説明

熱媒体加熱装置およびそれを用いた車両用空気調和装置

【課題】高耐圧化の実現と加熱性能の向上および小型・軽量化を図ることができる熱媒体加熱装置およびそれを用いた車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【解決手段】PTC素子および電極板17の両側を絶縁および熱伝導シート18を介して外側からフィン21,22を有する一対の放熱板19,20で挟み込んで締め付けしたヒータアセンブリ16と、熱媒体入口および熱媒体出口を有するとともに、一端が開口されているボックス形状のハウジング12と、を備え、ヒータアセンブリ16が、ハウジング12内に一端開口部から挿入され、放熱板19,20の一方に設けられている鍔部27を介してハウジング12に開口を密閉するように固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正特性サーミスタ素子(PTC素子)を用いて熱媒体を加熱する熱媒体加熱装置およびそれを用いた車両用空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車等に適用される車両用空気調和装置にあって、暖房用の熱源となる被加熱媒体を加熱する熱媒体加熱装置の1つに、正特性サーミスタ素子(Positive Temperature Coefficient;以下、PTC素子という。)を加熱要素とするヒータアセンブリを用いたものが知られている。PTC素子は、正特性のサーミスタ特性を有しており、温度の上昇と共に抵抗値が上昇し、これによって消費電流が制御されるとともに温度上昇が緩やかになり、その後、消費電流および発熱部の温度が飽和領域に達して安定するものであり、自己温度制御特性を備えている。
【0003】
上記のような熱媒体加熱装置において、特許文献1には、PTC素子を挟んでその両面に電極板、絶縁層および伝熱層を設けて平板状のヒータアセンブリを構成し、該ヒータアセンブリの両面に、熱媒体の入口および出口を備えた互いに連通されている一対の熱媒体流通ボックスを積層し、更にその外面に制御基板を収容する基板収容ボックスおよび蓋体を設けた積層構造の熱媒体加熱装置が提示されている。
【0004】
また、特許文献2には、熱媒体の入口および出口を備えたハウジング内に、該ハウジング内を加熱室と熱媒体の循環室とに分割する多数の隔壁を設け、この隔壁によって区画された加熱室側に隔壁と接するようにPTC加熱素子を挿入設置し、隔壁を介して循環室側に流通される熱媒体を加熱するようにした熱媒体加熱装置が提示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−56044号公報
【特許文献2】特開2008−7106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示されたものは、ヒータアセンブリの両面に放熱フィンを有る一対の熱媒体流通ボックスを積層し、更にその外面に制御基板を収容する基板収容ボックスおよび蓋体を設けることによって熱媒体流路を密閉しており、それらをボルトで締結した積層構造とされている。このため、熱媒体による内圧をボルトで受ける構成となり、受圧面積が熱媒体流通ボックスの平面面積に相当する大きさとなることから、高耐圧化には不向きな構造となっている。
【0007】
特に、ハイブリッド車等では、エンジン駆動の機械式ポンプで熱媒体が循環されることから、該ポンプの圧力に対応して高耐圧化が求められるが、ボルト自体の強度アップ等で対応しなければならず、コストアップとなることは避けられなかった。また、伝熱性や耐圧強度の面から熱媒体流通ボックスや基板収容ボックスおよび蓋体をアルミ合金等の金属で構成しなければならず、軽量化には限界がある等の課題があった。
【0008】
また、特許文献2に示されたものは、隔壁によって形成された加熱室にPTC加熱素子を挿入設置した構成とされている。このため、伝熱面となる隔壁間にPTC加熱素子を密着させて挿入設置することは容易ではなく、隔壁とPTC加熱素子との間の接触熱抵抗が大きくなってしまい、伝熱効率が低下し易いという課題があった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高耐圧化の実現と加熱性能の向上および小型・軽量化を図ることができる熱媒体加熱装置およびそれを用いた車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するために、本発明の熱媒体加熱装置およびそれを用いた車両用空気調和装置は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる熱媒体加熱装置は、PTC素子および電極板の両側を絶縁および熱伝導シートを介して外側からフィンを有する一対の放熱板で挟み込んで締め付けしたヒータアセンブリと、熱媒体入口および熱媒体出口が設けられるとともに、一端が開口されているボックス形状のハウジングと、を備え、前記ヒータアセンブリが、前記ハウジング内に前記一端開口部から挿入され、前記放熱板の一方に設けられている鍔部を介して前記ハウジングに前記開口を密閉するように固着されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、PTC素子および電極板の両側を絶縁および熱伝導シートを介して外側からフィンを有する一対の放熱板で挟み込んで締め付けしたヒータアセンブリが、熱媒体入口および熱媒体出口が設けられるとともに、一端が開口されているボックス形状のハウジング内に一端開口部から挿入され、ヒータアセンブリの放熱板の一方に設けられている鍔部を介してハウジングに一端開口部を密閉するように固着された構成とされているので、ポンプを介して循環される熱媒体の内圧を受け、耐圧強度に影響を及ぼす受圧面をボックス形状のハウジングの一端開口部を密閉している放熱板の鍔部のみとし、その受圧面積を小さくできることから、鍔部を固着する部分の強度を抑えたまま、ハウジングを高耐圧化することができる。また、ヒータアセンブリをPTC素子および電極板の両側を一対の放熱板で挟み込んで締め付ける構成としていることから、ヒータアセンブリ内での接触熱抵抗を低減し、熱媒体に対する伝熱効率を高めることができる。このため、熱媒体加熱装置の高耐圧化を実現し、適用範囲を拡大することができるとともに、熱媒体加熱装置の加熱性能の向上および小型・軽量化を図ることができる。
【0012】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上記の熱媒体加熱装置において、前記鍔部が設けられている前記放熱板の一面には、前記PTC素子および電極板を収容する凹部が形成され、該凹部内に前記PTC素子および電極板が前記絶縁および熱伝導シートを介してその周囲をシール材で密封シールされた状態で設置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、鍔部が設けられている放熱板の一面に、PTC素子および電極板を収容する凹部が形成され、該凹部内にPTC素子および電極板が絶縁および熱伝導シートを介してその周囲をシール材で密封シールされた状態で設置されているので、PTC素子および電極板を一対の放熱板間に凹部によって位置決めし、それらを互いに密着させて収容設置することができるとともに、Oリング等のシール材を介してPTC素子および電極板を熱媒体から密封シールして設置することができる。このため、放熱板に対する接触熱抵抗を低減してPTC素子の発熱を効率よく熱媒体に伝熱し、熱媒体加熱装置の加熱性能の向上と小型・軽量化を図ることができるとともに、PTC素子および電極板等の電気系統を熱媒体から確実に密封シールし、熱媒体加熱装置の電気系統に対する信頼性を確保することができる。
【0014】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上述のいずれかの熱媒体加熱装置において、前記鍔部の外表面側に基板収容ボックスが設けられ、該基板収容ボックス内に前記PTC素子を制御する制御基板および半導体スイッチング素子等が収容設置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、鍔部の外表面側に基板収容ボックスが設けられ、該基板収容ボックス内にPTC素子を制御する制御基板および半導体スイッチング素子等が収容設置されているので、ボックス形状のハウジングの一端部に基板収容ボックスを介して制御基板および半導体スイッチング素子等を設置することができ、従って、熱媒体加熱装置をコンパクトに構成することができる。また、放熱板に設けられている鍔部をヒートシンクとして基板収容ボックス内を効率よく冷却することができる。このため、車両に対する搭載性を高めることができるとともに、IGBT等からなる半導体スイッチング素子を熱媒体により鍔部を介して確実に所定温度以下に冷却することができる。
【0016】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上記の熱媒体加熱装置において、前記半導体スイッチング素子は、前記基板収容ボックス内において、前記放熱板の前記鍔部の外表面に設置されていることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、半導体スイッチング素子が、基板収容ボックス内において、放熱板の鍔部の外表面に設置されているので、IGBT等の半導体スイッチング素子を熱媒体により放熱板の鍔部をヒートシンクとして直接冷却することができる。このため、半導体スイッチング素子に対する冷却効果を高め、熱媒体加熱装置の耐熱信頼性を一段と向上することができる。
【0018】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上述のいずれかの熱媒体加熱装置において、前記基板収容ボックスは、樹脂製とされていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、基板収容ボックスが、樹脂製とされているので、アルミ合金等の金属製基板収容ボックスを用いたものに比べ、熱媒体加熱装置を軽量化することができる。このため、車両に対する搭載性を高め、電気自動車やハイブリッド車等の走行性能を向上することができる。
