は、カップリングレンズ101を介して反射/透過ホイール400に入射される。入射された当該光線は、反射/透過ホイール400の透過領域410を透過し、蛍光体ホイール部104に入射される。
【0102】
蛍光体ホイール部104に入射された波長Aの光は、集光素子120で集光され、駆動部123により回転される蛍光体121を照射する。蛍光体121は、図3を用いて説明したように、透明部材からなる円盤状の基板122に対してリング状に形成され、波長Aより長波長の波長Bの光を発光する。この波長Bの光は、基板122を透過して集光素子124を介して蛍光体ホイール部104から出射される。蛍光体ホイール部104から出射された波長Bの光は、ミラー105およびダイクロイックミラー106で所定に反射されて、照明装置4から射出される。
【0103】
次に、光源100から出射された波長Aの光線の光路上に反射領域411が在る場合の、当該構成の光路について説明する。光源100から出射された波長Aの光線は、カップリングレンズ101を介して反射/透過ホイール400に入射される。入射された当該光線は、反射/透過ホイール400の反射領域411で反射され、蛍光体ホイール部104と略同一の構成を有する蛍光体ホイール部107に入射される。
【0104】
蛍光体ホイール部107に入射された波長Aの光線は、集光素子130を介して蛍光体131に照射される。蛍光体131は、波長Aの光により、波長Aよりも長波長の波長Cの光を発光する。この波長Cの光は、基板132を透過して集光素子134を介して蛍光体ホイール部107から出射される。蛍光体ホイール部107から出射された波長Cの光は、ダイクロイックミラー108で所定に反射され、さらにダイクロイックミラー106を介して、この照明装置4から出射される。
【0105】
なお、光源109から出射される波長Aの光線は、ダイクロイックミラー108および106を透過して、この照明装置4から出射される。
【0106】
以上のように、反射/透過ホイール400は、光線を蛍光体121に導く状態と導かない状態とを備える。また、蛍光体131側から見れば、偏光変換スイッチ102と偏光ビームスプリッタ103との組み合わせは、光線を蛍光体131に導く状態と導かない状態とを備えるともいえる。したがって、反射/透過ホイール400を用いて、光源100から出射された波長Aの光線の光路を2方向に選択し、波長Bおよび波長Cの光を得ることができる。
【0107】
ここで、図13を参照し、反射/透過ホイール400において、透過領域410は、開口部とすることができる。これにより、透過領域の形成のために部材を用意する必要が無いため、装置コストを抑えることができる。勿論、反射/透過ホイール400は、透明部材に対して反射領域411を形成したものでもよい。
【0108】
また、光源100としてレーザダイオードのようなレーザ光源を用いる場合には、反射/透過ホイール400の透過領域410を拡散板を用いて構成することが考えられる。この場合、光源100から出射されたレーザ光が当該透過領域410を透過する際に、当該レーザ光によるスペックルが抑制される効果が得られる。
【0109】
なお、図14の例では、反射/透過ホイール400を、光源100から照射される光線の進行方向に対して45°の角度で配置しているように示したが、これはこの例に限定されない。すなわち、反射/透過ホイール400は、回転させることで光源100から出射される光線の光路を蛍光体ホイール部104および107との間で切り替えられるならば、どのような角度で配置してもよい。したがって、照明装置4のレイアウトの自由度が向上される。
【0110】
なお、上述では、反射/透過ホイール400が回転することで、透過領域410および反射領域411が切り替わるように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、振動運動など直線的な運動で透過領域410および反射領域411が切り替わるようにしてもよい。
【0111】
(第4の実施例の適用例)
図15は、図14の照明装置4を用いた投射装置20の一例の構成を示す。なお、図15において、図4および図14と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。投射装置20に組み込まれている照明装置4において、光源100および109から出射された波長Aの光線の光路は、図14を用いて説明した光路と同一である。また、照明装置4から出射された波長A、BおよびCの光線の光束の光路は、図4を用いて説明した光路と同一であるので、これらの光路の説明は、省略する。
【0112】
図15に例示されるように、反射/透過ホイール400を回転させる駆動部401は、制御部150により駆動制御される。すなわち、制御部150は、パーソナルコンピュータなどから取り込んだ画像データに基づき画像生成部144の駆動制御を行うと共に、光源100および109、ならびに、駆動部401の制御を行う。
【0113】
図16−1は、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。この図16−1は、上述した図5に対応するものである。図16−1では、図16−1(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0114】
図16−1(b)に示されるように、制御部150は、光束Rnを生成する期間aでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、反射/透過ホイール400の透過領域410が光源#1(光源100)からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。また、制御部150は、光束Gnを生成する期間bでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、反射/透過ホイール400の反射領域411が光源#1からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。さらに、光束Bnを生成する期間cでは、光源#1を消灯させ(OFF)。光源#2を点灯させる(ON)。この場合、反射/透過ホイール400に光線が照射されないため、光源#1からの波長Aの光線の光路上に透過領域410および反射領域411の何れがあっても構わない。
【0115】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射され、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また例えば、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0116】
また、上述した第1の実施形態の変形例で説明した、光源100および109を同時に点灯させる例は、本第4の実施形態にも適用できる。すなわち、図16−2(a)および図16−2(b)に例示されるように、光源#2(光源109)が点灯している期間を2の期間c1および期間c2に分け、例えば期間c1において、光源#1を同時に点灯させる。
【0117】
このとき、光源#1からの波長Aの光線の光路上に透過領域410があるように、駆動部401を駆動する。波長Aの光線は、蛍光体ホイール部104に入射され蛍光体121を波長Bで発光させる。この波長Bの光は、ミラー105で反射され、さらにダイクロイックミラー106で反射される。同時に、光源#2から出射された波長Aの光線がダイクロイックミラー108および106を介して出射される。したがって、波長Bの光線と波長Aの光線とが同時に出射され、赤色と青色とが混合された色(マゼンタ)を得ることができ、より明るい投射画像を得ることができる。
【0118】
