説明

照明装置及び照明システム

【課題】夜時間の長短を考慮して光源を点灯させつつ、照明装置としての動作の信頼性を高めることが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】太陽光発電部21の発電量を検知する発電量検知部22を備えた電池ユニットBUと、照明ユニットLUと、蓄電池部23からの電力供給が無くなれば制御部31に電力を供給するバックアップ電源部33を備えた制御ユニットCUとを備える。制御部31は、バックアップ電源部33が起動後に記憶部32に発電量検知部22の検知結果を記憶させ、記憶部32に記憶された検知結果から夜時間を演算して、その時間の長さに応じて点灯回路部41に電力供給する時間及び電力量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及び照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽光発電を利用した街路灯などの照明装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。この種の照明装置は、太陽光発電部(太陽電池)と蓄電池とを備えており、前記太陽光発電部で発電した電力を蓄電池に充電する。そして、この蓄電池に充電された電力を電源として光源が点灯する。また、人の有無を検知する人感センサを有しており、人の存在を検知した場合に、所定の時間光源を点灯させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−236584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような照明装置では、季節によって夜時間(日照時間)が異なるため蓄電池部に充電される電力が、季節によって変化することが考えられる。このため、蓄電池部の電力量が冬季などの夜時間の長い季節においては、長時間光源を点灯させることとなり、光源を点灯させるための電力が不足する虞がある。
【0005】
そこで、例えば、太陽光発電部の発電量を検知する発電量検知部を備えて、太陽光発電部の発電量に応じて季節(夜時間)を判定する方法を考えることができる。具体的には、太陽光発電部の発電量が所定量より低くなると夜時間、発電量が所定量以上となると昼時間と判定する構成を追加し、これらの時間を記憶部に記憶させる。そして、制御部等により、予めデータテーブルとして記憶された昼時間及び夜時間のデータと照合し、現在の季節(夜時間)を判定する。そして、制御部は夜時間と判定されると光源を点灯させ、昼時間と判定されると光源を非点灯とさせて昼時間と夜時間との切替を行うようにする。
【0006】
しかしながら、例えば、昼時間で蓄電池部に充電された電力を光源が点灯される夜時間中に万が一消費されてしまうと、夜から昼への切り替えタイミング時に蓄電池部からの電力供給が無くなり、制御部への電力供給絶たれてしま。このため、その後の動作が保証されずに照明装置としての信頼性低下の虞がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、夜時間の長短を考慮して光源を点灯させつつ、照明装置としての動作の信頼性を高めることが可能な照明装置及び照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の照明装置は、太陽光を受光することで発電する太陽光発電部と、該太陽光発電部で発電した電力を蓄える蓄電池部と、前記太陽光発電部の発電量を所定値と比較して、所定値より発電量が低い時には蓄電池部より電力を供給する発電量検知部とを備えた電池ユニットと、光源と、該光源を制御する点灯回路部とを備えた照明ユニットと、前記発電量検知部の検知結果を記憶する記憶部と、前記点灯回路部に供給する電力を制御する制御部と、前記蓄電池部からの電力供給が無くなれば前記制御部に電力を供給するバックアップ電源部とを備えた制御ユニットとを備え、前記制御部は、前記バックアップ電源部が起動後に前記記憶部に前記発電量検知部の検知結果を記憶させ、前記記憶部に記憶された検知結果から夜時間を演算して、その時間の長さに応じて前記点灯回路部に電力供給する時間及び電力量を制御することを特徴とする。
【0009】
また上記構成において、人を検知する人検知部を備え、前記制御部は、前記記憶部のデータから演算した夜時間の長さに応じて、前記人検知部による人検知後に前記点灯回路部に供給する電力及びその時間を決定することが好ましい。
