説明

熱源機、熱源システム、熱源機の運転制御方法

【課題】異なるエネルギーを使用する複数の熱源機を組み合わせた熱源システムを、特定のエネルギーを優先的に使用するよう運転させる。
【解決手段】第1のエネルギーを使用して熱源を供給する第1熱源機10と、第2のエネルギーを使用して熱源を供給する第2熱源機20とによって熱源を供給する熱源システム1は、第1熱源機10及び第2熱源機20を、運転負荷に応じてそれぞれ独立して運転させる通常運転モードと、運転負荷が第1熱源機10及び第2熱源機20を合わせた能力を下回る場合に第1熱源機10を優先して駆動する併用モードと、を切り替えて実行し、併用モードでは、第1熱源機10の冷凍回路を通常運転モードより高い負荷運転率で駆動するとともに、第2熱源機20の冷凍回路を運転負荷の変化に応じて駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の熱源機と併用される熱源機、この熱源機を備えた熱源システム、及び、この熱源システムにおける熱源機の運転制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の熱源機によって熱源を供給するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のシステムでは、特定の熱源機に負荷が集中しないように各熱源機を運転させることが一般的である。例えば、特許文献1に記載のシステムでは、全体の運転負荷から各熱源機に負荷を按分する。また、各々の熱源機が負荷に対応して個別に運転を行うと、結果的に、出力がほぼ均等に分散される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−101104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなシステムを、異なるエネルギーを用いる熱源機を組み合わせて構成することがある。このようなシステムは、システムの負荷の増大に対応して熱源機を増設する、或いは、より効率の良い最新式の熱源機を導入する一方で予備的に旧来の熱源機を残存させる等の理由で構築される。具体的な例としては、ガス等の燃料を燃焼させて駆動される吸収式冷凍機に、モーターにより駆動される圧縮機を備えた圧縮冷凍機を組み合わせたシステム等が挙げられる。
また、近年、温室効果ガスの排出抑制が重要視されるようになり、消費エネルギーとして電力が推奨されている。このため、上記のように様々なエネルギーを使用する熱源機を備えたシステムでは、電力で駆動される熱源機を積極的に使用することが考えられるが、このような使用法は、従来のように特定の熱源機に負荷を集中させないようにしたシステムでは不可能であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、異なるエネルギーを使用する複数の熱源機を組み合わせた熱源システムを、特定のエネルギーを優先的に使用するよう運転させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、第1のエネルギーを使用して熱源を供給する第1熱源機と、第2のエネルギーを使用して熱源を供給する第2熱源機とによって、運転負荷に応じて熱源を供給する熱源システムにおいて、前記第1及び第2熱源機を、前記運転負荷に応じてそれぞれ独立して運転させる通常運転モードと、前記運転負荷が前記第1及び第2熱源機を合わせた能力を下回る場合に前記第1熱源機を優先して駆動する併用モードと、を切り替えて実行し、前記併用モードでは、前記第1熱源機の冷凍回路を前記通常運転モードより高い負荷運転率で駆動するとともに、前記第2熱源機の冷凍回路を前記運転負荷の変化に応じて駆動すること、を特徴とする。
【0006】
また、本発明は、上記の熱源システムにおいて、前記第1熱源機は、前記第1エネルギーを使用する熱源と、前記冷凍回路により供給される熱と熱媒体とを熱交換させる利用側熱交換器と、を備え、前記通常運転モードでは、前記利用側熱交換器における前記熱媒体の出口温度と予め設定された目標温度とに基づいて前記冷凍回路を駆動するよう構成され、前記併用モードの実行中、前記第1熱源機が送信した運転開始の指示に応じて前記第2熱源機が運転を開始した場合に、前記第2熱源機から前記第1熱源機に対して、前記冷凍回路の負荷運転率を前記通常運転モードより高めるための高駆動信号が送信されること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記の熱源システムにおいて、前記併用モードの実行中に前記第2熱源機が送信する高駆動信号は、前記第1熱源機に対して目標温度の変更を指示する目標温度変更指示信号であり、前記第1熱源機は、前記通常運転モード及び前記併用モードで、予め設定された目標温度に基づいて運転され、前記併用モードで前記第2熱源機から前記目標温度変更指示信号が入力された場合にのみ、前記併用モードにおける目標温度を変更して運転されること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の熱源システムにおいて、前