照明装置および照明システム
【課題】半導体ウェーハ等の対象物に形成されたID、文字、異物、欠陥等の高精度な観測を容易に実現する。
【解決手段】照明装置14に設けられた基板上には、LED21、22、23が並べて配置され、これらLED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3のXY平面への正射影とX軸とのなす角の大きさαが15度以上75度以下であり、かつ発光主軸L1、L2、L3のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβが0度以上75度以下であるようにLED21、22、23の向きが定められている。
【解決手段】照明装置14に設けられた基板上には、LED21、22、23が並べて配置され、これらLED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3のXY平面への正射影とX軸とのなす角の大きさαが15度以上75度以下であり、かつ発光主軸L1、L2、L3のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβが0度以上75度以下であるようにLED21、22、23の向きが定められている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウェーハ、ガラス、フレキシブルプリント基板(FPC)等の観測対象物に形成された回路、識別記号(ID)、文字、パターン、異物、欠陥等を観測するために、当該観測対象物に光を照射する照明装置および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば半導体ウェーハ、ガラス、FPC等の観測対象物に形成された回路、ID、文字、パターン、異物、欠陥等の観測には、実体顕微鏡、微分干渉顕微鏡等の顕微鏡が使用される。このような顕微鏡による観測対象物の観測を行うに際し、専用の照明装置が用いられる。照明装置により、観測対象物に光を適切に照射することにより、観測対象物の像を目やカメラで適切に観測することが可能になり、観測対象物に形成された文字を読み取り、あるいは欠陥を検出することができるようになる。このような照明装置として、例えば、円形または直管形の蛍光灯照明、光源をリング状に配列したリング照明、2次元の面状に発光ダイオード(LED)を配列したバー照明等が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、専用に光学設計された専用光学系とカメラを有し、専用光学系を介して観測対象物に光を照射すると共に、カメラにより観測対象物を撮影し、撮影した観測対象物の像を画像データとして、パソコンやDSP(Digital Signal Processor)等で構成されるデータ処理装置等に入力し、専用の画像処理プログラムを動作させて、当該観測対象物に形成されたID等を認識し、あるいは欠陥を検出する画像処理装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−242002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、観測対象物としての半導体ウェーハを、顕微鏡またはカメラ等の観測装置の下方に水平に配置し、観測装置のレンズの光軸が半導体ウェーハの表面上の1点と直交するようにする。そして、照明装置を、半導体ウェーハの上方であって、観測装置のレンズの光軸から離れた位置に設置し、当該照明装置により発せられる照明光により、観測装置のレンズの光軸と半導体ウェーハの表面とが直交している点を中心とした一定の領域を、半導体ウェーハの表面に対しておよそ45度の入射角で照射させるようにする。
【0006】
このようなシステムにおいて、照明光の向きを示す直線、すなわち照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが平行である場合には、半導体ウェーハ上に形成された回路配線に照明光が十分に反射または散乱し、この結果、観測装置において回路配線が明るく映し出される。また、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが直交する場合にも、半導体ウェーハ上に形成された回路配線に照明光が十分に反射または散乱し、観測装置において回路配線が明るく映し出される。ところが、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが45度で交わる場合には、半導体ウェーハ上に形成された回路配線に照明光が十分に反射または散乱せず、観測装置において回路配線が暗く映る。
【0007】
一方、半導体ウェーハの表面にはIDが付されている。このIDは例えば製造管理のための識別記号である。上記照明光をこのIDに照射した場合、当該照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影がどのような方向を向いていても、照明光がIDに当たっていれば、照明光がIDに概ね十分に反射または散乱し、この結果、観測装置においてIDが明るく映し出される。
【0008】
したがって、半導体ウェーハの表面に付されたIDを観測装置で読み取る場合には、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが45度で交わるように、照明光の向きを設定することが望ましい。照明光の向きをこのように設定すれば、観測装置において、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の映りを暗くし、半導体ウェーハ表面に付されたIDの映りを明るくすることができ、この結果、IDのみを明るく浮き上がらせることができ、容易かつ明確にIDの読取が可能になる。
【0009】
以上の点は、上記特許文献1に示唆されているが、本発明の発明者の実験により、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが45度に限らず、およそ15度ないし75度で交わるように照明光の向きを設定した場合でも、観測装置において、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の映りを暗くし、半導体ウェーハ表面に付されたIDの映りを明るくすることができることが判明している。
【0010】
一方、上記システムにおいて、照明装置として一般的なバー照明(ライン照明)を用いた場合、次のような問題がある。
【0011】
すなわち、半導体ウェーハに付されたIDは、回路配線の伸長方向に対して平行な方向に配列されている場合が多い。一方、一般的なバー照明は、例えば複数のLEDを一方向に配列することにより形成されており、LEDの配列方向と照明光の向きとが互いに直交し、この結果、バー照明における照明光の照射領域は照明光の向きと直交する方向に長く伸長した形状となる。このため、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが例えば45度で交わるようにバー照明の照明光の向きを設定すると、半導体ウェーハ上において、バー照明による照明光の照射領域が伸長する方向と、IDの配列方向とが互いに45度ずれてしまう。この結果、ID全体のうち、照明光の照射領域とIDとが互いに交差する一部の領域しか照射されず、ID全体をバー照明により一度に照射することができなくなってしまう。
【0012】
この点、バー照明においてLEDを配列する列数を増やすことにより照射領域を拡大すれば、IDの全部を一度に照射することが可能であるが、この場合には、照射領域が広くなり過ぎて不必要な領域に対しても照明光を照射してしまうため効率が悪く、照明装置の大型化、重量化、消費電力の増大などを招いてしまう。この問題は、直管形の蛍光灯を用いたバー照明またはライン照明でも生じ得る。
【0013】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、例えば半導体ウェーハ等の対象物に形成されたID、文字、異物、欠陥等の高精度な観測を容易に効率よく実現することができる照明装置および照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の第1の照明装置は、観測装置または撮影装置により対象物載置平面上の対象物の観測または撮影を行うために前記対象物に対して光を照射する照明装置であって、基板と、前記基板を支持する支持体と、前記基板の表面に配置された複数の発光部材とを備え、前記対象物載置平面に対してそれぞれ平行であって互いに直交するX軸およびY軸、並びに前記X軸と直交しかつY軸と直交するZ軸により規定される3次元空間において、前記各発光部材の発光主軸のXY平面への正射影と前記X軸とのなす角の大きさが15度以上75度以下であり、かつ前記各発光部材の発光主軸のYZ平面への正射影と前記Y軸とのなす角の大きさが0度以上75度以下であるように前記各発光部材の向きが定められていることを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第2の照明装置は、上述した本発明の第1の照明装置において、前記複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配置されていることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の第3の照明装置は、上述した本発明の第1または第2の照明装置において、前記複数の発光部材の発光主軸は互いに平行であることを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第4の照明装置は、上述した本発明の第1の照明装置において、前記複数の発光部材は、少なくとも、第1のグループに属する複数の発光部材と、第2のグループに属する複数の発光部材とからなり、前記第1のグループに属する複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配列され、前記第2のグループに属する複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配列され、前記第1のグループに属する複数の発光部材と前記第2のグループに属する複数の発光部材とは、互いの配列方向が平行となるように前記基板の表面に少なくとも2列に配置されていることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の第5の照明装置は、上述した本発明の第1の照明装置において、前記複数の発光部材は、少なくとも、第1のグループに属する複数の発光部材と、第2のグループに属する複数の発光部材とからなり、前記第1のグループに属する複数の発光部材は、それぞれの発光主軸が互いに平行であり、前記基板の表面に直線状に配列され、前記第2のグループに属する複数の発光部材は、それぞれの発光主軸が互いに平行であり、前記基板の表面に直線状に配列され、前記第1のグループに属する複数の発光部材と前記第2のグループに属する複数の発光部材とは、互いの配列方向が一致するように前記基板の表面に1列に配置され、前記第1のグループに属する各発光部材の発光主軸と前記第2のグループに属する各発光部材の発光主軸とは相互に交わることを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の第6の照明装置は、上述した第4または第5の照明装置において、前記各発光部材を前記グループごとに点灯させる制御手段を備えていることを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の第7の照明装置は、上述した本発明の第1ないし第6のいずれかの照明装置において、前記各発光部材は、自らに電圧を印加するための一対のリードを有する発光ダイオードであり、前記基板の前記表面には、各発光部材の一対のリードをそれぞれ挿入するための一対の接続穴が設けられ、各一対の接続穴における各接続穴の開口部は前記発光主軸の前記XY平面への正射影に対して垂直な直線上に配置されていることを特徴とする。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の第8の照明装置は、上述した本発明の第1ないし第7のいずれかの照明装置において、前記基板の前記表面上には前記各発光部材の向きを定めるための位置決め部材が設けられ、当該位置決め部材を介して前記各発光部材が前記基板の前記表面上に取り付けられていることを特徴とする。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の第1の照明システムは、前記対象物に向けられた前記観測装置または前記撮影装置の光軸の両側または周囲に上述した本発明の第1ないし第8のいずれかの照明装置を複数配置することにより構成されていることを特徴とする。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の第2の照明システムは、上述した本発明の第1ないし第8のいずれかの照明装置と、前記照明装置を回動可能に支持する支持部材とを備え、前記照明装置を回動させることにより、前記3次元空間において、前記各発光部材の発光主軸のXY平面への正射影と前記X軸とのなす角の大きさが15度以上75度以下となるように、または前記各発光部材の発光主軸のYZ平面への正射影と前記Y軸とのなす角の大きさが0度以上75度以下となるように、前記各発光部材の向きを定めることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、半導体ウェーハ等の対象物に形成されたID、文字、異物、欠陥等の高精度な観測を容易に効率よく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態による照明装置を搭載した観測システムを示す斜視図である。
