燃料センサ
【課題】検出精度を高めることの可能な燃料センサを提供する。
【解決手段】通路形成手段20の収容穴22に収容される筒状の外側電極30は、燃料通路21の入口側の上流側燃料通路23に連通する第1流通口36、および燃料通路21の出口側の下流側燃料通路24に連通する第2流通口37を径方向に有する。外側電極30の径内側に内側電極40が設けられる。検出回路は、外側電極30と内側電極40との間に形成される内流路41を流れる燃料の電気的特性を検出する。通路形成手段20の収容穴22を形成する内壁と外側電極30の外壁との間に形成される外流路34は、内流路41に対し、流路抵抗が大きい。これにより、内流路41から第2流通口37を通って流出する燃料が、外流路34に逆流することなく、下流側燃料通路24へ流れる。
【解決手段】通路形成手段20の収容穴22に収容される筒状の外側電極30は、燃料通路21の入口側の上流側燃料通路23に連通する第1流通口36、および燃料通路21の出口側の下流側燃料通路24に連通する第2流通口37を径方向に有する。外側電極30の径内側に内側電極40が設けられる。検出回路は、外側電極30と内側電極40との間に形成される内流路41を流れる燃料の電気的特性を検出する。通路形成手段20の収容穴22を形成する内壁と外側電極30の外壁との間に形成される外流路34は、内流路41に対し、流路抵抗が大きい。これにより、内流路41から第2流通口37を通って流出する燃料が、外流路34に逆流することなく、下流側燃料通路24へ流れる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料の性状を検出する燃料センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関に燃料を供給する燃料供給系統に設けられ、燃料中のアルコール濃度などの燃料の性状を検出する燃料センサが知られている。燃料センサの検出したアルコール濃度は、内燃機関の電子制御ユニット(ECU)に伝送される。ECUは、アルコール濃度に応じた燃料噴射量および燃料噴射時期を制御する。これにより、運転性を高めると共に、排ガスの悪化が抑制される。
特許文献1に記載の燃料センサは、燃料通路を形成する筒状の外側電極と、その外側電極の径方向内側で外側電極と同軸に設けられた棒状の内側電極とを備えている。特許文献1の燃料センサは、外側電極と内側電極との間を流れる燃料の静電容量から、燃料のアルコール濃度を検出している。
特許文献2に記載の燃料センサは、燃料通路内に設けられた筒状の外側電極と、その外側電極の内側で外側電極と同軸に設けられた内側電極とを備えている。外側電極は、その軸が燃料通路を流れる燃料の流れ方向に対して垂直に設けられ、燃料の流れ方向の上流側と下流側に燃料を通す流通口を有している。特許文献2の燃料センサは、この流通口を通り外側電極と内側電極との間を流れる燃料の静電容量から、燃料のアルコール濃度を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−66571号公報
【特許文献2】実開平1−163862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の燃料センサは、所定の静電容量を得るため、外側電極と内側電極の軸方向の長さを長くしている。このため、燃料のアルコール濃度が変化するとき、外側電極内の燃料が入れ替わる時間が長くなる。このため、アルコール濃度検出の応答性が悪化するおそれがある。
特許文献2に記載の燃料センサは、燃料通路の軸方向から見たとき、外側電極の流通口が燃料通路よりも小さい。このため、燃料通路の燃料の流れが外側電極の外壁によって阻まれ、燃料通路を逆流又は還流する。これにより、燃料通路を流れる燃料のアルコール濃度が変化する場合、変化前の燃料が外側電極と内側電極との間に遅れて流入することがある。したがって、燃料センサの出力に変動が生じ、アルコール濃度の検出誤差が生じることが懸念される。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、検出精度を高めることの可能な燃料センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明によると、通路形成手段は、燃料の流れる燃料通路及びこの燃料通路に略垂直に交わる収容穴を有する。通路形成手段の収容穴に収容される筒状の外側電極は、燃料通路の入口側に連通する第1流通口、及び、燃料通路の出口側に連通する第2流通口を径方向に有する。通路形成手段の収容穴に収容される内側電極は、外側電極の径方向内側に設けられる。検出手段は、外側電極と内側電極との間に形成される内流路を流れる燃料の電気的特性を検出する。通路形成手段の収容穴を形成する内壁と外側電極の外壁との間に形成される外流路は、内流路に対し、流路抵抗が大きい。
これにより、燃料通路の入口側から内流路を経由して燃料通路の出口側へ流れる燃料が、外流路に逆流することが抑制される。したがって、燃料通路を流れる燃料の性状が変化する場合、その燃料の性状の変化に伴って内流路の燃料の電気的特性が変化するので、燃料センサの出力に変動が生じることが抑制される。この結果、燃料センサは燃料性状の検出精度を高めることができる。
【0006】
請求項2に係る発明によると、通路形成手段の収容穴と、外側電極の外壁および内壁と、内側電極の外壁とは、横断面視において略同軸に位置する円形状である。通路形成手段の収容穴を形成する内壁と外側電極の外壁との間の距離δ1は、外側電極の内壁と内側電極の外壁との間の距離δ2以下である。このとき、外流路は内流路に対し、流路長が長いことから、抵抗成分となる壁面距離が長い。よって、流路幅が同等以下であれば、外流路は内流路に対し流路抵抗が大きくなる。したがって、燃料通路の入口側から内流路を経由して燃料通路の出口側へ流れる燃料が、外流路に逆流することが抑制される。
【0007】
請求項3に係る発明によると、外側電極の軸方向において、外側電極の第1流通口の内壁は、通路形成手段の燃料通路の内壁よりも外側に位置する。
これにより、燃料通路の入口側から第1流通口を通り内流路へ流入する燃料は、外側電極の壁にその流れを阻害されることなく、内流路へ速やかに流入する。したがって、燃料センサの出力に変動が生じることが抑制され、燃料性状の検出精度を高めることができる。
また、燃料通路の入口側から第1流通口を通り内流路に流入する燃料の流体抵抗が低減され、圧力損失が低減される。したがって、内流路の燃料が速やかに流れるので、燃料性状の検出の応答性を高めることができる。
【0008】
請求項4に係る発明によると、外側電極の軸方向において、外側電極の第2流通口の内壁は、通路形成手段の燃料通路の内壁よりも外側に位置する。
これにより、内流路から第2流通口を通り燃料通路の出口側に流出する燃料の流体抵抗が低減され、燃料の圧力損失が低減される。したがって、内流路の燃料が速やかに流れるので、燃料性状の検出の応答性を高めることができる。
【0009】
請求項5に係る発明によると、外側電極の径方向において、外側電極の第1流通口の内壁は、通路形成手段の燃料通路の内壁よりも内側に位置する。これにより、燃料通路の入口側から外流路に流入する燃料が増加する。したがって、内流路を流れる燃料圧力に対し、外流路を流れる燃料圧力を大きくすることができる。
【0010】
請求項6に係る発明によると、外側電極の径方向において、外側電極の第1流通口の内壁は、通路形成手段の燃料通路の内壁よりも外側に位置する。これにより、燃料通路の入口側から第1流通口を通り内流路へ流入する燃料の流体抵抗が低減され、圧力損失が低減される。
【0011】
請求項7に係る発明によると、外側電極と収容穴の底との間に燃料の流れる下部流路が設けられる。第1流通口及び第2流通口の下部流路側は、外側電極の端部に開口している。これにより、燃料通路の入口側から下部流路を経由し、燃料通路の出口側へ流れる燃料の流体抵抗が低減される。したがって、内流路の燃料が滞留することなく、速やかに入れ替わるので、燃料性状の検出の応答性を高めることができる。