【0010】
また上記構成において、蓄電池部の充電量を検知する充電量検知部と、前記発電量検知部で得られる前記太陽光発電部の発電量又は前記充電量検知部で得られる前記蓄電池部の充電量を表示する表示部とを備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶されたデータから演算される夜時間であれば前記表示部に前記発電量を表示させ、前記夜時間でなければ前記表示部に前記充電量を表示させることが好ましい。
【0011】
また上記構成において、制御部は、前記表示部による発電量又は充電量の切替を前記光源の点灯状態に連動させて制御することが好ましい。
また上記構成において、人を検知する人検知部を備え、前記制御部は、前記人検知部にて人が検知された時のみ前記表示部を表示させることが好ましい。
【0012】
また上記構成において、前記制御部は、前記蓄電池部の充電量に応じて、前記表示部の光出力を調整することが好ましい。
また上記構成において、前記充電量検知部にて検知される充電量及び前記発電量検知部にて検知される発電量の少なくとも一方の情報を前記表示部に可視光通信で送信する送信部を備え、前記表示部は、前記送信部から送信された情報に基づいて充電量又は発電量を表示することが好ましい。
【0013】
また上記構成において、前記表示部は、前記光源の調光レベル、点灯の保持時間、累積点灯時間、点灯開始時刻、消灯開始時刻及び人検知回数の少なくとも1つを表示可能に構成されたことが好ましい。
【0014】
また本発明の照明システムは、上記構成の照明装置を複数備え、各照明装置間で人検知部による人検知情報の送受信が可能な通信部を備え、前記複数の照明装置の少なくとも1つの照明装置の蓄電池部の充電量が所定値以上の時は、他の照明装置からの人検知情報を受信して前記光源を点灯状態とし、前記蓄電池の充電量が所定値未満の時は、他の照明装置からの人検知情報を受信しても前記光源を非点灯状態とすることが好ましい。
【0015】
また上記構成において、前記人検知情報を受信する照明装置内で自身の蓄電池部の充電量を判断することが好ましい。
また上記構成において、前記照明装置周囲の温度を検出する温度検出部を備え、前記制御部は、前記温度検出部にて検出される温度が人の体温である場合には、前記人検知部の人検知情報の有無に関わらず前記光源を点灯させることが好ましい。
【0016】
また上記構成において、前記蓄電池部の充電量が所定値以上で連動制御する照明装置の台数は、所定値未満で連動制御する照明装置の台数より多いことが好ましい。
また上記構成において、前記通信部は、前記人検知情報の送信時に信号の中継動作を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、夜時間の長短を考慮して光源を点灯させつつ、照明装置としての動作の信頼性を高めることが可能な照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実実施形態の照明装置の概略構成を説明するための構成図である。
【図2】同上の照明装置の概略構成を説明するためのブロック図である。
【図3】同上の照明装置の動作例について説明するためのタイミングチャートである。
【図4】別例の照明装置を複数備えた照明システムの概略構成について説明するための説明図である。
【図5】同上の照明装置の概略構成を説明するためのブロック図である。
【図6】同上の照明システムの動作例について説明するためのタイミングチャートである。
【図7】(a)は別例の照明装置を複数備えた照明システムの動作例について説明するためのタイミングチャートであり、(b)〜(d)は別例の照明装置を複数備えた照明システムについて説明するための説明図である。
【図8】別例の照明装置を複数備えた照明システムの動作例について説明するためのタイミングチャートである。
【図9】別例の照明装置を複数備えた照明システムの概略構成を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明の照明装置を街路灯として具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
【0020】
図1及び図2に示すように、本実施形態の照明装置10は、基端が道路等の路面に固定される支柱部11の長手方向途中位置に照明ユニットLUの光源42を備えた道路灯として用いられるものである。支柱部11には、前記光源42のほか、先端側に電池ユニットBUの太陽光発電部21と、基端側に取り付けられる筐体部12とを備える。