【図2】図1中の照明装置およびウェーハを抜き出して示す拡大斜視図である。
【図3】図1中の矢示III方向から見た観測システムを示す平面図である。
【図4】図1中の矢示IV方向から見た観測システムを示す側面図である。
【図5】ウェーハ上に形成された回路配線、ID等を示す説明図である。
【図6】図1中の照明装置を示す底面図である。
【図7】LEDおよび位置決め部材を取り外した状態の照明装置を示す底面図である。
【図8】図6中の矢示VIII−VIII方向から見た照明装置を示す断面図である。
【図9】LEDを示す正面図である。
【図10】図8と同じ位置から見た本発明の第2の実施形態による照明装置を示す断面図である。
【図11】図8と同じ位置から見た本発明の第3の実施形態による照明装置を示す断面図である。
【図12】図8と同じ位置から見た本発明の第4の実施形態による照明装置を示す断面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態による照明装置を示す底面図である。
【図14】本発明の第6の実施形態による照明装置を示す底面図である。
【図15】本発明の第7の実施形態による照明システムを示す底面図である。
【図16】本発明の第7の実施形態による照明システムの変形例を示す底面図である。
【図17】本発明の第7の実施形態による照明システムの他の変形例を示す底面図である。
【図18】本発明の第8の実施形態を示す側面図である。
【図19】本発明の第8の実施形態を示す断面図である。
【図20】本発明の第8の実施形態を示す底面図である。
【図21】本発明の実施形態におけるLEDの配置パターンの他の具体例を示す説明図である。
【図22】本発明の実施形態におけるLEDの配置パターンの他の具体例を示す説明図である。
【図23】本発明の実施形態におけるLEDの配置パターンの他の具体例を示す説明図である。
【図24】本発明の実施形態におけるLEDの配置パターンの他の具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による照明装置を搭載した観測システムを示している。図2は図1中の観測システムのうち、照明装置およびウェーハを抜き出して拡大して示している。図3は図1中の観測システムを上から見た図であり、図4は図1中の観測システムを横から見た図である。図3および図4では、説明の便宜上、観測装置を省略している。図5はウェーハ上に形成された回路配線およびウェーハの表面に付されたIDを示している。
【0028】
図1において、観測システム1は、半導体ウェーハ121の表面に付されたID(識別記号)123を読み取るシステムである。ウェーハ121上には、図5に示すように、回路配線122が形成されている。回路配線122の多くは、ウェーハ121の表面に対して平行な平面内において、互いの垂直な2つの方向SxおよびSyのうちのいずれかの方向に伸長している。また、ウェーハ121の表面には、ID(識別記号)123が付されている。ID123は例えばウェーハ121を管理するための固有の記号である。ID123を構成する各記号(「A]、「B」、「C」、…「1」、「0」、「0」)は、一般に、回路配線122に対して平行な方向に配列されており、本実施形態では、Sx方向に配列されている。
【0029】
観測システム1は、図1に示すように、基台11、支持柱12、観測装置13、照明装置14および支持アーム15を備えている。基台11は、観測対象物としてのウェーハ121を載置する台である。基台11の上面は、ウェーハ121を載置する対象物載置平面としての載置面11Aとなり、載置面11Aは水平に保たれている。
【0030】
ここで、観測システム1およびウェーハ121は、載置面11Aに対してそれぞれ平行であって互いに直交するX軸およびY軸、並びにX軸と直交しかつY軸と直交する(載置面11Aに対して垂直な)Z軸により規定される3次元空間内に存在するものとする。
【0031】
搭載面11A上において、ウェーハ121は、回路配線122の一方の伸長方向SxがX軸に対して平行となり、回路配線122の他方の伸長方向SyがY軸に対して平行となるように載置される。そして、基台11の載置面11A上に載置されたウェーハ121の表面は、XY平面に対して平行、すなわち水平である。
【0032】
支持柱12は、観測装置13および照明装置14を基台11の上方に支持するための部材であり、その基端部が基台11の後ろ側側面に固定され、先端側がZ軸方向に上向きに伸張している。観測装置13は、例えばカメラであり、基台11に載置されたウェーハ121の表面に付されたID123を撮影する。観測装置13は、内蔵された撮影レンズの光軸QがZ軸と平行となるように、下向きに支持されている。
【0033】
照明装置14は、ウェーハ121の表面に付されたID123を観測装置13により読み取るために、ウェーハ121の表面においてID123が付された部分に光(照明光)を照射する装置である。照明装置14は、基台11の後ろ側左隅部上方に配置され、支持アーム15を介して支持柱12に固定されている。
【0034】
照明装置14は、後述するように3つのLED21、22、23を有する(図6参照)。これらLED21、22、23は、照明装置14のケーシング31内に設けられた基板32の取付面32A上に、X軸に対して平行に直線状に配列されている。これらLED21、22、23から発せられる光は、図3に示すように、ケーシング31の下部の開口部からウェーハ121に向けて放たれる。そして、これらの光は、照明装置14が配置された基台11の後ろ側左隅部上方から、基台11に載置されたウェーハ121に付されたID123に向けて右斜め下向きに進む。
【0035】
また、図2に示すように、LED21、22、23から発せられる光の向きの中心軸、すなわち、LED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3はそれぞれ互いに平行である。
【0036】
そして、図3に示すように、発光主軸L1、L2、L3のXY平面への正射影Lxy1、Lxy2、Lxy3とX軸とのなす角の大きさαは、15度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度である。なお、図3中の二点鎖線AはX軸と平行な直線である。
【0037】
さらに、図4に示すように、発光主軸L1、L2、L3のYZ平面への正射影Lyz1、Lyz2、Lyz3とY軸とのなす角の大きさβは、0度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度である。なお、図4中の二点鎖線BはY軸と平行な直線である。
【0038】
図2または図3に示すように、LED21、22、23から発せられた光により、ウェーハ121の表面上には照射領域R1、R2、R3が形成される。照射領域R1、R2、R3は、ウェーハ121の表面において、LED21、22、23から発せられた光により照射されている領域である。これら照射領域R1、R2、R3を合わせた領域中には、ID123の全体が含まれている。
【0039】
支持アーム15は、照明装置14から発せられる光が基台11の載置面11A上に載置されたウェーハ121に付されたID123に当たるように、照明装置14を基台11から離間した位置において支持する部材である。支持アーム15は、X軸に対して平行でかつY軸に対して垂直となるように伸長し、その基板部が支持柱12に固定され、先端部には照明装置14が固定されている。なお、支持アーム15による照明装置14の支持機構の形態は、これに限定されず、例えば照明装置14を支持アーム15を介して基台11に直接支持してもよい。
【0040】
このような構成を有する観測システム1において、照明装置14におけるLED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3のXY平面(ウェーハ121表面)への正射影Lxy1、Lxy2、Lxy3とウェーハ121上の回路配線122の伸長方向Sxとのなす角は、図3に示すように、角度αに等しく、すなわち、15度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度である。この場合、方向Sxに伸長する回路配線122に対し、LED21、22、23から光を照射し、当該回路配線122を観測装置13により観測したとき、当該回路配線122は観測装置13において暗く映る。
【0041】
また、照明装置14におけるLED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3のXY平面への正射影Lxy1、Lxy2、Lxy3とウェーハ121上の回路配線122の伸長方向Syとのなす角は、図3に示すように、90度から角度αを引いた角度に等しく、すなわち、15度から75度までの範囲内の所定の角度、例えば45度である。この場合、方向Syに伸長する回路配線122に対し、LED21、22、23から光を照射し、当該回路配線122を観測装置13により観測したとき、当該回路配線122は観測装置13において暗く映る。
【0042】
また、照明装置14におけるLED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3のXY平面への正射影Lxy1、Lxy2、Lxy3とウェーハ121の表面に付されたID123を構成する各記号の配列方向(=Sx)とのなす角は、図3に示すように、角度αに等しく、すなわち、15度から75度までの範囲内の所定の角度、例えば45度である。この場合、ID123に対し、LED21、22、23から光を照射し、ID123を観測装置13により観測したとき、ID123は観測装置13において明るく映る。
【0043】
さらに、照明装置14から発せられた光が、基台11に載置されたウェーハ121の表面に入射する角度は、図4に示すように、角度βに等しく、すなわち、0度から75度までの範囲内の所定の角度、例えば45度である。この場合、ID123に対し、LED21、22、23から光を照射し、ID123を観測装置13により観測したとき、ID123は観測装置13において一層明るく映る。
【0044】
すなわち、回路配線122およびID123に対し、LED21、22、23から光を照射し、回路配線122およびID123を観測装置13により観測したとき、観測装置13において、回路配線122は暗く見えるのに対し、ID123は明るく見える。つまり、ID123だけが浮き上がって明瞭に観測される。
【0045】
このように、照明装置14によれば、ウェーハ121において回路配線122間に付されたID123を明るく浮き上がらせることができる。そして、上述したように、照明装置14によれば、LED21、22、23をX軸に対して平行に直線状に配置すると共に、発光主軸L1、L2、L3を互いに平行にしたことにより、X軸に対して平行に配列された記号からなるID123の全体を一度に照射することができ、ID123全体を一度に明瞭化させることができる。さらに、照明装置14によれば、照射領域R1、R2、R3がID123全体を照射するのに必要かつ十分な領域に限定されており、ID123から外れた照射不要な領域を照射しないため、照射の効率が良く、照明装置14の小型化、軽量化、消費電力の低減などを図ることができる。
【0046】
これより、観測システム1に搭載された照明装置14の構成の具体例について詳細に説明する。
【0047】
図6は照明装置14を下から見た状態を示している。図7は、LED21、22、23および位置決め部材34を取り外した状態の照明装置14を示している。図8は、図6中の矢示VIII−VIII方向から見た照明装置14の断面図である。図9はLED21を示している。
【0048】
図6に示すように、照明装置14は、複数(例えば3つ)のLED21、22、23、ケーシング31、基板32、複数(例えば3つ)の位置決め部材34により大略構成されている。
【0049】
ケーシング31は例えば樹脂材料等により箱状に形成され、支持アーム15を介して支持柱12に取り付けられた状態(図1参照)で下側が開口している。ケーシング31は、基板32をその裏面側から支持している。なお、ケーシング31は支持体の具体例である。
【0050】
基板32は、その裏面がケーシング31の上板と対向し、表面がケーシング31の開口部側に向くように、ケーシング31内に設けられている。そして、基板32は、ケーシング31の上板に、取付部材(図示せず)を介して当該上板から僅かに離間した位置に固定されている。基板32は、ガラス等の絶縁材料により形成されており、基板32の表面が取付面32Aとなっている。照明装置14が図1に示すように支持アーム15を介して支持柱12に取り付けられた状態では、基板32の取付面32Aが下向きとなり、XY平面に対して平行となる。
【0051】
