説明

熱媒体供給施設におけるローカルポンプシステム

【課題】小水量であるローカルポンプを低揚程となるようにしてシステム全体の効率の高い、汎用性のあるシステムを提供する。
【解決手段】並列に接続された複数の2次側設備1と、各2次側設備1に備わるインバータ等を有するローカルポンプ3と、熱媒体を生成する冷温熱源機2と、当該冷温熱源機2の熱媒体を前記ローカルポンプ3に供給する1次側ポンプ4と、前記冷温熱源機2の出口側から前記各2次側設備1へ熱媒体を供給する熱媒体供給主管5と、前記各2次側設備1から熱媒体を冷温熱源機2の入口側に戻す熱媒体還り管6と、一端を前記熱媒体供給主管5に他端を前記熱媒体還り主管6に接続され、前記各2次側設備1及び各ローカルポンプ3に熱媒体を供給する熱媒体供給枝管7とを備えた熱媒体供給施設において、前記冷温熱源機2と2次側設備1の間に熱媒体を各ローカルポンプまで送る、インバータ等を有するブースターポンプ8を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱媒体供給施設におけるローカルポンプシステム及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱媒体供給施設は、建物内に設けられる複数の、空気調和機や熱交換器等の2次側設備に、冷温熱源機から管路を通して導かれる冷水又は温水等の熱媒体の流量を、各2次側設備毎の空調負荷に応じて制御している。この制御は制御弁等により行ってきたが、特に、部分負荷時における制御弁の絞りによりエネルギーロスがあり、その改善策が求められていた。
【0003】
そこで、前記制御弁等を使わずに制御するシステムが考案され、可変負荷分だけの流量の熱媒体が流れるようにした、ローカルポンプと全体の熱媒体の流量を確保する1次側ポンプのシステム構成が提案された。
【0004】
このシステムは、図9に示すように、各ゾーン毎の2次側設備1に対応して、インバータ等の能力を可変可能な(以下、「インバータ等」という)ローカルポンプ3を設け、1次側ポンプ4により冷温熱源機2から送られてきた熱媒体の流量を各ローカルポンプ3毎に調整して熱媒体を2次側設備1に送っている。この場合、1次側ポンプ4の揚程受け持ち範囲は図9のイ→ロ→冷温熱源機2→ハであり、各ローカルポンプ3の揚程受け持ち範囲は図9のハ→ニ→2次側設備1→ホ→イである。これにより、前記従来のような制御弁による無駄なエネルギーロスをなくすことができた。これは特許文献1及び2も同じである。
【0005】
【特許文献1】特許第3708660号公報
【特許文献2】特許第3490986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図9に示すような熱媒体供給施設におけるローカルポンプシステムでは、ローカルポンプの圧力範囲において、以下の欠点がある。ローカルポンプは2次側設備毎のため小水量となる。そのため選定されるポンプの効率が低いとともにポンプの機種や形状が限定される。また、冷温熱源機から2次側設備までの配管の距離が長くなり、配管抵抗が大きくなるとローカルポンプは高揚程となる。従って、小水量・高揚程となってポンプの運転効率は低くなる。
【0007】
これは、次のことからも明らかである。ポンプの比速度nはポンプインペラの形状を示す量で、次の式で表され、通常最高効率点での値をとる。
【0008】
【数1】

【0009】
この式1から、揚程が大きくなるとnが小さくなる。nは小さくなると同じ流量、回転数では、式1により揚程が大きくなり、図10に示すように効率が落ちていることが分かる。なお、図10は、社団法人日本産業機械工業会ポンプ技術者連盟編「ポンプニューハンドブック」昭和59年2月28日発行、発行所、日本工業出版株式会社の第39頁の図2−9の「吐出し量とポンプ効率」から引用したものである。