記第1熱源機は、ターボ圧縮機を電力で駆動することにより熱源を供給するターボ冷凍機であり、前記第2熱源機は、ガス熱源を用いる吸収式冷凍機であること、を特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、第1のエネルギーを使用して熱源を供給する第1熱源機と、第2のエネルギーを使用して熱源を供給する第2熱源機とを制御して、運転負荷に応じて熱源を供給する熱源機の運転制御方法において、前記第1及び第2熱源機を、前記運転負荷に応じてそれぞれ独立して運転させる通常運転モードと、前記運転負荷が前記第1及び第2熱源機を合わせた能力を下回る場合に前記第1熱源機を優先して駆動する併用モードと、を切り替えて実行すること、を特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、所定のエネルギーを使用する冷凍回路と、前記冷凍回路により供給される熱と熱媒体とを熱交換させる利用側熱交換器と、前記冷凍回路の負荷運転率を高めることを指示する高駆動信号が入力される入力ポートを備え、前記利用側熱交換器における前記熱媒体の出口温度と予め設定された目標温度とに基づいて前記熱源の駆動状態を制御する通常運転モードと、前記入力ポートに入力される高駆動信号に従って前記通常運転モードより高い負荷運転率で前記冷凍回路を駆動する高駆動運転モードと、を切り替えて実行する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、異なるエネルギーを使用する複数の熱源機を組み合わせた熱源システムの運転時に、特定の熱源機を通常より高い負荷運転率で駆動させて、特定の種類のエネルギーを他のエネルギーに比べて積極的に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る熱源システムの構成を示す図である。
【図2】熱源システムの要部構成を示す図である。
【図3】熱源システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】熱源システムの各熱源機に配分される負荷の割合を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態に係る熱源システム1の構成を示す図である。
この図1に示す熱源システム1は、第1熱源機10及び第2熱源機20が配置された冷水回路30により、空気調和装置などの熱負荷である外部負荷2に対して冷熱源を供給するシステムである。
冷水回路30は、熱媒体としての冷水を外部負荷2に供給する往水管路31と、外部負荷2から冷水を環流させる環水管路32と、環流した冷水を分流させる環ヘッダ33と、冷水を合流させて往水管路31に送出する往ヘッダ50とを備えて構成される環ヘッダ33によって冷水は分岐管34、35及びバイパス管路36に分流される。分岐管34は第1熱源機10に接続され、分岐管35は第2熱源機20に接続され、これら分岐管34、35を通った冷水は第1熱源機10及び第2熱源機20によりそれぞれ冷却されて往ヘッダ50に至る。また、バイパス管路36は、環ヘッダ33からそのまま往ヘッダ50に接続される。
【0014】
冷水回路30には、外部負荷2に供給される冷水の供給量を調整するバルブ37が設けられている。また、冷水回路30には、往水管路31を流れる冷水の水温を検出する温度センサ61、環水管路32を流れる冷水の水温を検出する温度センサ62、及び、環水管路32を流れる冷水の流量を検出(測定)する流量検出器63が設けられている。これら温度センサ61、温度センサ62及び流量検出器63は、熱源システム1全体を制御する熱源機運転制御装置4に接続され、各検出値が熱源機運転制御装置4に入力される。
また、熱源機運転制御装置4は、分岐管34に設けられ、第1熱源機10に冷水を送り込む一次ポンプ38、分岐管35に設けられて第2熱源機20に冷水を送り込む一次ポンプ39、第1熱源機10が備える制御部11、及び、第2熱源機20が備える制御部21に接続されている。熱源機運転制御装置4は、温度センサ61、62及び流量検出器63の検出値や、予め設定された設定値、或いは、外部から入力される各種信号やオペレータの操作に従って、第1熱源機10及び第2熱源機20の運転/停止を制御する。
【0015】
熱源機運転制御装置4は、第1熱源機10を運転させる場合には、第1熱源機10に対して運転開始を指示する信号を送出するとともに、一次ポンプ38をオンに切り替え、第2熱源機20を運転させる場合には、第2熱源機20に対して運転開始を指示する信号を送出するとともに、一次ポンプ39をオンに切り替える。
ここで、熱源機運転制御装置4は、温度センサ61、62及び流量検出器63の検出値に基づいて外部負荷2による負荷を求め、この負荷の大きさに応じて、第1熱源機10のみを運転させる状態と、第1熱源機10と第2熱源機20の両方を運転させる状態と、第1熱源機10及び第2熱源機20を停止させる状態とを切り替えてもよいし、単に外部負荷2が発生した場合に第1熱源機10及び第2熱源機20を運転させる制御を行ってもよい。
【0016】
