説明

照明装置及びプロジェクター

【課題】ランバーシャン発光型の固体光源を有する固体光源装置を用いた場合に高輝度化することが可能であり、また、小さな射出面から光を射出することが可能であり、プロジェクター等にとって使い易く構成することが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】所定の発光領域にランバーシャン発光型の固体光源を有する固体光源装置10と、発光領域の面積と同じかそれよりも大きい面積を有する入射面及び発光領域の面積よりも小さい面積を有する射出面を有し、固体光源装置10からの光を発光領域の面積よりも小さい面積から射出する導光ロッド30とを備え、導光ロッド30は、固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が大きくなる略錐形状を有する第1テーパーロッドと、固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有する第2テーパーロッドとからなることを特徴とする照明装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及びプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、比較的大きい発光領域に複数の固体光源が二次元状に配列された構造を有する固体光源装置と、固体光源装置から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有し、固体光源装置からの光を発光領域の面積よりも小さい面積を有する射出面から射出する導光ロッド(いわゆるテーパー型導光ロッド)とを備える照明装置(後述する特許文献1の符号100参照。)が知られている。また、このような照明装置を備えるプロジェクターが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
従来の照明装置によれば、比較的大きい発光領域に複数の固体光源が二次元状に配列された構造を有する固体光源装置を備えるため、高輝度な照明装置を構成することが可能となる。また、従来の照明装置によれば、固体光源装置から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有し、固体光源装置からの光を発光領域の面積よりも小さい面積を有する射出面から射出するテーパー型導光ロッドを備えるため、小さな射出面から高輝度な光を射出することが可能となり、プロジェクター等にとって使い易い照明装置を構成することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−335183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の照明装置において、いわゆるランバーシャン発光型の固体光源(広範囲に光を射出する固体光源。詳細は後述する。図3参照。)を有する固体光源装置を用いる場合には、テーパー型導光ロッドに入射する光の多くが入射角の大きい光となるため、テーパー型導光ロッドに入射する光の多くが、テーパー型導光ロッドの内面で反射を繰り返すうちに入射面側へ向かう戻り光となって射出面に到達しなくなり(詳細は後述する。図5(a)参照。)、照明装置を高輝度化することが困難となるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、小さな射出面から高輝度な光を射出することが可能でプロジェクター等にとって使い易く、かつ、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源を有する固体光源装置を用いた場合に高輝度化することが可能な照明装置を提供することを目的とする。また、このような照明装置を備えるため、高輝度で高品質な画像を投写することが可能なプロジェクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明の照明装置は、所定の発光領域にランバーシャン発光型の固体光源を有する固体光源装置と、前記発光領域に対向し、前記発光領域の面積と同じかそれよりも大きい面積を有する入射面及び前記発光領域の面積よりも小さい面積を有する射出面を有し、前記固体光源装置からの光を前記発光領域の面積よりも小さい面積から射出する導光ロッドとを備える照明装置であって、前記導光ロッドは、前記固体光源装置側に位置し、前記固体光源装置から遠ざかるに従って断面積が大きくなる略錐形状を有する第1テーパーロッドと、前記固体光源装置側の反対側に位置し、前記固体光源装置から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有する第2テーパーロッドとからなることを特徴とする。
【0008】
このため、本発明の照明装置によれば、発光領域の面積と同じかそれよりも大きい面積を有する入射面及び発光領域の面積よりも小さい面積を有する射出面を有する導光ロッドを備えるため、従来の照明装置と同様に、小さな射出面から高輝度な光を射出することが可能となり、プロジェクター等にとって使い易い照明装置を構成することが可能となる。
【0009】
また、本発明の照明装置によれば、導光ロッドが、固体光源装置側に位置し固体光源装置から遠ざかるに従って断面積が大きくなる略錐形状を有する第1テーパーロッドと、固体光源装置側の反対側に位置し固体光源装置から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有する第2テーパーロッドとからなるため、大きな入射角(光軸に対して大きな角度)でもって導光ロッド(第1テーパーロッド)に入射した光であっても、第1テーパーロッドの内面で反射される結果、小さな入射角(光軸に対して小さい角度)でもって第2テーパーロッドに入射するようになる。このため、入射面側へ向かう戻り光となって射出面に到達しなくなる光の割合が小さくなる結果、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源を有する固体光源装置を用いた場合に高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0010】
また、本発明の照明装置によれば、導光ロッドに入射した光は導光ロッド内で多重反射されるため、導光ロッド射出面における面内光強度分布を、導光ロッド入射面における面内光強度分布よりも均一にすることが可能となる。
【0011】
[2]本発明の照明装置には、前記第2テーパーロッドは、中実型ロッドからなることが好ましい。
【0012】
このように構成することにより、第2テーパーロッドが中空型ロッドからなる場合と比較して、入射面側へ向かう戻り光となって射出面に到達しなくなる光の割合を小さくすることが可能となり、一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0013】
[3]本発明の照明装置においては、前記第1テーパーロッドは、中実型ロッドからなることが好ましい。
【0014】
[4]本発明の照明装置においては、前記第1テーパーロッドは、中空型ロッドからなることが好ましい。
【0015】
