説明

熱可塑性エラストマーフィルム

高温における食品調製用フィルム、該フィルムからつくられた袋、並びにこのようなフィルムの製造法および該袋の製造法が提供される。この高温における食品調製用のフィルムは、ポリアミドおよびポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムから構成されている。ポリアミドにはナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6の共重合体、ナイロン−6,6の共重合体、およびこれらの組み合わせが含まれる。このようなフィルムからつくられた袋は最高約425°Fの高温における調理の用途に使用される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は2006年9月12日出願の米国特許出願第11/531,009号、および2005年9月30日出願の米国特許暫定出願第60/722,721号の優先権を請求する。これらの特許出願は引用によりその全内容が本明細書に包含される。
【研究分野】
【0002】
本発明は一般に熱可塑性フィルム、熱可塑性フィルムからつくられた製品、および該製品を製造する方法に関する。特に本発明は、高温の用途に使用されるポリエステル/ポリアミドブレンドフィルム、該フィルムからつくられた袋、および該フィルムおよび袋の製造法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の熱可塑性フィルムは食品製品を袋詰めにし、保存し容器に収納するために使用されてきた。通常のフィルムは例えばポリプロピレンおよびポリエチレンから構成されている。随時接着層を使用して個々のフィルム層を結合させることができる。
【0004】
従来のフィルムからつくられた袋はしばしば高温の水で調理する用途に使用される。例えば米およびパスタはしばしば「煮沸用の(boil−in)」袋の中で調理される。
【0005】
しかし従来法の袋は、例えば鳥肉または他の肉類を調理するような高温における調理には適していない。何故ならこれらのフィルムは熔融するかその中に保持された食品にこびりつく(接着する)からである。肉類にこびりつくことを減少させるのに通常使用される材料例えばポリエチレンは、不幸にして軟化温度および熔融温度が低く、従って高温の調理の用途に対しては良くない選択である。
【0006】
また従来の袋は典型的には、肉のケースの中に詰め込むような高い圧力をかけて肉を詰め込む用途に使用するほどの耐久性をもっていない。例えば、肉をケースに詰め込むのに使用される袋は、破断が生じる前に著しく伸長する能力をもっていることが必要である。
【0007】
従来の調理用の袋を熱封は、典型的には隣接した表面との間に熔融接合が生じるのに十分な時間の間、隣接したフィルムの表面に十分な熱および圧力を加えることによって達成される。しかし、熱封は欠陥を生じやすく、原材料の折り目を熱封するのに必要な熱によって、フィルム層が過度に薄くなるかフィルムを通して熔融が起こることにより、フィルムの障壁特性が傷つく恐れがある。調理の用途においては不完全な熱封は特に問題があり、この場合高温に対する露出および熱による収縮によってこのような熱封にかかる歪みはさらに増加する。クリップ、リング、または他の機械的な装置を使用するような機械的な密封技術を熱封の代わりに用い得ることもできるが、機械的な密封には数多くの望ましくない効果、例えば、袋詰めにされた製品の中で密封装置が失われたときの汚染、或いは密封装置が金属製の場合しばしば起こるようにマイクロ波による調理に使用することはできないという効果を伴う。
【0008】
従って袋詰め産業界においては、所望の障壁特性に有害な影響を与えることなく熱封が行える高温調理用に使用されるフィルム組成物が望まれている。
【発明の開示】
【0009】
本発明の要約
本発明においては、高温における食品調製用のフィルム、該フィルムから製造された袋、および該フィルムおよび袋の製造法が提供される。高温における食品調製用のフィルムは、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムである。このブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは熱可塑性エラストマーおよびポリアミドのブレンドから構成されている。高温における食品調製用のフィルムは食品を取り扱う産業、特に肉類の袋詰め産業に有用であり、調理用の袋の用途に使用される。
【0010】
熱可塑性エラストマーにはポリエステルエラストマー、ポリエーテル−エステル・ブロック共重合体、ポリエステル−エステル・ブロック共重合体、ポリエーテルブロック・ポリアミド共重合体が含まれる。ポリアミドにはナイロンおよび芳香族ナイロン、例えばナイロン−6、ナイロン−11、ナイロン−4,6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,9、ナイロン−6,10、ナイロン−6,11、ナイロン−6,12、ナイロン−10,12、およびこれらの共重合体、並びにそれらの組み合わせが含まれる。
【0011】
高温における食品調製用のフィルムは、該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約10〜約90重量%のポリアミド、および該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約10〜約90重量%の熱可塑性エラストマーを含んで成っている。好適な具体化例においては、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは、該単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約48%のナイロン−6、約32%のナイロン−6,6,および約20%のポリエステルエラストマーを含んで成っている。
【0012】
高温における食品調製用のフィルムは、特に他の望ましい特性の中で、耐久性、強靭性、弾力性、蒸気透過性、熱封に対する応答性、温度許容性、および非付着性(non−stick properties)、即ち肉のこびり付きに対する抵抗性に関して有利な特性を示す。特に、本発明により提供される高温における食品調製用のフィルムおよび袋は、高温の調理条件にさらされたとき、その中に袋詰めされた例えば食品のような製品、に対して低い接着性(adhesion)を示す。調理に用途に使用する場合、本発明の高温における食品調製用のフィルムは、フィルム材料を横切る蒸気透過速度が有利であるために、食品の褐色化(こんがりと狐色に焼ける(browning))の程度に有利な結果が得られる。
