説明

熱処理装置

【課題】炭素材料を加熱処理する熱処理装置において生産性が高く維持しかつ搬送経路における炭素材料の詰まりを防止する。
【解決手段】繊維状あるいは粉体状の炭素材料を加熱処理する熱処理装置であって、上記炭素材料を収容すると共に導電材料からなる坩堝4と、該坩堝4に収容された上記炭素材料を圧縮する圧縮手段25と、該圧縮された上記炭素材料に対して上記坩堝4を介して通電することにより加熱処理する通電手段25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維状あるいは粉末状の炭素材料を加熱処理する熱処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、気相法にて製造された繊維状あるいは粉末状の炭素材料にはタール等の不純物が含まれており、この不純物を炭素材料から除去するために炭素材料を加熱処理する場合がある。また、気相法によって製造された炭素材料は、黒鉛の結晶構造が十分に発達していない。このため、加熱処理によって結晶構造を発達させ、炭素材料の熱及び電気の伝導性を向上させる場合がある。
このように、繊維状及び粉末状の炭素材料を加熱処理する場合には、一般的に炭素材料を外部から加熱する方法が用いられる。
【0003】
ところが、炭素材料は、嵩密度が小さいため、熱伝導率が低く加熱効率が悪いため生産性が悪い。このため、特許文献1には、炭素材料を一端ピストンによって圧縮し、この圧縮した炭素材料に通電することによって炭素材料を通電加熱する方法が提案されている。
特許文献1に提案された方法によれば、炭素材料を圧縮した状態にて加熱処理するため、短時間にて炭素材料の加熱処理が可能となり、生産性が向上する。
【特許文献1】特許第3600640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1によれば、圧縮した炭素材料を、通電を行うための電極まで搬送する必要がある。圧縮した炭素材料は、圧縮したまま形状が保たれるものではなく、外力を加えなければ反発力によって復元しようとする。このため、搬送途中において、圧縮した炭素材料の見かけ上の容積が増加し、搬送経路に炭素材料が詰まる虞がある。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、生産性が高くかつ搬送経路における炭素材料の詰まりが生じない炭素材料の熱処理装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、繊維状あるいは粉体状の炭素材料を加熱処理する熱処理装置であって、上記炭素材料を収容すると共に導電材料からなる坩堝と、該坩堝に収容された上記炭素材料を圧縮する圧縮手段と、該圧縮された上記炭素材料に対して上記坩堝を介して通電することにより加熱処理する通電手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような特徴を有する本発明によれば、圧縮手段によって炭素材料が坩堝内において圧縮され、通電手段によって圧縮された炭素材料に対して坩堝を介して通電される。
【0008】
また、本発明においては、上記坩堝が、上記炭素材料を収容可能であると共に開口部を有する容器と、該容器の上記開口部に対応する蓋部とを有し、上記圧縮手段が、上記蓋部を上記容器の内部に押し込むことにより上記炭素材料を圧縮し、上記通電手段が、上記蓋部及び上記容器を電極として上記炭素材料に通電するという構成を採用する。
【0009】
また、本発明においては、上記蓋部及び上記容器の少なくとも一方は、上記蓋部が上記容器の内部に押し込まれた際に、上記蓋部と上記容器の側壁部との距離よりも上記蓋部と上記容器の底部との距離を短くする突出部を備えるという構成を採用する。
【0010】
また、本発明においては、上記蓋部と上記圧縮手段とを位置合わせする位置合わせ手段を備えるという構成を採用する。
【0011】
また、本発明においては、上記通電手段にて上記加熱処理を行う場合に、上記坩堝を外部から加熱するヒータを備えるという構成を採用する。
【0012】
また、本発明においては、上記圧縮手段及び上記通電手段が一体とされているという構成を採用する。
【0013】