上記したように、本発明の照明装置においては、中実型ロッドからなる第1テーパーロッドも中空型ロッドからなる第1テーパーロッドもともに好適に用いることができる。
【0016】
[5]本発明の照明装置においては、前記第2テーパーロッドの側面には、可視光を反射する反射膜が形成されていることが好ましい。
【0017】
このような構成とすることにより、第2テーパーロッドの側面に対して内側から深い角度(全反射条件を満たさない角度)で入射する光をも確実に導光することが可能となる。
【0018】
[6]本発明の照明装置においては、前記固体光源装置は、前記固体光源として、前記発光領域内に二次元状に配列された複数の固体光源を有することが好ましい。
【0019】
このように複数の固体光源を有する高輝度な固体光源装置を用いることにより、一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0020】
[7]本発明の照明装置においては、前記発光領域における前記固体光源が存在しない隙間領域には、前記導光ロッドから戻ってきた可視光を前記導光ロッドに向けて反射する反射部材が形成されていることが好ましい。
【0021】
このような構成とすることにより、導光ロッドから戻ってきた可視光の一部を反射部材により反射して、再び導光ロッドに入射させることが可能となり、その結果、照明装置をより一層高輝度化することが可能となる。
【0022】
[8]本発明の照明装置においては、前記固体光源装置は、前記導光ロッドにおける前記射出面よりも大きい発光面積を有する単一の固体光源を有することが好ましい。
【0023】
このように比較的大きい単一の固体光源を有する高輝度な固体光源装置を用いることによっても一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0024】
[9]本発明の照明装置においては、前記導光ロッドの入射面には、前記導光ロッドへの入射角を小さくするための凸レンズが配設されていることが好ましい。
【0025】
このような構成とすることにより、固体光源装置からの光は凸レンズによって光軸に対して小さな角度成分を有する光とされた後に導光ロッドに入射するようになるため、入射面側へ向かう戻り光となって射出面に到達しなくなる光の割合がより小さくなる結果、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源を有する固体光源装置を用いた場合に一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0026】
[10]本発明の照明装置においては、前記固体光源装置と前記導光ロッドとの間の距離は、1mm以下であることが好ましい。
【0027】
このような構成とすることにより、固体光源装置と導光ロッドとの間の距離を十分短くして、導光ロッドにより多くの光を入射させることが可能となる。
【0028】
[11]本発明のプロジェクターは、本発明の照明装置と、前記照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置からの変調光を投写画像として投写する投写光学系とを備えることを特徴とする。
【0029】
このため、本発明のプロジェクターによれば、小さな射出面から高輝度な光を射出することが可能でプロジェクター等にとって使い易く、かつ、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源を有する固体光源装置を用いた場合に高輝度化することが可能な照明装置を備えるため、高輝度で高品質な画像を投写することが可能となる。
【0030】
[12]本発明のプロジェクターにおいては、前記導光ロッドと前記光変調装置との間に配置され、前記導光ロッドからの光をより均一にするインテグレーター光学系をさらに備えることが好ましい。
【0031】
このような構成とすることにより、導光ロッドから射出された光をより均一な光とすることが可能となり、その結果、さらに高品質な画像を投写することが可能となる。
【0032】
[13]本発明のプロジェクターにおいては、前記射出面は、前記光変調装置における画像形成領域と略相似する形状を有し、前記導光ロッドと前記光変調装置との間に配置され、前記導光ロッドからの光を前記光変調装置に伝達するリレー光学系をさらに備えることが好ましい。
【0033】
このような構成とすることにより、別途インテグレーター光学系を準備しなくても比較的簡略な構成を有するプロジェクターとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態1に係るプロジェクター1000の光学系を示す上面図。
【図2】実施形態1における固体光源装置10を説明するために示す図。
【図3】ランバーシャン発光型の固体光源を説明するために示す図。
【図4】実施形態1における導光ロッド30を説明するために示す図。
【図5】導光ロッド内における光の進行を説明するために示す図。
【図6】実施形態2における導光ロッド30及び凸レンズ70の上面図。
【図7】実施形態3に係るプロジェクター1004を説明するために示す図。
【図8】実施形態3における導光ロッド34を説明するために示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の照明装置及びプロジェクターについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0036】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るプロジェクター1000の光学系を示す平面図である。
図2は、実施形態1における固体光源装置10を説明するために示す図である。図2(a)は固体光源装置10を導光ロッド30側から見た図であり、図2(b)は固体光源装置10のA−A断面図である。
図3は、ランバーシャン発光型の固体光源を説明するために示す図である。図3(a)は蛍光層を有する固体光源の配光特性を示す模式図であり、図3(b)は蛍光層を有しない固体光源の配光特性を示す模式図である。なお、配光特性とは、光源がどのような方向に、どの程度の光量の光を射出するかについての特性をいう。
図4は、実施形態1における導光ロッド30を説明するために示す図である。図4(a)は導光ロッド30の上面図であり、図4(b)は導光ロッド30を入射面42側から見た図であり、図4(c)は導光ロッド30を射出面52側から見た図である。
【0037】
まず、実施形態1に係る照明装置100及びプロジェクター1000の構成を説明する。
【0038】
実施形態1に係るプロジェクター1000は、図1に示すように、照明装置100と、色分離導光光学系200と、光変調装置としての3つの液晶型光変調装置400R,400G,400Bと、クロスダイクロイックプリズム500と、投写光学系600とを備える。
【0039】
照明装置100は、固体光源装置10と、導光ロッド30と、コリメート光学系60と、第1レンズアレイ120と、第2レンズアレイ130と、偏光変換素子140と、重畳レンズ150とを備える。
【0040】
