熱交換装置とそれを用いた発熱体収納装置
【課題】本発明は、熱交換装置とそれを用いた発熱体収納装置に関するもので、通気抵抗を低減し、騒音の発生を抑制することを目的とする。
【解決手段】内部に外気送風機13と、この外気送風機13の風路下流に連絡した熱交換器15とを備え、外気送風機13の吸込口(外気吸気口9)の上流側には、上流側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板16aを有したルーバー16を設け、さらに、その上流側に小孔19を有するカバー8を設けた熱交換装置7において、前記カバー8の開口面積がルーバー16の開口面積よりも小さいもの、あるいは、前記ルーバー16が、縦方向の桟(縦桟17)と横方向の桟(横桟18)とで支えられ、縦桟17は、外気送風機13の外気吸込口9の開口よりも外側に設けられたものであるので、通風抵抗を低減させることができる。
【解決手段】内部に外気送風機13と、この外気送風機13の風路下流に連絡した熱交換器15とを備え、外気送風機13の吸込口(外気吸気口9)の上流側には、上流側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板16aを有したルーバー16を設け、さらに、その上流側に小孔19を有するカバー8を設けた熱交換装置7において、前記カバー8の開口面積がルーバー16の開口面積よりも小さいもの、あるいは、前記ルーバー16が、縦方向の桟(縦桟17)と横方向の桟(横桟18)とで支えられ、縦桟17は、外気送風機13の外気吸込口9の開口よりも外側に設けられたものであるので、通風抵抗を低減させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換装置とそれを用いた発熱体収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話の基地局は、数十アンペア以上の電流が流れることから、ある点では発熱体とも表現される。つまり、冷却をすることがその動作を安定化させるためには極めて重要なものとなる。このような携帯電話の基地局はその冷却を行う為に次のような構成をとっている(図15参照)。
【0003】
すなわち、図15に示すように、発熱体となる送・受信機を収納したキャビネットと、このキャビネットの開口部に装着された熱交換装置101とを備えた構成となっていた。そして、熱交換装置101の構造としては、外気用の第1吸込口107と第1吐出口108およびキャビネット内用の第2吸込口109および第2吐出口110を有する本体ケース111と、この本体ケース111内に設けられた外気用の第1送風機112およびキャビネット内用の第2送風機113と、前記本体ケース111内において室外空気とキャビネット内空気との熱交換を行う熱交換器114とを備えた構成となっていた。(なお、これに類似する先行文献としては特開2000−161875号公報)。
【0004】
図示しないが、本体ケースの第1吸込口107が設けられた前面側には、雨水などが浸入しないよう、ルーバーが備えられている。キャビネット4側の開口部は、ドアである。このドアには、熱交換装置101の前面(第1吸込口107を設けた面)を覆うように、パンチング孔を用いたカバーが設けられている。
【特許文献1】特開2000−161875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の熱交換装置においては、外気用の送風機(第1送風機)に吸い込まれる空気は、パンチングの化粧板を通過した後、さらにルーバーを通った後に送風機の吸込口に到達する。すなわち、2枚の障害物を通過するために、その通気抵抗が大きく、送風機には大きな動力が必要となり、かつ、大きな音が発生する、つまり送風効率が低いと言う課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、送風効率を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成する為に本発明は、本体ケースと、この本体ケースの内部に設けられた送風機と、この送風機の風路下流に配置した熱交換器とを有し、前記本体ケースの外方側には、前記本体ケースを覆う複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースと前記カバーの間には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、前記ルーバーの総開口面積は、前記ルーバーに対向する部分の前記カバーの総開口面積と同等以上である熱交換装置で化粧板ルーバー小さいあり、これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケースの内部に設けられた送風機と、この送風機の風路下流に配置した熱交換器とを有し、前記本体ケースの外方側には、前記本体ケースを覆う複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースと前記カバーの間には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、前記ルーバーの総開口面積は、前記ルーバーに対向する部分の前記カバーの総開口面積と同等以上である化粧板ルーバー小さいので、送風効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1において、1はビルディングを示し、その屋上2には携帯電話の基地局3が設けられている。基地局3は箱状のキャビネット4とこのキャビネット4内に設けた送・受信機5とで構成されている。キャビネット4の一つの側面は、ドア6となっていて、開閉自在に設けられている。図2、図3に示すように、このドア6は、熱交換装置7が内部に設けられ、その前面を覆うカバー8を有している。
【0011】
図3を用いて、熱交換装置7、ドア6の概略構成を説明する。熱交換装置7は、ケース51に外気吸気口9と外気吐出口10およびキャビネット4内用の内気吸気口11および内気吐出口12を有する。熱交換装置7内には、外気用の外気送風機13およびキャビネット4内用の内気送風機14と、外気空気とキャビネット4内の空気との熱交換を行う熱交換器15とを備えている。
【0012】
このような構成により、熱交換装置7は、あとでさらに詳しく説明するが、この熱交換器15により送・受信機5の冷却を行うことになる。すなわち、送・受信機5は数十アンペア以上の電流が流れており、それに伴って高温化するものとなる。このような送・受信機5の高温化を放置するとその特性が不安定になるので本実施形態においては、上述したごとく、熱交換器15によって外気との熱交換によりキャビネット4内の冷却を行い、これにより、送・受信機5の不安定化を防止する構造となっている。
【0013】
次に、ドア6は、上記のような熱交換装置7を内部に備え、外観の美観向上と外気吸気口9の保護のためのカバー8が設けられている。
【0014】
カバー8は、空気を通過させるためにパンチング孔(小孔19)が設けられている。さらに、熱交換装置7側の外気吸気口9にはルーバー16が設けられている。
【0015】
このルーバー16は、格子状に縦方向の桟(縦桟17)と横方向の桟(横桟18)が設けられ、開口部を形成している。横桟18の下辺には、上方からの雨水等が熱交換装置7内に直接浸入しないよう、庇状の羽板16aが外気側(空気の流れの上流側)に向けて下がる傾斜をつけて設けられている。
【0016】
ここで、ルーバー16の開口面積とは、羽板16aの下端側の辺と横桟18の上端側の辺とで形成される長方形の面積の和である。(図5には、各開口における単位開口面積Aを斜線で示す。)また、ルーバー16の縦桟17は、図7に示すように、外気吸気口9の前面にあたる部分、すなわち、外気吸気口9を避けるように、外気吸気口9の外方に縦桟17を設けているのである。
【0017】
本実施の形態では、カバー8のルーバー16部分の直前にあたる部分、すなわち、ルーバー16に対向する部分の開口面積よりも、ルーバー16の開口面積が大きくなるように、小孔19と羽板16aを設けている。
【0018】
このような構成により、カバー8から吸い込まれた空気は、ルーバー16によって余分な抵抗を発生することなく外気吸気口9へと導かれることになるため、外気送風機13は小さい仕事量で済むことになり、さらには騒音を低減できるという効果がある。つまり、送風効率を高めることができるのである。
【0019】
また、縦桟17は、外気吸気口9によって吸い込まれる空気の量の多い部分、すなわち、外気吸気口9に対向した部分には設けられていないため、縦桟17による外気吸込み時の抵抗を下げることができる。
【0020】
次に、ルーバー16の詳細について説明する。ルーバー16は1枚の板金から製作する。すなわち、ルーバー16の羽板16aは、上辺(横桟18の下辺)を残して他の三辺に切込みを入れて起こしたものである。図8に示すように、この羽板16aを切り起こす際には、縦桟17となる部分が、その縦桟17の左右の辺よりも中央部が上流側から見てくぼんだ凹型となるようにする。この縦桟17の形状によって、縦桟17近傍においては、ルーバー16を通過した空気は、縦桟17の湾曲した背面形状に沿って流れ、風路抵抗を低減し、騒音の発生を抑制することとなる。
【0021】