また、本発明においては、複数の上記坩堝を上記圧縮手段及び上記通電装置に順次供給すると共に上記圧縮手段及び上記通電装置から上記坩堝を順次運び出す搬送装置を備えるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、圧縮手段によって炭素材料が坩堝内において圧縮され、通電手段によって圧縮された炭素材料に対して坩堝を介して通電される。つまり、炭素材料は、坩堝内において圧縮されて通電加熱され、加熱処理に際して坩堝の外部に取り出されることはない。
したがって、坩堝ごと炭素材料を搬送することによって炭素材料が搬送経路に取り出されることなく炭素材料を圧縮させた状態で加熱することができる。
よって、本発明は、生産性が高くかつ搬送経路における炭素材料の詰まりが生じないものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る熱処理装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0016】
図1は、本実施形態の熱処理装置S1の概略構成を示す側面図である。なお、図1においては、説明の便宜上、後述する加熱部2の一部を断面にて示している。
この図に示すように熱処理装置S1は、収容部1と、加熱部2と、搬出部3とを備えている。
【0017】
収容部1は、図2に示す坩堝4に対して繊維状の炭素材料である炭素繊維Xを収容すると共に炭素繊維Xが収容された坩堝4を加熱部2に対して供給するものであり、坩堝4に炭素繊維Xを順次収容して炭素繊維Xが収容された坩堝4を順次加熱部に供給する。
【0018】
図2は、坩堝4の断面図である。この図に示すように坩堝4は、導電材料である黒鉛によって形成されており、炭素繊維Xを収容可能であると共に開口部43を有する容器41と、該容器41の開口部43に応じた蓋部42とを有している。
なお蓋部42は、開口部43よりも小さく形状設定されており、容器41の外部から内部に開口部43を通り抜け可能とされている。
このような坩堝4は、収容部1において、開口部43が開放された状態にて容器41の内部に炭素繊維Xが収容され、その後開口部43内に蓋部42が落とし込まれる。
【0019】
また、蓋部42は、加熱部2が備える述の電極棒25aの先端が嵌め合わされる位置合わせ溝44を備えている。
さらに坩堝4は、加熱部2が備える後述の電極棒25aによって蓋部42が容器41の内部に押し込められた際に、蓋部42と容器41の側壁部41aとの距離よりも蓋部42と容器41の底部41bとの距離を短くするための突出部45を蓋部42及び容器41の底部41bに備えている。なお、蓋部42に形成される突出部45は、蓋部42の下面から下方に向けて突出されている。また、容器41の底部41bに形成される突出部45は、容器41の底面から上方に向けて突出されている。
【0020】
なお、容器41に収容された炭素繊維Xの見かけ上の体積が増加して開口部43を介して炭素繊維Xが容器41の外部に出る可能性もある。このため、本実施形態においては、開口部43の見かけ上の面積を蓋部42の平面視面積よりも減少させるための固定部材46が容器41に対して取り外し可能に固定されている。
このような固定部材46を、容器41の内部に炭素繊維Xを収容し、さらに蓋部42を落とし込んだ後に容器41に対して取り付けることによって、蓋部42が容器41の外部に出ることが防止され、これによって炭素繊維Xが容器41の外部に出ることを防止することができる。
そして、本実施形態の熱処理装置S1においては、固定部材46は、収容部1によって容器41に対して固定される。
【0021】
図1に戻り、加熱部2は、チャンバ21と、断熱容器22と、ヒータ23と、搬送装置24と、圧縮通電装置25(圧縮手段、通電手段)を備えている。
【0022】
チャンバ21は、内部に断熱容器22、ヒータ23、及び搬送装置24を収納するものであり、一端21aが収容部1に接続され、他端21bが搬出部3に接続される。
なお、チャンバ21の一端21a及び他端21bには、開閉可能なシャッタ26が設置されている。
【0023】
断熱容器22は、チャンバ21内において坩堝4の搬送経路を囲って配置されるものであり、不図示の支持機構によってチャンバ21の一端21a側に配置されている。
【0024】
ヒータ23は、断熱容器22の略中央部に配置されており、坩堝4を外部から熱するものである。当該ヒータ23は、不図示の支持機能によって断熱容器22に対して固定されると共に、チャンバ21の外部の電源装置に電気的に接続されている。そして、当該電源装置から通電されることによって発熱する。