基板32の取付面32Aには、図7に示すように、各LED21、22、23が有する一対のリード21C、22C、23Cをそれぞれ挿入するための一対の接続穴32Bが穿設されている。これら接続穴32Bは基板32を貫通し、内壁に導電皮膜が形成された、いわゆるビアホールになっている。また、図7中左側に位置する一対の接続穴32Bにおいて、各接続穴32Bの開口部は、LED21の発光主軸L1のXY平面への正射影Lxy1に対して垂直である直線E1上に配置されている。また、図7中中央に位置する一対の接続穴32Bにおいて、各接続穴32Bの開口部は、LED22の発光主軸L2のXY平面への正射影Lxy2に対して垂直である直線E2上に配置されている。さらに、図7中右側に位置する一対の接続穴32Bにおいて、各接続穴32Bの開口部は、LED23の発光主軸L3のXY平面への正射影Lxy3に対して垂直である直線E3上に配置されている。
【0052】
また、基板32の取付面32A上には、一対の導電ライン33が互いに平行に設けられている。各導電ライン33は、導電材料により形成されており、例えば取付面32Aに形成されたプリントパターンである。各導電ライン33において、各接続穴32B上に位置する部位には、接続穴32Bと連通する穴が形成されており、当該穴の周縁部分にはランドが形成されている。
【0053】
図6において、位置決め部材34は、LED21、22、23の向きを定めるための部材であり、基板32の取付面32A上に設けられている。位置決め部材34は、LED21、22、23の個数に応じて複数設けられている。各位置決め部材34は、樹脂等の絶縁材料により四角柱形状に形成されている。また、図8に示すように、各位置決め部材34の先端面34Aは、発光主軸L1(L2、L3)に対して垂直となるように傾斜の方向および角度が設定されている。
【0054】
また、各位置決め部材34には、LED21(22、23)のリード21C(22C、23C)を挿通するための一対の溝34Bが形成されている。図8に示すように、各溝34Bの底側内面(図8中の右側内面)は、途中で屈曲している。
【0055】
LED21、22、23は、照明装置14の光源であり、基台11に載置されたウェーハ121に付されたID123を照射する発光部材である。LED21、22、23は、図6に示すように、基板32の取付面32A上に直線状に配列されている。照明装置14が図1に示すように支持アーム15を介して支持柱12に取り付けられた状態では、LED21、22、23の配列方向がX軸に対して平行となる。
【0056】
図9に示すように、各LED21(22、23)は、LED本体21A(22A、23A)、LED本体21A(22A、23A)内に設けられたLEDチップ21B(22B、23B)、LED本体21A(22A、23A)の基端側から突出し、LEDチップ21B(22B、23B)に電圧を印加するための一対のリード21C(22C、23C)を備えている。
【0057】
そして、図8に示すように、LED本体21A(22A、23A)は位置決め部材34の先端面34A上に載置され、LED本体21A(22A、23A)の基端側の面が先端面34Aに当接している。また、各リード21C(22C、23C)の基端部から中間部にかけては、位置決め部材34の溝34B内に挿入され、溝34の底側内面の屈曲形状に沿って屈曲している。さらに、各リード21C(22C、23C)の先端部は、基板32の接続穴32に挿入され、半田付け等の手段により導電ライン33に電気的に接続され、かつ固定されている。
【0058】
このように、一対のリード21C(22C、23C)を位置決め部材34の溝34Bおよび基板32の接続穴32に装着させつつ、LED本体21A(22A、23A)の基端側面を位置決め部材34の先端面34Aに当接させることにより、LED21(22、23)の発光主軸がL1(L2、L3)に定まる。すなわち、本実施形態による照明装置14によれば、照明装置14から発せられる光(照明光)の発光主軸L1、L2、L3の高精度な設定を容易に行うことができ、製造工程の簡単化を図ることができると共に、歩留まりを良くすることができる。
【0059】
(第2の実施形態)
図10は本発明の第2の実施形態による照明装置を示している。上記第1の実施形態による照明装置14では、図8に示すように、各位置決め部材34上に、LED21(22、23)のLED本体21A(22A、23A)を載置する構成とし、各位置決め部材34をいわゆるスペーサとして機能させている。これに対し、第2の実施形態による照明装置41では、各位置決め部材42をソケットとして機能させる。
【0060】
すなわち、図10に示すように、照明装置41における各位置決め部材42は、第1の実施形態における位置決め部材34と同様に、四角柱状に形成され、傾斜した先端面42Aを有しているものの、第1の実施形態における位置決め部材34と異なり、一対の溝部に代えて一対の貫通穴42Bを有している。
【0061】
各貫通穴42Bは、位置決め部材42の先端面42Aから、基板32の取付面32Aと当接する基端面に向けて貫通しているものの途中に屈曲し、先端面42A側開口部から屈曲位置までが先端面42Aと垂直な方向に伸び、屈曲位置から基端面側開口部までが基端面と垂直な方向に伸びている。そして、各貫通穴42Bのうち、先端面42A側開口部から屈曲位置までが、LED21(22、23)のリード21C(22C、23C)を挿入するためのリード挿入穴部となり、その内壁には筒状の電極42Cが設けられている。また、各貫通穴42Bのうち、屈曲位置から基端面側開口部までがコネクタピン挿入穴部となり、コネクタピン挿入穴部にはコネクタピン42Dが挿入されている。このコネクタピン42Dはその一側端部がコネクタピン挿入穴部内において接着剤等により固定され、他側端部が位置決め部材42の基端面から突出している。また、コネクタピン42Dは電極42Cと電気的に接続されている。
【0062】
各位置決め部材42の一対のコネクタピン42Dは、基板32の一対の接続穴32Bに挿入され、一対の導電ライン33に電気的に接続されると共に、固定されている。これにより、各位置決め部材42は基板32の取付面32A上に固定されている。一方、各位置決め部材42の先端側に設けられた一対の電極42C内にはLED21(22、23)の一対のリード21C(22C、23C)が挿入され、各電極42Cと各リード21C(22C、23C)とは電気的に接続されている。各リード21C(22C、23C)は各電極42Cに対して着脱可能(押し嵌め)としてもよいし、半田付け等の手段により固定してもよい。
【0063】
このような構成を有する第2の実施形態による照明装置41によれば、LED21、22、23を位置決め部材42に対して容易に着脱することができるので、LED21、22、23の取付、取外、交換を簡単に行うことができる。
【0064】
(第3の実施形態)
図11は本発明の第3の実施形態による照明装置を示している。図11に示すように、第3の実施形態による照明装置51では、第2の実施形態による照明装置と比較して、各LED52(53、54)の一対のリード52C(53C、54C)がそれぞれ長い。このため、リード52C(53C、54C)の一部が位置決め部材42の貫通穴42Bから突出し、LED本体52A(53A、54A)が位置決め部材42の先端面42Aから離間している。
【0065】
このような構成を有する本発明の第3の実施形態による照明装置によれば、各LED52、53、54の一対のリード52C、53C、54Cにおいて、位置決め部材42の貫通穴42Bから突出した部分を曲げることにより、角度βを任意に変更することができる。これにより、各LED52、53、54の向きを変え、各LED52、53、54の発光主軸L1、L2、L3(YZ面への正射影Lyz1、Lyz2、Lyz3)を容易かつ迅速に調整することができる。
【0066】
ここで、基板32の各一対の接続穴32Bにおいて、一対の接続穴32B同士を結んだ直線E1(E2、E3)は、LED52(53、54)の発光主軸L1(L2、L3)のXY平面への正射影Lxy1に対して垂直である(図7参照)。また、各位置決め部材42の一対の貫通穴42Bの先端面42A側開口部同士を結んだ直線も、LED52(53、54)の発光主軸L1(L2、L3)のXY平面への正射影Lxy1に対して垂直である。そして、各位置決め部材42の一対の貫通穴42Bから突出した各LED52(53、54)の一対のリード52C(53C、54C)は、いずれも発光主軸L1(L2、L3)と平行に突出している。この結果、リード52C(53C、54C)を図11中の矢示Cに示す方向に容易に、すなわち無理な力を加えずに折り曲げることができる。
【0067】
したがって、基台11の載置面11A上に載置された観測対象物の形状や位置等に応じて、LED52、53、54のリード52C(53C、54C)を折り曲げることによって角度βを変更し、LED52、53、54の発光主軸L1、L2、L3を調整することができる。しかも、このような調整を観測中にその場で簡単に行うことができる。例えば、ウェーハ121の表面に付されたID123の位置が変更されても、その変更に追従してLED52、53、54の照射領域を簡単に変えることができる。
【0068】
(第4の実施形態)
図12は本発明の第4の実施形態による照明装置を示している。図12に示すように、照明装置61において、各位置決め部材62により、LED21(22、23)のリード21C(22C、23C)の先端部分だけを支持する構成としてもよい。このような構成によれば、第3の実施形態とほぼ同様に、LED21、22、23のリード21C、22C、23Cを折り曲げることにより、角度βを容易に変更することができ、発光主軸L1、L2、L3を簡単に調整することができる。
【0069】
(第5の実施形態)
図13は本発明の第5の実施形態による照明装置を示している。図13に示すように、LEDの配列を複数列にしてもよい。すなわち、第5の実施形態による照明装置71は、基板72と、基板72をその裏面側から支持するケーシング73と、基板72の取付面72Aに直線状に配列された第1のグループに属する複数のLED74と、基板72の取付面72Aに直線状に配列された第2のグループに属する複数のLED75と、LED74、75の向きを定めるための複数の位置決め部材76等を備えている。そして、第1のグループに属する複数のLED74と、第2のグループに属する複数のLED75とは、互いの配列方向が平行となるように取付面72Aに2列に配置されている。
【0070】
さらに、第1のグループに属する複数のLED74の発光主軸がそれぞれ互いに平行であり、各LED74の発光主軸のXY平面への正射影DとX軸とのなす角の大きさαが15度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であり、かつ各LED74の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβ(図13中では図示せず)が0度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であるように各LED74の向きが定められている。また、第1のグループに属する各LED74の向きと同様に、第2のグループに属する各LED75の向きが定められている。
【0071】
LED74、75を接続するために基板72に形成された複数の接続穴の配置、LED74、75の電気的接続および各位置決め部材76の構成等は、第1の実施形態による照明装置14における接続穴32Bの配置、導電ライン33を介してのLED21、22、23の電気的接続、および位置決め部材34と同様である。
【0072】
このような構成を有する本発明の第5の実施形態による照明装置71によれば、照射領域を基台11の載置面11A上において、Y軸方向に拡張することができ、ウェーハ121に付された例えば2列または3列等のID全体を一度に照射することができる。
【0073】
また、照明装置71には、各LED74、75をグループごとに点灯させる制御手段としての制御回路151を設けてもよい。制御回路151により各LED74、75をグループごとに点灯させることにより、例えば、観測対象物や撮影対象物に応じて照射範囲を変更することができる。
【0074】
(第6の実施形態)
図14は本発明の第6の実施形態による照明装置を示している。図14に示すように、第6の実施形態による照明装置81は、基板82と、基板82をその裏面側から支持するケーシング83と、基板82の取付面82Aに形成された第1の領域F1内において直線状に配列された第1のグループに属する複数のLED84と、基板82の取付面82Aに形成された第2の領域F2内において直線状に配列された第2のグループに属する複数のLED85と、LED84、85の向きを定めるための複数の位置決め部材86等を備えている。そして、第1のグループに属する複数のLED84と、第2のグループに属する複数のLED85とは、互いの配列方向が一致するように取付面82Aに1列に配置されている。
【0075】
さらに、第1のグループに属する複数のLED84の発光主軸がそれぞれ互いに平行であり、各LED84の発光主軸のXY平面への正射影GとX軸とのなす角の大きさαが15度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であり、かつ各LED84の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβ(図14では図示せず)が0度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であるように各LED84の向きが定められている。