【0012】
請求項8に係る発明によると、外側電極の第1流通口の内壁及び第2流通口の内壁は、燃料通路の入口側から内流路を経由し燃料通路の出口側に流れる燃料の圧力損失を低減可能な程度に通路形成手段の燃料通路の内壁よりも外側に位置する。
これにより、燃料通路の入口側から内流路を経由し燃料通路の出口側に流れる燃料は、外側電極の壁にその流れを阻害されることなく、燃料通路の入口側から第1流通口を通り内流路へ速やかに流入し、また、内流路から第2流通口を通り燃料通路の出口側に速やかに流出する。このため、燃料通路を流れる燃料の性状が変化する場合、その燃料の性状の変化に伴って内流路の燃料の電気的特性が変化するので、燃料センサの出力に変動が生じることが抑制される。したがって、燃料センサは燃料性状の検出精度を高めることができる。
また、内流路の燃料が滞留することなく、速やかに入れ替わるので、燃料性状の検出の応答性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態による燃料センサの断面図である。
【図2】図1のII−II線断面の模式図である。
【図3】図2のIII−III線の断面図である。
【図4】図2のIV―IV線の断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による燃料センサの断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態による燃料センサの断面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面の模式図である。
【図8】図7のVIII−VIII線の断面図である。
【図9】図7のIX―IX線の断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態による燃料センサの特性図である。
【図11】第1比較例の燃料センサの要部断面図である。
【図12】第2比較例の燃料センサの要部断面図である。
【図13】第2比較例の燃料センサの特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料センサを図1〜図4に示す。本実施形態の燃料センサ1は、車両の燃料タンクと燃料噴射装置とを接続する燃料供給系統に設けられ、燃料に含まれるアルコール濃度を検出する濃度センサである。燃料センサ1の検出したアルコール濃度は、内燃機関のECUに伝送される。ECUは、アルコール濃度に応じて燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火時期などを制御する。これにより、内燃機関の空燃比が適正となり、運転性が良好になると共に、排ガス中の有害成分を低減することが可能になる。
【0015】
燃料センサ1は、図1に示すように、燃料ケース10、通路形成手段20、外側電極30、内側電極40、サーミスタ50及び検出手段としての検出回路60等を備えている。
燃料ケース10は、例えばステンレスなどの金属から有底筒状に形成されている。
燃料ケース10の径方向一方の外壁に入口側配管11が接続され、他方の外壁に出口側配管12が接続されている。入口側配管11及び出口側配管12は、例えばステンレスなどの金属から筒状に形成され、燃料ケース10の外壁に溶接などにより固定されている。燃料ケース10には、入口側配管11が接続される箇所に入口側開口部13が設けられ、出口側配管12が接続される箇所に出口側開口部14が設けられている。
【0016】
燃料ケース10の内側に通路形成手段20が設けられている。通路形成手段20は、例えば樹脂またはステンレスなどから形成されている。
通路形成手段20は、燃料通路21及び収容穴22を有している。燃料通路21は、一方の側が燃料ケース10の入口側開口部13と連通し、他方の側が燃料ケース10の出口側開口部14と連通している。これにより、入口側配管11から通路形成手段20の燃料通路21を経由し、出口側配管12へ燃料が流れる。
収容穴22は、燃料通路21と略垂直に交わるように円筒状に設けられている。収容穴22の一端は通路形成手段20の外壁に開口している。収容穴22の内径は、燃料通路21の内径より大きい。
以下、収容穴22よりも燃料入口側の燃料通路21を上流側燃料通路23と称し、収容穴22よりも燃料出口側の燃料通路21を下流側燃料通路24と称する。
燃料ケース10の開口に蓋部材15が設けられている。蓋部材15は、通路形成手段20の上側に当接している。
【0017】
外側電極30は、例えばステンレスなどの金属から円筒状に形成され、収容穴22に収容されている。外側電極30は、収容穴22と略同軸に設けられている。外側電極30は、軸方向の一方から径外方向に延びる環状のフランジ31、フランジ31の下側に肉厚部32、及び肉厚部32の下側に電極本体33を有する。
フランジ31は、蓋部材15に係止されている。肉厚部32は、通路形成手段20の段差25に当接している。
外側電極30の電極本体33の外径は、収容穴22の内径より小さい。このため、収容穴22の内壁と外側電極30の電極本体33との間に燃料の流れる外流路34が形成される。
また、外側電極30のフランジ31と反対側の端面と、収容穴22の底との間に燃料の流れる下部流路35が形成されている。
【0018】
外側電極30は、上流側燃料通路23に連通する第1流通口36と、下流側燃料通路24に連通する第2流通口37とを有している。第1流通口36及び第2流通口37は、外側電極30の軸方向の下部流路35側の端部に開口するU字形に形成されている。
図4に示すように、外側電極30の軸方向において、第1流通口36の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。外側電極30の軸方向において、第2流通口37の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。
具体的に、外側電極30の軸方向において、第1流通口36の内壁と燃料通路21の中心軸Oとの距離α1は、燃料通路21の内壁と燃料通路21の中心軸Oとの距離α2よりも遠い。また、第2流通口37の内壁と燃料通路21の中心軸Oとの距離α3は、燃料通路21の内壁と燃料通路21の中心軸Oとの距離α2よりも遠い。このため、上流側燃料通路23から内流路41に流れる燃料の流体抵抗が低減される。また、内流路41から下流側燃料通路24に流れる燃料の流体抵抗が低減される。
図2に示すように、外側電極30の径方向において、第1流通口36の内壁は、燃料通路21の内壁よりも内側に位置している。外側電極30の径方向において、第2流通口37の内壁は、燃料通路21の内壁よりも内側に位置している。
具体的に、外側電極30の径方向における第1流通口36の幅β1は、燃料通路21の内径β2より小さい。外側電極30の径方向における第2流通口37の幅β3は、燃料通路21の内壁β2より小さい。このため、上流側燃料通路23から外流路34に流入する燃料が増加し、外流路34の燃料圧力が高くなる。
【0019】
図1に示すように、内側電極40は、例えばステンレスなどの金属から有底円筒状に形成され、外側電極30の径方向内側に設けられている。内側電極40は、収容穴22及び外側電極30と略同軸に設けられている。内側電極40の底部の外壁は、収容穴22の底側へ凸状の曲面に形成されている。内側電極40は、外側電極30と略同軸に設けられている。内側電極40の外径は、外側電極30の内径より小さい。このため、内側電極40と外側電極30との間に燃料の流れる内流路41が形成される。
内側電極40と外側電極30との間にガラスからなる絶縁体42が設けられている。絶縁体42は、内側電極40と外側電極30とをハーメチック固定すると共に、内側電極40と外側電極30とを電気的に絶縁している。
【0020】
内側電極40の内側に、温度検出手段としてのサーミスタ50が設けられている。サーミスタ50の端子51、52は、樹脂からなる支持部材53に支持されている。内流路41を流れる燃料の温度は、内側電極40を通じてサーミスタ50に伝熱する。サーミスタ50は、温度変化に伴って電気抵抗を変える。サーミスタ50により、内流路41を流れる燃料の温度を検出可能である。
【0021】
蓋部材15の上側に環状の弾性部材16が設けられている。この弾性部材16の上に回路ケース61が形成されている。弾性部材16は、蓋部材15と回路ケース61との間から燃料が漏れることを防いでいる。
回路ケース61は、例えば樹脂から形成され、内側に回路基板62を備えている。この回路基板62に内流路41を流れる燃料の電気的特性を検出する検出手段としての検出回路60が設けられている。検出回路60には、外側電極30に接続する端子38、内側電極40に接続する端子43、及びサーミスタ50の端子51,52が接続されている。
検出回路60は、外側電極30と内側電極40との間の充放電により、その電極(外側電極30、内側電極40)間の静電容量を検出する。静電容量の値は燃料の誘電率によって変化する。誘電率は、燃料中のガソリンとアルコールとの混合比および燃料温度によって変化する。このため、検出回路60は、電極間の静電容量とサーミスタ50によって検出された燃料温度とにより、内流路41を流れる燃料に含まれるアルコール濃度を検出する。
回路ケース61の開口を板状のカバー63が覆っている。カバー63は、回路ケース61内へ外部から水等が浸入することを防止している。
燃料ケース10の外側をブラケット64が支持している。ブラケット64は、回路ケース61にねじ65により取り付けられている。これにより、燃料ケース10と回路ケース61とが固定される。
【0022】
本実施形態の燃料センサ1の流路を流れる燃料の流れを図2を参照して説明する。
本実施形態では、通路形成手段20の収容穴22と、外側電極30の外壁及び内壁と、内側電極40の外壁とは、横断面視において略同軸の円形である。また、通路形成手段20の収容穴22を形成する内壁と外側電極30の外壁との間の距離δ1は、外側電極30の内壁と内側電極40の外壁との間の距離δ2以下である。このとき、外流路34は内流路41に対し、流路長が長いことから、抵抗成分となる壁面距離が長い。よって、流路幅が同等以下であれば、外流路34は内流路41に対し流路抵抗が大きくなる。
これにより、本実施形態では、矢印A、B、C、Dに示すように、上流側燃料通路23から下流側燃料通路24への燃料流れは、第1流通口36、内流路41、第2流通口37を通る燃料流れが主流となる。また、矢印E、F、G、Hに示すように、上流側燃料通路23から下流側燃料通路24への燃料流れは、その一部が、外流路34を流れる。第1流通口36、内流路41、第2流通口37を通る燃料の流速は、外流路34を通る燃料の流速よりも速くなる。
また、外側電極30の径方向において、第1流通口36の内壁は、上流側燃料通路23の内壁よりも内側に位置しているので、上流側燃料通路23から外流路34に流入する燃料が増加する。このため、内流路41を通り第2流通口37から流出する燃料圧力に対し、外流路34を流れる燃料圧力が高くなる。したがって、第1流通口36、内流路41、第2流通口37を通る燃料流れが、外流路34に逆流することなく、下流側燃料通路24へ流れる。
【0023】
これに対し、第1比較例の燃料センサにおける燃料の流れを図11を参照して説明する。第1比較例において、上述した第1実施形態に対応する構成には、符号の末尾に「0」を付して説明を省略する。
第1比較例では、通路形成手段200の収容穴220を形成する内壁と外側電極300の外壁との間の距離δ3は、外側電極300の内壁と内側電極400の外壁との間の距離δ4より長い。つまり、外流路340の径方向の幅は、内流路41の径方向の幅より太い。よって、外流路34は内流路41に対し流路抵抗が小さくなる。この場合、内流路410を通り第2流通口370から流出する燃料圧力に対し、外流路340を流れる燃料圧力が低くなる。このため、矢印I、J、K、Lに示す第1流通口360、内流路410、第2流通口370を通る燃料流れは、その一部が、矢印M、N,P、Qに示すように、外流路340を逆流する。
このため、燃料通路210を流れる燃料のアルコール濃度が変化する場合、第2流通口370から流出した燃料が、外流路340を通り、再び第1流通口360から内流路410に流入することで、検出回路600の出力に変動が生じることがある。これにより、アルコール濃度の検出誤差が生じることが懸念される。
【0024】
第1実施形態の燃料センサ1の作用効果を説明する。
本実施形態では、外流路34は内流路41に対し流路長が長いことから、抵抗成分となる壁面距離が長く、かつ、外流路34の径方向の幅は、内流路41の径方向の幅以下である。これにより、外流路34は内流路41に対し流路抵抗が大きくなる。このため、内流路41を通り第2流通口37から流出する燃料が、外流路34に逆流することが抑制される。したがって、燃料通路21を流れる燃料のアルコール濃度が変化する場合、それに伴って内流路41の燃料の電気的特性が変化するので、検出回路60の出力に変動が生じることが抑制される。したがって、燃料センサ1のアルコール濃度の検出精度を高めることができる。
【0025】
また、本実施形態では、外側電極30の軸方向において、第1流通口36の内壁及び第2流通口37の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。これにより、上流側燃料通路23から内流路41を通り下流側燃料通路24に流れる燃料の圧力損失が低減される。また、内流路41の燃料が速やかに入れ替わるので、燃料センサ1によるアルコール濃度検出の応答性を高めることができる。
【0026】
さらに、本実施形態では、第1流通口36及び第2流通口37の底側は、外側電極の端部に開口している。これにより、上流側燃料通路23から下流側燃料通路24に流れる燃料の圧力損失が低減される。また、内流路41の燃料が速やかに入れ替わるので、燃料センサ1によるアルコール濃度検出の応答性を高めることができる。
【0027】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による燃料センサを図5に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、通路形成手段20は、収容穴22の内壁に平面部26を有している。平面部26は、軸方向に対して平行に延びている。このため、外流路34は、その入口と出口との間で流路幅が狭い箇所が形成される。よって、外流路34は内流路41に対し流路抵抗が大きくなる。したがって、第1流通口36、内流路41、第2流通口37を通る燃料流れが、外流路34に逆流することなく、下流側燃料通路24へ流れる。この結果、本実施形態は、上述の第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、通路形成手段20と別体で平面部26を構成してもよい。
【0028】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による燃料センサを図6〜図10に示す。本実施形態では、通路形成手段20の収容穴22の内径と、外側電極70の電極本体73の外径とが略同じである。このため、収容穴22の内壁と外側電極70との間に外流路が形成されていない。
図7に示すように、外側電極70の径方向において、第1流通口76の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。外側電極70の径方向において、第2流通口77の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。
