説明

照明装置及びそれを用いた部屋

【課題】 使用者が十分にリラックスしたりリフレッシュしたりできる照明を行うとと
もに、室内のコーディネートを容易に行うことができ、且つ、設置スペースが少ない照明
装置を提供すること。
【解決手段】床面30近傍から天井面31近傍まで上下方向に延びた照明装置本体11を
有し、この照明装置本体11には、内部に色温度の異なる複数の光源20が上下方向に並
んで設けられるとともに、この複数の光源20を使用目的に応じて選択的に点灯させる切
替選択手段(コントロール装置)12を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置本体の内部に配設された光源を点灯させて室内を照明し、使用者を
リフレッシュさせたりリラックスさせたりする照明装置及びそれを用いた部屋に関する発
明である。
【背景技術】
【0002】
従来、室内を照明する照明装置とてしは、図10に示すようなものが知られている。
【0003】
この照明装置1は、天井面2に設置された照明装置本体3と、室内の照度を検知する照
度センサ4と、室内の照度を設定するリモコン5とを備えている(例えば、特許文献1参
照)。
【0004】
そして、照明装置本体3の内部には、蛍光灯6及びこの蛍光灯6の光出力を調整する出
力調整手段7が設けられている。
【0005】
また、照度センサ4には、この照度センサ4により検出された照度に応じて蛍光灯6の
光出力を制御する制御信号を出力調整手段7に送信する照明制御装置8が接続されている

【0006】
この照明装置1によって室内を照明するには、まずリモコン5を介して、使用者が任意
に設定した室内の照度を、照度センサ4の照明制御装置8内の図示しない記憶部に目標照
度として記憶させる。
【0007】
次に、蛍光灯6を点灯させて室内を照明する。このとき、室内の照度は照度センサ4に
よって検出され、記憶部に記憶された目標照度と比較される。
【0008】
そして、記憶部での比較に基づいて室内の照度が目標照度と同等になるように照明制御
装置8から制御信号が送信され、出力調整手段7が蛍光灯6の光出力を調整する。これに
より、室内の照度が変化し、使用者がリラックスしたい場合やリフレッシュしたい場合等
の使用者の目的に応じた照度で室内を照明するようになっている。
【0009】
また、室内の照明を使用者の目的に応じた照明とするために、白熱色(電球色)の光源
と昼白色の光源とが交換可能に設けられた照明装置も考えられている。
【0010】
さらに、よりくつろぎ感を増加させて十分にリラックスする照明を行うために、室内の
上方を照明するスタンド型の照明と、室内の下方を照明するアッパーライト型の照明とを
組み合わせた多灯照明や部分照明も考えられている。
【特許文献1】特開2003−257678号公報(図1、段落0027〜段落0037)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上述の照明装置1では、照明装置本体3が天井面2に設置されているので、
室内のほぼ全体を照射してしまい、照度を低く設定しても室内全体が明るくなって十分に
落ち着いた照明を行うことが難しかった。
【0012】
さらに、白熱色(電球色)の光源と昼白色の光源とが交換可能に設けられた照明装置で
あっても、照明装置本体が天井面に設けられたいわゆる天井照明である。そのため、使用
者の足元を照明するような下部配光による照射を行うことができず、光源を交換してもく
つろぎ感を感じてリラックスすることが十分に行えないという問題があった。
【0013】
また、室内の上方と下方をそれぞれ照射する照明装置を組み合わせた多灯照明や部分照
明では、複数の照明装置が必要となるので、室内のコーディネートが難しくなるという問
題が発生する。
【0014】
さらに、この場合では、照明装置を必要に応じて適宜増加させていく必要があり、照明
装置に応じた新たな設置スペースが必要となって、部屋が狭くなってしまうという問題も
あった。
【0015】
そこで、この発明は、使用者が十分にリラックスしたりリフレッシュしたりできる照明
を行うとともに、室内のコーディネートを容易に行うことができ、且つ、設置スペースが
少ない照明装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、床面近傍から天井面近傍まで上
下方向に延びた照明装置本体を有し、この照明装置本体には、内部に色温度の異なる複数
の光源が上下方向に並んで設けられるとともに、この複数の光源を使用目的に応じて選択
的に点灯させる切替選択手段を備えていることを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照明装置において、複数の光源が、使用者
がリフレッシュしたい場合に点灯する高色温度の光源と、使用者がリラックスしたい場合