【0025】
搬送装置24は、チャンバ21の一端21aから他端21bに向けて複数の坩堝4を順次搬送するものであり、断熱容器22の内部に挿通して配置されている。
なお、断熱容器22の略中央部には、圧縮通電装置25が配置されている。すなわち、搬送装置24は、複数の坩堝4を圧縮通電装置25に順次供給すると共に圧縮通電装置25から坩堝4を順次運び出すものである。
また、搬送装置24は、坩堝4の載置箇所に坩堝4の底部41bを露出可能な貫通孔を有している。
【0026】
圧縮通電装置25は、坩堝4に収容される炭素繊維Xを圧縮すると共に圧縮された炭素繊維Xに通電することによって加熱処理するものであり、断熱容器22の略中央部を上下に挟み込んで配置されている。この圧縮通電装置25は、断熱容器22を挿通されると共に坩堝4に当接することによって坩堝4に対して通電する2本の電極棒25aと、当該電極棒25aを坩堝4に向けて昇降すると共にチャンバ21に固定される昇降装置25bとを有している。
そして、下方に配置された電極棒25aは、昇降装置25bによって上昇されることによって搬送装置24に形成された貫通孔を介して坩堝4の底部41bと接触可能とされている。
また、上方に配置された電極棒25aは、昇降装置25bによって下降されることによって坩堝4の蓋部42と当接可能とされ、さらに蓋部42を容器41の内部に押し込むことによって容器41に収容される炭素繊維Xを圧縮可能とするものである。なお、上方に配置された電極棒25aの先端部25cは、坩堝4の蓋部42に形成された位置合わせ溝44に嵌め合わすことが可能なように形状設定されている。そして、電極棒25aの先端部25cが蓋部42の位置合わせ溝44と嵌め合わされることによって、電極棒25aと坩堝4との位置合わせが可能なように構成されている。すなわち、本実施形態の熱処理装置S1においては、電極棒25aの先端部25c及び蓋部42の位置合わせ溝44によって、本発明の位置合わせ手段が構成されている。
このように、本実施形態の熱処理装置S1においては、圧縮通電装置25は、本発明の圧縮手段の機能と通電手段の機能との両方の機能を有している。すなわち、本実施形態の熱処理装置S1においては、圧縮手段と通電手段とが一体とされている。このため、熱処理装置S1をコンパクト化することが可能となる。
【0027】
搬出部3は、加熱部2から排出された坩堝4を熱処理装置S1の外部に搬出するものであり、必要に応じて坩堝4の固定部材46及び蓋部42を容器41から取り外すと共に、容器41に収容された炭素繊維Xを容器41の外部に取り出して搬出する。
【0028】
次に、このように構成された本実施形態の熱処理装置S1の動作について説明する。なお、本実施形態の熱処理装置S1の動作は、不図示の制御装置によって統括的に制御されている。そして、以下の動作において、特に断りがない限りは、その動作の主体者は制御装置である。
【0029】
まず、収容部1において炭素繊維Xは、坩堝4に収容される。詳細には、蓋部42及び固定部材46が取り外された容器41に対して炭素繊維Xが収容され、その後、蓋部42及び固定部材46が容器41に対して取り付けられることによって、炭素繊維Xが坩堝4に収容される。
そして、坩堝4に収容された炭素繊維Xは、収容部1によって加熱部2に供給される。この際、加熱部2のチャンバ21の一端21aに設置されたシャッタ26は開放されている。
なお、収容部1においては、このような坩堝4への炭素繊維Xの収容が順次行われ、炭素繊維Xが収容された坩堝4が順次加熱部2に供給される。
【0030】
加熱部2に供給された坩堝4は、搬送装置24によって断熱容器22の内部に導入され、圧縮通電装置25が配置された断熱容器22の略中央部まで搬送される。すなわち、搬送装置24によって坩堝4が圧縮通電装置25に供給される。
【0031】
断熱容器22の略中央部まで坩堝4が搬送されると、圧縮通電装置25の昇降装置25bが、上方に配置された電極棒25aを下降し、下方に配置された電極棒25aを上昇する。
この結果、下方に配置された電極棒25aが坩堝4の容器41の底部41bと当接され、上方に配置された電極棒25aが坩堝4の蓋部42と当接される。なお、上方に配置された電極棒25aと坩堝4の蓋部42とが当接される際に、電極棒25aの先端部25cが蓋部42に位置合わせ溝44に嵌め合わされることによって電極棒25aと坩堝4との位置合わせが確実行われる。