【0013】
高温における食品調製用のフィルムの製造法には、注型フィルム押出し法、二軸配向フィルム加工法、シート押出し法、輪郭押出し法、、および吹込みフィルム押出し法が含まれる。
【0014】
また本発明においては、高温における食品調製用のフィルムからつくられた袋が記載されている。この袋は密封された端、該密封された端から延びた少なくとも一つの側壁、および開いた端を含んでいる。該側壁は該密封された端から遠い位置にある縁を含み、この縁は開いた端を規定している。高温における食品調製用のフィルムからつくられる袋は、ブレンドされた熱可塑性フィルムから、ワイヤ・インパルス(wire impulse)密封法、インパルス密封法、回転加熱密封法、高温ナイフ加熱密封法、高温棒密封法、超音波密封法のような加熱密封法を含む群から選ばれる密封法により互いに融合させることによってつくることができる。
【0015】
例示的な具体化例の詳細な説明
本発明においては、高温における食品調製用のフィルム、該フィルムから製造された袋、および該フィルムおよび袋の製造法が提供される。高温における食品調製用のフィルムは、熱可塑性エラストマーおよびポリアミドから構成されたブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムから成っている。高温における食品調製用のフィルムの製造法には、通常の押出し法および二軸配向フィルム加工法が含まれる。高温における食品調製用の袋はブレンドされた熱可塑性フィルムからこれを密封法により互いに融合させてつくられる。
【0016】
フィルムおよび袋を製造するこれらの方法は、工業用規模または他の大きな規模の、並びに小規模の食品製造企業において有用であり、特に工業的な食肉製造加工業において有用である。工業的規模でない家庭用に使用することも本発明の意図に含まれている。
【0017】
本明細書においては、調理温度または高温における調理用の温度とは約200〜約550°Fを示すものとする。
【0018】
熱可塑性エラストマーには、例えばポリエーテル−エステル・ブロック共重合体,ポリエステル−エステル・ブロック共重合体、ポリエーテルブロック・ポリアミド共重合体およびこれらの組み合わせを含む当業界の専門家には公知の通常のエラストマーが含まれる。熱可塑性エラストマーは好ましくはカルボン酸またはそのメチルエステル、ポリアルキレンオキシド、および短鎖のジオールの熔融エステル交換反応によってつくられる。ポリエーテル−エステル・ブロック共重合体,ポリエステル−エステル・ブロック共重合体を含む典型的な熱可塑性エラストマー、およびその合成法はEncyclopedia of Polymer Science and Technology,12巻,76〜177頁(John Wiley & Sons,Inc.1985年)に記載されている。この文献は引用によりその全文が本明細書に包含される。
【0019】
好適な熱可塑性エラストマーはポリエステルエラストマーである。ポリエステルエラストマーは例えばポリエーテル−エステル・ブロック共重合体およびポリエステル−エステル・ブロック共重合体を含む当業界の専門家に公知の通常のポリエステルエラストマーが含まれる。
【0020】
ポリエステルエラストマーは種々の商品名で市販されている。例えばRoyal DSM Engineering社のArnitel(R)、DuPont社のHytrel(R)およびTicona社のRiteflex(R)はポリエーテル−エステルの通常の登録商品名であり、ATOFINA Chemicals,Inc.製のPEBAX(R)は市販のポリエーテルブロック・ポリアミド共重合体原料である。好適な熱可塑性エラストマーはDSM Engineering社から市販されているArnitl(R)の系列製品である。さらに好適な市販の熱可塑性エラストマーはArnitel(R) EM630ポリエステルエラストマー(Royal DSM,Herleen,オランダ)である。
【0021】
ポリアミドには当業界の専門家に公知のポリアミド、例えばナイロンおよび芳香族ナイロンが含まれる。好ましくはポリアミドはナイロンである。ナイロンには例えはナイロン−6、ナイロン−11、ナイロン−4,6,ナイロン−6,6,ナイロン−6,9,ナイロン−6,10,ナイロン−6,11,ナイロン−6,12,ナイロン−10,12およびこれらの共重合体およびそれらの組み合わせが含まれる。さら好ましくはポリアミドはナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6の共重合体、ナイロン−6,6の共重合体またはこれらの組み合わせである。
【0022】
ポリアミドは種々の登録商標または他の商品名で入手できる。例えばSolutia,Inc.,社のVydyne(R)およびDuPont社のZytel(R)は種々のナイロンの通常の市販原料である。好適な市販のナイロン−6はドイツ、StuttgartのBASF Drucksysteme GmbHのBASF B4OLN01ナイロン−6であり、好適なナイロン−6,6はVydyne(R)66J熱安定化ナイロン−6,6(Solutia,Inc.,Gonzales,FL)である。好適な芳香族ナイロンはKevlar(R)である。
【0023】
またブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは、随時フィルム組成物の所望の特定の特性を付与または増強する添加物を含んでいることができる。典型的な添加物には、フィルムに混入できる安定剤、滑り添加剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤、染料、または顔料、くもり防止剤(antifogs)、熱安定剤、抗微生物剤、酸素除去剤、香料、加工助剤などが含まれる。当業界の専門家は、フィルムの所望の特性を変えることのない添加成分は本発明のブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムに含ませることができるものと考えるべきである。
【0024】
高温における食品調製用のフィルムは食品を取り扱う産業、特に肉類を詰め込む産業に有用であり、また調理用の袋に使用される。本発明の一具体化例に従えば、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約90〜約10重量%の1種またはそれ以上のポリアミド、およびブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの約10〜約90重量%の熱可塑性エラストマーを含んで成る、高温の用途に使用されるブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムが提供される。他の具体化例においては、該フィルムはブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約50〜約90重量%の1種またはそれ以上のポリアミド、およびブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの約10〜約30重量%のポリエステルエラストマーを含んで成っている。
