説明

燃料電池スタック

【課題】燃料電池スタックにおいて、複数の単セルの積層方向についての長さを短くする。
【解決手段】燃料電池スタックは、放熱部12Urhを有するセパレータ12Uと、放熱部12Lrhを有するセパレータ12Lとを備える。第1の膜電極接合体ユニット11(1)、および、第2の膜電極接合体ユニット11(2)において発生した熱は、セパレータ12Uにおける放熱部12Urhから、放熱絶縁シート60、および、上側ヒートシンク50Uを介して、燃料電池スタックの外部に放熱される。また、第2の膜電極接合体ユニット11(2)、および、第3の膜電極接合体ユニット11(3)において発生した熱は、セパレータ12Lにおける放熱部12Lrhから、放熱絶縁シート60、および、下側ヒートシンク50Lを介して、燃料電池スタックの外部に放熱される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池は、一般に、複数の単セル、すなわち、膜電極接合体を、セパレータを介在させて、積層させた燃料電池スタックの形態で利用される。このような燃料電池スタックにおいて、膜電極接合体は、発電時に上記電気化学反応によって発熱する。このため、燃料電池スタックには、膜電極接合体を冷却するための冷却媒体を流す冷却媒体流路が設けられる。そして、この冷却媒体流路は、一般に、冷却媒体が膜電極接合体の表面方向に沿って流れるように、セパレータに設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−162842号公報
【特許文献2】特開2000−353536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記冷却媒体流路をセパレータに設けると、冷却媒体流路を設けるためのスペースを確保するために、セパレータの厚さを厚くする必要がある。このため、燃料電池スタックにおいて、複数の単セルの積層方向についての長さが長くなり、燃料電池スタックの大型化を招く。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池スタックにおいて、複数の単セルの積層方向についての長さを短くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合してなる膜電極接合体を、セパレータを介在させて、複数積層することによって構成される燃料電池スタックであって、略矩形形状を有する第1の膜電極接合体と、前記第1の膜電極接合体と略同一の形状を有し、前記第1の膜電極接合体と隣接して配置された第2の膜電極接合体と、前記第1および第2の膜電極接合体と略同一の形状を有し、前記第2の膜電極接合体に対して前記第1の膜電極接合体とは反対側に隣接して配置された第3の膜電極接合体と、前記第1の膜電極接合体のカソードに当接するとともに、前記第1の膜電極接合体における第1の長辺よりも外側に突出する突出部を有する第1のカソード当接部と、前記第2の膜電極接合体のアノードに当接するとともに、前記第1の膜電極接合体における第1の長辺と同じ側の、前記第2の膜電極接合体における第1の長辺よりも外側に突出する突出部を有する第1のアノード当接部と、前記第1のカソード当接部における前記突出部と前記第1のアノード当接部における前記突出部とを接続する第1の接続部と、を有する第1のセパレータと、前記第2の膜電極接合体のカソードに当接するとともに、前記第2の膜電極接合体における前記第1の長辺と対向する第2の長辺よりも外側に突出する突出部を有する第2のカソード当接部と、前記第3の膜電極接合体のアノードに当接するとともに、前記第2の膜電極接合体における前記第2の長辺と同じ側の、前記第3の膜電極接合体における第2の長辺よりも外側に突出する突出部を有する第2のアノード当接部と、前記第2のカソード当接部における前記突出部と前記第2のアノード当接部における前記突出部とを接続する第2の接続部と、を有する第2のセパレータと、冷却媒体を流すための冷却媒体流路を内部に有するヒートシンクと、を備え、前記第1のセパレータにおける前記第1の接続部は、前記第1のカソード当接部と前記第1のアノード当接部とを電気的に接続するとともに、前記第1および第2の膜電極接合体において発生した熱を、前記第1のカソード当接部および前記第1のアノード当接部を介して受け取って、前記ヒートシンクに放熱するように構成されており、前記第2のセパレータにおける前記第2の接続部は、前記第2のカソード当接部と前記第2のアノード当接部とを電気的に接続するとともに、前記第2および第3の膜電極接合体において発生した熱を、前記第2のカソード当接部および前記第2のアノード当接部を介して受け取って、前記ヒートシンクに放熱するように構成されている、燃料電池スタック。
【0008】
ここで、例えば、「第1の膜電極接合体と隣接して配置された第2の膜電極接合体」との文言において、「隣接して配置された」とは、第1の膜電極接合体と第2の膜電極接合体との間に他の膜電極接合体が存在しないことを意味している。
【0009】
適用例1の燃料電池スタックでは、セパレータに冷却媒体流路を設けることなく、上記第1セパレータにおける上記第1の接続部、および、上記第2のセパレータにおける上記第2の接続部から膜電極接合体において発生した熱を放熱することができる。したがって、燃料電池スタックにおいて、複数の単セルの積層方向についての長さを短くすることができる。この結果、燃料電池スタックの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100の概略構成を示す斜視図である。
【図2】膜電極接合体ユニット11の概略構造を示す説明図である。
【図3】曲げ加工される前のセパレータ12U、および、セパレータ12Lの平面図である。
【図4】図1におけるA−A断面図である。
【図5】燃料電池スタック100の断面構造を示す説明図である。
【図6】絶縁部材70を示す説明図である。
【図7】下側ヒートシンク50L、および、上側ヒートシンク50Uの内部構造を示す説明図である。
【図8】第2実施例の燃料電池スタックにおける膜電極接合体ユニット11Aの概略構成を示す説明図である。
【図9】曲げ加工される前のセパレータ12UAおよびセパレータ12LAの平面図である。
【図10】第2実施例の燃料電池スタックの断面構造を示す説明図である。
【図11】第2実施例のセパレータ12UAの変形例としてのセパレータ12UBの形状を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.第1実施例:
A1.燃料電池スタックの構成:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100の概略構成を示す斜視図である。この燃料電池スタック100は、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合した膜電極接合体を、セパレータを介在させて、複数積層させたスタック構造を有している。本実施例では、電解質膜として、固体高分子膜を用いるものとした。電解質として、固体酸化物等、他の電解質を用いるものとしてもよい。なお、燃料電池スタック100における膜電極接合体の積層数は、燃料電池スタック100に要求される出力に応じて任意に設定可能である。
【0012】
