説明

熱硬化性粉体塗料

静電的塗装工程で用いられるべき熱硬化性粉体塗料が記載される。これら粉体塗料は、30重量%以下、好ましくは5乃至30重量%の少なくとも1のアルデヒド及び/又はケトン樹脂により被覆された少なくとも1の単色の顔料、及び、95重量%までの、好ましくは70乃至95重量%の転化剤を含み、該少なくとも1の被覆された単色の顔料及び該少なくとも1の転化剤の粒子の90%超が10及び40ミクロンの間の、好ましくは15及び35ミクロンの間の粒径を有する。被覆された単色の顔料及び転化剤は、1.3及び1.7g/ccの間の同一の単位体積重量を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に静電的プラントによる適用の為の、熱硬化性粉体塗料の製造の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
最近20年間で、熱硬化性粉体塗料は、溶媒に基づく液体の熱硬化性塗料に取って代わり、コーティング塗料を形成する固体成分が溶解された溶媒の排除による、環境的な点での相当な利点を結果した。
【0003】
用いられる方法はいわゆる流動層を想定し、この中には、均質に分散されたキャリアガス(空気)により容器中に粉体塗料が浮遊されて維持され、そして塗装されるべき予備加熱された金属部品がこの粉体煙霧を通過する。
【0004】
該粉体は該部品の表面上で融解し、そしてそれに付着する。
【0005】
オーブン処理の場合、該粉体は熱硬化性反応を経て、そして固体になりかつ該部品と融合される。
【0006】
溶媒系塗料により液体塗装を実施する上述のプラントを模倣する静電スプレープラントが広く用いられている。
【0007】
これらプラントは、上述の流動層と同様の部分からなり、その中に粉体塗料がガス(空気)と混合されて維持される。
【0008】
この混合物はその後パイプにより粉体スプレーガンに移され、該ガンの中でベンチュリ管によりこの混合物に排出する推力が与えられる。
【0009】
移動の間において、2つの粒子を一緒に擦り合わせることが大量の静電的な電荷を産生し、該電荷は粉体塗料粒子の端に蓄積し、これにより静電的な帯電を形成する。
【0010】
スプレーガンの先端と塗装されるべき部品の間に磁場が発生され、この場は、推進された該粒子の移動の間に該粒子が磁力線に沿って移動することの効果を有する。
【0011】
より近時の技術は、該技術が施与ノズルの針と塗装されるべき部品の間に100,000ボルト超の電位差を作り出すところの磁場の影響下で、該粒子のこの移動を増す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これら磁場中の該移動は、下記の様々な現象を引き起こす。
・同様な粒子であるが異なる単位体積重量を有する粒子は異なる経路をたどる;
・異なる形を有しかつこれにより種々の帯電容量を有する粒子は異なる経路をたどる;
・異なる寸法を有する粒子は異なる経路をたどる;
・異なる化学組成を有する粒子は異なって帯電されそして異なる経路をたどる;
・組成と形の点で全く同一であるが異なる推進力を受ける粒子は異なる経路に沿って動く。
【0013】
全ての粉体塗料成分を均一かつ均質なものとする為に、該全ての粉体塗料成分の押出の前に実施される予備混合工程を該全ての粉体塗料成分が受け、そしてその後、粉体状態に該全ての粉体塗料成分を転化するように種々のタイプの粉砕機を用いて該全ての粉体塗料成分が粉砕されるところの配合物を製造することへと、広く立証されてきた上記の全てが塗料製造業者を導いてきた。
【0014】
粉体の組成、単位体積重量及び形の点で均質だが、大きさの点で均質でない粉体がこのようにして得られる。
【0015】
これらの特徴により、粉体塗料の粒径分布の故に部品上へ容易に移動され得ない粉体塗料の小割合の余剰がなければ、粉体塗料は均質な様式で物品を被覆する為に適当である。
【0016】
より大きな運動エネルギーにより推進されるより大きな粒子は、静電場から逃げそしてさらに移動する。
【0017】
該部品に到達する又は経路に沿う為に十分なエネルギーを受けない細かすぎる粒子は、他の要素によってもひきつけられ、そしてスプレー室の床上に落下する。
【0018】
いずれにしても該部品上に堆積されるその部分は均質でありかつ融解後に塗料の均質な膜を形成し、そこでは種々の顔料は、正確に液体塗料の様式では、裸眼に対して不均質な系として区別され得ない。
【0019】