【0020】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上述のいずれかの熱媒体加熱装置において、前記放熱板の鍔部には、前記凹部に連なる貫通路が設けられ、前記PTC素子および電極板と前記制御基板および半導体スイッチング素子とが、前記貫通路を通して配線されたハーネスを介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、放熱板の鍔部に、凹部に連なる貫通路が設けられ、PTC素子および電極板と制御基板および半導体スイッチング素子とが、貫通路を通して配線されたハーネスを介して電気的に接続されているので、ハウジング内に挿入設置されたヒータアセンブリのPTC素子および電極板と、基板収容ボックス内に設置された制御基板および半導体スイッチング素子とを放熱板の鍔部に設けられている貫通路を介してハーネスにより簡易に電気的に接続することができる。このため、PTC素子および電極板を熱媒体雰囲気となるハウジング内部に挿入設置したとしても配線経路が複雑化することはなく、熱媒体加熱装置を簡素に構成することができる。
【0022】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上述のいずれかの熱媒体加熱装置において、前記放熱板は、アルミ合金製とされていることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、放熱板が、アルミ合金製とされているので、軽量で熱伝導性のよいアルミ合金製の放熱板によりPTC素子の発熱を熱媒体に伝熱し、効率よく熱媒体を加熱することができるとともに、ヒータアセンブリを軽量化することができる。このため、熱媒体加熱装置の加熱性能の向上と小型・軽量化を図ることができる。
【0024】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上述のいずれかの熱媒体加熱装置において、前記ハウジングは、樹脂製とされていることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、ハウジングが、樹脂製とされているので、熱媒体加熱装置の構成部品で最も大きい熱媒体を流通するボックスまたはハウジングを、アルミ合金等の金属製ボックスまたはハウジングとしているものに対して、大幅に軽量化、低コスト化することができる。このため、車両に対する搭載性を高め、電気自動車やハイブリッド車等の走行性能を向上することができるとともに、コスト低減を図ることができる。
【0026】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上述のいずれかの熱媒体加熱装置において、前記ハウジングは、平面視が長方形状で所定厚さ寸法を有するボックス形状とされ、前記開口が短辺側の一端部に設けられていることを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、ハウジングが、平面視が長方形状で所定厚さ寸法を有するボックス形状とされ、開口が短辺側の一端部に設けられているので、ポンプを介して循環される熱媒体の内圧を受け、耐圧強度に影響を及ぼす受圧面をボックス形状のハウジングの一端開口部を密閉している放熱板の鍔部のみとし、その受圧面積を縮小できることから、鍔部を固着する部分の強度を抑えたまま、ハウジングを高耐圧化することができる。このため、熱媒体加熱装置の高耐圧化を実現し、熱媒体ポンプがエンジン駆動となるハイブリッド車用の空気調和装置等にも適用範囲を拡大することができる。
【0028】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上述のいずれかの熱媒体加熱装置において、前記熱媒体入口は、前記ハウジングの前記開口を密閉する前記放熱板の前記鍔部側に近い位置に設けられ、前記熱媒体出口は、前記熱媒体入口から離れた位置に設けられていることを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、熱媒体入口が、ハウジングの開口を密閉する放熱板の鍔部側に近い位置に設けられ、熱媒体出口が、熱媒体入口から離れた位置に設けられているので、基板収容ボックスが設けられている放熱板の鍔部側に近い位置において、熱媒体入口からハウジング内に加熱される前の比較的温度の低い熱媒体を導入することができ、該熱媒体を介して基板収容ボックス内に設置されている制御基板および半導体スイッチング素子等を効果的に冷却することができる。このため、基板収容ボックス内に収容されている制御基板および半導体スイッチング素子等を効率よく冷却し、その冷却効果を高めることができる。
