燃料電池スタック
【課題】インターコネクタを薄型化したときにも、積層時の変形を防止することができるようにする。
【解決手段】複数の集電突起13を両面にそれぞれ起立形成したセパレータ11を有する燃料電池スタックにおいて、上記複数の集電突起13を互いに対向させて配列したことを特徴としている。セパレータ11よりも集電突起13の強度を大きくし、かつ、その集電突起13よりも単セル22の強度を大きくすると、単セル22に反りや歪みがある場合、セパレータ11が変形することになるため、一方のガス流通路の高さだけが低くなるのを防止し、それらガス流通路の高さのばらつきを緩和することができる。
【解決手段】複数の集電突起13を両面にそれぞれ起立形成したセパレータ11を有する燃料電池スタックにおいて、上記複数の集電突起13を互いに対向させて配列したことを特徴としている。セパレータ11よりも集電突起13の強度を大きくし、かつ、その集電突起13よりも単セル22の強度を大きくすると、単セル22に反りや歪みがある場合、セパレータ11が変形することになるため、一方のガス流通路の高さだけが低くなるのを防止し、それらガス流通路の高さのばらつきを緩和することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターコネクタと単セルとを交互に積層させた燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の燃料電池スタックとして、「燃料電池ユニット」とした名称において特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1に開示された燃料電池ユニットは、単セルとセパレータ板との間に、外縁部を閉塞した扁平なガス室を有するディスク型のものであり、一方の面に複数の弾性突部を設け且つ他方の面を平坦面とした集電プレートを備え、セパレータ板の少なくとも単セル側の面に集電プレートの平坦面を接合して双方を一体化するとともにに、弾性突部を単セルに圧接させた構成のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009‐266533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車載用の固体酸化物型燃料電池(SOFC)としては、急速起動(低熱容量化)、軽量化が大きな課題となっているため、インターコネクタも薄板化する必要がある。
しかしながら、特許文献1に開示された燃料電池ユニットにおいて、インターコネクタを薄板化すると、脆弱となって積層時に変形が生じて、単セルへの集電構造体の押し付け圧力が不足し、また、集電構造体が単セルに接触しないこととなって、集電抵抗が増加、効率低下を招く。
また、ガス流路の高さ(セルとセパレータ間の間隔)として所要の値が得られなくなり、出力低下や温度分布の発生を招来するという未解決の課題がある。
【0005】
そこで本発明は、インターコネクタを薄型化したときにも、積層時の変形を防止できる燃料電池スタックの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、複数の集電突起を両面にそれぞれ起立形成したセパレータを有する燃料電池スタックにおいて、上記複数の集電突起を互いに対向させて配列している。
この構成においては、複数の集電突起を互いに対向させて配列しているので、インターコネクタを薄型化したときにも、積層時の変形を防止できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インターコネクタを薄型化したときにも、積層時の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックの概略外観斜視図である。
【図2】同上の燃料電池スタックの一部を分解して示す分解斜視図である。
【図3】(A)は、セパレータの平面図、(B)は、集電板の平面図、(C)は、それらセパレータと集電板とからなるインターコネクタの組立図である。
【図4】同上の燃料電池スタックの一部をなすインターコネクタの集電突起の拡大斜視図である。
【図5】ガス流通路を流通する発電用ガスの流れを示す燃料電池スタックの一部を分解して示す斜視図である。
【図6】(A)は、図5に示すI‐I線に沿う断面図、(B)は、図5に示すII‐II線に沿う断面図である。
【図7】(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
【図8】集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
【図9】集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
【図10】集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、第一の変形例に係るインターコネクタの示す斜視図、(B)は、そのインターコネクタの分解断面図、(C)は、そのインターコネクタを組み立てて示す断面図である。
【図11】第二の変形例に係るインターコネクタの部分断面図である。
【図12】(A)は、第三の変形例に係るインターコネクタの斜視図、(B)は、そのIV‐IV線に沿う分解断面図、(C)は、そのIV‐IV線に沿う組み立てた状態の断面図である。
【図13】円板形にした燃料電池ユニットの分解斜視図である。
