説明

照明装置

【課題】発光部が水や外気の影響を受けにくい構造で、かつ機器の標準化が容易である照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の照明装置10は、発光部ケース11に隣接して端子箱20が設けられている。照明装置10と端子箱20との間は防水構造となっている。電源部50から延設された外部ケーブル32は、ケーブルグランド31から端子箱20内に導入され、端子箱20に設けられた端子台23を介してランプ12の内部配線に接続される。発光部ケース11と端子箱20との間の開口部は、発光部ケース11への外気の流入を防ぐように塞がれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルで電力供給を受けて発光する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば空港で航空機を滑走路に誘導する誘導灯システムにおける閃光灯のように、屋外で使用される施設用の照明装置が広く知られている。このような照明装置では、比較的長いケーブル配線を取り回してランプを備えた発光部と電源部との間を接続している。
【0003】
発光部と電源部(又は商用電源)とを接続する配線構成は、例えば特許文献1又は特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−093677号公報
【特許文献2】特開平06−165344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2には、屋外設置を考慮した構成は開示されていないため、照明装置の発光部が屋外での使用に伴う雨等による水や外気の影響を受けやすい。そのため、特許文献1,2に開示された技術を屋外用機器にそのまま適用すると、部品の劣化や故障が起こりやすくなるという問題点がある。
【0006】
また、屋外用機器では現地のレイアウト計画に合わせてケーブルの長さが指定されることが多いため、機器の標準化を図ることが困難である。これにより、コストアップとなったり製造リードタイムが増大したりするといった問題点もある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、発光部が水や外気の影響を受けにくい構造で、かつ機器の標準化が容易である照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る照明装置は、
電力供給用の内部電線を備えた発光体と、
前記発光体を収容する第1の筐体と、
前記内部電線と接続されているとともに、対応する複数の外部電線と電気的に接続可能な所定数の端子を備えた端子接続部と、
前記筐体に隣接するように配置され、前記端子接続部の少なくとも前記外部電線に接続される側の前記端子を収容する第2の筐体と、
前記第2の筐体に設けられ、前記外部電線を前記端子接続部へ導く導入部材と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体との間に配置された防水部材と、を備えた、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部電線を第2の筐体の内部で端子接続するように構成したため、発光部が水や外気の影響を受けにくい構造で、かつ機器の標準化が容易である照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る照明装置を示す外観図である。
【図2】端子箱本体の発光部ケースに対する固定部の詳細を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の照明装置10は、発光部ケース11と、ランプ12と、透明板13と、端子箱20と、ケーブルグランド31と、外部ケーブル32と、電源部50と、を備えている。なお、本実施形態の照明装置10は、例えば屋外に設置される航空機用の閃光灯である。
【0013】
照明装置10における第1の筐体である発光部ケース11は、図1に破線で示す凹部内にランプ12と透明板13とを収容している。凹部の表面は反射率の高い鏡面となっている。
【0014】
ランプ12は、外部からの電力供給を受けて発光する装置である。本実施形態におけるランプ12は制御装置(図示せず)の指示に従って所定の時間及び間隔で閃光として発光可能なキセノンランプである。
【0015】
透明板13は、例えばガラス等の透明材料から形成された部材であり、ランプ12からの光を透過することで照明装置10全体として図1の左側に発光可能としている。なお、発光部ケース11は、透明板13の収容部において防水構造となっている。
【0016】
照明装置10における第2の筐体である端子箱20は、発光部ケース11の1面に取り付けられている。端子箱20は、発光部ケース11に固定された端子箱本体21と、例えばネジ等で外部から着脱自在となるように端子箱本体21に固定された蓋22と、を備えている。端子箱本体21と蓋22との間は例えばパッキン(図示せず)が介在する等の手法により防水性が保持されている。端子箱20の形状及び大きさ等は、例えば発光部ケース11の大きさといった諸条件に合わせて配線作業が容易となるように適宜定められている。
【0017】
ケーブルグランド31は、図1では端子箱本体21の底面に取り付けられており、電源部50に接続された電力供給用の外部ケーブル32を端子箱20内に導くものである。なお、本実施形態のケーブルグランド31は防水タイプであり、ケーブルグランド31と端子箱本体21との間、及びケーブルグランド31と外部ケーブル32との間は、それぞれ公知の手法で防水性が保持されるようになっている。
【0018】
外部ケーブル32は、電源部50からの電力及び信号を供給するためのケーブルである。本実施形態における外部ケーブル32は、電気的仕様及び環境等の条件により任意に選択することが可能である。
【0019】
電源部50は、図示しない制御部からの指令により、ランプ12に例えばDC(直流)2,000Vの高電圧を印加する。なお、電源部50から電圧が印加されることにより、ランプ12はカメラのストロボの様にフラッシュし、例えば1分間に120回の点滅を繰返す。また、ランプ12の点滅のために電源部50からタイミング信号(トリガー信号)が供給されるが、本明細書では制御回路の詳細についての説明は省略する。
