説明

熱損失評価システム及び評価方法

【課題】蒸気管のドレントラップからの熱損失を安定的に評価することが可能な評価システムを提供する。
【解決手段】熱損失評価システムは、蒸気管(10)に設けられるドレントラップ(DTn)と、ドレントラップ(DTn)からのドレン及び蒸気が水に投入される容器(64)と、容器(64)内の水の温度を計測する第1計測器(70)と、容器(64)内の水の重量を計測する第2計測器(80)と、計算装置と、を備える。計算装置は、計測プロセスの初期時点における第1計測器(70)及び第2計測器(80)の計測結果、計測プロセスの終期時点における第1計測器(70)及び第2計測器(80)の計測結果、初期時点と終期時点との時間間隔、及び補正係数を用いて、ドレントラップ(DTn)からの蒸気の流量を算出する。補正係数は、少なくとも容器(64)からの放熱を考慮して定められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱損失評価システム及び評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気管において、放熱により蒸気が一部ドレン化し、ドレントラップからドレンが排出される。さらに、ドレントラップから蒸気が漏れる場合がある。ドレントラップからの蒸気の漏れは熱損失に直接的につながる。
【0003】
非特許文献1は、スチームトラップ(ドレントラップ)から排出される蒸気の量を計測する方法を開示している。この計測方法において、熱量計容器内の水にドレントラップからのドレン及び蒸気が投入され、式(1)に基づいて、ドレントラップからの排出蒸気流量が算出される。
【0004】
【数1】