【図14】第四の変形例に係るインターコネクタの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックの概略外観斜視図、図2は、その燃料電池スタックの一部を分解して示す分解斜視図、図3(A)は、セパレータの平面図、(B)は、集電板の平面図、(C)は、それらセパレータと集電板とからなるインターコネクタの組立図である。また、図4は、燃料電池スタックの一部をなすインターコネクタに形成された集電突起の拡大斜視図、図5は、ガス流通路を流通する発電用ガスの流れを示す燃料電池スタックの一部を分解して示す斜視図、図6(A)は、図5に示すI‐I線に沿う断面図、(B)は、図5に示すII‐II線に沿う断面図である。
【0010】
本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックA1は、インターコネクタC1、スペーサ15、セルフレーム20、スペーサ25を順次積層させたものを、これらの両外面側(図示上下両側)から一対のエンドプレート35,40により挟圧した構成のものである。
【0011】
インターコネクタC1は、図3(C)に示すように、セパレータ11の両面に集電板12,12を接合してなるものである。
セパレータ11は、図3(A)に示すように、それの両端部に発電用ガスの供給及び排出を行うためのマニホールド部M,Mがそれぞれ形成された横長方形のものである。
本実施形態において示す発電用ガスは、燃料ガスと酸化剤ガスである。
【0012】
集電板12は、図2,図3(B)に示すように、それの両端部に燃料ガス又は酸化剤ガスの供給及び排出を行うためのマニホールド部M,Mが、また、弾性変形する多数の集電突起13を一面(図示上面)12aの中央部に形成している。
本実施形態においては、後述する単セル22に対向する領域に、多数の集電突起13を配列している。
【0013】
集電突起13は、図5に示すガス流通路S1を流通する酸化剤ガスのガス流通方向α1に沿う突起列B1〜Bnを、そのガス流通方向α1に直交する方向βにおいて互いに所定の間隔をおいて、導電性の金属板からなる基板14に一体に複数列設してなるものである。
また、本実施形態において示す集電突起13は、上記図5に示す配列に限るものではなく、他の配列形態にすることができる。
なお、本実施形態においては、説明の簡略化のために、ガス流通方向α1において互いに一定の間隔で配列された7つの集電突起からなる突起列B1〜B10で示すものを例示している。
【0014】
集電突起13は、ガス流通路S1内を流通する酸化剤ガスのガス流通方向α1と平行な平面において同一方向に傾斜させ、かつ、互いに同形同大の板状体にして形成されている。
この集電突起13は、図3(C),図4に示すように、ガス流通方向α1から見たときに縦長方形に、かつ、ガス流通方向α1と直交する方向βから見たときに、基端部13aから先端部13bに向けてガス流通方向α1の下流側に傾斜させて形成しており、それらは基板14から切り起こすことにより形成している。
なお、集電突起13の形状は、上記図3に示すもの限るものではなく、他の公知の形状に形成できることは勿論である。
【0015】
換言すると、上記集電突起13は、これの鋭角をなす板面部13cをガス流通方向α1の下流側に向けて配列している。
敷衍すると、図4に示すように、基板14の開口14aであってガス流通方向α1の上流側辺縁14bから、その開口14aの当該下流側辺縁14cに向けて傾けられている。
上記した集電突起13は、打ち抜き加工等の切断加工や、エッジング加工等のように材料の除去を伴う加工により縁取りした部分を折り曲げることにより微細構造に形成することができる。
【0016】
本実施形態に示す集電突起13の先端部13bは、基板14とほぼ平行に形成されており、単セル22と面接触するようにしている。図4においては、単セル22と面接触する部分を面接触部13dとして示している。
すなわち、各集電突起13が、面接触部13dを介して単セル22に接触するようにしている。
【0017】
二つの集電板12,12は、これらの集電突起13どうしを互いに対向させてセパレータ11の両面11a,11bに接合されている。
すなわち、図3,6に示すように、セパレータ11の両面11a,11bに配設された二つの集電突起13,13は、これらの先端部13b,13bを揃えている。換言すると、それらの面接触部13d,13dどうしが平面視において重なる位置となるようにしている。
そして、それぞれの基板14,14をセパレータ11の両面に当接させ、かつ、集電突起13の先端部13bを単セル22に当接させることにより、その単セル22とセパレータ11との間にガス流通路S1(S2)を区画形成している。
【0018】
セパレータ11の下面11bに接合した集電板12の集電突起13は、燃料ガスのガス流通方向α2から見たときに縦長方形に、かつ、ガス流通方向α2と直交する方向βから見たときに、基端部13aから先端部13bに向けてガス流通方向α2下流側に傾斜させて形成しており、それらは基板14から切り起こすことにより形成している。
換言すると、上記両集電板12,12の集電突起13,13は、これの鈍角をなす板面部00bをそれぞれガス流通方向α1,α2の各下流側に向けて配列している。
なお、セパレータ11の下面11bに接合した集電板12の集電突起13の形状は、上記した形態に限るものではなく、他の公知の形状に形成できることは勿論である、
【0019】
上記スペーサ15は、インターコネクタC1とセルフレーム20との間に酸化剤ガスを流通させるためのガス流通路S1を気密的に区画形成するためのものであり、これの両端部に、図2,5に示すようなマニホールド孔H2、H4,H6が形成されている。
【0020】
スペーサ25は、インターコネクタC2とセルフレーム20との間に燃料ガスを流通させるためのガス流通路S2を区画形成するためのものであり、これの両端部に、マニホールド孔H1,H2、H5が形成されている。