【0020】
次に、端子箱本体21の発光部ケース11に対する固定部の詳細を図2に示す。図2において、発光部ケース11、端子箱本体21及びパッキン24は図示の便宜上断面表示している。
【0021】
図2に示すように、端子箱本体21は、例えばゴム製のパッキン24を介して締結部材25により発光部ケース11に固定されている。このパッキン24により、発光部ケース11と端子箱本体21との間には防水性が保持されている。
【0022】
図2に示す範囲で発光部ケース11、端子箱本体21及びパッキン24にはそれぞれ貫通孔が形成されており、これにより発光部ケース11と端子箱20とは内部で連通している。本実施形態の例では、この貫通孔に端子箱20の側から端子台23が挿入されており、端子箱本体21に対してネジ等の締結部材(図示せず)で固定されている。端子台23は所謂貫通端子台と呼ばれるタイプの端子台であり、図2の如く配置されることで発光部ケース11側及び端子箱20側のそれぞれに所定数の金属製の端子が露出するようになっている。なお、図示されていないが、例えばパッキン等を使用して貫通部の気密性を高めるような構造としてもよい。
【0023】
上述のように配置された端子台23の一方の端子には、ケーブルグランド31に導かれた外部ケーブル32が端子33を介して電気的に接続されている。
【0024】
また、端子台23の他方の端子には、ランプ12の内部ケーブル35が端子34を介して電気的に接続されている。これにより、ランプ12が電源部50に電気的に接続されている。
【0025】
以上説明したように、本実施形態の照明装置10は、端子台23を備えた端子箱20を経由してケーブルの配線を行うように構成されている。これにより、電源部50側の外部ケーブル32に任意のケーブルを使用することができる。
【0026】
従来、例えば閃光灯のような施設用の屋外の照明装置では、現地のレイアウトに合わせてケーブルの長さが指定される場合が多く、製品の標準化を図ることが困難であった。本実施形態のような構成とすることにより、外部ケーブル32(及びケーブルグランド31)を除く部分の標準化及びコストダウンを図ることが可能となる。例えば、図1及び図2の例では、外部ケーブル32に任意のケーブルを使用することができるが、この場合にはケーブルグランド31がある範囲のケーブル径等に対応可能となるように寸法等を設定しておくことで、発光部ケース11(内部の各部品も含む)及び端子箱20の構成を容易に標準化することが可能である。
【0027】
また、本実施形態の構成により、屋外用の装置として求められる防水性を確保するとともに、発光部ケース11内への外気の侵入を防止するため、発光部ケース11及びその内部の各部に対する外気の影響を抑制することができる。
【0028】
なお、この発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0029】
例えば、端子箱20及び端子台23は、上述の実施形態の説明で図示したもの以外にも任意の構造とすることができる。また、端子箱本体21の発光部ケース11への取付部の構造も、締結部材25を使用する以外に発光部ケース11の形状等に応じて例えばねじ込み式のターミナルヘッド等としてもよい。
【0030】
また、配線及び端子の数は必要に応じて任意の数とすることとしてもよく、異なる種類または太さのケーブルを外部ケーブル32としてもよい。この場合に、例えばケーブルグランド31を外部ケーブル32の種類に応じて複数種類使用することができる。
【0031】
また、照明装置10は、上述の実施形態で説明した閃光灯に限られるものではなく、任意の用途の照明装置とすることができる。なお、この場合に電源部50を例えば商用電源とすることとしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 照明装置
11 発光部ケース
12 ランプ
13 透明板
20 端子箱
21 端子箱本体
22 蓋
23 端子台
24 パッキン
25 締結部材
31 ケーブルグランド
32 外部ケーブル
33 端子
34 端子
35 内部ケーブル
50 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給用の内部電線を備えた発光体と、
前記発光体を収容する第1の筐体と、
前記内部電線と接続されているとともに、対応する複数の外部電線と電気的に接続可能な所定数の端子を備えた端子接続部と、
前記筐体に隣接するように配置され、前記端子接続部の少なくとも前記外部電線に接続される側の前記端子を収容する第2の筐体と、
前記第2の筐体に設けられ、前記外部電線を前記端子接続部へ導く導入部材と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体との間に配置された防水部材と、を備えた、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の筐体の隣接部に設けられ、前記内部電線及び/又は前記端子接続部が挿通する開口部と、をさらに備え、
前記開口部と前記内部電線及び/又は前記端子接続部との隙間が塞がれている、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記防水部材は、前記開口部を囲むように配置された防水パッキンである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記端子接続部は、前記第1及び第2の筐体間を貫通する貫通端子台である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記導入部材は、防水型のケーブルグランドである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−182495(P2010−182495A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23798(P2009−23798)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】