同様に、光源#1からの波長Aの光線の光路上に反射領域411があるように、駆動部401を駆動した場合は、反射/透過ホイール400で反射された波長Aの光線が蛍光体ホイール部107に入射され、蛍光体131を波長Cで発光させる。この波長Cの光線が、光源#2から出射された波長Aの光線と共に、ダイクロイックミラー106から出射される。したがって、波長Cの光線と波長Aの光線とが同時に出射され、青色と緑色が混合された色(シアン)を得ることができ、より明るい投射画像を得ることが可能となる。
【0119】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。図17は、本第5の実施形態に係る照明装置5の一例の構成を示す。なお、図17において、上述した図7と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0120】
本第5の実施形態は、上述した第2の実施形態に対応し、蛍光体が形成される基板が反射部材とされた蛍光体ホイール部205および207を有すると共に、図7に示した第2の実施形態による照明装置2における偏光変換スイッチ202および偏光ビームスプリッタ203が、反射/透過ホイール400に置き換えられている。
【0121】
照明装置5における光路について説明する。光源200から射出された例えば青色である波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の透過領域410が在る場合、当該光線は、反射/透過ホイール400を透過してミラー204に照射される。そして、当該光線は、ミラー204で所定の角度で反射され、波長Bの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー208を透過して蛍光体ホイール部207に入射される。
【0122】
蛍光体ホイール部207に入射された波長Aの光線は、集光素子230を介して蛍光体231に照射される。蛍光体231は、波長Aの光線に励起されて、波長Aより長波長の波長B(例えば赤色)の光を発光する。この波長Bの光は、基板232により反射され集光素子230を介してダイクロイックミラー208に照射され、所定の角度に反射されて照明装置5から出射される。
【0123】
一方、光源200から射出された波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の反射領域411が在る場合、当該光線は、反射/透過ホイール400で所定の角度に反射され、波長Cの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー206を透過し、蛍光体ホイール部205に入射される。
【0124】
蛍光体ホイール部205に入射された波長Aの光線は、集光素子220を介して蛍光体221に照射される。蛍光体221は、波長Aの光線に励起されて、波長Aより長波長の波長C(例えば緑色)の光を発光する。この波長Cの光は、基板224により反射され集光素子220を介してダイクロイックミラー206に照射され、所定の角度に反射され、さらにダイクロイックミラー208を透過して照明装置5から出射される。
【0125】
光源209から出射される波長Aの光線は、カップリングレンズ210、ダイクロイックミラー208および206を透過して、この照明装置5から出射される。
【0126】
このように、反射/透過ホイール400は、光線を蛍光体221に導く状態と導かない状態とを備える。また、蛍光体231側から見れば、反射/透過ホイール400は、光線を蛍光体231に導く状態と導かない状態とを備えるともいえる。
【0127】
なお、本第5の実施形態による照明装置5は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図16−1および図16−2を用いて説明した制御と同様に適用できる。
【0128】
上述のように、本第5の実施形態では、蛍光体ホイール部205および207で用いる基板224および232を、反射部材により構成している。そのため、例えば蛍光体221に照射される光線と、蛍光体221から出射される光線とで光路を一部重複することができるので、照明装置5のスペースを有効活用でき、照明装置5のサイズの小型化が可能である。
【0129】
(第5の実施形態の変形例)
次に、本第5の実施形態の変形例について説明する。本第5の実施形態の変形例は、上述の第2の実施形態の変形例などと同様に、第5の実施形態の構成において、1の波長の光でそれぞれ異なる波長の光を発光する第1の蛍光体および第2の蛍光体を、1の基板上に形成する。
【0130】
図18は、本第5の実施形態の変形例に係る照明装置5’の一例の構成を示す。なお、図18において、上述の図17と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。蛍光体ホイール部510は、図8を用いて説明した、蛍光体221および231が共に形成された基板500と、回転中心503で基板500を回転駆動する駆動部511とを有する。また、基板500は、集光素子220から出射された光が蛍光体221に照射されると共に、集光素子230から出射された光が蛍光体231に照射されるように配置される。
【0131】
このように構成することで、反射/透過ホイール400で反射された波長Aの光がダイクロイックミラー206および集光素子220を介して基板500上に形成された蛍光体221に照射される。蛍光体221において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光され、この波長Cの光が基板500で反射されて集光素子220を介してダイクロイックミラー206に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー208を透過して照明装置5’から出射される。
【0132】
同様に、ミラー204で反射された波長Aの光は、ダイクロイックミラー208および集光素子230を介して基板500上に形成された蛍光体231に照射される。蛍光体231において、波長Aの光に励起されて波長Bの光が発光され、この波長Bの光が基板500で反射されて集光素子230を介してダイクロイックミラー208に入射および反射されて、照明装置5’から出射される。
【0133】
なお、本第5の実施形態の変形例による照明装置5’は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの関係も、図16−1および図16−2を用いて説明した制御と同様に適用できる。
【0134】
本第5の実施形態の変形例によれば、蛍光体が形成される基板と、当該基板を駆動する駆動部とがそれぞれ1つで済むため、上述の第5の実施形態に対して、さらにコストおよび消費電力の削減が可能である。
【0135】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。図19は、本第6の実施形態に係る照明装置6の一例の構成を示す。なお、図19において、上述した図17と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本第6の実施形態は、1の光源300のみを用いて、RGB各色の光束を得るようにしたものである。
【0136】
本第6の実施形態は、上述した第3の実施形態に対応し、蛍光体が形成される基板が反射部材とされた蛍光体ホイール部308および310を有すると共に、図10に示した第3の実施形態による照明装置2における偏光変換スイッチ302および偏光ビームスプリッタ303、ならびに、偏光変換スイッチ304および偏光ビームスプリッタ305が、それぞれ反射/透過ホイール400Aおよび400Bに置き換えられている。
【0137】
