説明

熱水又は沸騰水を定量排出する装置

熱水又は沸騰水を定量排出する装置において、内部に蔓延する過剰圧力に耐える断熱貯蔵器と、この貯蔵器内に配置される電気加熱素子と、排出導管と、貯蔵器と排出導管との間の流体連通部内に配置される弁であって、弁座と、閉位置において閉鎖力により弁座に押し付けられると共に操作要素により開位置につけられうる、移動可能に構成される弁部材とを備える弁とを備え、弁の構成及びその流体連通部との接続は、貯蔵器内に蔓延する過剰圧力が閉鎖力とは逆の向きの力を弁部材に加えるようなものとされ、閉鎖力は、貯蔵器内に蔓延する過剰圧力が閾値に達すると、弁部材が閉位置から押圧されるような力である、熱水又は沸騰水を定量排出する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱水又は沸騰水を定量排出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような装置は最初に、その対応する英国特許が特許文献2の番号を有する特許文献1に記載された。この装置の更なる発展形態が特許文献3に記載されている。この明細書に記載されている装置は、貯蔵器の内部に蔓延する過剰圧力に耐える断熱貯蔵器を備える。この貯蔵器は、貯蔵器の下面に隣接する供給導管であって、上水道に接続されるように設計されており、使用時には、熱水又は沸騰水が貯蔵器から排出されるやいなや、冷たい水道水が上水道から供給導管を介して貯蔵器に供給される供給導管を備える。貯蔵器は更に、貯蔵器の上面に隣接する排出導管であって、それ介して使用時に熱水又は沸騰水が貯蔵器から排出されうる排出導管を有する。貯蔵器内には、電気加熱素子が含まれる。流出管が流体連通部を介して排出導管に接続される。更に、弁が設けられる。明細書に述べられているように、この弁は、緊急事態の場合に安全手段として機能することができるように、ばね偏倚弁部材を備えうる。このような弁がどのように設計されうるかは、この明細書には記載されていない。どのような種類の緊急事態が想定されるかも記載されていない。上記とは無関係に、明細書には、弁は電気的に操作されうると記述されている。どのようにしてこれが実現されうるかも明細書には記載されていない。
【0003】
実際には、電気的に操作可能な弁を備えたこのような沸騰水定量排出装置は、市場で販売されておらず、沸騰水の異なる定量排出条件下で信頼性ある態様で機能し続ける信頼性ある装置を提供することが簡単ではないことも判明している。
【0004】
市場でクーカー(Quooker(登録商標))という商標名で販売されている、ペトリB.V社(Petri B.V)の装置は手動操作弁、特には回転ノブを備えた従来式水道水栓として操作される弁を備えるが、これには安全手段が設けられている。この安全手段により、回転ノブを回転させ、よって開くためには、ばね偏倚に抗して圧入することが必要になる。このような態様で、水栓として設計される弁は故意の操作、即ち同時に水栓の回転ノブを圧入し且つ回転させることによってのみ開かれうることが構想されている。この安全手段は特許文献4にも記載されている。実際に販売されているクーカーでは、貯蔵器の過剰圧力安全手段は、いわゆる入口構成体上に配設される。入口構成体は、貯蔵器の入口の上流に配置される複数の接続継手と弁との組立体である。貯蔵器内の過剰圧力が特定の値を超える場合は、貯蔵器内の圧力が入口構成体を介して減じられる。その後、蒸気は流し戸棚内へと放出されうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】オランダ王国特許第A−7112368号明細書
【特許文献2】英国特許第A−1373990号明細書
【特許文献3】欧州特許第B−0467480号明細書
【特許文献4】欧州特許第0792970号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最小限の部品を用いて電気運転を行うと共に、貯蔵器の内部の高すぎる過剰圧力に対して耐久性及び信頼性のある保護を提供する、熱水又は沸騰水を定量排出する装置を構想する。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、熱水又は沸騰水を定量排出する装置は、
・貯蔵器の内部に蔓延する過剰圧力に耐える断熱貯蔵器を備え、その貯蔵器は、
−上水道に接続されるように設計されており、使用時には、熱水又は沸騰水が貯蔵器から排出されるやいなや、冷たい水道水が上水道から供給導管を介して貯蔵器に供給される、貯蔵器の下面に隣接する供給導管と、
−それを介して使用時に熱水又は沸騰水が貯蔵器から排出されうる、貯蔵器の上面に隣接する排出導管とを備え、
・貯蔵器内に配置される電気加熱素子を備え、
・流体連通部を介して排出導管に接続される流出管を備え、
・流体連通部に含まれる弁を備え、その弁は、
−弁体と、
−流体連通部の上流側部分に接続される入口と、
−流体連通部の下流側部分に接続される出口と、
−弁座と、
−閉位置において閉鎖力により弁座に押し付けられる、移動可能に構成される弁部材と、
−動作状態において、閉鎖力とは逆の向きの持上げ力を弁部材に加えて弁部材が弁座から持ち上げられるようにするアクチュエータと、