【非特許文献1】The American Society of Mechanical Engineers, Performance Test Codes 39-2005, "Steam Traps" (ASME PTC 39-2005), p16, 17, 23.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に開示された上記計測方法では、排出蒸気流量に関する実際の算出結果が不安定である。
【0006】
本発明は、蒸気管のドレントラップからの熱損失を安定的に評価することが可能な評価システム及び評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に従えば、蒸気管のドレントラップから排出される熱の損失を評価するシステムであって、水を貯溜する容器であって、前記ドレントラップからのドレン及び蒸気が前記水に投入される前記容器と、前記容器内の前記水の温度を計測する第1計測器と、前記容器内の前記水の重量を計測する第2計測器と、計測プロセスの初期時点における前記第1計測器及び前記第2計測器の計測結果、前記計測プロセスの終期時点における前記第1計測器及び前記第2計測器の計測結果、前記初期時点と前記終期時点との時間間隔、及び補正係数を用いて、前記ドレントラップからの前記蒸気の流量を算出する計算装置と、を備え、前記補正係数は、少なくとも前記容器からの放熱を考慮して定められる熱損失評価システムが提供される。
【0008】
この評価システムによれば、少なくとも容器からの放熱を考慮することにより、蒸気管のドレントラップからの熱損失をより安定的に評価することが可能である。
【0009】
本発明の別の態様に従えば、蒸気管のドレントラップから排出される熱の損失を評価する方法であって、前記ドレントラップからのドレン及び蒸気を容器内の水に投入する工程と、前記ドレントラップからのドレン及び蒸気が投入された、前記容器内の水の温度及び重量を、所定時間間隔の初期時点で計測する工程と、前記容器内の水の温度及び重量を、前記所定時間間隔の終期時点で計測する工程と、少なくとも容器からの放熱を考慮して補正係数を定める工程と、前記初期時点における前記水の温度及び重量、前記終期時点における前記水の温度及び重量、前記所定時間間隔、及び前記補正係数を用いて、前記ドレントラップからの前記蒸気の流量を算出する工程と、を含む熱損失評価方法が提供される。
【0010】
この評価方法によれば、少なくとも容器からの放熱を考慮することにより、蒸気管のドレントラップからの熱損失をより安定的に評価することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、熱損失評価システム1を示す概略図である。図1において、蒸気管10は、蒸気生成装置20(ボイラなど)と負荷設備30との間に配設される。蒸気生成装置20からの蒸気が蒸気管10を流れ、負荷設備30に送られる。負荷設備30において、蒸気又は蒸気の熱が利用される。蒸気管10は、不図示の保熱手段によって保熱されている。公知の様々な保熱手段が適用可能である。保熱手段は、例えば、蒸気管10の外面を覆う保温材を有する。
【0013】
また、蒸気管10には、複数のドレントラップDT1、DT2、DT3、・・・DTnが配設されている。蒸気管10内で凝縮して生じたドレンの少なくとも一部がドレントラップDT1、DT2、DT3、・・・DTnに捕捉される。公知の様々なドレントラップが適用可能である。通常、ドレントラップDT1、DT2、DT3、・・・DTnは、捕捉したドレンを適宜排出可能な構造を有する。
【0014】
図1に示すように、熱損失評価システム1は、蒸気管10に連続的に設定される区間SC1、SC2、SC3、・・・SCnと、ドレントラップDT1、DT2、DT3、・・・DTnをそれぞれ有するドレンユニットDU1、DU2、DU3、・・・DUnと、計算装置50を含む制御ユニット40とを備える。
