燃料電池構成部品基材として有用なグラファイト製品
フレキシブルグラファイトシートの形態にあり、シートの中を通る横方向流体通路およびシート表面の一方に形成された、複数の横方向流体通路と連絡する溝を有し、開いた溝が、横方向流体通路が中を通る溝床および溝壁を含んでなる、グラファイト製品を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横方向で流体透過性であり、熱的および電気的伝導性に関して高い等方性を有する溝付きのフレキシブルグラファイトシートから形成された製品に関する。本発明の製品は、電気化学的燃料電池用の構成部品を形成するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
イオン交換メンブラン燃料電池、より詳しくはプロトン交換メンブラン(PEM)燃料電池、は、水素と空気中の酸素との化学反応により電気を発生する。燃料電池内では、アノードおよびカソードと呼ばれる電極が重合体電解質を取り囲み、一般的にメンブラン電極組立構造またはMEAと呼ばれるものを形成している。電極は、燃料電池のガス拡散層(またはGDL)としても機能することが多い。触媒材料が水素分子を刺激して水素原子に分裂させ、次いでメンブランにおいて、原子がそれぞれプロトンと電子に分裂する。電子は電気エネルギーとして利用される。プロトンは電解質を通して移行し、酸素および電子と結合し、水を形成する。
【0003】
PEM燃料電池は、2個のフローフィールドプレート間に挟まれたメンブラン電極組立構造を包含する。従来、メンブラン電極組立構造は、不規則に配向した炭素繊維紙電極(アノードおよびカソード)からなり、触媒材料、特に白金または白金族金属、の薄い層を含み、これらの層は、電極間に配置されたプロトン交換メンブランのいずれかの側に結合した等方性炭素粒子、例えばランプブラック上に施されている。動作の際、燃料、特に水素、はフローフィールドプレートの一方にある通路を通ってアノードに流れ、そこで触媒が、水素の水素原子への、さらにはプロトンと電子への分裂を促進し、プロトンはメンブランを通過し、電子は外部負荷を通って流れる。空気は他方のフローフィールドプレート中にある通路を通ってカソードに流れ、そこで空気中の酸素が酸素原子に分裂し、その酸素原子がプロトン交換メンブランを通してプロトンと結合し、また回路を通して電子と結合し、組み合わされて水を形成する。メンブランは絶縁体なので、電子は外部の回路を通って移動し、そこで電気が使用され、カソードでプロトンと結合する。カソード側の空気流は、水素と酸素の組合せにより形成される水を除去する機構の一つである。その様な燃料電池が燃料電池積重構造中で組み合わされ、所望の電圧を供給する。
【0004】
通路を備えたグラファイトシートをPEM燃料電池用ガス拡散層の形成に使用できることが開示されているが、これらの通路は、好ましくは側面が平滑で、フレキシブルグラファイトシートの対向する平行な表面間を通り、圧縮された膨脹性グラファイトの壁により分離されている。米国特許第6,413,671号でMercuri、WeberおよびWarddripにより開示されているように(この開示は、本願明細書に包含される)、これらの通路は、フレキシブルグラファイト中に、複数の箇所で、機械的圧縮衝撃により形成でき、例えば突出した頭部を切り取った突起を有するローラーを使用して形成することができる。そのパターンは、通路を通る流体の流れを、所望により制御する、最適化する、または最大にするために工夫することができる。例えば、フレキシブルグラファイトシート中に形成されたパターンにより、上記のように通路を選択的に配置することも、あるいは通路密度または通路形状を変化させ、例えば使用時の、または他の目的のために、流れを抑制または最少に抑え、電極の表面に沿って流体圧力を等化することもできる。例えば、公開国際特許出願第WO02/41421A1号(MercuriおよびKrassowski)が参照される。
【0005】
フローフィールドプレート(以下、「FFP」という)の形成に使用する材料中に連続的な反応物流動溝を形成するのに、圧縮力も使用できる。典型的には、エンボス加工工具を使用し、グラファイトシートを圧縮し、シート中に溝をエンボス加工する。GDLと異なり、FFP中の溝は、対向する一表面から、FFPを通って、第二表面に伸びていない。典型的には、これらの溝はFFPの一方の表面上にある。
【0006】
グラファイトは、炭素原子の六角形配列または網目の層平面から形成されている。これらの、六角形に配置された炭素原子の層平面は、実質的に平らであり、実質的に互いに平行で等間隔になるように配向または配列されている。実質的に平らで、平行で、等間隔の炭素原子のシートまたは層は、通常、基底面と呼ばれ、一つに連結または結合されており、それらの群がクリスタライトに配置されている。高度に秩序付けられたグラファイトは、かなりの大きさのクリスタライトからなり、それらのクリスタライトは、相互に高度に整列または配向しており、十分に秩序付けられた炭素層を有する。つまり、高度に秩序付けられたグラファイトは、高度の選択的クリスタライト配向を有する。グラファイトは、それらの固有の構造のために異方性を有し、従って、方向性が高い多くの特性、例えば熱的および電気的伝導性および流体拡散性、を示すか、または有する。手短に言うと、グラファイトは炭素のラミネート構造、すなわち弱いファンデルワールス力により一つに接合された炭素原子の重なり合った層または薄片からなる構造として特徴付けることができる。グラファイト構造を考える時、2つの軸または方向、すなわち「c」軸または方向および「a」軸または方向、を表示する。簡単にするために、「c」軸または方向は炭素層に対して直角の方向と考えることができる。「a」軸または方向は炭素層に対して平行の方向または「c」方向に対して直角の方向と考えることができる。フレキシブルのグラファイトシートを製造するのに最も適した天然グラファイトは、非常に高度の配向を有する。
【0007】
上記の様に、炭素原子の平行な層を一つに保持している結合力は弱いファンデルワールス力だけである。グラファイトを処理し、重なり合った炭素層または薄片間の間隔を十分に広げ、その層に対して直角の方向、すなわち「c」方向に大きく拡張し、膨張した、または膨れあがったグラファイト構造を形成することができ、その際、炭素層の薄層特性は実質的に維持されている。
【0008】
膨張した、より詳しくは、最終的な厚さ、つまり「c」方向寸法が本来の「c」方向寸法の約80倍以上にも膨張したグラファイトフレークを、結合剤を使用せずに形成し、膨張したグラファイトの凝集性の、または一体化されたシート、例えばウェブ、紙、細片、テープ、等を製造することができる。最終的な厚さ、つまり「c」方向寸法が本来の「c」方向寸法の約80倍以上にも膨張したグラファイト粒子を、一体化されたフレキシブルのシートに、結合剤を使用せずに圧縮により形成することは、大きく膨張したグラファイト粒子間に達成される優れた機械的なかみ合わせ力または凝集性により、可能であると考えられる。
【0009】
シート材料は、膨張グラファイト粒子およびグラファイト層が、非常に大きな圧縮、例えばロールプレス加工、により得られるシートの対向面に対して実質的に平行に配向しているために、フレキシブルに加えて、上記の様に、熱的および電気的な伝導性および流体拡散性に関して、出発材料である天然グラファイトに匹敵する高度の異方性を有することも分かっている。この様にして製造されたシート材料は、フレキシブル性に優れ、良好な強度を有し、非常に高度に配向している。
【0010】
簡潔に述べると、フレキシブルで、結合剤を含まない、異方性のグラファイトシート材料、例えばウェブ、紙、細片、テープ、ホイル、マット、等の製造方法は、予め決められた負荷の下で、結合剤の不存在下で、「c」方向寸法が本来の粒子の約80倍以上にも膨張したグラファイト粒子を圧縮または圧迫し、実質的に平らで、フレキシブルで、一体化されたグラファイトシートを形成することを含んでなる。膨張したグラファイト粒子は、一般的に外観がウォーム状である、または細長く、圧縮された後、圧縮永久ひずみを維持し、シートの対向する主表面と整列している。シート材料の密度および厚さは、圧縮の程度を制御することにより変えることができる。シート材料の密度は約5ポンド/立方フィート〜約125ポンド/立方フィートである。フレキシブルのグラファイトシート材料は、グラファイト粒子がシートの対向する平行な主要表面に対して平行に整列しているために、かなりの程度の異方性を示し、異方性の程度は、シート材料をロールプレス加工し、密度を増加することにより増加する。ロールプレス加工した異方性シート材料では、厚さ、すなわち、対向する平行なシート表面に対して直角の方向は「c」方向を含んでなり、長さおよび幅に沿った、すなわち対向する主要表面に沿った、または平行な方向は、「a」方向を含んでなり、シートの熱的、電気的および流体拡散性は、「c」および「a」方向で非常に大きく、数等級異なっている。
【発明の開示】
【0011】
本発明により、対向する第一および第二主要表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を含んでなり、シートの第一および第二表面の間を通る横方向の流体通路を含むグラファイト製品であって、表面の少なくとも一方が、複数の横方向流体通路と相互接続する、上が開いた溝(open top groove)を有する製品を提供する。上に開いた溝は、一連の相互接続シート「床」およびシート「ランド」または「壁」を含んでなり、これらが共同でシート表面の少なくとも一方に沿って溝を形成する。