−入口を出口に接続すると共に弁部材により密封されうる、弁体内の内部流体連通部とを備え、
その弁の構成及びその流体連通部との接続は、貯蔵器内に蔓延する過剰圧力が閉鎖力とは逆の向きの力を弁部材に加えるようなものである一方で、閉鎖力は、貯蔵器内に蔓延する過剰圧力が閾値に達すると弁部材が閉位置から押圧されるような力であり、
・弁部材をそれぞれ開位置と閉位置とにつけるためにアクチュエータを動作位置と非動作位置とにつける操作要素を備える。
【0008】
弁部材は、使用者が沸騰水を必要とする時に普通の態様で弁を開くための両方に用いられると共に、貯蔵器内の過剰圧力が特定の閾値に鑑みて高すぎる状況では閉鎖力の作用に抗して弁を開かせるため、正に定期的に作動状態に置かれる過剰圧力安全手段が得られる。特に沸騰水では、沸騰水は湯垢の付着を招くことから、これは特に重要な特徴となる。沸騰水と接触し且つ定期的に動かされない過剰圧力安全手段は、湯垢の付着により動かなくなって、肝心な状況、即ち特定の閾値を超える過剰圧力が貯蔵器内に蔓延している状況において、もはや奏功しないようになってしまう恐れがある。例えば電磁弁等の弁が用いられる油圧系では、通常的に、これらの弁は配管系に含まれて、逆に電磁弁の上流側の管部分内に蔓延する圧力が閉位置にある弁を押圧するようになっている。これに対して、本発明に従った装置では、この弁は、上流側の管部分内の圧力が閉鎖力とは逆の向きになるように接続されて、それぞれの圧力が弁を開かせようとするようになる。通常状態において弁が閉じられたままに維持されるのは、閉鎖力の存在のみによる。貯蔵器内における過剰圧力の特定の閾値を超えると、弁部材は閉位置から押圧される。従って、電磁弁は、この弁を用いて使用者が沸騰水の定量排出を制御するという意味での利用の機能と、この全く同じ弁、特には同じ弁体を用いて過剰圧力安全手段も達成されるという意味での安全の機能との両方を有する。従って、最小限の部品を用いて、操作と過剰圧力安全手段との両方が実現されうる。また他の利点は、過剰圧力の場合に、最終的に蒸気又は水分は装置が配置される流し戸棚内に行き着くのではなしに、蒸気及び水分は出口管を介して流しへと排出される。結果として、流し戸棚内への蒸気の放出が防がれる。通常使用用と過剰圧力安全手段用とに同じ弁体が用いられ、従ってこの弁体は定期的に、即ち使用の度毎に開かれ且つ閉じられるため、この安全手段は信頼性と耐久性とを有する。
【0009】
1つの実施形態において、弁は、移動可能に構成される弁部材は強磁性体材料を備える電磁弁とされ得、弁のアクチュエータは、弁部材の強磁性体材料を少なくとも部分的に取り巻くと共に動作状態において閉鎖力とは逆の向きの持上げ力を弁体に加えて弁部材が弁座から持上げられるようにする電気コイルである。
【0010】
また他の実施形態において、弁のアクチュエータは電気モータとされ得、この電気モータの軸は隙間を有して弁部材に接続されて、上記の閾値を超える過剰圧力が貯蔵器内に蔓延する時には、この蔓延する圧力のため且つ設けられた隙間のために、電気モータの非動作位置では弁部材が弁座から押圧されうるようになり、電気モータの動作状態では、軸は、弁部材が閉鎖力に抗して弁座から持上げられる位置につけられる。
【0011】
1つの実施形態において、閾値は2〜11バールの範囲内とされうる。超大気圧に保たれる貯蔵器内の水が沸騰するのを防ぐためには、超大気圧が貯蔵器内に蔓延していなければならない。しかし、この圧力が高くなり過ぎてはいけない。圧力が上記の閾値に達すると、弁部材が閉鎖力に抗して開かれる。上記の範囲は、大気圧と比較した過剰圧力に関する。従って、絶対圧力では、上記の数値範囲に約1バールを加えなければならない。
【0012】
1つの実施形態において、弁部材に加えられる閉鎖力は、偏倚下にあるばねによって実現されうる。このような実施形態は、電気エネルギーを消費することなしに閉鎖力を得ることができるという利点を有する。また別の実施形態では、閉鎖力は電気コイル又は電気モータによっても供給されうる。しかし、これは連続的なエネルギー消費を招き、従って好ましくない。
【0013】
市販されているクーカーでは、密封弁は、各々が開口を備えると共に開弁及び閉弁のために互いに回転可能に構成される2つのセラミック板を含む。このようなセラミック板は耐熱性であり、従って沸騰水を定量排出する装置に用いるのに極めて適する。従って、このような実施形態の弁では、特定の閉鎖力により弁座に押し付けられる弁部材はない。弁座に押し付けられる弁部材を備える弁では、適正な密封を得るために、弁部材の弁座に当接する部分は、好ましくはある程度可撓性の材料により製造されるべきである。しかし、一般に、可撓性材料は高温の沸騰水への長期的な露出に対してあまり十分に耐えることができない。この問題を解決するために、本発明の実施形態は、流体連通部の上流側部分が、上流側端部により貯蔵器の排出導管に接続されると共に下流側端部により弁の入口に接続される管を含む一方で、この管は、上流側端部から下流側端部の方へと見ると、上方延在部分と最上部と下方延在部分とを連続的に有する流路を辿る装置を提供する。
【0014】