【0021】
図2に示すように、太陽光発電部21は、太陽電池で構成されており、太陽光を受光することによって発電するものである。そして、太陽光発電部21は、発電した電力を発電量検知部22を介して蓄電池部23に供給することで、蓄電池部23に充電される。
【0022】
発電量検知部22は、太陽光発電部21の発電量を検知し、検知結果を制御ユニットCUの制御部31に出力している。発電量検知部22は、太陽光発電部21での発電量を予め設定した値と比較することによって昼と夜を識別して、夜のみ蓄電池から電力を出力制御する。発電量検知部22は、例えば、太陽光発電部21から蓄電池部23への電流経路に抵抗を挿入して、その抵抗の両端電圧をコンパレータICの入力端子に入れて基準電圧と比較する。コンパレータICはマイコン内蔵のA/D変換機能でも実現できる。発電量検知部22からの電力の出力制御はマイコン等でパワーMOS−FETなどのスイッチング素子のON/OFF制御で行うことができる。なお、本実施形態では、前記太陽光発電部21、発電量検知部22及び蓄電池部23で電池ユニットBUを構成する。
【0023】
制御部31は、電池ユニットBUの発電量検知部22と電気的に接続されるマイクロコンピュータ等で構成される。制御部31は、電池ユニットBUの供給する電力を発電量検知部22を介して監視して、制御部31と電気的に接続される記憶部32にその監視データを書き込む。そして制御部31は、その電力供給時間(蓄電池部が放電可能な持続時間)の過去の履歴から、後述する点灯回路部41に供給する時間や平均電力を制御する。
【0024】
また、制御部31は、前記記憶部32、計時部34及び人検知部35と電気的に接続されている。
人検知部35は、焦電型の赤外線検出素子(赤外焦動素子)で構成されている。人検知部35は、所定の検知エリアにおける人から発生する赤外線(熱)、すなわち人と人の背景との温度差を検知しており、温度差を検知することで人を検知する。そして、人検知部35は、検知エリアにおける人の検知・非検知を示す人体検知信号を生成し、この人体検知信号を制御部31に送信する。なお、人検知部35は、ドップラー効果を利用したミリ波センサや超音波センサなどで構成してもよい。
【0025】
計時部34は、前記人検知部35の人体検知信号によって計時を開始するものである。この計時部34は、計時中に人検知部35が再度人体検知を出力すると計時を再度開始する。
【0026】
また、制御部31にはバックアップ電源部33が電気的に接続される。バックアップ電源部33は、比較的容量の大きいコンデンサや電池等で構成され、電池ユニットBUからの電力供給が無くなった直後に、少なくとも制御部31が記憶部32にデータを書き込む時間だけ制御ユニットCUの電源を確保する。なお、本実施形態では、前記制御部31、記憶部32、計時部34、人検知部35及びバックアップ電源部33により制御ユニットCUを構成する。
【0027】
制御ユニットCUを構成する制御部31は、照明ユニットLUを構成する点灯回路部41と電気的に接続される。このため、制御部31を介して前記電池ユニットBUで発電された電力が照明ユニットLUに供給されるようになっている。
【0028】
点灯回路部41は、例えばLEDで構成される光源42を点滅制御や調光制御するための回路である。なお、点灯回路部41は、人に違和感を与えないように、明点灯と暗点灯(あるいは点灯と消灯)の切り替え時は、フェード動作を行っても良い。また入力電圧(蓄電池電圧など)が変動しても光源の光出力を略一定に制御するフィードフォワード制御を点灯回路部41で実現してもよい。
【0029】
なお、前記筐体部12には、その内部に前記蓄電池部23、発電量検知部22、制御ユニットCUを備えるとともに、その外面に人が視認可能な表示部Dを備える。
表示部Dは、図2に示すように、7セグメントLEDを複数備えて構成され、その発電量検出部で検出した電流値や電力値を制御部で7セグメントLED点灯信号に変換して、表示部で発電量(電流値など)の数値を表示する。本実施形態の表示部Dは、制御部31と電気的に接続されて制御部31によりダイナミック点灯方式で点灯される。
【0030】
次に、本実施形態の照明装置10の動作例(作用)について主に図2及び図3を用いて説明する。
本実施形態の照明装置10の制御部31は、太陽光発電部21での発電量を発電量検知部22を介して監視する。
【0031】
