説明

照明装置

【課題】特定の場の観察に用いられる監視カメラに対する改良された照明装置を提供する。
【解決手段】カメラにより観察される場面を照らすための照明装置、および、カメラにより観察される場面を照らす方法であって、照明装置は、複数の発光素子5と、照明制御部6とを含む照明装置4を有し、照明制御部6が、複数の発光素子5の出力強度を個々に制御するよう配置されているカメラであって、照明制御部が、カメラのパン位置を含むカメラの視野方向設定に基づいて複数の発光素子5の出力強度を個々に制御するよう配置されており、その結果、カメラの視野方向において照明が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラにより観察される場面を照らすための照明装置、および、カメラにより観察される場面を照らす方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の場の観察に用いられる監視カメラは、それらを用いて観察する環境の良好な映像を提供することができるように追加のライティングを必要とすることがある。これは例えば、自然光ではカメラにとって不十分である屋外における、または、例えば節電のため消灯する屋内の状況における夜間の場合である。そこで、何らかの種類のライティングを、監視カメラと組み合わせて用いることができる。一般的には、監視カメラにより観察される場面を照らすために赤外光または白色光を発する発光ダイオード、すなわちLEDを用いることが選択される。LEDは、外部ユニットに装着しても、カメラ筐体またはカメラの機械構造と一体化してもよい。
【0003】
パン、あおりおよびズームを行うことができる移動可能なカメラヘッドを有するカメラ、いわゆるPTZカメラにおいては、照明によりカメラヘッドの種々の視野角をカバーできることが関心の対象である。このことは、照明がカメラヘッドの移動に追従し、かつ、カメラヘッドの視線方向を指すようにLEDをカメラヘッド上に装着することにより解決できる。
【0004】
しかしながら、LEDをカメラヘッド上に装着する際は、そうすることでLEDが撮像センサに近接して設置されることとなり、すなわち今度は、LEDにより発生する熱が撮像センサの性能に悪影響を及ぼす可能性があることが問題となる。LEDがカメラレンズに近接して設置される際に反射を乱すことは、LEDをカメラヘッド上に装着するときに起こりうる別の問題である。また、LEDにより、カメラヘッドがかさばり、かつ、LEDの電流供給および制御のためにカメラのベースをカメラヘッドに接続しているケーブルに対して追加の要件が付される。
【0005】
撮像センサがさらされる熱を低減する1つの方法は、照明用のLEDを撮像センサからさらに離間して、かつ、移動可能なカメラヘッド上ではなく、その代わりにカメラのベース上に設置することである。
【0006】
しかしながら、LEDがカメラベース上に装着される際には、そうすることでLEDの照明がカメラヘッドのあらゆるすべての視野角をカバーする必要があるという問題が生じる。場面全体を照らすということは、数多くのLEDが必要であること、および、LEDの動作に大量の入力電力が必要であることを意味し、これにより今度は、より多くの熱が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、監視カメラに対する改良された照明解決法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、発熱および電力消費に関する上記問題を緩和する照明の解決法を提供し、かつ、照明装置により提供される照明を効率的に制御して、カメラ用の照明に対する要求に合わせることの可能な照明の解決法を提供することを目的とする。
【0009】
この目的およびさらなる目的は、請求項1に規定される特徴を有する照明装置により達成され、好適な実施形態は、従属請求項において規定されている。本発明の実施形態によると、カメラにより観察される場面を照らすための照明装置は、複数の発光素子と、照明制御部とを含み、照明制御部は、カメラの視野方向設定に基づいて複数の発光素子の出力強度を個々に制御するよう配置されており、その結果、カメラの視野方向において照明が提供される。これにより、より良好な品質の映像を得ながら、同時に、消費電力および発熱を削減するために、カメラの要求に照明を適合させることができる。
【0010】
カメラ視野方向設定は、カメラのパン位置を含んでいてもよい。これにより、カメラが指している場所および照明が必要な方向の容易に入手可能な表示が与えられる。
【0011】
また、照明制御部は、カメラの視野設定に基づいて複数の発光素子を制御するよう配置されていてもよい。このようにして、照明装置は、例えば、広角レンズが用いられているか、または、カメラズームレンズ設定が広角設定を示しているとき、およびその逆に、望遠レンズまたは設定が用いられているとき、数多くの発光素子の出力強度を増大させることにより、より広角の照明を提供するよう制御されてもよい。これにより、カメラの要求に照明をさらによりよく適合させることができる。