【0010】
この発明はこのような従来技術を考慮したものであって、熱媒体供給施設におけるローカルポンプシステムにおいて、ローカルポンプを小水量、低揚程としてシステム全体の効率の高い、汎用性のあるシステム及びその制御方法を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、請求項1の発明は、並列に接続された複数の2次側設備と、各2次側設備にそれぞれ備わる熱媒体を供給するためのインバータ等を有するローカルポンプと、熱媒体を生成する冷温熱源機と、当該冷温熱源機で生成された熱媒体を前記ローカルポンプに供給する1次側ポンプと、前記冷温熱源機の出口側から前記各2次側設備へ熱媒体を供給する熱媒体供給主管と、前記各2次側設備から熱媒体を冷温熱源機の入口側に戻す熱媒体還り主管と、一端を前記熱媒体供給主管に他端を前記熱媒体還り主管に接続され、前記各2次側設備及び各ローカルポンプに前記熱媒体を供給する熱媒体供給枝管と、前記熱媒体供給主管と前記熱媒体還り主管との間にバイパス管とを備えた熱媒体供給施設において、前記冷温熱源機と一番近い前記熱媒体供給枝管との間の前記熱媒体供給主管に、熱媒体を各熱媒体供給枝管の前記各ローカルポンプまで送る、インバータ等を有するブースターポンプを設けたローカルポンプシステムとした。
【0012】
また、請求項2の発明は、並列に接続された複数の2次側設備と、各2次側設備にそれぞれ備わる熱媒体を供給するためのインバータを有するローカルポンプと、熱媒体を生成する冷温熱源機と、当該冷温熱源機で生成された熱媒体を前記ローカルポンプに供給する1次側ポンプと、前記冷温熱源機の出口側から前記各2次側設備へ熱媒体を供給する熱媒体供給主管と、前記各2次側設備から熱媒体を冷温熱源機の入口側に戻す熱媒体還り主管と、一端を前記熱媒体供給主管に他端を前記熱媒体還り主管に接続され、前記各2次側設備及び各ローカルポンプに前記熱媒体を供給する熱媒体供給枝管と、前記熱媒体供給主管と前記熱媒体還り主管との間にバイパス管とを備えた熱媒体供給施設において、前記各熱媒体供給枝管に、前記各ローカルポンプまで熱媒体を送る、インバータ等を有するブースターポンプを設けたローカルポンプシステムとした。
【0013】
また、請求項3の発明は、並列に接続された複数の2次側設備と、各2次側設備にそれぞれ備わる熱媒体を供給するためのインバータ等を有するローカルポンプと、熱媒体を生成する冷温熱源機と、当該冷温熱源機で生成された熱媒体を前記ローカルポンプに供給する1次側ポンプと、前記冷温熱源機の出口側から前記各2次側設備へ熱媒体を供給する熱媒体供給主管と、前記各2次側設備から熱媒体を冷温熱源機の入口側に戻す熱媒体還り主管と、一端を前記熱媒体供給主管に他端を前記熱媒体還り主管に接続され、前記各2次側設備及び各ローカルポンプに前記熱媒体を供給する熱媒体供給枝管と、前記熱媒体供給主管と前記熱媒体還り主管との間にバイパス管とを備えた熱媒体供給施設において、前記熱媒体供給主管に、熱媒体を各熱媒体供給枝管の前記各ローカルポンプまで送る、インバータを有するブースターポンプを、すべてのローカルポンプが高揚程にならない位置に複数台間隔をあけて設けたローカルポンプシステムとした。
【0014】
また、請求項4の発明は、前記請求項1〜3のいずれかの発明において、前記冷温熱源機の出口側から一番近い熱媒体供給枝管の分岐点の手前の前記熱媒体供給主管と、前記冷温熱源機の入口側から一番近い熱媒体供給枝管の合流点の手前の前記熱媒体還り主管とを結ぶ配管を設け、当該配管に流量計を設け、この流量計の、熱媒体供給主管から熱媒体還り主管への流量がゼロ以上でかつ極力ゼロと成るように前記ブースターポンプの可変制御を行うローカルポンプシステムの制御方法とした。
