説明

燃料電池の熱及び水の管理装置並びに管理方法

【課題】燃料電池の熱及び水を管理する方法及び装置を提供する。
【解決手段】熱的に及び電気的に伝導性を有する、親水性の熱及び質量輸送要素が、燃料電池の内側から外側に延在するようにして提供される。輸送要素は、電流コレクタとガス拡散層との間に被着される。熱は、輸送要素に沿って、燃料電池内側の輸送要素の内側部分から燃料電池外側の輸送要素の外側部分へ輸送される。液体の水は、輸送要素に沿って、燃料電池の中へ又は燃料電池の外へ輸送される。熱は、放射、自由対流及び強制対流のうちの任意の組み合わせにより、輸送要素の外側部分から排出される。液体の水は、対流により駆動される蒸発及び移流のうちの任意の組み合わせにより、輸送要素の外側部分から排出される。水は、移流及び毛細管ウィッキングのうちの任意の組み合わせにより、輸送要素の外側部分から内側部分に至るように燃料電池に加えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に燃料電池に関する。より詳しくは、本発明は、熱的に及び電気的に伝導性を有するウィッキング要素を備える燃料電池に関するものであり、熱及び水を管理するための前記ウィッキング要素は前記燃料電池の内側から外側まで延在している。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の熱及び水の管理は、燃料電池の効率を向上させ、燃料電池の寿命を延ばすために必要である。ペルフルオロスルホン酸(PFSA)タイプの膜(例えば、Nafion(登録商標))を用いる固体高分子型(PEM)燃料電池の場合、適切なイオン伝導率にするために水を高活性化させる必要があるため、PEM燃料電池にとって、一般に水管理は継続的な課題となっている。通常、反応ガスの加湿により、膜の適切な加湿がもたらされる。PEM燃料電池のカソードにおける酸素還元反応によって、液体の形態の水が生成される。触媒層及びガス拡散層(GDL)の細孔が液体の水によって満たされると、触媒での酸素の拡散が制限される。複数の平行なチャネルを備えるシステムにおいて、毛細管作用によってGDLから出てくる液体の水は、ガスのチャネル内にたまってGDLの表面を覆い、流れ場のチャネルに沿って圧力差を大きくさせるため、流れの不均衡配分や不安定な流れを生じさせる。
【0003】
フラッディングを軽減するための一般的なストラテジは、カソードにサーペンタイン型のチャネルを使用して(少数のサーペンタイン型のチャネルが平行に備えられるのが最も一般的)、液体の水をシステムから外へ強制的に排出するのに十分に多い量の空気を供給するものである。これらのストラテジは、サーペンタイン型のデザインの1チャネル当たりの流量が増加するのにつれて、水滴の移流による除去が改善するように協調して振る舞うようなものである。空気は、反応のストイキオメトリで必要とされる量よりも数倍多い量が供給されることが多く、排気口における酸素の分圧が増加する。圧力降下は、局所的な相対湿度を低くすることから、これらのデザインに必要な圧力差に適合したより大きな圧力差は、フラッディングをさらに緩和し、カソードの排気口近傍で蒸発速度を増加させるのに有利に働く。流量を多くし、圧力を高くすることは、燃料電池の最大の寄生負荷の1つである空気の供給に影響を与える。強制換気を行う燃料電池の小型化は、この寄生負荷の問題を悪化させる。なぜなら、小型化されたポンプ及びブロワの効率は、通常、大型のポンプの効率よりもはるかに低いからである。空気呼吸式の平面型燃料電池では、強制対流によってカソードから水を除去するということができないため、フラッディングの問題が悪化する。
【0004】
平行なチャネルは、サーペンタイン型のチャネルと比較して、流れ場に与えられる圧力差を数桁小さくすることができる。平行なチャネルのデザインは、流れ場の加工も容易にし、新しい製造方法を実現することができる。しかしながら、全く平行なチャネルのアーキテクチャは、許容できない不均一な空気の流れや壊滅的なフラッディングを生じやすいため、一般的に、全く平行なチャネルのアーキテクチャは実用的なものではない。通常は、平行なチャネルのフラッディングを防止するために、酸素のストイキオメトリは4より大きくなければならない。さらに、インサイチュー及びエクスサイチューの可視化により、流れ場のリブの真下のGDLにおいて、電流密度に関係なく、かなりのフラッディングが発生することが示された。
【0005】
いくつかの受動的な水のストラテジでは、フラッディングを緩和するために追加の構成要素を使用している。例えば、オキシダントのチャネルから液体の水を除去するための薄い吸水層と排水用チャネルとを備える流れ場の複合プレートが作られた。しかしながら、このデザインは、新たな構成要素によってオーミック損失の著しい増加がもたらされたため、電力密度を改善することができなかった。
【0006】