冷水は熱水より重いという事実により、管の下方延在部分内には冷めた水が集まる。従って、対流の結果として貯蔵器から上方に上昇する傾向にある熱水は、管の最上部まで上昇するが、その位置で更に管内に流入することができなくなる。このため、沸騰水が弁、特には弁部材及びその弁座と連続的に接触することが防がれる。従って、弁座に当接する、一般に可撓性となるように設計される弁部材部分は、毎回、非常に短い時間だけ沸騰水と接触し、残りの時間の大部分は、はるかに低温の水と接触する。これは弁の耐久性に特に好ましい効果を持つ。更に、この供給導管設計の結果として、弁の弁体への熱伝達は大幅に制限される。従って、弁体を介して最小限の熱量のみが周囲に放出されうる。
【0015】
弁への熱輸送を更に一層減らすために、1つの実施形態において、管はプラスチック管部分を含みうる。プラスチックは劣弱な熱伝導体であり、従って弁体への最小限の熱伝達が管を介しても行われることになる。装置のエネルギー生成の更に一層の向上は、更に弁体がステンレス鋼により製造される場合に得られうる。ステンレス鋼は特に劣弱な熱伝導体であり、依然として熱水との接触がある場合でも、これは弁部材の一方の端部のみに関し、弁部材の残りの部分の加熱と周囲への熱伝達とは非常に限られた度合いで行われるだけとなる。
【0016】
本発明の更に他の態様は、従属請求項に記載すると共に、以下に図面を参照して例証的な実施形態に基づいて更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】装置の例証的な実施形態の略側面図である。
【図2】自身に接続される管を有する電磁式の弁の略断面図である。
【図3】電気モータにより操作される弁の略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図に概略的に示す例証的な実施形態は、単に例として用いられると共に、更なる説明のためだけに用いられる。この例証的な実施形態は、貯蔵器10の内部に蔓延する過剰圧力に耐える断熱貯蔵器10を含む。貯蔵器10は、貯蔵器10の下面に隣接する供給導管12を備える。供給導管12は上水道14に接続されるように設計される。使用時に、熱水又は沸騰水が貯蔵器10から排出されるやいなや、低温の水道水が供給導管12を介して上水道から貯蔵器10に供給される。貯蔵器10は更に、貯蔵器10の上面に隣接する排出導管16を備える。この排出導管16を介して、使用時に熱水又は沸騰水が貯蔵器10から排出されうる。貯蔵器10内には、電気加熱素子18が配置される。電気加熱素子18の適切な制御により、貯蔵器10内の水の温度を大気圧沸点より高温に上昇させ且つ維持することができる。装置は更に、流体連通部22、24、26を介して貯蔵器10の排出導管16に接続される出口管20を備える。一般に、出口管は、流し又は同様の排水口の上に配置される流出端部を有する。好ましくは、出口管29は枢転可能且つ高さ調節可能である。これにより、異なる高さの鍋及びカップを台上又は流し内に置いたままで沸騰水をこぼすことなしに注ぐことができる。
【0019】
装置は更に、流体連通部22、24、26に含まれる弁28、28’を含む。
【0020】
弁28、28’は、弁体30、32、30’、32’を備える。弁28、28’、特にその弁体30、32、30’、32’は、流体連通部の上流側部分22に接続される入口34、34’を備える。弁28、28’の出口36、36’は、流体連通部の下流側部分26に接続される。弁28、28’は更に、弁座38、38’と、閉位置において特定の閉鎖力で弁座38、38’に押し付けられる、移動可能に構成される弁部材40、40’とを備える。弁28、28’は更に、動作状態、即ち開栓に対応する状態において閉鎖力とは逆の向きの持上げ力を弁部材40、40’に加えて、弁体40、40’が弁座38、38’から持ち上げられるようにするアクチュエータ42、42’を含む。弁28、28’は更に、入口34、34’を出口36、36’に接続すると共に弁部材40、40’により密封されうる内部流体連通部24、24’を含む。弁28、28’の構成及びその流体連通部22、26との接続は、貯蔵器10内に蔓延する過剰圧力が閉鎖力とは逆の向きの力を弁部材40、40’に加えるようなものとされる。閉鎖力は、貯蔵器10内に蔓延する過剰圧力が閾値に達する時に、弁部材40、40’が閉位置から押圧されるような力である。装置は更に、弁体40、40’をそれぞれ開位置と閉位置とにつけるためにアクチュエータ42、42’を動作位置と非動作位置とにつける操作要素68を備える。
【0021】
このように設計された沸騰水定量排出装置は、同じ弁体40、40’が沸騰水を定量排出する時の通常使用と過剰圧力保護との両方に用いられるという点で信頼性と耐久性とを有する。これによって、貯蔵器10内に蔓延する過剰圧力が特定の閾値を超える時に開かれる同じ弁部材40、40’が通常使用でも毎回開かれるため、例えば湯垢の付着により過剰圧力安全手段がもはや奏功しなくなってしまう恐れが実質的に排除される。従って、本装置では、過剰圧力保護手段としての役割を果たす弁体が使用されないこと及び起こりうる湯垢の形成等により動かなくなってしまうことが防がれる。また他の利点は、貯蔵器内に蔓延する過剰圧力が特定の閾値を超えると、過剰圧力状況における蒸気/及び又は水分が出口管を介して周囲に定量排出されることである。従って、一般に水分は流し又は同様の排水口内に行き着き、いかなる蒸気も貯蔵器10が通常的に配置される流し戸棚内には放出されない。更に他の利点は、1つの可動部分、即ち弁部材40、40’しかないことである。結果として、装置は経済的な態様で製造されうると共に、更にまた、可動部分が1つしかないことは信頼性ある運転のために有利である。