【0015】
また、請求項5の発明は、前記請求項1〜3のいずれかの発明において、前記冷温熱源機の出口側から一番近い熱媒体供給枝管の分岐点の手前の前記熱媒体供給主管と、前記冷温熱源機の入口側から一番近い熱媒体供給枝管の合流点の手前の前記熱媒体還り主管とを結ぶ配管を設け、当該配管に差圧計を設け、この差圧計の、熱媒体供給主管の圧力値から熱媒体還り主管の圧力値を引いた差圧がゼロ以上でかつ極力ゼロと成るように前記ブースターポンプの可変制御を行うローカルポンプシステムの制御方法とした。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、2及び3の各発明によれば、冷温熱源機から2次側設備までの配管の距離が長い場合であっても、ブースターポンプを設けたことにより各2次側設備に熱媒体を押し込む力を分散させ、低揚程のポンプの効率の高い運転を可能とし、システム全体のポンプ動力の合計値を小さくする、汎用性のある熱媒体供給施設となる。
【0017】
また、請求項4及び5の発明によれば、前記冷温熱源機の出口側から一番近い熱媒体供給枝管の分岐点の手前の前記熱媒体供給主管と、前記冷温熱源機の入口側から一番近い熱媒体供給枝管の合流点の手前の前記熱媒体還り主管とを結ぶ配管を設け、当該配管に流量計又は差圧計を設け、これらの流量計又は差圧計の流量又は差圧がゼロ以上であってかつ極力ゼロと成るようにブースターポンプの可変制御を行っているため、水量の大きいブースターポンプ側の揚程を高くし、水量の小さいローカルポンプ側の揚程を低くし、システム全体の効率が高くなる運転が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明は、並列に接続された複数の2次側設備と、各2次側設備にそれぞれ備わる熱媒体を供給するためのインバータ等を有するローカルポンプと、熱媒体を生成する冷温熱源機と、当該冷温熱源機で生成された熱媒体を前記ローカルポンプに供給する1次側ポンプと、前記冷温熱源機の出口側から前記各2次側設備へ熱媒体を供給する熱媒体供給主管と、前記各2次側設備から熱媒体を冷温熱源機の入口側に戻す熱媒体還り主管と、一端を前記熱媒体供給主管に他端を前記熱媒体還り主管に接続され、前記各2次側設備及び各ローカルポンプに前記熱媒体を供給する熱媒体供給枝管と、前記熱媒体供給主管と前記熱媒体還り主管との間にバイパス管とを備えた熱媒体供給施設において、前記冷温熱源機と2次側設備との間に熱媒体を各ローカルポンプまで送る、インバータ等を有するブースターポンプを設けたローカルポンプシステムとし、これにより小水量のポンプを低揚程にでき、効率良く運転し、汎用性のあるものとした。
【実施例1】
【0019】
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明に係る熱媒体供給施設のローカルポンプシステムの全体構成図である。この熱媒体供給施設のローカルポンプシステムは、2次側設備1が、例えば建物のエリア毎に設置される。この2次側設備1が空調機であれば空調エリアごとに系統別の給気ダクトが接続される。また、前記空調機の冷温水コイルには冷温熱源機2から冷水又は温水等の熱媒体が供給され、このような空調機等の2次側設備1で熱交換され、前記冷温熱源機2側に戻るようになっている。
【0020】