【0021】
セルフレーム20は、平面視長方形に形成されたフレーム21、これの中央部に平面視長方形の単セル22を配設したものである。
単セル22は、固体電解質を燃料極と空気極で挟持した構造のものである。
【0022】
上記の単セル22は、上記したガス流通路S1を流通する酸化剤ガスが空気極に流接し、かつ、ガス流通路S2を流通する燃料ガスが燃料極に流接することにより発電を行なうものである。
【0023】
上記したインターコネクタC1,C2、集電板12,12及びセルフレーム20にそれぞれ形成されたマニホールド部M,Mのうち、一側方のマニホールド部Mは、マニホールド孔H1〜H3からなる。
それらマニホールド孔H1〜H3は、酸化剤ガス供給用(H1)、燃料ガス排出用(H2)及び酸化剤ガス供給用(H3)のものであり、図1に示す積層方向γにそれぞれの流路を形成している。
【0024】
他側方のマニホールド部Mは、マニホールド孔H4〜H6からなる。各マニホールド孔H4〜H6は、燃料ガス供給用(H4)、酸化剤ガス排出用(H5)及び燃料ガス供給用(H6)であり、上記積層方向γにそれぞれの流通路を形成している。なお、供給用のものと排出用のものは一部又は全部が逆の位置関係でもよい。
【0025】
図7(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
本実施形態においては、上記セパレータ11の両面に、互いに対向させて起立形成した複数の集電突起13を有しているとともに、それら各集電突起13が単セル22に接している面積を同一にしているので、その単セル22からセパレータ11への応力が上下から均等に作用するため、そのセパレータ11の変形を抑制することができる。
これにより、集電突起13の単セル22への適切な接触と押し付け力を確保できるとともに、適切なガス流路高さを確保できる。
【0026】
特に、軽量,低熱容量化を狙い、インターコネクタC1,C2を薄いステンレス等で形成する場合、小さな押付力で均一な押し付けと、流路高さの確保が可能となり、単セル22への過剰な押付け圧が不要となり、その単セル22への応力も緩和できる。
また、集電突起(集電板)の材質としては、ステンレスに限らず耐熱鋼若しくはそれらに必要な被覆を施したものを用いることができる。
集電突起の材質が、燃料極,空気極側で異ならせている場合にも、集電突起の反力を同じにして、セパレータに同じ応力を作用させればよい。
【0027】
図8は、集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
本実施形態においては、集電突起13よりもセパレータ11の強度を大きくし、かつ、そのセパレータ11よりも単セル22の強度を大きくした関係にしている。
【0028】
すなわち、集電突起13の強度<セパレータ11の強度とすることにより、そのセパレータ11の変形が抑制され、単セルA1の反りにより、単セル22とインターコネクタC1との間の流路高さは変化するが、その影響で単セルA2とインターコネクタC1との流路高さが変化することはない(図2参照)。
集電突起13の応力を、上記したようにセパレータ11の同じ対向位置、同じ面積で受け止める構造としているので、薄く、かつ、剛性の低いセパレータであっても上記と同じ効果を得ることができる。
【0029】
また、ガス流通路S2に臨む集電突起13の強度を、ガス流通路S1に臨む集電突起13の強度よりも大きくしているので大きくした場合、ガス流通路S2の高さH2を優先的に確保することができる。
また、集電突起13の応力を、上記したセパレータ11の同じ位置、同面積で受け止める構造とすることにより、このような統制されたセパレータ11の変形が可能になる。
【0030】
なお、ガス流通路S1に臨む集電突起13の強度を、ガス流通路S2に臨む集電突起13の強度よりも大きくすることにより、ガス流通路S1の高さH1を優先的に確保することができる。
【0031】
図9は、集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
図9においては、上記セパレータ11よりも集電突起13の強度を大きくし、かつ、その集電突起13よりも単セル22の強度を大きくしたものである。
【0032】
単セル22に反りや歪みがある場合、単セル22、セパレータ11、集電突起13の強度の関係を、単セル22>集電突起13>セパレータ11にすることにより、そのセパレータ11が変形することになるため、単セル22の反りにより、単セル22,22の間隔に変化があった場合に、一方のガス流通路の高さだけが低くなるのを防止し、それらガス流通路の高さのばらつきを緩和することができる。
【0033】
さらに、ガス流通路S1に臨む集電突起13の強度よりも、ガス流通路S2に臨む集電突起13の強度を大きくすることにより、ガス流通路S1に臨む集電突起13が相対的に変形しやすく、空気極側の凹凸に追従し、ガス流通路S2の高さH2を確保しやすくなる。
また、集電突起13の応力を、セパレータ11の同じ位置、同面積で受け止める構造とすることにより、このような統制されたセパレータ11の変形が可能になる。
【0034】
なお、ガス流通路S2に臨む集電突起13の強度よりも、ガス流通路S1に臨む集電突起13の強度を大きくしてもよい。この場合、ガス流通路S2に臨む集電突起13が相対的に変形しやすく、燃料極側の凹凸に追従し、ガス流通路S1の高さを確保しやすくなる。
【0035】
図10(A)は、第一の変形例に係るインターコネクタを示す斜視図、(B)は、そのインターコネクタの分解断面図、(C)は、そのインターコネクタを組み立てて示す断面図である。なお、図10〜14に示すインターコネクタにおいて、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