また、上方に配置された電極棒25aは、蓋部42と当接された状態からさらに容器41の内部に押し込められる。この結果、図3に示すように、容器41に収容された炭素繊維Xが圧縮される。なお、蓋部42が容器41の内部に押し込められることによって、蓋部42と容器41とは離間状態となる。
【0032】
そして、このように電極棒25aと坩堝4とが当接され、さらに炭素繊維Xが圧縮された状態にて、電極棒25aから坩堝4を介して圧縮された炭素繊維Xに通電されることによって、炭素繊維Xが加熱処理される。より具体的には、圧縮通電装置25は、直流電源を供給する場合には、蓋部42及び容器41のいずれか一方を負極、他方を正極として坩堝4を介して炭素繊維Xに通電を行う。また、圧縮通電装置25は、交流電源を供給する場合には、蓋部42及び容器41に印加する電圧を連続的に変化させながら坩堝4を介して炭素繊維Xに通電を行う。
ここで、本実施形態の熱処理装置S1においては、蓋部42と容器41の側壁部41aとの距離よりも蓋部42と容器41の底部41bとの距離を短くするための突出部45を蓋部42及び容器41の底部41bに備えているため、確実に炭素繊維Xに電流を流すことが可能となる。
【0033】
なお、圧縮通電装置25にて炭素繊維Xに通電されている際に、坩堝4は、ヒータ23によって外部からも加熱される。したがって、炭素繊維Xは外部からも補助的に加熱されることとなり、より迅速に炭素繊維Xを加熱処理することが可能となる。
【0034】
このようにして炭素繊維Xが加熱処理されると、昇降装置25bが、上方に配置された電極棒25aを上昇し、下方に配置された電極棒25aを下降することによって、電極棒25aと坩堝4とが離間される。
【0035】
その後、坩堝4は、搬送装置24によって圧縮通電装置25が配置される断熱容器22の略中央部から運び出され、断熱容器22の外部に搬出されると共に、チャンバ21の他端21bから搬出部3に供給される。
なお、チャンバ21の他端21bから搬出部3に坩堝4が供給される際、チャンバ21の他端21bに設置されたシャッタ26は開放されている。
【0036】
搬出部3に供給された坩堝4に収容された炭素繊維Xは、必要に応じて坩堝4から取り出され、熱処理装置S1の外部に搬出される。
【0037】
そして、本実施形態の熱処理装置S1においては、搬送装置24によって、圧縮通電装置25に対して順次坩堝4が供給されると共に圧縮通電装置25から順次坩堝4が運び出されることで、連続的に炭素繊維Xに加熱処理が行われる。
【0038】
以上のような本実施形態の熱処理装置S1によれば、圧縮通電装置25によって炭素繊維Xが坩堝4内において圧縮され、圧縮された炭素繊維Xに対して坩堝4を介して通電される。つまり、炭素繊維Xは、坩堝4内において圧縮されて通電加熱され、加熱処理に際して坩堝4の外部に取り出されることはない。
したがって、坩堝4ごと炭素繊維Xを搬送することによって炭素繊維Xが搬送経路に取り出されることなく炭素繊維Xを圧縮させた状態で加熱することができる。
よって、本実施形態の熱処理装置S1は、生産性が高くかつ搬送経路における炭素繊維の詰まりが生じないものとなる。
【0039】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0040】
例えば、上記実施形態においては、炭素繊維Xを加熱処理する熱処理装置について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、粉末状の炭素材料である炭素粉末を加熱処理する熱処理装置に適用することもできる。
【0041】
また、上記実施形態においては、坩堝4の容器41及び蓋部42の各々に突出部45を形成する構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、容器41及び蓋部42のいずれか一方のみに突出部45を形成しても良い。
【0042】
また、上記実施形態においては、坩堝4が黒鉛からなる構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、坩堝4は導電性材料によって形成されていれば良い。ただし、坩堝4は、炭素繊維Xの加熱処理によって生じる温度に耐えられる材料によって形成される。
【0043】