往ヘッダ50は、分岐管34、35及びバイパス管路36が接続された第1ヘッダ51と、第2ヘッダ52とを備えて構成される。第1ヘッダ51と第2ヘッダ52との間は二次ポンプ55が設けられ、第1ヘッダ51と第2ヘッダ52との間には、バルブ53と差圧検出部54が設けられている。往ヘッダ50は、図示しないヘッダ制御部によって制御され、外部負荷2に適正量の冷水を供給するために二次ポンプ55の運転状態(回転数等)が制御され、差圧検出部54により検出される圧力差が予め設定された範囲内になるようにバルブ53の開度が調整される。なお、この往ヘッダ50の制御は、熱源機運転制御装置4により行うことも可能である。
【0017】
熱源システム1は、往ヘッダ50から外部負荷2に対して往水管路31を通して冷水を供給し、外部負荷2において冷熱を供給して高温となった冷水が、環水管路32を通じて環流する。この冷水は環ヘッダ33において分岐管34、35に分岐する。分岐管34に分岐した冷水は一次ポンプ38により第1熱源機10に送られて、第1熱源機10で所定温度に冷却されて往ヘッダ50に送られる。また、分岐管35に分岐した冷水は一次ポンプ39により第2熱源機20に送られて、第2熱源機20で所定温度に冷却されて往ヘッダ50に送られる。往ヘッダ50では、第1熱源機10及び第2熱源機20により冷却された冷水が二次ポンプ55により外部負荷2へ送られ、冷水回路30を循環する。一次ポンプ38、39及び二次ポンプ55は、例えば、流量一定のポンプで構成されるが、インバータを備えた回転数可変のポンプであってもよい。
【0018】
図2は、熱源システム1の要部構成を示す図である。
第1熱源機10は、第1熱源機10の運転状態を制御する制御部11と、制御部11の制御によりロード/アンロードされる冷凍回路12と、冷凍回路12で生成された冷熱により分岐管34を流れる冷水を冷却する熱交換器13とを備えている。制御部11には、熱交換器13に流入する冷水の温度を検出する温度センサ14と、熱交換器13の出口における冷水の温度を検出する温度センサ15とが接続され、これら温度センサの検出値を取得できる。
【0019】
本実施形態の第1熱源機10は、具体的には、モーターにより駆動されるターボ圧縮機を使用して、冷媒を圧縮する蒸気圧縮冷凍機(ターボ冷凍機)である。冷凍回路12は、電気エネルギーにより冷媒を圧縮し、蒸発させて冷熱を得るターボ圧縮機及び冷媒回路を備えて構成され、この冷媒回路に設けられた蒸発器すなわち利用側熱交換器が熱交換器13に相当する。
【0020】
一方、第2熱源機20は、第2熱源機20の運転状態を制御する制御部21と、制御部21の制御によりロード/アンロードされる冷凍回路22と、冷凍回路22で生成された冷熱により分岐管35を流れる冷水を冷却する熱交換器23とを備えている。制御部21には、熱交換器23に流入する冷水の温度を検出する温度センサ24と、熱交換器23の出口における冷水の温度を検出する温度センサ25とが接続され、これら温度センサの検出値を取得できる。
本実施形態の第2熱源機20は、具体的には吸収式冷凍機であり、再生器(図示略)を加熱するために燃料ガスの燃焼エネルギーを使用する。冷凍回路22は、ガスを燃焼させて冷熱を発生する冷凍サイクルであり、この冷凍サイクルの蒸発器すなわち利用側熱交換器が熱交換器23に相当する。
【0021】
つまり、熱源システム1は、電気エネルギーを熱源に使用する第1熱源機10と、ガス燃料の燃焼エネルギーを熱源に使用する第2熱源機20とを備え、これらを併用して外部負荷2に冷熱を供給する。
第1熱源機10及び第2熱源機20は、上述したように、熱源機運転制御装置4の制御に従って一次ポンプ38、39とともにオン/オフされる。
熱源機運転制御装置4によりオンにされた後、第1熱源機10は、制御部11の制御によって冷凍回路12のロード(サーモオン)/アンロード(サーモオフ)が切り替えられる。すなわち、制御部11は、温度センサ15により検出される熱交換器13の出口の冷水温度が予め設定された目標温度(例えば、7℃)となるよう、冷凍回路12を運転する。目標温度は、予め設定され、制御部11が記憶している。
また、第2熱源機20は、熱源機運転制御装置4によりオンにされた後、制御部21の制御によって、温度センサ25により検出される熱交換器23の出口の冷水温度が目標温度となるよう、冷凍回路22のロード/アンロードを切り替えて運転を行う。
このように、制御部11、21が、それぞれ独立して、熱交換器13、23の出口の水温と目標温度とに基づいて運転される動作モードを、通常運転モードとする。
【0022】
熱源システム1は、上記の通常運転モードのほか、第1熱源機10と第2熱源機20とを2台併用する場合にのみ実行される併用モードを有する。
この併用モードでは、第1熱源機10の運転時間において、第1熱源機10が、冷凍回路12の負荷運転率が高くなるよう、制御される。本実施形態では、外部負荷2の負荷要求に対し、第1熱源機10が最大能力となるフルロード固定運転を行う。また、第2熱源機20は、第1熱源機10のフルロード固定運転でも不足する負荷を賄うように運転される。
【0023】