に点灯する低色温度の光源とを有していることを特徴としている。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の照明装置において、高色温度の光源が上側
に配設され、低色温度の光源が下側に配設されていることを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の照明装置において、高色温度の光
源が昼光または昼白色の蛍光灯であり、低色温度の光源が白熱色の蛍光灯または白熱灯で
あることを特徴としている。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれか一つに記載の照明装置において
、高色温度の光源及び低色温度の光源が、それぞれ複数設けられていることを特徴として
いる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか一つに記載の照明装置において
、照明装置本体が、床面から天井面まで延びる柱形状を呈しており、下端部が床面に接触
し且つ上端部が天井面に接触していることを特徴としている。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一つに記載の照明装置において
、照明装置本体が、壁面に設けられたコンセントの周囲を覆う囲い手段を備えていること
を特徴としている。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか一つに記載の照明装置において
、照明装置本体が、透光性を有したハウジングと、このハウジング内を前後に仕切る遮光
性を有した遮光板とを備え、複数の光源が遮光板の後方に配設されたことを特徴としてい
る。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか一つに記載の照明装置において
、照明装置本体が、複数の光源を点灯させるための電源を蓄積する蓄電手段を備えている
ことを特徴としている。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか一つに記載の照明装置におい
て、照明装置本体が、上下方向中間部に収納部が設けられたことを特徴としている。
【0026】
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれか一つに記載の照明装置にお
いて、照明装置本体が、部屋の角部にほぼ密着するように屈曲した屈曲背面部を備えてい
るとともに、室内に対向し且つ開閉自在な前面蓋部を備えていることを特徴としている。
【0027】
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれか一つに記載の照明装置にお
いて、照明装置本体が、壁面に密着する取付フランジ部を有していることを特徴としてい
る。
【0028】
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれか一つに記載の照明装置を用
いて室内照明を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0029】
このように構成された本願発明の請求項1に記載された発明によると、切替選択手段に
よって点灯する光源を適宜切り替え、使用目的に応じた色温度の照明を行うことができる
。そのため、使用者が十分にリラックスしたりリフレッシュしたりできる。
【0030】
また、照明装置本体が床面近傍から天井面近傍まで上下方向に延びるとともに、光源が
上下方向に並んで設けられているので、室内全体を明るくするだけでなく、点灯させる光
源の位置によって使用者の足元付近のみを照射することも可能となる。
【0031】
これにより落ち着いた照明を行うことができ、くつろいだ雰囲気を十分につくることが
可能となる。
【0032】
さらに、複数の照明装置が不要となり、少ない設置スペースであっても配置可能となっ
て設置スペースが大きくなることを防止できる。また、照明装置がひとつなので室内のコ
ーディネートも容易に行うことができる。
【0033】
請求項2に記載された発明によると、請求項1の効果に加え、複数の光源が使用目的に
応じた色温度の光源を備えているので、使用者に十分なリフレッシュ感やリラックス感を
感じさせることが可能となり、使用者をよりリフレッシュさせたりリラックスさせたりで
きる。
【0034】
請求項3に記載された発明によると、請求項2の効果に加え、高色温度の光源が上側に
配設されているので、リフレッシュ感を与える高色温度の光源で室内全体を照射すること
ができ、使用者をより覚醒させてリフレッシュさせることが可能となる。
【0035】
また、低色温度の光源が下側に配設されているので、リラックス感を与える低色温度の
光源で使用者の足元付近を照射することができ、より落ち着いた雰囲気を作ることができ
て、十分にリラックス感を与えることが可能となる。
【0036】