燃料電池スタック100は、複数の単セル10の積層体の積層方向についての両端部に、それぞれ、集電板20と、絶縁板30と、エンドプレート40と、をこの順に配置し、これらの積層方向に所定の荷重を加え、図示しない締結部材によって締結することによって構成されている。本実施例では、これらは、それぞれ略矩形形状を有しているものとした。そして、燃料電池スタック100内部には、燃料ガスとしての水素を各膜電極接合体に分配して供給するための水素供給マニホールドや、酸化剤ガスとしての空気を各膜電極接合体に分配して供給するための空気供給マニホールドや、各膜電極接合体のアノードから排出されるアノードオフガスを集合させて燃料電池スタック100の外部に排出するためのアノードオフガス排出マニホールドや、各膜電極接合体のカソードから排出されるカソードオフガスを集合させて燃料電池スタック100の外部に排出するためのカソードオフガス排出マニホールドが形成されている。
【0013】
そして、図示するように、一方のエンドプレート40の下側長辺の内側には、下側長辺に沿って、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給口40aiが形成されている。また、このエンドプレート40の上側長辺の内側には、上側長辺に沿って、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出口40aoが形成されている。また、このエンドプレート40の左側短辺の内側には、左側短辺に沿って、水素供給マニホールドを構成する水素供給口40hiが形成されている。また、このエンドプレート40の右側短辺の内側には、右側短辺に沿って、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出口40hoが形成されている。
【0014】
なお、本実施例の燃料電池スタック100では、4つの空気供給口40ai、および、4つのカソードオフガス排出口40aoの形状は、すべて同一の矩形形状とした。また、4つの空気供給口40ai、および、4つのカソードオフガス排出口40aoは、互いに対向する位置に形成されるものとした。また、水素供給口40hi、および、アノードオフガス排出口40hoの形状は、同一の矩形形状とした。また、水素供給口40hi、および、アノードオフガス排出口40hoは、互いに対向する位置に形成されるものとした。
【0015】
また、本実施例の燃料電池スタック100において、複数の単セル10の積層体の下面、および、上面には、それぞれ、複数の単セル10の積層体からの放熱を行うための、換言すれば、後述するセパレータを冷却するための金属製の部材からなる下側ヒートシンク50Lと、上側ヒートシンク50Uとが配置されている。なお、複数の単セル10の積層体の下面と下側ヒートシンク50Lとの間の全面、および、複数の単セル10の積層体の上面と上側ヒートシンク50Uとの間の全面には、後述する放熱絶縁シート(図示省略)が配置されている。この放熱絶縁シートによって、セパレータと下側ヒートシンク50Lとの絶縁、および、セパレータと上側ヒートシンク50Uとの絶縁を確保することができる。そして、下側ヒートシンク50Lと上側ヒートシンク50Uとは、複数の単セル10の積層体および上記放熱絶縁シートを加圧するように、複数のボルト80bおよびナット80nによって締結されている。
【0016】
なお、上記放熱絶縁シートのヤング率は、複数の単セル10の積層体のヤング率よりも小さく設定されている。したがって、下側ヒートシンク50Lと上側ヒートシンク50Uとを締結したときに複数の単セル10の積層体に加わる圧力は、上記放熱絶縁シートによって緩和される。また、下側ヒートシンク50L、および、50U上側ヒートシンク50Uによるセパレータの冷却性能(放熱性能)の向上を図ることができる。
【0017】
集電板20は、緻密質カーボンや、銅板などのガス不透過な導電性部材によって形成されている。集電板20には、それぞれ図示しない出力端子が設けられており、燃料電池スタック100で発電した電力を出力可能となっている。また、絶縁板30は、ゴムや、樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。また、エンドプレート40は、剛性を確保するために、鋼等の金属によって形成されている。
【0018】
A2.単セルの積層体の構成:
複数の単セル10の積層体は、以下に説明するように、膜電極接合体MEA(MEA:Membrane Electrode Assembly)の周囲にフレーム状のシールガスケットを形成したユニット(以下、膜電極接合体ユニットと呼ぶ)と、2種類のセパレータとを交互に配置して積層することによって構成されている。
【0019】
A2.1.膜電極接合体ユニット:
図2は、膜電極接合体ユニット11の概略構造を示す説明図である。図2(a)に、膜電極接合体ユニット11のカソード側から見た平面図を示した。また、図2(b)に、図2(a)におけるA−A断面図を示した。
【0020】
図2(a)に示したように、膜電極接合体ユニット11は、矩形形状を有しており、矩形形状を有する膜電極接合体MEAの周囲に、シールガスケット11Sを形成したものである。膜電極接合体MEAは、図2(b)に示したように、電解質膜110の両面に、それぞれ、カソード112c(カソード側触媒層112cc、カソード側ガス拡散層112cd)、および、アノード112a(アノード側触媒層112ac、アノード側ガス拡散層112ad)を接合したものである。カソード側触媒層112cc、および、アノード側触媒層112acは、例えば、白金を担持したカーボンブラックとアイオノマとからなる。また、カソード側ガス拡散層112cd、および、アノード側ガス拡散層112adとしては、例えば、カーボンクロスや、カーボンペーパ等を適用可能である。
【0021】
そして、シールガスケット11Sの下側長辺部の膜電極接合体MEAの近傍領域には、シールガスケット11Sの下側長辺に沿って、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔11aiが形成されている。各空気供給用貫通孔11aiの形状は、エンドプレート40に形成された各空気供給口40aiの形状と同じである。また、各空気供給用貫通孔11aiの形成位置は、エンドプレート40に形成された各空気供給口40aiの形成位置とそれぞれ対応している。
【0022】
また、シールガスケット11Sの上側長辺部の膜電極接合体MEAの近傍領域には、シールガスケット11Sの上側長辺に沿って、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出用貫通孔11aoが形成されている。各カソードオフガス排出用貫通孔11aoの形状は、エンドプレート40に形成された各カソードオフガス排出口40aoの形状と同じである。また、各カソードオフガス排出用貫通孔11aoの形成位置は、エンドプレート40に形成された各カソードオフガス排出口40aoの形成位置とそれぞれ対応している。
【0023】
また、シールガスケット11Sの左側短辺部の膜電極接合体MEAの近傍領域には、シールガスケット11Sの左側短辺に沿って、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔11hiが形成されている。水素供給用貫通孔11hiの形状は、エンドプレート40に形成された水素供給口40hiの形状と同じである。また、水素供給用貫通孔11hiの形成位置は、エンドプレート40に形成された水素供給口40hiの形成位置と対応している。
【0024】
また、シールガスケット11Sの右側短辺部の膜電極接合体MEAの近傍領域には、シールガスケット11Sの右側短辺に沿って、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔11hoが形成されている。アノードオフガス排出用貫通孔11hoの形状は、エンドプレート40に形成されたアノードオフガス排出口40hoの形状と同じである。また、アノードオフガス排出用貫通孔11hoの形成位置は、エンドプレート40に形成されたアノードオフガス排出口40hoの形成位置と対応している。
【0025】
A2.2.セパレータ:
本実施例の燃料電池スタック100は、2種類のセパレータ、すなわち、セパレータ12U、および、セパレータ12Lを備えている。本実施例では、セパレータ12U、および、セパレータ12Lとして、導電率および熱伝導率が比較的高く、また、耐食性に優れたチタンを用いるものとした。セパレータ12U、および、セパレータ12Lとして、チタンの代わりに、ステンレス鋼やアルミニウム等、他の金属材料を用いるものとしてもよい。なお、セパレータ12U、および、セパレータ12Lは、それぞれ、後述するように、曲げ加工されて利用される。
【0026】
図3は、曲げ加工される前のセパレータ12U、および、セパレータ12Lの平面図である。図3(a)に、セパレータ12Uを膜電極接合体MEAと当接する面側から見たときの平面図を示した。また、図3(b)に、セパレータ12Lを膜電極接合体MEAと当接する面側から見たときの平面図を示した。
【0027】
図3(a)に示したように、セパレータ12Uは、矩形形状を有しており、燃料電池スタック100において、膜電極接合体ユニット11における膜電極接合体MEAのカソード112cと当接するカソード当接部12Uccと、膜電極接合体ユニット11における膜電極接合体MEAのアノード112aと当接するアノード当接部12Ucaと、放熱部12Urhとを備えている。カソード当接部12Ucc、および、アノード当接部12Ucaの短辺の長さは同じである。
【0028】
カソード当接部12Uccには、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔12aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出口12aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔12hiと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔12hoとが形成されている。そして、カソード当接部12Uccの表面には、膜電極接合体MEAにおけるカソード112cの表面に沿って、空気供給用貫通孔12aiからカソードオフガス排出口12aoに、空気およびカソードオフガスを流すためのカソードガス流路を構成するリブ12ar、および、溝12adが形成されている。リブ12ar、および、溝12adの形状は、空気およびカソードオフガスの圧力損失等を考慮して、任意に設計可能である。
【0029】
また、アノード当接部12Ucaにも、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔12aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出口12aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔12hiと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔12hoとが形成されている。そして、アノード当接部12Ucaの表面には、膜電極接合体MEAにおけるアノード112aの表面に沿って、水素供給用貫通孔12hiからアノードオフガス排出用貫通孔12hoに、水素およびアノードオフガスを流すためのアノードガス流路を構成するリブ12hr、および、溝12hdが形成されている。リブ12hr、および、溝12hdの形状は、水素およびアノードオフガスの圧力損失等を考慮して、任意に設計可能である。
【0030】
なお、セパレータ12Uは、カソード当接部12Uccに形成された各空気供給用貫通孔12ai、各カソードオフガス排出口12ao、水素供給用貫通孔12hi、アノードオフガス排出用貫通孔12hoと、アノード当接部12Ucaに形成された各空気供給用貫通孔12ai、各カソードオフガス排出口12ao、水素供給用貫通孔12hi、アノードオフガス排出用貫通孔12hoとがそれぞれ互いに一致するように、カソード当接部12Uccと放熱部12Urhとの境界、および、アノード当接部12Ucaと放熱部12Urhとの境界で、図の手前側に曲げ加工される。セパレータ12Uにおける各貫通孔の形状は、エンドプレート40や、膜電極接合体ユニット11における各貫通孔の形状と同じである。また、セパレータ12Uにおける各貫通孔の形成位置は、エンドプレート40や、膜電極接合体ユニット11における各貫通孔の形成位置と対応している。
【0031】
また、図3(b)に示したように、セパレータ12Lは、矩形形状を有しており、燃料電池スタック100において、膜電極接合体ユニット11における膜電極接合体MEAのカソード112cと当接するカソード当接部12Lccと、膜電極接合体ユニット11における膜電極接合体MEAのアノード112aと当接するアノード当接部12Lcaと、放熱部12Lrhとを備えている。カソード当接部12Lcc、および、アノード当接部12Lcaの短辺の長さは同じである。
【0032】
アノード当接部12Lcaには、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔12aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出口12aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔12hiと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔12hoとが形成されている。そして、アノード当接部12Lcaの表面には、膜電極接合体MEAにおけるアノード112aの表面に沿って、水素供給用貫通孔12hiからアノードオフガス排出用貫通孔12hoに、水素およびアノードオフガスを流すためのアノードガス流路を構成するリブ12hr、および、溝12hdが形成されている。リブ12hr、および、溝12hdの形状は、水素およびアノードオフガスの圧力損失等を考慮して、任意に設計可能である。
【0033】
また、カソード当接部12Lccにも、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔12aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出口12aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔12hiと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔12hoとが形成されている。そして、カソード当接部12Lccの表面には、膜電極接合体MEAにおけるカソード112cの表面に沿って、空気供給用貫通孔12aiからカソードオフガス排出口12aoに、空気およびカソードオフガスを流すためのカソードガス流路を構成するリブ12ar、および、溝12adが形成されている。リブ12ar、および、溝12adの形状は、空気およびカソードオフガスの圧力損失等を考慮して、任意に設計可能である。
【0034】
なお、セパレータ12Lは、カソード当接部12Lccに形成された各空気供給用貫通孔12ai、各カソードオフガス排出口12ao、水素供給用貫通孔12hi、アノードオフガス排出用貫通孔12hoと、アノード当接部12Lcaに形成された各空気供給用貫通孔12ai、各カソードオフガス排出口12ao、水素供給用貫通孔12hi、アノードオフガス排出用貫通孔12hoとがそれぞれ互いに一致するように、アノード当接部12Lcaと放熱部12Lrhとの境界、および、カソード当接部12Lccと放熱部12Lrhとの境界で、図の手前側に曲げ加工される。セパレータ12Lにおける各貫通孔の形状は、エンドプレート40や、膜電極接合体ユニット11における各貫通孔の形状と同じである。また、セパレータ12Lにおける各貫通孔の形成位置は、エンドプレート40や、膜電極接合体ユニット11における各貫通孔の形成位置と対応している。