第一の変形例に係るインターコネクタ50は、セパレータ11の両面に集電板55,55を接合してなるものである。
集電板55は、基板56に曲面で形成されたドーム形の各集電突起57を一定の間隔にして形成したものである。
【0037】
集電板55,55どうしは、複数のドーム形の各集電突起57,57を互いに対向させて上記セパレータ11の両面に接合している。
このような構造からなるインターコネクタ50であっても、上記したものと同様の効果を得ることができる。
【0038】
図11は、第二の変形例に係るインターコネクタの部分断面図である。
第二の変形例に係るインターコネクタ60は、図10に示すセパレータ11を介することなく、集電板55,55どうしを、これらの複数のドーム形の各集電突起57,57を互いに対向させて直接接合した構成のものである。
【0039】
図12は、第三の変形例に係るインターコネクタの部分断面図であり、(A)は、その斜視図、(B)は、そのIV‐IV線に沿う分解断面図、(C)は、そのIV‐IV線に沿う断面図である。
【0040】
第三の変形例に係るインターコネクタ70は、集電板75,75を金属製のメッシュ板で形成したものであり、それら集電板75,75どうしは、メッシュ状にしたドーム形の各集電突起76,76を互いに対向させて上記セパレータ11の両面に接合したものである。
このような構造からなるインターコネクタ70であっても、上記したものと同様の効果を得ることができる。
【0041】
図13は、他例に係る燃料電池ユニットの分解斜視図、図14は、第四の変形例に係るインターコネクタの平面図である。
図示の燃料電池ユニットU2は平面視円形にしたディスク型のものであり、これを積層することにより燃料電池スタックを構成するものである。
燃料電池ユニットU2は、円形の単セル80と、この単セル80の片面(上面)に対向するインターコネクタ90を備え、単セル80とインターコネクタ90との間に外縁部を閉塞した袋綴じ構造の扁平なガス室を形成したものである。
なお、図13において示す(81)は、上記単セル80の中央孔に装着する内周リング、(82)は、単セル80とインターコネクタ90の外周部どうしを接合封止するための外周リング、(83)は、当該ユニットを積層した際に下段のユニットとの間に介装されるスペーサである。
【0042】
ガス室には、これを区画するための流路部材84を介在させており、それは、リング形の基部84aに8本の区画材84bを放射状に延出形成したものであり、そのガス室を8つの発電エリアに区画している。
すなわち、図14に矢印で示すように、中央部分において、供給路P1からの四つの供給部と排出路P2への四つの排出部とが周方向に交互に配置してあり、ユニット内全域に燃料ガスが均一に流通するようにしている。
【0043】
第四の変形例に係るインターコネクタ90は、それぞれ平面視円形にしたセパレータ91、集電板92,93からなる。
集電板92,93は、上記区画材84bに対向する領域を平坦面に形成するとともに、各発電エリアの輪郭形状に一致させて、上記した集電突起13を扇形に配列してなる突起領域92a〜92hを形成したものである。
そして、上記構成を備えた集電プレート92,93は、起立形成した複数の集電突起を互いに対向させるようにしてセパレータ91の上下両面に接合されている。
この構成によっても、インターコネクタを薄型化したときにも、積層時の変形を防止することができる。
【符号の説明】
【0044】
11,91 セパレータ
13,57,76 集電突起
22,80 単セル
S1,S2 ガス流通路
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターコネクタと単セルとを交互に積層させた燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の燃料電池スタックとして、「燃料電池ユニット」とした名称において特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1に開示された燃料電池ユニットは、単セルとセパレータ板との間に、外縁部を閉塞した扁平なガス室を有するディスク型のものであり、一方の面に複数の弾性突部を設け且つ他方の面を平坦面とした集電プレートを備え、セパレータ板の少なくとも単セル側の面に集電プレートの平坦面を接合して双方を一体化するとともにに、弾性突部を単セルに圧接させた構成のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009‐266533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車載用の固体酸化物型燃料電池(SOFC)としては、急速起動(低熱容量化)、軽量化が大きな課題となっているため、インターコネクタも薄板化する必要がある。
しかしながら、特許文献1に開示された燃料電池ユニットにおいて、インターコネクタを薄板化すると、脆弱となって積層時に変形が生じて、単セルへの集電構造体の押し付け圧力が不足し、また、集電構造体が単セルに接触しないこととなって、集電抵抗が増加、効率低下を招く。
また、ガス流路の高さ(セルとセパレータ間の間隔)として所要の値が得られなくなり、出力低下や温度分布の発生を招来するという未解決の課題がある。
【0005】
そこで本発明は、インターコネクタを薄型化したときにも、積層時の変形を防止できる燃料電池スタックの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、複数の集電突起を両面にそれぞれ起立形成したセパレータを有する燃料電池スタックにおいて、上記複数の集電突起を互いに対向させて配列している。