結果として、緑色における青色の粒子及び黄色の粒子は視認できなく、代わりに緑色の均質な表面が視認できるだろう。
【0020】
もし、この粉体塗料を適用する代わりに、2つの粉体塗料の混合物が上記の様式において調製されるべきでありかつ適用されたならば、すなわち、黄色に着色された塗料及び青色に着色された塗料が一緒に混合されてそしてその後適用されたならば、結果はそうならないだろう。
【0021】
異なる単位体積重量及び異なる粒径曲線を有する2つの粉体塗料の混合物は、磁場の影響下において、供給された組成と異なる組成で部品上に移動され、意図された色調と異なる色調を生成する。
【0022】
更に、継続的で変化のある消費は最後には、2つの塗料のうち1つが残される結果になるだろう。
【0023】
更に、20から100ミクロンの範囲にある標準的に用いられる大きなサイズの粒子、及び、粉体塗料に機能的な特性を授けるべきポリエステル又はエポキシポリエステル又はエポキシド又はアクリルのような低い分子可動性を有する標準的に用いられる結合剤は、もし移動が完璧な様式において実施されたとしても、塗装された部品の表面は均質な緑色を有さず、とても小さいが視認可能な青色及び黄色の部分に分解された塗装のように見えるだろうようなものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
発明の詳細な説明
これらの欠点を打破する為に、着色した単一顔料の基本色の場合において、20ミクロン未満の粒子についての特定の粒径曲線の制御により、静電的適用の間の最小の廃棄物を得ながらかつ表面の均質な着色を得ながら、該粒子を混合し、そして、所望の色の完全かつ仕上げられた粉体塗料を得ることが可能であることが発見された。2以上の粉体塗料の混合により得られた、粉体塗料の均質でない混合物は、基本色の分離が製品の特殊な特徴を形成する特殊な均質でない効果を得るために適当な様式において用いられる。
【0025】
ポリエステル、エポキシドで架橋されたポリエステル、エポキシド及びアクリルを有する粉体塗料を得るように、アルデヒド樹脂により予備被覆された顔料が混合されうる転化剤(conversion agents)からなり、光沢のある形態並びに半光沢のある、ツヤ消しの、エンボス化された、テクスチャー化された又はメタライズされた形態の両方にある、異なる性質の組成物を同時に包含する系を提供することが本発明の課題である。
【0026】
この課題の文脈の範囲内で、本発明の目的は、粉体塗料の物理的混合物の上述の典型的な欠点が無く、原料の予備混合、押出、及び続く粉砕により製造された粉体塗料のように振舞う粉体塗料を生じる、混合物を製造する方法を提供することである。
【0027】
特に静電的なプラントによる適用の為の、熱硬化性粉体塗料を製造する方法であって、70%より大きな量の転化剤と共に30%未満の量で用いられるべき予備被覆された顔料を、冷却かつ乾燥混合する系を含むことに特徴付けられ、彩色的に着色されていない粉体塗料又は着色単一顔料により着色された粉体塗料を形成する上記方法により、上記の目的及び以下でより明らかに記載されるだろう他の目的が達せられる。
【0028】
唯一の図が本発明に従う塗料を製造する方法を示すブロック図である添付の図における限定的でない例により説明される、本発明の好ましいが排他的でない実施態様の説明の調査から、本発明の更なる特有な特徴及び利点がより明らかとなるだろう。
【0029】
本発明に従う方法は、静電的なプラントにより適用されることが意図された、熱硬化性の着色された粉体の形態にある塗料を処方することが特に意図されている。
【発明の効果】
【0030】
本発明に従う方法により、物理学の原理に一致して磁場の線に沿って粒子が区別がつかなく動くところの全体を、個々の着色成分及び性質を与えるビヒクルが形成して、これまで用いられていた慣用の系と異なることのない均一な着色を有する産業的な結果を得る、粉体塗装系を構築することが可能である。
【0031】
本発明に従う方法により、慣用の製造方法を用いてこれまで得られた、静電スプレープラントにおける均一な移動の結果及び均一な着色された表面の結果を再現することが可能である。
【0032】
本発明により、予め押出されかつ粉砕された半完成製品、転化剤、及び予備被覆された顔料を調製すること、並びにその後、要求される色に依存して種々の測色的組成物(colorimetric composition)を混合することにより、粒子の多様な移動の結果としての色の変化の欠点が無いかつ均質でない表面の色を回避する粉体塗料を製造することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