また、上記実施形態においては、収容部1を備えることによって、坩堝4への炭素繊維Xの収容及び加熱部2への坩堝4の供給を自動化する構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、坩堝4への炭素繊維Xの収容及び加熱部2への坩堝4の供給を作業者により手動にて行っても良い。
【0044】
また、上記実施形態においては、搬出部1を備えることによって炭素繊維X及び坩堝4の熱処理装置S1の外部への搬出を自動化する構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、炭素繊維X及び坩堝4の熱処理装置S1の外部への搬出を作業者により手動にて行っても良い。
【0045】
また、上記実施形態においては、昇降装置25bによって、上方に配置された電極棒25aを昇降させる構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、上方に配置された電極棒25aを固定し、下方に配置された坩堝4を昇降させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態における熱処理装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態における熱処理装置にて用いられる坩堝の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における熱処理装置の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0047】
1……収容部、2……加熱部、23……ヒータ、24……搬送装置、25……圧縮通電装置(圧縮手段、通電手段)、25c……先端部、3……搬出部、4……坩堝、41……容器、41a……側壁部、41b……底部、42……蓋部、43……開口部、44……位置合わせ溝、45……突出部、S1……熱処理装置、X……炭素繊維(炭素材料)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維状あるいは粉体状の炭素材料を加熱処理する熱処理装置であって、
前記炭素材料を収容すると共に導電材料からなる坩堝と、
該坩堝に収容された前記炭素材料を圧縮する圧縮手段と、
該圧縮された前記炭素材料に対して前記坩堝を介して通電することにより加熱処理する通電手段と
を備えることを特徴とする熱処理装置。
【請求項2】
前記坩堝が、前記炭素材料を収容可能であると共に開口部を有する容器と、該容器の前記開口部に対応する蓋部とを有し、
前記圧縮手段が、前記蓋部を前記容器の内部に押し込むことにより前記炭素材料を圧縮し、
前記通電手段が、前記蓋部及び前記容器を電極として前記炭素材料に通電する
ことを特徴とする請求項1記載の熱処理装置。
【請求項3】
前記蓋部及び前記容器の少なくとも一方は、前記蓋部が前記容器の内部に押し込まれた際に、前記蓋部と前記容器の側壁部との距離よりも前記蓋部と前記容器の底部との距離を短くする突出部を備えることを特徴とする請求項2記載の熱処理装置。
【請求項4】
前記蓋部と前記圧縮手段とを位置合わせする位置合わせ手段を備えることを特徴とする請求項2記載の熱処理装置。
【請求項5】
前記通電手段にて前記加熱処理を行う場合に、前記坩堝を外部から加熱するヒータを備えることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の熱処理装置。
【請求項6】
前記圧縮手段及び前記通電手段が一体とされていることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の熱処理装置。
【請求項7】
複数の前記坩堝を前記圧縮手段及び前記通電装置に順次供給すると共に前記圧縮手段及び前記通電装置から前記坩堝を順次運び出す搬送装置を備えることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の熱処理装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−190907(P2009−190907A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30453(P2008−30453)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】