現在、圧力差を与えて液体の水を燃料電池から外へ又は燃料電池の中へ能動的に輸送する、能動的な水管理ストラテジがある。膜と一体化されたウィックへ加圧された水を供給することによって、電解質の含水量を能動的に管理するというPEM燃料電池が提供された。さらに、水の冷却や排出を行うための水用のチャネルを内部に有する多孔質のバイポーラプレートを含む能動的な水管理方法が提供されている。この場合、ガスの流れと水の流れとの間に圧力差を与えることにより、液体の水を、空気のチャネルから水を輸送するために設けられた内部のチャネルへ移動させることができる。
【0007】
したがって、寄生的なエネルギ損失を最小限にするための、燃料電池用の受動的な熱及び水の管理装置並びに管理方法を開発することが求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、燃料電池の面方向に沿って熱及び水を管理する装置並びに方法を提供する。その方法は、熱的に及び電気的に伝導性を有する、親水性の熱及び質量輸送要素を燃料電池に供給することを含む。その輸送要素は、前記燃料電池の内側から外側まで延在している。電流コレクタ層が前記燃料電池内に供給される。前記電流コレクタ層は、前記輸送要素により輸送される電流の供給を受けられるように設けられる。さらに、ガス拡散層が燃料電池内に供給される。前記ガス拡散層は、前記輸送要素が前記電流コレクタ層と前記ガス拡散層との間に配置されるように設けられる。本発明によれば、熱は、前記輸送要素に沿って、前記燃料電池の内側にある前記輸送要素の内側部分から前記燃料電池の外側にある前記要素の外側部分へ輸送される。また、液体の水は、前記要素に沿って、前記燃料電池の中へ又は前記燃料電池から外へ輸送される。したがって、熱は、放射、自由対流及び強制対流のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の前記外側部分から排出され、液体の水は、対流により駆動される蒸発(convection driven evaporation)及び移流(advection)のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の前記外側部分から排出される。さらに、前記水は、移流及び毛細管ウィッキングのうちの任意の組み合わせによって、前記要素の前記外側部分から前記要素の前記内側部分に至るように前記燃料電池に加えられる。
【0009】
本発明の一態様では、燃料電池は、燃料電池スタック又は平面型燃料電池であり得る。さらなる態様では、燃料電池スタックの少なくとも2つの輸送要素は、熱力学的に及び水力学的に接続される。
【0010】
本発明の別の態様では、輸送要素の少なくとも一部は、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、合金、グラファイト、膨張グラファイト、グラファイト布、グラファイト紙、アルミニウム発泡体、ステンレススチールフォーム、ニッケル発泡体、ポリビニルアルコールフォーム、極細ガラス繊維、羊毛布、コットン紙、綿布、ポリウレタンフォーム、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン、及びポリアクリルアミドなどの材料から作られる。
【0011】
また、輸送要素は、該輸送要素内部のチャネル、該輸送要素表面のチャネル、又は該輸送要素全体にわたる細孔の相互接続網などの液体の水の輸送構造を含むことができる。
【0012】
本発明のさらなる態様では、輸送要素は、さらに、透水性を有する、ガス不透過性のバリア材料からなるパターンを有する。前記バリア材料は、前記輸送要素に含浸されており、前記燃料電池内のガスと周囲のガスとの接触を防止する。そのようなバリアのパターンは、インクジェット印刷、スクリーン印刷、又はマスキングなどのパターニングプロセスによって形成することができる。或る態様では、前記バリア材料は、透水性ポリマであり得る。
【0013】
本発明の別の態様では、輸送要素は、ペアをなす層の間に配置される別個の層であり得る。ペアをなす層としては、アノードのガス拡散層とアノードの電流コレクタ層とのペアや、カソードのガス拡散層とカソードの電流コレクタ層とのペアが含まれることがある。さらに、輸送要素の層の少なくとも一部は、電気的に伝導性を有するようにすることができ、前記要素の一部は、電気的に絶縁されるようにすることができる。また、輸送要素の層は、該層内に少なくとも1つの切開部を有し、前記切開部は、ガスが、前記層の面に対して垂直な方向にて前記層を通過することができるようにする。さらに、輸送要素の層は、該層内に少なくとも1つの疎水性領域を有することができ、前記疎水性領域は、ガスが、前記層の面に対して垂直な方向にて前記層を通過することができるようにする。前記疎水性領域は、インクジェット印刷、スクリーン印刷、又はマスキングなどのパターニングプロセスによって形成することができる。
【0014】
本発明の別の態様では、輸送要素は、電流コレクタと一体化されたものであり得る。前記電流コレクタは、アノードの電流コレクタ又はカソードの電流コレクタであり得る。
【0015】