【0030】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上述のいずれかの熱媒体加熱装置において、前記放熱板のフィンは、前記熱媒体入口側から前記熱媒体出口側に向って湾曲状に形成されていることを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、放熱板のフィンが、熱媒体入口側から熱媒体出口側に向って湾曲状に形成されているので、熱媒体入口および熱媒体出口がハウジングの同一側面に設けられている場合においても、熱媒体入口からハウジング内に流入された熱媒体を熱媒体出口に向って湾曲状に形成されているフィンに沿って流通させることができる。このため、熱媒体入口と熱媒体出口間での熱媒体の圧力損失を低減し、熱媒体加熱装置の加熱性能を更に向上することができる。
【0032】
さらに、本発明の熱媒体加熱装置は、上述のいずれかの熱媒体加熱装置において、前記ハウジングの前記熱媒体入口と前記熱媒体出口との間に、ハウジング内に流入された熱媒体の前記熱媒体出口へのバイパス流を阻止し、該熱媒体を前記放熱板のフィンに沿わせて流通させるバッフル壁が設けられていることを特徴とする。
【0033】
本発明によれば、ハウジングの熱媒体入口と熱媒体出口との間に、ハウジング内に流入された熱媒体の熱媒体出口へのバイパス流を阻止し、該熱媒体を放熱板のフィンに沿わせて流通させるバッフル壁が設けられているので、熱媒体入口からハウジング内に流入された熱媒体をバッフル壁で熱媒体出口に向けて放熱板のフィンに沿わせて流通させ、フィンと十分接触させて加熱した後、熱媒体出口から流出させることができる。このため、ヒータアセンブリによる伝熱効率を高め、熱媒体加熱装置の加熱性能を更に向上することができる。
【0034】
さらに、本発明にかかる車両用空気調和装置は、空気流路と、該空気流路に外気または車室内空気を循環させるブロアと、該ブロアの下流側に設けられている冷却器と、該冷却器の下流側に設けられている放熱器と、を備えている車両用空気調和装置において、前記放熱器に、上述のいずれかの熱媒体加熱装置により加熱された熱媒体が循環可能に構成されていることを特徴とする。
【0035】
本発明によれば、空気流路中に設けられている放熱器に、上述のいずれかの熱媒体加熱装置により加熱された熱媒体が循環可能に構成されているため、熱媒体加熱装置によって加熱された熱媒体を放熱器に供給し、ブロアを介して循環される外気または車室内空気を加温する熱源とすることができる。従って、電気自動車やハイブリッド車等に適用して好適な軽量かつコンパクトで搭載性に優れた車両用空気調和装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の熱媒体加熱装置によると、ポンプを介して循環される熱媒体の内圧を受け、耐圧強度に影響を及ぼす受圧面をボックス形状のハウジングの一端開口部を密閉している放熱板の鍔部のみとし、その受圧面積を小さくできることから、鍔部を固着する部分の強度を抑えたまま、ハウジングを高耐圧化することができる。また、ヒータアセンブリをPTC素子および電極板の両側を一対の放熱板で挟み込んで締め付ける構成としていることから、ヒータアセンブリ内での接触熱抵抗を低減し、熱媒体に対する伝熱効率を高めることができ、従って、熱媒体加熱装置の高耐圧化を実現し、適用範囲を拡大することができるとともに、熱媒体加熱装置の加熱性能の向上および小型・軽量化を図ることができる。
【0037】
また、本発明の車両用空気調和装置によると、上述の熱媒体加熱装置で加熱された熱媒体を放熱器に供給し、ブロアを介して循環される外気または車室内空気を加温するための熱源とすることができるため、電気自動車やハイブリッド車等に適用して好適な軽量かつコンパクトで搭載性に優れた車両用空気調和装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態に係る熱媒体加熱装置を適用した車両用空気調和装置の構成図である。
【図2】図1に示す熱媒体加熱装置の外観斜視図である。
【図3】図2に示す熱媒体加熱装置のA−A縦断面相当図である。
【図4】図3に示す熱媒体加熱装置のヒータアセンブリの分解斜視図である。
【図5】図3に示す熱媒体加熱装置の基板収容ボックスの分解斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る熱媒体加熱装置の放熱板の平面視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る熱媒体加熱装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図5を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る熱媒体加熱装置10を適用した車両用空気調和装置1の全体構成図が示されている。
車両用空気調和装置1は、外気または車室内空気を取り込んで温調し、それを車室内に吹出す空気流路2を形成するケーシング3を備えている。
【0040】
ケーシング3内には、空気流路2の上流側から下流側にかけて順次、外気または車室内空気を吸い込んで昇圧し、それを下流側へと圧送するブロア4と、該ブロア4により圧送される空気流を冷却する冷却器5と、冷却器5を流通して冷却された空気流を加熱する放熱器6と、放熱器6に流通される空気流量と放熱器6をバイパスして流通される空気流量との割合を調整し、その下流側で混合される空気流の温度を設定温度に調整するエアミックスダンパ7と、が設置されている。