横桟18について図9を用いて説明する。横桟18は下辺側、すなわち、羽板16aを設けた辺側が空気の流れに対して上流側(熱交換装置7の外側)となるように、横桟18自体に鉛直方向から角度αをつけて設けられている。これにより、横桟18を通過する空気が整流され、風路抵抗を低減し、騒音の発生を抑制することとなる。この横桟18は、上部は鉛直方向に平行に、下部に角度αをつけることによって、横桟18と縦桟17の結合強度を確保することが可能となる。
【0022】
羽板16aについて説明する。図10に示すように、外気吸気口9の頂部よりも下方の部分、すなわち、外気吸気口9の前面となる部分の切り起こし角度をβとし、外気吸気口9の頂部よりも上方の部分の切り起こし角度をγとする。外気吸気口9の直前となる部分は、切り起こし角度βを小さくして、カバー8を通して棒状のものを挿入することができないようにする。一方、外気吸気口9の頂部よりも上方の羽板16aは、切り起こし角度γを大きくして空気の通過に対する抵抗を小さく抑える。このように、外気吸気口9の頂部よりも下側の羽板16aのきり起こし角度βを外気吸気口9の頂部よりも上側の羽板16aの切り起こし角度γを大きくすることによって、雨水等が直接外気吸気口9に浸入しないようにするとともに、前面となるカバー8から外気吸気口9への異物挿入を防止し、かつ、ルーバー16での通気抵抗を低く抑えることが可能となる。
【0023】
また、図11に示すように、外気吸気口9よりも側面側に設けた縦桟17よりもさらに側面側の羽板16aの切り起こし角度ηを外気吸気口9の前面の羽板16aの切り起こし角度βよりも大きくしてもよい。あるいは、図12に示すごとく、縦桟17よりも側面側の開口には羽板を設けないようにしてもよい。さらには、図13に示すように、外気吸気口9よりも側面側に設けた縦桟17よりもさらに側面側には、桟を設けず、1つの大きな開口としても良い。
【0024】
そして、このような構成によれば、外気吸気口9の前面よりも側面側でのルーバー16の通気抵抗を低減し、騒音の発生を抑制することができる。
【0025】
さらに、外気吸気口9の前面のルーバー16について詳細に説明する。図14に示すように、外気吸気口9の前面の羽板16aは、中央部分が下方に湾曲させた形状となっている。このような羽板16aによれば、ルーバー16にあたった雨水などは、羽板16aの湾曲形状に沿って中央部に集まりやすくなる。集まった雨水はそのまま下方へと落ち、下の羽板16aを経て最終的に熱交換装置7の最下部に設けられたドレン孔格子状の開口を有するように形成されたカバー8の底面(図示せず)から機外へと排出されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように本発明は、内部に送風機と、この送風機の風路下流に連絡した熱交換器とを備え、前記送風機の吸込口の上流側には、上流側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、さらに、その上流側にパンチングの化粧板を設けた熱交換装置において、前記化粧板ルーバーの開口面積がルーバー前記化粧板の開口面積よりも小さい大きいもの、あるいは、前記ルーバーが、縦方向の桟(縦桟)と横方向の桟(横桟)とで支えられ、縦桟は、前記送風機の吸込口の開口よりも外側に設けられたものであるので、通風抵抗を低減し、騒音の発生を抑制することができる。すなわち、本発明においては、遠心送風機に吸い込む風を小孔を設けたカバーと羽板を設けたルーバーによって整流するので、小さな通風抵抗となり、送風効率を高めることができる。従って、例えば、通信機器の基地局や、その他屋外設置機器における冷却設備としてきわめて有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態の基地局設置例を示す斜視図
【図2】本発明の一実施形態の基地局外観図
【図3】本発明の一実施形態の熱交換装置の断面図
【図4】本発明の一実施形態の基地局カバーの外観図
【図5】本発明の一実施形態のルーバー拡大図
【図6】本発明の一実施形態のルーバー全体図
【図7】本発明の一実施形態のルーバーと送風機設置状態を示す図
【図8】本発明の一実施形態のルーバー縦桟を示す詳細図
【図9】本発明の一実施形態のルーバー横桟を示す詳細図
【図10】本発明の一実施形態のルーバー切り起こし角度を示す詳細図
【図11】本発明の一実施形態のルーバー切り起こし角度を示す詳細図
【図12】本発明の一実施形態の側面側のルーバーを示す詳細図
【図13】本発明の一実施形態の側面側のルーバーを示す詳細図
【図14】(a)本発明の一実施形態の湾曲するルーバー羽板を示す斜視図(b)同正面図
【図15】従来の熱交換装置の断面図
【符号の説明】
【0028】
1 ビルディング
2 屋上
3 基地局
4 キャビネット
5 送・受信機
6 ドア
7 熱交換装置
8 カバー
9 外気吸気口
10 外気吐出口
11 内気吸気口
12 内気吐出口
13 外気送風機
14 内気送風機