・予備被覆された顔料の群であって、引用することにより本明細書に組み込まれる、同一出願人により2005年7月26日に提出された国際特許出願PCT/IT2005/000443の明細書に従い調製された上記顔料の群;これら予備被覆された顔料は塗装された表面に色を与えるだろう系の一部を形成する;
・転化剤の群は得られるべき粉体塗料に最終的な性質を確保するだろう;これらはすでに記載された普通の粉体塗料の方法に沿って製造されるだろう;
・選ばれる転化剤は夫々の性質を伴われ、かつ、予備被覆された顔料の適当な重み付けされた定量的な混合物は要求される夫々の色を伴われる。
:を調製することにより、本系は構築される。
【0034】
それ故に最終的な粉体塗料は、配合の為の指図に従うことにより得られるだろう、ここで該配合において、最終的な塗料の要求される機能的な特徴に従い選ばれる選択された転化剤中に、処方系に従い要求される最終的な色を得るように、予備被覆された顔料の夫々の測色的特徴に従い選択される予備被覆された顔料の混合物を混合することが意図される。
【0035】
仕上げられた粉体塗料の製造の為の、試験されたかつ要求される比率は、最小値70%の転化剤及び最大値30%の予備被覆された転化剤の範囲にある。
【0036】

【0037】
いくつかの場合では、単色の顔料を欠くことは無いが、代わりに、無色の転化剤についての手順どおりに最終的な色に変化されるべき、単色の顔料により着色された転化剤を用いることが意図される。
【0038】
これは、本特許に従って、とても明るい色を得る為に用いられる白色二酸化チタンによりすでに着色された転化剤の場合であり、この場合において、系はさらにより良い費用対効果となりかつ技術的に満足できるものとなるだろう。
【0039】
予備被覆された顔料又は転化剤のいずれかであり、そして、従ってそれらにより粉体塗料が製造される、全ての成分は:
・それらの夫々の単位体積重量が±0.10g/ccの範囲内にあるような組成;最小値の1.3から最大値の1.7g/ccの種々の単位体積重量水準を有する種々のモデルが試験された;
・好ましくは、汎用の系のために、約1.5g/ccの単位体積重量;
・90%が10〜40ミクロンの範囲内にあらねばならない粒径曲線;
を有さねばならない。
【0040】
発明の詳細な説明
従って、少なくとも1のアルデヒド及び/またはケトン樹脂により被覆された少なくとも1の、30重量%以下の、好ましくは5重量%から30重量%の単色の顔料、及び、95重量%まで、好ましくは70重量%から95重量%の転化剤を含む熱硬化性粉体塗料、ここで該少なくとも1の被覆された単色の顔料の粒子及び該転化剤の粒子の90%超が10及び40ミクロンの間、好ましくは15及び35ミクロンの間の粒径を有する、に本発明は関する。
【0041】
本発明の好ましい面の1つに従い、該少なくとも1の被覆された単色の顔料及び該転化剤は、±0.1g/ccの最大の変動を意味するとして理解されるところの語「同一の」単位体積重量を有するだろう;特に、該少なくとも1の被覆された単色の顔料の単位体積重量及び該転化剤の単位体積重量は1.3と1.7g/ccの間だろう。
【0042】
本発明の更なる面に従い、該少なくとも1のアルデヒド及び/又はケトン樹脂は、800乃至2000Daの間、好ましくは900乃至1400Daの間の平均分子量を有し、かつ/又は70℃乃至130℃の間、好ましくは90℃乃至120℃の間の融点を有する。
【0043】
本発明の目的のために、「アルデヒド樹脂」は脂肪族アルデヒドと尿素の縮合生成物を意味するとして理解されてよく、そして「ケトン樹脂」はシクロヘキサノン若しくはメチルシクロヘキサノンの縮合生成物、又は尿素若しくはホルムアルデヒドとシクロヘキサノン若しくはメチルシクロヘキサノンの縮合生成物を意味するものとして理解されてよい。
【0044】
該少なくとも1の被覆された単色の顔料が、80乃至20重量%の該顔料及び80乃至20重量%の該樹脂により形成されることにおいて、前記請求項のいずれか1項に従う粉体塗料は特徴付けられる。
【0045】
引用することにより本明細書中に組み込まれる、2005年7月26日に同一出願人により提出された国際特許出願PCT/IT2005/000443中に記載されたアルデヒド又はケトン樹脂により予備被覆された顔料は、単位体積重量の均一性についての要求を考慮して処方されるだろう。特に、成分である、樹脂、着色顔料、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムの正確な計量供給により、一定の単位体積重量水準が得られる。