固体光源装置10は、図1及び図2(a)に示すように、所定の発光領域rにランバーシャン発光型の固体光源を有する固体光源装置である。固体光源装置10は、固体光源として、発光領域r内に二次元状に配列された4つの固体光源20を有し、また、発光領域rにおける固体光源20が存在しない隙間領域には、導光ロッド30から戻ってきた可視光(後述)を導光ロッド30に向けて反射する反射部材14が形成されている。
【0041】
ここで、図3を用いてランバーシャン発光型の固体光源について説明する。ランバーシャン発光型の固体光源とは、蛍光層を有する固体光源のように、ランバーシャン発光型の配光特性を有する固体光源のことをいう。ランバーシャン発光型の固体光源は、図3に示すように、蛍光層を有しない固体光源(例えば、単色光を射出する発光ダイオード)よりも広範囲に光を射出する。ランバーシャン発光型の固体光源が広範囲に光を射出するのは、蛍光層から蛍光として射出される光が指向性を有さず、また、蛍光層を通過する光が蛍光層によって散乱されるためである。
【0042】
固体光源20は、図2(b)に示すように、基台12上に配置されている。固体光源20は、発光部22、蛍光層24及び封止部材26を有する発光ダイオードであり、赤色光、緑色光及び青色光を含む白色光を射出するランバーシャン発光型の白色固体光源である。4つの固体光源20は、全て同様の構成を有する。なお、固体光源20は、上記した構成要素の他にもリード線等を有するが、図示及び説明を省略する。
【0043】
固体光源としては、例えば、青色光を射出する発光部と、青色光を赤色光及び緑色光を含む蛍光に変換して射出する蛍光層とを有する発光ダイオードを用いることができる。また、固体光源として、紫色光又は紫外光を射出する発光部と、紫色光又は紫外光を赤色光、緑色光及び青色光を含む蛍光に変換して射出する蛍光層とを有する発光ダイオードを用いることもできる。
【0044】
導光ロッド30は、図1及び図4に示すように、発光領域rに対向し、発光領域rの面積よりも大きい面積を有する入射面42及び発光領域rの面積よりも小さい面積を有する射出面52を有し、固体光源装置10からの光を発光領域rの面積よりも小さい面積から射出する。導光ロッド30は、第1テーパーロッド40と、第2テーパーロッド50とからなる。第1テーパーロッド40と第2テーパーロッド50とは、第1テーパーロッド40の第1接合面44と第2テーパーロッド50の第2接合面54とで接合されている。
固体光源装置10と導光ロッド30(入射面42)との間の距離は、0.5mmである。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、固体光源装置と導光ロッドとの間の距離は、0.5mmより短くてもよく、0.5mmより長くてもよいが、1mm以下であることが好ましい。
【0045】
第1テーパーロッド40は、固体光源装置10側に位置し、固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が大きくなる略錐形状を有する。第1テーパーロッド40は、中実型ロッドからなる。第1テーパーロッド40の側面46には、可視光を反射する反射膜(図示せず。)が形成されている。
【0046】
第2テーパーロッド50は、固体光源装置10側の反対側に位置し、固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有する。第2テーパーロッド50は、中実型ロッドからなる。第2テーパーロッド50の側面には、可視光を反射する反射膜(図示せず。)が形成されている。
【0047】
導光ロッド30に入射した光は導光ロッド30内で多重反射され、射出面52から射出される。
【0048】
コリメート光学系60は、図1に示すように、導光ロッド30からの光の拡がりを抑える第1レンズ62と、第1レンズ62からの光を略平行化する第2レンズ64とを備え、全体として、導光ロッド30からの光を略平行化する機能を有する。
第1レンズ62は、メニスカス凸レンズからなる。第2レンズ64は、両凸レンズからなる。なお、第1レンズ及び第2レンズの形状は、上記形状に限定されるものではなく、要するに、第1レンズと第2レンズとからなるコリメート光学系が、導光ロッドから射出される光を略平行化する機能を有するようになるような形状であればよい。また、コリメート光学系を構成するレンズの枚数は、1枚であってもよく、3枚以上であってもよい。
【0049】
第1レンズアレイ120は、コリメート光学系60からの光を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ122を有する。第1レンズアレイ120は、コリメート光学系60からの光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、複数の第1小レンズ122が導光ロッド30の光軸と直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。図示による説明は省略するが、第1小レンズ122の外形形状は、液晶型光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域の外形形状に関して略相似形である。
【0050】
第2レンズアレイ130は、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ122に対応する複数の第2小レンズ132を有する。第2レンズアレイ130は、重畳レンズ150とともに、第1レンズアレイ120の各第1小レンズ122の像を液晶型光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に結像させる機能を有する。第2レンズアレイ130は、複数の第2小レンズ132が導光ロッド30の光軸に直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。
【0051】
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光として射出する偏光変換素子である。
偏光変換素子140は、導光ロッド30からの光に含まれる偏光成分のうち一方の直線偏光成分をそのまま透過し、他方の直線偏光成分を照明光軸100axに垂直な方向に反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の直線偏光成分を照明光軸100axに平行な方向に反射する反射層と、反射層で反射された他方の直線偏光成分を一方の直線偏光成分に変換する位相差板とを有している。
【0052】
重畳レンズ150は、偏光変換素子140からの各部分光束を被照明領域で重畳させる。重畳レンズ150は、当該部分光束を集光して液晶型光変調装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。重畳レンズ150の光軸と照明装置100の光軸とが略一致するように、重畳レンズ150が配置されている。なお、重畳レンズ150は、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130及び重畳レンズ150は、レンズインテグレーター光学系として、導光ロッド30と光変調装置200との間に配置され、導光ロッド30からの光をより均一にするインテグレーター光学系を構成する。