さらなる態様では、輸送要素は、熱輸送部及び水輸送部を有している。また、輸送要素は、電流コレクタの流れ場の一部を形成することができる。前記電流コレクタの流れ場は、アノードの流れ場又はカソードの流れ場であり得る。
【0016】
本発明のまた別の態様では、輸送要素は、水を燃料電池のカソードから該燃料電池のアノードへ輸送する。
【0017】
さらなる態様では、輸送要素は、電流コレクタ層を覆うような包囲型の、伝導性を有する、親水性の要素である。
【0018】
別の態様では、本発明は、熱的に及び電気的に伝導性を有する、親水性の熱及び質量輸送要素を備える、燃料電池の面方向に沿って熱及び水を管理する管理装置である。前記輸送要素は、前記燃料電池の内側から前記燃料電池の外側まで延在している。その装置は、さらに、前記燃料電池内に電流コレクタ層を有しており、前記電流コレクタ層は、前記輸送要素により輸送される電流の供給を受けられるように設けられる。また、その装置は、前記燃料電池内にガス拡散層を含み、前記ガス拡散層は、前記輸送要素が前記電流コレクタ層と前記ガス拡散層との間に被着されるように設けられる。ここでは、熱は、前記輸送要素に沿って、前記燃料電池の内側にある前記要素の内側部分から前記燃料電池の外側にある前記要素の外側部分へ輸送され、液体の水は、前記要素に沿って、前記燃料電池の中へ又は前記燃料電池から外へ輸送される。前記熱は、放射、自由対流及び強制対流のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の前記外側部分から排出され、前記液体の水は、対流により駆動される蒸発及び移流のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の前記外側部分から排出される。また前記水は、移流及び毛細管ウィッキングのうちの任意の組み合わせによって、前記要素の前記外側部分から前記要素の前記内側部分に至るように前記燃料電池に加えられる。本発明の或る態様では、輸送要素は、さらに、透水性を有する、ガス不透過性のバリア材料からなる或るパターンを有する。前記バリア材料は、前記輸送要素に含浸されており、前記燃料電池内のガスと周囲のガスとの接触を防止する。前記バリアのパターンは、インクジェット印刷、スクリーン印刷、及びマスキングなどのパターニングプロセスによって形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の目的及び利点は、添付の図面とともに以下の詳細な説明を参照することによって理解することができるであろう。
【0020】
以下の詳細な説明は、説明のために様々な特定事項を含んでいるが、以下の例示的な詳細な説明に対する様々な変更及び変形も本発明の範囲内に含まれることは当業者には明らかであろう。したがって、以下の本発明の好適な実施形態は、特許請求の範囲に記載の発明の一般性を何ら喪失することなく、かつ制限を加えることなく説明される。
【0021】
本発明は、過剰な水及び熱の再配分や排出を行うための燃料電池の熱及び水の管理装置並びに管理方法を提供する。本発明は、燃料電池に一体化された、熱的に及び電気的に伝導性を有する、親水性の熱及び質量輸送要素を含むものであり、前記輸送要素は、前記燃料電池の内側から外側まで延在している。さらに、前記輸送要素により輸送された電流の供給を受けるべく、前記燃料電池内に電流コレクタ層が配置される。前記輸送要素は、前記電流コレクタ層とガス拡散層との間に被着される。本発明によれば、熱は、前記輸送要素に沿って、前記燃料電池の内側にある前記輸送要素の内側部分から前記燃料電池の外側にある前記要素の外側部分へ輸送される。また、液体の水は、前記要素に沿って、前記燃料電池の中へ又は前記燃料電池から外へ輸送される。したがって、熱は、放射、自由対流及び強制対流のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の外側部分から排出され、液体の水は、対流により駆動される蒸発及び移流のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の外側部分から排出される。さらに、水は、移流及び毛細管ウィッキングのうちの任意の組み合わせによって、前記要素の外側部分から前記要素の内側部分に至るように前記燃料電池に加えられる。
【0022】
図面を参照すると、図1は、熱及び水を同時に管理するための一体形の水及び熱輸送要素を有する燃料電池100を示す平面状の概略図である。カソードの電流コレクタ102は、熱及び質量輸送要素104の上方に配置される。熱及び質量輸送要素104は、水106及び熱108を、燃料電池100のガス拡散層110と電流コレクタ102との間の領域から、燃料電池100アセンブリの外側の所定の場所まで輸送するものである。さらに図1は、固体高分子膜(PEM)114、別のガス拡散層110、及びアノードの電流コレクタ116を図示している。燃料電池100の内側において、カソードの触媒層(図示なし)で生成された水106は、表面張力の力によって輸送要素104の親水性の細孔の中に入っていくようになる。燃料電池100の外側において、水106は、自然対流及び/又は強制対流により駆動される蒸発によって、輸送要素104の表面から排出される。熱108は、熱伝導によって、輸送要素104を介して燃料電池100の内側から燃料電池100の外側へ輸送される。この場合、熱108は、放射、自然対流及び/又は強制対流によって輸送要素104から排出される。この装置は、カソード102又はアノード116の反応領域から、過剰な水106及び熱108を、コンパクトに効率良く再配分したり、一時的に貯蔵したり、排出したりすることができる。