通常運転モードでは、第1熱源機10と第2熱源機20とがそれぞれ、熱交換器13、23の出口水温に基づいて運転される。第1熱源機10及び第2熱源機20には、図1に示したように環ヘッダ33で分岐した分岐管34、35を介して冷水が供給され、第1熱源機10及び第2熱源機20で冷却された冷水は往ヘッダ50で混合される。このため、熱交換器13、23の入り口側の水温は、第1熱源機10と第2熱源機20の両方の運転状態を反映した等しい温度となるので、第1熱源機10及び第2熱源機20は、互いに制御を連携させなくても、結果として、それぞれがほぼ同様の負荷を担うように運転される。
【0024】
ところで、近年は温室効果ガス排出量の削減が求められ、特に二酸化炭素の排出量を抑えたいとするニーズがある。二酸化炭素排出量を抑制するためには、従来は燃料で賄っていたエネルギー消費を電力で代替することが効果的である。
このような観点から、電気エネルギーを使用する冷凍回路12を備えた第1熱源機10と、ガス燃料をエネルギーとする熱交換器23を備えた第2熱源機20とを有する熱源システム1を運転する場合には、電気エネルギーを他のエネルギーよりも積極的に使用すること、すなわち、できるだけ第1熱源機10をより高い負荷で運転させることが望ましい。
【0025】
そこで、熱源システム1は、負荷が第1熱源機10の能力以下の場合は第1熱源機10のみを運転させ、負荷の増大により第1熱源機10と第2熱源機20との両方を運転する場合には、第1熱源機10をフルロード固定運転し、それでも不足する能力を補うように第2熱源機20を運転させる。このような動作を、併用モード(第1熱源機10においては、高駆動運転モードに対応)とする。
【0026】
図2に示すように、制御部11、21は、併用モードを実行するための通信ポートを備えている。通信ポート11A、21Aは、制御部11から制御部21に対して、運転開始を指示する運転開始信号を送信するためのポートである。制御部11は、第1熱源機10のみで運転を行っている状態で温度センサ15の検出温度が目標温度に達しない場合、第1熱源機10のみでは能力が不足すると判断して、制御部21に運転開始信号を送信する。この運転開始信号を受信した制御部21は、第2熱源機20の運転を開始する。
通信ポート11B、21Bは、制御部21から制御部11に対してフルロード固定運転を指示するフルロード固定指示信号(高駆動信号)を送信するためのポートである。制御部21は、第2熱源機20の運転を開始した後すぐに制御部11へフルロード固定指示信号を送信する。これは、第1熱源機10と第2熱源機20とが2台併用運転となった場合に、第1熱源機10をフルロード固定運転させて電気エネルギーを優先的に使用するためである。
【0027】
また、通信ポート11C、21Cは、制御部21から制御部11に対してフルロード固定運転の解除を指示するフルロード固定解除信号を送信するためのポートである。制御部21は、第2熱源機20が運転を開始してから、温度センサ24が検出した熱交換器23の入口側の水温が所定温度を下回った場合に、外部負荷2の負荷を第1熱源機10の能力だけで賄えると判断して、第2熱源機20の運転を停止させる。熱交換器13、23の入口側の温度と出口側の温度との温度差は、第1熱源機10及び第2熱源機20の能力によってほぼ決定され、例えば、本実施形態の第2熱源機20は、25の検出温度を温度センサ24の検出温度より5℃低くする程度の冷凍能力を持っている。そして、温度センサ24により検出される入口側の水温が所定温度より低いことは、第1熱源機10及び第2熱源機20の能力が負荷に対して過大であることを示している。この場合、制御部21は、第1熱源機10だけで運転する状態に切り替えるため、第2熱源機20を停止させる。さらに、制御部21は、第2熱源機20の運転を開始した後すぐに制御部11へフルロード固定指示信号を送信する。これは、第1熱源機10をフルロード固定運転させる必要がなくなったこと、及び、外部負荷2の要求負荷が低下した場合に、第1熱源機10の能力を負荷に合わせて変化させるためである。
このように、制御部11及び制御部21は、併用モードを実行して電気エネルギーをガス燃料よりも優先的に使用するため、通信ポート11A、11B、11C、21A、21B及び21Cを備え、これら通信ポートを介して信号を送受信する。
【0028】
図3は、熱源システム1の動作を示すフローチャートである。図3(A)は制御部11の動作を示し、図3(B)は制御部21の動作を示す。
この図3に示す動作は、熱源機運転制御装置4の制御により、第1熱源機10及び第2熱源機20が両方ともオンに切り替えられ、運転が可能になった場合に実行される。
【0029】
第1熱源機10の制御部11は、熱源機運転制御装置4の制御によりオンに切り替えられると、まず、実行する動作モードが併用モードであるか、通常運転モードであるかを判別する(ステップS11)。制御部11には、第1熱源機10と第2熱源機20の同時運転時に通常運転モードを実行するか併用モードを実行するかが、例えばオペレータによる操作等により設定される。
併用モードに設定されている場合(ステップS11;Yes)、制御部11は、併用運転を開始する(ステップS12)。併用運転時には第1熱源機10は優先して運転されるので、制御部11は、ステップS12で冷凍回路12をロードさせ、温度センサ14、15の検出値を取得する。