なお、レンズインテグレーター光学系の代わりにインテグレーターロッドを備えるロッドインテグレーター光学系を用いることもできる。
【0053】
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210,220、反射ミラー230,240,250及びリレーレンズ260,270を備える。色分離導光光学系200は、照明装置100からの光を赤色光、緑色光及び青色光に分離し、赤色光、緑色光及び青色光のそれぞれの色光を照明対象となる液晶型光変調装置400R,400G,400Bに導光する機能を有する。
色分離導光光学系200と、液晶型光変調装置400R,400G,400Bとの間には、集光レンズ300R,300G,300Bが配置されている。
【0054】
ダイクロイックミラー210,220は、基板上に、所定の波長領域の光を反射して、他の波長領域の光を通過させる波長選択透過膜が形成されたミラーである。
ダイクロイックミラー210は、赤色光成分を反射して、緑色光及び青色光成分を通過させるダイクロイックミラーである。
ダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射して、青色光成分を通過させるダイクロイックミラーである。
反射ミラー230は、赤色光成分を反射する反射ミラーである。
反射ミラー240,250は青色光成分を反射する反射ミラーである。
【0055】
ダイクロイックミラー210で反射された赤色光は、反射ミラー230で反射され、集光レンズ300Rを通過して赤色光用の液晶型光変調装置400Rの画像形成領域に入射する。
ダイクロイックミラー210を通過した緑色光は、ダイクロイックミラー220で反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光用の液晶型光変調装置400Gの画像形成領域に入射する。
ダイクロイックミラー220を通過した青色光は、リレーレンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250、集光レンズ300Bを経て青色光用の液晶型光変調装置400Bの画像形成領域に入射する。リレーレンズ260,270及び反射ミラー240,250は、ダイクロイックミラー220を透過した青色光成分を液晶型光変調装置400Bまで導く機能を有する。
【0056】
なお、青色光の光路にこのようなリレーレンズ260,270が設けられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。実施形態1に係るプロジェクター1000においては、青色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、赤色光の光路の長さを長くして、リレーレンズ260,270及び反射ミラー240,250を赤色光の光路に用いる構成も考えられる。
【0057】
液晶型光変調装置400R,400G,400Bは、入射された色光を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、照明装置100の照明対象となる。なお、図示を省略したが、各集光レンズ300R,300G,300Bと各液晶型光変調装置400R,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が介在配置され、各液晶型光変調装置400R,400G,400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が介在配置される。これら入射側偏光板、液晶型光変調装置400R,400G,400B及び射出側偏光板によって、入射された各色光の光変調が行われる。
液晶型光変調装置400R,400G,400Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入した透過型の液晶型光変調装置であり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像信号に応じて、入射側偏光板から射出された1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。
【0058】
クロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
【0059】
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
【0060】
次に、比較例を用いて、本発明における導光ロッドを説明する。
図5は、導光ロッド内における光の進行を説明するために示す図である。図5(a)は比較例における導光ロッド30a内の光の進行の様子を模式的に表した図であり、図5(b)は実施形態1における導光ロッド30内の光の進行の様子を模式的に表した図である。図5において実線矢印で表示するのは、固体光源装置10の所定の箇所から、所定の方向に向かって射出される光の進路である。また、符号10axで表示するのは、固体光源装置10全体としての光軸である。なお、説明を簡単にするために、光の屈折等についての説明及び図示は省略する。
【0061】
比較例における導光ロッド30aは、固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有し、固体光源装置10からの光を発光領域の面積よりも小さい面積を有する射出面から射出するテーパー型導光ロッドである。導光ロッド30aに入射角の大きい光が入射すると、図5(a)に示すように、導光ロッド30aの内面で反射を繰り返すうちに入射面側へ向かう戻り光となって射出面に到達しない場合がある。
【0062】
これに対して、実施形態1における導光ロッド30においては、図5(b)に示すように、比較例と同様の角度で光が入射しても、第1テーパーロッド40の内面で反射される結果、小さな入射角でもって第2テーパーロッド50に入射するようになる。その結果、入射面42側へ向かう戻り光となって射出面52に到達しなくなる光の割合が小さくなる。
【0063】
次に、実施形態1に係る照明装置100及びプロジェクター1000の効果を説明する。
【0064】
実施形態1に係る照明装置100によれば、発光領域rの面積よりも大きい面積を有する入射面42及び発光領域rの面積よりも小さい面積を有する射出面52を有する導光ロッド30を備えるため、従来の照明装置と同様に、小さな射出面52から高輝度な光を射出することが可能となり、プロジェクター等にとって使い易い照明装置を構成することが可能となる。