【0046】
この目的の為に、異なる単位体積重量を有する2つの不活性フィラーの同時又は代替の使用が試験されて、良い結果を与えた:4.37g/ccの単位体積重量を有する永久白及び2.71g/ccの単位体積重量を有する炭酸カルシウム。
【0047】
・着色顔料の量、及び
・着色顔料の単位体積重量
に依存して変化する量において適当に計量供給されたこれら不活性フィラーは、
・アルデヒド又はケトン樹脂
・着色顔料
・永久白、及び
・炭酸カルシウム
からなる、一般的な系に沿う単位体積重量を有する混合物を与えることができる。
【0048】
その製造は、この化合物の混合そして続く押し出し、そして続く、90%が10から40ミクロンの範囲にあるところの粒径曲線に従う粉砕された粒子の選択を伴う低温粉砕による、既述の国際特許出願PCT/IT2005/000443中に記載された様式において行われるだろう;特に、アルデヒド又はケトン樹脂により被覆された単色の顔料は、押出工程後に、上述の粒径曲線が達せられるまで10℃未満の温度で低温粉砕機中で破砕される。
【0049】
これら予備被覆された顔料は、それらが計量供給されそして粉体転化剤と混合されるだろうところの測色系(tintometric system)の着色要素を形成する。好ましくは、本発明に従う粉体塗料は、有機顔料及び無機顔料の中から選ばれる2から4の異なる単色の顔料を含有するだろう。
【0050】
約1.5g/ccの単位体積重量を有する予備被覆された顔料の典型的な配合の例は以下である:
【0051】

【0052】
試験された予備被覆された顔料の配合物の一覧:
・酸化鉄顔料、黄色、赤色及び黒色のその色調のすべて、及び全てのその物理的形態及び粒子サイズカテゴリー;
・酸化チタン顔料、種々の無機表面処理の全てをされた;
・酸化クロム顔料、ニッケル及びニッケルチタネートと共沈殿されたものを含む;
・有機物燃焼からの黒色顔料
・銅フタロシアニンから誘導された青色及び緑色顔料、また塩素化及び臭素化されたもの、種々のアルファ、ベータ及びイプシロン結晶形態;
・スルホクロム酸鉛から誘導された黄色顔料;
・バナジン酸鉛ビスマスから誘導された黄色顔料;
・モリブデン酸スルホクロム酸鉛から誘導されたオレンジ色顔料;
・アリールアミドに基づいた有機性質の黄色顔料;
・ナフトールに基づいた有機性質のオレンジ色顔料;
・ジケトピロロピロールに基づいた有機性質のオレンジ色顔料;
・アゾ染料のマンガン塩に基づいた赤色顔料;
・ベータオキシナフトエ酸のマンガン塩に基づいた赤色顔料;
・赤色有機キナクリドン顔料;
・赤色有機アントラキノン顔料;
【0053】
本発明の1の可能な面に従い、被覆された単色顔料は、80乃至20重量%、好ましくは50乃至70重量%、さらにより好ましくは55乃至65重量%の無機顔料、及び、80乃至20重量%、好ましくは30乃至50重量%、さらにより好ましくは35乃至45重量%の樹脂から成る。
【0054】
更なる可能な面に従い、被覆された単色の顔料は、15乃至40重量%の有機顔料、45乃至75重量%の樹脂、1乃至20重量%の補強用鉱物フィラー、及び0.1乃至10重量%の分散剤から成り;さらにより好ましくは、20乃至35重量%の有機顔料、50乃至70重量%の樹脂、5乃至15重量%の補強用鉱物フィラー、及び1乃至7重量%の分散剤から成る。該補強用鉱物フィラーは標準的には硫酸バリウム及び/又は炭酸カルシウムであり、該分散剤は標準的にはソルビタンエステル及びエポキシ化大豆油の中から選ばれ、好ましくはエポキシ化ソルビタンエステルである。
【0055】
該粉体転化剤は適当な粉体塗料であり、着色を与える着色部分を単独では欠き、すなわちバインダーである。本発明の目的のために、とても明るい最終的な色に限定される白色二酸化チタンに基づく単色の転化剤を用いることの可能性も上述の語は含む。
【0056】
本発明に従い、測色系の為の同一な特定の所定の単位体積重量を有するように、粉体転化剤は好ましくは、可変の量の永久白及び炭酸カルシウムを含まなければならない。
【0057】
成分の混合、続く混合物の押出及び続いて粒子の選択を伴う粉砕により粉体塗料を製造する標準的な系を用いて、該転化剤は製造され、その結果それらの90%が10から40ミクロンの間の粒径曲線の範囲内にある。
【0058】
これら転化剤は容器の中に詰められ、そして系の予備被覆された顔料による着色ができるようになるだろう。