具体的に、外側電極70の径方向における第1流通口76の幅β4は、燃料通路21の内径β2より大きい。外側電極30の径方向における第2流通口77の幅β5は、燃料通路21の内壁β2より大きい。このため、矢印S、Tに示すように、上流側燃料通路23から内流路41に流れる燃料の流体抵抗が低減される。また、矢印U,Vに示すように、内流路41から下流側燃料通路24に流れる燃料の流体抵抗が低減される。
図8に示すように、外側電極70の軸方向において、第1流通口76の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。なお、図8では、内側電極の記載を省略している。また、図9に示すように、外側電極70の軸方向において、第2流通口77の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。このため、矢印W、Xに示すように、上流側燃料通路23から内流路41に流れる燃料の流体抵抗が低減される。また、矢印Y、Zに示すように、内流路41から下流側燃料通路24に流れる燃料の流体抵抗が低減される。
【0029】
本実施形態の燃料センサ2の出力特性を図10に示す。
図10では、燃料通路21を流れるアルコール濃度が高い状態から低い状態に変化するときの燃料センサ2の出力特性を示している。本実施形態の燃料センサ2では、燃料のアルコール濃度の変化に伴って、時刻T1〜時刻T2の間に、アルコール濃度を示す出力が次第に低下している。
【0030】
これに対し、第2比較例の燃料センサを図12に示し、その出力特性を図13に示す。第2比較例において、上述した第1実施形態に対応する構成には、符号の末尾に「1」を付して説明を省略する。
第2比較例では、第1流通口361と第2流通口371は、燃料通路211の軸方向から見て円形に形成されている。第1流通口361の内壁及び第2流通口371の内壁は、燃料通路211の内壁よりも内側に位置している。このため、上流側燃料通路231の燃料の流れは外側電極301の壁によって阻害され、矢印Rに示すように、燃料通路211を逆流又は還流する。これにより、燃料のアルコール濃度が変化する場合、変化前の燃料が内流路411に遅れて流入する。
【0031】
第2比較例の燃料センサの出力特性を図13に示す。
図13では、時刻T3〜時刻T5の間に、燃料通路211を流れるアルコール濃度が高い状態から低い状態に変化している。この場合、第2比較例の燃料センサでは、変化前の燃料が内流路411に遅れて流入することで、時刻T4で、アルコール濃度を示す出力が高くなっている。この出力変動により、アルコール濃度の検出誤差が生じることが懸念される。
【0032】
第3実施形態の燃料センサ2の作用効果を説明する。
本実施形態では、上流側燃料通路23を流れる燃料は、外側電極70の壁にその流れを阻害されることなく、第1流通口76から内流路41へ速やかに流入する。このため、燃料のアルコール濃度が変化するとき、変化前の燃料が内流路41に遅れて流入することが抑制される。したがって、燃料センサ2の出力に変動が生じることが抑制され、アルコール濃度の検出精度を高めることができる。
また、本実施形態では、外側電極70の径方向において、第1流通口76の内壁及び第2流通口77の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。これにより、上流側燃料通路23から下流側燃料通路24に流れる燃料の圧力損失が低減される。また、内流路41の燃料が速やかに入れ替わるので、燃料センサ2によるアルコール濃度検出の応答性を高めることができる。
【0033】
(他の実施形態)
上述した複数の実施形態では、燃料ケース10、通路形成手段20、入口側配管11及び出口側配管12を別体で構成した。これに対し、本発明は、これらの部材を一体で構成してもよい。
上述した複数の実施形態では、燃料センサとして、電極間の電気的特性から燃料に含まれるアルコール濃度を検出する濃度センサについて説明した。これに対し、本発明は、電極間の電気的特性から例えば燃料の酸化劣化状態等を検出する燃料センサであってもよい。
上述した複数の実施形態の燃料センサは、電極間の静電容量を検出することで、燃料の誘電率から燃料の性質及び状態を検出した。これに対し、本発明の燃料センサは、電極間の抵抗値を検出することで、燃料の導電率から燃料の性質及び状態を検出してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0034】
1、2 ・・・燃料センサ
20 ・・・通路形成手段
21 ・・・燃料通路
22 ・・・収容穴
30、70・・・外側電極
34 ・・・外流路
35 ・・・下部流路
36、76・・・第1流通口
37、77・・・第2流通口
40 ・・・内側電極
41 ・・・内流路
60 ・・・検出回路(検出手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料の性状を検出する燃料センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関に燃料を供給する燃料供給系統に設けられ、燃料中のアルコール濃度などの燃料の性状を検出する燃料センサが知られている。燃料センサの検出したアルコール濃度は、内燃機関の電子制御ユニット(ECU)に伝送される。ECUは、アルコール濃度に応じた燃料噴射量および燃料噴射時期を制御する。これにより、運転性を高めると共に、排ガスの悪化が抑制される。
特許文献1に記載の燃料センサは、燃料通路を形成する筒状の外側電極と、その外側電極の径方向内側で外側電極と同軸に設けられた棒状の内側電極とを備えている。特許文献1の燃料センサは、外側電極と内側電極との間を流れる燃料の静電容量から、燃料のアルコール濃度を検出している。
特許文献2に記載の燃料センサは、燃料通路内に設けられた筒状の外側電極と、その外側電極の内側で外側電極と同軸に設けられた内側電極とを備えている。外側電極は、その軸が燃料通路を流れる燃料の流れ方向に対して垂直に設けられ、燃料の流れ方向の上流側と下流側に燃料を通す流通口を有している。特許文献2の燃料センサは、この流通口を通り外側電極と内側電極との間を流れる燃料の静電容量から、燃料のアルコール濃度を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−66571号公報
【特許文献2】実開平1−163862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の燃料センサは、所定の静電容量を得るため、外側電極と内側電極の軸方向の長さを長くしている。このため、燃料のアルコール濃度が変化するとき、外側電極内の燃料が入れ替わる時間が長くなる。このため、アルコール濃度検出の応答性が悪化するおそれがある。
特許文献2に記載の燃料センサは、燃料通路の軸方向から見たとき、外側電極の流通口が燃料通路よりも小さい。このため、燃料通路の燃料の流れが外側電極の外壁によって阻まれ、燃料通路を逆流又は還流する。これにより、燃料通路を流れる燃料のアルコール濃度が変化する場合、変化前の燃料が外側電極と内側電極との間に遅れて流入することがある。したがって、燃料センサの出力に変動が生じ、アルコール濃度の検出誤差が生じることが懸念される。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、検出精度を高めることの可能な燃料センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明によると、通路形成手段は、燃料の流れる燃料通路及びこの燃料通路に略垂直に交わる収容穴を有する。通路形成手段の収容穴に収容される筒状の外側電極は、燃料通路の入口側に連通する第1流通口、及び、燃料通路の出口側に連通する第2流通口を径方向に有する。通路形成手段の収容穴に収容される内側電極は、外側電極の径方向内側に設けられる。検出手段は、外側電極と内側電極との間に形成される内流路を流れる燃料の電気的特性を検出する。通路形成手段の収容穴を形成する内壁と外側電極の外壁との間に形成される外流路は、内流路に対し、流路抵抗が大きい。