15 熱交換器
16 ルーバー
17 縦桟
18 横桟
19 小孔
51 ケース
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換装置とそれを用いた発熱体収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話の基地局は、数十アンペア以上の電流が流れることから、ある点では発熱体とも表現される。つまり、冷却をすることがその動作を安定化させるためには極めて重要なものとなる。このような携帯電話の基地局はその冷却を行う為に次のような構成をとっている(図15参照)。
【0003】
すなわち、図15に示すように、発熱体となる送・受信機を収納したキャビネットと、このキャビネットの開口部に装着された熱交換装置101とを備えた構成となっていた。そして、熱交換装置101の構造としては、外気用の第1吸込口107と第1吐出口108およびキャビネット内用の第2吸込口109および第2吐出口110を有する本体ケース111と、この本体ケース111内に設けられた外気用の第1送風機112およびキャビネット内用の第2送風機113と、前記本体ケース111内において室外空気とキャビネット内空気との熱交換を行う熱交換器114とを備えた構成となっていた。(なお、これに類似する先行文献としては特開2000−161875号公報)。
【0004】
図示しないが、本体ケースの第1吸込口107が設けられた前面側には、雨水などが浸入しないよう、ルーバーが備えられている。キャビネット4側の開口部は、ドアである。このドアには、熱交換装置101の前面(第1吸込口107を設けた面)を覆うように、パンチング孔を用いたカバーが設けられている。
【特許文献1】特開2000−161875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の熱交換装置においては、外気用の送風機(第1送風機)に吸い込まれる空気は、パンチングの化粧板を通過した後、さらにルーバーを通った後に送風機の吸込口に到達する。すなわち、2枚の障害物を通過するために、その通気抵抗が大きく、送風機には大きな動力が必要となり、かつ、大きな音が発生する、つまり送風効率が低いと言う課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、送風効率を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成する為に本発明は、本体ケースと、この本体ケースの内部に設けられた送風機と、この送風機の風路下流に配置した熱交換器とを有し、前記本体ケースの外方側には、前記本体ケースを覆う複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースと前記カバーの間には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、前記ルーバーの総開口面積は、前記ルーバーに対向する部分の前記カバーの総開口面積と同等以上である熱交換装置で化粧板ルーバー小さいあり、これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明は、本体ケースと、この本体ケースの内部に設けられた送風機と、この送風機の風路下流に配置した熱交換器とを有し、前記本体ケースの外方側には、前記本体ケースを覆う複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースと前記カバーの間には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、前記ルーバーの総開口面積は、前記ルーバーに対向する部分の前記カバーの総開口面積と同等以上である化粧板ルーバー小さいので、送風効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1において、1はビルディングを示し、その屋上2には携帯電話の基地局3が設けられている。基地局3は箱状のキャビネット4とこのキャビネット4内に設けた送・受信機5とで構成されている。キャビネット4の一つの側面は、ドア6となっていて、開閉自在に設けられている。図2、図3に示すように、このドア6は、熱交換装置7が内部に設けられ、その前面を覆うカバー8を有している。
【0011】
図3を用いて、熱交換装置7、ドア6の概略構成を説明する。熱交換装置7は、ケース51に外気吸気口9と外気吐出口10およびキャビネット4内用の内気吸気口11および内気吐出口12を有する。熱交換装置7内には、外気用の外気送風機13およびキャビネット4内用の内気送風機14と、外気空気とキャビネット4内の空気との熱交換を行う熱交換器15とを備えている。