【0015】
図2は、ドレンユニットDUnを示す概略図である。図2に示すように、ドレンユニットDUnは、ドレントラップDTnに加え、ドレンライン60、仮設ホース62、容器(熱量計容器)64、温度センサ70(第1計測器)、及び重量計80(第2計測器)を有する。ドレンライン60は、蒸気管10の分岐ラインであり、蒸気管10からのドレンが流れる配管を有することができる。ドレンライン60上にドレントラップDTnが配設される。
【0016】
仮設ホース62は、ドレントラップDTnからのドレンを容器64に導くためのものであり、その一端がドレントラップDTn(又はドレントラップDTnの出口端に配設された配管機器)に接続される。仮設ホース62の他端は、容器64内の水中に配される。ドレントラップDTnからのドレンは、容器64内の水の温度及び重量の上昇を招く。ドレントラップDTnからの蒸気も同様に、容器64内の水の温度及び重量の上昇を招く。なお、仮設ホース62は、ドレントラップDTnに対して着脱自在に配設され得る。
【0017】
容器64は、ドレントラップDTnからのドレン及び蒸気が投入される水を貯溜する。温度センサ70は、容器64内に貯溜された水の温度を測定することができる。重量計80は、容器64内に貯溜された水の重量を測定することができる。温度センサ70及び重量計80として、公知の様々なセンサ及び計測器が適用可能である。温度センサ70及び重量計80からの測定結果は、制御ユニット40に送られる。
【0018】
ドレンユニットDUnの少なくとも一部は、区間SC1、SC2、SC3、・・・SCnの間で共有することができる。例えば、ある区間の測定で使用した後に、仮設ホース62、容器64、温度センサ70、及び重量計80の少なくとも1つを別の区間の測定に使用することができる。
【0019】
図1に戻り、ドレンユニットDUnを用いた一の計測プロセスにおいて、ドレントラップDTnから排出されたドレン及び蒸気が水に投入され、その結果、水の温度上昇及び水の重量増加が起こる。計測プロセスにおいて、所定の時間間隔における初期時点及び終期時点の、容器64内の水の温度が温度センサ70によってそれぞれ計測される。また、初期時点及び終期時点の容器64内の水の重量が重量計80によってそれぞれ計測される。温度センサ70及び重量計80の計測結果は、制御ユニット40に送られる。上記の計測プロセスは、複数回実行され、複数の計測プロセスの各計測結果が制御ユニット40に送られる。
【0020】
図3は、制御ユニット40を示す模式図である。図3において、計算装置50は、例えばコンピュータシステムである。制御ユニット40は、計算装置50に加え、入力装置127、及び表示装置(出力装置)128を有する。計算装置50は、A/D変換器等の変換器123、CPU(演算処理手段)124、及びメモリ125等を有する。熱損失評価システム1のセンサ(温度センサ70、及び重量計80など)などから送られる測定データが、必要に応じて変換器123等で変換され、CPU124に取り込まれる。また、初期設定値、及び仮データなどが入力装置127などを介して計算装置50に取り込まれる。表示装置128は、入力されたデータに関する情報、及び計算に関する情報などを表示することができる。
【0021】
CPU124は、測定データ、及びメモリ125に記憶された情報に基づき、蒸気管のドレントラップからの熱損失に関する計算を実行することができる。例えば、複数の計測プロセスに関する、温度センサ70、及び重量計80の測定結果を用いて、ドレントラップDTnから排出されるドレンの量、及び蒸気の量を算出することができる。ここで、ドレントラップDTnからの排出蒸気流量の算出手法の一例を以下に示す。
【0022】
排出蒸気流量は、以下の式(2)で定義することができる。
【0023】
【数2】