この構成においては、複数の集電突起を互いに対向させて配列しているので、インターコネクタを薄型化したときにも、積層時の変形を防止できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インターコネクタを薄型化したときにも、積層時の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックの概略外観斜視図である。
【図2】同上の燃料電池スタックの一部を分解して示す分解斜視図である。
【図3】(A)は、セパレータの平面図、(B)は、集電板の平面図、(C)は、それらセパレータと集電板とからなるインターコネクタの組立図である。
【図4】同上の燃料電池スタックの一部をなすインターコネクタの集電突起の拡大斜視図である。
【図5】ガス流通路を流通する発電用ガスの流れを示す燃料電池スタックの一部を分解して示す斜視図である。
【図6】(A)は、図5に示すI‐I線に沿う断面図、(B)は、図5に示すII‐II線に沿う断面図である。
【図7】(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
【図8】集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
【図9】集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
【図10】集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、第一の変形例に係るインターコネクタの示す斜視図、(B)は、そのインターコネクタの分解断面図、(C)は、そのインターコネクタを組み立てて示す断面図である。
【図11】第二の変形例に係るインターコネクタの部分断面図である。
【図12】(A)は、第三の変形例に係るインターコネクタの斜視図、(B)は、そのIV‐IV線に沿う分解断面図、(C)は、そのIV‐IV線に沿う組み立てた状態の断面図である。
【図13】円板形にした燃料電池ユニットの分解斜視図である。
【図14】第四の変形例に係るインターコネクタの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックの概略外観斜視図、図2は、その燃料電池スタックの一部を分解して示す分解斜視図、図3(A)は、セパレータの平面図、(B)は、集電板の平面図、(C)は、それらセパレータと集電板とからなるインターコネクタの組立図である。また、図4は、燃料電池スタックの一部をなすインターコネクタに形成された集電突起の拡大斜視図、図5は、ガス流通路を流通する発電用ガスの流れを示す燃料電池スタックの一部を分解して示す斜視図、図6(A)は、図5に示すI‐I線に沿う断面図、(B)は、図5に示すII‐II線に沿う断面図である。
【0010】
本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックA1は、インターコネクタC1、スペーサ15、セルフレーム20、スペーサ25を順次積層させたものを、これらの両外面側(図示上下両側)から一対のエンドプレート35,40により挟圧した構成のものである。
【0011】
インターコネクタC1は、図3(C)に示すように、セパレータ11の両面に集電板12,12を接合してなるものである。
セパレータ11は、図3(A)に示すように、それの両端部に発電用ガスの供給及び排出を行うためのマニホールド部M,Mがそれぞれ形成された横長方形のものである。
本実施形態において示す発電用ガスは、燃料ガスと酸化剤ガスである。
【0012】
集電板12は、図2,図3(B)に示すように、それの両端部に燃料ガス又は酸化剤ガスの供給及び排出を行うためのマニホールド部M,Mが、また、弾性変形する多数の集電突起13を一面(図示上面)12aの中央部に形成している。
本実施形態においては、後述する単セル22に対向する領域に、多数の集電突起13を配列している。
【0013】
集電突起13は、図5に示すガス流通路S1を流通する酸化剤ガスのガス流通方向α1に沿う突起列B1〜Bnを、そのガス流通方向α1に直交する方向βにおいて互いに所定の間隔をおいて、導電性の金属板からなる基板14に一体に複数列設してなるものである。
また、本実施形態において示す集電突起13は、上記図5に示す配列に限るものではなく、他の配列形態にすることができる。
なお、本実施形態においては、説明の簡略化のために、ガス流通方向α1において互いに一定の間隔で配列された7つの集電突起からなる突起列B1〜B10で示すものを例示している。
【0014】
集電突起13は、ガス流通路S1内を流通する酸化剤ガスのガス流通方向α1と平行な平面において同一方向に傾斜させ、かつ、互いに同形同大の板状体にして形成されている。
この集電突起13は、図3(C),図4に示すように、ガス流通方向α1から見たときに縦長方形に、かつ、ガス流通方向α1と直交する方向βから見たときに、基端部13aから先端部13bに向けてガス流通方向α1の下流側に傾斜させて形成しており、それらは基板14から切り起こすことにより形成している。
なお、集電突起13の形状は、上記図3に示すもの限るものではなく、他の公知の形状に形成できることは勿論である。
【0015】
換言すると、上記集電突起13は、これの鋭角をなす板面部13cをガス流通方向α1の下流側に向けて配列している。
敷衍すると、図4に示すように、基板14の開口14aであってガス流通方向α1の上流側辺縁14bから、その開口14aの当該下流側辺縁14cに向けて傾けられている。