これにより、燃料通路の入口側から内流路を経由して燃料通路の出口側へ流れる燃料が、外流路に逆流することが抑制される。したがって、燃料通路を流れる燃料の性状が変化する場合、その燃料の性状の変化に伴って内流路の燃料の電気的特性が変化するので、燃料センサの出力に変動が生じることが抑制される。この結果、燃料センサは燃料性状の検出精度を高めることができる。
【0006】
請求項2に係る発明によると、通路形成手段の収容穴と、外側電極の外壁および内壁と、内側電極の外壁とは、横断面視において略同軸に位置する円形状である。通路形成手段の収容穴を形成する内壁と外側電極の外壁との間の距離δ1は、外側電極の内壁と内側電極の外壁との間の距離δ2以下である。このとき、外流路は内流路に対し、流路長が長いことから、抵抗成分となる壁面距離が長い。よって、流路幅が同等以下であれば、外流路は内流路に対し流路抵抗が大きくなる。したがって、燃料通路の入口側から内流路を経由して燃料通路の出口側へ流れる燃料が、外流路に逆流することが抑制される。
【0007】
請求項3に係る発明によると、外側電極の軸方向において、外側電極の第1流通口の内壁は、通路形成手段の燃料通路の内壁よりも外側に位置する。
これにより、燃料通路の入口側から第1流通口を通り内流路へ流入する燃料は、外側電極の壁にその流れを阻害されることなく、内流路へ速やかに流入する。したがって、燃料センサの出力に変動が生じることが抑制され、燃料性状の検出精度を高めることができる。
また、燃料通路の入口側から第1流通口を通り内流路に流入する燃料の流体抵抗が低減され、圧力損失が低減される。したがって、内流路の燃料が速やかに流れるので、燃料性状の検出の応答性を高めることができる。
【0008】
請求項4に係る発明によると、外側電極の軸方向において、外側電極の第2流通口の内壁は、通路形成手段の燃料通路の内壁よりも外側に位置する。
これにより、内流路から第2流通口を通り燃料通路の出口側に流出する燃料の流体抵抗が低減され、燃料の圧力損失が低減される。したがって、内流路の燃料が速やかに流れるので、燃料性状の検出の応答性を高めることができる。
【0009】
請求項5に係る発明によると、外側電極の径方向において、外側電極の第1流通口の内壁は、通路形成手段の燃料通路の内壁よりも内側に位置する。これにより、燃料通路の入口側から外流路に流入する燃料が増加する。したがって、内流路を流れる燃料圧力に対し、外流路を流れる燃料圧力を大きくすることができる。
【0010】
請求項6に係る発明によると、外側電極の径方向において、外側電極の第1流通口の内壁は、通路形成手段の燃料通路の内壁よりも外側に位置する。これにより、燃料通路の入口側から第1流通口を通り内流路へ流入する燃料の流体抵抗が低減され、圧力損失が低減される。
【0011】
請求項7に係る発明によると、外側電極と収容穴の底との間に燃料の流れる下部流路が設けられる。第1流通口及び第2流通口の下部流路側は、外側電極の端部に開口している。これにより、燃料通路の入口側から下部流路を経由し、燃料通路の出口側へ流れる燃料の流体抵抗が低減される。したがって、内流路の燃料が滞留することなく、速やかに入れ替わるので、燃料性状の検出の応答性を高めることができる。
【0012】
請求項8に係る発明によると、外側電極の第1流通口の内壁及び第2流通口の内壁は、燃料通路の入口側から内流路を経由し燃料通路の出口側に流れる燃料の圧力損失を低減可能な程度に通路形成手段の燃料通路の内壁よりも外側に位置する。
これにより、燃料通路の入口側から内流路を経由し燃料通路の出口側に流れる燃料は、外側電極の壁にその流れを阻害されることなく、燃料通路の入口側から第1流通口を通り内流路へ速やかに流入し、また、内流路から第2流通口を通り燃料通路の出口側に速やかに流出する。このため、燃料通路を流れる燃料の性状が変化する場合、その燃料の性状の変化に伴って内流路の燃料の電気的特性が変化するので、燃料センサの出力に変動が生じることが抑制される。したがって、燃料センサは燃料性状の検出精度を高めることができる。
また、内流路の燃料が滞留することなく、速やかに入れ替わるので、燃料性状の検出の応答性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態による燃料センサの断面図である。
【図2】図1のII−II線断面の模式図である。
【図3】図2のIII−III線の断面図である。
【図4】図2のIV―IV線の断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による燃料センサの断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態による燃料センサの断面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面の模式図である。
【図8】図7のVIII−VIII線の断面図である。
【図9】図7のIX―IX線の断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態による燃料センサの特性図である。
【図11】第1比較例の燃料センサの要部断面図である。
【図12】第2比較例の燃料センサの要部断面図である。
【図13】第2比較例の燃料センサの特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料センサを図1〜図4に示す。本実施形態の燃料センサ1は、車両の燃料タンクと燃料噴射装置とを接続する燃料供給系統に設けられ、燃料に含まれるアルコール濃度を検出する濃度センサである。燃料センサ1の検出したアルコール濃度は、内燃機関のECUに伝送される。ECUは、アルコール濃度に応じて燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火時期などを制御する。これにより、内燃機関の空燃比が適正となり、運転性が良好になると共に、排ガス中の有害成分を低減することが可能になる。
【0015】
燃料センサ1は、図1に示すように、燃料ケース10、通路形成手段20、外側電極30、内側電極40、サーミスタ50及び検出手段としての検出回路60等を備えている。
燃料ケース10は、例えばステンレスなどの金属から有底筒状に形成されている。
燃料ケース10の径方向一方の外壁に入口側配管11が接続され、他方の外壁に出口側配管12が接続されている。入口側配管11及び出口側配管12は、例えばステンレスなどの金属から筒状に形成され、燃料ケース10の外壁に溶接などにより固定されている。燃料ケース10には、入口側配管11が接続される箇所に入口側開口部13が設けられ、出口側配管12が接続される箇所に出口側開口部14が設けられている。
【0016】
燃料ケース10の内側に通路形成手段20が設けられている。通路形成手段20は、例えば樹脂またはステンレスなどから形成されている。
通路形成手段20は、燃料通路21及び収容穴22を有している。燃料通路21は、一方の側が燃料ケース10の入口側開口部13と連通し、他方の側が燃料ケース10の出口側開口部14と連通している。これにより、入口側配管11から通路形成手段20の燃料通路21を経由し、出口側配管12へ燃料が流れる。
収容穴22は、燃料通路21と略垂直に交わるように円筒状に設けられている。収容穴22の一端は通路形成手段20の外壁に開口している。収容穴22の内径は、燃料通路21の内径より大きい。
以下、収容穴22よりも燃料入口側の燃料通路21を上流側燃料通路23と称し、収容穴22よりも燃料出口側の燃料通路21を下流側燃料通路24と称する。
燃料ケース10の開口に蓋部材15が設けられている。蓋部材15は、通路形成手段20の上側に当接している。
【0017】
外側電極30は、例えばステンレスなどの金属から円筒状に形成され、収容穴22に収容されている。外側電極30は、収容穴22と略同軸に設けられている。外側電極30は、軸方向の一方から径外方向に延びる環状のフランジ31、フランジ31の下側に肉厚部32、及び肉厚部32の下側に電極本体33を有する。