【0012】
カメラは、カメラベース上に装着されているカメラヘッドを含んでもよく、かつ、発光素子は、カメラベース上に装着されていてもよい。これにより、カメラヘッド内の撮像センサと発光素子との間により大きい距離が提供され、すなわち、撮像センサは、発光素子からのより少ない熱にさらされる。カメラベース上に発光素子を装着することはまた、発光素子がカメラレンズに近接して設置されている際に生じうるあらゆる乱反射を低減するという利点を有する。
【0013】
カメラは、移動可能なカメラヘッドを有していてもよい。こうして、照明装置の出力は、カメラの視野方向に動的に適合されてもよい。
【0014】
発光素子は、カメラヘッドの少なくとも一部を取り囲むリング型または部分的にリング型に装着されていてもよい。このようにして、種々のカメラ視野方向のすべてを容易にカバー可能である。また、このことは、カメラ上の照明装置の製造および組立てのコストを簡略化および削減する。カメラの視野方向がある範囲内にしか存在しないということが分かっている場合、部分的なリング形状にのみ発光素子を装着して、対象となる方向のみをカバーすることができる。本実施形態は、水平または主に水平に装着されたカメラにとってとりわけ有用であるかもしれない。
【0015】
あるいは、発光素子は、カメラのパン位置範囲に対応する垂直曲線を有する水平線に沿って装着されていてもよい。このようにして、照明は、カメラの視野方向に効率的に向けられてもよい。このことは、垂直または主に垂直に装着されたカメラに対する有用な任意選択肢でありうる。
【0016】
発光素子は、発光ダイオード、すなわちLEDであってもよく、これにより、空間、コストおよび電力効率の高い選択を提供している。LEDは、赤外または近赤外スペクトルにおける放射を発するよう適合されていてもよく、このことは、カメラが例えば夜間のような暗い設定における画像取り込みに用いられる際に有用である。
【0017】
発光素子は、複数のグループをなすように配置されていてもよく、かつ、照明制御部は、各グループ内の発光素子を合同で制御するよう配置されていてもよい。これにより、発光素子の効率的な制御がもたらされ、制御部により扱われることとなる制御情報の量を削減する。
【0018】
本発明の実施形態によると、カメラにより観察される場面を照らす方法は、
複数の発光素子を提供する工程と、
カメラの視野方向設定に基づいて複数の発光素子の出力強度を個々に制御し、その結果、カメラの視野方向において照明を提供する工程と
を含む。
【0019】
カメラの視野方向設定を決定するために配置されている位置センサからカメラの視野方向設定に関する情報を受信してもよい。あるいは、または、これに加えて、カメラの視野方向設定を制御するよう配置されているカメラ制御部からカメラの視野方向設定に関する情報を受信してもよい。あるいは、または、これに加えて、カメラにより取り込まれた画像の画像処理に基づいてカメラの視野方向設定を決定してもよい。
【0020】
さらなる任意選択として、周囲光強度に関する情報を受信してもよく、周囲光強度が所定レベルを超える場合に、照明装置の全出力強度を低下させるように複数の発光素子を制御してもよい。これにより、可能な限り良好な映像が得られるように、カメラの要求に照明装置により提供される照明をさらに一層適合させることができる。周囲光に加えて必要なレベルに出力強度を低減することにより、消費電力および熱の発生をさらに一層削減可能である。これに加えて、露出過度の映像を作り出す危険性もまた低減される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここで、実施例により、かつ、添付の模式図を参照することにより、本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】
【図1】図1は、水平に装着されたカメラの側面図を示す。
【図2】図2は、上方から図1におけるカメラを示す。
【図3】図3は、垂直に装着された際のカメラを側面図で示す。
【図4】図4は、本発明に係る照明装置の一実施形態の側面図を示す。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係る方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1および図2において、円形カメラベース3上に装着されたドーム型カメラヘッド2を有するカメラ1を示す。カメラは、照明装置4を備えている。図2に示されているように、照明装置4は、カメラベース3上に装着された、例えばLEDの形態の、数多くの発光素子5を含む。発光素子5は、可視または不可視スペクトルにおける光を発することができ、一例として、赤外または近赤外スペクトルにおいて発光するよう設計されていてもよい。なお、可視放射と不可視放射との両方について、LEDは、使用可能な発光素子の一例に過ぎない。他の可能な選択肢としては、限定はされないが、電球、ハロゲンランプおよびガス放電灯が含まれる。発光素子5は、カメラベース3の周縁に沿って装着されており、かつ、カメラヘッド2を取り囲んでいる。発光素子は、カメラヘッドの少なくとも一部を取り囲む一列または複数列のリング型または部分的にリング型に装着されていてもよい。発光素子はまた、カメラベース3の外側のいかなる適切な位置、例えば別個の構造物上に装着されていてもよい。