なお、反射/透過ホイール400Aおよび400Bの構成は、上述の反射/透過ホイール400と同一である。すなわち、反射/透過ホイール400Aは、駆動部401Aにより、回転軸402Aを中心として回転される。同様に、反射/透過ホイール400Bは、駆動部401Bにより、回転軸402Bを中心として回転される。
【0138】
照明装置6の光路について説明する。第1に、光源300から射出された例えば青色である波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400Aの反射領域411が在る場合について説明する。この場合、当該光線は、反射/透過ホイール400Aで所定の角度で反射され、例えば緑色である波長Cの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー309を透過して蛍光体ホイール部308に入射される。蛍光体ホイール部308において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光される。この波長Cの光線は、蛍光体ホイール部308から出射され、ダイクロイックミラー309により反射され、波長Bの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー311を透過し、さらにまた、波長Aの光を反射し他の波長の光を透過するダイクロイックミラー307を透過して、照明装置6から出射される。
【0139】
第2に、光源300から射出された波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400Aの透明領域410があると共に、反射/透過ホイール400Bの反射領域411が在る場合について説明する。この場合、当該光線は、反射/透過ホイール400Aを透過して反射/透過ホイール400Bに照射され、反射/透過ホイール400Bで所定の角度で反射される。反射/透過ホイール400Bで反射された波長Aの光線は、波長Bの光を反射し、他の波長の光を透過するダイクロイックミラー311を介して蛍光体ホイール部310に入射される。蛍光体ホイール部310において、波長Aの光線に励起されて例えば赤色である波長Bの光が発光される。この波長Bの光線は、蛍光体ホイール部310から出射され、ダイクロイックミラー311により反射され、ダイクロイックミラー307を透過して、照明装置6から出射される。
【0140】
第3に、光源300から射出された波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400Aの透明領域410と、反射/透過ホイール400Bの透明領域410が在る場合について説明する。この場合、当該光線は、反射/透過ホイール400Aおよび400Bを透過してミラー306に照射される。そして、ミラー306で所定の角度で反射されて、さらに、ダイクロイックミラー307で所定の角度で反射されて、照明装置6から出射される。
【0141】
このように、反射/透過ホイール400Aは、光線を蛍光体321に導く状態と導かない場合とを備える。また、反射/透過ホイール400Bは、光線を蛍光体331に導く状態と導かない場合とを備える。
【0142】
図20は、本第6の実施形態の照明装置6における、RGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。図20では、図20(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0143】
なお、図20において、便宜上、光源300を単に光源とし、反射/透過ホイール400Aおよび400Bを、反射/透過ホイール#1および反射/透過ホイール#2として示している。また、光源300から出射された光線の光路上に反射/透過ホイール#1または#2の透過領域410が在る場合を「透過」、反射領域411が在る場合を「反射」として、それぞれ示している。
【0144】
図20(b)に示されるように、光源は、光束Rn、GnおよびBnの生成期間a、bおよびcの全てにおいて点灯される(ON)。一方、反射/透過ホイール#1および#2は、光束Rnを生成する期間aでは、反射/透過ホイール#1および#2をそれぞれ透過および反射に制御する。また、光束Gnを生成する期間bでは、反射/透過ホイール#1を反射に制御し、反射/透過ホイール#2は任意とする。さらに、光束Bnを生成する期間cでは、反射/透過ホイール#1および#2を共に透過に制御する。
【0145】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射されているため、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0146】
なお、本第6の実施形態による照明装置6は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0147】
このように、本第6の実施形態では、蛍光体ホイール部308および310で用いる基板322および332を反射部材により構成している。そのため、例えば蛍光体321に照射される光線と、蛍光体321から出射される光線とで光路を一部重複することができるので、照明装置6のスペースを有効活用でき、照明装置6のサイズの小型化が可能である。また、1の光源300のみを用いてRGB各色を得ているので、照明装置6のサイズをさらに小型化することができると共に、コストおよび消費電力を削減することができる。
【0148】
(第6の実施形態の変形例)
次に、本第6の実施形態の変形例について説明する。本第6の実施形態の変形例は、上述の第2の実施形態の変形例などと同様に、第6の実施形態の構成において、1の波長の光でそれぞれ異なる波長の光を発光する第1の蛍光体および第2の蛍光体を、1の基板上に形成する。
【0149】
本第6の実施形態の変形例に適用可能な、第1の蛍光体および第2の蛍光体が形成される基板は、上述した第3の実施形態の変形例で説明した基板500と同等であるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0150】
図21は、本第6の実施形態の変形例に係る照明装置6’の一例の構成を示す。なお、図21において、上述の図19と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。蛍光体ホイール部520は、上述した第3の実施形態の変形例で説明した蛍光体ホイール部520と同等であるので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0151】
このように構成することで、反射/透過ホイール400Aで反射された波長Aの光がダイクロイックミラー309および集光素子320を介して基板500上に形成された蛍光体321に照射される。蛍光体321において、波長Aの光線に励起されて波長Cの光が発光され、この波長Cの光が基板500で反射されて集光素子220を介してダイクロイックミラー309に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー311および307を介して照明装置6’から出射される。
【0152】
同様に、反射/透過ホイール400Bで反射された波長Aの光は、ダイクロイックミラー311および集光素子330を介して基板500上に形成された蛍光体331に照射される。蛍光体331において、この波長Aの光に励起されて波長Bの光が発光され、この波長Bの光が基板500で反射されて集光素子330を介してダイクロイックミラー311に入射および反射され、さらにダイクロイックミラー307を介して照明装置6’から出射される。
【0153】
なお、本第6の実施形態の変形例による照明装置6’は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、RGB各色の出射光を得るための制御については、図20を用いて説明した第6の実施形態の場合と同等なので、ここでの説明を省略する。