【0076】
また、第2のグループに属する複数のLED85の発光主軸がそれぞれ互いに平行であり、各LED85の発光主軸のXY平面への正射影HとX軸とのなす角の大きさγが15度から75度まで(105度から165度まで)の範囲内の所定の大きさ、例えば45度(135度)であり、かつ各LED85の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβ(図14では図示せず)が0度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であり、かつ、各LED85の発光主軸が各LED84の発光主軸と互いに交わるように各LED85の向きが定められている。
【0077】
このような構成を有する本発明の第6の実施形態による照明装置81によれば、照射領域を基台11の載置面11A上において、X軸方向に拡張することができ、例えば、ウェーハ121に付されたIDがSx方向に長い場合でも、ID全体を一度に照射することができる。
【0078】
また、照明装置81には、各LED84、85をグループごとに点灯させる制御手段としての制御回路152を設けてもよい。
【0079】
(第7の実施形態)
図15は本発明の第7の実施形態による照明システムを示している。図15中の照明システム91は、観測対象物に向けられた観測装置の光軸Qの周囲に、第1の実施形態による照明装置14を4台、および第6の実施形態による照明装置81を2台配置し、各照明装置14、81のケーシングに代えて、これらのケーシングを一体化したケーシング92を設けることにより構成されている。そして、ケーシング92の中央部には穴92Aが形成されており、穴92A内に観測装置の光軸Qが配置され、穴92Aを介して観測対象物を観測装置により観測することができるようになっている。
【0080】
このような構成を有する本発明の第7の実施形態による照明システム91によれば、照射領域を基台11の載置面11A上において、X軸方向およびY軸方向に拡張することができ、例えば、ウェーハの表面の複数箇所に付された複数のIDを一度に照射することができる。また、照明システム91には、各LEDを照明装置ごとに点灯させる制御手段としての制御回路153を設けてもよい。
【0081】
図16、図17は本発明の第7の実施形態による照明システムの変形例を示している。図16に示す照明システム101のように、観測対象物に向けられた観測装置の光軸Qの周囲に、第1の実施形態による照明装置14を4台、および第6の実施形態による照明装置81を2台配置し、各照明装置14、81のケーシングに代えて、これらのケーシングを一体化し、中央部に穴92Aを有するケーシング92を設けると共に、各照明装置14、81の基板に代えて、これらの基板を一体化し、中央部に穴を有する基板102を設けてもよい。
【0082】
また、図17に示す照明システム105ように、発光主軸のXY平面への正射影がX軸と平行となるように配置されたLEDを有する他の照明装置106と、上述した本発明の実施形態による照明装置(例えば第6の実施形態による照明装置81)とを組み合わせてもよい。
【0083】
(第8の実施形態)
図18ないし図20は、本発明の第8の実施形態として、本発明の照明装置とこれを回動可能に支持する支持部材とを備えた照明システムの実施形態を示している。
【0084】
上述した第1の実施形態では、照明装置14においてLED21、22、23を取り付ける基板32を、その取付面32AがXY平面(載置面11A)と平行となるように配置し、基板32をその配置のまま固定した状態で、各LED21、22、23を傾けて取り付けることによって各LED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3の角度を設定した。これに対し、本発明の第8の実施形態による照明装置131は、図18に示すように、支持アーム15に支持部材132を介して回動可能に支持され、照明装置131を図18中の矢示方向に回動させることができる。このように照明装置131を回動させることにより、照明装置131のケーシング133内に支持された基板134をXY平面に対して傾けることができる。これにより、基板134の取付面134A上に取り付けられた複数のLED135、136、137の向きを変えることができ、これらLED135、136、137の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβを設定することができる。
【0085】
すなわち、図19、図20に示すように、基板134の取付面134AをXY平面に対し平行にした状態において、各LED135、136、137の発光主軸とX軸とのなす角の大きさαは、位置決め部材138によって15度ないし75度、例えば45度に定められ、各LED135、136、137の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβは90度である。
【0086】
そして、図18に示すように、照明装置131を回動させ、基板134の取付面134AをXY平面に対して15度ないし90度、例えば45度傾けることにより、各LED135、136、137の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβを0度ないし75度、例えば45度に設定することができる。
【0087】
このように照明装置131を回動させた後、ケーシング133を支持部材132に例えばナット等を締め付けることにより固定することで、各LED135、136、137の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβを設定した大きさに維持することができる。
【0088】
なお、上述した各実施形態において、LEDの個数、LEDの配置パターン、発光主軸の向きの組み合わせ等は、観測対象物の種類、LEDの発光特性等に応じて適宜決めることができる。例えば、上述した第1の実施形態による照明装置14のように、複数のLED21、22、23をX軸に対して平行に配列しなくてもよく、また、複数のLED21、22、23を直線状に配列しなくてもよい。具体的には、図21に示す照明装置141のように複数のLED142を千鳥状に配置してもよいし、図22に示す照明装置143のように複数のLED144をランダムに配置してもよいし、図23に示す照明装置145のように複数のLED146を円弧状でもよい。
【0089】
また、上述した第1の実施形態による照明装置14のように、複数のLED21、22、23を、発光主軸L1、L2、L3が互いに平行となるように配置しなくてもよく、例えば、図24に示す照明装置147のように、発光主軸Jの向きをLED148ごとにそれぞれ変えてもよい。この場合、発光主軸JのXY平面への正射影とX軸とのなす角の大きさαをLED148ごとに変えてもよいし、発光主軸JのYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβをLED148ごとに変えてもよい。
【0090】
また、上述した第8の実施形態では、照明装置131をX軸と平行な軸線を中心にして回動させることによって各LED135、136、137の発光主軸の角度を設定する場合を例にあげたが、照明装置をY軸と平行な軸線、Z軸と平行な軸線、またはそれ以外の軸線を中心にして回動させることによって各LEDの発光主軸の角度を設定する構成としてもよい。
【0091】
また、上述した第1の実施形態では、搭載面11A上において、ウェーハ121を、回路配線122の一方の伸長方向SxがX軸に対して平行となり、回路配線122の他方の伸長方向SyがY軸に対して平行となるように載置する場合を例にあげたが、これに限らず、ウェーハ121を、回路配線122の一方の伸長方向SxがY軸に対して平行となり、回路配線122の他方の伸長方向SyがX軸に対して平行となるように載置してもよい。この場合には、ID123の向きに合わせて載置面11Aに対する照明装置14の配置を変更する。例えば、LED21、22、23の配列方向がY軸に対して平行となるように照明装置14を配置する。
【0092】
また、上述した各実施形態における観測装置13として、顕微鏡、あるいは高精度な撮影装置を有する画像解析装置を用いることができる。
【0093】
また、上述した各実施形態におけるLEDに代えて、ハロゲンランプ、ファイバー照明等の他の発光部材を用いてもよい。
【0094】
また、上述した各実施形態における観測システムの観測の対象はウェーハ121のID123に限らず、例えば製品に付された2次元マトリクスコード等でもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 観測システム
14、41、51、61、71、81、131、141、143、145、147 照明装置
21、22、23、52、53、54、73、74、83、84、135、136、137、142、144、146、148 LED
31、92、133 ケーシング
32、72、82、102、134 基板
32A、72A、82A、134A 取付面
32B 接続穴
34、42、62、75、85、138 位置決め部材
91、101、105 照明システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウェーハ、ガラス、フレキシブルプリント基板(FPC)等の観測対象物に形成された回路、識別記号(ID)、文字、パターン、異物、欠陥等を観測するために、当該観測対象物に光を照射する照明装置および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば半導体ウェーハ、ガラス、FPC等の観測対象物に形成された回路、ID、文字、パターン、異物、欠陥等の観測には、実体顕微鏡、微分干渉顕微鏡等の顕微鏡が使用される。このような顕微鏡による観測対象物の観測を行うに際し、専用の照明装置が用いられる。照明装置により、観測対象物に光を適切に照射することにより、観測対象物の像を目やカメラで適切に観測することが可能になり、観測対象物に形成された文字を読み取り、あるいは欠陥を検出することができるようになる。このような照明装置として、例えば、円形または直管形の蛍光灯照明、光源をリング状に配列したリング照明、2次元の面状に発光ダイオード(LED)を配列したバー照明等が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、専用に光学設計された専用光学系とカメラを有し、専用光学系を介して観測対象物に光を照射すると共に、カメラにより観測対象物を撮影し、撮影した観測対象物の像を画像データとして、パソコンやDSP(Digital Signal Processor)等で構成されるデータ処理装置等に入力し、専用の画像処理プログラムを動作させて、当該観測対象物に形成されたID等を認識し、あるいは欠陥を検出する画像処理装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−242002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、観測対象物としての半導体ウェーハを、顕微鏡またはカメラ等の観測装置の下方に水平に配置し、観測装置のレンズの光軸が半導体ウェーハの表面上の1点と直交するようにする。そして、照明装置を、半導体ウェーハの上方であって、観測装置のレンズの光軸から離れた位置に設置し、当該照明装置により発せられる照明光により、観測装置のレンズの光軸と半導体ウェーハの表面とが直交している点を中心とした一定の領域を、半導体ウェーハの表面に対しておよそ45度の入射角で照射させるようにする。
【0006】
このようなシステムにおいて、照明光の向きを示す直線、すなわち照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが平行である場合には、半導体ウェーハ上に形成された回路配線に照明光が十分に反射または散乱し、この結果、観測装置において回路配線が明るく映し出される。また、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが直交する場合にも、半導体ウェーハ上に形成された回路配線に照明光が十分に反射または散乱し、観測装置において回路配線が明るく映し出される。ところが、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが45度で交わる場合には、半導体ウェーハ上に形成された回路配線に照明光が十分に反射または散乱せず、観測装置において回路配線が暗く映る。
【0007】
一方、半導体ウェーハの表面にはIDが付されている。このIDは例えば製造管理のための識別記号である。上記照明光をこのIDに照射した場合、当該照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影がどのような方向を向いていても、照明光がIDに当たっていれば、照明光がIDに概ね十分に反射または散乱し、この結果、観測装置においてIDが明るく映し出される。
【0008】