【0023】
輸送要素104の少なくとも一部は、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、合金、グラファイト、膨張グラファイト、グラファイト布、グラファイト紙、アルミニウム発泡体、ステンレススチールフォーム、ニッケル発泡体、ポリビニルアルコールフォーム、極細ガラス繊維、羊毛布、コットン紙、綿布、ポリウレタンフォーム、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン、或いはポリアクリルアミドなどの材料で作られる。
【0024】
本発明の一実施形態では、燃料電池は、燃料電池スタック又は平面型燃料電池であり得る。図2は、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタック200を示す平面状の概略図である。ここでは、燃料電池スタック200は、バイポーラプレート202の水平面に対して平行な方向にて燃料電池アセンブリ200の外側へ輸送される水106及び熱108を含んでいることが図示されている。バイポーラプレートのカソードハーフ204は、輸送要素104によって形成されており、したがって、カソードハーフ204は電気回路の一部をなすものである。また、輸送要素104は、輸送要素104内部のチャネル、輸送要素104表面のチャネル、又は輸送要素全体にわたる細孔の相互接続網などの液体の水を輸送するための構造を含むことができる。図2で図示するように、輸送要素104は、ガス拡散層110に隣接するオキシダントの流れ場206も形成する。本発明の一態様では、燃料電池内のガスと周囲のガス(図示なし)との接触を防止するように、輸送要素104に、透水性を有する、ガス不透過性のバリア材料を含浸させて、前記バリア材料からなる或るパターンを輸送要素104が有するようにすることができる。そのようなバリアのパターンは、インクジェット印刷、スクリーン印刷、又はマスキングなどのパターニングプロセスによって形成することができる。一態様では、バリア材料は透水性ポリマであり得る。
【0025】
図2は、熱108及び過剰に生成された水106が、自然対流又は強制対流によって、スタック200の外側の周囲環境へ排出されることを図示している。本発明の一態様によれば、燃料電池スタック200の少なくとも2つの輸送要素104は、熱力学的に或いは水力学的に接続されるようにすることができる(図示なし)。本発明の別の態様では、輸送要素104は、水106を燃料電池のカソードから燃料電池のアノードへ輸送することができる。さらに、輸送要素104は、アノードの電流コレクタ又はカソードの電流コレクタと一体化することができる。
【0026】
図3は、本発明の別の実施形態に係る面方向に沿って熱及び水を管理する装置300を示す平面状の概略図である。輸送要素104は、ペアをなす2つの層の間に配置される別個の層であり得る。ペアをなす2つの層としては、アノードのガス拡散層とアノードの電流コレクタ層とのペアや、カソードのガス拡散層とカソードの電流コレクタ層とのペアが含まれることがある。さらに、輸送要素の層104の少なくとも一部が電気的に伝導性を有するようにすることができ、また前記要素の一部が電気的に絶縁されるようにすることができる。また、輸送要素の層104は、少なくとも1つの切開部を有し、その切開部は、ガスが、層104の面に対して垂直な方向にて層104を通過することができるようにする。さらに、輸送要素の層104は、少なくとも1つの疎水性領域を有することができ、その疎水性領域は、ガスが、層104の面に対して垂直な方向にて層104を通過することができるようにする。疎水性領域は、インクジェット印刷、スクリーン印刷、又はマスキングなどのパターニングプロセスによって形成することができる。
【0027】
図3で図示するように、輸送要素104は、カソード側302のガス拡散層110とバイポーラプレート202との間に配置された別個の層で形成されている。輸送要素104は、ガス拡散層110へのオキシダントの質量輸送をしやすくするために、バイポーラプレート202のオキシダントガスの流路306と整合された貫通スロット304を含む。カソード側302近傍でGDL110の表面上にたまった過剰な水は、その水が輸送要素104と接触すると、ウィッキングにより輸送構造体104の中へ入っていく。液体の水106は、次に、毛細管力、重力、又は電流コレクタのリブの下部308に於ける外圧の圧力勾配によって、図2の実施形態と同様に、輸送層104の中でカソードの電流コレクタ302の外周の方へ輸送され、その後に、燃料電池スタック300の外側へ輸送される。バイポーラプレート202を備え、且つカソードのGDL110とバイポーラプレート202との間に輸送層104を備える燃料電池スタック300は、燃料電池スタック300において、面方向に沿って、過剰な液体の水106及び熱108の輸送を提供する。カソードの電流コレクタのリブ308の下方の輸送リブ309と燃料電池スタック300の外側に突出する輸送フィン310とは、図3の断面以外のところで流体連通している。