【0041】
ケーシング3の下流側には、図示省略の複数の空気吹出し流路と、該空気吹出し流路を選択的に開閉し、任意の空気吹出し流路を介して温度調整された空調風を車室内に吹出す複数の吹出しモード切替えダンパとが設けられている。冷却器5は、図示省略の冷媒圧縮機、凝縮器、膨張弁等と共に冷媒回路を構成し、膨張弁で断熱膨張された冷媒を蒸発させることにより、該冷却器5を流通する空気を冷却するものである。また、放熱器6は、タンク8、ポンプ9および熱媒体加熱装置10等と共に熱媒体循環回路11を構成し、熱媒体加熱装置10により加熱された熱媒体がポンプ9を介して循環されることにより、該放熱器6を流通する空気を加温するものである。
【0042】
図2には、熱媒体加熱装置10の外観斜視図、図3には、そのA−A縦断面相当図、図4には、ヒータアセンブリの分解斜視図、図5には、基板収容ボックスの分解斜視図が示されている。熱媒体加熱装置10は、平面視が長方形状で所定厚さ寸法を有するボックス形状のハウジング12と、このハウジング12内に挿入設置されるヒータアセンブリ16とを備えている。ハウジング12は、樹脂材によって一体成形されたものであり、短辺側の一端部が開口され、その周囲に直交方向に立設されたフランジ13が一体成形されたものである。
【0043】
また、ハウジング12の長辺側の一側面には、熱媒体入口14と熱媒体出口15とが設けられている。この熱媒体入口14は、ハウジング12の一端開口部に近い位置に設けられており、熱媒体出口15は、熱媒体入口14から離れたハウジング12の他端側に設けられた構成とされている。
【0044】
ヒータアセンブリ16は、平板状に構成された長方形状の複数組のPTC素子および電極板17(単に、PTC素子17と略称する場合もある。)と、PTC素子および電極板17を挟んでその上下両側に設けられる薄板状の一対の絶縁および熱伝導シート18と、該絶縁および熱伝導シート18を外側から挟み込む一対の放熱板19,20とから構成されている。一対の放熱板19,20は、アルミ合金製であり、外表面に平行に立設された多数のフィン21,22を有しており、その少なくとも一方の放熱板19には、内面側にPTC素子および電極板17と一対の絶縁および熱伝導シート18とを積層して収容可能な略長方形状の凹部23が形成されている。また、この凹部23の周囲には、Oリング等のシール材24を介装するシール溝25が設けられている。
【0045】
一対の放熱板19,20は、放熱板19の凹部23内にPTC素子および電極板17と一対の絶縁および熱伝導シート18を積層して収容し、シール溝25にOリング等のシール材24を介装した状態で複数本のビス26で締め付け固定されることによって、一組のヒータアセンブリ16を構成している。放熱板19の一端には、ハウジング12の一端部に設けられているフランジ13と相似形をなす鍔部27が一体に形成されており、ヒータアセンブリ16をハウジング12内に一端開口部から挿入し、該フランジ13と鍔部27とをOリング等のシール材28を介してボルト29で締結することにより、ハウジング12とヒータアセンブリ16とが一体に組み付けられるようになっている。
【0046】
また、放熱板19の鍔部27には、凹部23の一端側に連通される貫通路30が設けられている。そして、この貫通路30を通して放熱板19,20間の凹部23内に設置されるPTC素子および電極板17と、下記する基板収容ボックス32内に設置される制御基板34および半導体スイッチング素子35とを電気的に接続するハーネス31が配線されるように構成されている。
【0047】
放熱板19の鍔部27の外表面側には、樹脂材により一体成形された基板収容ボックス32がビス33を介して一体に結合されている。この基板収容ボックス32は、複数組のPTC素子および電極板17をオンオフ制御する制御基板34および半導体スイッチング素子35等の電気系部品を設置する空間を形成するものであり、その内部には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の発熱部品で構成される半導体スイッチング素子35が鍔部27の外表面に設置されて収容されるとともに、制御基板34がその長手方向に沿って収容設置されている。
【0048】
以上に説明の構成により、本実施形態の車両用空気調和装置1および熱媒体加熱装置10によれば、以下の作用効果を奏する。
上記車両用空気調和装置1において、ブロア4によって吸い込まれた外気または車室内空気は、冷却器5に向って圧送され、冷却器5で内部を流通する冷媒と熱交換されることにより冷却される。この冷却空気は、エアミックスダンパ7により分流され、一部は放熱器6側に流通されるとともに、他の一部は放熱器6をバイパスして流通される。放熱器6において加温された空気は、下流側で放熱器6をバイパスした空気と混合され、設定温度に調整された後、車室内に吹出される。これによって、車室内の温調に供される。
【0049】