したがって、半導体ウェーハの表面に付されたIDを観測装置で読み取る場合には、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが45度で交わるように、照明光の向きを設定することが望ましい。照明光の向きをこのように設定すれば、観測装置において、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の映りを暗くし、半導体ウェーハ表面に付されたIDの映りを明るくすることができ、この結果、IDのみを明るく浮き上がらせることができ、容易かつ明確にIDの読取が可能になる。
【0009】
以上の点は、上記特許文献1に示唆されているが、本発明の発明者の実験により、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが45度に限らず、およそ15度ないし75度で交わるように照明光の向きを設定した場合でも、観測装置において、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の映りを暗くし、半導体ウェーハ表面に付されたIDの映りを明るくすることができることが判明している。
【0010】
一方、上記システムにおいて、照明装置として一般的なバー照明(ライン照明)を用いた場合、次のような問題がある。
【0011】
すなわち、半導体ウェーハに付されたIDは、回路配線の伸長方向に対して平行な方向に配列されている場合が多い。一方、一般的なバー照明は、例えば複数のLEDを一方向に配列することにより形成されており、LEDの配列方向と照明光の向きとが互いに直交し、この結果、バー照明における照明光の照射領域は照明光の向きと直交する方向に長く伸長した形状となる。このため、照明光の発光主軸の半導体ウェーハ表面への正射影と、半導体ウェーハ上に形成された回路配線の伸長方向とが例えば45度で交わるようにバー照明の照明光の向きを設定すると、半導体ウェーハ上において、バー照明による照明光の照射領域が伸長する方向と、IDの配列方向とが互いに45度ずれてしまう。この結果、ID全体のうち、照明光の照射領域とIDとが互いに交差する一部の領域しか照射されず、ID全体をバー照明により一度に照射することができなくなってしまう。
【0012】
この点、バー照明においてLEDを配列する列数を増やすことにより照射領域を拡大すれば、IDの全部を一度に照射することが可能であるが、この場合には、照射領域が広くなり過ぎて不必要な領域に対しても照明光を照射してしまうため効率が悪く、照明装置の大型化、重量化、消費電力の増大などを招いてしまう。この問題は、直管形の蛍光灯を用いたバー照明またはライン照明でも生じ得る。
【0013】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、例えば半導体ウェーハ等の対象物に形成されたID、文字、異物、欠陥等の高精度な観測を容易に効率よく実現することができる照明装置および照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の第1の照明装置は、観測装置または撮影装置により対象物載置平面上の対象物の観測または撮影を行うために前記対象物に対して光を照射する照明装置であって、基板と、前記基板を支持する支持体と、前記基板の表面に配置された複数の発光部材とを備え、前記対象物載置平面に対してそれぞれ平行であって互いに直交するX軸およびY軸、並びに前記X軸と直交しかつY軸と直交するZ軸により規定される3次元空間において、前記各発光部材の発光主軸のXY平面への正射影と前記X軸とのなす角の大きさが15度以上75度以下であり、かつ前記各発光部材の発光主軸のYZ平面への正射影と前記Y軸とのなす角の大きさが0度以上75度以下であるように前記各発光部材の向きが定められていることを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第2の照明装置は、上述した本発明の第1の照明装置において、前記複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配置されていることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の第3の照明装置は、上述した本発明の第1または第2の照明装置において、前記複数の発光部材の発光主軸は互いに平行であることを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第4の照明装置は、上述した本発明の第1の照明装置において、前記複数の発光部材は、少なくとも、第1のグループに属する複数の発光部材と、第2のグループに属する複数の発光部材とからなり、前記第1のグループに属する複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配列され、前記第2のグループに属する複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配列され、前記第1のグループに属する複数の発光部材と前記第2のグループに属する複数の発光部材とは、互いの配列方向が平行となるように前記基板の表面に少なくとも2列に配置されていることを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の第5の照明装置は、上述した本発明の第1の照明装置において、前記複数の発光部材は、少なくとも、第1のグループに属する複数の発光部材と、第2のグループに属する複数の発光部材とからなり、前記第1のグループに属する複数の発光部材は、それぞれの発光主軸が互いに平行であり、前記基板の表面に直線状に配列され、前記第2のグループに属する複数の発光部材は、それぞれの発光主軸が互いに平行であり、前記基板の表面に直線状に配列され、前記第1のグループに属する複数の発光部材と前記第2のグループに属する複数の発光部材とは、互いの配列方向が一致するように前記基板の表面に1列に配置され、前記第1のグループに属する各発光部材の発光主軸と前記第2のグループに属する各発光部材の発光主軸とは相互に交わることを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の第6の照明装置は、上述した第4または第5の照明装置において、前記各発光部材を前記グループごとに点灯させる制御手段を備えていることを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の第7の照明装置は、上述した本発明の第1ないし第6のいずれかの照明装置において、前記各発光部材は、自らに電圧を印加するための一対のリードを有する発光ダイオードであり、前記基板の前記表面には、各発光部材の一対のリードをそれぞれ挿入するための一対の接続穴が設けられ、各一対の接続穴における各接続穴の開口部は前記発光主軸の前記XY平面への正射影に対して垂直な直線上に配置されていることを特徴とする。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の第8の照明装置は、上述した本発明の第1ないし第7のいずれかの照明装置において、前記基板の前記表面上には前記各発光部材の向きを定めるための位置決め部材が設けられ、当該位置決め部材を介して前記各発光部材が前記基板の前記表面上に取り付けられていることを特徴とする。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の第1の照明システムは、前記対象物に向けられた前記観測装置または前記撮影装置の光軸の両側または周囲に上述した本発明の第1ないし第8のいずれかの照明装置を複数配置することにより構成されていることを特徴とする。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の第2の照明システムは、上述した本発明の第1ないし第8のいずれかの照明装置と、前記照明装置を回動可能に支持する支持部材とを備え、前記照明装置を回動させることにより、前記3次元空間において、前記各発光部材の発光主軸のXY平面への正射影と前記X軸とのなす角の大きさが15度以上75度以下となるように、または前記各発光部材の発光主軸のYZ平面への正射影と前記Y軸とのなす角の大きさが0度以上75度以下となるように、前記各発光部材の向きを定めることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、半導体ウェーハ等の対象物に形成されたID、文字、異物、欠陥等の高精度な観測を容易に効率よく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態による照明装置を搭載した観測システムを示す斜視図である。
【図2】図1中の照明装置およびウェーハを抜き出して示す拡大斜視図である。
【図3】図1中の矢示III方向から見た観測システムを示す平面図である。
【図4】図1中の矢示IV方向から見た観測システムを示す側面図である。
【図5】ウェーハ上に形成された回路配線、ID等を示す説明図である。
【図6】図1中の照明装置を示す底面図である。
【図7】LEDおよび位置決め部材を取り外した状態の照明装置を示す底面図である。
【図8】図6中の矢示VIII−VIII方向から見た照明装置を示す断面図である。
【図9】LEDを示す正面図である。
【図10】図8と同じ位置から見た本発明の第2の実施形態による照明装置を示す断面図である。
【図11】図8と同じ位置から見た本発明の第3の実施形態による照明装置を示す断面図である。
【図12】図8と同じ位置から見た本発明の第4の実施形態による照明装置を示す断面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態による照明装置を示す底面図である。
【図14】本発明の第6の実施形態による照明装置を示す底面図である。
【図15】本発明の第7の実施形態による照明システムを示す底面図である。
【図16】本発明の第7の実施形態による照明システムの変形例を示す底面図である。
【図17】本発明の第7の実施形態による照明システムの他の変形例を示す底面図である。
【図18】本発明の第8の実施形態を示す側面図である。
【図19】本発明の第8の実施形態を示す断面図である。
【図20】本発明の第8の実施形態を示す底面図である。
【図21】本発明の実施形態におけるLEDの配置パターンの他の具体例を示す説明図である。
【図22】本発明の実施形態におけるLEDの配置パターンの他の具体例を示す説明図である。
【図23】本発明の実施形態におけるLEDの配置パターンの他の具体例を示す説明図である。
【図24】本発明の実施形態におけるLEDの配置パターンの他の具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による照明装置を搭載した観測システムを示している。図2は図1中の観測システムのうち、照明装置およびウェーハを抜き出して拡大して示している。図3は図1中の観測システムを上から見た図であり、図4は図1中の観測システムを横から見た図である。図3および図4では、説明の便宜上、観測装置を省略している。図5はウェーハ上に形成された回路配線およびウェーハの表面に付されたIDを示している。
【0028】
図1において、観測システム1は、半導体ウェーハ121の表面に付されたID(識別記号)123を読み取るシステムである。ウェーハ121上には、図5に示すように、回路配線122が形成されている。回路配線122の多くは、ウェーハ121の表面に対して平行な平面内において、互いの垂直な2つの方向SxおよびSyのうちのいずれかの方向に伸長している。また、ウェーハ121の表面には、ID(識別記号)123が付されている。ID123は例えばウェーハ121を管理するための固有の記号である。ID123を構成する各記号(「A]、「B」、「C」、…「1」、「0」、「0」)は、一般に、回路配線122に対して平行な方向に配列されており、本実施形態では、Sx方向に配列されている。
【0029】
観測システム1は、図1に示すように、基台11、支持柱12、観測装置13、照明装置14および支持アーム15を備えている。基台11は、観測対象物としてのウェーハ121を載置する台である。基台11の上面は、ウェーハ121を載置する対象物載置平面としての載置面11Aとなり、載置面11Aは水平に保たれている。
【0030】
ここで、観測システム1およびウェーハ121は、載置面11Aに対してそれぞれ平行であって互いに直交するX軸およびY軸、並びにX軸と直交しかつY軸と直交する(載置面11Aに対して垂直な)Z軸により規定される3次元空間内に存在するものとする。
【0031】
搭載面11A上において、ウェーハ121は、回路配線122の一方の伸長方向SxがX軸に対して平行となり、回路配線122の他方の伸長方向SyがY軸に対して平行となるように載置される。そして、基台11の載置面11A上に載置されたウェーハ121の表面は、XY平面に対して平行、すなわち水平である。
【0032】
支持柱12は、観測装置13および照明装置14を基台11の上方に支持するための部材であり、その基端部が基台11の後ろ側側面に固定され、先端側がZ軸方向に上向きに伸張している。観測装置13は、例えばカメラであり、基台11に載置されたウェーハ121の表面に付されたID123を撮影する。観測装置13は、内蔵された撮影レンズの光軸QがZ軸と平行となるように、下向きに支持されている。
【0033】