【0030】
併用運転を開始した制御部11は、温度センサ14、15の温度に基づいてフルロード固定運転が必要か否かを判別する(ステップS13)。このステップS13で、制御部11は、例えば、温度センサ14により検出された入口側の水温と温度センサ15により検出される出口側の水温との温度差が所定温度以上であり、かつ、温度センサ15の出口側の水温が所定温度を超えている場合に、第1熱源機10のフルロード固定運転が必要であると判別する。
フルロード固定運転が必要ないと判別した場合(ステップS13;No)、制御部11は、そのまま運転を継続する。また、フルロード固定運転が必要であると判別した場合(ステップS13;Yes)、制御部11は、通信ポート11Aから制御部21の通信ポート21Aに対して運転許可信号を送信する(ステップS14)。第2熱源機20に対して運転許可信号を送信した後、制御部11は、第2熱源機20からフルロード固定指示信号を受信するまで、運転を継続しながら待機する(ステップS15)。
【0031】
一方、第2熱源機20の制御部21は、熱源機運転制御装置4の制御によりオンに切り替えられると、実行する動作モードが併用モードであるか、通常運転モードであるかを判別する(ステップS31)。制御部21には、第1熱源機10と第2熱源機20の同時運転時に通常運転モードを実行するか併用モードを実行するかが、例えばオペレータによる操作等により設定される。
併用モードに設定されている場合(ステップS31;Yes)、制御部21は、併用運転を開始する(ステップS32)。併用運転時には第1熱源機10を優先して運転させるため、制御部21は、第2熱源機20の冷凍回路22をアンロード状態にしたまま、第1熱源機10から運転許可信号を受信するまで待機する(ステップS33)。
【0032】
制御部21は、制御部11から送信された運転許可信号を通信ポート21Aで受信すると(ステップS33;Yes)、第2熱源機20の運転を開始して冷凍回路22をロードさせて、予め設定された目標温度と温度センサ24、25の検出値とに基づく運転を開始し(ステップS34)、さらに、第1熱源機10をフルロード固定運転させるために、制御部11の通信ポート11Bに対して通信ポート21Bからフルロード固定指示信号を送信する(ステップS35)。
【0033】
制御部11は、制御部21から送信されたフルロード固定指示信号を通信ポート11Bで受信すると(ステップS15;Yes)、フルロード固定運転を開始する(ステップS16)。このフルロード固定運転は、温度センサ14、15の検出温度に関わらず冷凍回路12をロードさせた状態を保つ運転である。これにより、冷凍回路12の負荷運転率はほぼ100%となる。その後、制御部11は、第2熱源機20からフルロード固定解除信号を受信するまで、フルロード固定運転を継続する(ステップS17)。
【0034】
また、制御部21は、制御部11に対してフルロード固定指示信号を送信した後、温度センサ24、25の温度に基づいて、負荷が所定レベル以下に低下したか否かを監視する(ステップS36)。第1熱源機10のフルロード固定運転中に負荷が第1熱源機10のフルロード時の能力を下回ると、熱交換器23の入口側の水温が低下する。このため、制御部21は、例えば熱交換器23の入口側の温度センサ24の検出温度が所定温度以下に低下した場合、第1熱源機10と第2熱源機20の合計能力が外部負荷2に対して過大であると判断して、第1熱源機10のフルロード固定運転を解除するためにフルロード固定解除信号を通信ポート21Cから通信ポート11Cに送信する(ステップS37)。フルロード固定解除信号を送信した制御部21は、冷凍回路22をアンロード状態にして運転を停止し(ステップS38)、再び第1熱源機10から運転許可信号を受信するまでステップS33に戻って待機する。
【0035】
制御部11は、制御部21から送信されたフルロード固定解除信号を通信ポート11Cで受信すると(ステップS17;Yes)、フルロード固定運転を解除して(ステップS18)、温度センサ14、15の検出温度と、予め設定された目標温度とに基づく運転を開始してステップS13に戻り、再びフルロード固定運転が必要になるか否かを監視する。
【0036】
また、制御部11は、通常運転モードに設定されている場合、熱源機運転制御装置4の制御によりオンに切り替えられると、通常運転モードを実行して、温度センサ14、15の検出温度と、予め設定された目標温度とに基づく運転を行う(ステップS19)。制御部21も同様に、通常運転モードに設定されている場合には、熱源機運転制御装置4の制御によりオンに切り替えられると通常運転モードを実行して、温度センサ24、25の検出温度と、予め設定された目標温度とに基づく運転を行う(ステップS39)
図3に示す動作は、熱源機運転制御装置4により第1熱源機10及び第2熱源機20が、それぞれオフに切り替えられると、終了する。
【0037】