【0059】
本発明に従う測色系の為の転化剤として試験された種々の種類のバインダーの一覧が以下に与えられる:
・TGIC(トリグリシジルイソシアヌレート)により架橋されたヒドロキシル化飽和ポリエステル;
・プリミド(ヒドロキシアシルアミド)により架橋されたヒドロキシル化飽和ポリエステル;
・封鎖されたイソシアネートにより架橋されたヒドロキシル化飽和ポリエステル;
・50/50から30/70の範囲の重量比率にある、エポキシド樹脂により架橋されたカルボキシル化飽和ポリエステル;
・アミン硬化剤により架橋されたエポキシド;
・熱硬化性アクリル;
・PVDF(ポリビニリデンフルオリド)に基づく系。
【0060】
以下の別形にあるこれらの全て:
・光沢のある、半光沢のある、及びツヤ消し外観を有するもの滑らかな効果;
・光沢のある、半光沢のある、及びツヤ消し外観を有するものエンボス化効果;
・半光沢のある、及びツヤ消し外観を有するものサンドブラスト化効果;
・光沢のある、半光沢のある、及びツヤ消し外観を有するものメタライズ効果;
・槌目化効果;
・エンボス効果;
・マイカ処理された効果;
・テクスチャー化効果(textured effect);
・玉虫色効果;
・襞化効果(puckered effect)。
【0061】
従って、最終的な塗料が満たさなければならない機能的特徴に従い選ばれ、上述されたものから選択される転化剤、それ故に所定の要求される性質が与えられた転化剤、との混合を実施することが意図される処方の指図に従い、最終的な粉体化塗料が得られるだろう。
【0062】
処方系に従い要求される最終的な色を得るように、予備被覆された顔料夫々の測色的特徴に従い選ばれる予備被覆された顔料の混合物を有する配合された生成物の最小量70%で、転化剤は用いられるだろう。
【0063】
配合された生成物の最大量30%で予備被覆された顔料は用いられるだろう。
【0064】
予備被覆された顔料全てと転化剤の混合物が完全に均質であることを、混合は確保しなければならない。
【0065】
以下の色の純度群についての典型的な配合物が下に示される

【0066】
塗装されるべき部品まで空気中で粒子を運ぶ静電的な系を用いるスプレーガンに適用されたこの混合物は、不均質な化学的組成を有するが、全体の90%が10乃至40ミクロンの範囲内である寸法及びそれらの質量の両方に関して、均質な物理的構造を有する粒子の存在にもかかわらず、使用の間において均質なままであるという事実に本発明に従う方法の特有の特徴はある。事実、全ての成分は0.1.g/ccの範囲内の変動因子を有する単位体積重量を有する。
【0067】
それ故に、粒子全部が、選択された体積及び異なる化学成分を有するが、同様の単位体積重量を有しかつそれ故に非常に同様な質量を有する。
【0068】
本発明に従う本方法の他の特有な特徴は、全ての成分の混合、押出及び粉砕を含む方法を用いて調製される粉体塗料から標準的に得られるように、均一な色の表面を得ることの事実から成る。
【0069】
これは、PCT/IT2005/000443中に記載されたものに従う、アルデヒド又はケトン樹脂により被覆された顔料の使用に起因し、これらは、ビヒクルとして作用しかつ転化剤中に含まれるポリマーの重合化に先立つ融解の間において、Benardの研究により確認されたように、コーティングポリマーが融解された状態にある時にコーティングポリマーの大きな分子移動性による完全な混合があるという効果を有する。
【0070】
現在は、粉体塗料を製造する慣用の系は以下の方法により実施される:
・着色顔料を含む原料の混合;
・全ての成分の同時の押出;
・粉砕機中での粉砕。
【0071】
この方法は、数キロから各種トンまでの、全てのタイプの製造バッチの為に用いられる。
【0072】
明白に、これら二つの限界の間には製造コストにおける大きな差がある。
【0073】
現在製造される粉体塗料の体積の95%超について用いられるこの方法に並んで、所定の性質の為に、上記の標準的な粉体のような単色の基本色が調製され、そして最終的な色を得るためのこれら基本色の混合により該最終的な色が得られるところの方法が確立された。
【0074】
明白に、該系は個々の性質により制限され、そしてそれ故に、製造されるべき夫々の性質について、種々の範囲の基本色を調製することが要求される。
【0075】
代わりに、本発明により、大きな費用対効果を有する小バッチの製造を達成することが可能となった、何故なら成分は規模の経済に基づいて製造され、そして最終製品は大きな融通性及び迅速性をもって調製されるからである。