【0035】
A3.燃料電池スタックの断面構造:
図4は、図1におけるA−A断面図である。図4において、破線で囲われた矩形領域は、先に説明した膜電極接合体MEAに対応する領域を示している。なお、図4では、下側ヒートシンク50L、および、上側ヒートシンク50Uの断面についての図示は省略されている。
【0036】
図示するように、セパレータ12Uにおける各空気供給用貫通孔12aiと、セパレータ12Lにおける各空気供給用貫通孔12aiと、膜電極接合体ユニット11における各空気供給用貫通孔11aiとは一致している。また、セパレータ12Uにおける各カソードオフガス排出口12aoと、セパレータ12Lにおける各カソードオフガス排出口12aoと、膜電極接合体ユニット11における各カソードオフガス排出用貫通孔11aoとは一致している。また、セパレータ12Uにおける水素供給用貫通孔12hiと、セパレータ12Lにおける水素供給用貫通孔12hiと、膜電極接合体ユニット11における水素供給用貫通孔11hiとは一致している。また、セパレータ12Uにおけるアノードオフガス排出用貫通孔12hoと、セパレータ12Lにおけるアノードオフガス排出用貫通孔12hoと、膜電極接合体ユニット11におけるアノードオフガス排出用貫通孔11hoとは一致している。
【0037】
図5は、燃料電池スタック100の断面構造を示す説明図である。図5では、燃料電池スタック100の一部の側断面図を示した。なお、図5においても、図4と同様に、下側ヒートシンク50L、および、上側ヒートシンク50Uの断面についての図示は省略されている。
【0038】
図5において、最も左側に描かれた膜電極接合体ユニット11を、第1の膜電極接合体ユニット11(1)と呼ぶものとする。また、第1の膜電極接合体ユニット11(1)と隣接して配置された膜電極接合体ユニット11(左から2番目に描かれた膜電極接合体ユニット11)を、第2の膜電極接合体ユニット11(2)と呼ぶものとする。また、第2の膜電極接合体ユニット11(2)の第1の膜電極接合体ユニット11(1)とは反対側に隣接して配置された膜電極接合体ユニット11(左から3番目に描かれた膜電極接合体ユニット11)を、第3の膜電極接合体ユニット11(3)と呼ぶものとする。
【0039】
図示するように、燃料電池スタック100において、セパレータ12Uにおけるカソード当接部12Uccは、第1の膜電極接合体ユニット11(1)における膜電極接合体MEAのカソード112cに当接する。また、セパレータ12Uにおけるアノード当接部12Ucaは、第2の膜電極接合体ユニット11(2)における膜電極接合体MEAのアノード112aに当接する。そして、カソード当接部12Uccは、第1の膜電極接合体ユニット11(1)の上側長辺よりも外側に突出する突出部12Ucpを有している。また、アノード当接部12Ucaは、第2の膜電極接合体ユニット11(2)の上側長辺よりも外側に突出する突出部12Ucpを有している。セパレータ12Uは、[課題を解決するための手段]における第1のセパレータに相当する。また、放熱部12Urhは、[課題を解決するための手段]における第1の接続部に相当する。
【0040】
また、燃料電池スタック100において、セパレータ12Lにおけるカソード当接部12Lccは、第2の膜電極接合体ユニット11(2)における膜電極接合体MEAのカソード112cに当接する。また、セパレータ12Lにおけるアノード当接部12Lcaは、第3の膜電極接合体ユニット11(3)における膜電極接合体MEAのアノード112aに当接する。そして、カソード当接部12Lccは、第2の膜電極接合体ユニット11(2)の下側長辺よりも外側に突出する突出部12Lcpを有している。また、アノード当接部12Lcaは、第3の膜電極接合体ユニット11(3)の下側長辺よりも外側に突出する突出部12Lcpを有している。セパレータ12Lは、[課題を解決するための手段]における第2のセパレータに相当する。また、放熱部12Lrhは、[課題を解決するための手段]における第2の接続部に相当する。
【0041】
また、セパレータ12Uにおける放熱部12Urhと、上側ヒートシンク50Uとの間には、放熱絶縁シート60が挟持されている。そして、セパレータ12Uにおける放熱部12Urhのほぼ全面が、放熱絶縁シート60と接触している。また、セパレータ12Lにおける放熱部12Lrhと、下側ヒートシンク50Lとの間にも、放熱絶縁シート60が挟持されている。そして、セパレータ12Lにおける放熱部12Lrhのほぼ全面が、放熱絶縁シート60と接触している。放熱絶縁シート60は、例えば、シリコーンゴムに熱伝導性を高める性質を有する添加物を添加することによって作製される。
【0042】
このような燃料電池スタック100では、発電時に、第1の膜電極接合体ユニット11(1)、および、第2の膜電極接合体ユニット11(2)において発生した熱は、セパレータ12Uにおけるカソード当接部12Ucc、および、アノード当接部12Ucaを介して、放熱部12Urhに伝導する。そして、この熱は、さらに、放熱部12Urhから放熱絶縁シート60、上側ヒートシンク50Uに伝導して、燃料電池スタック100の外部に放熱される。また、発電時に、第2の膜電極接合体ユニット11(2)、および、第3の膜電極接合体ユニット11(3)において発生した熱は、セパレータ12Lにおけるカソード当接部12Lcc、および、アノード当接部12Lcaを介して、放熱部12Lrhに伝導する。そして、この熱は、さらに、放熱部12Lrhから放熱絶縁シート60、下側ヒートシンク50Lに伝導して、燃料電池スタック100の外部に放熱される。
【0043】
また、燃料電池スタック100において、隣接するセパレータ12U間、および、隣接するセパレータ12L間には、図示するように、絶縁部材70が配置されている。この絶縁部材70としては、例えば、ゴムや樹脂を用いることができる。
【0044】
図6は、絶縁部材70を示す説明図である。図7の左側に、絶縁部材70の平面図を示した。また、図7の右側に、絶縁部材70の側面図を示した。図7の左側に示したように、絶縁部材70は、略矩形形状を有している。そして、絶縁部材70には、セパレータ12U、および、セパレータ12Lにおける各空気供給用貫通孔12ai、および、カソードオフガス排出口12aoと対応する位置に、それぞれ、貫通孔70aが形成されている。また、絶縁部材70には、セパレータ12U、および、セパレータ12Lにおける水素供給用貫通孔12hi、および、アノードオフガス排出用貫通孔12hoと対応する位置に、それぞれ、貫通孔70hが形成されている。なお、絶縁部材70における図示した上辺から上側の貫通孔70aまでの距離L1と、図示した下辺から下側の貫通孔70aまでの距離L2とは異なっている(L1<L2)。そして、隣接するセパレータ12U間に絶縁部材70を配置する場合と、隣接するセパレータ12L間に絶縁部材70を配置する場合とでは、図5,6から分かるように、適宜、絶縁部材70を上下反転させて利用される。
【0045】
上述したように、隣接するセパレータ12U間、および、隣接するセパレータ12L間に、絶縁部材70を配置することによって、隣接するセパレータ12U間、および、隣接するセパレータ12L間の絶縁を確保し、燃料電池スタック100における直列回路を確保することができる。
【0046】
また、絶縁部材70の長辺部には、長辺部全体に亘って、円柱形の突起部70pが形成されている。なお、両突起部70p間の距離L3は、セパレータ12Uにおけるカソード当接部12Ucc、および、アノード当接部12Ucaの短辺の長さ、および、セパレータ12Lにおけるカソード当接部12Lcc、および、アノード当接部12Lcaの短辺の長さと同じである。