【0025】
一好適な具体化例においては、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは、該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約40〜約60重量%のナイロン−6、該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約20〜約40重量%のナイロン6,6、および該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルム全重量に関し約10〜約30重量%のポリエステルエラストマーを含んで成っている。さらに好ましくは該フィルムは該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約48%のナイロン−6、約32%のナイロン−6,6,および約20%のポリエステルエラストマーを含んで成っている。
【0026】
高温における食品調製用のフィルムは約200〜約550°Fの調理条件で使用することができる。好ましくは本発明の高温における食品調製用のフィルムは約210〜約475°Fの調理条件で使用することができる。さらに好ましくは本発明の高温における食品調製用のフィルムは約210〜約450°F、約210〜425°F、または約275〜約425°Fの調理条件で使用することができる。もっと好ましくは本発明の高温における食品調製用のフィルムは約350〜約425°Fの調理条件で使用することができる。
【0027】
高温における食品調製用のフィルムは、他の望ましい性質の中で、耐久性、強靭性、弾性、蒸気透過性、熱封に対する応答性、温度許容性、および非付着性、即ち肉がこびりつくことに対する抵抗性に関して有利な特性を示す。特に、本発明により提供される高温における食品調製用のフィルムおよび袋は、高熱の環境にさらされた場合、その中に詰め込まれた食品のような製品に対し低い接着性を示す。調理の用途に使用する場合、本発明の高温における食品調製用のフィルムは、フィルム材料を横切る蒸気透過速度が有利であるために、該フィルムまたはフィルムの袋の中に貯蔵された食品に対し有利な褐色化の速度が得られる。
【0028】
本発明のフィルムは高熱の環境にさらされた場合、その中に袋詰めにされた食品のような製品に対し低い接着性を示す。ナイロンの重合鎖はヒドロキシル基、即ち極性をもった基を有し、これによってナイロン重合体は極性分子になっている。この物理的性質のために、ナイロンのフィルムは食肉に対し非常に大きな親和性を示し、ナイロンが伝統的に食肉のケースに使用されてきたのはこのためである。このような方法で使用する場合、ナイロンフィルムは食肉に接着し、それと緊密に接触し、調理の際食肉から水分が出るのを、即ち「除去される」のを防ぐ。この現象は調理された食肉の重量を維持する助けになり、食肉製品の「調理収率(cook yield)」を増加させる。しかし、食肉がケース用のフィルムに接着する程度が大き過ぎる場合、ケースを取り去った際袋詰めにされた食肉の一部はフィルムと一緒に引きちぎられ、かなりの量の食肉が剥ぎ取られ、食肉の袋詰め収率は減少し、得られる製品の収益率が減少する。従って、袋詰め用の材料が袋詰めにされた製品に過度に接着することはしばしば起こることであるが、望ましくないことである。
【0029】
大部分のソーセージおよび調製した食肉は210°Fより低い温度で調理される。このような条件で食肉の接着を減少させるためには、若干の無極性重合体、例えばポリエチレンをナイロンとブレンドし、その接着効果を減少させることが知られている。特定の量のポリエチレンをナイロンとブレンドすることにより、ケースを取り去った場合、水分の除去量は減少するが食肉は全く引きちぎられないような食肉に対して最適の接着量を得ることができる。このように当業界においては低温で調理することに伴って食肉の接着は減少することが知られている。
【0030】
しかし、高温の調理条件(210°Fより高い)では接着の問題は深刻になる。何故なら食肉の接着を減少させるのに通常使用される材料はビカット(vicat)軟化点が低く、また結晶融点も低いからである。ポリエチレンのビカット軟化点は典型的には約210°Fであり、結晶融点は約248°Fである。ナイロンを異なった重合体とブレンドすることが望ましい場合、適切にブレンドを行って得られる生成物がフィルムになる能力をもつことを保証するためには、選ばれた重合体はナイロンに可溶でなければならないことを考えれば、この問題はさらにさらに解決が困難になる。これに加えて、選ばれた重合体は、特に高温が使用される場合、食品と接触させて安全に使用できなければならない。
【0031】
一具体化例においては、高温における食品調製用のフィルムはArnitel(R) EM630ポリエステルエラストマー(Royal DSM, Herleen,オランダ)である熱可塑性エラストマーを含んで成っている。このポリエステルエラストマーはナイロンに比べて低い食肉接着性を有する。このポリエステルエラストマーはナイロンと同等な結晶融点(414°F)をもっており、ナイロンに溶解し、食品と接触しても安全である。このフィルムはナイロンのようなポリアミドを熱可塑性エラストマーと特定の割合でブレンドしてブレンド製品にすると、高温において優れた用途をもち、食品と接触した場合良好な安全性をもち、食品の接着性が減少した袋詰め用のフィルムをつくるのに使用することができる。
【0032】
本明細書に記載されたフィルムおよび少なくとも一部分がそれから構成された袋は、高温における調理の用途に使用した場合、有利な程度の蒸気透過速度をもつことができ、これは袋詰めにされた製品が褐色化するのを促進する特徴である。典型的には閉じたポットの中で調理される食肉はカラカラに乾燥することができないから、狐色になるまで焼けることはない。他方蓋をしないポットで調理した食肉は乾燥し、焦げて褐色化するであろう。狐色に焼けた調理した食肉は、狐色になるまで焼けていない食肉に比べ、顧客または他の購買者に対ししばしば強く購買欲をそそることが多い。内部の小部屋が周囲の料理環境の雰囲気から密封されている調理用の袋に関しては、水分が袋から出ることができる唯一の方法は、袋がつくられているフィルムを通して水分が透過する方法である。