ここで、制御部21が制御部11へ送信するフルロード固定指示信号は、例えば、制御部11における目標温度を変更させる信号とすることができる。例えば、熱源システム1全体の負荷が60%で目標温度7℃、温度センサ14により検出される入口の水温10℃のときに、フルロード固定指示信号が目標温度を1.5℃低下させるよう指示する信号であった場合、予め設定された温度センサ15の検出水温の目標温度が7℃であれば、フルロード固定指示信号を受信すると目標温度は5.5℃になる。目標温度が、1.5℃も低下すると、冷水回路30においては非常に低い温度を目標にすることになり、しかも、併用運転される第2熱源機20は目標温度が7℃であればフルロード固定指示信号の送信に同期して、自らの目標温度を1.5℃高く変更して8.5℃を新たな目標温度とし、冷凍回路22をロード/アンロードするので、第1熱源機10にのみ冷水を7℃から5.5℃に低下させるための負荷が加わる。このため、第1熱源機10は、ほぼ確実にフルロード固定運転を継続することになる。つまり、制御部11の目標温度を十分に低下させる信号であれば、フルロード固定指示信号としての機能を果たすので、フルロード固定指示信号専用の信号形態を定義しなくても、目標温度設定(変更)用のコマンド等をフルロード固定指示信号に利用できる。
また、この場合には、フルロード固定解除信号は、制御部11の目標温度を元に戻すよう指示する信号、例えば、目標温度を1.5℃上昇させるよう指示する信号であればよい。
【0038】
この場合、制御部11は、目標温度設定用のコマンドを常時受け付けるようにしてもよいが、異常な目標温度が設定されないように、併用モードの実行中に、通信ポート11Bに入力された場合に、目標温度設定用のコマンドを受信して処理するようにしてもよい。また、フルロード固定解除信号についても、併用モードの実行中に、通信ポート11Cに入力された場合に、目標温度設定用コマンドを受信して処理する構成とすればよい。これにより、不適切な目標温度の設定および変更を防止し、かつ、既存のコマンド体系を利用して容易にフルロード固定指示信号およびフルロード固定解除信号を実現できる。
【0039】
このように、第1熱源機10と第2熱源機20とを備えた熱源システム1において、外部負荷2の負荷要求に応じて第1熱源機10と第2熱源機20の両方を運転させる場合に、電気エネルギーを使用する第1熱源機10をフルロード固定運転させることで、二酸化炭素排出量を削減でき、さらに、熱源システム1全体のCOPの向上を図ることができる。この点について図4を参照して説明する。
【0040】
図4は、熱源システム1の各熱源機に配分される負荷の割合を示す図表であり、図4(A)は併用運転モードを実行する場合、図4(B)は通常運転モードを実行する場合を示す。図4(A)及び(B)には、熱源システム1が1台の第1熱源機10と2台の第2熱源機20を備えた場合を一例として示す。図4(A)中の実線は熱源システム1全体のCOPを示す。図中符号Pは外部負荷2全体の負荷のうち第1熱源機10の負荷を示し、符号Q及びRはそれぞれ1台の第2熱源機20の負荷を示す。
【0041】
図4(A)及び図4(B)に示すように、熱源システム1のように複数の熱源機を備えたシステムは、負荷が小さい間は1台の第1熱源機10のみを運転し、負荷が増大すると熱源機の運転台数が増加する。図4(B)の例では負荷がL1を超えると2台、負荷がL2を超えると3台の熱源機が運転され、図4(A)の例では負荷がL1´を超えると2台、負荷がL2´を超えると3台の熱源機が運転される。
【0042】
図4(B)に示すように、通常運転モードでは、その時点で運転されている複数の熱源機に均等に負荷が分配される。
ところで、通常の冷凍機は負荷が小さい状態ではCOPが理論値より低くなってしまう。このため、例えば図4(B)において負荷L1近傍で2台の熱源機を運転する場合、負荷L2近傍で3台の熱源機を運転する場合は、運転される熱源機の台数に比べて負荷が小さく、各熱源機に均等に負荷が分散するため、各々の熱源機のCOPが低下してしまう。このCOPの低下は、負荷L1、L2で熱源機の運転台数が増大する前と比較して顕著である。
【0043】
これに対し、図4(A)に示すように、本実施形態の熱源システム1が併用モードを実行する場合、熱源機の運転台数が増えても第1熱源機10はフルロード固定運転に保たれるので、負荷L1´より高い領域では第1熱源機10のCOPは高いままである。従って、図4(A)中に破線で示すようなCOPの低下が起こらないので、熱源システム1全体としてのCOPも、高いレベルに維持される。仮に2台の第2熱源機20を熱源システム1に設けて、負荷L2´以上で3台の熱源機を運転させる場合は、第1熱源機10をフルロード固定運転させたまま、2台の第2熱源機20で負荷が均等に分配される。このため、熱源システム1全体としてのCOPは高いレベルを保つ。
このように、併用モードを実行して第1熱源機10をフルロード固定運転させることで、熱源機の運転台数を増加させた場合のCOPの低下を防ぎ、COPの向上を図ることができる。
【0044】