【0022】
貯蔵器10内に蔓延する過剰圧力の結果として弁体40、40’が閉鎖力に抗して弁座38、38’から持ち上げられる上記の閾値は、例えば2〜11バールの範囲内とされうる。換言すれば、3〜12バールの範囲内の全体圧力。この範囲内に含まれる閾値では、貯蔵器10内にある水は超大気圧力に保たれて、貯蔵器内の水を沸騰開始させることなしに、その温度を大気圧沸点より高温に保つようにすることができる。使用者が沸騰水を取り出したい時は、使用者は操作要素68を用いて弁28、28’を操作して、アクチュエータ42、42’を動作させ、即ち作動させて、弁体40、40’が弁座38、38’から持ち上げられるようにする。流れ出る水は、過剰圧力の代わりに大気圧に曝される結果として沸騰開始しながら流出する。
【0023】
次に、図2を参照して、電磁設計の弁28を更に詳細に説明する。図2に一例を示す1つの実施形態において、弁部材40は、自身の端部に可撓性材料の密封部材52を有するプランジャとして設計されうる。弁部材40の閉位置において、密封部材52は弁座38に当接する。可撓性材料は電磁弁28内の流体連通部24の信頼性ある密封を達成する。電磁弁28の1つの実施形態において、閉鎖力は偏倚下にあるばね44によって生成されうる。この実施形態の一例が図2に示されている。小型の電磁弁を形成するためには、プランジャを中空に設計して、ばね44を内蔵することができるばねチャンバ54を形成させると有利である。ここで、ばね44は、一方の端部により、ばねチャンバ54を境界するプランジャの内壁に当接すると共に、プランジャを貫通して突出する結合スピンドルを介して、第2の端部により弁体30、32の一部分に対接する。閉位置にある弁部材40では、ばねの第1の端部が当接するプランジャの内壁とばね44の第2の端部が対接する弁体30、32の部分との間の距離は所定である。これが所定であるため、ばね44の寸法によって、貯蔵器10内に蔓延する過剰圧力が弁部材40を弁座38から持ち上げる閾値が決定される。1つの実施形態では、密封部材52を例外として、プランジャ形弁部材40は完全に強磁性体材料から製作されうる。しかし、プランジャが部分的に異なる材料により形成されると共に例えば強磁性体ジャケットを含むことも可能である。
【0024】
1つの実施形態において、弁体30、32は、電気コイル42により取り巻かれる弁部材チャンバ56を有するコイル本体部分30を備えてよい。弁体30、32は更に、入口34と出口36と弁座38とを含む接続本体部分32を含みうる。ここで、接続本体部分32は例えばねじ山を手段とするか又はバイオネット継手を手段としてコイル本体部分30に結合可能である。このように弁体を2つの本体部分から構成することにより、その製造が相対的に簡単になる。図示する例証的な実施形態では、電気コイル42は、コイル本体部分30上のショルダ部72とナット76の補助によりコイルに押し付けられる締付環74との間に固締されることでコイル本体部分30に取り付けられる。ナット76はコイル本体部分30上に設けられるねじ山部分78に係合する。
【0025】
図3は弁28’のまた別の例証的な実施形態を示す。この実施形態において、弁のアクチュエータ42’は電気モータ42’として設計されている。電気モータ42’は、例えば回転子及び固定子(図示せず)を備えるステッピングモータ又はサーボモータとされうる。図示する例では、電気モータ42’は、回転子の回転をモータ42’の軸80’の軸方向移動に変換する一体型伝動装置(図示せず)を備える。軸80’は弁部材40’に隙間を有して接続されて、貯蔵器10内に蔓延する過剰圧力が上記の閾値を超えると、この蔓延する過剰圧力のため且つプランジャ40’と軸80’との間に得られる隙間のために、電気モータ42’の非動作状態では、弁部材40’が弁座38’から押圧されるようになる。電気モータ42’の動作状態では、軸80’は、弁部材40’が弁座38’から閉鎖力に抗して持ち上げられる位置に付けられうる。図3の図示される例証的な実施形態では、軸80’の位置は軸方向に引き戻された位置である。図2に示す例証的な実施形態と全く同じように、弁部材40’は、自身の前側端部に可撓性材料の密封体52’を有するプランジャとして設計されうる。弁部材40’の閉位置では、密封体52’は弁座38’に当接する。可撓性材料は弁28’内の流体連通部24’の信頼性ある密封を達成する。この実施形態でも、弁部材40’に加えられる閉鎖力は、偏倚下にあるばね44によって生成されうる。
【0026】
図3に一例を示す1つの実施形態において、弁体30’、32’は、電気モータ吊り部分30’と、入口34’及び出口36’と弁座38’とを含む接続本体部分32’とを備えうる。接続本体部分32’は電気モータ吊り部分30に結合される。
【0027】