【0047】
上述したように、絶縁部材70の長辺部に突起部70pを設けることによって、隣接するセパレータ12U間、および、セパレータ12L間の沿面距離を、突起部70pを設けない場合よりも長くして、隣接するセパレータ12U間、および、セパレータ12L間の絶縁性を向上させることができる。また、絶縁部材70における両突起部70p間の距離L3が、セパレータ12Uにおけるカソード当接部12Ucc、および、アノード当接部12Ucaの短辺の長さ、および、セパレータ12Lにおけるカソード当接部12Lcc、および、アノード当接部12Lcaの短辺の長さと同じであるので、突起部70pにセパレータ12U,12Lの長辺端部を当接させることによって、複数のセパレータ12U,12Lを積層するときの位置合わせを容易に行うことができる。また、突起部70pによって、複数のセパレータ12U,12Lの位置ずれを防止し、セパレータ12Uとセパレータ12Lとの短絡を防止することもできる。
【0048】
A4.ヒートシンクの内部構造:
図7は、下側ヒートシンク50L、および、上側ヒートシンク50Uの内部構造を示す説明図である。図7(a)に、図4におけるA−A断面図、すなわち、下側ヒートシンク50Lの断面図を示した。また、図7(b)に、図4におけるB−B断面図、すなわち、上側ヒートシンク50Uの断面図を示した。また、図7(a),(b)中に、冷却媒体の流れを矢印で示した。本実施例では、冷却媒体として、LLC(ロングライフクーラント)を用いるものとした。冷却媒体として、他の液体や気体を用いるものとしてもよい。
【0049】
図7(a)に示したように、下側ヒートシンク50Lの側面には、冷却媒体供給口50Li、および、冷却媒体排出口50Loが設けられている。そして、下側ヒートシンク50Lの内部には、冷却媒体供給口50Liから供給された冷却媒体が、膜電極接合体MEAの積層方向に対して平行に流れるとともに、蛇行して流れ、冷却媒体排出口50Loから排出されるように、冷却媒体流路が形成されている。この冷却媒体流路は、リブ50Lr、および、溝50Ldによって構成されている。
【0050】
また、図7(b)に示したように、上側ヒートシンク50Uの側面には、冷却媒体供給口50Ui、および、冷却媒体排出口50Uoが設けられている。そして、上側ヒートシンク50Uの内部にも、冷却媒体供給口50Uiから供給された冷却媒体が、膜電極接合体MEAの積層方向に対して平行に流れるとともに、蛇行して流れ、冷却媒体排出口50Uoから排出されるように、冷却媒体流路が形成されている。この冷却媒体流路は、リブ50Ur、および、溝50Udによって構成されている。なお、下側ヒートシンク50Lにおける冷却媒体排出口50Loから排出された冷却媒体は、上側ヒートシンク50Uにおける冷却媒体供給口50Uiに供給される。
【0051】
上述したように、下側ヒートシンク50L、および、上側ヒートシンク50Uにおいて、冷却媒体を膜電極接合体MEAの積層方向に対して平行に流すことによって、積層された複数の膜電極接合体MEA間の温度差、温度のバラツキを小さくすることができる。また、冷却媒体を下側ヒートシンク50L側から流すことによって、膜電極接合体MEAにおける空気の入口側の領域を効果的に冷却し、空気の入口側の領域におけるドライアップを抑制することができる。また、下側ヒートシンク50Lから排出された冷却媒体を上側ヒートシンク50Uに流すことによって、上側ヒートシンク50U内を流れる冷却媒体の温度を、下側ヒートシンク50L内を流れる冷却媒体の温度よりも高くすることができる。したがって、膜電極接合体MEAにおける空気(カソードオフガス)の出口側の領域の温度を比較的高くし、空気(カソードオフガス)の出口側の領域におけるフラッディングを抑制することができる。
【0052】
以上説明した第1実施例の燃料電池スタック100によれば、発電時に、膜電極接合体MEAにおいて発生した熱を、セパレータ12Uにおける放熱部12Urh、および、セパレータ12Lにおける放熱部12Lrhから放熱することができる。したがって、燃料電池スタック100において、各膜電極接合体MEAの間に配置されるセパレータに冷却媒体を流す冷却媒体流路を備える必要がない。この結果、燃料電池スタック100における複数の単セル10の積層方向についての長さを短くすることができる。
【0053】
また、本実施例の燃料電池スタック100では、セパレータ12U,12Lにおいて、突出部12Ucp,12Lcp、および、放熱部12Urh,12Lrhは、膜電極接合体ユニット11の長辺側に設けられている。したがって、これらが膜電極接合体ユニット11の短辺側に設けられる場合よりも、膜電極接合体MEAにおいて発生した熱が放熱部に伝導するまでの距離を短くし、また、放熱部12Urh,12Lrhの面積を大きくすることが可能となり、効率よく放熱することができる。
【0054】
また、セパレータに冷却媒体流路(冷却水流路)を設ける場合には、セパレータに電位がかかっているので、漏電を防止するために、冷却媒体として、比較的高価ないわゆる絶縁冷媒を使用する必要があるが、本実施例の燃料電池スタック100では、冷却媒体流路が形成された下側ヒートシンク50L、および、上側ヒートシンク50Uには、電位がかかっていないので、冷却媒体として、比較的安価な、例えば、LLC(ロングライフクーラント)を使用することができる。
【0055】
また、従来の燃料電池スタックでは、セパレータの一方の面にガス流路(アノードガス流路、または、カソードガス流路)を形成し、他方の面に冷却媒体流路を形成する場合があった。この場合、図示は省略するが、セパレータの厚さを薄くするために、セパレータの断面形状が波型とされ、セパレータの両面における各凹部が、ガス流路、または、冷却媒体流路として用いられる場合があった。そして、このようなセパレータでは、ガス流路の設計と冷却媒体流路の設計とが互いに直接的に影響するため、ガス流路を最適に設計することが困難だった。これに対し、本実施例の燃料電池スタック100では、膜電極接合体MEA間に冷却媒体流路を設けないので、セパレータ12U、および、セパレータ12Lにおけるアノードガス流路、および、カソードガス流路を、それぞれ、最適に設計することができる。
【0056】
B.第2実施例:
B1.燃料電池スタックの構成:
第2実施例の燃料電池スタックの構成は、膜電極接合体ユニット、および、セパレータ以外は、第1実施例の燃料電池スタック100の構成と同じである。以下、第2実施例の燃料電池スタックにおける膜電極接合体ユニット、セパレータ、および、燃料電池スタックの断面構造について説明する。
【0057】
B2.膜電極接合体ユニット:
図8は、第2実施例の燃料電池スタックにおける膜電極接合体ユニット11Aの概略構成を示す説明図である。図8(a)に、膜電極接合体ユニット11Aのカソード側から見た平面図を示した。また、図8(b)に、図8(a)におけるA−A断面図を示した。
【0058】
図示するように、膜電極接合体ユニット11Aは、矩形形状を有しており、矩形形状を有する膜電極接合体MEAの周囲に、シールガスケット11Sを形成し、膜電極接合体MEAのカソード112c上、および、アノード112a上に、それぞれ、カソード側金属多孔体114c、および、アノード側金属多孔体114aを積層したものである。カソード側金属多孔体114cは、膜電極接合体MEAのカソード112cの表面に沿って、空気、および、カソードオフガスを流すためのカソードガス流路を構成する。また、アノード側金属多孔体114aは、膜電極接合体MEAのアノード112aの表面に沿って、水素、および、アノードオフガスを流すためのガス流路を構成する。
【0059】