上記した集電突起13は、打ち抜き加工等の切断加工や、エッジング加工等のように材料の除去を伴う加工により縁取りした部分を折り曲げることにより微細構造に形成することができる。
【0016】
本実施形態に示す集電突起13の先端部13bは、基板14とほぼ平行に形成されており、単セル22と面接触するようにしている。図4においては、単セル22と面接触する部分を面接触部13dとして示している。
すなわち、各集電突起13が、面接触部13dを介して単セル22に接触するようにしている。
【0017】
二つの集電板12,12は、これらの集電突起13どうしを互いに対向させてセパレータ11の両面11a,11bに接合されている。
すなわち、図3,6に示すように、セパレータ11の両面11a,11bに配設された二つの集電突起13,13は、これらの先端部13b,13bを揃えている。換言すると、それらの面接触部13d,13dどうしが平面視において重なる位置となるようにしている。
そして、それぞれの基板14,14をセパレータ11の両面に当接させ、かつ、集電突起13の先端部13bを単セル22に当接させることにより、その単セル22とセパレータ11との間にガス流通路S1(S2)を区画形成している。
【0018】
セパレータ11の下面11bに接合した集電板12の集電突起13は、燃料ガスのガス流通方向α2から見たときに縦長方形に、かつ、ガス流通方向α2と直交する方向βから見たときに、基端部13aから先端部13bに向けてガス流通方向α2下流側に傾斜させて形成しており、それらは基板14から切り起こすことにより形成している。
換言すると、上記両集電板12,12の集電突起13,13は、これの鈍角をなす板面部00bをそれぞれガス流通方向α1,α2の各下流側に向けて配列している。
なお、セパレータ11の下面11bに接合した集電板12の集電突起13の形状は、上記した形態に限るものではなく、他の公知の形状に形成できることは勿論である、
【0019】
上記スペーサ15は、インターコネクタC1とセルフレーム20との間に酸化剤ガスを流通させるためのガス流通路S1を気密的に区画形成するためのものであり、これの両端部に、図2,5に示すようなマニホールド孔H2、H4,H6が形成されている。
【0020】
スペーサ25は、インターコネクタC2とセルフレーム20との間に燃料ガスを流通させるためのガス流通路S2を区画形成するためのものであり、これの両端部に、マニホールド孔H1,H2、H5が形成されている。
【0021】
セルフレーム20は、平面視長方形に形成されたフレーム21、これの中央部に平面視長方形の単セル22を配設したものである。
単セル22は、固体電解質を燃料極と空気極で挟持した構造のものである。
【0022】
上記の単セル22は、上記したガス流通路S1を流通する酸化剤ガスが空気極に流接し、かつ、ガス流通路S2を流通する燃料ガスが燃料極に流接することにより発電を行なうものである。
【0023】
上記したインターコネクタC1,C2、集電板12,12及びセルフレーム20にそれぞれ形成されたマニホールド部M,Mのうち、一側方のマニホールド部Mは、マニホールド孔H1〜H3からなる。
それらマニホールド孔H1〜H3は、酸化剤ガス供給用(H1)、燃料ガス排出用(H2)及び酸化剤ガス供給用(H3)のものであり、図1に示す積層方向γにそれぞれの流路を形成している。
【0024】
他側方のマニホールド部Mは、マニホールド孔H4〜H6からなる。各マニホールド孔H4〜H6は、燃料ガス供給用(H4)、酸化剤ガス排出用(H5)及び燃料ガス供給用(H6)であり、上記積層方向γにそれぞれの流通路を形成している。なお、供給用のものと排出用のものは一部又は全部が逆の位置関係でもよい。
【0025】
図7(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
本実施形態においては、上記セパレータ11の両面に、互いに対向させて起立形成した複数の集電突起13を有しているとともに、それら各集電突起13が単セル22に接している面積を同一にしているので、その単セル22からセパレータ11への応力が上下から均等に作用するため、そのセパレータ11の変形を抑制することができる。
これにより、集電突起13の単セル22への適切な接触と押し付け力を確保できるとともに、適切なガス流路高さを確保できる。
【0026】
特に、軽量,低熱容量化を狙い、インターコネクタC1,C2を薄いステンレス等で形成する場合、小さな押付力で均一な押し付けと、流路高さの確保が可能となり、単セル22への過剰な押付け圧が不要となり、その単セル22への応力も緩和できる。
また、集電突起(集電板)の材質としては、ステンレスに限らず耐熱鋼若しくはそれらに必要な被覆を施したものを用いることができる。
集電突起の材質が、燃料極,空気極側で異ならせている場合にも、集電突起の反力を同じにして、セパレータに同じ応力を作用させればよい。
【0027】
図8は、集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
本実施形態においては、集電突起13よりもセパレータ11の強度を大きくし、かつ、そのセパレータ11よりも単セル22の強度を大きくした関係にしている。
【0028】
すなわち、集電突起13の強度<セパレータ11の強度とすることにより、そのセパレータ11の変形が抑制され、単セルA1の反りにより、単セル22とインターコネクタC1との間の流路高さは変化するが、その影響で単セルA2とインターコネクタC1との流路高さが変化することはない(図2参照)。
集電突起13の応力を、上記したようにセパレータ11の同じ対向位置、同じ面積で受け止める構造としているので、薄く、かつ、剛性の低いセパレータであっても上記と同じ効果を得ることができる。