【0065】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、導光ロッド30が、固体光源装置10側に位置し固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が大きくなる略錐形状を有する第1テーパーロッド40と、固体光源装置10側の反対側に位置し固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有する第2テーパーロッド50とからなるため、大きな入射角でもって導光ロッド30(第1テーパーロッド40)に入射した光であっても、第1テーパーロッド40の内面で反射される結果、小さな入射角でもって第2テーパーロッド50に入射するようになる。このため、入射面42側へ向かう戻り光となって射出面52に到達しなくなる光の割合が小さくなる結果、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源20を有する固体光源装置10を用いた場合に高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0066】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、導光ロッド30に入射した光は導光ロッド30内で多重反射されるため、導光ロッド射出面52における面内光強度分布を、導光ロッド入射面42における面内光強度分布よりも均一にすることが可能となる。
【0067】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、第2テーパーロッド50が中実型ロッドからなるため、第2テーパーロッドが中空型ロッドからなる場合と比較して、入射面42側へ向かう戻り光となって射出面52に到達しなくなる光の割合を小さくすることが可能となり、一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0068】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、第2テーパーロッド50の側面56には、可視光を反射する反射膜が形成されているため、第2テーパーロッド50の側面56に対して内側から深い角度(全反射条件を満たさない角度)で入射する光をも確実に導光することが可能となる。
【0069】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、固体光源装置10は、固体光源として、発光領域r内に二次元状に配列された複数の固体光源20を有するため、このように複数の固体光源20を有する高輝度な固体光源装置10を用いることにより、一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0070】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、隙間領域には、反射部材14が形成されているため、導光ロッド30から戻ってきた可視光の一部を反射部材14により反射して、再び導光ロッド30に入射させることが可能となり、その結果、照明装置をより一層高輝度化することが可能となる。
【0071】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、固体光源装置10と導光ロッド30との間の距離が0.5mmであるため、固体光源装置10と導光ロッド30との間の距離を十分短くして、導光ロッド30により多くの光を入射させることが可能となる。
【0072】
実施形態1に係るプロジェクター1000によれば、小さな射出面52から高輝度な光を射出することが可能でプロジェクター等にとって使い易く、かつ、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源20を有する固体光源装置10を用いた場合に高輝度化することが可能な照明装置100を備えるため、高輝度で高品質な画像を投写することが可能となる。
【0073】
また、実施形態1に係るプロジェクター1000によれば、導光ロッド30と液晶型光変調装置400R,400G,400Bとの間に配置され、導光ロッド30からの光をより均一にするインテグレーター光学系をさらに備えるため、導光ロッド30から射出された光をより均一な光とすることが可能となり、その結果、さらに高品質な画像を投写することが可能となる。
【0074】
[実施形態2]
図6は、実施形態2における導光ロッド30及び凸レンズ70の上面図である。
【0075】
実施形態2に係る照明装置102(図示せず。)は、基本的には実施形態1に係る照明装置100と同様の構成を有するが、凸レンズをさらに備える点が実施形態1に係る照明装置100とは異なる。すなわち、実施形態2に係る照明装置102においては、図6に示すように、導光ロッド30の入射面に、導光ロッド30への入射角を小さくするための凸レンズ70が配設されている。
【0076】
このように、実施形態2に係る照明装置102は、凸レンズをさらに備える点が実施形態1に係る照明装置100とは異なるが、発光領域rの面積よりも大きい面積を有する入射面42及び発光領域rの面積よりも小さい面積を有する射出面52を有する導光ロッド30を備えるため、実施形態1に係る照明装置100と同様に、小さな射出面52から高輝度な光を射出することが可能となり、プロジェクター等にとって使い易い照明装置を構成することが可能となる。
【0077】
また、実施形態2に係る照明装置102によれば、導光ロッド30が、固体光源装置10側に位置し固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が大きくなる略錐形状を有する第1テーパーロッド40と、固体光源装置10側の反対側に位置し固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有する第2テーパーロッド50とからなるため、大きな入射角でもって導光ロッド30(第1テーパーロッド40)に入射した光であっても、第1テーパーロッド40の内面で反射される結果、小さな入射角でもって第2テーパーロッド50に入射するようになる。このため、実施形態1に係る照明装置100と同様に、入射面42側へ向かう戻り光となって射出面52に到達しなくなる光の割合が小さくなる結果、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源20を有する固体光源装置10を用いた場合に高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0078】
また、実施形態2に係る照明装置102によれば、導光ロッド30の入射面42には、導光ロッド30への入射角を小さくするための凸レンズ70が配設されているため、固体光源装置10からの光は凸レンズ70によって光軸に対して小さな角度成分を有する光とされた後に導光ロッド30に入射するようになるため、入射面42側へ向かう戻り光となって射出面52に到達しなくなる光の割合がより小さくなる結果、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源20を有する固体光源装置10を用いた場合に一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0079】
なお、実施形態2に係る照明装置102は、凸レンズをさらに備える点以外の点においては実施形態1に係る照明装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明装置100が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
【0080】
[実施形態3]