【0028】
輸送要素104は、熱輸送部及び水輸送部を有することがある。また、輸送要素104は、電流コレクタの流れ場306の一部を形成することもでき、その場合、その電流コレクタの流れ場は、アノードの流れ場又はカソードの流れ場であり得る。
【0029】
図4は、空気呼吸式の平面型燃料電池400を示す平面状の概略図である。ここでは、輸送要素104は、開放型のカソードの電流コレクタ402とカソードのGDL404との間にあるプレートであり、過剰な液体の水106及び熱106を面方向に沿って輸送する。図2の実施形態で説明したように、輸送要素104及び開放型のカソードの電流コレクタ408は、切開部408を有する(例えば、平行なスロット、長方形の開口)。しかしながら、図4の実施形態によれば、輸送要素104は、カソードの電流コレクタのプレート402の外周を越えて延出しており、したがって、輸送プレート104は、燃料電池400の周囲の大気に対して露出し、輸送プレート104から熱108及び水106が排出される。輸送プレート104は、電気回路の一部であり、カソードのGDL404と直接的に接触しているけれども、カソードの電流コレクタのプレート402への電流又は気流をさえぎることがない。また、図4は、PEM114及びアノードのプレート410も図示している。輸送層104と接触するような過剰な水106は、カソードの電流コレクタのプレート402の下部における毛細管力又は重力によって、輸送プレート104の端の方へ輸送され、輸送プレート104の端の方にて蒸発する又は液状で浸出する。同様に、熱108は、熱伝導によってカソードのプレート402の表面から外側のフィン406へ輸送され、対流や放射によって周囲へ排出される。
【0030】
図5は、空気呼吸式の燃料電池の包囲型の輸送形態500を示す平面状の概略図である。輸送要素104は、カソードの電流コレクタ502の表面に形成された層である。輸送要素104は、伝導性を有する、親水性のウィッキング層であり、水輸送媒体としての機能を果たす。カソードのGDL504の表面にたまる過剰な水106は、ウィッキングによりカソードの電流コレクタの表面の層から中へ入り、周囲に蒸発する。
【0031】
本発明の輸送要素104は、生成された液体の水の流れを止めることなく、反応面に沿ってその水を再配分し、それによって、局所的なドライアウトの影響を緩和するなどの様々な目的にかなうものである。要素104は、生成された水106を一時的に保管するという機能を果たし、したがって、燃料電池の負荷プロファイルのピーク負荷時においてフラッディングを発生させることがない。また、要素104は、熱108及び水106を燃料電池スタックの外側へ排出することができ、したがって、熱及び水の管理を簡素化するという機能を果たす。
【0032】
図6(a)及び6(b)は、本発明の一実施形態に係るガス不透過性のバリア602を有する熱及び水輸送装置600を図示する。バリア602は、燃料電池の流れ場(図示なし)と周囲環境との間のガスの接触を防止するものである。ここでは、熱及び水輸送装置600内の、透水性を有する、ガス不透過性のバリア602は、隣接する膜電極接合体の層606のガスシール604と接触する層の領域内において優先的に形成される。ガス不透過性のバリア602は、透水性を有する、ガス不透過性のバリア材料を、熱及び質量輸送装置600に部分的に及び/又は表面に含浸させることによって形成される。
【0033】
図7(a)及び7(b)は、親水性領域と疎水性領域とが一体化された輸送要素700を図示する。親水性領域702と疎水性領域704とが交互に配置された縞模様をなしていることが図示されている。親水性領域702は、水の輸送をすることができ712、疎水性領域704は、空気を流れさせることができる710。図7(b)は、膜電極接合体706と接触している、親水性領域と疎水性領域とが一体化された輸送要素700を示す概略斜視図である。膜電極接合体706は、2つの触媒層の間に配置される膜を含み、水712は、その膜とカソードのガス拡散層110との間の膜電極接合体706の触媒層で生成される。液体の水712は、毛細管によって、ガス拡散媒体110を通過して、輸送要素との接触面まで移動する。輸送要素700内部の疎水性領域704は、液体の水712が領域704へ浸入するのを実質的に防止するような疎水性の特性を有しており、液体の水712は、輸送層702の親水性の相702の内部にのみ輸送される。その結果として、輸送層700と接続している空気の流路からの酸素710を、液体の水712により遮られることなく、疎水性領域704を介して触媒層の方へ自由に拡散させることができる。