【0033】
本明細書に記載された高温用のフィルムからつくられた高温調理用の袋は、すべてがナイロンからできた通常の袋に比べ、いっそう効率的に食肉を褐色化させることができる。高温調理用の袋は高度に有利な蒸気透過速度を示し、従って高温での調理に使用する際、袋詰めにされた製品の褐色化が改善される。
【0034】
また本発明の高温調理用フィルムは有利な水蒸気透過速度を示す。好ましくは高温調理用フィルムは水蒸気透過速度が2g/100平方インチ/日以上である。さらに好ましくは水蒸気透過速度は約5g/100平方インチ/日以上である。他の好適な具体化例においては水蒸気透過速度は約5〜約10g/100平方インチ/日である。さらに好適な具体化例においては水蒸気透過速度は約7.5g/100平方インチ/日である。
【0035】
本発明の高温調理用フィルムは任意の通常の厚さをもっていることができる。好ましくは高温調理用フィルムは約0.45〜約7.0ミルの厚さをもっている。さらに好ましくはこの高温調理用フィルムは約0.45〜約5.0ミルの厚さ、約0.45〜約4.0ミルの厚さ、または約0.75〜約3.0ミルの厚さをもっている。もっと好ましくは高温調理用フィルムは約1.0〜約2.5ミルの厚さをもっている。
【0036】
本発明の高温調理用フィルムは約0.002インチ、即ち2ミルの厚さをもち、水蒸気透過速度は少なくとも2g/100平方インチ/日以上であるか、或いは好ましくは少なくとも約5g/100平方インチ/日以上であることができる。一具体化例においては、2ミルの高温調理用フィルムは約5〜約10g/100平方インチ/日の水蒸気透過速度を示す。
【0037】
本発明により提供される調理用フィルムは有利なことには、引張り強さ、伸びおよび引裂き強さの開始(tear strength initiation)のような物理的特性を測定した際、靭性および可塑性の両方を示す。袋詰めの過程の間このフィルムは著しい応力に耐える必要があり、調理の際に高温がかけられるために増強された耐久性が必要である。本発明の高温調理用フィルムおよび袋によって与えられる他の利点には、このような靭性および増強された耐久性が含まれる。熱可塑性エラストマーフィルムに比べて典型的にはかたくて伸ばすことができない純粋なナイロンフィルムとは対照的に、ポリアミドと熱可塑性エラストマーとのブレンドからつくられた本発明の高温調理用フィルムおよび袋は、従来のすべてがナイロンの袋に比べ伸びが大きく、強靭である。引張り強さ、伸びおよび引裂き強さの開始(tear strength initiation)の物理的特性を用い、フィルム組成物に対する靭性および可塑性の寄与を測定することができる。
【0038】
引張り強さでは、典型的には、引張り試験が測定不能になる前に、複合試料によって支えられている最大引張り応力が測定される。いくつかの具体化例においては、本明細書に記載されたブレンドフィルムは約6,000〜約25,000psiの引張り強さを示す。好適な具体化例においては、フィルムは約9,000〜約16,500psi、または約10,500〜約15,000psiの引張り強さをもっている。
【0039】
材料の伸びは、張力により応力をかけられた材料の長さの増加率を示す。伸びは元の長さに対する百分率で表すことができる。或る具体化例においては、ブレンドフィルムは約0〜約700%の伸びを示す。好適な具体化例においては、フィルムは約450〜約600%の伸びを示し、さらに好適な具体化例においては、フィルムは約480〜約550%の伸びを示す。
【0040】
引裂き強さの開始は、材料の引き裂きが起こるのに必要な材料の単位長さ当たりの重さを与える。或る具体化例においては、記載されたブレンドフィルムは約80〜約1,200g/ミルの引裂き強さの開始を示す。好適具体化例においてはフィルムは約550〜約900g/ミルの引裂き強さの開始を示し、さらに好適な具体化例においては、引裂き強さの開始は約580〜約850g/ミルである。
【0041】
また本発明の熱可塑性エラストマー/ポリアミドフィルムは、多くの従来のフィルムに比べて熱封に適している。ポリエステルエラストマー・フィルムのような熱可塑性フィルムは、典型的にはナイロンを含むポリアミドフィルムよりも低い熔融温度をもっている。例えばArnitel(R)EM630ポリエステルエラストマー(Royal DSM,Herleen,オランダ)は414°Fの熔融温度をもっているが、 BASF B4OLN01 ナイロン−6(BASF Drucksysteme GmbH,Stuttgart,ドイツ)は428°Fの熔融温度をもち、Vydyne(R)66Jナイロン−6,6(Solutia,Inc.,Gonzales,FL)は500°Fの熔融温度をもっている。ナイロンに比べポリエステルエラストマーの熔融温度が低いと、この3種のブレンド物の熔融温度は低くなるであろう。熔融温度が低いと熱封は容易になる。何故なら熱封を行うのに必要な熔融が得られるために伝達される熱が少ないからである。本明細書記載のフィルム組成物は容易に且つ確実に熱封が行える利点をもっている。
【0042】
熱可塑性フィルムを作る方法には、注型フィルム押出し法、二軸配向フィルム加工法、シート押出し法、輪郭押出し法、または吹込みフィルム押出し法が含まれる。例えばブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは、熱可塑性エラストマーおよびポリアミドの熔融ブレンドを製造し、熔融ブレンド物を押し出すことによりつくることができる。熱可塑性フィルムをつくる他の方法は、米国特許第6,682,792 B2号明細書に記載されている。この特許は引用により本明細書に全文が包含される。
【0043】
製品を保持するための袋も提供される。このような袋には密封された端、該密封された端から延びた少なくとも一つの側壁、該少なくとも一つの側壁の各々が有する遠い方の縁、および該遠い方の縁によって規定される開いた端が含まれている。本明細書に記載されたブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムから少なくとも一部がつくられたフィルムおよび袋は袋詰め産業、特に食肉の袋詰め産業、および食品製造産業に有用である。本明細書においては「袋」という言葉は伝統的に定義された真空の袋、ケース、パウチ(pouch)、サック、および袋詰め、持ち運びおよび調理のために物体を保持する容器を意味するものとする。
【0044】