請求項4に記載された発明によると、請求項2または3の効果に加え、高色温度の光源
が及び低色温度の光源は、容易に入手することができ、製造コストを抑制することができ
る。また、複数の光源の一部が使用できなくなっても、すぐに取り替えることができる。
【0037】
請求項5に記載された発明によると、請求項2ないし4のいずれか一つの効果に加え、
高色温度の光源及び低色温度の光源が、それぞれ複数設けられているので、使用目的に応
じた適切な調光を確実に行うことが可能となる。
【0038】
請求項6に記載された発明によると、請求項1ないし5のいずれか一つの効果に加え、
照明装置本体が柱形状を呈しているので、設置スペースがより小さくなって邪魔にならな
い。
【0039】
また、上下端面がそれぞれ床面と天井面とに接触しているので、照明装置本体の内部に
塵埃が侵入することを防止できる。そのため、光源に塵埃が付着して照度が低下すること
がなくなる。
【0040】
請求項7に記載された発明によると、請求項1ないし6のいずれか一つの効果に加え、
照明装置本体がコンセントの周囲を覆う囲い手段を備えているので、この囲い手段により
コンセントに塵埃が付着することを防止できる。そのため、照明装置本体を壁面近傍に設
置した際に、コンセントが照明装置本体の裏側になって掃除しにくくなっても、コンセン
トに塵埃が付着せず、漏電等の事故が発生するおそれがなくなる。
【0041】
請求項8に記載された発明によると、請求項1ないし7のいずれか一つの効果に加え、
透光性を有したハウジングの内部を前後に仕切る遮光板の後方に光源が配設されたので、
壁面に直接照射することができるとともに、前方に向かって照射される光はハウジングを
介して前方へ回り込んだ柔らかい感じの光となる。また、前方から光源が直接見えなくな
る。これにより、いわゆる間接照明のような照明を行うことができ、特にリラックス感を
高める照明を行うことが可能となる。
【0042】
請求項9に記載された発明によると、請求項1ないし8のいずれか一つの効果に加え、
照明装置本体が蓄電手段を備えているので、コンセントがない場合であっても任意の場所
に設置することができる。また、電源コードが不要となって外観品質が向上する。
【0043】
請求項10に記載された発明によると、請求項1ないし9のいずれか一つの効果に加え
、照明装置本体の上下方向中間部に収納部が設けられたので、室内の照明だけでなく収納
機能も備えることができて、使い勝手が向上する。また、上側に配設された光源と下側に
配設された光源との間が十分に広くなり、よりリフレッシュ感やリラックス感を高めるこ
とも可能となる。
【0044】
請求項11に記載された発明によると、請求項1ないし10のいずれか一つの効果に加
え、照明装置本体の屈曲背面部を部屋の角部にほぼ密着させて配置することができる。そ
のため、照明装置本体が邪魔にならず、室内を広く使用することができる。
【0045】
また、前面パネルが開閉自在になっているので、光源の交換を容易に行うことができる
とともに、照明装置本体の内部の掃除を容易に行うことができる。
【0046】
請求項12に記載された発明によると、請求項1ないし12のいずれか一つの効果に加
え、取付フランジを壁面に密着させて照明装置本体を設置することが可能となる。これに
より、壁面と照明装置本体との間に塵埃が侵入することを防止できる。
【0047】
請求項13に記載された発明によると、使用者が十分にリフレッシュしたりリラックス
したりできる室内照明の部屋を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態の照明装置を説明
する。
【0049】
図1に示す10は照明装置であり、この照明装置10は照明装置本体11を備えている
。そして、この照明装置本体11の内部には、色温度の異なる複数の光源20が設けられ
ている。また、12は複数の光源20を選択的に点灯させる切替選択手段であるコントロ
ール装置である。
【0050】
照明装置本体11は、図6に示すように、部屋Rの床面30から天井面31まで上下方
向に沿って延びた、いわゆる柱形状を呈している。そして、照明装置本体11の下端部1
1aは床面30に気密状態で接触し、上端部11bは天井面31に気密状態で接触してい
る。
【0051】
また、この照明装置本体11は、図5に示すように、部屋Rの角部C近傍に設けられて
いる。
【0052】
そして、この照明装置本体11は、図1に示すように、透光性を有するハウジング13
と、このハウジング13内を前後方向に仕切る遮光性を有する遮光板14とを備えている

【0053】
ここで、ハウジング13は、透明なアクリル板やガラス板等によって形成されている。
なお、このハウジング13は、光源20の光を透過すれば乳白色や不透明色であってもよ
い。
【0054】
さらに、このハウジング13内の上下方向のほぼ中央部には、一対の仕切板15a、1
5bが上下に並設されている。そして、この仕切板15a、15bによって、ハウジング