図7は、実施形態3に係るプロジェクター1004を説明するために示す図である。図7(a)は実施形態3に係るプロジェクター1004の光学系を示す図であり、図7(b)は実施形態3におけるカラーホイール202の正面図である。
図8は、実施形態3における導光ロッド34を説明するために示す図である。図8(a)は導光ロッド34の上面図であり、図8(b)は導光ロッド34を入射面42側から見た図であり、図8(c)は導光ロッド34を射出面92側から見た図である。
【0081】
まず、実施形態3に係る照明装置104及びプロジェクター1004の構成を説明する。
実施形態3に係るプロジェクター1004は、図7(a)に示すように、照明装置104と、カラーホイール202と、リレー光学系700と、マイクロミラー型光変調装置410と、投写光学系610とを備える。
【0082】
照明装置104は、固体光源装置10と、導光ロッド34とを備える。
固体光源装置10は、実施形態1で説明したものと同様の構成を有するため、説明を省略する。
導光ロッド34は、図8に示すように、基本的には実施形態1における導光ロッド30と同様の構成を有するが、射出面の形状が実施形態1における導光ロッド30の場合とは異なる。すなわち、導光ロッド34は、図8(c)に示すように、マイクロミラー型光変調装置410における画像形成領域と略相似する形状(横:縦の比にして4:3の長方形形状)を有する射出面92を有する。
なお、導光ロッド34における第2テーパーロッド90は、上記の射出面92を有する点以外の点においては、実施形態1における第2テーパーロッド50と同様の構成を有する。
【0083】
固体光源装置10と導光ロッド34(入射面42)との間の距離は、0.5mmである。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、固体光源装置と導光ロッドとの間の距離は、0.5mmより短くてもよく、0.5mmより長くてもよいが、1mm以下であることが好ましい。
【0084】
カラーホイール202は、図7(a)に示すように、照明装置104の後段(導光ロッド34の直後)に配設されている。カラーホイール202は、図7(b)に示すように、回転方向に沿って区切られた4つの扇形の領域に3つの透過型のカラーフィルタ204R,204G,204B及び透光領域204Wが形成された円板状部材からなる。
【0085】
カラーフィルタ204Rは、照明装置104からの光のうち、赤の波長領域の光を透過し、他の波長領域の光を反射又は吸収することにより、赤色光成分のみを透過するものである。同様に、カラーフィルタ204G,204Bは、それぞれ、照明装置104からの光のうち、緑又は青の波長領域の光を透過し、他の波長領域の光を反射又は透過することにより、緑色光成分又は青色光成分のみを透過するものである。カラーフィルタ204R,204G,204Bとしては、例えば、誘電体多層膜や、塗料を用いて形成されたフィルタ板などを好適に用いることができる。透光領域204Wは、照明装置104からの光がそのまま通過できるようになっている。この透光領域204Wにより、投写画像中の輝度を高くすることができ、投写画像の明るさを確保することができる。
【0086】
カラーホイール202は、カラーホイール駆動装置280によって回転駆動される。カラーホイール駆動装置280は、例えば、モーターを有し、当該モーターによってカラーホイール202を回転駆動する。
【0087】
集光レンズ80は、カラーホイール202からの光の拡がりを抑え、当該光をリレー光学系700に入射させる機能を有する。集光レンズ80はメニスカス凸レンズからなる。
【0088】
リレー光学系700は、図7(a)に示すように、リレーレンズ710と、反射ミラー720と、集光レンズ730とを有し、集光レンズ80からの光をマイクロミラー型光変調装置410の画像形成領域に導く機能を有する。
【0089】
リレーレンズ710は、集光レンズ730とともに、集光レンズ80からの光を発散させずにマイクロミラー型光変調装置410の画像形成領域近傍に結像させる機能を有する。なお、リレーレンズ710は、1枚のレンズで構成されていてもよいし、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
【0090】
反射ミラー720は、照明光軸104axに対して傾斜して配置され、リレーレンズ710からの光を曲折し、マイクロミラー型光変調装置410へと導光する。これにより、プロジェクター1004をコンパクトにすることができる。
【0091】
集光レンズ730は、リレーレンズ710及び反射ミラー720からの光をマイクロミラー型光変調装置410の画像形成領域に集光させ、かつ、マイクロミラー型光変調装置410によって変調された光を投写光学系610とともに拡大投写するものである。
【0092】
マイクロミラー型光変調装置410は、リレー光学系700からの光を画像情報に応じて各画素に対応するマイクロミラーで反射することにより、画像を表す画像光を投写光学系610へと射出する機能を有する反射方向制御型光変調装置である。マイクロミラー型光変調装置410としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができる。
【0093】
マイクロミラー型光変調装置410における画像形成領域の形状は、横:縦の比にして4:3の長方形形状となっている。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、画像形成領域の形状は、例えば、16:9の長方形形状等、他の形状となっていてもよい。この場合においては、導光ロッドにおける射出面の形状も、当該画像形成領域の形状に略相似する形状である必要がある。
【0094】
マイクロミラー型光変調装置410から射出される画像光は、投写光学系610によって拡大投写され、スクリーンSCR上で画像を形成する。
【0095】
次に、実施形態3に係る照明装置104及びプロジェクター1004の効果を説明する。
【0096】
実施形態3に係る照明装置104によれば、実施形態1に係る照明装置100と同様に、発光領域rの面積よりも大きい面積を有する入射面42及び発光領域rの面積よりも小さい面積を有する射出面92を有する導光ロッド34を備えるため、小さな射出面92から高輝度な光を射出することが可能となり、プロジェクター等にとって使い易い照明装置を構成することが可能となる。
【0097】
また、実施形態3に係る照明装置104によれば、実施形態1に係る照明装置100と同様に、導光ロッド34が、固体光源装置10側に位置し固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が大きくなる略錐形状を有する第1テーパーロッド40と、固体光源装置10側の反対側に位置し固体光源装置10から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有する第2テーパーロッド90とからなるため、大きな入射角でもって導光ロッド30(第1テーパーロッド40)に入射した光であっても、第1テーパーロッド40の内面で反射される結果、小さな入射角でもって第2テーパーロッド90に入射するようになる。このため、入射面42側へ向かう戻り光となって射出面92に到達しなくなる光の割合が小さくなる結果、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源20を有する固体光源装置10を用いた場合に高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0098】