【0012】
シートの対向する第一および第二表面の間を通る横方向流体通路は、シートの表面に機械的な衝撃を作用させ、複数の予め決められた位置でグラファイトを移動させ、第一および第二の対向する表面に開口部を有する通路を与えることにより形成するのが有利である。特別な実施態様では、平行な対向する表面の一方にある横方向通路開口部が、他方の対向する表面にあるそれぞれの開口部よりも小さいので、小さな通路開口部を有する対向表面と接触する加圧流体がそれぞれの通路に入る初期速度は、それぞれの通路から出る流体の速度よりも大きい、すなわちガス出口速度が遅くなる。同様に、大きな通路開口部を有する対向表面と接触する加圧流体は、より高いガス出口速度を有する。横方向通路を形成したシートに、その対向表面の一方で機械的な衝撃をさらに作用させ、シート中でグラファイトを移動させ、製品の表面に好ましくは連続的な、複数の横方向流体通路と相互接続する、上が開いた溝を形成する。機械的な衝撃は、成形、プレス加工、またはエンボス加工により与えることができる。上が開いた溝は、彫刻またはエッチング技術によって形成することもできる。しかし、以下に説明する理由から、横方向通路を形成した後で、シート中に溝を形成するのが最も有利である。
【0013】
本発明の製品は、一体的なガス拡散素子を有する電気化学的燃料電池用の、流体透過性の、例えばガス拡散電極を形成するための基材として有用である。本発明により、溝を形成した表面のためのカバー部品も提供するが、この部品は、ロールプレス加工およびカレンダー加工した異方性フレキシブルグラファイトの形態にあり、以下に記載する電気化学的燃料電池におけるガス拡散電極の熱移動性能を強化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
グラファイトは、平らな層状平面で共有結合した原子を含んでなり、平面間で弱く結合した結晶形態の炭素である。グラファイトの粒子、例えば天然グラファイトフレーク、を、インターカレート(intercalant)、例えば硫酸および硝酸の溶液、で処理することにより、グラファイトの結晶構造が反応し、グラファイトとインターカレートの化合物を形成する。処理したグラファイト粒子を、以下、「インターカレーション処理されたグラファイトの粒子」と呼ぶ。高温にさらすことにより、グラファイト中のインターカレートが揮発し、インターカレーション処理されたグラファイトの粒子を「c」方向で、すなわちグラファイトの結晶平面に対して直角の方向で、アコーディオン状に、その本来の体積の約80倍以上もの寸法で膨張させる。剥離されたグラファイト粒子は、細長い外観を呈するので、一般的にウォームと呼ばれる。これらのウォームを一緒に圧迫し、フレキシブルのシートを形成することができるが、これらのシートは、本来のグラファイトフレークと異なり、様々な形状に成形および裁断し、機械的な衝撃で変形させることにより、小さな横方向開口部を形成することができる。
【0015】
本発明で使用するのに好適なフレキシブルシート用のグラファイト出発材料としては、有機および無機酸ならびにハロゲンでインターカレーション処理し、次いで加熱した時に膨脹することができるグラファイト化度の高い炭素質材料がある。これらのグラファイト化度の高い炭素質材料は、最も好ましくは約1.0のグラファイト化度を有する。本発明で使用する用語「グラファイト化度」は、式
【数1】
に従う値を意味する。ここでd(002)は、オングストローム単位で測定した結晶構造中にある炭素のグラファイト層間における間隔である。グラファイト層間の間隔dは標準的なX線回折技術により測定される。(002)、(004)および(006)ミラー指数に対応する回折ピークの位置を測定し、標準的な最小二乗法を使用し、これらのピークすべてに対する総誤差を最小にする間隔を導く。グラファイト化度の高い炭素質材料の例としては、様々な供給源から得られる天然グラファイト、ならびに他の炭素質材料、例えば化学蒸着、等により製造された炭素、がある。天然グラファイトが最も好ましい。
【0016】
本発明で使用するフレキシブルシート用のグラファイト出発材料は、出発材料の結晶構造が必要なグラファイト化度を維持し、剥離可能である限り、非炭素成分を含むことができる。一般的に、結晶構造が必要なグラファイト化度を有し、剥離可能である炭素含有材料はすべて、本発明で使用するのに好適である。その様なグラファイトは、好ましくは灰分が20重量%未満である。より好ましくは、本発明で使用するグラファイトは、純度が少なくとも約94%である。最も好ましい実施態様、例えば燃料電池用途向け、では、使用するグラファイトの純度が少なくとも約99%である。
【0017】
グラファイトシートを製造する一般的な方法は、Shaneらの米国特許第3,404,061号(この開示は本願明細書に包含される)に記載されている。Shaneらの方法の典型的な実施では、例えば硝酸および硫酸の混合物を、好ましくはグラファイトフレーク100重量部あたりインターカレート溶液約20〜約300重量部(pph)のレベルで含む溶液中にフレークを分散させることにより、天然グラファイトフレークをインターカレーション処理する。インターカレーション溶液は、この分野で公知の酸化剤および一種以上のインターカレーション剤を含むことができる。例としては、酸化剤および酸化性混合物を含む溶液、例えば硝酸、塩素酸カリウム、クロム酸、過マンガン酸カリウム、クロム酸カリウム、二クロム酸カリウム、過塩素酸等、または混合物、例えば、濃硝酸と塩素酸塩、クロム酸とリン酸、硫酸と硝酸、または強有機酸の混合物、例えばトリフルオロ酢酸、および有機酸に可溶な強酸化剤、を含む溶液が挙げられる。あるいは、電位を利用してグラファイトの酸化を引き起こすこともできる。電解酸化を利用してグラファイト結晶中に導入することができる化学種は、硫酸ならびに他の酸を含む。
【0018】
好ましい実施態様においては、インターカレーション剤は、硫酸、または硫酸およびリン酸、と酸化剤、例えば硝酸、過塩素酸酸、クロム酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、ヨウ素酸または過ヨウ素酸、等、との混合物の溶液である。あまり好ましくはないが、インターカレーション溶液は、金属ハロゲン化物、例えば塩化第二鉄、および硫酸と混合した塩化第二鉄、またはハロゲン化物、例えば臭素と硫酸の溶液として、または臭素の有機溶剤溶液として、臭素を含むこともできる。
【0019】
インターカレーション溶液の量は、約20〜約150pph、より典型的には約50〜約120pphである。フレークをインターカレーション処理した後、過剰の溶液はすべてフレークから排出し、フレークを水洗する。あるいは、インターカレーション溶液の量を、約10〜約50pphに制限することができ、これによって、ここにその開示を参考として含める米国特許第4,895,713号に開示されている様に、洗浄工程を無くすことができる。
【0020】
インターカレーション溶液で処理したグラファイトフレークの粒子は、所望により、例えば混合により、アルコール、糖、アルデヒドおよびエステルから選択された、温度25℃〜125℃で酸化性インターカレーション溶液の表面被膜と反応し得る還元剤と接触させることができる。好適な、具体的な有機試剤としては、ヘキサデカノール、オクタデカノール、1−オクタノール、2−オクタノール、デシルアルコール、1,10デカンジオール、デシルアルデヒド、1−プロパノール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、デキストロース、フルクトース、ラクトース、スクロース、ジャガイモデンプン、エチレングリコールモノステアレート、ジエチレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノステアレート、ジメチルオキシレート、ジエチルオキシレート、メチルホルメート、エチルホルメート、アスコルビン酸およびリグニンに由来する化合物、例えばリグノ硫酸ナトリウムがある。有機還元剤の量は、グラファイトフレーク粒子の約0.5〜4重量%であるのが好適である。
【0021】
インターカレーションの前、最中または直後に膨脹助剤を塗布することによっても改良することができる。これらの改良には、剥離温度の低下および膨脹体積(「ウォーム体積」とも呼ばれる)の増加が含まれる。本明細書における膨脹助剤は、膨脹の改良を達成できるように、インターカレーション溶液に十分に可溶な有機材料が有利である。より詳しくは、好ましくは炭素、水素および酸素だけを含む、この種の有機材料を使用するとよい。カルボン酸が特に効果的であることが分かっている。膨脹助剤として有用な、好適なカルボン酸は、少なくとも一個の炭素原子、好ましくは約15個までの炭素原子を有し、インターカレーション溶液中に、剥離の一つ以上の特徴を大きく改善するのに有効な量で溶解し得る、芳香族、脂肪族または環状脂肪族、直鎖状または分岐鎖状の、飽和および不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸およびポリカルボン酸から選択される。有機膨脹助剤のインターカレーション溶液に対する溶解度を改良するために、好適な有機溶剤を使用することができる。