放熱器6での空気の加温は、熱媒体循環回路11を循環される高温の熱媒体からの放熱によって行われる。この熱媒体循環回路11内の熱媒体は、タンク8からポンプ9を介して熱媒体加熱装置10に供給され、PTC素子17等により構成されているヒータアセンブリ16で80℃程度に加熱された後、放熱器6に供給される。この高温熱媒体は、放熱器6内を循環する間に冷却器5によって冷却除湿された空気と熱交換され、該空気に放熱して温度降下された後、タンク8に戻る。この繰り返しによって、放熱器6による空気の加温作用が継続される。
【0050】
熱媒体加熱装置10では、ハウジング12に設けられている熱媒体入口14から温度の低い熱媒体が流入され、この熱媒体は、ヒータアセンブリ16を構成している一対の放熱板19,20の多数のフィン21,22間を流通される間に放熱板19,20およびフィン21,22と接触して80℃程度の高温熱媒体に加熱昇温され、熱媒体出口15を経て熱媒体循環回路11に流出される。
【0051】
然して、上記熱媒体加熱装置10は、PTC素子および電極板17の両側を絶縁および熱伝導シート18を介して外側からフィン21,22を有する一対の放熱板19,20により挟み込んで締め付けしたヒータアセンブリ16を、熱媒体入口14および出口15が設けられるとともに、一端が開口されているボックス形状に樹脂材で一体成形されたハウジング12内に一端開口部から挿入し、ヒータアセンブリ16の放熱板19に設けられている鍔部27を介してハウジング12の一端開口部を密閉するように固着した構成とされている。
【0052】
このため、ポンプ9を介して循環される熱媒体の内圧を受け、耐圧強度に影響を及ぼす受圧面をボックス形状のハウジング12の一端開口部を密閉している放熱板19の鍔部27のみとすることができる。この鍔部27は、平面視が長方形状で所定厚さ寸法を有するボックス形状とされたハウジング12の短辺側の一端部に設けられている開口を密閉する大きさとされており、その受圧面積を可及的に小さくできることから、鍔部27を固着する部分の強度を抑えたまま、ハウジング12としての耐圧強度を高め、高耐圧化することができる。
【0053】
その結果、熱媒体加熱装置10の高耐圧化を実現し、熱媒体ポンプ9がエンジン駆動方式となるハイブリッド車用の空気調和装置1等にも適用範囲を拡大することができるとともに、熱媒体加熱装置10の加熱性能の向上および小型・軽量化を図ることができる。また、かかる熱媒体加熱装置10を用いることによって、電気自動車やハイブリッド車等に適用して好適な軽量かつコンパクトで搭載性に優れた車両用空気調和装置1を提供することができる。
【0054】
また、鍔部27が設けられている放熱板19の一面に、PTC素子および電極板17を収容する凹部23を形成し、該凹部23内にPTC素子および電極板17を絶縁および熱伝導シート18を介してその周囲をOリング等のシール材24で密封シールした状態で収容設置しているため、PTC素子および電極板17を一対の放熱板19,20間に凹部23で位置決めし、PTC素子および電極板17と絶縁および熱伝導シート18および放熱板19,20を互いに密着させて設置することができるとともに、シール材24を介してPTC素子および電極板17を熱媒体から密封シールして収容設置することができる。
【0055】
これによって、放熱板19,20に対する接触熱抵抗を低減してPTC素子17の発熱を効率よく熱媒体に伝熱し、熱媒体加熱装置10の加熱性能の向上と小型・軽量化を図ることができるとともに、PTC素子および電極板17等の電気系統を熱媒体から確実に密封シールし、熱媒体加熱装置10の電気系統に対する信頼性を確保することができる。
【0056】
さらに、鍔部27の外表面側に基板収容ボックス32が設けられ、該基板収容ボックス32内にPTC素子17を制御する制御基板34およびIGBT等の半導体スイッチング素子35が収容設置されているため、ボックス形状のハウジング12の一端部に基板収容ボックス32を介して制御基板34および半導体スイッチング素子35等を設置することができ、熱媒体加熱装置10をコンパクトに構成することができる。また、放熱板19に設けられている鍔部27をヒートシンクとして基板収容ボックス32内を効率よく冷却することができる。従って、車両に対する搭載性を高めることができるとともに、IGBT等からなる半導体スイッチング素子35を熱媒体によって確実に所定温度以下に冷却することができる。
【0057】
特に、半導体スイッチング素子35が、基板収容ボックス32内において、放熱板19の鍔部27の外表面に設置されているので、発熱部品であるIGBT等の半導体スイッチング素子35を熱媒体により放熱板19の鍔部27をヒートシンクとして直接冷却することができる。このため、半導体スイッチング素子35に対する冷却効果を高め、熱媒体加熱装置10の耐熱信頼性を一段と向上することができる。
【0058】
また、ハウジング12および基板収容ボックス32が、共に樹脂材による一体成形品とされているため、アルミ合金等の金属製のハウジングや基板収容ボックスを用いたものに比べて、熱媒体加熱装置10を大幅に軽量化することができる。従って、車両に対する搭載性を高め、電気自動車やハイブリッド車等の走行性能の向上に寄与することができるとともに、コスト低減を図ることができる。同様に、放熱板19,20をアルミ合金製としているため、軽量で熱伝導性のよいアルミ合金製の放熱板19,20を介してPTC素子17の発熱を熱媒体に伝熱し、効率よく熱媒体を加熱することができるとともに、ヒータアセンブリ16を軽量化することができる。従って、熱媒体加熱装置10の加熱性能の向上と小型・軽量化を図ることができる。