【0012】
このような構成により、熱交換装置7は、あとでさらに詳しく説明するが、この熱交換器15により送・受信機5の冷却を行うことになる。すなわち、送・受信機5は数十アンペア以上の電流が流れており、それに伴って高温化するものとなる。このような送・受信機5の高温化を放置するとその特性が不安定になるので本実施形態においては、上述したごとく、熱交換器15によって外気との熱交換によりキャビネット4内の冷却を行い、これにより、送・受信機5の不安定化を防止する構造となっている。
【0013】
次に、ドア6は、上記のような熱交換装置7を内部に備え、外観の美観向上と外気吸気口9の保護のためのカバー8が設けられている。
【0014】
カバー8は、空気を通過させるためにパンチング孔(小孔19)が設けられている。さらに、熱交換装置7側の外気吸気口9にはルーバー16が設けられている。
【0015】
このルーバー16は、格子状に縦方向の桟(縦桟17)と横方向の桟(横桟18)が設けられ、開口部を形成している。横桟18の下辺には、上方からの雨水等が熱交換装置7内に直接浸入しないよう、庇状の羽板16aが外気側(空気の流れの上流側)に向けて下がる傾斜をつけて設けられている。
【0016】
ここで、ルーバー16の開口面積とは、羽板16aの下端側の辺と横桟18の上端側の辺とで形成される長方形の面積の和である。(図5には、各開口における単位開口面積Aを斜線で示す。)また、ルーバー16の縦桟17は、図7に示すように、外気吸気口9の前面にあたる部分、すなわち、外気吸気口9を避けるように、外気吸気口9の外方に縦桟17を設けているのである。
【0017】
本実施の形態では、カバー8のルーバー16部分の直前にあたる部分、すなわち、ルーバー16に対向する部分の開口面積よりも、ルーバー16の開口面積が大きくなるように、小孔19と羽板16aを設けている。
【0018】
このような構成により、カバー8から吸い込まれた空気は、ルーバー16によって余分な抵抗を発生することなく外気吸気口9へと導かれることになるため、外気送風機13は小さい仕事量で済むことになり、さらには騒音を低減できるという効果がある。つまり、送風効率を高めることができるのである。
【0019】
また、縦桟17は、外気吸気口9によって吸い込まれる空気の量の多い部分、すなわち、外気吸気口9に対向した部分には設けられていないため、縦桟17による外気吸込み時の抵抗を下げることができる。
【0020】
次に、ルーバー16の詳細について説明する。ルーバー16は1枚の板金から製作する。すなわち、ルーバー16の羽板16aは、上辺(横桟18の下辺)を残して他の三辺に切込みを入れて起こしたものである。図8に示すように、この羽板16aを切り起こす際には、縦桟17となる部分が、その縦桟17の左右の辺よりも中央部が上流側から見てくぼんだ凹型となるようにする。この縦桟17の形状によって、縦桟17近傍においては、ルーバー16を通過した空気は、縦桟17の湾曲した背面形状に沿って流れ、風路抵抗を低減し、騒音の発生を抑制することとなる。
【0021】
横桟18について図9を用いて説明する。横桟18は下辺側、すなわち、羽板16aを設けた辺側が空気の流れに対して上流側(熱交換装置7の外側)となるように、横桟18自体に鉛直方向から角度αをつけて設けられている。これにより、横桟18を通過する空気が整流され、風路抵抗を低減し、騒音の発生を抑制することとなる。この横桟18は、上部は鉛直方向に平行に、下部に角度αをつけることによって、横桟18と縦桟17の結合強度を確保することが可能となる。
【0022】
羽板16aについて説明する。図10に示すように、外気吸気口9の頂部よりも下方の部分、すなわち、外気吸気口9の前面となる部分の切り起こし角度をβとし、外気吸気口9の頂部よりも上方の部分の切り起こし角度をγとする。外気吸気口9の直前となる部分は、切り起こし角度βを小さくして、カバー8を通して棒状のものを挿入することができないようにする。一方、外気吸気口9の頂部よりも上方の羽板16aは、切り起こし角度γを大きくして空気の通過に対する抵抗を小さく抑える。このように、外気吸気口9の頂部よりも下側の羽板16aのきり起こし角度βを外気吸気口9の頂部よりも上側の羽板16aの切り起こし角度γを大きくすることによって、雨水等が直接外気吸気口9に浸入しないようにするとともに、前面となるカバー8から外気吸気口9への異物挿入を防止し、かつ、ルーバー16での通気抵抗を低く抑えることが可能となる。
【0023】
また、図11に示すように、外気吸気口9よりも側面側に設けた縦桟17よりもさらに側面側の羽板16aの切り起こし角度ηを外気吸気口9の前面の羽板16aの切り起こし角度βよりも大きくしてもよい。あるいは、図12に示すごとく、縦桟17よりも側面側の開口には羽板を設けないようにしてもよい。さらには、図13に示すように、外気吸気口9よりも側面側に設けた縦桟17よりもさらに側面側には、桟を設けず、1つの大きな開口としても良い。