【0076】
実際に、本発明が課題を果たし、かつ所定の目的を達することが立証された。
【0077】
様々な利点を提供する方法が実際に提供された。
【0078】
粉体塗料を製造する為の標準的な系を用いて、単色の予備被覆された顔料が低コストのバッチにおいて製造される。
【0079】
該系の為に選ばれる、単色顔料を欠く粉体塗料である、多様な性質の典型的な転化剤は、大きなバッチにおいて製造される。
【0080】
最終的な粉体塗料は、非常に融通の利く方法を用いて、予備被覆された顔料の混合物と転化剤の単純な混合から製造される。
【0081】
それ故に、本発明により、上述の物理学の原理に一致して、個々の着色成分及び性質を与えるビヒクルが、少なくとも産業的に処理された製品を得るようにその粒子が均一に動く全体を形成する粉体塗装系を構築することが可能である。
【0082】
さらに、PCT/IT2005/000443に記載されたものに従う、顔料を被覆する為に用いられる特別のビヒクルは、均質な色の表面が得られることを許す。
【0083】
あらかじめ押出されかつ粉砕された半製品を調製し、そしてその後、粒子の多様な動きによる色の変化という欠点無く、かつ均質でない色の表面を回避して、要求された色に依存する、種々の測色的組成物を混合することにより、粉体塗料を製造することが本発明により可能である。
【0084】
明らかに、用いられる物品は、寸法と同様に、要求に従い任意の性質を有するものでよい。
【0085】
本発明は、上記の粉体塗料の使用を含む静電的な塗装方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のアルデヒド及び/又はケトン樹脂により被覆された、30重量%以下の少なくとも1の単色の顔料及び95重量%以下の転化剤を含む熱硬化性粉体塗料において、該少なくとも1の被覆された単色の顔料及び該転化剤の粒子の90%超が10及び40ミクロンの間の粒径を有することを特徴とする上記熱硬化性粉体塗料。
【請求項2】
該少なくとも1の被覆された単色の顔料及び該転化剤の粒子の90%超が15及び35ミクロンの粒径を有することを特徴とする、請求項1に記載の粉体塗料。
【請求項3】
粉体塗料が5から30重量%の該少なくとも1の被覆された単色の顔料及び70から95重量%の該転化剤を含むことを特徴とする、請求項1及び2のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項4】
該少なくとも1の被覆された単色の顔料の単位体積重量及び該転化剤の単位体積重量が±0.1g/cc以下の変動を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項5】
該少なくとも1の被覆された単色の顔料の単位体積重量及び該転化剤の単位体積重量が1.3及び1.7g/ccの間であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項6】
該少なくとも1のアルデヒド及び/又はケトン樹脂が800及び2,000Daの間の平均分子量及び/又は70℃及び130℃の間の融点を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項7】
該少なくとも1のアルデヒド及び/又はケトン樹脂が900及び1400Daの間の平均分子量及び/又は90℃及び110℃の間の融点を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項8】
該アルデヒド樹脂が脂肪族アルデヒドと尿素の縮合生成物でありかつ/又は該ケトン樹脂がシクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノンの縮合生成物であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項9】
該ケトン樹脂が、尿素又はホルムアルデヒドとシクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノンの縮合生成物であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項10】
2から4の異なる単色の顔料を含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項11】