13内は上方から順に第一区画13a、第二区画13b、第三区画13cに区画されてい
る。
【0055】
一方、遮光板14は、鉄板やアルミニウム板等の金属で形成されている。なお、この遮
光板14は、光源20による熱影響を受けやすいので耐熱性の高い材質であることが好ま
しい。また、この遮光板14は、ここでは第一区画13aと第三区画13cとに設けられ
ている。
【0056】
さらに、この照明装置本体11のハウジング13は、部屋Rの壁面Hに対向した背面側
に、部屋Rの角部Cにほぼ密着するように屈曲した屈曲背面部16aを備え、部屋Rの室
内に対向した前面側に、開閉自在に取り付けられた前面パネル16bを備えている。
【0057】
屈曲背面部16aは、図5に示すように、ほぼ直角に屈曲するとともに、壁面H側に向
かって突出している。そして、この屈曲背面部16aには、図5のように壁面Hに形成さ
れたコンセントKに適宜接続されるプラグ17が設けられている。
【0058】
プラグ17は、図2及び図3に示すように、屈曲背面部16aに形成されたスリット1
8の内側に摺動可能に嵌合している。そして、このプラグ17は、屈曲背面部16aに沿
って両側から突出したフランジ17a及び屈曲背面部16aをともに貫通するネジ19に
よって、屈曲背面部16aに固定されている。
【0059】
なお、このプラグ17は、ハウジング13内に配設された電線(図示せず)を介して光
源20に接続されている。
【0060】
また、スリット18は、上下方向に沿って形成されており、上下端部近傍には伸縮自在
な蛇腹状に形成された遮断板18a、18bがそれぞれ設けられている。
【0061】
そして、スリット18の上側に設けられた上側遮断板18aは、プラグ17の上面17
bにほぼ接触するまで下方に向かって伸ばされ、スリット18の下側に設けられた下側遮
断板18bは、プラグ17の下面17cにほぼ接触するまで上方に向かって伸ばされてい
る。これより、プラグ17の上下に開いたスリット18は閉成されている。
【0062】
前面パネル16bは、図1に示すように、第一区画13a〜第三区画13cのそれぞれ
に設けられている。各前面パネル16bは、側部に設けられた複数の係止爪16cがハウ
ジング13に形成された複数の凹部16dにそれぞれ係止することによって固定されてい
る。そして、この係止爪16cを凹部16dから取り外すことによって各前面パネル16
bは開閉自在となっている。
【0063】
なお、この前面パネル16bは、使用者の所望に応じて透明、乳白色、不透明等のアク
リル板、ガラス板等に変更することができる。そのため、TPOに応じた照明を行うこと
が可能となっている。
【0064】
また、第二区画13bに設けられた前面パネル16bには、開口部が形成されており、
蓋体13dが開閉自在に設けられている。
【0065】
そして、第一区画13a及び第三区画13c内には異なる色温度の光源20がそれぞれ
配設され、上下方向中間部に位置する第二区画13bはリモコン等が収納可能な収納部と
なっている。
【0066】
コントロール装置12は、光源20を点消灯させるON/OFFスイッチと、複数の光
源20を選択的に点消灯させる切替スイッチとが設けられている。また、このコントロー
ル装置12にはワイヤレスのリモコンが用いられている。
【0067】
また、照明装置本体11には、図4に示すように、受信装置12a、制御回路12b、
電源回路12cが設けられている。そして、コントロール装置12から送信されるON/
OFF切替選択信号が受信装置12aで受信されると、このON/OFF切替選択信号が
受信装置12aから制御回路12bに入力されるようになっている。この制御回路12b
は、ON/OFF切替選択信号を受けると、電源回路12cを作動制御して、光源20の
後述する第一、第二蛍光灯21a、21b及び第一〜第四白熱灯22a〜22dのうち切
替選択されたものを点灯制御するようになっている。
【0068】
図6のように光源20は、天井面31近傍の第一区画13aと、床面30近傍の第三区
画13cにそれぞれ配設されているので、上下方向に並んで位置することとなる。また、
ここでは、光源20は、遮光板14に形成された図示しない取付孔を介して、遮光板14
と前面パネル16bとの間に設けられている。
【0069】
そして、上側の第一区画13a内に配設された光源20は、高色温度である昼光または
昼白色の一対の第一蛍光灯21aと第二蛍光灯21b、ここではそれぞれ40Wの蛍光灯
である。なお、この第一、第二蛍光灯21a、21bは、左右方向に並設されている。
【0070】
また、下側の第三区画13c内に配設された光源20は、低色温度である四個の第一〜
第四白熱灯22a〜22d、ここではそれぞれいわゆるミニクリプトン電球である。なお
、この第一〜第四白熱灯22a〜22dは、上下方向に並設されている。なお、この低色
温度の光源20は、20Wの白熱色蛍光灯であってもよい。
【0071】