【0024】
そして、このような構成によれば、外気吸気口9の前面よりも側面側でのルーバー16の通気抵抗を低減し、騒音の発生を抑制することができる。
【0025】
さらに、外気吸気口9の前面のルーバー16について詳細に説明する。図14に示すように、外気吸気口9の前面の羽板16aは、中央部分が下方に湾曲させた形状となっている。このような羽板16aによれば、ルーバー16にあたった雨水などは、羽板16aの湾曲形状に沿って中央部に集まりやすくなる。集まった雨水はそのまま下方へと落ち、下の羽板16aを経て最終的に熱交換装置7の最下部に設けられたドレン孔格子状の開口を有するように形成されたカバー8の底面(図示せず)から機外へと排出されることになる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように本発明は、内部に送風機と、この送風機の風路下流に連絡した熱交換器とを備え、前記送風機の吸込口の上流側には、上流側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、さらに、その上流側にパンチングの化粧板を設けた熱交換装置において、前記化粧板ルーバーの開口面積がルーバー前記化粧板の開口面積よりも小さい大きいもの、あるいは、前記ルーバーが、縦方向の桟(縦桟)と横方向の桟(横桟)とで支えられ、縦桟は、前記送風機の吸込口の開口よりも外側に設けられたものであるので、通風抵抗を低減し、騒音の発生を抑制することができる。すなわち、本発明においては、遠心送風機に吸い込む風を小孔を設けたカバーと羽板を設けたルーバーによって整流するので、小さな通風抵抗となり、送風効率を高めることができる。従って、例えば、通信機器の基地局や、その他屋外設置機器における冷却設備としてきわめて有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態の基地局設置例を示す斜視図
【図2】本発明の一実施形態の基地局外観図
【図3】本発明の一実施形態の熱交換装置の断面図
【図4】本発明の一実施形態の基地局カバーの外観図
【図5】本発明の一実施形態のルーバー拡大図
【図6】本発明の一実施形態のルーバー全体図
【図7】本発明の一実施形態のルーバーと送風機設置状態を示す図
【図8】本発明の一実施形態のルーバー縦桟を示す詳細図
【図9】本発明の一実施形態のルーバー横桟を示す詳細図
【図10】本発明の一実施形態のルーバー切り起こし角度を示す詳細図
【図11】本発明の一実施形態のルーバー切り起こし角度を示す詳細図
【図12】本発明の一実施形態の側面側のルーバーを示す詳細図
【図13】本発明の一実施形態の側面側のルーバーを示す詳細図
【図14】(a)本発明の一実施形態の湾曲するルーバー羽板を示す斜視図(b)同正面図
【図15】従来の熱交換装置の断面図
【符号の説明】
【0028】
1 ビルディング
2 屋上
3 基地局
4 キャビネット
5 送・受信機
6 ドア
7 熱交換装置
8 カバー
9 外気吸気口
10 外気吐出口
11 内気吸気口
12 内気吐出口
13 外気送風機
14 内気送風機
15 熱交換器
16 ルーバー
17 縦桟
18 横桟
19 小孔
51 ケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、この本体ケースの内部に設けられた送風機と、この送風機の風路下流に配置した熱交換器とを有し、前記本体ケースの外壁部分には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、さらに、その外方側に複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースの外方側には、前記本体ケースを覆う複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースと前記カバーの間には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、前記カバーの前記ルーバーに対向する部分の総開口面積は、前記ルーバーの総開口面積よりも小さい前記ルーバーの総開口面積は、前記ルーバーに対向する部分の前記カバーの総開口面積と同等以上であることを特徴とする熱交換装置。
【請求項2】