【0024】
式(2)において、S・ΔT・Δt・K は、放熱に関する。ここで、S、ΔTは、例えば、式(3(又は式(3’))、式(4)(又は式(4’))のようにそれぞれ定義できる。式(3)及び式(4)は、容器(熱量計容器)の表面積に関する。式(3’)及び式(4’)は、容器に加え、配管(蒸気管など)及びドレントラップの表面積に関する。
【0025】
【数3】

【数4】

【0026】
一のドレントラップに関し、複数回の計測プロセス(計測回数=n)が実行される。各計測プロセスにおいて、ドレントラップから排出される蒸気とドレンの流量比を式(5)のように定義した。
【0027】
【数5】

【0028】
ここで、排出ドレン流量Wdは式(6)のようにおくことができる。
【0029】
【数6】

【0030】
次に、排出される蒸気とドレンの流量比(Rate)の回数平均を式(7)のようにおき、Rateのばらつきfを式(8)のようにおいた。
【0031】
【数7】

【数8】

【0032】
ここで、一のドレントラップに対する、複数の計測プロセスのそれぞれについて、排出される蒸気とドレンの流量比はほぼ一定になるものと考え、放熱係数(補正係数)Kを調整し、ばらつきfが最小値となるKの値を決定した。つまり、ドレントラップは、例えば、フロート式の場合、ドレンが一定量溜まるとフロートが浮き、ドレンが排出される仕組みを有する。その際に蒸気が一部漏洩する場合、排出される蒸気とドレンの流量比はほぼ一定になるのは妥当と考えた。
【0033】
図4は、熱損失評価に関する処理手順の一例を示すフロー図である。
【0034】
図4に示すように、まず、ドレンユニットDUnにおいて、ドレントラップDTnからのドレン及び蒸気が熱量計容器(容器)64内の水に投入され、所定時間間隔の初期時点及び終期時点の各々において、温度センサ70及び重量計80によって、容器64内の水の温度及び重量が計測される(ステップS101)。そして、こうした容器64内の水の温度及び重量を計測する計測プロセスが複数回繰り返される。
【0035】
次に、放熱係数(K)に関する仮定値が計算装置50に入力される(ステップ102)。最初に入力される仮定値は、経験的に得られた目安データでもよく、ランダムデータでもよい。なお、蒸気管10を含む系に関する初期値(表面積、送気配管圧力など)は予め計算装置50に入力することができる。また、最初に入力される放熱係数の仮定値も、計測プロセスの実行前に予め入力してもよい。
【0036】
次に、計算装置50は、初期値、仮定値、及び測定データなどを用いて、複数の計測プロセスの各々における、ドレントラップDTnから排出される蒸気流量及びドレン流量を算出する(ステップ103)。また、計算装置50は、複数の計測プロセスの各々における、ドレントラップDTnから排出される蒸気及びドレンの流量比を算出する(ステップ104)。さらに、計算装置50は、ドレントラップDTnから排出される蒸気及びドレンの流量比の回数平均を算出するとともに(ステップ105)、その比のばらつきを算出する(ステップ106)。
【0037】
ドレントラップDTnからの蒸気及びドレンの流量比のばらつき(レート(Rate)のばらつき)に基づき、計算装置50は、最適状態評価を行うことができる(ステップ107)。例えば、シフトした仮定値を用いて、別のレートばらつきを算出することができる。複数の仮定値に基づいて、複数のレートばらつきが算出される。計算装置50は、レートばらつきが最も小さくなるような、放熱係数(K)を探索する。このような最適状態評価により、蒸気管10のドレントラップDTnからの熱損失を見積もることができる(ステップ108)。ドレントラップDTnから排出される熱の見積もりに基づき、蒸気管10の熱損失を評価することができる、あるいは、ドレントラップDTnそのものの性能を評価することができる。
【0038】
(比較例)
ここで、一のドレントラップに対して4回の計測プロセスを実行した例について、従来の式(1)に基づいた算出結果を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
(実施例)
一のドレントラップに対して4回の計測プロセスを実行した例について、式(2)に基づいた算出結果を表2に示す。すなわち、表2において、実際の計測データから放熱係数(補正係数)としてのK値が決定され、排出蒸気流量WLが算出された。本例において、K=0.019である。Rateの値は平均値で4%台である。
【0041】
【表2】