次に、この発明の照明装置10の作用について説明する。
【0072】
この照明装置10を使用するには、まず、コントロール装置12のON/OFFスイッ
チをONして光源20を点灯させる。このとき、第一、第二蛍光灯21a、21bがまず
点灯するようになっている。
【0073】
その後、使用者の使用目的に応じて切替選択手段であるコントロール装置12を操作し
て任意の光源20を選択的に切り替えて点消灯する。
【0074】
部屋R内を比較的明るくして、使用者がリフレッシュしたい場合には、照明装置本体1
1の上部に位置する第一区画13aに配設された第一、第二蛍光灯21a、21bを点灯
させる。
【0075】
このとき、第一、第二蛍光灯21a、21bは、図6(a)に示すように、使用者の上
方からリフレッシュ感を与える高色温度の光を照射するので、部屋Rの内部全体を明るく
照らし、使用者を十分に覚醒させてリフレッシュさせることができる。
【0076】
また、室内の明るさを比較的抑制したい場合には、コントロール装置12を操作して第
一蛍光灯21aのみを点灯させ第二蛍光灯21bを消灯する。これにより室内の明るさが
抑制され、使用者の目的に応じた照明となる。
【0077】
また、部屋R内を比較的暗くして、使用者がリフレッシュしたい場合には、コントロー
ル装置12を操作して、第一、第二蛍光灯21a、21bを消灯するとともに照明装置本
体11の下部である第三区画13cに配設された第一〜第四白熱灯22a〜22dを点灯
させる。
【0078】
このとき、第一〜第四白熱灯22a〜22dは、図6(b)に示すように、リラックス
感を与える低色温度の光で使用者の足元を照射するので、より落ち着いた雰囲気を作るこ
とができて、使用者が十分リラックスすることが可能となる。
【0079】
また、室内の明るさを比較的抑制したい場合には、コントロール装置12を操作してま
ず最も上方に位置している第一白熱灯22aを消灯する。さらに室内の明るさを抑制した
い場合には、次に上方に位置している第二白熱灯22bを消灯し、続いて第三白熱灯22
cを消灯する。
【0080】
このように、上方に位置した第一白熱灯22aから順に消灯することによって、明るさ
が徐々に低下するとともに照射される位置が低くなり、よりリラックス効果を得ることが
できる。
【0081】
さらに、高色温度の光源20及び低色温度の光源20が、それぞれ複数設けられている
ので、使用目的に応じるとともに使用者の好みに応じた適切な調光を容易に行うことがで
きる。
【0082】
なお、光源20が蛍光灯または白熱灯であるので、容易に入手することができ、製造コ
ストを抑制することができる。また、複数の光源20のうち一部が使用できなくなっても
、すぐに取り替えることができる。
【0083】
そして、この照明装置10は、照明装置本体11が部屋Rの床面30から天井面31ま
で上下方向に沿って延びた、いわゆる柱形状を呈しているので、設置スペースが少なくな
って邪魔にならない。そして、室内を広く使用することも可能となる。
【0084】
さらに、照明装置本体11の下端部11aが床面30に気密状態で接触し、上端部11
bが天井面31に気密状態で接触しているので、この照明装置本体11の内部に塵埃が侵
入することがなくなる。これにより、光源に塵埃が付着して照度が低下することを防止で
きる。
【0085】
そして、照明装置本体11のハウジング13が透光性を有しているので、光源20から
照射された光がハウジング13を介して照明装置本体11の背面側にまで回り込み、部屋
Rの壁面Hも照射することができる。
【0086】
さらに、このハウジング13が、部屋Rの角部Cにほぼ密着するように屈曲した屈曲背
面部16aを備えているので、図5に示すように、部屋Rの角部Cに配置した場合、壁面
Hと照明装置本体11との間隙がほとんどなくなり、この隙間に塵埃が入り込みにくくな
る。そのため、照明装置本体11の裏面側にコンセントが位置して掃除しにくくなっても
、コンセントに塵埃が付着せず、漏電等の事故が発生するおそれがなくなる。
【0087】
また、このように角部Cに配置することで設置スペースが少なくなり、室内を広く使う
ことができる。そして、壁面照射となるので、天井面31に設置する天井照明と比較して
より明るさを増す(照度を向上させる)ことが可能となる。
【0088】
特に、図7に示すように、照明装置本体11が壁面Hに直接取り付けられた場合では、
照明装置本体11のハウジング13が図示しないコンセントごと光源20を覆うこととな
る。そのため、ハウジング13が壁面Hに設けられたコンセントの周囲を覆う囲い手段と
なって、コンセントがハウジング13内に配設されて、塵埃の付着を確実に防止すること
ができる。
【0089】
また、ハウジング13に設けられたプラグ17が屈曲背面部16aに形成されたスリッ
ト18の内側に摺動可能に嵌合しているので、コンセントの高さに応じてプラグ17の位
置を変更できる。そのため、プラグ17をコンセントに直接接続することが可能となり、