【0154】
本第6の実施形態の変形例によれば、蛍光体が形成される基板と、当該基板を駆動する駆動部とがそれぞれ1つで済むため、上述の第6の実施形態に対して、さらにコストおよび消費電力の削減が可能である。
【0155】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。図22は、本第7の実施形態に係る照明装置7の一例の構成を示す。なお、図22において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本第7の実施形態は、反射/透過ホイール400の入射光路および出射光路に対して、それぞれ集光素子420と、カップリングレンズ421および422とを設けた例である。
【0156】
なお、照明装置7において、各光源100および109から出射された光線の光路は、反射/透過ホイール400の入射側で集光素子420を透過し、出射側でカップリングレンズ421または422を透過する以外は上述した第1の実施形態と何ら変わるところがないので、ここでの詳細な説明を省略する。また、反射/透過ホイール400の制御についても、第1の実施形態と同一なので、ここでの説明を省略する。
【0157】
図23を用いて、第7の実施形態についてより詳細に説明する。図23は、本第7の実施形態による、反射/透過ホイール400周辺の構成の例を、より詳細に示す。なお、図23は、照明装置7のうち本第7の実施形態に関わり合いの深い部分を示し、その他の部分を省略している。
【0158】
光源100から出射された光線は、カップリングレンズ101で平行光束とされ、集光素子420により集光される。この光線の集光点に、反射/透過ホイール400を配置する。集光点に配置された反射/透過ホイール400から反射または透過された光線は、カップリングレンズ421または422で平行光束とされ、蛍光体ホイール部107または104に入射される。
【0159】
図24は、反射/透過ホイール400に照射される光線の様子を示す。集光素子420を用いない場合、スポット430として示されるように、光線は、ある広がりを以て反射/透過ホイール400に照射される。一方、集光素子420を用い、集光点に反射/透過ホイール400を配置した場合、スポット431として示されるように、スポット430に対してより小さいスポット径で以て、反射/透過ホイール400に照射される。これにより、光線が反射領域411と透過領域410との境界部分を通過する時間、すなわち、R色とG色との切替時間を短縮でき、投射光における色純度が向上される。
【0160】
なお、ここでは、本第7の実施形態による、反射/透過ホイール400に対して集光素子420と、カップリングレンズ421および422とを配置する構成を、第4の実施形態による照明装置4に対して適用したが、これはこの例に限定されない。すなわち、本第7の実施形態は、上述した第5の実施形態による照明装置5や、第6の実施形態による照明装置6に対しても、同様に適用することができる。
【0161】
なお、本第7の実施形態による照明装置7は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0162】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。上述の第1〜第7の実施形態による照明装置1〜7は、光源を複数有している場合であっても、その複数の光源が同一の波長の光線を射出していた。これに対して、本第8の実施形態では、2の光源が互いに異なる波長の光線を射出する。
【0163】
図25は、本第8の実施形態による照明装置8の一例の構成を示す。なお、図25において、上述した図17と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。照明装置8は、光源200および440、カップリングレンズ201および441、ミラー204、ダイクロイックミラー208および442、反射/透過ホイール400、ならびに、蛍光体ホイール部207を有する。
【0164】
光源200は、例えば青色である波長Aの光線を射出する。一方、光源440は、波長Aとは異なる波長、例えば赤色である波長Cの光線を射出する。また、ダイクロイックミラー442は、波長Aの光を反射し、他の波長の光を透過させる。ダイクロイックミラー208は、例えば赤色である波長Bの光を反射させ、他の波長の光を透過させる。
【0165】
先ず、光源200から出射される波長Aの光線の光路について説明する。当該光線の光路上に、反射/透過ホイール400の反射領域411が在る場合、当該光線は、カップリングレンズ201を介して反射/透過ホイール400に入射され、所定の角度で反射される。反射/透過ホイール400で反射され出射された波長Aの光線は、ダイクロイックミラー442で所定の角度で反射され、さらにダイクロイックミラー208を透過して照明装置8から出射される。
【0166】
光源200から出射される波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の透過領域410が在る場合、当該光線は、カップリングレンズ201を介して反射/透過ホイール400に入射され、反射/透過ホイール400を透過してミラー204に照射される。当該光線は、ミラー204で所定の角度で反射され、ダイクロイックミラー208を透過して蛍光体ホイール部207に入射される。
【0167】
蛍光体ホイール部207に入射された波長Aの光線は、集光素子230を介して蛍光体231に照射される。蛍光体231は、波長Aの光線に励起されて、波長Aより長波長の波長Bの光を発光する。この波長Bの光は、基板232により反射され集光素子230を介してダイクロイックミラー208に照射され、所定の角度に反射されて照明装置8から出射される。
【0168】
光源440から出射される波長Cの光線は、カップリングレンズ441を介してダイクロイックミラー442に入射される。当該光線は、ダイクロイックミラー442を透過し、さらに、ダイクロイックミラー208を透過して、照明装置8から出射される。
【0169】
この第8の実施形態においても、反射/透過ホイール400は、光線を蛍光体231に導く状態と導かない状態とを備える。
【0170】
図26は、第8の実施形態による照明装置8を用いて各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。この照明装置8では、光源440が光源200と異なる色(この例ではR色)の光線を出射するため、R色およびB色との同時出射、ならびに、R色およびG色との同時出射が可能となる。
【0171】
図26では図26(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成されると共に、R色およびG色との同時出射によるイエローの光束Ynと、R色とB色との同時出射によるマゼンタの光束Mnとを生成し、これら光束Rn、GnおよびBn、ならびに、光束YnおよびMnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0172】
図26(b)に示されるように、制御部150は、光束Rnを生成する期間aでは、光源#1(光源200)を消灯させ(OFF)、光源#2(光源440)を点灯させる(ON)。光源#1が消灯されているため、反射/透過ホイール400の状態は任意である。すなわち、光源#1からの波長Aの光線の光路上に透過領域410および反射領域411の何れがあっても構わない。
【0173】