それぞれ図2及び図3に例を示す両方の実施形態について、接続本体部分32、32’は入口34、34’を形成する第1の端部と弁座38、38’により取り巻かれる第2の端部とを有する中心穴58、58’を備えうることがわかる。接続本体部分32、32’は更に、中心穴58、58’が第2の端部により終端し且つ弁座38、38’が配置されると共に閉位置にある弁体40、40’が少なくとも部分的に延在する接続チャンバ60、60’を備える。接続本体部分32、32’は更に、中心穴58、58’に対して実質的に垂直に延在すると共に出口36、36’を形成する第1の端部と接続チャンバ60、60’内で終端する第2の端部とを有する第2の穴62、62’を備える。このような実施形態については、特にアクチュエータが電磁コイル42として設計される時は、弁28はわずか1つの可動部分を有すると共に、従って相対的に簡単に構成され、それが弁28の信頼性と耐久性とを大きく向上させることがわかる。
【0028】
図2及び図3の両方に例を示す更に他の態様では、プランジャとして設計される弁部材40、40’は、それに沿ってプランジャが移動可能に構成される長手中心軸Lを有し、弁座38、38’は長手中心軸Lに対して垂直をなす平面上に延在する。この構成では、貯蔵器10内に蔓延する過剰圧力10は、ばね44、44’により加えられる閉鎖力とは逆の向きの力をプランジャに加える。中心穴58は、プランジャとして設計される弁体40、40’がそれに沿って移動可能に構成される長手中心軸Lと一致する長手中心軸を有しうる。
【0029】
図3に一例を示す電気モータ42’を有する弁28’の実施形態は、電気モータ42’の軸80’とプランジャとして設計される弁体40’とを接続する結合部分82’を備えうる。更に、中心開口を有する膜84’が設けられうる。この中心開口を介して電気モータ42’の軸80’が伸びる。膜84’は水密であると共に、結合部分82’と電気モータ42’の軸80’に取り付けられる環又はフランジ86’との間に固締される。膜84’は、電気モータ吊り部分30’に水密的に接続される外周部を備える。更に、膜84’と一緒に接続本体32’と電気モータ吊り部分30’との間に固締されると共に接続本体32’と電気モータ吊り部分30’との間において水密シールを形成する密封蓋88’が設けられる。更に、接続チャンバ60’内に配置される、偏倚下にあるばね44’が設けられる。このばね44’は、第1の端部により、プランジャ内に取り付けられる保持環に当接すると共に、第2の端部により密封蓋88’に当接する。図3に一例を示す1つの実施形態において、プランジャとして設計される弁部材40’は、プランジャ中心軸Lに対して垂直に延在するスロット穴90’を備えうる。結合部分82’は、プランジャ中心軸Lに対して垂直に延在すると共にスロット穴90’内に含まれる横ピン92’を備えうる。横ピン92’の直径及びスロット穴90の寸法は、上記の隙間が得られるように互いに合わされる。軸80’と弁部材40’との間に軸方向の隙間を得るために、多くのまた他のスロット穴/横ピン接続構造が可能であることは明らかである。
【0030】
図1に一例を示す1つの実施形態において、流体連通部22、24、26の上流側部分22は、上流側端部48により貯蔵器10の排出導管16に接続される管46を含む。管46の下流側端部50は弁28、28’の入口34、34’に接続される。ここで、管46は、上流側端部48から下流側端部50の方へと見ると、上方延在部分46aと最上部46bと下方延在部分46cとを連続的に有する流路を辿る。流体連通部の上流側部分22のこのような構成の結果として、沸騰水が対流の結果として弁28に連続的に供給されることが防がれる。冷水が熱水より重いことは事実であり、その結果として、熱水は対流により下方部分46c内に流入せずに、そこで相対的に低温の水により停止される。このことの重要な利点は、弁28、特には可撓性材料の密封部材52、52’が沸騰した熱水と連続的に接触しないことであり、これは電磁弁28、28’の耐久性を大幅に向上させる。弁が使用のために開かれる時にだけ、密封部材52、52’はしばらくの間、沸騰した熱水と接触する。弁28、28’の閉鎖後は、下方延在部分46内にある水は冷めて、もはや対流の結果として温まることはない。好ましくは、下方延在部分46cにより外囲される容積は、例えば紅茶茶碗の容積と比べて小さくする。使用者が自身のコップに最初に大気圧沸点より低い温度の水が注がれることに気づかないように、下方延在部分46cにより境界される流路の容積は、例えば、好ましくは5ミリリットル以下とする。これは、下方延在部分を限られた長さ、例えばわずか約5センチメートルの長さと約3〜10mmの内径とにすることによって達成されうる。更にまた熱損失を可能な限り制限するために、1つの実施形態の装置では、管46はプラスチック管部分を含みうる。プラスチックは劣弱な伝導体であり、このため、管46を介した熱伝達は最小限に制限される。弁28、28’の弁体30、32、30’、32’を介した熱伝達も、これをステンレス鋼により製造することによって最小限に抑えられうる。管46の上記の流路は、貯蔵部10の上面に隣接する排出導管16が導管46の上流側端部48を垂直方向に接続できるようにすると、効率的な態様で創出されうる。その場合、弁28、28’の入口34、34’も形成する中心穴58、58’が実質的に水平に延在して、そこで管の下流側端部50が実質的に水平に延在するようにすることが好ましい。
【0031】