そして、太陽光発電部21にて図3に示す閾値ST以上の発電量にて発電が行われる場合、太陽光発電部21の発電された電力を蓄電池部23に蓄える。このとき、制御部31は、人検知部35にて人が検知されると、計時部34を所定時間カウントさせるとともに、計時部34によるカウントが終了するまで表示部Dを表示させる。このとき、制御部31は、前記太陽光発電部21の発電量情報を発電量検知部22を介して取得し、その発電量情報を表示部Dに表示させる。
【0032】
一方、太陽光発電部21による発電量が前記閾値ST未満の発電量になると、制御部31は、人検知部35にて人が検知されると、計時部34を所定時間カウントさせるとともに、計時部34によるカウントが終了するまで表示部Dを表示させ光源42を点灯させる。
【0033】
電池ユニットBUが電力供給を開始すると制御部31が起動して計時部34の計時を開始する。このとき、制御部31はバックアップ電源部33に前記電池ユニットBUからの電力の少なくとも一部を供給してバックアップ電源部33の充電を開始する。
【0034】
電池ユニットBUが電力供給を停止すると、制御部31の駆動電源は前記電池ユニットBUからバックアップ電源部33からの電力供給に切り替るようになっている。バックアップ電源部33が電力を供給している間に、制御部31は電池ユニットBUの供給する電力が停止したことを検知して、内部のタイマーの計時を止めてその計時時間(電力供給時間)を記憶部32に出力する。すると、記憶部32は制御部31から出力される計時時間を記憶する。
【0035】
また、記憶部32は所定の記憶エリアを確保して、過去数日間(例えば1週間)の電池ユニットBUからの電力供給時間を記憶しており、その平均時間から照明ユニットLUに供給する電力のON−DUTYを調整する。
【0036】
すなわち、夏場などの日照時間の長い時期は、太陽光発電部21から蓄電池部23に充電する電力も大きく蓄電池部23の充電量に余裕があるため、平均時間が短く(夜が短く)、ON−DUTYを比較的大きくして、照明ユニットLU(光源42)の光出力レベルを大きくする。
【0037】
一方、冬場などの日照時間の短い時期は、太陽光発電部21から蓄電池部23に充電する電力が小さく蓄電池部23の充電量に少ないため、平均時間が長く(夜が長く)、ON−DUTYを比較的短くして、光源の光出力レベルを下げる。
【0038】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)太陽光発電部21の発電量を検知する発電量検知部22を備えた電池ユニットBUと、照明ユニットLUと、蓄電池部23からの電力供給が無くなれば制御部31に電力を供給するバックアップ電源部33を備えた制御ユニットCUとを備える。制御部31は、バックアップ電源部33が起動後に記憶部32に発電量検知部22の検知結果を記憶させ、記憶部32に記憶された検知結果から夜時間を演算して、その時間の長さに応じて点灯回路部41に電力供給する時間及び電力量を制御する。このように、夜時間を演算してその時間の長さに応じて点灯回路部41(光源42)に電力供給する時間及び電力量を制御することで、季節(夜時間)に応じて適切に光源を点灯させることができる。また、夜時間中に電池ユニットBUの電力を消費してしまってもバックアップ電源部33があるため、その後も制御部31に電力供給されて照明装置10を確実に動作させることができる。
【0039】
(2)人を検知する人検知部35を備え、制御部31は、記憶部32のデータから演算した夜時間の長さに応じて、人検知部35による人検知後に前記点灯回路部41に供給する電力及びその時間を決定する。このような構成とすることで、人を検知した時のみ、点灯回路部41に電力供給をおこなうことができる。
【0040】
(3)蓄電池部23の充電量を検知する充電量検知部としての発電量検知部22と、太陽光発電部の発電量又は蓄電池部の充電量を表示する表示部Dとを備える。制御部31は、記憶部32に記憶されたデータから演算される夜時間であれば表示部Dに発電量を表示させ、夜時間でなければ表示部Dに充電量を表示させる。このような構成とすることで、発電している昼時間には発電量が表示部Dに表示させ、放電している夜時間には蓄電池部23の充電量が表示させることができる。
【0041】
(4)制御部31は、表示部Dによる発電量又は充電量の切替を光源42の点灯状態に連動させて制御する。このため、表示部Dによる切り替えタイミングを別途用意する必要がない。
【0042】
(5)制御部31は、人検知部35にて人が検知された時のみ表示部Dを表示させる。このような構成とすることで、無駄な電力消費を抑えることができる。