なお、カソード側金属多孔体114c、および、アノード側金属多孔体114aは、導電性を有しており、それぞれ、カソード112c、および、アノード112aの一部としても機能する。また、本実施例では、アノード側金属多孔体114a、および、カソード側金属多孔体114cとして、発泡金属焼結体を用いるものとした。発泡金属焼結体の代わりに、例えば、金属メッシュや、エキスパンドメタル等、導電性、および、ガス拡散性を有する他の金属多孔体を用いるようにしてもよい。
【0060】
シールガスケット11SAには、第1実施例におけるシールガスケット11Sと同様に、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔11aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出用貫通孔11aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔11hiと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔11hoが形成されている。
【0061】
なお、本実施例のシールガスケット11SAにおける膜電極接合体MEAのカソード112c側の表面には、各空気供給用貫通孔11aiからカソードガス流路としてのカソード側金属多孔体114cに連通する複数の空気連通流路11aipが形成されている。また、シールガスケット11SAにおける膜電極接合体MEAのカソード112c側の表面には、カソード側金属多孔体114cから各カソードオフガス排出用貫通孔11aoに連通する複数のカソードオフガス連通流路11aopが形成されている。また、シールガスケット11SAにおける膜電極接合体MEAのアノード112a側の表面には、水素供給用貫通孔11hiからアノードガス流路としてのアノード側金属多孔体114aに連通する複数の水素連通流路11hipが形成されている。また、シールガスケット11SAにおける膜電極接合体MEAのアノード112a側の表面には、アノード側金属多孔体114aから各アノードオフガス排出用貫通孔11hoに連通するアノードオフガス連通流路11hopが形成されている。
【0062】
B3.セパレータ:
第2実施例の燃料電池スタックも、第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、2種類のセパレータ、セパレータ12UA、および、セパレータ12LAを備えている。そして、セパレータ12UA、および、セパレータ12LAも、第1実施例におけるセパレータ12U、および、セパレータ12Lと同様に、曲げ加工されて利用される。
【0063】
図9は、曲げ加工される前のセパレータ12UA、および、セパレータ12LAの平面図である。図9(a)に、セパレータ12UAを膜電極接合体ユニット11Aにおけるカソード側金属多孔体114c、および、アノード側金属多孔体114aと当接する面側から見たときの平面図を示した。また、図9(b)に、セパレータ12LAを膜電極接合体ユニット11Aにおけるカソード側金属多孔体114c、および、アノード側金属多孔体114aと当接する面側から見たときの平面図を示した。
【0064】
図9(a)に示したように、セパレータ12UAは、第1実施例におけるセパレータ12Uと同様に、矩形形状を有しており、燃料電池スタックにおいて、膜電極接合体ユニット11Aにおけるカソード側金属多孔体114c(カソード112c)と当接するカソード当接部12UAccと、膜電極接合体ユニット11Aにおけるアノード側金属多孔体114a(アノード112a)と当接するアノード当接部12UAcaと、放熱部12Urhとを備えている。カソード当接部12UAcc、および、アノード当接部12UAcaの短辺の長さは同じである。
【0065】
そして、カソード当接部12UAccには、第1実施例のセパレータ12Uにおけるカソード当接部12Uccと同様に、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔12aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出口12aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔12hiと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔12hoとが形成されている。また、アノード当接部12UAcaにも、第1実施例のセパレータ12Uにおけるアノード当接部12Ucaと同様に、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔12aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出口12aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔12hiと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔12hoとが形成されている。そして、本実施例の燃料電池スタックでは、膜電極接合体ユニット11Aがカソードガス流路としてのカソード側金属多孔体114c、および、アノードガス流路としてのアノード側金属多孔体114aを備えているので、セパレータ12UAは、第1実施例におけるセパレータ12Uと異なり、リブ12arおよび溝12adや、リブ12hrおよび溝12hdを備えていない。
【0066】
なお、セパレータ12UAは、カソード当接部12UAccに形成された各空気供給用貫通孔12ai、各カソードオフガス排出口12ao、水素供給用貫通孔12hi、アノードオフガス排出用貫通孔12hoと、アノード当接部12UAcaに形成された各空気供給用貫通孔12ai、各カソードオフガス排出口12ao、水素供給用貫通孔12hi、アノードオフガス排出用貫通孔12hoとがそれぞれ互いに一致するように、カソード当接部12UAccと放熱部12Urhとの境界、および、アノード当接部12UAcaと放熱部12Urhとの境界で、図の手前側に曲げ加工される。
【0067】
また、図9(b)に示したように、セパレータ12LAは、第1実施例におけるセパレータ12Lと同様に、矩形形状を有しており、燃料電池スタックにおいて、膜電極接合体ユニット11Aにおけるカソード側金属多孔体114c(カソード112c)と当接するカソード当接部12LAccと、膜電極接合体ユニット11Aにおけるアノード側金属多孔体114a(アノード112a)と当接するアノード当接部12LAcaと、放熱部12Lrhとを備えている。カソード当接部12LAcc、および、アノード当接部12LAcaの短辺の長さは同じである。
【0068】
そして、アノード当接部12Lcaには、第1実施例のセパレータ12Uにおけるアノード当接部12Lcaと同様に、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔12aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出口12aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔12hiと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔12hoとが形成されている。また、カソード当接部12LAccにも、第1実施例のセパレータ12Uにおけるカソード当接部12Uccと同様に、空気供給マニホールドを構成する4つの空気供給用貫通孔12aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成する4つのカソードオフガス排出口12aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔12hiと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔12hoとが形成されている。そして、本実施例の燃料電池スタックでは、膜電極接合体ユニット11Aがカソードガス流路としてのカソード側金属多孔体114c、および、アノードガス流路としてのアノード側金属多孔体114aを備えているので、セパレータ12LAは、第1実施例におけるセパレータ12Lと異なり、リブ12arおよび溝12adや、リブ12hrおよび溝12hdを備えていない。