【0022】
飽和脂肪族カルボン酸の代表例は、例えば式H(CH2)nCOOH(nは0〜約5の数である)を有する酸であり、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、等を包含する。カルボン酸の代わりに、酸無水物または反応性カルボン酸誘導体、例えばアルキルエステル、も使用できる。アルキルエステルの代表例は、ギ酸メチルおよびギ酸エチルである。硫酸、硝酸および他の公知の水性インターカレートは、ギ酸を最終的に水および二酸化炭素に分解する能力を有する。このため、ギ酸および他の敏感な膨脹助剤をグラファイトフレークと接触させた後で、水性インターカレートにフレークを浸漬するのが有利である。ジカルボン酸の代表例は、2〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、特にシュウ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,5−ペンタンジカルボン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸またはテレフタル酸である。アルキルエステルの代表例は、シュウ酸ジメチルおよびシュウ酸ジエチルである。環状脂肪族酸の代表例は、シクロヘキサンカルボン酸であり、芳香族カルボン酸の代表例は、安息香酸、ナフトエ酸、アントラニル酸、p−アミノ安息香酸、サリチル酸、o−、m−およびp−トリル酸、メトキシおよびエトキシ安息香酸、アセトアセタミド安息香酸およびアセトアミド安息香酸、フェニル酢酸およびナフトエ酸である。ヒドロキシ芳香族酸の代表例は、ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸および7−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸である。ポリカルボン酸の中ではクエン酸が特記される。
【0023】
インターカレーション溶液は、水性であり、剥離を強化するのに有効な量、好ましくは約1〜10%の膨脹助剤を含む。膨脹助剤をグラファイトフレークと、インターカレーション水溶液中に浸漬する前または後に接触させる実施態様では、膨脹助剤をグラファイトと、典型的にはグラファイトフレークの約0.2〜約10重量%の量で、好適な手段、例えばV−ブレンダー、により、混合することができる。
【0024】
グラファイトフレークをインターカレーション処理し、インターカレート被覆した、インターカレーション処理したグラファイトフレークを有機還元剤と混合した後、その混合物を温度25〜125℃にさらし、還元剤とインターカレート被覆の反応を促進する。加熱期間は約20時間までであり、上記範囲中の高い温度では、より短く、例えば少なくとも約10分間である。高い温度では、1時間半以下、例えば10〜25分間のオーダーの時間でよい。
【0025】
このように処理したグラファイト粒子は、「インターカレーション処理されたグラファイト」と呼ばれることがある。高温、例えば少なくとも約160℃、特に約700℃〜約1200℃以上の温度、にさらすことにより、インターカレーション処理されたグラファイトの粒子は、c−方向で、すなわち構成するグラファイト粒子の結晶面に対して直角の方向で、アコーディオン状に、その本来の体積の約80〜1000倍以上にも膨張する。膨脹した、すなわち剥離されたグラファイト粒子は、細長い外観を呈するので、一般的にウォームと呼ばれる。これらのウォームを一緒に圧縮し、フレキシブルのシートを形成することができるが、これらのシートは、本来のグラファイトフレークと異なり、様々な形状に成形および裁断し、以下に説明する様に、機械的衝撃を加えて変形させることにより、小さな横方向開口部を形成することができる。
【0026】
フレキシブルグラファイトシートおよびホイルは、凝集性であり、良好な取扱強度を有し、例えばロールプレス加工により、厚さ約0.075mm〜3.75mmおよび典型的な密度約0.1〜1.5グラム/立方センチメートル(g/cc)に効果的に圧縮される。米国特許第5,902,762号(ここに参考として含める)に開示されている様に、約1.5〜30重量%のセラミック添加剤をインターカレーション加工したグラファイトフレークと混合し、最終的なフレキシブルグラファイト製品の樹脂含浸性を高めることができる。これらの添加剤は、長さ約0.15〜1.5ミリメートルのセラミック繊維粒子を含む。粒子の幅は約0.04〜0.004mmが好適である。セラミック繊維粒子は、グラファイトに対して非反応性で非粘着性であり、約1100℃までの、好ましくは約1400℃以上の温度で安定している。好適なセラミック繊維粒子は、細断した石英ガラス繊維、炭素およびグラファイト繊維、ジルコニア、窒化ホウ素、炭化ケイ素およびマグネシア繊維、天然鉱物繊維、例えばメタケイ酸カルシウム繊維、ケイ酸カルシウムアルミニウム繊維、酸化アルミニウム繊維、等から形成される。
【0027】
フレキシブルグラファイトシートは、場合により、樹脂で処理するのが有利であり、吸収された樹脂は、硬化後、フレキシブルグラファイトシートの耐湿性および取扱強度、すなわち剛性、を高めると共に、シートの形状を「固定する」。好適な樹脂含有量は、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは約10〜35重量%であり、約60重量%までが好適である。本発明の実施に特に有用であることが分かっている樹脂としては、アクリル、エポキシおよびフェノールを基剤とする樹脂系、フッ素系重合体、またはそれらの混合物がある。好適なエポキシ樹脂系には、ジグリシジルエーテルまたはビスフェノールA(DGEBA)を基剤とする系、および他の多官能性樹脂系があり、使用できるフェノール系樹脂としては、レゾールおよびノボラックフェノール系がある。所望により、フレキシブルグラファイトは、樹脂に加えて、または樹脂の代わりに、繊維および/または塩を含浸させることができる。
【0028】
図1および図2に関して、フレキシブルグラファイトシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を10で示す。フレキシブルグラファイトシート10は、通路20を備えており、この通路は、好ましくは図5および8の67で示すような平滑な側面を有し、フレキシブルグラファイトシート10の平行な対向する表面30、40の間を通っている。通路20は、好ましくは対向する表面の一方30に開口部50を有し、その開口部50は、反対側の表面40にある開口部60よりも大きい。通路20は、図2(A)、2(B)、2(C)で20’〜20'''で示すような異なった構造を有することができ、これらの構造は、図1(A)および2(A)、2(B)、2(C)で75、175、275、375で示すような異なった形状の、平らな末端を有する突起部品を使用して形成され、これらの突起部品は、金属、例えば鋼、から形成され、図3に示す衝撃装置のプレス加工ローラー70と一体化され、そこから伸びている。77、177、277、377で示す突起部品の平滑で平らな末端、およびローラー70の平滑な座面73、およびローラー72の平滑な座面78(あるいは平らな金属板79)が、フレキシブルグラファイトシート中のグラファイトを確実に変形し、移動させる、すなわち通路形成衝撃により、粗い、または雑な縁部または破片は生じないのが好ましい。好ましい突起部品は、圧縮ローラー70から遠ざかる方向で断面が減少して行き、シートの、最初に衝撃を受ける側で、大きな通路開口部を与える。通路開口部60を取り囲んで平滑な、障害にならない表面63が形成されることにより、流体は、(67で)平滑な側面を有する通路20の中に、およびその通路を通って自由に流れることができる。
【0029】
好ましい実施態様では、対向する表面の一方にある開口部が反対側の表面にある通路開口部より、例えば面積で1〜200倍大きく、76、276、376で示すような、側面が収束する突起部品を使用することにより、得られる。通路20は、フレキシブルグラファイトシート10中に複数の予め決められた位置で、シート10中の予め決められた位置における機械的衝撃により、図3に示すような機構を使用して形成するが、この機構は、一対の鋼製ローラー70、72を含んでなり、ローラーの一方が、先端を切り取った、すなわち平らな末端を有するプリズム形突起75を有し、この突起がフレキシブルグラファイトシート10の表面30に衝撃を与え、グラファイトを移動させ、シート10に貫通し、開いた通路20を形成する。実際には、両方のローラー70、72が「重なり合っていない」突起を備えることができ、平滑な表面を有するローラー72の代わりに、79で示す平らな金属板を使用することもできる。図4は、フレキシブルグラファイトシート110の拡大図であり、圧縮された膨脹グラファイト粒子80の典型的な、対向表面130、140に対して実質的に平行な配向を示す。膨脹グラファイト粒子80のこの配向により、フレキシブルグラファイトシートにおける特性の異方性が得られ、シートの導電性および熱的伝導性が、対向する表面130、140に対して横方向(「c」方向)で、対向する表面130、140に対して平行な方向(「a」方向)よりも実質的に低くなる。フレキシブルグラファイトシート10に衝撃を与えて通路20を形成する際、図3に示すように、平らな末端を有する(77で)突起75が移動し、ローラー70の平滑な表面73に突き当たる時に、グラファイトを押し退け、図5の800で示すように、膨脹グラファイト粒子80の平行な配向をかき乱し、変形させる。通路20に隣接するこの区域800は、平行な配向が斜めの、平行ではない配向にかき乱されている様子を示し、これは100X以上の拡大で光学的に観察することができる。その結果、押し退けられたグラファイトは、図5に示すように、ローラー70の隣接する突起75の側面76および平滑な表面73により「ダイ成形」されている。これによってフレキシブルグラファイトシート10の異方性が低下し、対向する表面30、40に対して横方向で電気的および熱的伝導性が増加する。同様の効果は、円錐台形の、および側面が平行で末端が平らな釘形の突起275および175でも達成される。