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0043】
・上記実施形態では、特に言及していないが、電池ユニットBUの電力出力端子(図示略)を制御ユニットCUの入力端子(図示略)及び照明ユニットLUの入力端子(図示略)に接続可能な構成としてもよい。このような構成とすることで、端子の共有化を図って利便性の向上させることができる。また、例えば単機能照明装置として、制御ユニットCUを省略した構成であっても端子の共有化を図ることで利便性の向上させることができる。
【0044】
・上記実施形態では、特に言及していないが、制御部31は、蓄電池部23の充電量に応じて、表示部Dの光出力を調整する構成としてもよい。このような構成とすることで、充電量が少ない時には表示部Dの各セグメントの表示時間を短くしたり、その光量を減らすことで夜時間の長い冬季などでも表示部Dを継続して駆動させることができる。
【0045】
・上記実施形態では、表示部Dは、光源42の調光レベル、点灯の保持時間、累積点灯時間、点灯開始時刻、消灯開始時刻及び人検知回数の少なくとも1つを表示可能に構成としてもよい。このような構成とすることで、利便性を向上させることができる。
【0046】
・上記実施形態では、表示部Dを7セグメントLEDにて構成したが、これに限らない。例えば、バー状のLEDを複数並設してレベル表示をするインジケータとして表示部Dを構成しても良い。このとき、例えば前記LEDを10個並設し、10個点灯すると充電量が最大の100%となり、1個点灯すると充電量が10%となるような構成としてもよい。また、前記7セグメントLEDで表示部Dを構成した場合にも、充電量や発電量を実際の数値で表示するのでなく、パーセント表示(割合表示)で表示してもよい。
【0047】
・上記実施形態では、表示部Dを照明装置10の筐体部12の外面に設ける構成としたが、その位置は適宜変更してもよい。例えば、照明装置10と別体の表示端末で表示する構成を採用してもよい。なお、表示端末は、専用端末や汎用性のあるPDA等で構成する方法が考えられ、表示端末及び照明装置10間は例えば可視光通信等の通信方法によって表示端末に表示する表示データ(情報)をやりとりする方法がある。なお、これらの通信方法については、例えば特開2008−206086号公報に記載の方法を利用することが可能であるため、詳細な説明を割愛する。表示端末で表示する蓄電池部23の残存量(電圧など)のデータを光源42から送信して、表示端末内の可視光通信受信部で光電変換する。その信号に基づいて表示端末に出力する。なお、スイッチなどの操作手段で、表示が必要な時のみ通信を行って表示端末に表示する構成を採用してもよい。また、表示端末から照明装置への通信手段(赤外線リモコンや電波通信など)を追加して、必要な時のみ可視光通信してもよい。
【0048】
・上記実施形態では、1つの照明装置10について言及したが、例えば複数の照明装置を備え、照明装置10間で通信を行って図4に示すような照明システムを構成してもよい。
【0049】
例えば、図5に示すように、照明装置10に通信部38を備え、人検知部35によって検知された人検知情報を他の照明装置10に送信する構成を採用してもよい。
(照明システムA)
具体的には、ある照明装置10の人検知部35によって人検知がなされると通信部38を介して他の照明装置10に人検知情報を送信する。人検知情報は、通信トラフィックを考慮して、人検知部35が出力信号を出力した時は、最初は送信するが、一度送信すると所定のマスク時間は人を検知しても送信しない方式である。ここでマスク時間は点灯保持時間の設定可能な最少時間より短い時間を設定する。例えば点灯保持時間としては、一般的に30秒から10分程度から設置場所に応じて選択するが、マスク時間は例えば10秒を選択する。なお、通信部38として無線や電力線搬送を採用する場合は電波法等の法規も考慮して決定する。前記マスク時間経過後に人検知部が出力信号を出力した時は送信する。人検知情報は図4に示すようにシステム全体の照明装置に送信する。人検知情報を送信した照明装置10が点灯保持時間内に人を検知すると、その点灯を継続して点灯保持時間の計時を再計時する。これと同時に他の照明装置10に人検知情報を送信する。
【0050】
また、図6に示すように、蓄電池部の充電量が所定値(基準電圧KV1)以上の時は、他の照明装置10からの人検知情報を受信して所定の点灯保持時間明点灯し、蓄電池部23の充電量が所定値未満の時は、他の照明装置10からの人検知情報を受信しても明点灯しない。