電源コードが不要となって外観品質が向上する。
【0090】
さらに、プラグ17の上下に開いたスリット18がそれぞれ上側遮断板18aと下側遮
断板18bとによって閉成されているので、スリット18から塵埃が入り込むことが防止
され、故障等の不具合の発生を防止することができる。
【0091】
一方、ハウジング13の前面側に設けられた前面パネル13bが開閉自在となっている
ので、光源20の交換が容易に行うことができるとともに、このハウジング13内部の掃
除も容易に行うことが可能となる。
【0092】
さらに、ハウジング13の上下方向中間部に位置する第二区画13bが収納部となって
いるので、室内の照明だけでなく収納機能も備えることができて、照明装置本体11の使
い勝手が向上する。また、この第二区画13bにより、上側に位置する第一区画13aに
配設された光源20である第一、第二蛍光灯21a、21bと、下側に位置する第三区画
13cに配設された光源20である第一〜第四白熱灯22a〜22dとの間が十分に広く
なる。これにより、リフレッシュ感やリラックス感をさらに高めることも可能となる。
【0093】
以上、この発明にかかる実施の形態の一つを図面により詳述してきたが、具体的な構成
は上述の実施の形態に限らない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等はこの
発明に含まれる。
【0094】
例えば、上述の照明装置10では、照明装置本体11が柱形状を呈しているが、図8に
示すように、壁面Hに密着する取付フランジ部40を照明装置本体11に設けてもよい。
【0095】
この取付フランジ部40を壁面Hに密着させた状態でネジN等によって固定することに
より、容易に照明装置本体11の裏面側に塵埃が入り込みにくくすることができる。また
、照明装置本体11が壁面Hに直接固定するので、照明装置本体11が転倒しにくくなる

【0096】
さらに、上述の照明装置10では、コンセントを介して商用電源を使用しているが、図
示しないバッテリー等の蓄電手段を備えていてもよい。これにより、部屋R内にコンセン
トがない場合であっても任意の場所に設置することが可能となる。また、電源コードが不
要となり、外観品質も向上する。
【0097】
そして、上述の照明装置10は部屋Rの角部Cに配置されているが、これに限らず、図
9(a)に示すように、部屋Rの中央部近傍に配置してもよい。この場合、照明装置本体
11が柱のようになり、天井面31を支持することができる。
【0098】
さらに、図9(b)に示すように、部屋Rの壁面Hに複数設けてもよい。この場合、壁
面オブジェのようになり、室内の見栄えが向上する。
【0099】
また、上述の照明装置10では、光源20が遮光板14とハウジング13の前面パネル
16bとの間に設けられているが、光源20を遮光板14の後方側、つまりハウジング1
3の屈曲背面部16aと遮光板14との間に配置してもよい。
【0100】
この場合、壁面Hに直接照射することができるとともに、前方に向かって照射される光
はハウジングを介して前方へ回り込んだ柔らかい感じの光となる。また、前方から光源2
0が直接見えなくなる。これにより、いわゆる間接照明のような照明を行うことができ、
特にリラックス感を高める照明を行うことが可能となる。
【0101】
以上説明したように、この発明の照明装置10では、一つの照明装置、いわゆる一灯照
明で、使用者を十分に覚醒させてリフレッシュさせたり、落ち着いた照明によりリラック
スさせたりすることができる。
【0102】
また、複数の照明装置を使用する多灯照明や部分照明とは異なり、照明装置が一つであ
るので室内のコーディネートも容易に行うことができ、室内空間を有効に利用して整然と
した印象を与えることが可能となる。
【0103】
そして、部屋Rの角部Cに配置した場合では、設置スペースが少なくなり、室内を広く
使うことができるとともに、壁面照射となるので、天井面31に設置する天井照明と比較
してより明るさを増すことができる。
【0104】
さらに、プラグ17をコンセントに直接接続することにより、電源コードが不要となっ
て外観品質が向上する。また、壁面Hと照明装置本体11との間隙がなくなり、この隙間
に塵埃が入り込みにくくなる。
【0105】
また、第一〜第四白熱灯22a〜22dを上下方向に配列するとともに、上方に位置し
た第一白熱灯22aから順に一つずつ消灯させることにより、よりリラックス感を向上さ
て十分リラックスする照明を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】この発明にかかる照明装置を示す一部分解斜視図である。
【図2】この発明にかかる照明装置を後方から見た場合の斜視図である。
【図3】図2に示す矢印側から見た場合の背面図である。
【図4】切替選択手段と光源との接続を説明するブロック図である。
【図5】この発明にかかる照明装置の配置を示す説明図である。