制御部150は、光束Gnを生成する期間bでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、反射/透過ホイール400の透過領域410が光源#1からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。また、制御部150は、光束Bnを生成する期間cでは、光源#1を点灯させ(ON)、光源#2を消灯させる(OFF)。それと共に、反射/透過ホイール400の反射領域411が光源#1からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。
【0174】
さらに、光束Ynを生成する期間dでは、光源#1および光源#2を共に点灯させる(ON)。それと共に、反射/透過ホイール400の透過領域410が光源#1からの波長Aの光線の光路上に在るように、駆動部401を駆動制御する。
【0175】
これにより、光源#2による波長Cの光線がダイクロイックミラー442および208を透過して照明装置8から出射される。それと共に、光源#1による波長Aの光線が反射/透過ホイール400を透過され、ミラー204で所定に反射されて蛍光体ホイール部207に入射され、蛍光体231により当該光線に励起されて波長Bの光が発光され、ダイクロイックミラー208に反射されて照明装置8から出射される。照明装置8から波長B(赤色)の光線と波長C(緑色)の光線とが同時に出射され、イエローの光束Ynが得られる。
【0176】
さらにまた、光束Mnを生成する期間eでは、光源#1および光源#2を共に点灯させる(ON)。それと共に、反射/透過ホイール400の反射領域411が光源#1からの波長Aの光線の光路上にあるように、駆動部401を駆動制御する。
【0177】
これにより、光源#2による波長Cの光線がダイクロイックミラー442および208を透過して照明装置8から出射される。それと共に、光源#1による波長Aの光線が反射/透過ホイール400で所定に反射され、さらにダイクロイックミラー442で反射される。そして、ダイクロイックミラー442から出射された波長Aの光線が、ダイクロイックミラー208を透過して照明装置8から出射される。照明装置8から波長B(赤色)の光線と波長A(青色)の光線とが同時に出射され、マゼンタの光束Mnが得られる。
【0178】
なお、上述では、本第8の実施形態において光路を切り替える手段として反射/透過ホイール400を用いたが、これはこの例に限られず、第1の実施形態などで示した、偏光変換スイッチ102と、偏光ビームスプリッタ103とを組み合わせて用いる場合にも、本第8の実施形態を適用することができる。この場合、少なくとも光源200は、直線偏光の光線を出射することが好ましい。
【0179】
なお、本第8の実施形態による照明装置8は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0180】
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について説明する。上述の第1〜第8の実施形態では、例えば蛍光体ホイール部104において、基板121に対して1の波長の光線を発光する蛍光体121を1種類のみ、形成した。これに対して、本第9の実施形態では、基板に対して、互いに異なる波長の光を発光する蛍光体を複数種類、形成する。
【0181】
図27は、本第9の実施形態による照明装置9の一例の構成を示す。照明装置9は、光源450、カップリングレンズ451、反射/透過ホイール400、ミラー452、ダイクロイックミラー453および455、ならびに、蛍光体ホイール部470を有する。光源450は、例えば青色である波長Aの光線を出射する。カップリングレンズ451は、入射された光線を平行高速の光線として出射する。反射/透過ホイール400は、上述と同様に、駆動部401により回転軸402を中心に回転され、透過領域410と反射領域411とが半径で区切られて設けられる。
【0182】
ダイクロイックミラー453は、波長Bの光線と、波長Cの光線とを反射し、その他の波長の光線を透過させる。また、ダイクロイックミラー455は、青色である波長Aの光線を反射し、その他の波長の光線を透過させる。
【0183】
蛍光体ホイール部470は、集光素子460と、基板462と、基板上に形成される蛍光体461と、駆動部463とを有する。集光素子460は、入射された光線を、蛍光体461上に集光させる。基板462は、この例では、反射素材からなる。駆動部463は、制御部150からの制御に従い、基板462を回転駆動させる。
【0184】
図28は、本第9の実施形態による、蛍光体ホイール部470における基板462を蛍光体461の形成面側から見た図である。図28に示されるように、本第9の実施形態では、基板462上に形成される蛍光体461は、第1の蛍光体461Aと、第2の蛍光体461Bとからなる。ここで、第1の蛍光体461Aは、例えば青色である波長Aの光で励起され、波長Aより長波長の、例えば赤色である波長Bの光を発光する。一方、第2の蛍光体462Bは、同様に波長Aの光で励起され、波長Aより長波長の、例えば緑色である波長Cの光を発光する。
【0185】
なお、図28では、第1の蛍光体461Aと第2の蛍光体461Bとが、回転中心465に対してそれぞれ180°の角度範囲で形成されているが、これはこの例に限定されない。すなわち、第1の蛍光体461Aおよび第2の蛍光体461Bは、互いに重ならなければ、他の角度範囲で形成されていてもよい。
【0186】
駆動部463は、例えばステッピングモータを備え、回転軸465を中心に、第1の蛍光体461Aおよび第2の蛍光体461Bそれぞれの角度範囲を基準として、基板462を回転駆動する。
【0187】
図27を用いて、照明装置9の光路について説明する。第1に、光源450からの波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の透過領域410が在る場合について説明する。この場合、光源450から出射された波長Aの光線は、カップリングレンズ451で平行光束とされ反射/透過ホイール400を透過してミラー452に入射される。当該光線は、ミラー452で所定の角度で反射され、ダイクロイックミラー455で所定の角度で反射されて、照明装置9から出射される。
【0188】
第2に、光源450からの波長Aの光線の光路上に、反射/透過ホイール400の反射領域411が在る場合について説明する。この場合、光源450から出射された波長Aの光線がカップリングレンズ451を透過して反射/透過ホイール400に入射される。当該光線は、反射/透過ホイール400で所定の角度で反射され、ダイクロイックミラー453を透過して蛍光体ホイール部470に入射される。
【0189】
蛍光体ホイール部470において、入射された波長Aの光線は、集光素子460で蛍光体461上に集光される。ここで、集光点に第1の蛍光体461Aが在るように基板462が回転制御されている場合は、当該第1の蛍光体461Aが波長Aの光線で励起されて波長Bの光を発光する。一方、集光点に第2の蛍光体461Bが在るように基板462が回転制御されている場合は、当該第2の蛍光体461Bが波長Aの光線で励起されて波長Cの光を発光する。
【0190】
これら、第1の蛍光体461Aまたは第2の蛍光体461Bで発光された、波長Bまたは波長Cの光線は、集光素子460を介してダイクロイックミラー453に照射される。この波長Bまたは波長Cの光線は、ダイクロイックミラー453で所定の角度で反射され、ダイクロイックミラー455を透過して、照明装置9から出射される。
【0191】
この第9の実施形態においても、反射/透過ホイール400は、光線を第1の蛍光体461Aまたは第2の蛍光体461Bのうち何れか一方に導く状態と、第1の蛍光体461Aまたは第2の蛍光体461Bの何れにも導かない状態とを備える。
【0192】
図29は、本第9の実施形態においてRGB各色の出射光を得るための制御と、画像フレームとの一例の関係を示す。図29では、図29(a)に示されるように、画像データの第nフレーム目において、RGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され、これら光束Rn、GnおよびBnを画像生成部144に照射させる例について示している。