以上のように、本発明を適用した実施形態に係る熱源システム1によれば、第1のエネルギーとしての電気エネルギーを使用する第1熱源機10と、第2のエネルギーとしてのガス燃料を使用する第2熱源機20とによって、外部負荷2の運転負荷に応じて熱源を供給する熱源システム1において、第1熱源機10及び第2熱源機20を、運転負荷に応じてそれぞれ独立して運転させる通常運転モードと、運転負荷が第1熱源機10及び第2熱源機20を合わせた能力を下回る場合に第1熱源機10を優先して駆動する併用モードと、を切り替えて実行し、併用モードでは、第1熱源機10の冷凍回路12を通常運転モードより高い負荷運転率で、例えばフルロード状態で駆動するとともに、第2熱源機20の冷凍回路22を運転負荷の変化に応じて駆動するので、第1熱源機10と第2熱源機20とで負荷を均等に分散することなく、第1熱源機10の能力を最大限利用し、それでも不足する負荷を第2熱源機20により賄う運転方法を実現できる。これにより、例えば二酸化炭素排出量を抑制するために電気エネルギーを優先して使用する運転を行うことができ、また、熱源機の運転台数の変動に伴うCOPの低下を防止し、熱源システム1全体としてのCOPの向上を図ることができる。また、上記実施形態では電気エネルギーで駆動される第1熱源機10を優先してフルロード固定運転させていたが、制御部21に制御部11としての機能を持たせて、ガス燃料を用いる第2熱源機20を優先してフルロード固定運転させることも可能であり、この場合には、経済性等を重視してガス燃料を優先して使用するといった使用方法を実現できる。つまり、異なるエネルギーを使用する複数の熱源機の運転を制御して、特定のエネルギーを積極的に使用する運転方法を自在に実現できる。
【0045】
また、熱源システム1は、第1熱源機10が、電気エネルギーを使用する冷凍回路12と、冷凍回路12により供給される冷熱と熱媒体としての冷水とを熱交換させる熱交換器13とを備え、通常運転モードでは、熱交換器13の出口における冷水温度と予め設定された目標温度とに基づいて冷凍回路12を駆動し、併用モードの実行中に第1熱源機10が運転許可信号を第2熱源機20に送信すると、この運転許可信号に応じて第2熱源機20が運転を開始し、さらに第2熱源機20から第1熱源機10に対して、フルロード固定運転を指示するフルロード固定指示が送信されるので、第1熱源機10を制御する制御部11は、熱源機運転制御装置4によってオンに切り替えられた後は、自律的に動作して、通常運転モードと、併用モードとを実行できる。そして、併用モードにおいては必要に応じて第2熱源機20を運転させることができ、第2熱源機20が確実に運転している場合にフルロード固定運転に移行する。これにより、第1熱源機10及び第2熱源機20を統合的に制御する別の制御装置等を必要とせず、制御対象である第1熱源機10及び第2熱源機20だけで、効率よくかつ確実に、通常運転モードと、フルロード固定運転を伴う併用モードとを実行できる。
【0046】
また、第1熱源機10は、電気エネルギーを使用する冷凍回路12と、冷凍回路12により供給される冷熱と冷水とを熱交換させる熱交換器13と、冷凍回路12の負荷運転率を高めることを指示するフルロード固定指示信号が入力される通信ポート11Bを備え、熱交換器13における冷水の出口温度と予め設定された目標温度とに基づいて冷凍回路12の駆動状態を制御する通常運転モードと、通信ポート11Bに入力されるフルロード固定指示信号に従って通常運転モードより高い負荷運転率で熱源を駆動する併用モードと、を切り替えて実行する制御部11と、を備えたので、他の熱源機と併用される場合に、他の熱源機と負荷を均等に分散することなく、優先して高い負荷運転率で熱源をロード状態にして、運転を実行することができるので、この第1熱源機10を、電気以外のエネルギーを使用する他の熱源機と組み合わせて使用した場合に、例えば二酸化炭素排出量を抑制するために電気エネルギーを優先して使用する運転を行うことができ、また、熱源機の運転台数の変動に伴うCOPの低下を防止し、熱源システム1全体としてのCOPの向上を図ることができる。
【0047】
なお、上記実施形態は本発明を適用した一具体例を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、併用モードにおいて第1熱源機10がフルロード固定運転を継続するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常運転モードよりも併用モードの方が、冷凍回路12の負荷運転率が高ければよく、必ずしもフルロードである必要はない。
また、例えば、上記実施形態においては、第1熱源機10の冷凍回路12を、電気エネルギーを使用するターボ冷凍機とし、第2熱源機20の冷凍回路22を、ガス燃料をエネルギーとする吸収式冷凍機として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1熱源機10及び第2熱源機20はそれぞれ別のエネルギーを使用する熱源機として構成してもよく、例えば、重油等の油脂燃料、太陽熱エネルギー等を用いてもよい。また、燃料を使用する構成としては、燃焼により吸収式冷凍機の再生器を直接加熱する構成に限らず、ガス燃料によりガスエンジンを駆動し、その駆動力により圧縮機等を駆動する形態の蒸気圧縮型冷凍機を構成してもよい。さらに、電気エネルギーを使用する熱源機として、商用電力を使用する熱源機と、燃料電池により発電された電気エネルギーを使用する熱源機、太陽光発電により発電された電気エネルギーを使用する熱源機を、それぞれ個別に設けてもよい。