【図6】(a)は、この発明にかかる照明装置で高色温度の光源を点灯させた場合を示す説明図であり、(b)は、この発明にかかる照明装置で低色温度の光源を点灯させた場合を示す説明図である。
【図7】この発明にかかる照明装置の第二実施例を示す説明図である。
【図8】この発明にかかる照明装置の第三実施例を示す説明図である。
【図9】(a)は、この発明にかかる照明装置の配置の第二例を示す説明図であり、(b)は、この発明にかかる照明装置の配置の第三例を示す説明図である。
【図10】従来の照明装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0107】
10 照明装置
11 照明装置本体
12 コントロール装置(切替選択手段)
20 光源
30 床面
31 天井面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面近傍から天井面近傍まで上下方向に延びた照明装置本体を有し、該照明装置本体に
は、内部に色温度の異なる複数の光源が上下方向に並んで設けられるとともに、該複数の
光源を使用目的に応じて選択的に点灯させる切替選択手段を備えていることを特徴とする
照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、前記複数の光源は、使用者がリフレッシュしたい
場合に点灯する高色温度の光源と、使用者がリラックスしたい場合に点灯する低色温度の
光源とを有していることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置において、前記高色温度の光源は上側に配設され、前記低色
温度の光源は下側に配設されていることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の照明装置において、前記高色温度の光源は昼光または昼白色
の蛍光灯であり、前記低色温度の光源は白熱色の蛍光灯または白熱灯であることを特徴と
する照明装置。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか一つに記載の照明装置において、前記高色温度の光源及び
前記低色温度の光源は、それぞれ複数設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一つに記載の照明装置において、前記照明装置本体は、床
面から天井面まで延びる柱形状を呈しており、下端部が前記床面に接触し且つ上端部が前
記天井面に接触していることを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一つに記載の照明装置において、前記照明装置本体は、壁
面に設けられたコンセントの周囲を覆う囲い手段を備えていることを特徴とする照明装置

【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一つに記載の照明装置において、前記照明装置本体は、透
光性を有したハウジングと、該ハウジング内を前後に仕切る遮光性を有した遮光板とを備
え、前記複数の光源は前記遮光板の後方に配設されたことを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一つに記載の照明装置において、前記照明装置本体は、前
記複数の光源を点灯させるための電源を蓄積する蓄電手段を備えていることを特徴とする
照明装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一つに記載の照明装置において、前記照明装置本体は、上
下方向中間部に収納部が設けられたことを特徴とする照明装置。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか一つに記載の照明装置において、前記照明装置本体は、
部屋の角部にほぼ密着するように屈曲した屈曲背面部を備えているとともに、室内に対向
し且つ開閉自在な前面蓋部を備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか一つに記載の照明装置において、前記照明装置本体は、
壁面に密着する取付フランジ部を有していることを特徴とする照明装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか一つに記載の照明装置を用いて室内照明を行うことを特
徴とする部屋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−85991(P2006−85991A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268754(P2004−268754)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】