1つの実施形態において、弁28、28’は2位置弁とされうる。アクチュエータ42、42’の非動作状態において、弁部材40、40’は、貯蔵器10内の過剰圧力が閾値に達しない限り閉位置にある。弁部材40、40’は、アクチュエータ42、42’が操作要素68により操作されると開位置にくる。このような弁28、28’は、アクチュエータ42、42’が動作状態又は非動作状態のいずれかにあるため、かなり単純な制御装置を必要とする。制御装置は、例えば、供給部、例えば送電線と電気コイルとして設計されるアクチュエータ42とがある電気回路内に含まれる単純なスイッチとされうる。
【0032】
また他の実施形態において、弁28、28’は制御可能な弁とされうる。アクチュエータ42、42’の非動作状態において、弁部材40、40’は、貯蔵器10内の圧力が閾値に達しない限り、通常的に閉位置にある。弁部材40、40’は、電気コイルとして設計されるアクチュエータ42の作動の度合いによって、ある範囲内の開位置につけられうる。同様の結果は、電気モータ42’がアクチュエータとしての役割を果たす時に、その位置を制御することによって実現されうる。
【0033】
制御可能な弁28、28’の、よってアクチュエータ42、42’の操作及び制御には、もう少し複雑な制御装置が必要になる。このような制御装置は、例えば、供給部、例えば送電線に接続されると共に電気コイル42もある電気回路に含まれる電位差計によって形成されうる。
【0034】
しかし、電子制御装置を設けることも可能である。1つの実施形態において、このような電子制御装置64は、操作要素68が接続される入力部66と、例えば電気コイル42として、或いはまた電気モータ42として設計されるアクチュエータが接続される出力部70とを備えうる。制御装置64は、出力部70を介してアクチュエータ42、42’に送られる駆動信号を生成するように設計されうる一方で、この駆動信号は操作要素68の操作に依存する。すでに述べたように、制御装置は単純なスイッチ又は電位差計とされうる。制御装置64は、制御及び駆動機能を備えうる電子モジュールによって形成されうる。更に、追加の機能が安全性の向上をもたらしうる。例えば、操作要素68に接触すると、制御装置64が警告信号を生成して、水栓が熱水又は沸騰水を定量排出することに使用者の注意を引きうる。このような信号は光信号又は音声信号とされうる。これにより、使用者は水栓の使用を放棄するか、又は水栓から沸騰水を取り出すために水栓を故意に操作するかのいずれかとなる。
【0035】
図面を参照して本発明を詳細に提示及び説明したが、これらの図面及び説明は単に一例と考えられるべきである。本発明は記載の実施形態に制限されない。従属請求項に記載の特徴は互いに組み合わされうる。請求項中の参照符号は請求項を制限するものと解釈されるべきではなく、単に明瞭化の役割を果たしている。
【符号の説明】
【0036】
10 貯蔵器
12 供給導管
14 上水道
16 排出導管
18 電気加熱素子
20 出口管
20 流出管
22 流体連通部
22 上流側部分
24 流体連通部
24 内部流体連通部
24’ 内部流体連通部
26 流体連通部
26 下流側部分
28 弁
28 電磁弁
28’弁
28’ 電磁弁
29 出口管
30 弁体
30 コイル本体部分
30 電気モータ吊り部分
30’ 弁体
30’ 電気モータ吊り部分
30’ 電気モータ吊り部
32 弁体
32 接続本体部分
32’ 弁体
32’ 接続本体部分
32’ 接続本体
34 入口
34’ 入口
36 出口
36’ 出口
38 弁座
38’ 弁座
40 弁部材
40’ 弁部材
40’ 弁体
42 アクチュエータ
42 電気コイル
42 電磁コイル
42 電気モータ
42’ アクチュエータ
42’ 電気モータ
44 ばね
44’ ばね
46 下方延在部分
46 管
46 導管
46a 上方延在部分
46b 最上部
46c 下方延在部分
46c 下方部分
48 上流側端部
50 下流側端部
52 密封部材
52’ 密封体
52’ 密封部材
54 ばねチャンバ
56 弁部材チャンバ
58 中心穴
58’ 中心穴
60 接続チャンバ
60’ 接続チャンバ
62 第2の穴
62’ 第2の穴
64 制御装置
64 電子制御装置
66 入力部
68 操作要素
70 出力部
72 ショルダ部
74 締付環
76 ナット
78 ねじ山部分
80 軸
80’ 軸
82’ 結合部分
84’ 膜
86’ フランジ
88’ 密封蓋
90 スロット穴
90’ スロット穴
92’ 横ピン
L 長手中心軸
L プランジャ中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱水又は沸騰水を定量排出する装置において:
・貯蔵器(10)の内部に蔓延する過剰圧力に耐える断熱貯蔵器(10)を備え、前記貯蔵器(10)は:
−上水道(14)に接続されるように設計されており、使用時には、熱水又は沸騰水が貯蔵器(10)から排出されるやいなや、冷たい水道水が上水道から供給導管(12)を介して貯蔵器に供給される、貯蔵器(10)の下面に隣接する供給導管(12)と;
−それを介して使用時に熱水又は沸騰水が貯蔵器(10)から排出されうる、貯蔵器(10)の上面に隣接する排出導管(16)とを備え、
・前記貯蔵器(10)内に配置される電気加熱素子(18)を備え、