また、例えば複数のフロア毎に設置された前記2次側設備1は相互に並列に接続され、前記各2次側設備1に、インバータ等を有するローカルポンプ3が備えられ、前記冷温熱源機2で生成された熱媒体を前記ローカルポンプ3に供給する1次側ポンプ4が設けられている。また、前記冷温熱源機2の出口側から前記各2次側設備1へ熱媒体を供給する熱媒体供給主管5と、前記各2次側設備1から熱媒体を前記冷温熱源機2の入口側に戻す熱媒体還り主管6とが設けられ、一端を前記熱媒体供給主管5に、他端を前記熱媒体還り主管6にそれぞれ接続され、前記各2次側設備1及び各ローカルポンプ3に前記熱媒体を供給する複数の熱媒体供給枝管7を備え、さらに、前記熱媒体供給主管5と前記熱媒体還り主管6との間にバイパス管9を備えた熱媒体供給施設から成る。そして、前記冷温熱源機2から直近の前記熱媒体供給枝管7の分岐点までの前記熱媒体供給主管5に、熱媒体を各熱媒体供給枝管7の前記各ローカルポンプ3まで送る、インバータ等を有するブースターポンプ8が設けられている。なお、この実施例1では、前記冷温熱源機2と1次側ポンプ4は、2組設けられている。
【0021】
この実施例1の場合、前記1次側ポンプ4の揚程受け持ち範囲は図1のイ→ロ→冷温熱源機2→ハまでである。また、ブースターポンプ8の揚程受け持ち範囲は、ハ→ニ及びト→イである。また、各ローカルポンプ3の揚程受け持ち範囲は、ニ→ホ→2次側設備1→ヘ→トである。
【0022】
図2はこの実施例1の圧力線図である。図中(イ)〜(ト)は、図1の同じ文字(イ)〜(ト)の位置の圧力を示す。このようにブースターポンプ8を配置することで、揚程がポンプごとに分散するので効率の高い運転が可能となり、システム全体のポンプ動力の合計値を小さくできる。また、このようにブースターポンプ8を熱媒体供給主管5に設けた場合、後述の実施例2の各熱媒体供給枝管7に設けた場合に比べブースターポンプ8の流量は大きくなり、ポンプ効率も高い。
【実施例2】
【0023】
次に、この発明の実施例2の熱媒体供給施設のローカルポンプシステムについて説明する。図3はシステムの全体構成図を示す。
【0024】
この実施例2のものは、ブースターポンプ8の配置が実施例1と異なり、各熱媒体供給枝管7のローカルポンプ3に直列に夫々配設されている。他の構成は実施例1と同じである。
【0025】
この実施例2の場合、前記1次側ポンプ4の揚程受け持ち範囲は図3のイ→ロ→冷温熱源機2→ハまでである。また、ブースターポンプ8及びローカルポンプ3の揚程受け持ち範囲は、ハ→ニ→ホ→2次側設備1→ヘ→ト→イである。図4はこの実施例2の圧力線図である。図中(イ)〜(ト)は、図3の同じ文字(イ)〜(ト)の位置の圧力を示す。
【実施例3】
【0026】
次に、この発明の実施例3の熱媒体供給施設のローカルポンプシステムについて説明する。図5はシステムの全体構成図を示す。
【0027】
この実施例3のものは、前記冷温熱源機2から導出された熱媒体供給主管が長い場合に適用するもので、ブースターポンプ8の配置が実施例1及び2と異なる。一つのブースターポンプ8aは、前記冷温熱源機2から直近の熱媒体供給枝管7までの熱媒体供給主管5に設けられ、他のブースターポンプ8bは、前記冷温熱源機2から導出された熱媒体供給主管5であって、複数の熱媒体供給枝管7と複数の熱媒体供給枝管7との間の熱媒体供給主管5に設けられている。他の構成は実施例1と同じである。また、前記他のブースターポンプ8bは、熱媒体供給主管5の長さがさらに長くなった場合等、必要に応じて複数設けられる。
【0028】
この実施例3の場合、前記1次側ポンプ4の揚程受け持ち範囲は図5のイ→ロ→冷温熱源機2→ハまでである。また、ブースターポンプ8aの同範囲は図5のハ→ニ及びル→イまでであり、ローカルポンプ3aの同範囲は図5のニ→ホ→2次側設備1→ヌ→ルである。また、ブースターポンプ8bの揚程受け持ち範囲は、図5のホ→ヘ及びリ→ヌであり、ローカルポンプ3bの同範囲はヘ→ト→2次側設備1→チ→リである。図6はこの実施例3の圧力線図である。図中(イ)〜(ル)は、図5の同じ文字(イ)〜(ル)の位置の圧力を示す。