フランジ31は、蓋部材15に係止されている。肉厚部32は、通路形成手段20の段差25に当接している。
外側電極30の電極本体33の外径は、収容穴22の内径より小さい。このため、収容穴22の内壁と外側電極30の電極本体33との間に燃料の流れる外流路34が形成される。
また、外側電極30のフランジ31と反対側の端面と、収容穴22の底との間に燃料の流れる下部流路35が形成されている。
【0018】
外側電極30は、上流側燃料通路23に連通する第1流通口36と、下流側燃料通路24に連通する第2流通口37とを有している。第1流通口36及び第2流通口37は、外側電極30の軸方向の下部流路35側の端部に開口するU字形に形成されている。
図4に示すように、外側電極30の軸方向において、第1流通口36の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。外側電極30の軸方向において、第2流通口37の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。
具体的に、外側電極30の軸方向において、第1流通口36の内壁と燃料通路21の中心軸Oとの距離α1は、燃料通路21の内壁と燃料通路21の中心軸Oとの距離α2よりも遠い。また、第2流通口37の内壁と燃料通路21の中心軸Oとの距離α3は、燃料通路21の内壁と燃料通路21の中心軸Oとの距離α2よりも遠い。このため、上流側燃料通路23から内流路41に流れる燃料の流体抵抗が低減される。また、内流路41から下流側燃料通路24に流れる燃料の流体抵抗が低減される。
図2に示すように、外側電極30の径方向において、第1流通口36の内壁は、燃料通路21の内壁よりも内側に位置している。外側電極30の径方向において、第2流通口37の内壁は、燃料通路21の内壁よりも内側に位置している。
具体的に、外側電極30の径方向における第1流通口36の幅β1は、燃料通路21の内径β2より小さい。外側電極30の径方向における第2流通口37の幅β3は、燃料通路21の内壁β2より小さい。このため、上流側燃料通路23から外流路34に流入する燃料が増加し、外流路34の燃料圧力が高くなる。
【0019】
図1に示すように、内側電極40は、例えばステンレスなどの金属から有底円筒状に形成され、外側電極30の径方向内側に設けられている。内側電極40は、収容穴22及び外側電極30と略同軸に設けられている。内側電極40の底部の外壁は、収容穴22の底側へ凸状の曲面に形成されている。内側電極40は、外側電極30と略同軸に設けられている。内側電極40の外径は、外側電極30の内径より小さい。このため、内側電極40と外側電極30との間に燃料の流れる内流路41が形成される。
内側電極40と外側電極30との間にガラスからなる絶縁体42が設けられている。絶縁体42は、内側電極40と外側電極30とをハーメチック固定すると共に、内側電極40と外側電極30とを電気的に絶縁している。
【0020】
内側電極40の内側に、温度検出手段としてのサーミスタ50が設けられている。サーミスタ50の端子51、52は、樹脂からなる支持部材53に支持されている。内流路41を流れる燃料の温度は、内側電極40を通じてサーミスタ50に伝熱する。サーミスタ50は、温度変化に伴って電気抵抗を変える。サーミスタ50により、内流路41を流れる燃料の温度を検出可能である。
【0021】
蓋部材15の上側に環状の弾性部材16が設けられている。この弾性部材16の上に回路ケース61が形成されている。弾性部材16は、蓋部材15と回路ケース61との間から燃料が漏れることを防いでいる。
回路ケース61は、例えば樹脂から形成され、内側に回路基板62を備えている。この回路基板62に内流路41を流れる燃料の電気的特性を検出する検出手段としての検出回路60が設けられている。検出回路60には、外側電極30に接続する端子38、内側電極40に接続する端子43、及びサーミスタ50の端子51,52が接続されている。
検出回路60は、外側電極30と内側電極40との間の充放電により、その電極(外側電極30、内側電極40)間の静電容量を検出する。静電容量の値は燃料の誘電率によって変化する。誘電率は、燃料中のガソリンとアルコールとの混合比および燃料温度によって変化する。このため、検出回路60は、電極間の静電容量とサーミスタ50によって検出された燃料温度とにより、内流路41を流れる燃料に含まれるアルコール濃度を検出する。
回路ケース61の開口を板状のカバー63が覆っている。カバー63は、回路ケース61内へ外部から水等が浸入することを防止している。
燃料ケース10の外側をブラケット64が支持している。ブラケット64は、回路ケース61にねじ65により取り付けられている。これにより、燃料ケース10と回路ケース61とが固定される。
【0022】
本実施形態の燃料センサ1の流路を流れる燃料の流れを図2を参照して説明する。
本実施形態では、通路形成手段20の収容穴22と、外側電極30の外壁及び内壁と、内側電極40の外壁とは、横断面視において略同軸の円形である。また、通路形成手段20の収容穴22を形成する内壁と外側電極30の外壁との間の距離δ1は、外側電極30の内壁と内側電極40の外壁との間の距離δ2以下である。このとき、外流路34は内流路41に対し、流路長が長いことから、抵抗成分となる壁面距離が長い。よって、流路幅が同等以下であれば、外流路34は内流路41に対し流路抵抗が大きくなる。
これにより、本実施形態では、矢印A、B、C、Dに示すように、上流側燃料通路23から下流側燃料通路24への燃料流れは、第1流通口36、内流路41、第2流通口37を通る燃料流れが主流となる。また、矢印E、F、G、Hに示すように、上流側燃料通路23から下流側燃料通路24への燃料流れは、その一部が、外流路34を流れる。第1流通口36、内流路41、第2流通口37を通る燃料の流速は、外流路34を通る燃料の流速よりも速くなる。
また、外側電極30の径方向において、第1流通口36の内壁は、上流側燃料通路23の内壁よりも内側に位置しているので、上流側燃料通路23から外流路34に流入する燃料が増加する。このため、内流路41を通り第2流通口37から流出する燃料圧力に対し、外流路34を流れる燃料圧力が高くなる。したがって、第1流通口36、内流路41、第2流通口37を通る燃料流れが、外流路34に逆流することなく、下流側燃料通路24へ流れる。
【0023】
これに対し、第1比較例の燃料センサにおける燃料の流れを図11を参照して説明する。第1比較例において、上述した第1実施形態に対応する構成には、符号の末尾に「0」を付して説明を省略する。
第1比較例では、通路形成手段200の収容穴220を形成する内壁と外側電極300の外壁との間の距離δ3は、外側電極300の内壁と内側電極400の外壁との間の距離δ4より長い。つまり、外流路340の径方向の幅は、内流路41の径方向の幅より太い。よって、外流路34は内流路41に対し流路抵抗が小さくなる。この場合、内流路410を通り第2流通口370から流出する燃料圧力に対し、外流路340を流れる燃料圧力が低くなる。このため、矢印I、J、K、Lに示す第1流通口360、内流路410、第2流通口370を通る燃料流れは、その一部が、矢印M、N,P、Qに示すように、外流路340を逆流する。
このため、燃料通路210を流れる燃料のアルコール濃度が変化する場合、第2流通口370から流出した燃料が、外流路340を通り、再び第1流通口360から内流路410に流入することで、検出回路600の出力に変動が生じることがある。これにより、アルコール濃度の検出誤差が生じることが懸念される。
【0024】
第1実施形態の燃料センサ1の作用効果を説明する。