【0051】
(照明システムB)
本例では図5に示すようにアドレス設定部37を加えている。このアドレス設定部37は、ディップスイッチで構成される。また、本例では人検知情報(送信元の照明装置10のアドレスを付加した情報)に対応して制御する範囲が予め設定される。本例では図6に示すように、人検知した照明装置(ID4)の両隣の照明装置(ID3とID5)は連動動作を行うが、他の照明装置10(ID1、ID2、ID6、ID7)は連動動作しない。この例では連動動作の範囲は人検知した照明装置(ID4)の両隣の照明装置(ID3とID5)であるが、グループ単位で設定する方式や、直線状に照明装置10が並んでいる場合は、進行方向の照明装置10のみ(例えば、ID1→ID2の順番で人を検知した履歴情報から、次にID3が検知すればID4の照明装置)の光源42を点灯する方式でもよい。また、図6に示すように、人検知した照明装置(ID4)と連動動作する両隣の照明装置(ID3とID5)は、人検知した照明装置(ID4)以上の点灯時間を確保してもよい。
【0052】
また、例えば図7(a)(b)に示すように蓄電池の充電量が基準電圧KV1以上では、前記照明システムAと同様にシステム全体の照明装置10が連動動作するように構成させる(モードA)。そして、図7(a)(c)に示すように充電量が基準電圧KV2未満で基準電圧KV1以上では予め設定した範囲の照明装置のみが連動動作するように構成させる(モードB)。そして、図7(a)(d)に示すように充電量が基準電圧KV1未満では上記照明システムAと同様に、連動動作しない(モードC)。なお、本例ではモードAはシステム全体の照明装置10が連動動作するが、モードBで連動動作する照明装置の台数よりモードAで連動動作する照明装置10の台数が多ければ、システム全体である必要はない。
【0053】
また、図9に示したように通信範囲を広げるように中継動作を行うような構成としてもよい。予め中継する照明装置10には、送信元の照明装置10のIDと中継先の照明装置10のIDを設定して、例えば、ID6はID4からの信号を受信すればID7に中継するように設定する。中継動作を繰り返さないように、中継信号であることを示すフラグを受信した人検知情報に追加して中継動作する。
【0054】
(照明システムC)
本例では周囲の温度を検出する温度検出部36を追加した構成で、検出した温度が人間の体温近傍の場合は、人検知部35の出力信号に関わらず点灯する。これは人検知部35が焦電センサ(PIR)等で構成されていると、焦電センサが温度変化を検出するセンサであることから、人体の周囲温度が体温付近の場合に、人が存在しても検出できない課題を解決する為である。図8に示すように、温度検出部36が体温近傍(図8では、36℃〜45℃)では、人検知部35の出力に関係なく点灯すると同時に、他の照明装置10に人検知情報(体温近傍であるフラグを追加した情報)を送信する。送信元の照明装置10は温度検出部36が体温近傍の範囲では点灯を継続し、マスク時間間隔で人検知情報の送信を継続する。
【符号の説明】
【0055】
10…照明装置、22…発電量検知部、21…太陽光発電部、23…蓄電池部、31…制御部、32…記憶部、33…バックアップ電源部、35…人検知部、36…温度検出部、38…通信部(送信部)、41…点灯回路部、42…光源、D…表示部、BU…電池ユニット、CU…制御ユニット、LU…照明ユニット、ST…閾値(所定値)、KV1,KV2…基準電圧(所定値)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を受光することで発電する太陽光発電部と、該太陽光発電部で発電した電力を蓄える蓄電池部と、前記太陽光発電部の発電量を所定値と比較して、所定値より発電量が低い時には蓄電池部より電力を供給する発電量検知部とを備えた電池ユニットと、
光源と、該光源を制御する点灯回路部とを備えた照明ユニットと、
前記発電量検知部の検知結果を記憶する記憶部と、前記点灯回路部に供給する電力を制御する制御部と、前記蓄電池部からの電力供給が無くなれば前記制御部に電力を供給するバックアップ電源部とを備えた制御ユニットと
を備え、
前記制御部は、前記バックアップ電源部が起動後に前記記憶部に前記発電量検知部の検知結果を記憶させ、前記記憶部に記憶された検知結果から夜時間を演算して、その時間の長さに応じて前記点灯回路部に電力供給する時間及び電力量を制御することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1の照明装置において、