【0029】
また、ガス流通路S2に臨む集電突起13の強度を、ガス流通路S1に臨む集電突起13の強度よりも大きくしているので大きくした場合、ガス流通路S2の高さH2を優先的に確保することができる。
また、集電突起13の応力を、上記したセパレータ11の同じ位置、同面積で受け止める構造とすることにより、このような統制されたセパレータ11の変形が可能になる。
【0030】
なお、ガス流通路S1に臨む集電突起13の強度を、ガス流通路S2に臨む集電突起13の強度よりも大きくすることにより、ガス流通路S1の高さH1を優先的に確保することができる。
【0031】
図9は、集電突起、セパレータ及び単セルの各強度を異ならせたものであり、(A)は、積層しようとする単セルとインターコネクタを示す部分正面図、(B)は、それら単セルとインターコネクタを積層した状態を示す部分正面図である。
図9においては、上記セパレータ11よりも集電突起13の強度を大きくし、かつ、その集電突起13よりも単セル22の強度を大きくしたものである。
【0032】
単セル22に反りや歪みがある場合、単セル22、セパレータ11、集電突起13の強度の関係を、単セル22>集電突起13>セパレータ11にすることにより、そのセパレータ11が変形することになるため、単セル22の反りにより、単セル22,22の間隔に変化があった場合に、一方のガス流通路の高さだけが低くなるのを防止し、それらガス流通路の高さのばらつきを緩和することができる。
【0033】
さらに、ガス流通路S1に臨む集電突起13の強度よりも、ガス流通路S2に臨む集電突起13の強度を大きくすることにより、ガス流通路S1に臨む集電突起13が相対的に変形しやすく、空気極側の凹凸に追従し、ガス流通路S2の高さH2を確保しやすくなる。
また、集電突起13の応力を、セパレータ11の同じ位置、同面積で受け止める構造とすることにより、このような統制されたセパレータ11の変形が可能になる。
【0034】
なお、ガス流通路S2に臨む集電突起13の強度よりも、ガス流通路S1に臨む集電突起13の強度を大きくしてもよい。この場合、ガス流通路S2に臨む集電突起13が相対的に変形しやすく、燃料極側の凹凸に追従し、ガス流通路S1の高さを確保しやすくなる。
【0035】
図10(A)は、第一の変形例に係るインターコネクタを示す斜視図、(B)は、そのインターコネクタの分解断面図、(C)は、そのインターコネクタを組み立てて示す断面図である。なお、図10〜14に示すインターコネクタにおいて、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
第一の変形例に係るインターコネクタ50は、セパレータ11の両面に集電板55,55を接合してなるものである。
集電板55は、基板56に曲面で形成されたドーム形の各集電突起57を一定の間隔にして形成したものである。
【0037】
集電板55,55どうしは、複数のドーム形の各集電突起57,57を互いに対向させて上記セパレータ11の両面に接合している。
このような構造からなるインターコネクタ50であっても、上記したものと同様の効果を得ることができる。
【0038】
図11は、第二の変形例に係るインターコネクタの部分断面図である。
第二の変形例に係るインターコネクタ60は、図10に示すセパレータ11を介することなく、集電板55,55どうしを、これらの複数のドーム形の各集電突起57,57を互いに対向させて直接接合した構成のものである。
【0039】
図12は、第三の変形例に係るインターコネクタの部分断面図であり、(A)は、その斜視図、(B)は、そのIV‐IV線に沿う分解断面図、(C)は、そのIV‐IV線に沿う断面図である。
【0040】
第三の変形例に係るインターコネクタ70は、集電板75,75を金属製のメッシュ板で形成したものであり、それら集電板75,75どうしは、メッシュ状にしたドーム形の各集電突起76,76を互いに対向させて上記セパレータ11の両面に接合したものである。
このような構造からなるインターコネクタ70であっても、上記したものと同様の効果を得ることができる。
【0041】
図13は、他例に係る燃料電池ユニットの分解斜視図、図14は、第四の変形例に係るインターコネクタの平面図である。
図示の燃料電池ユニットU2は平面視円形にしたディスク型のものであり、これを積層することにより燃料電池スタックを構成するものである。
燃料電池ユニットU2は、円形の単セル80と、この単セル80の片面(上面)に対向するインターコネクタ90を備え、単セル80とインターコネクタ90との間に外縁部を閉塞した袋綴じ構造の扁平なガス室を形成したものである。
なお、図13において示す(81)は、上記単セル80の中央孔に装着する内周リング、(82)は、単セル80とインターコネクタ90の外周部どうしを接合封止するための外周リング、(83)は、当該ユニットを積層した際に下段のユニットとの間に介装されるスペーサである。
【0042】
ガス室には、これを区画するための流路部材84を介在させており、それは、リング形の基部84aに8本の区画材84bを放射状に延出形成したものであり、そのガス室を8つの発電エリアに区画している。
すなわち、図14に矢印で示すように、中央部分において、供給路P1からの四つの供給部と排出路P2への四つの排出部とが周方向に交互に配置してあり、ユニット内全域に燃料ガスが均一に流通するようにしている。
【0043】
第四の変形例に係るインターコネクタ90は、それぞれ平面視円形にしたセパレータ91、集電板92,93からなる。