【0030】
有利なことに、図9および10に示すように、グラファイトシート10の縁部には、孔を開けなくてもよい。つまり、シート10の縁部には通路20を形成せず、密封目的のために比較的にガス不透過性の縁部を与えることができる。通路20を形成しない縁部の量は、厳密でなくてよいが、シート10の縁部から内側に好ましくは少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約10%、は通路20を持たない。
【0031】
本発明の実施では、図6および6(A)に関して、図1に示すように横方向の通路20を有するガス透過性のフレキシブルグラファイトシート10は、その上側表面30に連続的な上が開いた溝300、流体入口303および流体出口305を備え、ガス拡散電極610を構成する。図6(B)は、開溝300が反対側の表面40に形成されている配置を示す。本発明の溝300は、堅い金属ダイを、図2に示す型のフレキシブルグラファイトシート材料、すなわち横方向通路20が表面30と表面40の間に通っているフレキシブルグラファイトシート、の上に押し付けることにより形成される。好ましい実施態様では、ダイが、ダイと接触する表面に、溝床310および溝ランドまたは壁320により形成される連続的な開いた溝300を形成する。しかし、別の実施態様では、溝300は、いずれかの特定のパターン、例えば効率または他の特徴を最適化するために通路20と共同するように設計されたパターン、で形成することができる。厚さが0.006インチ〜0.125インチのフレキシブルグラファイトのシートでは、深さが0.003インチ〜0.115インチであり、床310の幅が0.020インチ〜0.250インチであり、幅0.010インチ〜0.060インチの壁320により分離された溝300が好適である。
【0032】
重要なのは、通路20を形成した後のシート10中に開溝300を形成すると、シート10は、図6(A)および6(B)に示すように、断面が「コルゲート状」または波形になることである。つまり、壁320は、中空ではなく、逆「u」字形にほぼ等しくなる。従って、通路20は、溝床310でシート10を通して伸びるだけではなく、図に示すように、壁320の表面全体でシート10の一方の表面から他方の表面にも伸びることができる。このようにして、ガス、例えば燃料電池燃料または酸素、の自由流動が促進され、ガスが露出される触媒/メンブランの有効表面積が増大する。その上、通路20は、シート10の面に対して様々な角度で壁320を通って伸びるので、壁320の「内側」に向かう通路20を通って流れるガスの乱流が強化され、燃料電池の反応を促進することができる。
【0033】
図7および8に示す装置は、フレキシブルグラファイト610の溝を形成したガス透過性物体と、フレキシブルグラファイトカバー部品310の組合せの形態にある電極630である。
【0034】
図7および8に示すカバー部品330は、比較的高い密度、例えば0.9〜1.5g/ccにロール圧縮およびカレンダー加工した薄いフレキシブルグラファイトシート(0.003インチ〜0.010インチ)である。ロール圧縮およびカレンダー加工したシート310は、熱伝導率に関して異方性の程度が常に高い。フレキシブルグラファイトシートの面における方向(「a」方向)における熱伝導率は、典型的にはフレキシブルグラファイトシートを通した方向(「c」方向)における熱伝導率の30〜70倍である。その結果、図9、10、10(A)に示す燃料電池500で、例えば触媒603で電流のために発生した熱は、ガス拡散電極610を通り、接触している連続的なフレキシブルグラファイトシートカバー部品310に伝えられ、次いでグラファイトシート310の対向表面311、314に対して平行に、この方向(「a」)における高い熱伝導率のために、フレキシブルグラファイトシートカバー部品310の縁部312に急速に伝えられ、そこで熱は対流により容易に放散される。これによって、燃料電池の積重構造中に冷却用のセルまたは部品を組み込む必要性が最少に抑えられる。
【0035】
フレキシブルグラファイトシートカバー部品310とガス拡散電極610との間に最適な結合を達成するには、グラファイトシートカバー部品330に熱硬化性樹脂を含浸させ(例えば性フェノール系樹脂のアルコール溶液に浸漬することにより)、次いで樹脂含有フレキシブルグラファイトシート30を、ガス拡散電極610の溝形成した表面30または40の隆起した部分400と接触するように配置し、加熱して樹脂を硬化させ、溝形成した表面のランド400で結合部410を形成する。これは、樹脂含浸したカバー部品310を平らな金属表面上に置き、ガス拡散電極610を樹脂含浸したカバー部品310に軽く押し付けながら、樹脂を硬化させ、結合させるのに十分な温度、典型的には170℃〜400℃、にカバー部品310を加熱することにより都合良く達成される。あるいは、ガス拡散層のダイ形成した溝形成表面の隆起した部分400に類似の樹脂を塗布し、上記のように配置したカバー部品を硬化させることにより結合させることもできる。
【0036】
図9、図10および図10(A)は、電気化学的Fuel Cell 500の基本的部品を図式的に示すが、より完全な詳細は、それぞれここに参考として含める米国特許第4,988,583号および第5,300,370号およびPCTWO95/16287号(1995年6月15日)に開示されている。
【0037】
図9、図10および図10(A)に関して、全体的に500で示す燃料電池は、プラスチック、例えば固体重合体イオン交換メンブラン550触媒、表面601、603で塗布された、例えば図10(A)に示すように白金600を塗布された触媒、および有孔の表面に溝形成されたフレキシブルグラファイトシート610を、カバー部品310との組合せで含んでなる。加圧された燃料がガス拡散電極610の溝300を通して循環され、加圧された酸化体がガス拡散電極1610の溝1300を通して循環される。作動の際、ガス拡散電極610はアノードになり、ガス拡散電極1610はカソードになり、その結果、電位、すなわち電圧がアノード610とカソード1610との間に発生する。上記の電気化学的燃料電池は、上記の米国特許第5,300,370号に記載されているように、他の燃料電池と燃料電池積重構造中に組み合わされて電流を発生し、所望のレベルの電力を供給する。
【0038】
燃料電池500の作動では、電極610、1610は、イオン交換メンブランに隣接する燃料および酸化体流体、例えば水素および酸素、に対して多孔質であり、これらの成分を表面溝300および通路20から容易に通過させ、図10(A)に示すような触媒600と接触させ、水素に由来するプロトンを、イオン交換メンブラン550を通して移動させる。本発明のガス透過性電極610、1610では、横方向の通路20が、電極610、1610の表面溝300、1300に隣接して配置されているので、加圧されたガスが表面溝300、1300から中を通り、通路20から外に出て、触媒600と接触する。
【0039】
本発明では、通路に隣接する厚さが約0.003インチ〜0.015インチであり、密度が約0.5〜1.5グラム/立方センチメートルであるフレキシブルグラファイトシートに対して、好ましい通路密度(または数)は約1000〜3000通路/平方インチである。より好ましくは、通路密度は少なくとも約1200、最も好ましくは少なくとも約2300である。好ましい通路サイズは、大きい方と小さい方の通路開口部の面積比が約50:1〜150:1であり、上が開いた溝の幅が好ましくは約0.020〜0.125であり、シートの厚さの少なくとも約半分である。
【0040】
燃料電池で使用した場合の本発明の他の利点は、電極周辺部における放熱性が高いことであり、これによって電池中における冷却部品の必要性が最少に抑えられると共に、比較的薄い電極が得られ、一方または両方のフローフィールドプレートの必要性が無くなることである。
【0041】
上記の説明は、当業者が本発明を実施し得ることを意図している。この説明を読むことにより当業者が自明の可能な変形や修正のすべてを詳細に説明することは意図していない。しかしながら、そのような修正および変形のすべては、請求項により規定される本発明の範囲内に入る。状況が特に反対のことを示していない限り、請求項は、記載する部品および工程を、本発明が意図する目的に有効であるあらゆる配置または順序を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明により横方向通路を有する、フレキシブルグラファイトの横方向に透過し得るシートの平面図である。