【0024】
照明装置4はまた、発光素子5の動作を制御する制御部6をも含んでいる。発光素子5と制御部6との物理的接続は、図の明確さのために示していない。該制御部は、ソフトウェアに実装されていても、ハードウェアに実装されていてもよく、図における位置は、あらゆる意味において限定的に理解されてはならない。該制御部は、例えば、カメラ1を制御するソフトウェアおよび/またはハードウェアの一部として実装されていてもよい。
【0025】
カメラ1は、いわゆるPTZ監視カメラ、すなわち、パン、あおりおよびズームが可能な監視カメラであってもよい。この目的で、カメラヘッド2は、カメラベース3に対して移動可能である。移動可能とは、可能な限り広い意味で解釈されるべきであり、例えば、操作者は、手動でカメラヘッド2を旋回させてもよく、または、カメラヘッドの移動は、電動式として、ユーザインタフェースを介して選択された視野方向を入力することにより制御してもよい。さらに、カメラヘッド2は、予め設定されたガードツアーに基づいて移動させても、ある被写体がカメラ1の可能性のある視野方向に入り、その後、カメラ1がその方向に向けられたことを検知する運動センサや熱検出器からといったその他の何らかの種類の入力に基づいて移動させてもよい。
【0026】
カメラベース3に対するカメラヘッド2の位置はまた、監視カメラの準備中一度限りで設定することができ、こうして、照明装置は、その寿命全体の間同じ視野方向設定を用いることができる。このことは、ある発光素子を用いない状況につながるかもしれないが、それでも依然として、適合された照明装置を設計および組立てするよりも費用効率が高い可能性がある。
【0027】
図1および図2におけるカメラ1が水平に装着されていると仮定すると、カメラ1のパン位置を変えることにより、画角7が水平円に沿って移動する。図2では、図1のカメラが上方(または、例えばカメラが天井に装着されている場合は、下方)から示されており、カメラがパンすると、カメラヘッド2が今度は円8に沿って旋回され、カメラ1が周囲環境を360度にわたってスキャンできるようにカメラの画角7を回転させる。
【0028】
あおり運動において、カメラ1は、その代わりに、線9に沿って垂直方向に、例えば、上向きまたは下向きに画角7を移動させる。パン運動とあおり運動とを組み合わせてもよいことは明らかである。
【0029】
垂直方向に装着されたカメラについて、図3および図4に示されているように、カメラヘッド2は、カメラ1がパンする際にカメラの画角を水平線8に沿って移動させるために、左から右へおよびその逆に旋回する。カメラヘッド2のあおりの際には、カメラヘッド2は、垂直線9に沿って上向きまたは下向きに画角を移動させる。ここでもまた、パンおよびあおり運動は、いかなる適切な手法で組み合わせてもよい。
【0030】
垂直方向に装着されたカメラ1について、照明装置4の発光素子5は、図4に示されているように、曲線またはアーチ型形状、例えば、ドーム型またはアーチ型の構造物に沿った垂直線上に装着されてもよい。簡潔さのために、これは、図3のカメラベースの下方に示されているが、カメラベース上またはカメラベースの近傍のいかなる適当な位置に設置してもよい。また、カメラベース3の一部としてもよい。照明装置の位置により、種々のカメラ視野方向のすべてまたはその選択された部分がカバー可能となってもよい。
【0031】
垂直および水平という語は、垂直面または水平面からの合理的なずれを含むとして解釈されるものとする。一例として、垂直面または水平面から例えば20度のずれは、ここに提示する照明装置の動作および適用可能性にいかなる重要な点においても影響しない。これらの語はまた、実質的に垂直または実質的に水平として解釈されてもよいが、簡潔さのために、水平および垂直という語を本願全体を通して用いている。
【0032】
カメラ1が照明の暗い状況で用いられる際、環境におけるあらゆる被写体の良好な映像を得るために余分の照明が必要なことがある。この照明は、照明装置4により提供されてもよい。消費電力を削減し、かつ、照明装置4により発生する熱を低減するために、発光素子5の出力は、例えば、現在カメラが見ている被写体の照明に有用な発光素子のみが点灯するように、カメラの視野方向設定に基づいて個々に制御可能である。一例として、カメラヘッド2の円8に沿ったパン位置を制御部6への入力として用いてもよい。
【0033】
例えばパン位置の形態のカメラの視野方向設定は、カメラの視野方向設定を決定するために配置された位置センサから入手してもよい。そのような位置センサは、例えば、カメラヘッド2を移動させるモータの位置を検知するように設置されてもよい。手動で移動可能なレンズを用いる場合は、位置センサは、レンズの物理的位置を検知するように配置されてもよい。