また、第1熱源機10及び第2熱源機20が備える制御部11、21の機能は、ハードウェアとソフトウェアの協働により実現されるものであり、制御部11、21の具体的な態様や、制御部11と制御部21との相互の接続形態、及び、熱源機運転制御装置4との接続形態等は任意であり、その他の細部構成についても任意に変更可能である。
【0048】
また、上記実施形態においては、熱源システム1を、熱媒体として冷水を用い、外部負荷2に冷熱を供給するシステムとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、熱媒体は空気、熱媒体油、水蒸気等であってもよく、これらの熱媒体により外部負荷2に対して熱を供給するものであってもよく、熱源システム1が、より大規模なシステムに組み込まれた形態としてもよく、本発明は、本発明の趣旨を損なわない範囲において種々の熱源機及び熱源システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 熱源システム
2 外部負荷
10 第1熱源機
11 制御部
11A〜11C 通信ポート
12 冷凍回路
13 熱交換器
14、15 温度センサ
20 第2熱源機
21 制御部
21A〜21C 通信ポート
22 冷凍回路
23 熱交換器
24、25 温度センサ
25 温度センサ
30 冷水回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエネルギーを使用して熱源を供給する第1熱源機と、第2のエネルギーを使用して熱源を供給する第2熱源機とによって、運転負荷に応じて熱源を供給する熱源システムにおいて、
前記第1及び第2熱源機を、前記運転負荷に応じてそれぞれ独立して運転させる通常運転モードと、前記運転負荷が前記第1及び第2熱源機を合わせた能力を下回る場合に前記第1熱源機を優先して駆動する併用モードと、を切り替えて実行し、
前記併用モードでは、前記第1熱源機の冷凍回路を前記通常運転モードより高い負荷運転率で駆動するとともに、前記第2熱源機の冷凍回路を前記運転負荷の変化に応じて駆動すること、
を特徴とする熱源システム。
【請求項2】
前記第1熱源機は、前記第1エネルギーを使用する冷凍回路と、前記熱源により供給される熱と熱媒体とを熱交換させる利用側熱交換器と、を備え、前記通常運転モードでは、前記利用側熱交換器における前記熱媒体の出口温度と予め設定された目標温度とに基づいて前記冷凍回路を駆動するよう構成され、
前記併用モードの実行中、前記第1熱源機が送信した運転開始の指示に応じて前記第2熱源機が運転を開始した場合に、前記第2熱源機から前記第1熱源機に対して、前記冷凍回路の負荷運転率を前記通常運転モードより高めるための高駆動信号が送信されること、
を特徴とする請求項1記載の熱源システム。
【請求項3】
前記併用モードの実行中に前記第2熱源機が送信する高駆動信号は、前記第1熱源機に対して目標温度の変更を指示する目標温度変更指示信号であり、
前記第1熱源機は、前記通常運転モード及び前記併用モードで、予め設定された目標温度に基づいて運転され、前記併用モードで前記第2熱源機から前記目標温度変更指示信号が入力された場合にのみ、前記併用モードにおける目標温度を変更して運転されること、
を特徴とする請求項2記載の熱源システム。
【請求項4】
前記第1熱源機は、ターボ圧縮機を電力で駆動することにより熱源を供給するターボ冷凍機であり、前記第2熱源機は、ガス熱源を用いる吸収式冷凍機であること、
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱源システム。
【請求項5】
第1のエネルギーを使用して熱源を供給する第1熱源機と、第2のエネルギーを使用して熱源を供給する第2熱源機とを制御して、運転負荷に応じて熱源を供給する熱源機の運転制御方法において、
前記第1及び第2熱源機を、前記運転負荷に応じてそれぞれ独立して運転させる通常運転モードと、前記運転負荷が前記第1及び第2熱源機を合わせた能力を下回る場合に前記第1熱源機を優先して駆動する併用モードと、を切り替えて実行すること、
を特徴とする熱源機の運転制御方法。
【請求項6】
所定のエネルギーを使用する冷凍回路と、
前記冷凍回路により供給される熱と熱媒体とを熱交換させる利用側熱交換器と、
前記冷凍回路の負荷運転率を高めることを指示する高駆動信号が入力される入力ポートを備え、前記利用側熱交換器における前記熱媒体の出口温度と予め設定された目標温度とに基づいて前記冷凍回路の駆動状態を制御する通常運転モードと、前記入力ポートに入力される高駆動信号に従って前記通常運転モードより高い負荷運転率で前記冷凍回路を駆動する高駆動運転モードと、を切り替えて実行する制御部と、
を備えたことを特徴とする熱源機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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