【0193】
図29(b)に示されるように、光源#1(光源450)は、光束Rn、GnおよびBnを生成する各期間a、bおよびcにおいて、常時点灯される(ON)。光束Rnを生成する期間aにおいて、蛍光体ホイール部470では、光線の集光点に第1の蛍光体461Aがあるように回転制御される。それと共に、反射/透過ホイール400は、光源450から光線の光路上に反射領域411があるように制御される。光束Gnを生成する期間bにおいて、蛍光体ホイール部470は、光線の集光点に第2の蛍光体461Bがあるように回転制御される。それと共に、反射/透過ホイール400は、光源450からの光線の光路上に反射領域411があるように制御される。また、光束Bnを生成する期間cでは、反射/透過ホイール400が光源450から光線の光路上に透過領域410があるように制御される。このとき、光源450からの光線は、蛍光体ホイール部470に入射されないため、蛍光体ホイール部470において、集光点に第1の蛍光体461Aおよび第2の蛍光体461Bの何れがあっても構わない。
【0194】
このように制御を行うことで、1フレーム内にRGB各色の光束Rn、GnおよびBnが生成され画像形成部144に照射され、フルカラーの投射が可能であると共に、白色の投射を行うことができる。また、RGB各色の出射期間a、bおよびcを調整することにより、色味を変化させることも可能である。例えば、1フレーム期間内において期間aの割合を増やすことで、投射画像において赤味を強くすることができる。また例えば、RGB各色の出射期間a、bおよびcを適当に調整することで、色温度を変えることも可能である。
【0195】
なお、上述では、本第9の実施形態において光路を切り替える手段として反射/透過ホイール400を用いたが、これはこの例に限られず、第1の実施形態などで示した、偏光変換スイッチ102と、偏光ビームスプリッタ103とを組み合わせて用いる場合にも、本第9の実施形態を適用することができる。この場合、光源450は、直線偏光の光線を出射することが好ましい。
【0196】
なお、本第9の実施形態による照明装置9は、第4の実施形態による照明装置4と同様にして投射装置20に組み込んで用いることができ、制御も同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0197】
このように、本第9の実施形態では、蛍光体ホイール部において、基板に対して、互いに異なる1の波長の光線を発光する蛍光体を複数種類、形成しているので、1の光源からの光線により、1の蛍光体ホイール部で複数色の光を発光することができる。そのため、照明装置における部品点数を削減することができ、照明装置のサイズの小型化および装置コストの削減が実現できる。
【符号の説明】
【0198】
1,1’,2,3,4,5,6,7,8,9 照明装置
10 投射装置
100,109,200,209,300,440,450 光源
102,202,302,304 偏光変換スイッチ
103,203,303,305 偏光ビームスプリッタ
104,107,205,207,308,310,470 蛍光体ホイール部
106,108,206,208,307,309,311,442,453,455 ダイクロイックミラー
121,131,221,231,321,331 蛍光体
122,132,224,232,322,332,462,500 基板
400 反射/透過ホイール
410 透過領域
411 反射領域
461A 第1の蛍光体
461B 第2の蛍光体
【先行技術文献】
【特許文献】
【0199】
【特許文献1】特開2004−341105号公報
【特許文献2】特開2009−277516号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変調信号に応じて画像を形成して被照明体を照射する光変調素子に対して光を照射するための照明装置であって、
光源と、
前記光源の出射する光の色とは異なる色を発光する蛍光体と、
前記光源から出射される光を前記蛍光体に導く状態と、該光を前記蛍光体に導かない状態とを備える導光手段と
を有する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記導光手段は、
光を透過させる透過領域と、光を反射させる反射領域とを含む部材と、
前記透過領域が前記光源から出射される光を透過する状態と、前記反射領域が該光を反射する状態とのうち、何れか一方の状態に前記部材を駆動する部材駆動手段と
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記導光手段は、
光の偏光方向を第1の偏光方向と第2の偏光方向とで切り替える偏光切り替え手段と、
前記偏光切り替え手段から出射された光のうち、前記第1の偏光方向の光を透過させ、前記第2の偏光方向の光を反射させる光制御手段と
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記蛍光体を、励起する光が連続的に照射され、且つ、照射される位置が所定周期で戻るように移動させる駆動手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記蛍光体は、反射部材である基板上に形成される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
光を前記部材上に集光させる集光手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項7】
前記蛍光体は、前記光源の出射する光の色とは異なる第1の色を発光する第1の領域と、該第1の色とは異なる第2の色を発光する第2の領域とを1の基板上に備え、
前記導光手段は、
前記光源から出射される光を前記第1の領域および前記第2の領域の何れか一方に導かれるように前記基板を駆動する基板駆動手段をさらに備える
ことを特徴とする
請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
画像データによる画像を投射する投射装置であって、
第1の光源と、
前記第1の光源の出射する光の色とは異なる色を発光する蛍光体と、
前記第1の光源から出射される光を前記蛍光体に導く第1の状態と、該光を前記蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光手段と、
前記導光手段から出射された光が照射され、該光を用いて、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子と、
前記光変調素子で形成された画像を表示媒体に投射させる投射光学系と、
前記画像データの1フレーム期間内で、前記導光手段の前記第1の状態および前記第2の状態を順次に切り替える制御手段と
を有する
ことを特徴とする投射装置。
【請求項9】
前記導光手段は、
光を透過させる透過領域と、光を反射させる反射領域とを含む部材と、
前記透過領域が前記光源から出射される光を透過する状態と、前記反射領域が該光を反射する状態とのうち、何れか一方の状態に前記部材を駆動する部材駆動手段と
を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の投射装置。
【請求項10】
前記導光手段は、
光の偏光方向を第1の偏光方向と第2の偏光方向とで切り替える偏光切り替え手段と、
前記偏光切り替え手段から出射された光のうち、前記第1の偏光方向の光を透過させ、前記第2の偏光方向の光を反射させる光制御手段と
を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の投射装置。
【請求項11】