【0069】
なお、セパレータ12LAは、カソード当接部12LAccに形成された各空気供給用貫通孔12ai、各カソードオフガス排出口12ao、水素供給用貫通孔12hi、アノードオフガス排出用貫通孔12hoと、アノード当接部12LAcaに形成された各空気供給用貫通孔12ai、各カソードオフガス排出口12ao、水素供給用貫通孔12hi、アノードオフガス排出用貫通孔12hoとがそれぞれ互いに一致するように、アノード当接部12LAcaと放熱部12Lrhとの境界、および、カソード当接部12LAccと放熱部12Lrhとの境界で、図の手前側に曲げ加工される。
【0070】
B4.燃料電池スタックの断面構造:
図10は、第2実施例の燃料電池スタックの断面構造を示す説明図である。図10では、図5と同様に、第2実施例の燃料電池スタックの一部の側断面図を示した。なお、図10では、下側ヒートシンク50L、および、上側ヒートシンク50Uの断面についての図示は省略されているが、これらの内部構造は、第1実施例と同じである(図7参照)。
【0071】
図10において、最も左側に描かれた膜電極接合体ユニット11Aを、第1の膜電極接合体ユニット11A(1)と呼ぶものとする。また、第1の膜電極接合体ユニット11A(1)と隣接して配置された膜電極接合体ユニット11A(左から2番目に描かれた膜電極接合体ユニット11A)を、第2の膜電極接合体ユニット11A(2)と呼ぶものとする。また、第2の膜電極接合体ユニット11A(2)の第1の膜電極接合体ユニット11A(1)とは反対側に隣接して配置された膜電極接合体ユニット11A(左から3番目に描かれた膜電極接合体ユニット11A)を、第3の膜電極接合体ユニット11A(3)と呼ぶものとする。
【0072】
図示するように、第2実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ12UAにおけるカソード当接部12UAccは、第1の膜電極接合体ユニット11A(1)におけるアノード側金属多孔体114a(カソード112c)に当接する。また、セパレータ12UAにおけるアノード当接部12UAcaは、第2の膜電極接合体ユニット11A(2)におけるアノード側金属多孔体114a(アノード112a)に当接する。そして、カソード当接部12UAccは、第1の膜電極接合体ユニット11A(1)の上側長辺よりも外側に突出する突出部12Ucpを有している。また、アノード当接部12UAcaは、第2の膜電極接合体ユニット11A(2)の上側長辺よりも外側に突出する突出部12Ucpを有している。セパレータ12UAは、[課題を解決するための手段]における第1のセパレータに相当する。
【0073】
また、第2実施例の燃料電池スタックにおいて、セパレータ12LAにおけるカソード当接部12LAccは、第2の膜電極接合体ユニット11A(2)におけるカソード側金属多孔体114c(カソード112c)に当接する。また、セパレータ12LAにおけるアノード当接部12LAcaは、第3の膜電極接合体ユニット11A(3)におけるアノード側金属多孔体114a(アノード112a)に当接する。そして、カソード当接部12LAccは、第2の膜電極接合体ユニット11A(2)の下側長辺よりも外側に突出する突出部12Lcpを有している。また、アノード当接部12LAcaは、第3の膜電極接合体ユニット11A(3)の下側長辺よりも外側に突出する突出部12Lcpを有している。セパレータ12LAは、[課題を解決するための手段]における第2のセパレータに相当する。
【0074】
また、第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、セパレータ12UAにおける放熱部12Urhと、上側ヒートシンク50Uとの間には、放熱絶縁シート60が挟持されている。そして、セパレータ12UAにおける放熱部12Urhのほぼ全面が、放熱絶縁シート60と接触している。また、セパレータ12LAにおける放熱部12Lrhと、下側ヒートシンク50Lとの間にも、放熱絶縁シート60が挟持されている。そして、セパレータ12LAにおける放熱部12Lrhのほぼ全面が、放熱絶縁シート60と接触している。
【0075】
このような燃料電池スタックでは、発電時に、第1の膜電極接合体ユニット11A(1)、および、第2の膜電極接合体ユニット11A(2)において発生した熱は、セパレータ12UAにおけるカソード当接部12UAcc、および、アノード当接部12UAcaを介して、放熱部12Urhに伝導する。そして、この熱は、さらに、放熱部12Urhから放熱絶縁シート60、上側ヒートシンク50Uに伝導して、燃料電池スタックの外部に放熱される。また、発電時に、第2の膜電極接合体ユニット11A(2)、および、第3の膜電極接合体ユニット11A(3)において発生した熱は、セパレータ12LAにおけるカソード当接部12LAcc、および、アノード当接部12LAcaを介して、放熱部12Lrhに伝導する。そして、この熱は、さらに、放熱部12Lrhから放熱絶縁シート60、下側ヒートシンク50Lに伝導して、燃料電池スタックの外部に放熱される。
【0076】
また、燃料電池スタックにおいて、隣接するセパレータ12UA間、および、隣接するセパレータ12LA間には、第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、絶縁部材70が配置されている。
【0077】
以上説明した第2実施例の燃料電池スタックによっても、先に説明した第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、発電時に、膜電極接合体MEAにおいて発生した熱を、セパレータ12UAにおける放熱部12Urh、および、セパレータ12LAにおける放熱部12Lrhから放熱することができる。したがって、燃料電池スタックにおいて、各膜電極接合体MEAの間に配置されるセパレータに冷却媒体を流す冷却媒体流路を備える必要がない。この結果、燃料電池スタックにおける複数の単セル10の積層方向についての長さを短くすることができる。
【0078】
C.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
【0079】
C1.変形例1:
上記実施例、例えば、上記第2実施例では、セパレータ12UA,12LAは、それぞれ、1枚の平板を2ヶ所で折り曲げることによって作製されるものとしたが(図9,10参照)、本発明は、これに限られない。
【0080】
図11は、第2実施例のセパレータ12UAの変形例としてのセパレータ12UBの形状を示す説明図である。変形例としてのセパレータ12UBは、図11(a),(b)に示したように、2枚の平板状の部材12UB1,12UB2からなる。図9との比較から分かるように、これらは、それぞれ、図9に示したセパレータ12UAを2つに分割した形状を有している。そして、図11(c)に側面図で示したように、各部材12UB1,12UB2をそれぞれ折り曲げて組み合わせることによって、第2実施例のセパレータ12UAとほぼ同じ形状を有するセパレータ12UBを構成することができる。このような構成は、セパレータ12LAについても同様である。なお、2つの部材12UB1,12UB2の折り曲げ方、組み合わせ方は、適宜、変更可能である。