【0034】
カメラの視野方向設定に関する情報はまた、カメラの視野方向を制御するよう適合されていてもよいカメラ制御部から入手することもできる。このカメラ制御部は、例えば、操作者から、予め設定されたガードツアーについての情報から、または、運動センサや熱検出センサなどの何らかの種類のセンサからの入力に基づいてその視野方向制御を行ってもよい。こうしてカメラ制御部は、カメラ1と照明装置4との両方をある方向に制御してもよい。
【0035】
さらなる任意選択肢として、カメラにより取り込まれた画像に対して高度画像処理を用いて、カメラの視野方向設定および照明の必要とされる場所を決定することができる。例えば、結果として、画像処理が、カメラがある部屋における数多くの種々の領域のうちの1つを現在観察していることを示す場合、照明装置は、その情報を用いて、照明をその領域へ向けてもよい。画像処理は、照明制御部6において、または、例えば、照明制御部のための関連したカメラの視野方向設定を抽出する外部ユニットにおいて行われてもよい。
【0036】
さらなる代替の選択肢として、操作者は、カメラの視野方向設定を照明制御部へ入力してもよい。例えばこれは、移動可能なカメラヘッドが設置時にある視野方向へ手動で移動させられる場合、および、操作者が制御ツールにおけるモニター画面上のカメラの視野方向設定を照明制御部への入力として示す場合とすることもできる。
【0037】
また、例えば、カメラのズームレンズの設定のようなカメラの視野設定の形態のカメラの視野を制御部6への入力として用いることも可能である。カメラ1のズーム設定が広角の使用を示しているとき、広範囲の発光素子5を用いることができ、望遠設定を用いるとき、すなわち狭い視野角の使用を示しているとき、より少ない発光素子5を用いることができる。これの代わりの選択肢、例えばカメラにおいて交換可能なレンズを用いるときに適用可能な選択肢として、広角または魚眼レンズの使用がより広範囲の発光素子5が用いられることを意味し、かつ、望遠レンズの使用がより少ない発光素子5が作動されることを意味するように、照明装置4を制御することが挙げられる。
【0038】
なお、発光素子5は、他の発光素子5から独立して別個に作動または作動停止可能である。いくつかの場合、発光素子5は、例えば3つの素子のグループに分けてもよく、各グループにおける素子を合同で制御してもよい。
【0039】
図2は、カメラ1の視野方向における照明を提供する発光素子5aが点灯している様子の一例を示す。図2において、残りの発光素子5は点灯していない。例えば、視野方向に近接する素子がその最大強さの例えば半分まで点灯されるように発光素子5の出力強度を調節することにより、カメラ1により取り込まれた映像の境界線に沿ってより柔らかな照明を提供することも可能である。また、カメラの視野方向に向いていないような発光素子からの放射の強さを低減するだけで、該素子を完全に作動停止はしないでおくことも可能である。こうして、節電および熱の低減は、明らかな理由によりわずかに少なくなる。
【0040】
図3および図4に示されているような照明装置4にも同じ原理が当てはまる。この場合、発光素子5を制御するために、水平に装着されたカメラに対してと同じように線8に沿ったパン位置を用いてもよく、その結果、カメラの視野方向に向いている曲線形状に沿った素子が点灯する。
【0041】
なお、照明装置4は、有用な場合は、種々のあおり方向に光を導くために適合されたさらなる発光素子5を含んでもよい。こうして、そのような照明装置4は、カメラ1の種々のあおり位置に対応する曲線形状における垂直線に沿って装着された数多くの発光素子5を含むことができる。照明がカメラ1のあおり位置をカバーすることを確認する別の方法は、所望のあおり範囲がカバーされるような照明角度を有する発光素子5を選択することである。
【0042】
図5は、本発明の実施形態に係る方法を示す。第1工程10において、例えばLEDの形態の複数の発光素子を提供する。第2工程11において、これらの発光素子の出力強度をカメラ視野設定に基づいて制御し、その結果、カメラの視野方向において照明を提供する。上に説明したように、視野方向設定は、カメラヘッドのパン位置を含んでいてもよい。視野方向設定に加えて、前に説明したように、カメラのズームレンズのズーム設定やズーム値といった視野設定を用いることもできる。
【0043】
なお、発光素子5を制御するために周囲光の強度レベルに関する情報を入力として用いてもよい。カメラ1が、例えば、夕方や明け方といった光の弱い条件において用いられる際、周囲光の強度だけではカメラ1が取り込み画像の適正な品質を維持するには十分でないかもしれないが、例えば、カメラの視野方向における照明に向けられた2つおきまたは3つおきの素子のみを点灯させることにより、または、選択された発光素子の出力強度を低下させることにより、照明装置4の出力強度を低下させることは依然として可能であろう。これにより、消費電力および熱の発生の削減を達成しつつ、良好な画質を維持できるようになる。
【0044】