照明装置14は、ウェーハ121の表面に付されたID123を観測装置13により読み取るために、ウェーハ121の表面においてID123が付された部分に光(照明光)を照射する装置である。照明装置14は、基台11の後ろ側左隅部上方に配置され、支持アーム15を介して支持柱12に固定されている。
【0034】
照明装置14は、後述するように3つのLED21、22、23を有する(図6参照)。これらLED21、22、23は、照明装置14のケーシング31内に設けられた基板32の取付面32A上に、X軸に対して平行に直線状に配列されている。これらLED21、22、23から発せられる光は、図3に示すように、ケーシング31の下部の開口部からウェーハ121に向けて放たれる。そして、これらの光は、照明装置14が配置された基台11の後ろ側左隅部上方から、基台11に載置されたウェーハ121に付されたID123に向けて右斜め下向きに進む。
【0035】
また、図2に示すように、LED21、22、23から発せられる光の向きの中心軸、すなわち、LED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3はそれぞれ互いに平行である。
【0036】
そして、図3に示すように、発光主軸L1、L2、L3のXY平面への正射影Lxy1、Lxy2、Lxy3とX軸とのなす角の大きさαは、15度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度である。なお、図3中の二点鎖線AはX軸と平行な直線である。
【0037】
さらに、図4に示すように、発光主軸L1、L2、L3のYZ平面への正射影Lyz1、Lyz2、Lyz3とY軸とのなす角の大きさβは、0度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度である。なお、図4中の二点鎖線BはY軸と平行な直線である。
【0038】
図2または図3に示すように、LED21、22、23から発せられた光により、ウェーハ121の表面上には照射領域R1、R2、R3が形成される。照射領域R1、R2、R3は、ウェーハ121の表面において、LED21、22、23から発せられた光により照射されている領域である。これら照射領域R1、R2、R3を合わせた領域中には、ID123の全体が含まれている。
【0039】
支持アーム15は、照明装置14から発せられる光が基台11の載置面11A上に載置されたウェーハ121に付されたID123に当たるように、照明装置14を基台11から離間した位置において支持する部材である。支持アーム15は、X軸に対して平行でかつY軸に対して垂直となるように伸長し、その基板部が支持柱12に固定され、先端部には照明装置14が固定されている。なお、支持アーム15による照明装置14の支持機構の形態は、これに限定されず、例えば照明装置14を支持アーム15を介して基台11に直接支持してもよい。
【0040】
このような構成を有する観測システム1において、照明装置14におけるLED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3のXY平面(ウェーハ121表面)への正射影Lxy1、Lxy2、Lxy3とウェーハ121上の回路配線122の伸長方向Sxとのなす角は、図3に示すように、角度αに等しく、すなわち、15度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度である。この場合、方向Sxに伸長する回路配線122に対し、LED21、22、23から光を照射し、当該回路配線122を観測装置13により観測したとき、当該回路配線122は観測装置13において暗く映る。
【0041】
また、照明装置14におけるLED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3のXY平面への正射影Lxy1、Lxy2、Lxy3とウェーハ121上の回路配線122の伸長方向Syとのなす角は、図3に示すように、90度から角度αを引いた角度に等しく、すなわち、15度から75度までの範囲内の所定の角度、例えば45度である。この場合、方向Syに伸長する回路配線122に対し、LED21、22、23から光を照射し、当該回路配線122を観測装置13により観測したとき、当該回路配線122は観測装置13において暗く映る。
【0042】
また、照明装置14におけるLED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3のXY平面への正射影Lxy1、Lxy2、Lxy3とウェーハ121の表面に付されたID123を構成する各記号の配列方向(=Sx)とのなす角は、図3に示すように、角度αに等しく、すなわち、15度から75度までの範囲内の所定の角度、例えば45度である。この場合、ID123に対し、LED21、22、23から光を照射し、ID123を観測装置13により観測したとき、ID123は観測装置13において明るく映る。
【0043】
さらに、照明装置14から発せられた光が、基台11に載置されたウェーハ121の表面に入射する角度は、図4に示すように、角度βに等しく、すなわち、0度から75度までの範囲内の所定の角度、例えば45度である。この場合、ID123に対し、LED21、22、23から光を照射し、ID123を観測装置13により観測したとき、ID123は観測装置13において一層明るく映る。
【0044】
すなわち、回路配線122およびID123に対し、LED21、22、23から光を照射し、回路配線122およびID123を観測装置13により観測したとき、観測装置13において、回路配線122は暗く見えるのに対し、ID123は明るく見える。つまり、ID123だけが浮き上がって明瞭に観測される。
【0045】
このように、照明装置14によれば、ウェーハ121において回路配線122間に付されたID123を明るく浮き上がらせることができる。そして、上述したように、照明装置14によれば、LED21、22、23をX軸に対して平行に直線状に配置すると共に、発光主軸L1、L2、L3を互いに平行にしたことにより、X軸に対して平行に配列された記号からなるID123の全体を一度に照射することができ、ID123全体を一度に明瞭化させることができる。さらに、照明装置14によれば、照射領域R1、R2、R3がID123全体を照射するのに必要かつ十分な領域に限定されており、ID123から外れた照射不要な領域を照射しないため、照射の効率が良く、照明装置14の小型化、軽量化、消費電力の低減などを図ることができる。
【0046】
これより、観測システム1に搭載された照明装置14の構成の具体例について詳細に説明する。
【0047】
図6は照明装置14を下から見た状態を示している。図7は、LED21、22、23および位置決め部材34を取り外した状態の照明装置14を示している。図8は、図6中の矢示VIII−VIII方向から見た照明装置14の断面図である。図9はLED21を示している。
【0048】
図6に示すように、照明装置14は、複数(例えば3つ)のLED21、22、23、ケーシング31、基板32、複数(例えば3つ)の位置決め部材34により大略構成されている。
【0049】
ケーシング31は例えば樹脂材料等により箱状に形成され、支持アーム15を介して支持柱12に取り付けられた状態(図1参照)で下側が開口している。ケーシング31は、基板32をその裏面側から支持している。なお、ケーシング31は支持体の具体例である。
【0050】
基板32は、その裏面がケーシング31の上板と対向し、表面がケーシング31の開口部側に向くように、ケーシング31内に設けられている。そして、基板32は、ケーシング31の上板に、取付部材(図示せず)を介して当該上板から僅かに離間した位置に固定されている。基板32は、ガラス等の絶縁材料により形成されており、基板32の表面が取付面32Aとなっている。照明装置14が図1に示すように支持アーム15を介して支持柱12に取り付けられた状態では、基板32の取付面32Aが下向きとなり、XY平面に対して平行となる。
【0051】
基板32の取付面32Aには、図7に示すように、各LED21、22、23が有する一対のリード21C、22C、23Cをそれぞれ挿入するための一対の接続穴32Bが穿設されている。これら接続穴32Bは基板32を貫通し、内壁に導電皮膜が形成された、いわゆるビアホールになっている。また、図7中左側に位置する一対の接続穴32Bにおいて、各接続穴32Bの開口部は、LED21の発光主軸L1のXY平面への正射影Lxy1に対して垂直である直線E1上に配置されている。また、図7中中央に位置する一対の接続穴32Bにおいて、各接続穴32Bの開口部は、LED22の発光主軸L2のXY平面への正射影Lxy2に対して垂直である直線E2上に配置されている。さらに、図7中右側に位置する一対の接続穴32Bにおいて、各接続穴32Bの開口部は、LED23の発光主軸L3のXY平面への正射影Lxy3に対して垂直である直線E3上に配置されている。
【0052】
また、基板32の取付面32A上には、一対の導電ライン33が互いに平行に設けられている。各導電ライン33は、導電材料により形成されており、例えば取付面32Aに形成されたプリントパターンである。各導電ライン33において、各接続穴32B上に位置する部位には、接続穴32Bと連通する穴が形成されており、当該穴の周縁部分にはランドが形成されている。
【0053】
図6において、位置決め部材34は、LED21、22、23の向きを定めるための部材であり、基板32の取付面32A上に設けられている。位置決め部材34は、LED21、22、23の個数に応じて複数設けられている。各位置決め部材34は、樹脂等の絶縁材料により四角柱形状に形成されている。また、図8に示すように、各位置決め部材34の先端面34Aは、発光主軸L1(L2、L3)に対して垂直となるように傾斜の方向および角度が設定されている。
【0054】
また、各位置決め部材34には、LED21(22、23)のリード21C(22C、23C)を挿通するための一対の溝34Bが形成されている。図8に示すように、各溝34Bの底側内面(図8中の右側内面)は、途中で屈曲している。
【0055】
LED21、22、23は、照明装置14の光源であり、基台11に載置されたウェーハ121に付されたID123を照射する発光部材である。LED21、22、23は、図6に示すように、基板32の取付面32A上に直線状に配列されている。照明装置14が図1に示すように支持アーム15を介して支持柱12に取り付けられた状態では、LED21、22、23の配列方向がX軸に対して平行となる。
【0056】
図9に示すように、各LED21(22、23)は、LED本体21A(22A、23A)、LED本体21A(22A、23A)内に設けられたLEDチップ21B(22B、23B)、LED本体21A(22A、23A)の基端側から突出し、LEDチップ21B(22B、23B)に電圧を印加するための一対のリード21C(22C、23C)を備えている。
【0057】
そして、図8に示すように、LED本体21A(22A、23A)は位置決め部材34の先端面34A上に載置され、LED本体21A(22A、23A)の基端側の面が先端面34Aに当接している。また、各リード21C(22C、23C)の基端部から中間部にかけては、位置決め部材34の溝34B内に挿入され、溝34の底側内面の屈曲形状に沿って屈曲している。さらに、各リード21C(22C、23C)の先端部は、基板32の接続穴32に挿入され、半田付け等の手段により導電ライン33に電気的に接続され、かつ固定されている。
【0058】
このように、一対のリード21C(22C、23C)を位置決め部材34の溝34Bおよび基板32の接続穴32に装着させつつ、LED本体21A(22A、23A)の基端側面を位置決め部材34の先端面34Aに当接させることにより、LED21(22、23)の発光主軸がL1(L2、L3)に定まる。すなわち、本実施形態による照明装置14によれば、照明装置14から発せられる光(照明光)の発光主軸L1、L2、L3の高精度な設定を容易に行うことができ、製造工程の簡単化を図ることができると共に、歩留まりを良くすることができる。
【0059】
(第2の実施形態)
図10は本発明の第2の実施形態による照明装置を示している。上記第1の実施形態による照明装置14では、図8に示すように、各位置決め部材34上に、LED21(22、23)のLED本体21A(22A、23A)を載置する構成とし、各位置決め部材34をいわゆるスペーサとして機能させている。これに対し、第2の実施形態による照明装置41では、各位置決め部材42をソケットとして機能させる。
【0060】
すなわち、図10に示すように、照明装置41における各位置決め部材42は、第1の実施形態における位置決め部材34と同様に、四角柱状に形成され、傾斜した先端面42Aを有しているものの、第1の実施形態における位置決め部材34と異なり、一対の溝部に代えて一対の貫通穴42Bを有している。
【0061】
各貫通穴42Bは、位置決め部材42の先端面42Aから、基板32の取付面32Aと当接する基端面に向けて貫通しているものの途中に屈曲し、先端面42A側開口部から屈曲位置までが先端面42Aと垂直な方向に伸び、屈曲位置から基端面側開口部までが基端面と垂直な方向に伸びている。そして、各貫通穴42Bのうち、先端面42A側開口部から屈曲位置までが、LED21(22、23)のリード21C(22C、23C)を挿入するためのリード挿入穴部となり、その内壁には筒状の電極42Cが設けられている。また、各貫通穴42Bのうち、屈曲位置から基端面側開口部までがコネクタピン挿入穴部となり、コネクタピン挿入穴部にはコネクタピン42Dが挿入されている。このコネクタピン42Dはその一側端部がコネクタピン挿入穴部内において接着剤等により固定され、他側端部が位置決め部材42の基端面から突出している。また、コネクタピン42Dは電極42Cと電気的に接続されている。