前記2以上の蛍光体が発光する色とは異なる色の光を出射する第2の光源をさらに有し、
前記制御手段は、さらに、
前記画像データの1フレーム期間内に対し、前記第1の光源が点灯し前記第2の光源が消灯する期間と、前記第1の光源が消灯し前記第2の光源が点灯する期間とを設ける
ことを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れか1項に記載の投射装置。
【請求項12】
前記蛍光体を、励起する光が連続的に照射され、且つ、照射される位置が所定周期で戻るように移動させる駆動手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れか1項に記載の投射装置。
【請求項13】
前記蛍光体は、反射部材である基板上に形成される
ことを特徴とする請求項8乃至請求項12の何れか1項に記載の投射装置。
【請求項14】
光を前記部材上に集光させる集光手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項10に記載の投射装置。
【請求項15】
前記蛍光体は、前記光源の出射する光の色とは異なる第1の色を発光する第1の領域と、該第1の色とは異なる第2の色を発光する第2の領域とを1の基板上に備え、
前記導光手段は、
前記光源から出射される光を前記第1の領域および前記第2の領域の何れか一方に導かれるように前記基板を駆動する基板駆動手段をさらに備える
ことを特徴とする
請求項8に記載の投射装置。
【請求項16】
光変調素子で形成された、画像データによる画像を表示媒体に投射する投射装置の制御方法であって、
導光手段が、第1の光源から出射される光を、該光の色とは異なる色を発光する蛍光体に導く第1の状態と、該光を該蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光ステップと、
制御手段が、前記画像データの1フレーム期間内で、前記導光ステップによる前記第1の状態および前記第2の状態を順次に切り替える制御ステップと
を有する
ことを特徴とする投射装置の制御方法。
【請求項17】
画像データによる画像を投射する投射装置であって、
第1の色の光を発光する第1の光源と、
第2の色の光を発光する第2の光源と、
前記第1の色の光により励起されて第3の色の光を発光する蛍光体と、
前記第1の光源から出射される光を前記蛍光体に導く第1の状態と、該光を前記蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光手段と、
前記導光手段から出射された光と、前記第2の光源から出射された光とが照射され、照射された各光を用いて、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子と、
前記画像データの1フレーム期間内で、前記第1の色の光と、前記第2の色の光と、前記第3の色の光とのうち1または複数が前記光変調素子に照射されるように前記第1の光源と、前記第2の光源と、前記導光手段とを制御する制御手段と
を有する
ことを特徴とする投射装置。
【請求項18】
前記制御手段は、
前記画像データの1フレーム期間内において、
第1の期間で前記第2の光源のみを点灯させて前記第2の色の光を前記光変調素子に照射させ、
第2の期間で前記第1の光源のみを点灯させると共に前記第1の色の光を前記蛍光体に導くように前記導光手段を制御して前記第3の色の光を前記光変調素子に照射させ、
第3の期間で前記第1の光源のみを点灯させると共に前記第1の色の光を前記蛍光体に導かないように前記導光手段を制御して該第1の色の光を前記光変調素子に照射させ、
第4の期間で前記第1の光源と前記第2の光源とを点灯させると共に前記第1の色の光を前記蛍光体に導くように前記導光手段を制御して、前記第2の色の光と前記第3の色の光とを共に前記光変調素子に照射させ、
第5の期間で前記第1の光源と前記第2の光源とを点灯させると共に前記第1の色の光を前記蛍光体に導かないように前記導光手段を制御して前記第1の色の光と前記第2の色の光とを共に前記光変調素子に照射させる
ことを特徴とする請求項17に記載の投射装置。
【請求項19】
前記導光手段は、
光を透過させる透過領域と、光を反射させる反射領域とを含む部材と、
前記透過領域が前記光源から出射される光を透過する状態と、前記反射領域が該光を反射する状態とのうち、何れか一方の状態に前記部材を駆動する部材駆動手段と
を備える
ことを特徴とする請求項17または請求項18に記載の投射装置。
【請求項20】
前記導光手段は、
光の偏光方向を第1の偏光方向と第2の偏光方向とで切り替える偏光切り替え手段と、
前記偏光切り替え手段から出射された光のうち、前記第1の偏光方向の光を透過させ、前記第2の偏光方向の光を反射させる光制御手段と
を備える
ことを特徴とする請求項17または請求項18に記載の投射装置。
【請求項21】
画像データによる画像を投射する投射装置の制御方法であって、
導光手段が、第1の光源から出射された第1の色の光を、該第1の色の光により励起されて第2の色の光を発光する蛍光体に導く状態と、該第1の色の光を該蛍光体に導かない状態とを備えて導光する導光ステップと、
制御手段が、前記画像データの1フレーム期間内で、前記第1の色の光と、前記第2の色の光と、第2の光源から出射される第3の色の光とのうち1または複数が、照射された光を用いて変調信号に応じて画像を形成する光変調素子に照射されるように、前記第1の光源と、前記第2の光源と、前記導光ステップとを制御する制御ステップと
を有する
ことを特徴とする投射装置の制御方法。
【請求項1】
変調信号に応じて画像を形成して被照明体を照射する光変調素子に対して光を照射するための照明装置であって、
光源と、
前記光源の出射する光の色とは異なる色を発光する蛍光体と、
前記光源から出射される光を前記蛍光体に導く状態と、該光を前記蛍光体に導かない状態とを備える導光手段と
を有する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記導光手段は、
光を透過させる透過領域と、光を反射させる反射領域とを含む部材と、
前記透過領域が前記光源から出射される光を透過する状態と、前記反射領域が該光を反射する状態とのうち、何れか一方の状態に前記部材を駆動する部材駆動手段と
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記導光手段は、
光の偏光方向を第1の偏光方向と第2の偏光方向とで切り替える偏光切り替え手段と、
前記偏光切り替え手段から出射された光のうち、前記第1の偏光方向の光を透過させ、前記第2の偏光方向の光を反射させる光制御手段と
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記蛍光体を、励起する光が連続的に照射され、且つ、照射される位置が所定周期で戻るように移動させる駆動手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記蛍光体は、反射部材である基板上に形成される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
光を前記部材上に集光させる集光手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項7】
前記蛍光体は、前記光源の出射する光の色とは異なる第1の色を発光する第1の領域と、該第1の色とは異なる第2の色を発光する第2の領域とを1の基板上に備え、
前記導光手段は、
前記光源から出射される光を前記第1の領域および前記第2の領域の何れか一方に導かれるように前記基板を駆動する基板駆動手段をさらに備える
ことを特徴とする
請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