該単色の顔料が、有機顔料及び無機顔料の中から選ばれることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項12】
酸化鉄顔料、酸化チタン顔料、酸化クロム顔料、ニッケル及びニッケルチタネートと共沈殿されたもの、有機物燃焼からの黒色顔料、銅フタロシアニンから誘導された青色及び緑色顔料、スルホクロム酸鉛又はバナジン酸鉛ビスマスから誘導された黄色顔料、モリブデン酸スルホクロム酸鉛から誘導されたオレンジ色顔料、アリールアミドに基づいた黄色顔料、ナフトールに基づいたオレンジ色顔料、ジケトピロロピロールに基づいたオレンジ色顔料、アゾ染料のマンガン塩に基づいた赤色顔料、ベータオキシナフトエ酸のマンガン塩に基づいた赤色顔料、赤色キナクリドン顔料及び赤色アントラキノン顔料、又はそれらの混合物のうちから該単色の顔料が選ばれることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項13】
該少なくとも1の被覆された単色の顔料が、80乃至20重量%の該顔料及び80乃至20重量%の該樹脂から成ることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項14】
該少なくとも1の被覆された単色の顔料が、80乃至20重量%、好ましくは50乃至70重量%の無機顔料、及び80乃至20重量%、好ましくは30乃至50重量%の樹脂から成ることを特徴とする、請求項13に記載の粉体塗料。
【請求項15】
該少なくとも1の被覆された単色の顔料が、55乃至65重量%の無機顔料、及び35乃至45重量%の該樹脂から成ることを特徴とする、請求項14に記載の粉体塗料。
【請求項16】
該少なくとも1の被覆された単色の顔料が、15乃至40重量%の有機顔料、45乃至75重量%の樹脂、1乃至20重量%の補強用鉱物フィラー及び0.1乃至10重量%の分散剤から成ることを特徴とする、請求項13に記載の粉体塗料。
【請求項17】
該少なくとも1の被覆された単色の顔料が、20乃至35重量%の有機顔料、50乃至70重量%の樹脂、5乃至15重量%の補強用鉱物フィラー及び1乃至7重量%の分散剤から成ることを特徴とする、請求項16に記載の粉体塗料。
【請求項18】
該補強用鉱物フィラーが硫酸バリウム及び/又は炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項16及び17のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項19】
該分散剤が、ソルビタンエステル及びエポキシ化大豆油のうちから選ばれ、好ましくはエポキシ化ソルビタンエステルであることを特徴とする、請求項16及び17のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項20】
該転化剤が無色又は単色であることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項21】
トリグリシジルイソシアヌレートにより架橋されたヒドロキシル化飽和ポリエステル、ヒドロキシアシルアミドにより架橋されたヒドロキシル化飽和ポリエステル、封鎖されたイソシアネートで架橋されたヒドロキシル化飽和ポリエステル、70/30から50/50の重量比率でエポキシド樹脂により架橋されたカルボキシル化飽和ポリエステル、アミン硬化剤により架橋されたエポキシド、熱硬化性アクリル、及び/又はポリビニリデンフルオリドに基づく系のうちから、該転化剤が選ばれることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の粉体塗料。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の粉体塗料の使用を含む、静電的な塗装方法。

【公表番号】特表2009−508973(P2009−508973A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520065(P2008−520065)
【出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【国際出願番号】PCT/IT2005/000536
【国際公開番号】WO2007/007359
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(508006595)インエクセル トレードマーク アンド パテンツ エスエージーエル (6)
【Fターム(参考)】