【0034】
図8(a)〜8(d)は、図7(a)の縞状のパターンを作るための製造ステップの実施例を示す概略斜視図である。図8(a)は、初期状態が疎水性の状態である炭素紙802を図示する。図8(b)は、熱処理後の親水性の炭素紙804を図示する。熱処理は、炭素紙を、350℃の空気に約5分間にわたってさらすものであり得る。図8(c)は、親水性の炭素紙804に疎水性のストリップ704を形成するために、インクジェットによるパターニング808を用いてテフロン(登録商標)溶液806を追加することを図示する。図8(d)は、図7(a)の親水性領域と疎水性領域とが一体化された輸送要素700を図示する。同様の結果を得るために、スクリーン印刷、マスキング、射出成形、粉体加圧、気相合成(gaseous synthesis)、酸化或いは機械的なプレスなどの他の方法が使用されるようにすることができることは明らかであろう。
【0035】
図9(a)及び9(b)は、図7の親水性の領域と疎水性の領域とが一体化された輸送要素700の他の実施可能な実施形態を図示する。図9(a)は、より広い親水性領域704にわたって、複数のスポットからなる或るパターンをなす疎水性領域を図示する。図9(b)は、より広い疎水性領域704にわたって、親水性領域702の格子状のパターンとスポットのパターンとが組み合わされたパターンを図示する。本実施形態の本質を損なわずに多様なパターンを形成することができることは明らかであろう。
【0036】
図10は、燃料電池の面方向に沿って熱及び水を管理する方法1000の各ステップを図示する。熱的に及び電気的に伝導性を有する、親水性の熱及び質量輸送要素を燃料電池に供給するステップが含まれる(1002)。前記輸送要素は、前記燃料電池の内側から前記燃料電池の外側まで延在している。さらに、前記輸送要素により輸送される電流の供給を受けられるように、電流コレクタ層を前記燃料電池に供給するステップが含まれる(1004)。前記方法は、前記燃料電池にガス拡散層を供給することを含む(1006)。前記輸送要素は、前記電流コレクタ層と前記ガス拡散層との間に被着されるようにする。熱は、前記輸送要素に沿って、前記燃料電池の内側にある前記要素の内側部分から前記燃料電池の外側にある前記要素の外側部分へ輸送される(1008)。さらに、液体の水は、前記要素に沿って、前記燃料電池の中へ又は前記燃料電池から外へ輸送される(1010)。熱は、放射、自由対流及び強制対流のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の外側部分から排出され(1012)、液体の水は、対流により駆動される蒸発及び移流のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の外側部分から排出される(1014)。水は、移流及び毛細管ウィッキングのうちの任意の組み合わせによって、前記要素の外側部分から前記要素の内側部分に至るように前記燃料電池に加えられる(1016)。
【0037】
いくつかの例示的な実施形態に基づいて本発明について説明してきたが、これらは本発明のあらゆる側面を説明しようとするものであり、本発明がこれらのものに限定されるわけではない。したがって、本発明は、詳細の実施において、本明細書に記載された内容から当業者によって導かれ得る多数の変更を行うことができる。例えば、様々な金属及び非金属の多孔質の材料により、電気的に及び熱的に伝導性を有する、親水性の所望のウィッキング構造体を作ることができる。材料の候補としては、炭素発泡体や炭素系複合材料が含まれる。炭素系複合材料は、熱硬化性又は熱可塑性の樹脂とカーボン/グラファイトの充填材とを用いて作られる。また、繊維強化材が含まれることもある。これらの材料は、細孔の形成剤を用いて所与の多孔性を有するようにして製造され得る。或いは、電気的に及び熱的に伝導性を有する、水のウィッキング層は、内部のヒートパイプを利用する手法によって金属の表面に形成され得る(例えば、焼結された金属粒子、表面の溝、スクリーンなど)。
【0038】
熱及び水の輸送構造の組み合わせを、カソードの表面に直接的に配置される一体型の1つの要素にしたことにより、燃料電池がかかえている熱及び質量輸送の管理問題に対して、非常にコンパクトな解決策への可能性が開かれた。本発明の態様は、最新の技術に対する利点がいくつかある。そのようなものとして、輸送要素104は、燃料電池で既に使用されている材料(例えば、炭素紙)に軽微な変更(親水処理)を加えて作ることができ、それによって、汚染の危険性を制限するようにする。さらに、本発明は、既存のスタックに最小限の変更を加えて(例えば、追加の層を追加することによって)実現することができる。最後に、本発明は、受動的なシステムのほかに、能動的なシステムでも使用することができる。そのようなあらゆる変更は、特許請求の範囲及びそれらの法的な均等物によって定義される本発明の範囲及び精神の中に含まれるものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る一体型の熱及び質量輸送要素を有する燃料電池の平面状の概略図である。