【図1(A)】図1の有孔シートに通路を形成するのに使用する、末端が平らな突起部品を示す。
【図2】図1のシートの断面を示す側方立面図である。
【図2(A)】本発明の横方向通路に好適な様々な、末端が平らな形状を示す。
【図2(B)】本発明の横方向通路に好適な様々な、末端が平らな形状を示す。
【図2(C)】本発明の横方向通路に好適な様々な、末端が平らな形状を示す。
【図3】図1の物体を製造するための機構を示す。
【図3(A)】図1の物体を製造するための機構を示す。
【図4】フレキシブルグラファイトシート材料の、配向した膨脹グラファイト粒子の拡大立面図である。
【図5】本発明で使用する、横方向通路を有するフレキシブルグラファイトシートから形成された物体の拡大立面図である。
【図6】図1のシート材料から形成された、本発明により上側表面に形成された連続的な上が開いた溝を有する製品の上平面図である。
【図6(A)】図6に示す材料の側方断面図である。
【図6(B)】本発明により底部表面に連続的な上が開いた溝を有する、図1の材料の側方断面図である。
【図6(C)】図6の一部の上平面図である。
【図7】通路カバー部品を有する図6のシート材料を示す。
【図8】部分的に切り取った図7の材料の透視図である。
【図9】本発明の図6の製品を包含する流体透過性電極組立構造を示す。
【図10】本発明の図6の製品を包含する流体透過性電極組立構造を示す。
【図10(A)】本発明の図6の製品を包含する流体透過性電極組立構造を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、横方向で流体透過性であり、熱的および電気的伝導性に関して高い等方性を有する溝付きのフレキシブルグラファイトシートから形成された製品に関する。本発明の製品は、電気化学的燃料電池用の構成部品を形成するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
イオン交換メンブラン燃料電池、より詳しくはプロトン交換メンブラン(PEM)燃料電池、は、水素と空気中の酸素との化学反応により電気を発生する。燃料電池内では、アノードおよびカソードと呼ばれる電極が重合体電解質を取り囲み、一般的にメンブラン電極組立構造またはMEAと呼ばれるものを形成している。電極は、燃料電池のガス拡散層(またはGDL)としても機能することが多い。触媒材料が水素分子を刺激して水素原子に分裂させ、次いでメンブランにおいて、原子がそれぞれプロトンと電子に分裂する。電子は電気エネルギーとして利用される。プロトンは電解質を通して移行し、酸素および電子と結合し、水を形成する。
【0003】
PEM燃料電池は、2個のフローフィールドプレート間に挟まれたメンブラン電極組立構造を包含する。従来、メンブラン電極組立構造は、不規則に配向した炭素繊維紙電極(アノードおよびカソード)からなり、触媒材料、特に白金または白金族金属、の薄い層を含み、これらの層は、電極間に配置されたプロトン交換メンブランのいずれかの側に結合した等方性炭素粒子、例えばランプブラック上に施されている。動作の際、燃料、特に水素、はフローフィールドプレートの一方にある通路を通ってアノードに流れ、そこで触媒が、水素の水素原子への、さらにはプロトンと電子への分裂を促進し、プロトンはメンブランを通過し、電子は外部負荷を通って流れる。空気は他方のフローフィールドプレート中にある通路を通ってカソードに流れ、そこで空気中の酸素が酸素原子に分裂し、その酸素原子がプロトン交換メンブランを通してプロトンと結合し、また回路を通して電子と結合し、組み合わされて水を形成する。メンブランは絶縁体なので、電子は外部の回路を通って移動し、そこで電気が使用され、カソードでプロトンと結合する。カソード側の空気流は、水素と酸素の組合せにより形成される水を除去する機構の一つである。その様な燃料電池が燃料電池積重構造中で組み合わされ、所望の電圧を供給する。
【0004】
通路を備えたグラファイトシートをPEM燃料電池用ガス拡散層の形成に使用できることが開示されているが、これらの通路は、好ましくは側面が平滑で、フレキシブルグラファイトシートの対向する平行な表面間を通り、圧縮された膨脹性グラファイトの壁により分離されている。米国特許第6,413,671号でMercuri、WeberおよびWarddripにより開示されているように(この開示は、本願明細書に包含される)、これらの通路は、フレキシブルグラファイト中に、複数の箇所で、機械的圧縮衝撃により形成でき、例えば突出した頭部を切り取った突起を有するローラーを使用して形成することができる。そのパターンは、通路を通る流体の流れを、所望により制御する、最適化する、または最大にするために工夫することができる。例えば、フレキシブルグラファイトシート中に形成されたパターンにより、上記のように通路を選択的に配置することも、あるいは通路密度または通路形状を変化させ、例えば使用時の、または他の目的のために、流れを抑制または最少に抑え、電極の表面に沿って流体圧力を等化することもできる。例えば、公開国際特許出願第WO02/41421A1号(MercuriおよびKrassowski)が参照される。
【0005】
フローフィールドプレート(以下、「FFP」という)の形成に使用する材料中に連続的な反応物流動溝を形成するのに、圧縮力も使用できる。典型的には、エンボス加工工具を使用し、グラファイトシートを圧縮し、シート中に溝をエンボス加工する。GDLと異なり、FFP中の溝は、対向する一表面から、FFPを通って、第二表面に伸びていない。典型的には、これらの溝はFFPの一方の表面上にある。
【0006】
グラファイトは、炭素原子の六角形配列または網目の層平面から形成されている。これらの、六角形に配置された炭素原子の層平面は、実質的に平らであり、実質的に互いに平行で等間隔になるように配向または配列されている。実質的に平らで、平行で、等間隔の炭素原子のシートまたは層は、通常、基底面と呼ばれ、一つに連結または結合されており、それらの群がクリスタライトに配置されている。高度に秩序付けられたグラファイトは、かなりの大きさのクリスタライトからなり、それらのクリスタライトは、相互に高度に整列または配向しており、十分に秩序付けられた炭素層を有する。つまり、高度に秩序付けられたグラファイトは、高度の選択的クリスタライト配向を有する。グラファイトは、それらの固有の構造のために異方性を有し、従って、方向性が高い多くの特性、例えば熱的および電気的伝導性および流体拡散性、を示すか、または有する。手短に言うと、グラファイトは炭素のラミネート構造、すなわち弱いファンデルワールス力により一つに接合された炭素原子の重なり合った層または薄片からなる構造として特徴付けることができる。グラファイト構造を考える時、2つの軸または方向、すなわち「c」軸または方向および「a」軸または方向、を表示する。簡単にするために、「c」軸または方向は炭素層に対して直角の方向と考えることができる。「a」軸または方向は炭素層に対して平行の方向または「c」方向に対して直角の方向と考えることができる。フレキシブルのグラファイトシートを製造するのに最も適した天然グラファイトは、非常に高度の配向を有する。
【0007】
上記の様に、炭素原子の平行な層を一つに保持している結合力は弱いファンデルワールス力だけである。グラファイトを処理し、重なり合った炭素層または薄片間の間隔を十分に広げ、その層に対して直角の方向、すなわち「c」方向に大きく拡張し、膨張した、または膨れあがったグラファイト構造を形成することができ、その際、炭素層の薄層特性は実質的に維持されている。
【0008】
膨張した、より詳しくは、最終的な厚さ、つまり「c」方向寸法が本来の「c」方向寸法の約80倍以上にも膨張したグラファイトフレークを、結合剤を使用せずに形成し、膨張したグラファイトの凝集性の、または一体化されたシート、例えばウェブ、紙、細片、テープ、等を製造することができる。最終的な厚さ、つまり「c」方向寸法が本来の「c」方向寸法の約80倍以上にも膨張したグラファイト粒子を、一体化されたフレキシブルのシートに、結合剤を使用せずに圧縮により形成することは、大きく膨張したグラファイト粒子間に達成される優れた機械的なかみ合わせ力または凝集性により、可能であると考えられる。
【0009】
シート材料は、膨張グラファイト粒子およびグラファイト層が、非常に大きな圧縮、例えばロールプレス加工、により得られるシートの対向面に対して実質的に平行に配向しているために、フレキシブルに加えて、上記の様に、熱的および電気的な伝導性および流体拡散性に関して、出発材料である天然グラファイトに匹敵する高度の異方性を有することも分かっている。この様にして製造されたシート材料は、フレキシブル性に優れ、良好な強度を有し、非常に高度に配向している。
【0010】