・流体連通部(22、24、26)を介して前記排出導管(16)に接続される流出管(20)を備え、
・前記流体連通部(22、24、26)に含まれる弁(28、28’)を備え、前記弁(28、28’)は:
−弁体(30、32;30’、32’)と;
−前記流体連通部の上流側部分(22)に接続される入口(34;34’)と;
−前記流体連通部(22、24、26)の下流側部分(26)に接続される出口(36)と;
−弁座(38;38’)と;
−閉位置において閉鎖力により前記弁座(38;38’)に押し付けられる、移動可能に構成される弁部材(40;40’)と;
−動作状態において、前記閉鎖力とは逆の向きの持上げ力を前記弁部材(40;40’)に加えて、前記弁部材(40;40’)が前記弁座(38;38’)から持ち上げられるようにするアクチュエータ(42;42’)と;
−前記入口(34;34’)を前記出口(36;36’)に接続すると共に前記弁部材(40;40’)により密封されうる、前記弁体(30、32;30’、32’)内の内部流体連通部(24)とを備え、
前記弁(28、28’)の構成及びその前記流体連通部(22、26)との接続は、前記貯蔵器(10)内に蔓延する過剰圧力が前記閉鎖力とは逆の向きの力を前記弁部材(40;40’)に加えるようなものとされる一方で、前記閉鎖力は、前記貯蔵器(10)内に蔓延する過剰圧力が閾値に達すると、前記弁部材(40;40’)が前記閉位置から押圧されるような力であり、
・前記弁部材(40;40’)をそれぞれ開位置と前記閉位置とにつけるために前記アクチュエータ(42;42’)を動作位置と非動作位置とにつける操作要素(68)を備えることを特徴とする、熱水又は沸騰水を定量排出する装置。
【請求項2】
前記弁は電磁弁(28)であり、前記移動可能に構成される弁部材(40)は強磁性体材料を備え、前記弁(28)の前記アクチュエータは、前記弁部材(40)の前記強磁性体材料を少なくとも部分的に取り巻くと共に、作動状態において前記閉鎖力とは逆の向きの持上げ力を前記弁部材(40)に加えて、前記弁部材(40)が前記弁座(38)から持ち上げられるようにする電気コイル(42)であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記弁(28’)の前記アクチュエータ(42’)は電気モータ(42’)であり、前記電気モータ(42’)の軸(80’)は前記弁部材(40’)に隙間を有して接続されて、前記閾値を超える過剰圧力(10)が前記貯蔵器内に蔓延すると、前記過剰圧力により且つ弁部材(40’)と軸(80’)との間に得られる前記隙間のために、前記弁部材(40’)は前記電気モータ(42’)の非動作状態では前記弁座(38’)から押圧されうるようになり、前記電気モータ(42’)の動作状態では前記軸(80’)は前記弁部材(40’)が前記閉鎖力に抗して前記弁座(38’)から持上げられる位置につけられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記閾値は2〜11バールの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記弁は、前記閉鎖力を前記弁部材(40;40’)に加える、偏倚下にあるばね(44;44’)を含むことを特徴とする先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記流体連通部の前記上流側部分(22)は、上流側端部(48)により前記貯蔵器(10)の前記排出導管(16)に接続されると共に下流側端部(50)により前記弁(28;28’)の前記入口(34;34’)に接続される管(46)を含み、前記管(46)は、前記上流側端部(48)から前記下流側端部(50)の方へと見ると、上方延在部分(46a)と最上部(46b)と下方延在部分(46c)とを連続的に有する経路を辿ることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記管(46)はプラスチック管部分を含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記弁体(30、32;30’、32’)はステンレス鋼により製造されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記弁部材(40;40’)は、自身の一方の端部に可撓性材料の密封部材(52;52’)を有するプランジャとして設計され、前記密封部材(52;52’)は、前記弁部材(40、40’)の閉位置において前記弁座(38、38’)に当接することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記プランジャは中空設計とされて、前記ばね(44)が含まれるばねチャンバ(54)を形成し、前記ばね(44)は、第1の端部により、前記ばねチャンバ(54)を境界する前記プランジャの内壁に当接すると共に、第2の端部により前記弁体(30、32)の一部分に当接することを特徴とする請求項5及び9の組合せに記載の装置。
【請求項11】
前記弁体(30、32)は、
・前記電気コイル(42)により取り巻かれる弁部材チャンバ(56)を有するコイル本体部分(30)と;