【図2】本発明に係る熱及び質量輸送要素を有する燃料電池スタックの平面状の概略図である。
【図3】本発明に係る熱及び質量輸送要素を有する、面方向に沿って熱及び水を管理する管理装置の平面状の概略図である。
【図4】本発明に係る熱及び質量輸送要素を有する空気呼吸式の平面型燃料電池の平面状の概略図である。
【図5】本発明に係る空気呼吸式の燃料電池の包囲型の熱及び質量輸送要素の実施形態の平面状の概略図である。
【図6】図6(a)−(b)は、本発明に係るガス不透過性のバリアを有する熱及び水輸送装置を示す図である。
【図7】図7(a)−(b)は、本発明に係る親水性領域と疎水性領域とが一体化された輸送要素を示す図である。
【図8】図8(a)−(d)は、本発明に係る図7(a)の縞状のパターンを形成するための例示的な製造ステップを示す概略斜視図である。
【図9】図9(a)−(b)は、本発明に係る図7の親水性領域と疎水性領域とが一体化された輸送要素の他の実施可能な実施形態を示す図である。
【図10】本発明に係る燃料電池の面方向に沿って熱及び水を管理する方法のステップを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池の面方向に沿って熱及び水を管理する方法であって、
(a)前記燃料電池の内側から外側まで延在する、熱的に及び電気的に伝導性を有する、親水性の熱及び質量輸送要素を供給するステップと、
(b)電流コレクタ層を前記燃料電池に供給するステップであって、前記電流コレクタ層は、前記輸送要素により輸送された電流の供給を受けられるように設けられる、該ステップと、
(c)ガス拡散層を前記燃料電池に供給するステップであって、前記ガス拡散層は、前記輸送要素が前記電流コレクタ層と前記ガス拡散層との間に被着されるように設けられる、該ステップとを含み、
熱が、前記輸送要素に沿って、前記燃料電池の内側にある前記輸送要素の内側部分から前記燃料電池の外側にある前記輸送要素の外側部分へ輸送されるようにし、液体の水が、前記要素に沿って、前記燃料電池内へ又は前記燃料電池から外へ輸送されるようにし、
また、前記熱が、放射、自由対流及び強制対流のうちの任意の組み合わせによって、前記輸送要素の前記外側部分から排出されるようにし、前記液体の水が、対流により駆動される蒸発及び移流のうちの任意の組み合わせによって、前記輸送要素の前記外側部分から排出されるようにし、前記水が、移流及び毛細管ウィッキングのうちの任意の組み合わせによって、前記輸送要素の前記外側部分から前記輸送要素の前記内側部分に至るように前記燃料電池に加えられるようにすることを特徴とする熱及び水管理方法。
【請求項2】
前記燃料電池は、燃料電池スタック及び平面型燃料電池からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の熱及び水管理方法
【請求項3】
前記燃料電池スタックの少なくとも2つの前記輸送要素は、熱力学的或いは水力学的に接続されることを特徴とする請求項2に記載の熱及び水管理方法。
【請求項4】
前記輸送要素の少なくとも一部は、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、銅、アルミニウム、ニッケル、合金、グラファイト、膨張グラファイト、グラファイト布、グラファイト紙、アルミニウム発泡体、ステンレススチールフォーム、ニッケル発泡体、ポリビニルアルコールフォーム、極細ガラス繊維、羊毛布、コットン紙、綿布、ポリウレタンフォーム、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン、及びポリアクリルアミドからなる群から選択される材料で作られることを特徴とする請求項1に記載の熱及び水管理方法。
【請求項5】
前記輸送要素は、液体の水を輸送するための輸送構造を含み、
前記輸送構造は、前記輸送要素内部のチャネル、前記輸送要素表面のチャネル、及び前記輸送要素全体にわたる細孔の相互接続網からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の熱及び水管理方法。
【請求項6】
前記輸送要素は、透水性を有する、ガス不透過性のバリア材料を、前記輸送要素へ含浸させることにより形成されるパターンをさらに含み、
前記バリア材料は、前記燃料電池内のガスと周囲のガスとの接触を防止することを特徴とする請求項1に記載の熱及び水管理方法。
【請求項7】
前記バリアのパターンは、インクジェット印刷、スクリーン印刷、マスキング、射出成形、粉体加圧、気相合成、酸化、及び機械的なプレスからなる群から選択されるパターニングプロセスによって形成されることを特徴とする請求項6に記載の熱及び水管理方法。
【請求項8】
前記バリア材料は、透水性ポリマであることを特徴とする請求項6に記載の熱及び水管理方法。
【請求項9】