人を検知する人検知部を備え、
前記制御部は、前記記憶部のデータから演算した夜時間の長さに応じて、前記人検知部による人検知後に前記点灯回路部に供給する電力及びその時間を決定することを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置において、
前記蓄電池部の充電量を検知する充電量検知部と、前記発電量検知部で得られる前記太陽光発電部の発電量又は前記充電量検知部で得られる前記蓄電池部の充電量を表示する表示部とを備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されたデータから演算される夜時間であれば前記表示部に前記発電量を表示させ、前記夜時間でなければ前記表示部に前記充電量を表示させることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項3に記載の照明装置において、
前記制御部は、前記表示部による発電量又は充電量の切替を前記光源の点灯状態に連動させて制御することを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の照明装置において、
人を検知する人検知部を備え、
前記制御部は、前記人検知部にて人が検知された時のみ前記表示部を表示させることを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載の照明装置であって、
前記制御部は、前記蓄電池部の充電量に応じて、前記表示部の光出力を調整することを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか一項に記載の照明装置であって、
前記充電量検知部にて検知される充電量及び前記発電量検知部にて検知される発電量の少なくとも一方の情報を前記表示部に可視光通信で送信する送信部を備え、
前記表示部は、前記送信部から送信された情報に基づいて充電量又は発電量を表示することを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか一項に記載の照明装置であって、
前記表示部は、前記光源の調光レベル、点灯の保持時間、累積点灯時間、点灯開始時刻、消灯開始時刻及び人検知回数の少なくとも1つを表示可能に構成されたことを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明装置を複数備え、
各照明装置間で人検知部による人検知情報の送受信が可能な通信部を備え、
前記複数の照明装置の少なくとも1つの照明装置の蓄電池部の充電量が所定値以上の時は、他の照明装置からの人検知情報を受信して前記光源を点灯状態とし、前記蓄電池の充電量が所定値未満の時は、他の照明装置からの人検知情報を受信しても前記光源を非点灯状態とすることを特徴とする照明システム。
【請求項10】
請求項9に記載の照明システムであって、
前記人検知情報を受信する照明装置内で自身の蓄電池部の充電量を判断することを特徴とする照明システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の照明システムであって、
前記照明装置周囲の温度を検出する温度検出部を備え、
前記制御部は、前記温度検出部にて検出される温度が人の体温である場合には、前記人検知部の人検知情報の有無に関わらず前記光源を点灯させることを特徴とする照明システム。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の照明システムであって、
前記蓄電池部の充電量が所定値以上で連動制御する照明装置の台数は、所定値未満で連動制御する照明装置の台数より多いことを特徴とする照明システム。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか一項に記載の照明システムであって、
前記通信部は、前記人検知情報の送信時に信号の中継動作を行うことを特徴とする照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−55009(P2013−55009A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194120(P2011−194120)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】