【0042】
このように、表2において、放熱係数(補正係数)を用いた式(2)に基づき、排出蒸気流量を安定的に算出することができる。
【0043】
すなわち、本例において、図1及び図2に示される、熱損失評価システム1における計算装置50は、蒸気管10に設けられるドレントラップDTnと、ドレントラップDTnからのドレン及び蒸気が水に投入される容器64と、容器64内の水の温度を計測する温度センサ70と、容器64内の水の重量を計測する重量計80と、計算装置50とを備える。計算装置50は、計測プロセスの初期時点における温度センサ70及び重量計80の計測結果、計測プロセスの終期時点における温度センサ70及び重量計80の計測結果、初期時点と終期時点との時間間隔(Δt)、及び補正係数(K)を用いて、ドレントラップDTnからの蒸気の流量を算出することができる。
【0044】
本例において、放熱係数(補正係数)は、少なくとも熱量計容器(容器)64からの放熱を考慮して定められる。計測プロセスにおいて、他の部位に比べて、通常、容器64の温度変動が最も大きい。よって、少なくとも容器64からの放熱を考慮することにより、ドレントラップDTnからの排出蒸気流量を安定的に算出することができる。
【0045】
本例において、放熱係数(補正係数)は、算出されるドレントラップDTnからのドレン及び蒸気の比のばらつき(レートばらつき)が最小となるように定められる。ドレントラップDTnにおけるドレン計測において、放熱を考慮した最適状態評価が実施され、精度よく熱損失を評価することが可能である。
【0046】
なお、式(1)に基づく算出において、熱量計容器(容器)は、適切な保温がなされるのが好ましい。放熱係数(補正係数)を用いた本例において、容器64の保温構造を省略又は簡略化することができる。むろん、本例においても、容器64を、適切に保温することができる。
【0047】
代替的に、本例において、放熱係数(補正係数)は、容器64に加え、蒸気管10及びドレントラップDTnの少なくとも一部からの放熱を考慮して定めることができる。この場合、表面積の加重平均に基づき、放熱係数(補正係数)を定めるのが好ましい。様々な放熱の影響を考慮することにより、より高い精度の算出結果を得ることが可能である。
【0048】
また、ドレントラップDTnからのドレン流量に関する算出結果を用いて、蒸気管10の各区間SC1、SC2、SC3、・・・SCnにおける放熱損失を評価することが可能である。追加的に、ドレントラップDTnからの蒸気流量に関する算出結果を用いることにより、より精確に放熱損失を評価することが可能である。
【0049】
統計的手法を用いることにより、係数の最適解を推定することができる。応用数学の手法に基づく、確率分布(正規分布、t分布など)を用いて推定や検定を実施することもできる。数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだすことにより、より精確な推定を行ったり、異常値を検出することもできる。
【0050】
統計的な異常値は、ドレントラップの不具合や部分的な熱漏洩の検出に利用できる。傾向分析の結果などに基づき、特定の区間に対して仮定放熱損失及び仮定捕捉率の重み付けを行うことができる。
【0051】
追加的又は代替的に、蒸気生成装置20からの出力を変化させて、さらに多くのデータを取ることもできる。様々な条件下のデータを採取することにより、より精確な推定が可能である。
【0052】
本実施形態において、制御ユニット40の表示装置128は、ドレントラップからの排出蒸気流量の算出結果並びに算出過程を表示することができる。表示装置128は、データの分布を散布図または相関図で表示することもできる。視覚的な傾向分析により、排出蒸気流量の算出結果や熱損失を視覚的に検証できる。
【0053】
上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】熱損失評価システムを示す概略図である。
【図2】ドレンユニットを示す概略図である。
【図3】制御ユニットを示す模式図である。
【図4】熱損失評価に関する処理手順の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0056】
1:熱損失評価システム、10:蒸気管、20:蒸気生成装置、30:負荷設備、40:制御ユニット、50:計算装置、60:ドレンライン、62:仮設ホース、70:温度センサ(第1計測器)、64:熱量計容器(容器)、80:重量計(第2計測器)、123:変換器、124:CPU、125:メモリ、127:入力装置、128:表示装置、DT1、DT2、DT3、・・・DTn:ドレントラップ、DU1、DU2、DU3、・・・DUn:ドレンユニット、SC1、SC2、SC3、・・・SCn:区間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気管のドレントラップから排出される熱の損失を評価するシステムであって、
水を貯溜する容器であって、前記ドレントラップからのドレン及び蒸気が前記水に投入される前記容器と、
前記容器内の前記水の温度を計測する第1計測器と、
前記容器内の前記水の重量を計測する第2計測器と、
計測プロセスの初期時点における前記第1計測器及び前記第2計測器の計測結果、前記計測プロセスの終期時点における前記第1計測器及び前記第2計測器の計測結果、前記初期時点と前記終期時点との時間間隔、及び補正係数を用いて、前記ドレントラップからの前記蒸気の流量を算出する計算装置と、を備え、
前記補正係数は、少なくとも前記容器からの放熱を考慮して定められることを特徴とする熱損失評価システム。
【請求項2】
前記補正係数は、複数回の前記計測プロセスにおいて算出される前記ドレントラップからの前記ドレン及び前記蒸気の比のばらつきが最小となるように定められることを特徴とする請求項1に記載の熱損失評価システム。
【請求項3】
前記補正係数は、前記容器に加え、前記蒸気管及び前記ドレントラップの少なくとも一部からの放熱を考慮して定められることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱損失評価システム。
【請求項4】
蒸気管のドレントラップから排出される熱の損失を評価する方法であって、
前記ドレントラップからのドレン及び蒸気を容器内の水に投入する工程と、
前記ドレントラップからのドレン及び蒸気が投入された、前記容器内の水の温度及び重量を、所定時間間隔の初期時点で計測する工程と、
前記容器内の水の温度及び重量を、前記所定時間間隔の終期時点で計測する工程と、
少なくとも容器からの放熱を考慮して補正係数を定める工程と、
前記初期時点における前記水の温度及び重量、前記終期時点における前記水の温度及び重量、前記所定時間間隔、及び前記補正係数を用いて、前記ドレントラップからの前記蒸気の流量を算出する工程と、
を含むことを特徴とする熱損失評価方法。
【請求項5】
前記補正係数を定める工程は、前記水の温度及び重量の計測を複数回繰り返す工程を含み、前記補正係数は、算出される前記ドレントラップからの前記ドレン及び前記蒸気の比のばらつきが最小となるように定められることを特徴とする請求項4に記載の熱損失評価方法。
【請求項6】
前記補正係数は、前記容器に加え、前記蒸気管及び前記ドレントラップの少なくとも一部からの放熱を考慮して定められることを特徴とする請求項4又は5に記載の熱損失評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−96671(P2010−96671A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268772(P2008−268772)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】