簡潔に述べると、フレキシブルで、結合剤を含まない、異方性のグラファイトシート材料、例えばウェブ、紙、細片、テープ、ホイル、マット、等の製造方法は、予め決められた負荷の下で、結合剤の不存在下で、「c」方向寸法が本来の粒子の約80倍以上にも膨張したグラファイト粒子を圧縮または圧迫し、実質的に平らで、フレキシブルで、一体化されたグラファイトシートを形成することを含んでなる。膨張したグラファイト粒子は、一般的に外観がウォーム状である、または細長く、圧縮された後、圧縮永久ひずみを維持し、シートの対向する主表面と整列している。シート材料の密度および厚さは、圧縮の程度を制御することにより変えることができる。シート材料の密度は約5ポンド/立方フィート〜約125ポンド/立方フィートである。フレキシブルのグラファイトシート材料は、グラファイト粒子がシートの対向する平行な主要表面に対して平行に整列しているために、かなりの程度の異方性を示し、異方性の程度は、シート材料をロールプレス加工し、密度を増加することにより増加する。ロールプレス加工した異方性シート材料では、厚さ、すなわち、対向する平行なシート表面に対して直角の方向は「c」方向を含んでなり、長さおよび幅に沿った、すなわち対向する主要表面に沿った、または平行な方向は、「a」方向を含んでなり、シートの熱的、電気的および流体拡散性は、「c」および「a」方向で非常に大きく、数等級異なっている。
【発明の開示】
【0011】
本発明により、対向する第一および第二主要表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を含んでなり、シートの第一および第二表面の間を通る横方向の流体通路を含むグラファイト製品であって、表面の少なくとも一方が、複数の横方向流体通路と相互接続する、上が開いた溝(open top groove)を有する製品を提供する。上に開いた溝は、一連の相互接続シート「床」およびシート「ランド」または「壁」を含んでなり、これらが共同でシート表面の少なくとも一方に沿って溝を形成する。
【0012】
シートの対向する第一および第二表面の間を通る横方向流体通路は、シートの表面に機械的な衝撃を作用させ、複数の予め決められた位置でグラファイトを移動させ、第一および第二の対向する表面に開口部を有する通路を与えることにより形成するのが有利である。特別な実施態様では、平行な対向する表面の一方にある横方向通路開口部が、他方の対向する表面にあるそれぞれの開口部よりも小さいので、小さな通路開口部を有する対向表面と接触する加圧流体がそれぞれの通路に入る初期速度は、それぞれの通路から出る流体の速度よりも大きい、すなわちガス出口速度が遅くなる。同様に、大きな通路開口部を有する対向表面と接触する加圧流体は、より高いガス出口速度を有する。横方向通路を形成したシートに、その対向表面の一方で機械的な衝撃をさらに作用させ、シート中でグラファイトを移動させ、製品の表面に好ましくは連続的な、複数の横方向流体通路と相互接続する、上が開いた溝を形成する。機械的な衝撃は、成形、プレス加工、またはエンボス加工により与えることができる。上が開いた溝は、彫刻またはエッチング技術によって形成することもできる。しかし、以下に説明する理由から、横方向通路を形成した後で、シート中に溝を形成するのが最も有利である。
【0013】
本発明の製品は、一体的なガス拡散素子を有する電気化学的燃料電池用の、流体透過性の、例えばガス拡散電極を形成するための基材として有用である。本発明により、溝を形成した表面のためのカバー部品も提供するが、この部品は、ロールプレス加工およびカレンダー加工した異方性フレキシブルグラファイトの形態にあり、以下に記載する電気化学的燃料電池におけるガス拡散電極の熱移動性能を強化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
グラファイトは、平らな層状平面で共有結合した原子を含んでなり、平面間で弱く結合した結晶形態の炭素である。グラファイトの粒子、例えば天然グラファイトフレーク、を、インターカレート(intercalant)、例えば硫酸および硝酸の溶液、で処理することにより、グラファイトの結晶構造が反応し、グラファイトとインターカレートの化合物を形成する。処理したグラファイト粒子を、以下、「インターカレーション処理されたグラファイトの粒子」と呼ぶ。高温にさらすことにより、グラファイト中のインターカレートが揮発し、インターカレーション処理されたグラファイトの粒子を「c」方向で、すなわちグラファイトの結晶平面に対して直角の方向で、アコーディオン状に、その本来の体積の約80倍以上もの寸法で膨張させる。剥離されたグラファイト粒子は、細長い外観を呈するので、一般的にウォームと呼ばれる。これらのウォームを一緒に圧迫し、フレキシブルのシートを形成することができるが、これらのシートは、本来のグラファイトフレークと異なり、様々な形状に成形および裁断し、機械的な衝撃で変形させることにより、小さな横方向開口部を形成することができる。
【0015】
本発明で使用するのに好適なフレキシブルシート用のグラファイト出発材料としては、有機および無機酸ならびにハロゲンでインターカレーション処理し、次いで加熱した時に膨脹することができるグラファイト化度の高い炭素質材料がある。これらのグラファイト化度の高い炭素質材料は、最も好ましくは約1.0のグラファイト化度を有する。本発明で使用する用語「グラファイト化度」は、式
【数1】
に従う値を意味する。ここでd(002)は、オングストローム単位で測定した結晶構造中にある炭素のグラファイト層間における間隔である。グラファイト層間の間隔dは標準的なX線回折技術により測定される。(002)、(004)および(006)ミラー指数に対応する回折ピークの位置を測定し、標準的な最小二乗法を使用し、これらのピークすべてに対する総誤差を最小にする間隔を導く。グラファイト化度の高い炭素質材料の例としては、様々な供給源から得られる天然グラファイト、ならびに他の炭素質材料、例えば化学蒸着、等により製造された炭素、がある。天然グラファイトが最も好ましい。
【0016】
本発明で使用するフレキシブルシート用のグラファイト出発材料は、出発材料の結晶構造が必要なグラファイト化度を維持し、剥離可能である限り、非炭素成分を含むことができる。一般的に、結晶構造が必要なグラファイト化度を有し、剥離可能である炭素含有材料はすべて、本発明で使用するのに好適である。その様なグラファイトは、好ましくは灰分が20重量%未満である。より好ましくは、本発明で使用するグラファイトは、純度が少なくとも約94%である。最も好ましい実施態様、例えば燃料電池用途向け、では、使用するグラファイトの純度が少なくとも約99%である。
【0017】
グラファイトシートを製造する一般的な方法は、Shaneらの米国特許第3,404,061号(この開示は本願明細書に包含される)に記載されている。Shaneらの方法の典型的な実施では、例えば硝酸および硫酸の混合物を、好ましくはグラファイトフレーク100重量部あたりインターカレート溶液約20〜約300重量部(pph)のレベルで含む溶液中にフレークを分散させることにより、天然グラファイトフレークをインターカレーション処理する。インターカレーション溶液は、この分野で公知の酸化剤および一種以上のインターカレーション剤を含むことができる。例としては、酸化剤および酸化性混合物を含む溶液、例えば硝酸、塩素酸カリウム、クロム酸、過マンガン酸カリウム、クロム酸カリウム、二クロム酸カリウム、過塩素酸等、または混合物、例えば、濃硝酸と塩素酸塩、クロム酸とリン酸、硫酸と硝酸、または強有機酸の混合物、例えばトリフルオロ酢酸、および有機酸に可溶な強酸化剤、を含む溶液が挙げられる。あるいは、電位を利用してグラファイトの酸化を引き起こすこともできる。電解酸化を利用してグラファイト結晶中に導入することができる化学種は、硫酸ならびに他の酸を含む。
【0018】
好ましい実施態様においては、インターカレーション剤は、硫酸、または硫酸およびリン酸、と酸化剤、例えば硝酸、過塩素酸酸、クロム酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、ヨウ素酸または過ヨウ素酸、等、との混合物の溶液である。あまり好ましくはないが、インターカレーション溶液は、金属ハロゲン化物、例えば塩化第二鉄、および硫酸と混合した塩化第二鉄、またはハロゲン化物、例えば臭素と硫酸の溶液として、または臭素の有機溶剤溶液として、臭素を含むこともできる。
【0019】
インターカレーション溶液の量は、約20〜約150pph、より典型的には約50〜約120pphである。フレークをインターカレーション処理した後、過剰の溶液はすべてフレークから排出し、フレークを水洗する。あるいは、インターカレーション溶液の量を、約10〜約50pphに制限することができ、これによって、ここにその開示を参考として含める米国特許第4,895,713号に開示されている様に、洗浄工程を無くすことができる。
【0020】
インターカレーション溶液で処理したグラファイトフレークの粒子は、所望により、例えば混合により、アルコール、糖、アルデヒドおよびエステルから選択された、温度25℃〜125℃で酸化性インターカレーション溶液の表面被膜と反応し得る還元剤と接触させることができる。好適な、具体的な有機試剤としては、ヘキサデカノール、オクタデカノール、1−オクタノール、2−オクタノール、デシルアルコール、1,10デカンジオール、デシルアルデヒド、1−プロパノール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、デキストロース、フルクトース、ラクトース、スクロース、ジャガイモデンプン、エチレングリコールモノステアレート、ジエチレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノステアレート、ジメチルオキシレート、ジエチルオキシレート、メチルホルメート、エチルホルメート、アスコルビン酸およびリグニンに由来する化合物、例えばリグノ硫酸ナトリウムがある。有機還元剤の量は、グラファイトフレーク粒子の約0.5〜4重量%であるのが好適である。