一具体化例においては、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約90〜約10重量%の一以上のポリアミド、および該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関して約10〜約90重量%の熱可塑性エラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムから袋がつくられる。他の具体化例においては、袋はブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約40〜約60重量%のナイロン−6、該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約20〜約40重量%のナイロン6,6、および該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルム全重量に関し約10〜約30重量%のポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムからつくられる。さらに好ましくは袋はブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約48%のナイロン−6、約32%のナイロン−6,6,および約20%のポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムからつくられる。
【0045】
少なくとも一部がブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムからつくられた袋は、従来公知の熱可塑性の袋に比べ有利な特性を示す。上記の重量割合で熱可塑性エラストマーをポリアミド重合体とブレンドすると、ナイロンフィルムまたは熱可塑性フィルムだけの場合に比べ、また従来のブレンドされた熱可塑性フィルムに比べ、極めて望ましい物理的特性を生じる。
【0046】
袋は、当業界の専門家には公知の通常の袋製造法を用いてつくることができる。一具体化例においては、上記のフィルムの筒状の原材料から、その筒状のフィルムの所定の長さの一端を密封するか、または該筒状のフィルムの両端を密封した後、片側の縁を縦切りし袋のマウント(mount)を作ることによって製造される。別法として、フィルムの平らなシートからフィルムの重なった三つの縁を密封するか、または矩形のシートを半分に折り曲げ、折り曲げた側に近い二つの辺を密封することによって袋を作ることができる。
【0047】
袋は、例えばワイヤ・インパルス密封法、インパルス密封法、回転加熱密封法、高温ナイフ加熱密封法、高温棒密封法、超音波密封法のような加熱密封法を含む群から選ばれる密封法により互いに融合させることによってつくることができる。加熱密封法を使用して上記の袋を作ることが好適である。
【0048】
また本発明においては、上記のポリエステル/ポリアミドブレンドフィルムから少なくとも一部がつくられた袋を作る方法が提供される。この中には、製品を収納することができる内部の仕切り室をつくるすべての適当な方法が含まれ、袋の密封は加熱密封法、超音波密封法、スター(star)密封法、または他の適当な密封法で行うことができるが、加熱密封法が好適である。例えば一具体化例においては、それぞれフィルム原材料の全重量に関し約40〜約60重量%のナイロン−6、約20〜約40重量%ナイロン−6,6、および約10〜約30重量%のポリエステルエラストマーを含んで成るフィルム原材料をつくり、フィルム原材料の一部を折り曲げて折り曲げた部分をつくり、フィルム原材料の折り曲げた部分を熱封して密封部をつくる工程により貯蔵用の袋がつくられる。
【0049】
さらにまた本発明によれば、食品製品を調理する方法が提供される。このような方法によれば、七面鳥、鶏肉、ハム、またはローストビーフのような全筋の食肉(whole muscle meat)の食品製品を、製造業者または個人的な消費者がもともと貯蔵されていた袋の中に入れたまま調理できるような方法で、包装および調製の両方に適した袋の中で高温で調製することができる。これに加えて、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの蒸気透過特性のために、このような方法は袋詰めにされた食品を袋の中に入れたまま狐色に焼くかカリカリに焼き上げることができる。本発明方法によって与えられる他の利点は、閉じ込めた食品製品に対し袋詰め用の材料が接着することなく全筋食肉としてこのような製品を調理することができることである。例えば、好適具体化例においては、それぞれブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約40〜約60重量のナイロン−6、約20〜約40重量%のナイロン−6,6、および約10〜約30重量%のポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムから少なくとも一部がつくられた袋を作り、この袋を約210〜約425°Fの温度に加熱する工程を含む食品の調理方法が提供される。他の具体化例においては、加熱工程にはまた袋詰めにした食品を狐色に焼くかまたはカリカリになるまで焼く段階が含まれる。このような方法は、食品調理用の袋をオーブンまたは他の調理装置に入れた後これを取り扱う必要がなく、また袋の材料が中に閉じ込められた食品の一部にくっついたりそれから抜け落ちたりすることを心配する必要なく、使用者が食品、例えば食肉の一部を狐色になるまで焼いたりまたはカリカリに焼いたりすることができるという利点をもっている。
【0050】
当業界の専門家は、上記の好適具体化例に対して多数の変更および修正を行うことができ、このような変更および修正は本発明の精神を逸脱することなく行えることを理解されるであろう。従って添付特許請求の範囲は本発明の真の精神および範囲内に入るこのようなすべての同等物および変形を包含するものとする。温度のような物理的および化学的性質に関して範囲が使用されている場合、これらの範囲は特定の具体化例のすべての組み合わせ並びに部分的な組み合わせを含むものとする。
【0051】
[実施例]
下記の実施例においては本発明の或る種の態様をさらに説明する。これらの実施例は本発明の或る種の具体化例を示すものであるが、これらは例示のためだけの例であり、特許請求の範囲を限定するものではない。上記の説明から、当業界の専門家は特許請求の範囲に請求された本発明の特徴を確認し、本発明の精神および範囲を逸脱することなくこれを種々の使用および条件に当てはめることができるであろう。
【実施例1】
【0052】
物理的特徴
ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムをつくり、その物理的性質および袋詰め操作および高温における用途を試験した。ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し48%のナイロン−6、32%のナイロン−6,6、および20%のポリエステルエラストマーを含んで成っていた。ナイロン−6の原材料はBASF B4OLN01(BASF Drucksysteme GmbH,Stuttgart,ドイツ)であり;ナイロン−6,6の原材料はVydyne(R)66J熱安定化ナイロン−6,6(Solutia,Inc.,Gonzales,FL)であり;ポリエステルエラストマーの原材料はArnitel(R)EM630ポリエステルエラストマー(Royal DSM, Herleen,オランダ)であった。フィルムの吹込み押し出し法を使用し、厚さ2.25mmのフィルムを得ることによりフィルム原材料をつくった。面積収率は10,720平方インチ/ポンドであると測定された。通常の試験法を用いて引張り強さ、伸び、引裂き強さの開始、および水蒸気透過速度を測定した。表1にこれらの試験結果並びに該測定値を得るのに使用した試験法を示す。
【0053】
【表1】

【0054】
この結果は、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムが極めて有利な強靭性および耐久性の特性をもっていることを示している。このフィルムは食肉製品を袋詰めにするために適した強靭性および耐久性をもっていた。
【0055】
次にブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの加熱試験を行い、試験フィルムに対する理想的な使用温度を評価した。この試験フィルムは最高400°Fの温度まで理想的に機能した。従ってブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは全筋食肉を調理するような高温における調理、並びに耐久性、可撓性および高温に耐える能力を必要とする工業的な用途の両方に対して優れた候補となり得ることが分かった。
【実施例2】
【0056】
食肉を狐色に焼く能力
高温における調理中に食肉が褐色化するかどうかを決定するために、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムから試験用の袋を作った。ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約48%のナイロン−6、約32%のナイロン−6,6,および約20%のポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムを高温調理条件下で試験した。一対の全筋の七面鳥のロースト(それぞれ約4ポンド)を試験用の袋の中に真空で熱封した。真空で熱封すると試験用の袋と七面鳥との間が直接接触した。通常のオーブンを400°Fに予熱し、その中に40分の調理時間の間袋詰めにした七面鳥を入れた。
【0057】
40分後、七面鳥が試験用の袋と直接接触しているすべての表面が狐色に焼けていることが観察された。この試験は、この試験用の袋を用いると、高温の調理を行った場合全筋の食品を褐色化することができ、同時に調理過程を完了するのに十分な時間の間高温の調理条件に耐えることができることを示している。さらに、この袋は容易に且つ効果的に真空において熱封でき、食肉製品を確実で耐久性をもった袋詰めにすることができる。
【実施例3】
【0058】
食肉の接着性を最小にして食肉を狐色に焼く能力
高温調理条件において食肉製品を狐色に焼いた後に、高温調理用の袋が最小の食肉接着性を示すかどうかを決定するために、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムから試験用の袋をつくった。試験用の袋はブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約48%のナイロン−6、約32%のナイロン−6,6,および約20%のポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムを用いて鶏肉を「味付け(enhancement)」により、即ち調味料を用いて予備処理し、市販品の調理条件に似せた条件をつくった。通常のオーブンの中で425°Fにおいて90分間調理した。
【0059】
鶏肉は有利な褐色化を示し、鶏肉と試験用の袋との間で接着することなく鶏肉は試験用の袋から容易に取り出された。このように、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムからつくられた袋を使用することにより、褐色化の特性および有利な接着特性が同時に得られた。またこの袋は容易に且つ効果的に熱封され、耐久性をもった容器の環境がつくられた。
【実施例4】
【0060】
食肉の接着性を最小にして食肉を狐色に焼く能力 − 小型の製品
もっと小さい食品製品を調理する場合、高温調理条件において食肉製品を狐色に焼いた後に、高温調理用の袋が最小の食肉接着性を示すかどうかを決定するために、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムから試験用の袋をつくった。試験用の袋は、ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約48%のナイロン−6、約32%のナイロン−6,6,および約20%のポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムを用いてつくった。この試験用の袋の中に重さ約0.25〜0.5ポンドの七面鳥の胸肉を真空下で熱封した。七面鳥を375°Fにおいて90分間調理した。
【0061】
小さい七面鳥の胸肉は狐色に焼け、七面鳥と試験用の袋との間に接着はなかった。従って小さい食品を調理した場合でも、褐色化および接着に関し有利な特性が得られた。
【0062】
本明細書に挙げられたまたは記述された各特許、特許明細書、および出版物の記述は引用によりその全文が本明細書に包含される。
【0063】
当業界の専門家は、本発明の好適具体化例に対して多くの変更および修正を行うことができ、本発明の精神を逸脱することなくこのような変更および修正を行い得ることを理解できるであろう。従って添付特許請求の範囲は本発明の真の精神および範囲内に入るすべての同等な変形を包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約90〜約10重量%のポリアミド、および
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約10〜約90重量%のポリエステルエラストマー