【0059】
また、放熱板19の鍔部27には、凹部23に連通された貫通路30が設けられ、PTC素子および電極板17と制御基板34および半導体スイッチング素子35とを電気的に接続するハーネス31を、該貫通路30を介して配線する構成としているため、ハウジング12内に挿入設置されたヒータアセンブリ16のPTC素子および電極板17と、基板収容ボックス32内に設置された制御基板34および半導体スイッチング素子35とを放熱板19の鍔部27に設けられている貫通路30を介してハーネス31により簡易に電気的に接続することができる。このため、PTC素子および電極板17を熱媒体雰囲気となるハウジング12内部に挿入設置したとしても配線経路が複雑化されることはなく、熱媒体加熱装置10を簡素に構成することができる。
【0060】
さらに、本実施形態では、熱媒体入口14が、ハウジング12の開口を密閉する放熱板19の鍔部27側に近い位置に設けられ、熱媒体出口15が、熱媒体入口14から離れた位置に設けられているため、基板収容ボックス32が設けられている放熱板19の鍔部27側に近い位置において、熱媒体入口14からハウジング12内に加熱される前の比較的温度の低い熱媒体を導入することができ、この熱媒体を介して基板収容ボックス32内に設置されている制御基板34および半導体スイッチング素子35等を効果的に冷却することができる。従って、基板収容ボックス32内に収容されている制御基板34および半導体スイッチング素子35等を効率よく冷却し、その冷却効果を高めることができる。
【0061】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、放熱板19,20に設けられているフィン21A,22Aの構成が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図6に示されるように、放熱板19,20の外表面に設けられるフィン21A,22Aが、熱媒体入口14側から熱媒体出口15側に向って滑らかに凸状に湾曲された形状とされている。
【0062】
このように、放熱板19,20のフィン21A,22Aを、熱媒体入口14側から熱媒体出口15側に向って凸状に湾曲された形状とすることにより、熱媒体入口14および熱媒体出口15がハウジング12の同一側面に設けられている場合においても、熱媒体入口14からハウジング12内に流入された熱媒体を熱媒体出口15に向って滑らかに凸状に湾曲されているフィン21A,22Aに沿って流通させることができる。このため、熱媒体入口14と熱媒体出口15間での熱媒体の圧力損失を低減し、熱媒体加熱装置10の加熱性能を更に向上することができる。
【0063】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1および第2実施形態に対して、ハウジング12内にバッフル壁36を設けている点が異なる。その他の点については、第1および第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図7に示されるように、ハウジング12内の熱媒体入口14および熱媒体出口15が設けられている側面側において、熱媒体入口14から流入した熱媒体がヒータアセンブリ16をバイパスして熱媒体出口15側に流通するバイパス流を阻止するバッフル壁36をハウジング12内に設け、熱媒体を放熱板19,20のフィン21,22に沿わせて流通させるようにしている。
【0064】
上記のように、ハウジング12内の熱媒体入口14と熱媒体出口15との間に、ハウジング12内に流入した熱媒体の熱媒体出口15へのバイパス流を阻止し、該熱媒体を放熱板19,20のフィン21,22に沿わせて流通させるバッフル壁36を設けることによって、熱媒体入口14からハウジング12内に流入された熱媒体をバッフル壁36により熱媒体出口15に向けて放熱板19,20のフィン21,22に沿わせて流通させ、フィン21,22と十分接触させて加熱した後、熱媒体出口15から外部に流出させることができる。従って、ヒータアセンブリ16による伝熱効率を高め、熱媒体加熱装置10の加熱性能を更に向上することができる。
【0065】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、一方の放熱板19のみに凹部23を設けた例について説明したが、他方の放熱板20にも凹部を設けた構成としてもよい。また、一対の絶縁および熱伝導シート18については、それぞれを一体化したシートとしても、別体化したシートとしてもよい。
【0066】