【0021】
インターカレーションの前、最中または直後に膨脹助剤を塗布することによっても改良することができる。これらの改良には、剥離温度の低下および膨脹体積(「ウォーム体積」とも呼ばれる)の増加が含まれる。本明細書における膨脹助剤は、膨脹の改良を達成できるように、インターカレーション溶液に十分に可溶な有機材料が有利である。より詳しくは、好ましくは炭素、水素および酸素だけを含む、この種の有機材料を使用するとよい。カルボン酸が特に効果的であることが分かっている。膨脹助剤として有用な、好適なカルボン酸は、少なくとも一個の炭素原子、好ましくは約15個までの炭素原子を有し、インターカレーション溶液中に、剥離の一つ以上の特徴を大きく改善するのに有効な量で溶解し得る、芳香族、脂肪族または環状脂肪族、直鎖状または分岐鎖状の、飽和および不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸およびポリカルボン酸から選択される。有機膨脹助剤のインターカレーション溶液に対する溶解度を改良するために、好適な有機溶剤を使用することができる。
【0022】
飽和脂肪族カルボン酸の代表例は、例えば式H(CH2)nCOOH(nは0〜約5の数である)を有する酸であり、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、等を包含する。カルボン酸の代わりに、酸無水物または反応性カルボン酸誘導体、例えばアルキルエステル、も使用できる。アルキルエステルの代表例は、ギ酸メチルおよびギ酸エチルである。硫酸、硝酸および他の公知の水性インターカレートは、ギ酸を最終的に水および二酸化炭素に分解する能力を有する。このため、ギ酸および他の敏感な膨脹助剤をグラファイトフレークと接触させた後で、水性インターカレートにフレークを浸漬するのが有利である。ジカルボン酸の代表例は、2〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、特にシュウ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,5−ペンタンジカルボン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸またはテレフタル酸である。アルキルエステルの代表例は、シュウ酸ジメチルおよびシュウ酸ジエチルである。環状脂肪族酸の代表例は、シクロヘキサンカルボン酸であり、芳香族カルボン酸の代表例は、安息香酸、ナフトエ酸、アントラニル酸、p−アミノ安息香酸、サリチル酸、o−、m−およびp−トリル酸、メトキシおよびエトキシ安息香酸、アセトアセタミド安息香酸およびアセトアミド安息香酸、フェニル酢酸およびナフトエ酸である。ヒドロキシ芳香族酸の代表例は、ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸および7−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸である。ポリカルボン酸の中ではクエン酸が特記される。
【0023】
インターカレーション溶液は、水性であり、剥離を強化するのに有効な量、好ましくは約1〜10%の膨脹助剤を含む。膨脹助剤をグラファイトフレークと、インターカレーション水溶液中に浸漬する前または後に接触させる実施態様では、膨脹助剤をグラファイトと、典型的にはグラファイトフレークの約0.2〜約10重量%の量で、好適な手段、例えばV−ブレンダー、により、混合することができる。
【0024】
グラファイトフレークをインターカレーション処理し、インターカレート被覆した、インターカレーション処理したグラファイトフレークを有機還元剤と混合した後、その混合物を温度25〜125℃にさらし、還元剤とインターカレート被覆の反応を促進する。加熱期間は約20時間までであり、上記範囲中の高い温度では、より短く、例えば少なくとも約10分間である。高い温度では、1時間半以下、例えば10〜25分間のオーダーの時間でよい。
【0025】
このように処理したグラファイト粒子は、「インターカレーション処理されたグラファイト」と呼ばれることがある。高温、例えば少なくとも約160℃、特に約700℃〜約1200℃以上の温度、にさらすことにより、インターカレーション処理されたグラファイトの粒子は、c−方向で、すなわち構成するグラファイト粒子の結晶面に対して直角の方向で、アコーディオン状に、その本来の体積の約80〜1000倍以上にも膨張する。膨脹した、すなわち剥離されたグラファイト粒子は、細長い外観を呈するので、一般的にウォームと呼ばれる。これらのウォームを一緒に圧縮し、フレキシブルのシートを形成することができるが、これらのシートは、本来のグラファイトフレークと異なり、様々な形状に成形および裁断し、以下に説明する様に、機械的衝撃を加えて変形させることにより、小さな横方向開口部を形成することができる。
【0026】
フレキシブルグラファイトシートおよびホイルは、凝集性であり、良好な取扱強度を有し、例えばロールプレス加工により、厚さ約0.075mm〜3.75mmおよび典型的な密度約0.1〜1.5グラム/立方センチメートル(g/cc)に効果的に圧縮される。米国特許第5,902,762号(ここに参考として含める)に開示されている様に、約1.5〜30重量%のセラミック添加剤をインターカレーション加工したグラファイトフレークと混合し、最終的なフレキシブルグラファイト製品の樹脂含浸性を高めることができる。これらの添加剤は、長さ約0.15〜1.5ミリメートルのセラミック繊維粒子を含む。粒子の幅は約0.04〜0.004mmが好適である。セラミック繊維粒子は、グラファイトに対して非反応性で非粘着性であり、約1100℃までの、好ましくは約1400℃以上の温度で安定している。好適なセラミック繊維粒子は、細断した石英ガラス繊維、炭素およびグラファイト繊維、ジルコニア、窒化ホウ素、炭化ケイ素およびマグネシア繊維、天然鉱物繊維、例えばメタケイ酸カルシウム繊維、ケイ酸カルシウムアルミニウム繊維、酸化アルミニウム繊維、等から形成される。
【0027】
フレキシブルグラファイトシートは、場合により、樹脂で処理するのが有利であり、吸収された樹脂は、硬化後、フレキシブルグラファイトシートの耐湿性および取扱強度、すなわち剛性、を高めると共に、シートの形状を「固定する」。好適な樹脂含有量は、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは約10〜35重量%であり、約60重量%までが好適である。本発明の実施に特に有用であることが分かっている樹脂としては、アクリル、エポキシおよびフェノールを基剤とする樹脂系、フッ素系重合体、またはそれらの混合物がある。好適なエポキシ樹脂系には、ジグリシジルエーテルまたはビスフェノールA(DGEBA)を基剤とする系、および他の多官能性樹脂系があり、使用できるフェノール系樹脂としては、レゾールおよびノボラックフェノール系がある。所望により、フレキシブルグラファイトは、樹脂に加えて、または樹脂の代わりに、繊維および/または塩を含浸させることができる。
【0028】
図1および図2に関して、フレキシブルグラファイトシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を10で示す。フレキシブルグラファイトシート10は、通路20を備えており、この通路は、好ましくは図5および8の67で示すような平滑な側面を有し、フレキシブルグラファイトシート10の平行な対向する表面30、40の間を通っている。通路20は、好ましくは対向する表面の一方30に開口部50を有し、その開口部50は、反対側の表面40にある開口部60よりも大きい。通路20は、図2(A)、2(B)、2(C)で20’〜20'''で示すような異なった構造を有することができ、これらの構造は、図1(A)および2(A)、2(B)、2(C)で75、175、275、375で示すような異なった形状の、平らな末端を有する突起部品を使用して形成され、これらの突起部品は、金属、例えば鋼、から形成され、図3に示す衝撃装置のプレス加工ローラー70と一体化され、そこから伸びている。77、177、277、377で示す突起部品の平滑で平らな末端、およびローラー70の平滑な座面73、およびローラー72の平滑な座面78(あるいは平らな金属板79)が、フレキシブルグラファイトシート中のグラファイトを確実に変形し、移動させる、すなわち通路形成衝撃により、粗い、または雑な縁部または破片は生じないのが好ましい。好ましい突起部品は、圧縮ローラー70から遠ざかる方向で断面が減少して行き、シートの、最初に衝撃を受ける側で、大きな通路開口部を与える。通路開口部60を取り囲んで平滑な、障害にならない表面63が形成されることにより、流体は、(67で)平滑な側面を有する通路20の中に、およびその通路を通って自由に流れることができる。
【0029】