画像データによる画像を投射する投射装置であって、
第1の光源と、
前記第1の光源の出射する光の色とは異なる色を発光する蛍光体と、
前記第1の光源から出射される光を前記蛍光体に導く第1の状態と、該光を前記蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光手段と、
前記導光手段から出射された光が照射され、該光を用いて、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子と、
前記光変調素子で形成された画像を表示媒体に投射させる投射光学系と、
前記画像データの1フレーム期間内で、前記導光手段の前記第1の状態および前記第2の状態を順次に切り替える制御手段と
を有する
ことを特徴とする投射装置。
【請求項9】
前記導光手段は、
光を透過させる透過領域と、光を反射させる反射領域とを含む部材と、
前記透過領域が前記光源から出射される光を透過する状態と、前記反射領域が該光を反射する状態とのうち、何れか一方の状態に前記部材を駆動する部材駆動手段と
を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の投射装置。
【請求項10】
前記導光手段は、
光の偏光方向を第1の偏光方向と第2の偏光方向とで切り替える偏光切り替え手段と、
前記偏光切り替え手段から出射された光のうち、前記第1の偏光方向の光を透過させ、前記第2の偏光方向の光を反射させる光制御手段と
を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の投射装置。
【請求項11】
前記2以上の蛍光体が発光する色とは異なる色の光を出射する第2の光源をさらに有し、
前記制御手段は、さらに、
前記画像データの1フレーム期間内に対し、前記第1の光源が点灯し前記第2の光源が消灯する期間と、前記第1の光源が消灯し前記第2の光源が点灯する期間とを設ける
ことを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れか1項に記載の投射装置。
【請求項12】
前記蛍光体を、励起する光が連続的に照射され、且つ、照射される位置が所定周期で戻るように移動させる駆動手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れか1項に記載の投射装置。
【請求項13】
前記蛍光体は、反射部材である基板上に形成される
ことを特徴とする請求項8乃至請求項12の何れか1項に記載の投射装置。
【請求項14】
光を前記部材上に集光させる集光手段をさらに有する
ことを特徴とする請求項10に記載の投射装置。
【請求項15】
前記蛍光体は、前記光源の出射する光の色とは異なる第1の色を発光する第1の領域と、該第1の色とは異なる第2の色を発光する第2の領域とを1の基板上に備え、
前記導光手段は、
前記光源から出射される光を前記第1の領域および前記第2の領域の何れか一方に導かれるように前記基板を駆動する基板駆動手段をさらに備える
ことを特徴とする
請求項8に記載の投射装置。
【請求項16】
光変調素子で形成された、画像データによる画像を表示媒体に投射する投射装置の制御方法であって、
導光手段が、第1の光源から出射される光を、該光の色とは異なる色を発光する蛍光体に導く第1の状態と、該光を該蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光ステップと、
制御手段が、前記画像データの1フレーム期間内で、前記導光ステップによる前記第1の状態および前記第2の状態を順次に切り替える制御ステップと
を有する
ことを特徴とする投射装置の制御方法。
【請求項17】
画像データによる画像を投射する投射装置であって、
第1の色の光を発光する第1の光源と、
第2の色の光を発光する第2の光源と、
前記第1の色の光により励起されて第3の色の光を発光する蛍光体と、
前記第1の光源から出射される光を前記蛍光体に導く第1の状態と、該光を前記蛍光体に導かない第2の状態とを備える導光手段と、
前記導光手段から出射された光と、前記第2の光源から出射された光とが照射され、照射された各光を用いて、変調信号に応じて画像を形成する光変調素子と、
前記画像データの1フレーム期間内で、前記第1の色の光と、前記第2の色の光と、前記第3の色の光とのうち1または複数が前記光変調素子に照射されるように前記第1の光源と、前記第2の光源と、前記導光手段とを制御する制御手段と
を有する
ことを特徴とする投射装置。
【請求項18】
前記制御手段は、
前記画像データの1フレーム期間内において、
第1の期間で前記第2の光源のみを点灯させて前記第2の色の光を前記光変調素子に照射させ、
第2の期間で前記第1の光源のみを点灯させると共に前記第1の色の光を前記蛍光体に導くように前記導光手段を制御して前記第3の色の光を前記光変調素子に照射させ、
第3の期間で前記第1の光源のみを点灯させると共に前記第1の色の光を前記蛍光体に導かないように前記導光手段を制御して該第1の色の光を前記光変調素子に照射させ、
第4の期間で前記第1の光源と前記第2の光源とを点灯させると共に前記第1の色の光を前記蛍光体に導くように前記導光手段を制御して、前記第2の色の光と前記第3の色の光とを共に前記光変調素子に照射させ、
第5の期間で前記第1の光源と前記第2の光源とを点灯させると共に前記第1の色の光を前記蛍光体に導かないように前記導光手段を制御して前記第1の色の光と前記第2の色の光とを共に前記光変調素子に照射させる
ことを特徴とする請求項17に記載の投射装置。
【請求項19】
前記導光手段は、
光を透過させる透過領域と、光を反射させる反射領域とを含む部材と、
前記透過領域が前記光源から出射される光を透過する状態と、前記反射領域が該光を反射する状態とのうち、何れか一方の状態に前記部材を駆動する部材駆動手段と
を備える
ことを特徴とする請求項17または請求項18に記載の投射装置。
【請求項20】
前記導光手段は、
光の偏光方向を第1の偏光方向と第2の偏光方向とで切り替える偏光切り替え手段と、
前記偏光切り替え手段から出射された光のうち、前記第1の偏光方向の光を透過させ、前記第2の偏光方向の光を反射させる光制御手段と
を備える
ことを特徴とする請求項17または請求項18に記載の投射装置。
【請求項21】
画像データによる画像を投射する投射装置の制御方法であって、
導光手段が、第1の光源から出射された第1の色の光を、該第1の色の光により励起されて第2の色の光を発光する蛍光体に導く状態と、該第1の色の光を該蛍光体に導かない状態とを備えて導光する導光ステップと、
制御手段が、前記画像データの1フレーム期間内で、前記第1の色の光と、前記第2の色の光と、第2の光源から出射される第3の色の光とのうち1または複数が、照射された光を用いて変調信号に応じて画像を形成する光変調素子に照射されるように、前記第1の光源と、前記第2の光源と、前記導光ステップとを制御する制御ステップと
を有する
ことを特徴とする投射装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16−1】
【図16−2】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16−1】
【図16−2】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2013−76968(P2013−76968A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−50999(P2012−50999)
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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