【0062】
各位置決め部材42の一対のコネクタピン42Dは、基板32の一対の接続穴32Bに挿入され、一対の導電ライン33に電気的に接続されると共に、固定されている。これにより、各位置決め部材42は基板32の取付面32A上に固定されている。一方、各位置決め部材42の先端側に設けられた一対の電極42C内にはLED21(22、23)の一対のリード21C(22C、23C)が挿入され、各電極42Cと各リード21C(22C、23C)とは電気的に接続されている。各リード21C(22C、23C)は各電極42Cに対して着脱可能(押し嵌め)としてもよいし、半田付け等の手段により固定してもよい。
【0063】
このような構成を有する第2の実施形態による照明装置41によれば、LED21、22、23を位置決め部材42に対して容易に着脱することができるので、LED21、22、23の取付、取外、交換を簡単に行うことができる。
【0064】
(第3の実施形態)
図11は本発明の第3の実施形態による照明装置を示している。図11に示すように、第3の実施形態による照明装置51では、第2の実施形態による照明装置と比較して、各LED52(53、54)の一対のリード52C(53C、54C)がそれぞれ長い。このため、リード52C(53C、54C)の一部が位置決め部材42の貫通穴42Bから突出し、LED本体52A(53A、54A)が位置決め部材42の先端面42Aから離間している。
【0065】
このような構成を有する本発明の第3の実施形態による照明装置によれば、各LED52、53、54の一対のリード52C、53C、54Cにおいて、位置決め部材42の貫通穴42Bから突出した部分を曲げることにより、角度βを任意に変更することができる。これにより、各LED52、53、54の向きを変え、各LED52、53、54の発光主軸L1、L2、L3(YZ面への正射影Lyz1、Lyz2、Lyz3)を容易かつ迅速に調整することができる。
【0066】
ここで、基板32の各一対の接続穴32Bにおいて、一対の接続穴32B同士を結んだ直線E1(E2、E3)は、LED52(53、54)の発光主軸L1(L2、L3)のXY平面への正射影Lxy1に対して垂直である(図7参照)。また、各位置決め部材42の一対の貫通穴42Bの先端面42A側開口部同士を結んだ直線も、LED52(53、54)の発光主軸L1(L2、L3)のXY平面への正射影Lxy1に対して垂直である。そして、各位置決め部材42の一対の貫通穴42Bから突出した各LED52(53、54)の一対のリード52C(53C、54C)は、いずれも発光主軸L1(L2、L3)と平行に突出している。この結果、リード52C(53C、54C)を図11中の矢示Cに示す方向に容易に、すなわち無理な力を加えずに折り曲げることができる。
【0067】
したがって、基台11の載置面11A上に載置された観測対象物の形状や位置等に応じて、LED52、53、54のリード52C(53C、54C)を折り曲げることによって角度βを変更し、LED52、53、54の発光主軸L1、L2、L3を調整することができる。しかも、このような調整を観測中にその場で簡単に行うことができる。例えば、ウェーハ121の表面に付されたID123の位置が変更されても、その変更に追従してLED52、53、54の照射領域を簡単に変えることができる。
【0068】
(第4の実施形態)
図12は本発明の第4の実施形態による照明装置を示している。図12に示すように、照明装置61において、各位置決め部材62により、LED21(22、23)のリード21C(22C、23C)の先端部分だけを支持する構成としてもよい。このような構成によれば、第3の実施形態とほぼ同様に、LED21、22、23のリード21C、22C、23Cを折り曲げることにより、角度βを容易に変更することができ、発光主軸L1、L2、L3を簡単に調整することができる。
【0069】
(第5の実施形態)
図13は本発明の第5の実施形態による照明装置を示している。図13に示すように、LEDの配列を複数列にしてもよい。すなわち、第5の実施形態による照明装置71は、基板72と、基板72をその裏面側から支持するケーシング73と、基板72の取付面72Aに直線状に配列された第1のグループに属する複数のLED74と、基板72の取付面72Aに直線状に配列された第2のグループに属する複数のLED75と、LED74、75の向きを定めるための複数の位置決め部材76等を備えている。そして、第1のグループに属する複数のLED74と、第2のグループに属する複数のLED75とは、互いの配列方向が平行となるように取付面72Aに2列に配置されている。
【0070】
さらに、第1のグループに属する複数のLED74の発光主軸がそれぞれ互いに平行であり、各LED74の発光主軸のXY平面への正射影DとX軸とのなす角の大きさαが15度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であり、かつ各LED74の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβ(図13中では図示せず)が0度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であるように各LED74の向きが定められている。また、第1のグループに属する各LED74の向きと同様に、第2のグループに属する各LED75の向きが定められている。
【0071】
LED74、75を接続するために基板72に形成された複数の接続穴の配置、LED74、75の電気的接続および各位置決め部材76の構成等は、第1の実施形態による照明装置14における接続穴32Bの配置、導電ライン33を介してのLED21、22、23の電気的接続、および位置決め部材34と同様である。
【0072】
このような構成を有する本発明の第5の実施形態による照明装置71によれば、照射領域を基台11の載置面11A上において、Y軸方向に拡張することができ、ウェーハ121に付された例えば2列または3列等のID全体を一度に照射することができる。
【0073】
また、照明装置71には、各LED74、75をグループごとに点灯させる制御手段としての制御回路151を設けてもよい。制御回路151により各LED74、75をグループごとに点灯させることにより、例えば、観測対象物や撮影対象物に応じて照射範囲を変更することができる。
【0074】
(第6の実施形態)
図14は本発明の第6の実施形態による照明装置を示している。図14に示すように、第6の実施形態による照明装置81は、基板82と、基板82をその裏面側から支持するケーシング83と、基板82の取付面82Aに形成された第1の領域F1内において直線状に配列された第1のグループに属する複数のLED84と、基板82の取付面82Aに形成された第2の領域F2内において直線状に配列された第2のグループに属する複数のLED85と、LED84、85の向きを定めるための複数の位置決め部材86等を備えている。そして、第1のグループに属する複数のLED84と、第2のグループに属する複数のLED85とは、互いの配列方向が一致するように取付面82Aに1列に配置されている。
【0075】
さらに、第1のグループに属する複数のLED84の発光主軸がそれぞれ互いに平行であり、各LED84の発光主軸のXY平面への正射影GとX軸とのなす角の大きさαが15度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であり、かつ各LED84の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβ(図14では図示せず)が0度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であるように各LED84の向きが定められている。
【0076】
また、第2のグループに属する複数のLED85の発光主軸がそれぞれ互いに平行であり、各LED85の発光主軸のXY平面への正射影HとX軸とのなす角の大きさγが15度から75度まで(105度から165度まで)の範囲内の所定の大きさ、例えば45度(135度)であり、かつ各LED85の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβ(図14では図示せず)が0度から75度までの範囲内の所定の大きさ、例えば45度であり、かつ、各LED85の発光主軸が各LED84の発光主軸と互いに交わるように各LED85の向きが定められている。
【0077】
このような構成を有する本発明の第6の実施形態による照明装置81によれば、照射領域を基台11の載置面11A上において、X軸方向に拡張することができ、例えば、ウェーハ121に付されたIDがSx方向に長い場合でも、ID全体を一度に照射することができる。
【0078】
また、照明装置81には、各LED84、85をグループごとに点灯させる制御手段としての制御回路152を設けてもよい。
【0079】
(第7の実施形態)
図15は本発明の第7の実施形態による照明システムを示している。図15中の照明システム91は、観測対象物に向けられた観測装置の光軸Qの周囲に、第1の実施形態による照明装置14を4台、および第6の実施形態による照明装置81を2台配置し、各照明装置14、81のケーシングに代えて、これらのケーシングを一体化したケーシング92を設けることにより構成されている。そして、ケーシング92の中央部には穴92Aが形成されており、穴92A内に観測装置の光軸Qが配置され、穴92Aを介して観測対象物を観測装置により観測することができるようになっている。
【0080】
このような構成を有する本発明の第7の実施形態による照明システム91によれば、照射領域を基台11の載置面11A上において、X軸方向およびY軸方向に拡張することができ、例えば、ウェーハの表面の複数箇所に付された複数のIDを一度に照射することができる。また、照明システム91には、各LEDを照明装置ごとに点灯させる制御手段としての制御回路153を設けてもよい。
【0081】
図16、図17は本発明の第7の実施形態による照明システムの変形例を示している。図16に示す照明システム101のように、観測対象物に向けられた観測装置の光軸Qの周囲に、第1の実施形態による照明装置14を4台、および第6の実施形態による照明装置81を2台配置し、各照明装置14、81のケーシングに代えて、これらのケーシングを一体化し、中央部に穴92Aを有するケーシング92を設けると共に、各照明装置14、81の基板に代えて、これらの基板を一体化し、中央部に穴を有する基板102を設けてもよい。
【0082】
また、図17に示す照明システム105ように、発光主軸のXY平面への正射影がX軸と平行となるように配置されたLEDを有する他の照明装置106と、上述した本発明の実施形態による照明装置(例えば第6の実施形態による照明装置81)とを組み合わせてもよい。
【0083】
(第8の実施形態)
図18ないし図20は、本発明の第8の実施形態として、本発明の照明装置とこれを回動可能に支持する支持部材とを備えた照明システムの実施形態を示している。
【0084】
上述した第1の実施形態では、照明装置14においてLED21、22、23を取り付ける基板32を、その取付面32AがXY平面(載置面11A)と平行となるように配置し、基板32をその配置のまま固定した状態で、各LED21、22、23を傾けて取り付けることによって各LED21、22、23の発光主軸L1、L2、L3の角度を設定した。これに対し、本発明の第8の実施形態による照明装置131は、図18に示すように、支持アーム15に支持部材132を介して回動可能に支持され、照明装置131を図18中の矢示方向に回動させることができる。このように照明装置131を回動させることにより、照明装置131のケーシング133内に支持された基板134をXY平面に対して傾けることができる。これにより、基板134の取付面134A上に取り付けられた複数のLED135、136、137の向きを変えることができ、これらLED135、136、137の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβを設定することができる。
【0085】
すなわち、図19、図20に示すように、基板134の取付面134AをXY平面に対し平行にした状態において、各LED135、136、137の発光主軸とX軸とのなす角の大きさαは、位置決め部材138によって15度ないし75度、例えば45度に定められ、各LED135、136、137の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβは90度である。
【0086】
そして、図18に示すように、照明装置131を回動させ、基板134の取付面134AをXY平面に対して15度ないし90度、例えば45度傾けることにより、各LED135、136、137の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβを0度ないし75度、例えば45度に設定することができる。