【0081】
上述したように、例えば、セパレータ12UBを2つの部材12UB1,12UB2によって構成することにより、燃料電池スタックを構成する各部材を順次積層して、燃料電池スタックを製造することができるので、燃料電池スタックを製造するときの作業性を向上させることができる。
【0082】
C2.変形例2:
上記実施例では、上側ヒートシンク50U、および、下側ヒートシンク50Lは、金属製の部材からなり、セパレータ12U,12UAと上側ヒートシンク50Uとの間、および、セパレータ12L,12LAと下側ヒートシンク50Lとの間に放熱絶縁シート60を備えるものとしたが、本発明は、これに限られない。上側ヒートシンク50U、および、下側ヒートシンク50Lを、金属製の部材の代わりに、絶縁性部材によって構成するようにしてもよい。そして、上側ヒートシンク50U、および、下側ヒートシンク50Lを、絶縁性部材によって構成する場合には、放熱絶縁シート60を省略してもよい。
【0083】
C3.変形例3:
上記実施例では、上側ヒートシンク50U、および、下側ヒートシンク50Lは、内部に冷却媒体流路が形成されているものとしたが、本発明は、これに限られない。上側ヒートシンク50U、および、下側ヒートシンク50Lの内部に冷却媒体流路が形成されなくてもよい。
【0084】
C4.変形例4:
上記実施例では、上側ヒートシンク50U、および、下側ヒートシンク50Lにおいて、冷却媒体流路は、それぞれ、冷却媒体が膜電極接合体MEAの積層方向に対して平行に流れるように形成されるものとしたが、本発明は、これに限られない。上側ヒートシンク50U、および、下側ヒートシンク50Lにおいて、冷却媒体流路は、任意に設計可能である。ただし、上記実施例によれば、先に説明したように、積層された複数の膜電極接合体MEA間の温度差、温度のバラツキを小さくすることができるという利点がある。
【0085】
C5.変形例5:
上記第1実施例では、燃料電池スタック100は、上側ヒートシンク50U、および、下側ヒートシンク50Lを備えるものとしたが、本発明は、これに限られない。例えば、上側ヒートシンク50Uを省略するようにしてもよい。また、上側ヒートシンク50U、および、下側ヒートシンク50Lに加えて、さらに、燃料電池スタック100の側面にも、セパレータ12U,12Lを冷却するためのヒートシンクを備えるようにしてもよい。これらは、第2実施例の燃料電池スタックにおいても同様である。
【0086】
C6.変形例6:
上記実施例では、上側ヒートシンク50Uと下側ヒートシンク50Lとは、ボルト80bおよびナット80nによって締結されるものとしたが、他の部材、例えば、バンドによって締結されるものとしてもよい。
【0087】
C7.変形例7:
上記実施例では、燃料電池スタック100において、空気と水素との流れを直交流としたが、対向流、あるいは、並行流としてもよい。この場合、適宜、各種マニホールドの設計変更を行えばよい。
【符号の説明】
【0088】
100…燃料電池スタック
10…単セル
11,11A…膜電極接合体ユニット
110…電解質膜
112a…アノード
112c…カソード
112ac…アノード側触媒層
112ad…アノード側ガス拡散層
112cc…カソード側触媒層
112cd…カソード側ガス拡散層
114a…アノード側金属多孔体
114c…カソード側金属多孔体
11aip…空気連通流路
11aop…カソードオフガス連通流路
11hip…水素連通流路
11hop…アノードオフガス連通流路
11S,11SA…シールガスケット
11ai…空気供給用貫通孔
11ao…カソードオフガス排出用貫通孔
11hi…水素供給用貫通孔
11ho…アノードオフガス排出用貫通孔
12U,12UA,12UB…セパレータ
12Ucc,12UAcc…カソード当接部
12Uca,12UAca…アノード当接部
12Ucp…突出部
12Urh…放熱部
12L,12LA…セパレータ
12Lcc,12LAcc…カソード当接部
12Lca,12LAca…アノード当接部
12Lcp…突出部
12Lrh…放熱部
12ar,12hr…リブ
12ad,12hd…溝
12ai…空気供給用貫通孔
12ao…カソードオフガス排出口
12hi…水素供給用貫通孔
12ho…アノードオフガス排出用貫通孔
20…集電板
30…絶縁板
40…エンドプレート
40ai…空気供給口
40ao…カソードオフガス排出口
40hi…水素供給口
40ho…アノードオフガス排出口
50L…下側ヒートシンク
50Li…冷却媒体供給口
50Lo…冷却媒体排出口
50Lr…リブ
50Ld…溝
50U…上側ヒートシンク
50Ui…冷却媒体供給口
50Uo…冷却媒体排出口
50Ur…リブ
50Ud…溝
60…放熱絶縁シート
70…絶縁部材
70a,70h…貫通孔
70p…突起部
80b…ボルト
80n…ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合してなる膜電極接合体を、セパレータを介在させて、複数積層することによって構成される燃料電池スタックであって、
略矩形形状を有する第1の膜電極接合体と、
前記第1の膜電極接合体と略同一の形状を有し、前記第1の膜電極接合体と隣接して配置された第2の膜電極接合体と、
前記第1および第2の膜電極接合体と略同一の形状を有し、前記第2の膜電極接合体に対して前記第1の膜電極接合体とは反対側に隣接して配置された第3の膜電極接合体と、
前記第1の膜電極接合体のカソードに当接するとともに、前記第1の膜電極接合体における第1の長辺よりも外側に突出する突出部を有する第1のカソード当接部と、前記第2の膜電極接合体のアノードに当接するとともに、前記第1の膜電極接合体における第1の長辺と同じ側の、前記第2の膜電極接合体における第1の長辺よりも外側に突出する突出部を有する第1のアノード当接部と、前記第1のカソード当接部における前記突出部と前記第1のアノード当接部における前記突出部とを接続する第1の接続部と、を有する第1のセパレータと、
前記第2の膜電極接合体のカソードに当接するとともに、前記第2の膜電極接合体における前記第1の長辺と対向する第2の長辺よりも外側に突出する突出部を有する第2のカソード当接部と、前記第3の膜電極接合体のアノードに当接するとともに、前記第2の膜電極接合体における前記第2の長辺と同じ側の、前記第3の膜電極接合体における第2の長辺よりも外側に突出する突出部を有する第2のアノード当接部と、前記第2のカソード当接部における前記突出部と前記第2のアノード当接部における前記突出部とを接続する第2の接続部と、を有する第2のセパレータと、
冷却媒体を流すための冷却媒体流路を内部に有するヒートシンクと、を備え、
前記第1のセパレータにおける前記第1の接続部は、前記第1のカソード当接部と前記第1のアノード当接部とを電気的に接続するとともに、前記第1および第2の膜電極接合体において発生した熱を、前記第1のカソード当接部および前記第1のアノード当接部を介して受け取って、前記ヒートシンクに放熱するように構成されており、
前記第2のセパレータにおける前記第2の接続部は、前記第2のカソード当接部と前記第2のアノード当接部とを電気的に接続するとともに、前記第2および第3の膜電極接合体において発生した熱を、前記第2のカソード当接部および前記第2のアノード当接部を介して受け取って、前記ヒートシンクに放熱するように構成されている、
燃料電池スタック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−272403(P2010−272403A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124067(P2009−124067)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】