本体ケースと、この本体ケースの内部に設けられた送風機と、この送風機の風路下流に配置した熱交換器とを有し、前記本体ケースの外方側には、前記本体ケースを覆う複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースと前記カバーの間には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、前記ルーバーは、縦方向の桟(以下、縦桟)と横方向の桟(以下、横桟)とで支えられ、縦桟は、前記送風機の吸込口の開口に対向する部分を避けて設けられた熱交換装置。
【請求項3】
前記縦桟は、送風機に向けて流れる風の上流側から見て凹面状とした請求項2記載の熱交換装置。
【請求項4】
前記横桟の下辺側に羽板を設け、この横桟は、下辺側が上辺側よりも上流側に位置するように傾斜をつけた請求項2または3記載の熱交換装置。
【請求項5】
前記横桟に設けた前記傾斜は、上部と下部で傾斜の角度が異なる請求項4記載の熱交換装置。
【請求項6】
前記ルーバーは、前記吸込口の頂部上方の羽板の折り曲げ角度を頂部下方の羽板の折り曲げ角度よりも大きくした請求項1〜5いずれかひとつに記載の熱交換装置。
【請求項7】
前記ルーバーは、前記縦桟間の開口に羽板を設け、縦桟よりも側面側の開口には羽板を設けない請求項2〜6いずれかに記載の熱交換装置。
【請求項8】
前記ルーバーは、前記縦桟間の開口に設けた羽板の折り曲げ角度を、縦桟よりも側面側の開口に設けた羽板の折り曲げ角度よりも小さくした請求項2〜6いずれかに記載の熱交換装置。
【請求項9】
前記吸込口前面に設けた羽板は、中央部を下方に湾曲させた請求項2〜6いずれかに記載の熱交換装置。
【請求項10】
請求項1から9いずれかに記載の熱交換装置を搭載した発熱体収納装置。
【請求項1】
本体ケースと、この本体ケースの内部に設けられた送風機と、この送風機の風路下流に配置した熱交換器とを有し、前記本体ケースの外壁部分には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、さらに、その外方側に複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースの外方側には、前記本体ケースを覆う複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースと前記カバーの間には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、前記カバーの前記ルーバーに対向する部分の総開口面積は、前記ルーバーの総開口面積よりも小さい前記ルーバーの総開口面積は、前記ルーバーに対向する部分の前記カバーの総開口面積と同等以上であることを特徴とする熱交換装置。
【請求項2】
本体ケースと、この本体ケースの内部に設けられた送風機と、この送風機の風路下流に配置した熱交換器とを有し、前記本体ケースの外方側には、前記本体ケースを覆う複数の開口を有するカバーを設け、前記本体ケースと前記カバーの間には、外側に向けて下がる傾斜をつけた庇状の複数の羽板を有したルーバーを設け、前記ルーバーは、縦方向の桟(以下、縦桟)と横方向の桟(以下、横桟)とで支えられ、縦桟は、前記送風機の吸込口の開口に対向する部分を避けて設けられた熱交換装置。
【請求項3】
前記縦桟は、送風機に向けて流れる風の上流側から見て凹面状とした請求項2記載の熱交換装置。
【請求項4】
前記横桟の下辺側に羽板を設け、この横桟は、下辺側が上辺側よりも上流側に位置するように傾斜をつけた請求項2または3記載の熱交換装置。
【請求項5】
前記横桟に設けた前記傾斜は、上部と下部で傾斜の角度が異なる請求項4記載の熱交換装置。
【請求項6】
前記ルーバーは、前記吸込口の頂部上方の羽板の折り曲げ角度を頂部下方の羽板の折り曲げ角度よりも大きくした請求項1〜5いずれかひとつに記載の熱交換装置。
【請求項7】
前記ルーバーは、前記縦桟間の開口に羽板を設け、縦桟よりも側面側の開口には羽板を設けない請求項2〜6いずれかに記載の熱交換装置。
【請求項8】
前記ルーバーは、前記縦桟間の開口に設けた羽板の折り曲げ角度を、縦桟よりも側面側の開口に設けた羽板の折り曲げ角度よりも小さくした請求項2〜6いずれかに記載の熱交換装置。
【請求項9】
前記吸込口前面に設けた羽板は、中央部を下方に湾曲させた請求項2〜6いずれかに記載の熱交換装置。
【請求項10】
請求項1から9いずれかに記載の熱交換装置を搭載した発熱体収納装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−96439(P2010−96439A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268295(P2008−268295)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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