【0029】
前記実施例1〜3のシステムにおいて、ポンプの運転効率を優先し、ブースターポンプ8及びローカルポンプ3の夫々の受け持つ揚程を考えたとき、水量の大きいブースターポンプ8側の揚程を極力高くし、逆に水量の小さいローカルポンプ側の揚程は低くなるようにすることが好ましい。そこで、図7に示すように前記冷温熱源機2の出口側から一番近い熱媒体供給枝管7の分岐点の手前の前記熱媒体供給主管5のA点と、前記冷温熱源機2の入口側から一番近い熱媒体供給枝管7の合流点の手前の前記熱媒体還り主管6のA´点とを結ぶ配管を設け、当該配管に流量計10を設け、この流量計10の流量がゼロ以上でかつ極力ゼロと成るように前記ブースターポンプ8の可変制御を行う。この時、圧力P≦PA´となっていることが必要である。また、図8は、図7の流量計10に代えて差圧計11を設けたもので、この場合も、差圧計11の差圧がゼロ以上でかつ極力ゼロと成るように前記ブースターポンプ8の可変制御を行う。
【0030】
また、図7及び図8は実施例1に対応したものであるが、実施例2及び3についても適用できる。実施例2及び3場合も、流量計10又は差圧計11を設ける配管は、前記冷温熱源機2の出口側から一番近い熱媒体供給枝管7の分岐点の手前の前記熱媒体供給主管5のA点と、前記冷温熱源機2の入口側から一番近い熱媒体供給枝管7の合流点の手前の前記熱媒体還り主管6のA´点との間に設ける。また、実施例3の場合は、前記実施例1の位置に加え、さらに、図5における各ブースターポンプ8bの次の熱媒体供給枝管7の分岐点の手前の熱媒体供給主管5のA点と、当該熱媒体供給枝管7と熱媒体還り主管6との合流点の手前の熱媒体還り主管6のA´点との間に、前記流量計10又は差圧計11を有する前記配管を設け、当該流量計10又は差圧計11の流量又は差圧をゼロ以上でかつ極力ゼロと成るように相応する各ブースターポンプ8の可変制御する場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の実施例1のシステムの概略構成図である。
【図2】図1の圧力線図である。
【図3】この発明の実施例2のシステムの概略構成図である。
【図4】図3の圧力線図である。
【図5】この発明の実施例3のシステムの概略構成図である。
【図6】図5の圧力線図である。
【図7】この発明の実施例1の構成に流量計を設けた概略構成図である。
【図8】この発明の実施例1の構成に差圧計を設けた概略構成図である。
【図9】従来例のローカルポンプシステムの概略構成図である。
【図10】ポンプの吐出し量とポンプ効率に関するグラフ図である。
【符号の説明】
【0032】
1 2次側設備 2 冷温熱源機
3 ローカルポンプ 4 1次側ポンプ
5 熱媒体供給主管 6 熱媒体還り主管
7 熱媒体供給枝管 8 ブースターポンプ
9 バイパス管 10 流量計
11 差圧計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に接続された複数の2次側設備と、各2次側設備にそれぞれ備わる熱媒体を供給するための能力を可変可能なローカルポンプと、熱媒体を生成する冷温熱源機と、当該冷温熱源機で生成された熱媒体を前記ローカルポンプに供給する1次側ポンプと、前記冷温熱源機の出口側から前記各2次側設備へ熱媒体を供給する熱媒体供給主管と、前記各2次側設備から熱媒体を冷温熱源機の入口側に戻す熱媒体還り主管と、一端を前記熱媒体供給主管に他端を前記熱媒体還り主管に接続され、前記各2次側設備及び各ローカルポンプに前記熱媒体を供給する熱媒体供給枝管と、前記熱媒体供給主管と前記熱媒体還り主管との間にバイパス管とを備えた熱媒体供給施設において、