本実施形態では、外流路34は内流路41に対し流路長が長いことから、抵抗成分となる壁面距離が長く、かつ、外流路34の径方向の幅は、内流路41の径方向の幅以下である。これにより、外流路34は内流路41に対し流路抵抗が大きくなる。このため、内流路41を通り第2流通口37から流出する燃料が、外流路34に逆流することが抑制される。したがって、燃料通路21を流れる燃料のアルコール濃度が変化する場合、それに伴って内流路41の燃料の電気的特性が変化するので、検出回路60の出力に変動が生じることが抑制される。したがって、燃料センサ1のアルコール濃度の検出精度を高めることができる。
【0025】
また、本実施形態では、外側電極30の軸方向において、第1流通口36の内壁及び第2流通口37の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。これにより、上流側燃料通路23から内流路41を通り下流側燃料通路24に流れる燃料の圧力損失が低減される。また、内流路41の燃料が速やかに入れ替わるので、燃料センサ1によるアルコール濃度検出の応答性を高めることができる。
【0026】
さらに、本実施形態では、第1流通口36及び第2流通口37の底側は、外側電極の端部に開口している。これにより、上流側燃料通路23から下流側燃料通路24に流れる燃料の圧力損失が低減される。また、内流路41の燃料が速やかに入れ替わるので、燃料センサ1によるアルコール濃度検出の応答性を高めることができる。
【0027】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による燃料センサを図5に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、通路形成手段20は、収容穴22の内壁に平面部26を有している。平面部26は、軸方向に対して平行に延びている。このため、外流路34は、その入口と出口との間で流路幅が狭い箇所が形成される。よって、外流路34は内流路41に対し流路抵抗が大きくなる。したがって、第1流通口36、内流路41、第2流通口37を通る燃料流れが、外流路34に逆流することなく、下流側燃料通路24へ流れる。この結果、本実施形態は、上述の第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、通路形成手段20と別体で平面部26を構成してもよい。
【0028】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による燃料センサを図6〜図10に示す。本実施形態では、通路形成手段20の収容穴22の内径と、外側電極70の電極本体73の外径とが略同じである。このため、収容穴22の内壁と外側電極70との間に外流路が形成されていない。
図7に示すように、外側電極70の径方向において、第1流通口76の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。外側電極70の径方向において、第2流通口77の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。
具体的に、外側電極70の径方向における第1流通口76の幅β4は、燃料通路21の内径β2より大きい。外側電極30の径方向における第2流通口77の幅β5は、燃料通路21の内壁β2より大きい。このため、矢印S、Tに示すように、上流側燃料通路23から内流路41に流れる燃料の流体抵抗が低減される。また、矢印U,Vに示すように、内流路41から下流側燃料通路24に流れる燃料の流体抵抗が低減される。
図8に示すように、外側電極70の軸方向において、第1流通口76の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。なお、図8では、内側電極の記載を省略している。また、図9に示すように、外側電極70の軸方向において、第2流通口77の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。このため、矢印W、Xに示すように、上流側燃料通路23から内流路41に流れる燃料の流体抵抗が低減される。また、矢印Y、Zに示すように、内流路41から下流側燃料通路24に流れる燃料の流体抵抗が低減される。
【0029】
本実施形態の燃料センサ2の出力特性を図10に示す。
図10では、燃料通路21を流れるアルコール濃度が高い状態から低い状態に変化するときの燃料センサ2の出力特性を示している。本実施形態の燃料センサ2では、燃料のアルコール濃度の変化に伴って、時刻T1〜時刻T2の間に、アルコール濃度を示す出力が次第に低下している。
【0030】
これに対し、第2比較例の燃料センサを図12に示し、その出力特性を図13に示す。第2比較例において、上述した第1実施形態に対応する構成には、符号の末尾に「1」を付して説明を省略する。
第2比較例では、第1流通口361と第2流通口371は、燃料通路211の軸方向から見て円形に形成されている。第1流通口361の内壁及び第2流通口371の内壁は、燃料通路211の内壁よりも内側に位置している。このため、上流側燃料通路231の燃料の流れは外側電極301の壁によって阻害され、矢印Rに示すように、燃料通路211を逆流又は還流する。これにより、燃料のアルコール濃度が変化する場合、変化前の燃料が内流路411に遅れて流入する。
【0031】
第2比較例の燃料センサの出力特性を図13に示す。
図13では、時刻T3〜時刻T5の間に、燃料通路211を流れるアルコール濃度が高い状態から低い状態に変化している。この場合、第2比較例の燃料センサでは、変化前の燃料が内流路411に遅れて流入することで、時刻T4で、アルコール濃度を示す出力が高くなっている。この出力変動により、アルコール濃度の検出誤差が生じることが懸念される。
【0032】
第3実施形態の燃料センサ2の作用効果を説明する。
本実施形態では、上流側燃料通路23を流れる燃料は、外側電極70の壁にその流れを阻害されることなく、第1流通口76から内流路41へ速やかに流入する。このため、燃料のアルコール濃度が変化するとき、変化前の燃料が内流路41に遅れて流入することが抑制される。したがって、燃料センサ2の出力に変動が生じることが抑制され、アルコール濃度の検出精度を高めることができる。
また、本実施形態では、外側電極70の径方向において、第1流通口76の内壁及び第2流通口77の内壁は、燃料通路21の内壁よりも外側に位置している。これにより、上流側燃料通路23から下流側燃料通路24に流れる燃料の圧力損失が低減される。また、内流路41の燃料が速やかに入れ替わるので、燃料センサ2によるアルコール濃度検出の応答性を高めることができる。
【0033】
(他の実施形態)
上述した複数の実施形態では、燃料ケース10、通路形成手段20、入口側配管11及び出口側配管12を別体で構成した。これに対し、本発明は、これらの部材を一体で構成してもよい。
上述した複数の実施形態では、燃料センサとして、電極間の電気的特性から燃料に含まれるアルコール濃度を検出する濃度センサについて説明した。これに対し、本発明は、電極間の電気的特性から例えば燃料の酸化劣化状態等を検出する燃料センサであってもよい。
上述した複数の実施形態の燃料センサは、電極間の静電容量を検出することで、燃料の誘電率から燃料の性質及び状態を検出した。これに対し、本発明の燃料センサは、電極間の抵抗値を検出することで、燃料の導電率から燃料の性質及び状態を検出してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0034】
1、2 ・・・燃料センサ
20 ・・・通路形成手段
21 ・・・燃料通路
22 ・・・収容穴
30、70・・・外側電極
34 ・・・外流路
35 ・・・下部流路
36、76・・・第1流通口
37、77・・・第2流通口
40 ・・・内側電極
41 ・・・内流路
60 ・・・検出回路(検出手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料の流れる燃料通路及びこの燃料通路に略垂直に交わる収容穴を有する通路形成手段と、