周囲光の強度についての情報を用いることにより、カメラが露出過度の映像を取り込む危険性を低減するのに役立つこともある。制御部がその発光素子の制御を基づかせてもよいその他の入力は、例えば、カメラにおいて用いられる焦点距離、露出時間およびゲインである。光強度を決定する際のパラメータとして周囲温度もまた用いることができる。こうして、より低い周囲温度において、システムは、照明装置により生じる熱に何ら悪影響なくより一層耐えることができ、したがって、より高い照明強度を適用可能である。より高い周囲温度において、反対が当てはまるだろう。照明制御部に対するさらなる入力パラメータも入手可能であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 カメラ
2 カメラヘッド
3 カメラベース
4 照明装置
5 発光素子
6 制御部
7 画角
8 円
9 線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子(5)と、
照明制御部(6)と
を含む照明装置(4)を有し、
照明制御部(6)が、複数の発光素子(5)の出力強度を個々に制御するよう配置されているカメラ(1)であって、
照明制御部が、カメラのパン位置を含むカメラの視野方向設定に基づいて複数の発光素子(5)の出力強度を個々に制御するよう配置されており、その結果、カメラ(1)の視野方向において照明が提供されることを特徴とする、カメラ。
【請求項2】
照明制御部(6)が、カメラの視野設定に基づいて複数の発光素子(5)を個々に制御するよう追加で配置されている、請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
カメラ(1)が、カメラベース(3)上に装着されているカメラヘッド(2)を含み、かつ、発光素子(5)がカメラベース(3)上に装着されている、請求項1または2に記載のカメラ。
【請求項4】
カメラヘッド(2)が移動可能である、請求項3に記載のカメラ。
【請求項5】
発光素子(5)が、カメラヘッド(2)の少なくとも一部を取り囲むリング型または部分的にリング型に装着されている、請求項3または4に記載のカメラ。
【請求項6】
発光素子(5)が、カメラのパン位置範囲に対応する垂直曲線を有する水平線に沿って装着されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカメラ。
【請求項7】
発光素子(5)が、発光ダイオード、すなわちLEDである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のカメラ。
【請求項8】
発光素子(5)が、赤外または近赤外スペクトルにおける放射を発するよう適合されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のカメラ。
【請求項9】
発光素子(5)が複数のグループをなすように配置されており、かつ、照明制御部(6)が各グループ内の発光素子(5)を合同で制御するよう配置されている、請求項1〜8のいずれかに記載のカメラ。
【請求項10】
複数の発光素子を提供する工程(10)と、
複数の発光素子の出力強度を個々に制御する工程(11)と
を含む、カメラにより観察される場面を照らす方法であって、
出力強度を個々に制御する工程が、カメラのパン位置を含むカメラの視野方向設定に基づいて出力強度を個々に制御し、その結果、カメラの視野方向において照明を提供することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項11】
カメラの視野方向設定を決定するために配置されている位置センサからカメラの視野方向設定に関する情報を受信する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
カメラの視野方向設定を制御するよう配置されているカメラ制御部からカメラの視野方向設定に関する情報を受信する工程をさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
カメラにより取り込まれた画像の画像処理に基づいてカメラの視野方向設定を決定する工程をさらに含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
周囲光強度に関する情報を受信する工程と、
周囲光強度が所定レベルを超える場合に、照明装置の全出力強度を低下させるように複数の発光素子を制御する工程と
をさらに含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−222825(P2012−222825A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−87702(P2012−87702)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【出願人】(502208205)アクシス アーベー (39)
【Fターム(参考)】