また、実施形態3に係る照明装置104によれば、実施形態1に係る照明装置100と同様に、導光ロッド34に入射した光は導光ロッド34内で多重反射されるため、導光ロッド射出面92における面内光強度分布を、導光ロッド入射面42における面内光強度分布よりも均一にすることが可能となる。
【0099】
また、実施形態3に係る照明装置104によれば、実施形態1に係る照明装置100と同様に、第2テーパーロッド90が中実型ロッドからなるため、第2テーパーロッドが中空型ロッドからなる場合と比較して、入射面42側へ向かう戻り光となって射出面92に到達しなくなる光の割合を小さくすることが可能となり、一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0100】
また、実施形態3に係る照明装置104によれば、実施形態1に係る照明装置100と同様に、第2テーパーロッド90の側面96には、可視光を反射する反射膜が形成されているため、第2テーパーロッド90の側面96に対して内側から深い角度(全反射条件を満たさない角度)で入射する光をも確実に導光することが可能となる。
【0101】
また、実施形態3に係る照明装置104によれば、実施形態1に係る照明装置100と同様に、固体光源装置10は、固体光源として、発光領域r内に二次元状に配列された複数の固体光源20を有するため、このように複数の固体光源20を有する高輝度な固体光源装置10を用いることにより、一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0102】
また、実施形態3に係る照明装置104によれば、実施形態1に係る照明装置100と同様に、隙間領域には、反射部材14が形成されているため、導光ロッド34から戻ってきた可視光の一部を反射部材14により反射して、再び導光ロッド34に入射させることが可能となり、その結果、照明装置をより一層高輝度化することが可能となる。
【0103】
また、実施形態3に係る照明装置104によれば、実施形態1に係る照明装置100と同様に、固体光源装置10と導光ロッド34との間の距離が0.5mmであるため、固体光源装置10と導光ロッド34との間の距離を十分短くして、導光ロッド34により多くの光を入射させることが可能となる。
【0104】
実施形態3に係るプロジェクター1004によれば、実施形態1に係るプロジェクター1000と同様に、小さな射出面92から高輝度な光を射出することが可能でプロジェクター等にとって使い易く、かつ、固体光源装置としてランバーシャン発光型の固体光源20を有する固体光源装置10を用いた場合に高輝度化することが可能な照明装置104を備えるため、高輝度で高品質な画像を投写することが可能となる。
【0105】
また、実施形態3に係るプロジェクター1004によれば、射出面92が、マイクロミラー型光変調装置410における画像形成領域と略相似する形状を有し、導光ロッド34とマイクロミラー型光変調装置410との間に配置され、導光ロッド34からの光をマイクロミラー型光変調装置410に伝達するリレー光学系700をさらに備えるため、別途インテグレーター光学系を準備しなくても比較的簡略な構成を有するプロジェクターとすることが可能となる。
【0106】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の様態において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0107】
(1)上記各実施形態においては、第1テーパーロッドが中実型ロッドからなるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。第1テーパーロッドが中空型ロッドからなるものであってもよい。本発明の照明装置においては、中実型ロッドからなる第1テーパーロッドも中空型ロッドからなる第1テーパーロッドもともに好適に用いることができる。
【0108】
(2)上記各実施形態においては、第2テーパーロッドが中実型ロッドからなるものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。第2テーパーロッドが中空型ロッドからなるものであってもよい。なお、第2テーパーロッドが中空型ロッドからなる場合においては、第2テーパーロッドにおける内壁面に、可視光を反射する反射膜が形成されていてもよい。
【0109】
(3)上記各実施形態においては、固体光源装置10は、固体光源として、発光領域内に二次元状に配列された複数の固体光源20を有するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、固体光源装置は、導光ロッドにおける射出面よりも大きい発光面積を有する単一の固体光源を有してもよい。このように比較的大きい単一の固体光源を有する高輝度な固体光源装置を用いることによっても一層高輝度化することが可能な照明装置となる。
【0110】
(4)上記実施形態1においては、プロジェクターが液晶型光変調装置400R,400G,400Bを備えるが、本発明はこれに限定されるものではない。プロジェクターがマイクロミラー型光変調装置を備えてもよい。また、上記実施形態3においては、プロジェクター1004がマイクロミラー型光変調装置410を備えるが、本発明はこれに限定されるものではない。プロジェクターが液晶型光変調装置を備えてもよい。
【0111】
(5)上記各実施形態においては、固体光源装置10は、4つの固体光源20を有するが、本発明はこれに限定されるものではない。固体光源装置は、例えば、3つ以下の固体光源を有してもよいし、5つ以上の固体光源を有してもよい。
【0112】
(6)上記各実施形態においては、隙間領域には、反射部材14が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、隙間領域における基台そのものが、可視光を反射する材質で構成されていてもよい。
【0113】
(7)上記実施形態1においては、透過型のプロジェクターを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、反射型のプロジェクターを用いてもよい。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶表示装置等のように光変調手段としての光変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、反射型の液晶表示装置等のように光変調手段としての光変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクターにこの発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクターと同様の効果を得ることができる。