前記通路形成手段の前記収容穴に収容され、前記燃料通路の入口側に連通する第1流通口、及び、前記燃料通路の出口側に連通する第2流通口を径方向に有する筒状の外側電極と、
前記通路形成手段の前記収容穴に収容され、前記外側電極の径方向内側に設けられる内側電極と、
前記外側電極の内壁と前記内側電極の外壁との間に形成される内流路を流れる燃料の電気的特性を検出する検出手段と、を備え、
前記通路形成手段の前記収容穴を形成する内壁と前記外側電極の外壁との間に形成される外流路は、前記内流路に対し、流路抵抗が大きいことを特徴とする燃料センサ。
【請求項2】
前記通路形成手段の前記収容穴と、前記外側電極の外壁及び内壁と、前記内側電極の外壁とは、横断面視において略同軸に位置する円形状であり、
前記通路形成手段の前記収容穴を形成する内壁と前記外側電極の外壁との間の距離δ1は、前記外側電極の内壁と前記内側電極の外壁との間の距離δ2以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料センサ。
【請求項3】
前記外側電極の軸方向において、前記外側電極の前記第1流通口の内壁は、前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも外側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料センサ。
【請求項4】
前記外側電極の軸方向において、前記外側電極の前記第2流通口の内壁は、前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも外側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料センサ。
【請求項5】
前記外側電極の径方向において、前記外側電極の前記第1流通口の内壁は、前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも内側に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料センサ。
【請求項6】
前記外側電極の径方向において、前記外側電極の第1流通口の内壁は、前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも外側に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料センサ。
【請求項7】
前記外側電極と前記収容穴の底との間に燃料の流れる下部流路が設けられ、
前記第1流通口及び前記第2流通口の軸方向の前記下部流路側は、前記外側電極の端部に開口していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料センサ。
【請求項8】
燃料の流れる燃料通路及びこの燃料通路に略垂直に交わる収容穴を有する通路形成手段と、
前記通路形成手段の前記収容穴に収容され、前記燃料通路の入口側に連通する第1流通口、及び、前記燃料通路の出口側に連通する第2流通口を径方向に有する筒状の外側電極と、
前記通路形成手段の前記収容穴に収容され、前記外側電極の径内側に設けられる内側電極と、
前記外側電極と前記内側電極との間に形成される内流路を流れる燃料の電気的特性を検出する検出手段と、を備え、
前記外側電極の前記第1流通口の内壁及び前記第2流通口の内壁は、前記燃料通路の入口側から前記内流路を経由し前記燃料通路の出口側に流れる燃料の圧力損失を低減可能な程度に前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも外側に位置することを特徴とする燃料センサ。
【請求項1】
燃料の流れる燃料通路及びこの燃料通路に略垂直に交わる収容穴を有する通路形成手段と、
前記通路形成手段の前記収容穴に収容され、前記燃料通路の入口側に連通する第1流通口、及び、前記燃料通路の出口側に連通する第2流通口を径方向に有する筒状の外側電極と、
前記通路形成手段の前記収容穴に収容され、前記外側電極の径方向内側に設けられる内側電極と、
前記外側電極の内壁と前記内側電極の外壁との間に形成される内流路を流れる燃料の電気的特性を検出する検出手段と、を備え、
前記通路形成手段の前記収容穴を形成する内壁と前記外側電極の外壁との間に形成される外流路は、前記内流路に対し、流路抵抗が大きいことを特徴とする燃料センサ。
【請求項2】
前記通路形成手段の前記収容穴と、前記外側電極の外壁及び内壁と、前記内側電極の外壁とは、横断面視において略同軸に位置する円形状であり、
前記通路形成手段の前記収容穴を形成する内壁と前記外側電極の外壁との間の距離δ1は、前記外側電極の内壁と前記内側電極の外壁との間の距離δ2以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料センサ。
【請求項3】
前記外側電極の軸方向において、前記外側電極の前記第1流通口の内壁は、前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも外側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料センサ。
【請求項4】
前記外側電極の軸方向において、前記外側電極の前記第2流通口の内壁は、前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも外側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料センサ。
【請求項5】
前記外側電極の径方向において、前記外側電極の前記第1流通口の内壁は、前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも内側に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料センサ。
【請求項6】
前記外側電極の径方向において、前記外側電極の第1流通口の内壁は、前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも外側に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料センサ。
【請求項7】
前記外側電極と前記収容穴の底との間に燃料の流れる下部流路が設けられ、
前記第1流通口及び前記第2流通口の軸方向の前記下部流路側は、前記外側電極の端部に開口していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料センサ。
【請求項8】
燃料の流れる燃料通路及びこの燃料通路に略垂直に交わる収容穴を有する通路形成手段と、
前記通路形成手段の前記収容穴に収容され、前記燃料通路の入口側に連通する第1流通口、及び、前記燃料通路の出口側に連通する第2流通口を径方向に有する筒状の外側電極と、
前記通路形成手段の前記収容穴に収容され、前記外側電極の径内側に設けられる内側電極と、
前記外側電極と前記内側電極との間に形成される内流路を流れる燃料の電気的特性を検出する検出手段と、を備え、
前記外側電極の前記第1流通口の内壁及び前記第2流通口の内壁は、前記燃料通路の入口側から前記内流路を経由し前記燃料通路の出口側に流れる燃料の圧力損失を低減可能な程度に前記通路形成手段の前記燃料通路の内壁よりも外側に位置することを特徴とする燃料センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−145491(P2012−145491A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4980(P2011−4980)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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