を含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムを含んで成っていることを特徴とする高温における食品調製用フィルム。
【請求項2】
ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約50〜約90重量%のポリアミド、および
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約10〜約30重量%のポリエステルエラストマー
を含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムを含んで成っていることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項3】
該フィルムは約0.45〜約7.0ミルの厚さをもっていることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項4】
該フィルムは約1.0〜約2.5ミルの厚さをもっていることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項5】
該フィルムは相対湿度100%、温度100°Fにおいて約5g/100平方インチ/日またはそれ以上の水蒸気透過速度を与えることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項6】
該フィルムは相対湿度100%、温度100°Fにおいて約5〜約10g/100平方インチ/日の水蒸気透過速度を与えることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項7】
該フィルムは約9,000〜約16,500psiの引張り強さをもっていることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項8】
該フィルムは最高約425°Fにおける高温の用途に使用できることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項9】
該ポリアミドはナイロン重合体であることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項10】
該ナイロン重合体はナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6の共重合体、ナイロン−6,6の共重合体、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項9記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項11】
ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約40〜約60重量%のナイロン−6;
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約20〜約40重量%のナイロン−6,6;および
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約10〜約30重量%のポリエステルエラストマー
を含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムを含んで成っていることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項12】
ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約48重量%のナイロン−6、約32重量%のナイロン−6,6、および約20重量%のポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムを含んで成っていることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項13】
該フィルムは相対湿度100%、温度100°Fにおいて約5g/100平方インチ/日またはそれ以上の水蒸気透過速度を与えることを特徴とする請求項11記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項14】
該フィルムは相対湿度100%、温度100°Fにおいて約5〜約10g/100平方インチ/日の水蒸気透過速度を与えることを特徴とする請求項11記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項15】
該フィルムは約9,000〜約16,500psiの引張り強さをもっていることを特徴とする請求項11記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項16】
該フィルムは約450〜約600%の伸びを示すことを特徴とする請求項11記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項17】
該フィルムは約550〜約900g/ミルの引裂き強さの開始を示すことを特徴とする請求項11記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項18】
注型フィルム押出し法、二軸配向フィルム加工法、シート押出し法、輪郭押出し法、または吹込みフィルム押出し法によってつくられることを特徴とする請求項1記載の高温における食品調製用フィルム。
【請求項19】
密封された端;
該密封された端から延び出した少なくとも一つの側壁であって、それぞれは遠い方の縁をもっている少なくとも一つの側壁、および
該遠い方の縁によって規定された開いた端
を具備する高温における食品調製用の袋であって、
該袋は
ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約10〜約90重量%のポリアミド、および
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約10〜約90重量%のポリエステルエラストマー
を含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムからつくられていることを特徴とする高温における食品調製用の袋。
【請求項20】
該ポリアミドはナイロン重合体であることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項21】