【0114】
(8)上記各実施形態においては、各固体光源として発光ダイオードを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各固体光源として半導体レーザーを用いてもよいし、有機発光ダイオードを用いてもよい。
【0115】
(9)上記実施形態1においては、3つの液晶型光変調装置を用いたプロジェクターを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。1つ、2つ又は4つ以上の液晶型光変調装置を用いたプロジェクターにも適用可能である。
【0116】
(10)本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクターに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクターに適用する場合にも可能である。
【0117】
(11)上記各実施形態においては、本発明の照明装置をプロジェクターに適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の照明装置を他の光学機器(例えば、光ディスク装置、自動車のヘッドランプ、照明機器等。)に適用することもできる。
【符号の説明】
【0118】
10…固体光源装置、10ax…固体光源装置の光軸、12…基台、14…反射部材、20…固体光源、22…発光部、24…蛍光層、26…封止部材、30,30a,34…導光ロッド、40…第1テーパーロッド、42…入射面、44…第1接合面、46…(第1テーパーロッドの)側面、50,90…第2テーパーロッド、52,92…射出面、54,94…第2接合面、56,96…(第2テーパーロッドの)側面、60…コリメート光学系、62…第1レンズ、64…第2レンズ、70…凸レンズ、80…(照明装置の)集光レンズ、100,104…照明装置、100ax,104ax…照明光軸、120…第1レンズアレイ、122…第1小レンズ、130…第2レンズアレイ、132…第2小レンズ、140…偏光変換素子、150…重畳レンズ、200…色分離導光光学系、202…カラーホイール、204R,204G,204B…カラーフィルタ、204W…透光領域、210,220…ダイクロイックミラー、230,240,250…(色分離導光光学系の)反射ミラー、260,270…(色分離導光光学系の)リレーレンズ、280…カラーホイール駆動装置、300R,300G,300B…(色分離導光光学系の)集光レンズ、400R,400G,400B…液晶型光変調装置、410…マイクロミラー型光変調装置、500…クロスダイクロイックプリズム、600,610…投写光学系、700…リレー光学系、710…(リレー光学系の)リレーレンズ、720…(リレー光学系の)反射ミラー、730…(リレー光学系の)集光レンズ、1000,1004…プロジェクター、SCR…スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の発光領域にランバーシャン発光型の固体光源を有する固体光源装置と、
前記発光領域に対向し、前記発光領域の面積と同じかそれよりも大きい面積を有する入射面及び前記発光領域の面積よりも小さい面積を有する射出面を有し、前記固体光源装置からの光を前記発光領域の面積よりも小さい面積から射出する導光ロッドとを備える照明装置であって、
前記導光ロッドは、
前記固体光源装置側に位置し、前記固体光源装置から遠ざかるに従って断面積が大きくなる略錐形状を有する第1テーパーロッドと、
前記固体光源装置側の反対側に位置し、前記固体光源装置から遠ざかるに従って断面積が小さくなる略錐形状を有する第2テーパーロッドとからなることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記第2テーパーロッドは、中実型ロッドからなることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置において、
前記第1テーパーロッドは、中実型ロッドからなることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項2に記載の照明装置において、
前記第1テーパーロッドは、中空型ロッドからなることを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれかに記載の照明装置において、
前記第2テーパーロッドの側面には、可視光を反射する反射膜が形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の照明装置において、
前記固体光源装置は、前記固体光源として、前記発光領域内に二次元状に配列された複数の固体光源を有することを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置において、
前記発光領域における前記固体光源が存在しない隙間領域には、前記導光ロッドから戻ってきた可視光を前記導光ロッドに向けて反射する反射部材が形成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の照明装置において、
前記固体光源装置は、前記導光ロッドにおける前記射出面よりも大きい発光面積を有する単一の固体光源を有することを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の照明装置において、
前記導光ロッドの入射面には、前記導光ロッドへの入射角を小さくするための凸レンズが配設されていることを特徴とする照明装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の照明装置において、
前記固体光源装置と前記導光ロッドとの間の距離は、1mm以下であることを特徴とする照明装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の照明装置と、
前記照明装置からの照明光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置からの変調光を投写画像として投写する投写光学系とを備えることを特徴とするプロジェクター。
【請求項12】
請求項11に記載のプロジェクターにおいて、
前記導光ロッドと前記光変調装置との間に配置され、前記導光ロッドからの光をより均一にするインテグレーター光学系をさらに備えることを特徴とする照明装置。
【請求項13】
請求項11に記載のプロジェクターにおいて、
前記射出面は、前記光変調装置における画像形成領域と略相似する形状を有し、
前記導光ロッドと前記光変調装置との間に配置され、前記導光ロッドからの光を前記光変調装置に伝達するリレー光学系をさらに備えることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−154930(P2011−154930A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16401(P2010−16401)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】