集電板92,93は、上記区画材84bに対向する領域を平坦面に形成するとともに、各発電エリアの輪郭形状に一致させて、上記した集電突起13を扇形に配列してなる突起領域92a〜92hを形成したものである。
そして、上記構成を備えた集電プレート92,93は、起立形成した複数の集電突起を互いに対向させるようにしてセパレータ91の上下両面に接合されている。
この構成によっても、インターコネクタを薄型化したときにも、積層時の変形を防止することができる。
【符号の説明】
【0044】
11,91 セパレータ
13,57,76 集電突起
22,80 単セル
S1,S2 ガス流通路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の集電突起を両面にそれぞれ起立形成したセパレータを有する燃料電池スタックにおいて、
上記複数の集電突起を互いに対向させて配列していることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項2】
各集電突起が弾性材で形成されている請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
各集電突起が曲面で形成されたドーム形に形成されている請求項1又は2に記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
各集電突起がメッシュ板で形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
セパレータと集電突起とが別体にして形成されており、
集電突起よりもセパレータの強度を大きくし、かつ、そのセパレータよりも単セルの強度を大きくしている請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
セパレータと集電突起とが別体にして形成されており、
上記セパレータよりも集電突起の強度を大きくし、かつ、その集電突起よりも単セルの強度を大きくしている請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項7】
一方の発電用ガスのガス流通路に臨む集電突起の強度が、他方の発電用ガスのガス流通路に臨む集電突起の強度よりも大きくしている請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項8】
他方の発電用ガスのガス流通路に臨む集電突起の強度が、一方の発電用ガスのガス流通路に臨む集電突起の強度よりも大きくしている請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
単セルとセパレータとの間に、外縁部を閉塞した扁平なガス流通路を有するディスク型の燃料電池スタックにおいて、
上記セパレータの両面に、互いに対向させて起立形成した複数の集電突起を有することを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項1】
複数の集電突起を両面にそれぞれ起立形成したセパレータを有する燃料電池スタックにおいて、
上記複数の集電突起を互いに対向させて配列していることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項2】
各集電突起が弾性材で形成されている請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
各集電突起が曲面で形成されたドーム形に形成されている請求項1又は2に記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
各集電突起がメッシュ板で形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
セパレータと集電突起とが別体にして形成されており、
集電突起よりもセパレータの強度を大きくし、かつ、そのセパレータよりも単セルの強度を大きくしている請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
セパレータと集電突起とが別体にして形成されており、
上記セパレータよりも集電突起の強度を大きくし、かつ、その集電突起よりも単セルの強度を大きくしている請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項7】
一方の発電用ガスのガス流通路に臨む集電突起の強度が、他方の発電用ガスのガス流通路に臨む集電突起の強度よりも大きくしている請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項8】
他方の発電用ガスのガス流通路に臨む集電突起の強度が、一方の発電用ガスのガス流通路に臨む集電突起の強度よりも大きくしている請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
単セルとセパレータとの間に、外縁部を閉塞した扁平なガス流通路を有するディスク型の燃料電池スタックにおいて、
上記セパレータの両面に、互いに対向させて起立形成した複数の集電突起を有することを特徴とする燃料電池スタック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−93184(P2013−93184A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233989(P2011−233989)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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