さらに、上記実施形態では、制御基板34を放熱板19の鍔部27の外表面側に設けた基板収容ボックス32内に収容設置している例について説明したが、制御基板34の寸法が大きく、該基板収容ボックス32内に収容しきれない場合は、ハウジング12の長方形状の広い上面等に収容部を設けて制御基板34を設置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 車両用空気調和装置
2 空気流路
4 ブロア
5 冷却器
6 放熱器
10 熱媒体加熱装置
11 熱媒体循環路
12 ハウジング
14 熱媒体入口
15 熱媒体出口
16 ヒータアセンブリ
17 PTC素子および電極板
18 絶縁および熱伝導シート
19,20 放熱板
21,21A,22,22A フィン
23 凹部
24 シール材
27 鍔部
30 貫通路
31 ハーネス
32 基板収容ボックス
34 制御基板
35 半導体スイッチング素子
36 バッフル壁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
PTC素子および電極板の両側を絶縁および熱伝導シートを介して外側からフィンを有する一対の放熱板で挟み込んで締め付けしたヒータアセンブリと、
熱媒体入口および熱媒体出口が設けられるとともに、一端が開口されているボックス形状のハウジングと、を備え、
前記ヒータアセンブリが、前記ハウジング内に前記一端開口部から挿入され、前記放熱板の一方に設けられている鍔部を介して前記ハウジングに前記開口を密閉するように固着されていることを特徴とする熱媒体加熱装置。
【請求項2】
前記鍔部が設けられている前記放熱板の一面には、前記PTC素子および電極板を収容する凹部が形成され、該凹部内に前記PTC素子および電極板が前記絶縁および熱伝導シートを介してその周囲をシール材で密封シールされた状態で設置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項3】
前記鍔部の外表面側に基板収容ボックスが設けられ、該基板収容ボックス内に前記PTC素子を制御する制御基板および半導体スイッチング素子等が収容設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項4】
前記半導体スイッチング素子は、前記基板収容ボックス内において、前記放熱板の前記鍔部の外表面に設置されていることを特徴とする請求項3に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項5】
前記基板収容ボックスは、樹脂製とされていることを特徴とする請求項3または4に記載の熱媒体加熱装置。
【請求項6】
前記放熱板の鍔部には、前記凹部に連なる貫通路が設けられ、前記PTC素子および電極板と前記制御基板および半導体スイッチング素子とが、前記貫通路を通して配線されたハーネスを介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の熱媒体加熱装置。
【請求項7】
前記放熱板は、アルミ合金製とされていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の熱媒体加熱装置。
【請求項8】
前記ハウジングは、樹脂製とされていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の熱媒体加熱装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、平面視が長方形状で所定厚さ寸法を有するボックス形状とされ、前記開口が短辺側の一端部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の熱媒体加熱装置。
【請求項10】
前記熱媒体入口は、前記ハウジングの前記開口を密閉する前記放熱板の前記鍔部側に近い位置に設けられ、前記熱媒体出口は、前記熱媒体入口から離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の熱媒体加熱装置。
【請求項11】
前記放熱板のフィンは、前記熱媒体入口側から前記熱媒体出口側に向って湾曲状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の熱媒体加熱装置。
【請求項12】
前記ハウジングの前記熱媒体入口と前記熱媒体出口との間に、ハウジング内に流入された熱媒体の前記熱媒体出口へのバイパス流を阻止し、該熱媒体を前記放熱板のフィンに沿わせて流通させるバッフル壁が設けられていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の熱媒体加熱装置。
【請求項13】
空気流路と、該空気流路に外気または車室内空気を循環させるブロアと、該ブロアの下流側に設けられている冷却器と、該冷却器の下流側に設けられている放熱器と、を備えている車両用空気調和装置において、前記放熱器に、請求項1ないし12のいずれかに記載の熱媒体加熱装置により加熱された熱媒体が循環可能に構成されていることを特徴とする車両用空気調和装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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