【0087】
このように照明装置131を回動させた後、ケーシング133を支持部材132に例えばナット等を締め付けることにより固定することで、各LED135、136、137の発光主軸のYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβを設定した大きさに維持することができる。
【0088】
なお、上述した各実施形態において、LEDの個数、LEDの配置パターン、発光主軸の向きの組み合わせ等は、観測対象物の種類、LEDの発光特性等に応じて適宜決めることができる。例えば、上述した第1の実施形態による照明装置14のように、複数のLED21、22、23をX軸に対して平行に配列しなくてもよく、また、複数のLED21、22、23を直線状に配列しなくてもよい。具体的には、図21に示す照明装置141のように複数のLED142を千鳥状に配置してもよいし、図22に示す照明装置143のように複数のLED144をランダムに配置してもよいし、図23に示す照明装置145のように複数のLED146を円弧状でもよい。
【0089】
また、上述した第1の実施形態による照明装置14のように、複数のLED21、22、23を、発光主軸L1、L2、L3が互いに平行となるように配置しなくてもよく、例えば、図24に示す照明装置147のように、発光主軸Jの向きをLED148ごとにそれぞれ変えてもよい。この場合、発光主軸JのXY平面への正射影とX軸とのなす角の大きさαをLED148ごとに変えてもよいし、発光主軸JのYZ平面への正射影とY軸とのなす角の大きさβをLED148ごとに変えてもよい。
【0090】
また、上述した第8の実施形態では、照明装置131をX軸と平行な軸線を中心にして回動させることによって各LED135、136、137の発光主軸の角度を設定する場合を例にあげたが、照明装置をY軸と平行な軸線、Z軸と平行な軸線、またはそれ以外の軸線を中心にして回動させることによって各LEDの発光主軸の角度を設定する構成としてもよい。
【0091】
また、上述した第1の実施形態では、搭載面11A上において、ウェーハ121を、回路配線122の一方の伸長方向SxがX軸に対して平行となり、回路配線122の他方の伸長方向SyがY軸に対して平行となるように載置する場合を例にあげたが、これに限らず、ウェーハ121を、回路配線122の一方の伸長方向SxがY軸に対して平行となり、回路配線122の他方の伸長方向SyがX軸に対して平行となるように載置してもよい。この場合には、ID123の向きに合わせて載置面11Aに対する照明装置14の配置を変更する。例えば、LED21、22、23の配列方向がY軸に対して平行となるように照明装置14を配置する。
【0092】
また、上述した各実施形態における観測装置13として、顕微鏡、あるいは高精度な撮影装置を有する画像解析装置を用いることができる。
【0093】
また、上述した各実施形態におけるLEDに代えて、ハロゲンランプ、ファイバー照明等の他の発光部材を用いてもよい。
【0094】
また、上述した各実施形態における観測システムの観測の対象はウェーハ121のID123に限らず、例えば製品に付された2次元マトリクスコード等でもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 観測システム
14、41、51、61、71、81、131、141、143、145、147 照明装置
21、22、23、52、53、54、73、74、83、84、135、136、137、142、144、146、148 LED
31、92、133 ケーシング
32、72、82、102、134 基板
32A、72A、82A、134A 取付面
32B 接続穴
34、42、62、75、85、138 位置決め部材
91、101、105 照明システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測装置または撮影装置により対象物載置平面上の対象物の観測または撮影を行うために前記対象物に対して光を照射する照明装置であって、
基板と、
前記基板を支持する支持体と、
前記基板の表面に配置された複数の発光部材とを備え、
前記対象物載置平面に対してそれぞれ平行であって互いに直交するX軸およびY軸、並びに前記X軸と直交しかつY軸と直交するZ軸により規定される3次元空間において、前記各発光部材の発光主軸のXY平面への正射影と前記X軸とのなす角の大きさが15度以上75度以下であり、かつ前記各発光部材の発光主軸のYZ平面への正射影と前記Y軸とのなす角の大きさが0度以上75度以下であるように前記各発光部材の向きが定められていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記複数の発光部材の発光主軸は互いに平行であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数の発光部材は、少なくとも、第1のグループに属する複数の発光部材と、第2のグループに属する複数の発光部材とからなり、
前記第1のグループに属する複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配列され、
前記第2のグループに属する複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配列され、
前記第1のグループに属する複数の発光部材と前記第2のグループに属する複数の発光部材とは、互いの配列方向が平行となるように前記基板の表面に少なくとも2列に配置されていることを特徴とする請求項1または3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記複数の発光部材は、少なくとも、第1のグループに属する複数の発光部材と、第2のグループに属する複数の発光部材とからなり、
前記第1のグループに属する複数の発光部材は、それぞれの発光主軸が互いに平行であり、前記基板の表面に直線状に配列され、
前記第2のグループに属する複数の発光部材は、それぞれの発光主軸が互いに平行であり、前記基板の表面に直線状に配列され、
前記第1のグループに属する複数の発光部材と前記第2のグループに属する複数の発光部材とは、互いの配列方向が一致するように前記基板の表面に1列に配置され、
前記第1のグループに属する各発光部材の発光主軸と前記第2のグループに属する各発光部材の発光主軸とは相互に交わることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記各発光部材を前記グループごとに点灯させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記各発光部材は、自らに電圧を印加するための一対のリードを有する発光ダイオードであり、前記基板の前記表面には、各発光部材の一対のリードをそれぞれ挿入するための一対の接続穴が設けられ、各一対の接続穴における各接続穴の開口部は前記発光主軸の前記XY平面への正射影に対して垂直な直線上に配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の照明装置。
【請求項8】
前記基板の前記表面上には前記各発光部材の向きを定めるための位置決め部材が設けられ、当該位置決め部材を介して前記各発光部材が前記基板の前記表面上に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の照明装置。
【請求項9】
前記対象物に向けられた前記観測装置または前記撮影装置の光軸の両側または周囲に請求項1ないし8のいずれかに記載の照明装置を複数配置することにより構成された照明システム。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれかに記載の照明装置と、前記照明装置を回動可能に支持する支持部材とを備え、前記照明装置を回動させることにより、前記3次元空間において、前記各発光部材の発光主軸のXY平面への正射影と前記X軸とのなす角の大きさが15度以上75度以下となるように、または前記各発光部材の発光主軸のYZ平面への正射影と前記Y軸とのなす角の大きさが0度以上75度以下となるように、前記各発光部材の向きを定めることができることを特徴とする照明システム。
【請求項1】
観測装置または撮影装置により対象物載置平面上の対象物の観測または撮影を行うために前記対象物に対して光を照射する照明装置であって、
基板と、
前記基板を支持する支持体と、
前記基板の表面に配置された複数の発光部材とを備え、
前記対象物載置平面に対してそれぞれ平行であって互いに直交するX軸およびY軸、並びに前記X軸と直交しかつY軸と直交するZ軸により規定される3次元空間において、前記各発光部材の発光主軸のXY平面への正射影と前記X軸とのなす角の大きさが15度以上75度以下であり、かつ前記各発光部材の発光主軸のYZ平面への正射影と前記Y軸とのなす角の大きさが0度以上75度以下であるように前記各発光部材の向きが定められていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記複数の発光部材の発光主軸は互いに平行であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数の発光部材は、少なくとも、第1のグループに属する複数の発光部材と、第2のグループに属する複数の発光部材とからなり、
前記第1のグループに属する複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配列され、
前記第2のグループに属する複数の発光部材は前記基板の表面に直線状に配列され、
前記第1のグループに属する複数の発光部材と前記第2のグループに属する複数の発光部材とは、互いの配列方向が平行となるように前記基板の表面に少なくとも2列に配置されていることを特徴とする請求項1または3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記複数の発光部材は、少なくとも、第1のグループに属する複数の発光部材と、第2のグループに属する複数の発光部材とからなり、
前記第1のグループに属する複数の発光部材は、それぞれの発光主軸が互いに平行であり、前記基板の表面に直線状に配列され、
前記第2のグループに属する複数の発光部材は、それぞれの発光主軸が互いに平行であり、前記基板の表面に直線状に配列され、
前記第1のグループに属する複数の発光部材と前記第2のグループに属する複数の発光部材とは、互いの配列方向が一致するように前記基板の表面に1列に配置され、
前記第1のグループに属する各発光部材の発光主軸と前記第2のグループに属する各発光部材の発光主軸とは相互に交わることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記各発光部材を前記グループごとに点灯させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記各発光部材は、自らに電圧を印加するための一対のリードを有する発光ダイオードであり、前記基板の前記表面には、各発光部材の一対のリードをそれぞれ挿入するための一対の接続穴が設けられ、各一対の接続穴における各接続穴の開口部は前記発光主軸の前記XY平面への正射影に対して垂直な直線上に配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の照明装置。
【請求項8】
前記基板の前記表面上には前記各発光部材の向きを定めるための位置決め部材が設けられ、当該位置決め部材を介して前記各発光部材が前記基板の前記表面上に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の照明装置。
【請求項9】
前記対象物に向けられた前記観測装置または前記撮影装置の光軸の両側または周囲に請求項1ないし8のいずれかに記載の照明装置を複数配置することにより構成された照明システム。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれかに記載の照明装置と、前記照明装置を回動可能に支持する支持部材とを備え、前記照明装置を回動させることにより、前記3次元空間において、前記各発光部材の発光主軸のXY平面への正射影と前記X軸とのなす角の大きさが15度以上75度以下となるように、または前記各発光部材の発光主軸のYZ平面への正射影と前記Y軸とのなす角の大きさが0度以上75度以下となるように、前記各発光部材の向きを定めることができることを特徴とする照明システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−95070(P2011−95070A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248465(P2009−248465)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(509162388)エイチエスティ・ビジョン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(509162388)エイチエスティ・ビジョン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]