前記輸送要素は、別個の層であり、
前記別個の層は、アノードのガス拡散層とアノードの電流コレクタ層とのペア、及びカソードのガス拡散層とカソードの電流コレクタ層とのペアからなる群から選択されるペアの2つの層の間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の熱及び水管理方法。
【請求項10】
前記輸送要素の層の少なくとも一部が電気的に伝導性を有し、前記要素の一部が電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項9に記載の熱及び水管理方法。
【請求項11】
前記輸送要素の層は、前記層内に少なくとも1つの切開部を含み、
前記切開部は、ガスが、前記層の面に対して垂直な方向にて前記層を通過できるようにすることを特徴とする請求項9に記載の熱及び水管理方法。
【請求項12】
前記輸送要素の層は、前記層内に少なくとも1つの疎水性領域を含み、
前記疎水性領域は、ガスが、前記層の面に対して垂直な方向にて前記層を通過できるようにすることを特徴とする請求項9に記載の熱及び水管理方法。
【請求項13】
前記疎水性領域は、インクジェット印刷、スクリーン印刷、マスキング、射出成形、粉体加圧、気相合成、及び酸化からなる群から選択されるパターニングプロセスによって形成されることを特徴とする請求項12に記載の熱及び水管理方法。
【請求項14】
前記輸送要素は、電流コレクタと一体化して形成され、
前記電流コレクタは、アノードの電流コレクタ及びカソードの電流コレクタからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の熱及び水管理方法。
【請求項15】
前記輸送要素は、熱輸送部及び水輸送部を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱及び水管理方法。
【請求項16】
前記輸送要素は、電流コレクタの流れ場の一部を形成し、
前記電流コレクタの流れ場は、アノードの流れ場及びカソードの流れ場からなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の熱及び水管理方法。
【請求項17】
前記輸送要素は、前記燃料電池のカソードから前記燃料電池のアノードへ水を輸送することを特徴とする請求項1に記載の熱及び水管理方法。
【請求項18】
前記輸送要素は、電流コレクタ層を覆うような、伝導性を有する、親水性の要素であることを特徴とする請求項1に記載の熱及び水管理方法。
【請求項19】
燃料電池の面方向に沿って熱及び水を管理する管理装置であって、
(a)前記燃料電池の内側から外側まで延在する、熱的に及び電気的に伝導性を有する、親水性の熱及び質量輸送要素と、
(b)前記輸送要素により輸送された電流の供給を受けるべく、前記燃料電池内に設けられる電流コレクタ層と、
(c)前記燃料電池内に設けられるガス拡散層であって、前記ガス拡散層は、前記輸送要素が前記電流コレクタ層と前記ガス拡散層との間に被着されるように設けられる、該ガス拡散層とを含み、
熱が、前記輸送要素に沿って、前記燃料電池の内側にある前記要素の内側部分から前記燃料電池の外側にある前記要素の外側部分へ輸送されるようにし、液体の水が、前記要素に沿って、前記燃料電池の中へ又は前記燃料電池から外へ輸送されるようにし、
また、前記熱が、放射、自由対流及び強制対流のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の前記外側部分から排出されるようにし、前記液体の水が、対流により駆動される蒸発及び移流のうちの任意の組み合わせによって、前記要素の前記外側部分から排出されるようにし、前記水が、移流及び毛細管ウィッキングのうちの任意の組み合わせによって、前記要素の前記外側部分から前記要素の前記内側部分に至るように前記燃料電池に加えられるようにすることを特徴とする熱及び水管理装置。
【請求項20】
前記輸送要素は、透水性を有する、ガス不透過性のバリア材料を前記輸送要素へ含浸させることによって形成されるパターンをさらに含み、
前記バリア材料は、前記燃料電池内のガスと周囲のガスとの接触を防止し、
前記バリア材料から形成されるパターンは、インクジェット印刷、スクリーン印刷、及びマスキングからなる群から選択されるパターニングプロセスによって形成されることを特徴とする請求項19に記載の熱及び水管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−538509(P2009−538509A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512165(P2009−512165)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/012496
【国際公開番号】WO2007/139940
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】