・前記入口(34)及び前記出口(36)と前記弁座(38)とを内蔵する接続本体部分(32)とを備え、
前記接続本体部分(32)は前記コイル本体部分(30)に結合されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項12】
前記弁体は、
・電気モータ吊り部分(30)と;
・前記入口及び前記出口と前記弁座とを内蔵する接続本体部分とを備え、
前記接続本体部分(32)は前記電気モータ吊り部分(30)に結合されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項13】
前記接続本体部分(32)は、
・前記入口(34)を形成する第1の端部と前記弁座(38)により取り巻かれる第2の端部とを有する中心穴(58)と;
・前記中心穴(58)が前記第2の端部により終端し且つ前記弁座(38)が配置されると共に閉位置にある前記弁体(40)が延在する接続チャンバ(60)と;
・前記中心穴(58)に対して実質的に垂直に延在する第2の穴(62)であって、前記出口(36)を形成する第1の端部と前記接続チャンバ(60)内で終端する第2の端部とを有する第2の穴(62)とを備えることを特徴とする請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記中心穴(60)は実質的に水平に延在することを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記プランジャは、それに沿って前記プランジャが移動可能に構成される長手中心軸(L)を有し、前記弁座(38)は、前記長手中心軸(L)に対して垂直をなす平面上に延在することを特徴とする請求項9及び13の組合せに記載の装置。
【請求項16】
・前記電気モータの前記軸(80)とプランジャとして設計される前記弁部材とに接続される結合部分(82’)を備え、
・それを介して前記電気モータ(42’)の前記中心軸(80’)が伸びる中心開口を有すると共に前記結合部分と前記電気モータの前記軸(80’)に取り付けられる環又はフランジ(86’)との間に水密的に固締される膜(84’)を備え、
前記膜は、前記電気モータ吊り部(30’)に水密的に接続される外周部を備え、
・前記膜と一緒に前記接続本体と前記電気モータ吊り部との間に固締されると共に前記接続本体と前記電気モータ吊り部との間において水密シールを形成する密封蓋(88’)を備え、
・前記接続チャンバ(60’)内に配置されると共に第1の端部により前記プランジャに取り付けられる保持環に当接し且つ第2の端部により前記密封蓋(88’)に当接する、偏倚下にあるばね(44’)を備えることを特徴とする請求項12、13及び15の組合せに記載の装置。
【請求項17】
プランジャとして設計される前記弁部材(40’)は、前記プランジャ中心軸に対して垂直に延在するスロット穴(90’)を備え、前記結合部分(82’)は、前記プランジャ中心軸に対して垂直に延在すると共に前記スロット穴内に含まれる横ピン(92’)を備える一方で、前記横ピンの直径及び前記スロット穴の寸法は、前記隙間が得られるように互いに合わされることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記弁(28)は2位置弁であり、前記アクチュエータ(42)の非動作状態において、前記弁部材(40)は、前記貯蔵器(10)内の前記過剰圧力が前記閾値に達しない限り、通常的に前記閉位置にあり、前記弁部材(40)は、前記アクチュエータ(42)が操作されると前記開位置にくることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記弁(28;28’)は制御弁であり、前記アクチュエータ(42;42’)の非動作状態において、前記弁部材(40;40’)は、前記貯蔵器(10)内の前記過剰圧力が前記閾値に達しない限り、通常的に前記閉位置にあり、前記弁部材(40;40’)は、前記アクチュエータ(42)を制御することによりある範囲の開位置につけられうることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記操作要素(68)が接続される入力部(66)と前記アクチュエータ(42)が接続される出力部(70)とを備える制御装置(64)を備え、前記制御装置(64)は前記出力部(70)を介して前記アクチュエータ(42)に送られる駆動信号を生成するように設計され、前記駆動信号は前記操作要素(68)の操作に依存することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−506108(P2013−506108A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530833(P2012−530833)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050627
【国際公開番号】WO2011/037466
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(512076140)
【Fターム(参考)】