前記冷温熱源機と一番近い前記熱媒体供給枝管との間の前記熱媒体供給主管に、熱媒体を各熱媒体供給枝管の前記各ローカルポンプまで送る、能力を可変可能なブースターポンプを設けたことを特徴とする、ローカルポンプシステム。
【請求項2】
並列に接続された複数の2次側設備と、各2次側設備にそれぞれ備わる熱媒体を供給するための能力を可変可能なローカルポンプと、熱媒体を生成する冷温熱源機と、当該冷温熱源機で生成された熱媒体を前記ローカルポンプに供給する1次側ポンプと、前記冷温熱源機の出口側から前記各2次側設備へ熱媒体を供給する熱媒体供給主管と、前記各2次側設備から熱媒体を冷温熱源機の入口側に戻す熱媒体還り主管と、一端を前記熱媒体供給主管に他端を前記熱媒体還り主管に接続され、前記各2次側設備及び各ローカルポンプに前記熱媒体を供給する熱媒体供給枝管と、前記熱媒体供給主管と前記熱媒体還り主管との間にバイパス管とを備えた熱媒体供給施設において、
前記各熱媒体供給枝管に、前記各ローカルポンプまで熱媒体を送る、能力を可変可能なブースターポンプを設けたことを特徴とする、ローカルポンプシステム。
【請求項3】
並列に接続された複数の2次側設備と、各2次側設備にそれぞれ備わる熱媒体を供給するための能力を可変可能なローカルポンプと、熱媒体を生成する冷温熱源機と、当該冷温熱源機で生成された熱媒体を前記ローカルポンプに供給する1次側ポンプと、前記冷温熱源機の出口側から前記各2次側設備へ熱媒体を供給する熱媒体供給主管と、前記各2次側設備から熱媒体を冷温熱源機の入口側に戻す熱媒体還り主管と、一端を前記熱媒体供給主管に他端を前記熱媒体還り主管に接続され、前記各2次側設備及び各ローカルポンプに前記熱媒体を供給する熱媒体供給枝管と、前記熱媒体供給主管と前記熱媒体還り主管との間にバイパス管とを備えた熱媒体供給施設において、
前記熱媒体供給主管に、熱媒体を各熱媒体供給枝管の前記各ローカルポンプまで送る、能力を可変可能なブースターポンプを、すべてのローカルポンプが高揚程とならない位置に複数台間隔をあけて設けたことを特徴とする、ローカルポンプシステム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のローカルポンプシステムにおいて、前記冷温熱源機の出口側から一番近い熱媒体供給枝管の分岐点の手前の前記熱媒体供給主管と、前記冷温熱源機の入口側から一番近い熱媒体供給枝管の合流点の手前の前記熱媒体還り主管とを結ぶ配管を設け、当該配管に流量計を設け、この流量計の、熱媒体供給主管から熱媒体還り主管への流量がゼロ以上でかつ極力ゼロと成るように前記各ブースターポンプの可変制御を行うことを特徴とする、ローカルポンプシステムの制御方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のローカルポンプシステムにおいて、前記冷温熱源機の出口側から一番近い熱媒体供給枝管の分岐点の手前の前記熱媒体供給主管と、前記冷温熱源機の入口側から一番近い熱媒体供給枝管の合流点の手前の前記熱媒体還り主管とを結ぶ配管を設け、当該配管に差圧計を設け、この差圧計の、熱媒体供給主管の圧力値から熱媒体還り主管の圧力値を引いた差圧がゼロ以上でかつ極力ゼロと成るように前記各ブースターポンプの可変制御を行うことを特徴とする、ローカルポンプシステムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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