該ナイロン重合体はナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6の共重合体、ナイロン−6,6の共重合体、またはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項20記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項22】
ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約40〜約60重量%のナイロン−6;
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約20〜約40重量%のナイロン−6,6;および
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約10〜約30重量%のポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムを含んで成っていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項23】
ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムの全重量に関し約48重量%のナイロン−6、約32重量%のナイロン−6,6、および約20重量%のポリエステルエラストマーを含んで成るブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムを含んで成っていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項24】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは約0.45〜約7.0ミルの厚さをもっていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項25】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは約1.0〜約2.5ミルの厚さをもっていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項26】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは相対湿度100%、温度100°Fにおいて約5g/100平方インチ/日またはそれ以上の水蒸気透過速度をもっていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項27】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは相対湿度100%、温度100°Fにおいて約5〜約10g/100平方インチ/日の水蒸気透過速度をもっていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項28】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは相対湿度100%、温度100°Fにおいて約7.5g/100平方インチ/日の水蒸気透過速度をもっていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項29】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは約9,000〜約16,500psiの引張り強さをもっていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項30】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは約10,500〜約15,500psiの引張り強さをもっていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項31】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは約450〜約600%の伸びを示すことを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項32】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは約480〜約550%の伸びを示すことを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項33】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは約550〜約900g/ミルの引裂き強さの開始を示すことを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項34】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは約580〜約850g/ミルの引裂き強さの開始を示すことを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項35】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは約10,500平方インチ/ポンドの面積収率をもっていることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項36】
該袋は最高約425°Fの高温の用途に使用できることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。
【請求項37】
該ブレンドされた単一層の熱可塑性フィルムは注型フィルム押出し法、二軸配向フィルム加工法、シート押出し法、輪郭押出し法、または吹込みフィルム押出し法によってつくられることを特徴とする請求項19記載の高温における食品調製用の袋。

【公表番号】特表2009−509883(P2009−509883A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533404(P2008−533404)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/035692
【国際公開番号】WO2007/040937
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(508062155)エム・アンド・キユー・パツケージング・コーポレーシヨン (1)
【Fターム(参考)】