好ましい実施態様では、対向する表面の一方にある開口部が反対側の表面にある通路開口部より、例えば面積で1〜200倍大きく、76、276、376で示すような、側面が収束する突起部品を使用することにより、得られる。通路20は、フレキシブルグラファイトシート10中に複数の予め決められた位置で、シート10中の予め決められた位置における機械的衝撃により、図3に示すような機構を使用して形成するが、この機構は、一対の鋼製ローラー70、72を含んでなり、ローラーの一方が、先端を切り取った、すなわち平らな末端を有するプリズム形突起75を有し、この突起がフレキシブルグラファイトシート10の表面30に衝撃を与え、グラファイトを移動させ、シート10に貫通し、開いた通路20を形成する。実際には、両方のローラー70、72が「重なり合っていない」突起を備えることができ、平滑な表面を有するローラー72の代わりに、79で示す平らな金属板を使用することもできる。図4は、フレキシブルグラファイトシート110の拡大図であり、圧縮された膨脹グラファイト粒子80の典型的な、対向表面130、140に対して実質的に平行な配向を示す。膨脹グラファイト粒子80のこの配向により、フレキシブルグラファイトシートにおける特性の異方性が得られ、シートの導電性および熱的伝導性が、対向する表面130、140に対して横方向(「c」方向)で、対向する表面130、140に対して平行な方向(「a」方向)よりも実質的に低くなる。フレキシブルグラファイトシート10に衝撃を与えて通路20を形成する際、図3に示すように、平らな末端を有する(77で)突起75が移動し、ローラー70の平滑な表面73に突き当たる時に、グラファイトを押し退け、図5の800で示すように、膨脹グラファイト粒子80の平行な配向をかき乱し、変形させる。通路20に隣接するこの区域800は、平行な配向が斜めの、平行ではない配向にかき乱されている様子を示し、これは100X以上の拡大で光学的に観察することができる。その結果、押し退けられたグラファイトは、図5に示すように、ローラー70の隣接する突起75の側面76および平滑な表面73により「ダイ成形」されている。これによってフレキシブルグラファイトシート10の異方性が低下し、対向する表面30、40に対して横方向で電気的および熱的伝導性が増加する。同様の効果は、円錐台形の、および側面が平行で末端が平らな釘形の突起275および175でも達成される。
【0030】
有利なことに、図9および10に示すように、グラファイトシート10の縁部には、孔を開けなくてもよい。つまり、シート10の縁部には通路20を形成せず、密封目的のために比較的にガス不透過性の縁部を与えることができる。通路20を形成しない縁部の量は、厳密でなくてよいが、シート10の縁部から内側に好ましくは少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約10%、は通路20を持たない。
【0031】
本発明の実施では、図6および6(A)に関して、図1に示すように横方向の通路20を有するガス透過性のフレキシブルグラファイトシート10は、その上側表面30に連続的な上が開いた溝300、流体入口303および流体出口305を備え、ガス拡散電極610を構成する。図6(B)は、開溝300が反対側の表面40に形成されている配置を示す。本発明の溝300は、堅い金属ダイを、図2に示す型のフレキシブルグラファイトシート材料、すなわち横方向通路20が表面30と表面40の間に通っているフレキシブルグラファイトシート、の上に押し付けることにより形成される。好ましい実施態様では、ダイが、ダイと接触する表面に、溝床310および溝ランドまたは壁320により形成される連続的な開いた溝300を形成する。しかし、別の実施態様では、溝300は、いずれかの特定のパターン、例えば効率または他の特徴を最適化するために通路20と共同するように設計されたパターン、で形成することができる。厚さが0.006インチ〜0.125インチのフレキシブルグラファイトのシートでは、深さが0.003インチ〜0.115インチであり、床310の幅が0.020インチ〜0.250インチであり、幅0.010インチ〜0.060インチの壁320により分離された溝300が好適である。
【0032】
重要なのは、通路20を形成した後のシート10中に開溝300を形成すると、シート10は、図6(A)および6(B)に示すように、断面が「コルゲート状」または波形になることである。つまり、壁320は、中空ではなく、逆「u」字形にほぼ等しくなる。従って、通路20は、溝床310でシート10を通して伸びるだけではなく、図に示すように、壁320の表面全体でシート10の一方の表面から他方の表面にも伸びることができる。このようにして、ガス、例えば燃料電池燃料または酸素、の自由流動が促進され、ガスが露出される触媒/メンブランの有効表面積が増大する。その上、通路20は、シート10の面に対して様々な角度で壁320を通って伸びるので、壁320の「内側」に向かう通路20を通って流れるガスの乱流が強化され、燃料電池の反応を促進することができる。
【0033】
図7および8に示す装置は、フレキシブルグラファイト610の溝を形成したガス透過性物体と、フレキシブルグラファイトカバー部品310の組合せの形態にある電極630である。
【0034】
図7および8に示すカバー部品330は、比較的高い密度、例えば0.9〜1.5g/ccにロール圧縮およびカレンダー加工した薄いフレキシブルグラファイトシート(0.003インチ〜0.010インチ)である。ロール圧縮およびカレンダー加工したシート310は、熱伝導率に関して異方性の程度が常に高い。フレキシブルグラファイトシートの面における方向(「a」方向)における熱伝導率は、典型的にはフレキシブルグラファイトシートを通した方向(「c」方向)における熱伝導率の30〜70倍である。その結果、図9、10、10(A)に示す燃料電池500で、例えば触媒603で電流のために発生した熱は、ガス拡散電極610を通り、接触している連続的なフレキシブルグラファイトシートカバー部品310に伝えられ、次いでグラファイトシート310の対向表面311、314に対して平行に、この方向(「a」)における高い熱伝導率のために、フレキシブルグラファイトシートカバー部品310の縁部312に急速に伝えられ、そこで熱は対流により容易に放散される。これによって、燃料電池の積重構造中に冷却用のセルまたは部品を組み込む必要性が最少に抑えられる。
【0035】
フレキシブルグラファイトシートカバー部品310とガス拡散電極610との間に最適な結合を達成するには、グラファイトシートカバー部品330に熱硬化性樹脂を含浸させ(例えば性フェノール系樹脂のアルコール溶液に浸漬することにより)、次いで樹脂含有フレキシブルグラファイトシート30を、ガス拡散電極610の溝形成した表面30または40の隆起した部分400と接触するように配置し、加熱して樹脂を硬化させ、溝形成した表面のランド400で結合部410を形成する。これは、樹脂含浸したカバー部品310を平らな金属表面上に置き、ガス拡散電極610を樹脂含浸したカバー部品310に軽く押し付けながら、樹脂を硬化させ、結合させるのに十分な温度、典型的には170℃〜400℃、にカバー部品310を加熱することにより都合良く達成される。あるいは、ガス拡散層のダイ形成した溝形成表面の隆起した部分400に類似の樹脂を塗布し、上記のように配置したカバー部品を硬化させることにより結合させることもできる。
【0036】
図9、図10および図10(A)は、電気化学的Fuel Cell 500の基本的部品を図式的に示すが、より完全な詳細は、それぞれここに参考として含める米国特許第4,988,583号および第5,300,370号およびPCTWO95/16287号(1995年6月15日)に開示されている。
【0037】
図9、図10および図10(A)に関して、全体的に500で示す燃料電池は、プラスチック、例えば固体重合体イオン交換メンブラン550触媒、表面601、603で塗布された、例えば図10(A)に示すように白金600を塗布された触媒、および有孔の表面に溝形成されたフレキシブルグラファイトシート610を、カバー部品310との組合せで含んでなる。加圧された燃料がガス拡散電極610の溝300を通して循環され、加圧された酸化体がガス拡散電極1610の溝1300を通して循環される。作動の際、ガス拡散電極610はアノードになり、ガス拡散電極1610はカソードになり、その結果、電位、すなわち電圧がアノード610とカソード1610との間に発生する。上記の電気化学的燃料電池は、上記の米国特許第5,300,370号に記載されているように、他の燃料電池と燃料電池積重構造中に組み合わされて電流を発生し、所望のレベルの電力を供給する。
【0038】
燃料電池500の作動では、電極610、1610は、イオン交換メンブランに隣接する燃料および酸化体流体、例えば水素および酸素、に対して多孔質であり、これらの成分を表面溝300および通路20から容易に通過させ、図10(A)に示すような触媒600と接触させ、水素に由来するプロトンを、イオン交換メンブラン550を通して移動させる。本発明のガス透過性電極610、1610では、横方向の通路20が、電極610、1610の表面溝300、1300に隣接して配置されているので、加圧されたガスが表面溝300、1300から中を通り、通路20から外に出て、触媒600と接触する。
【0039】
本発明では、通路に隣接する厚さが約0.003インチ〜0.015インチであり、密度が約0.5〜1.5グラム/立方センチメートルであるフレキシブルグラファイトシートに対して、好ましい通路密度(または数)は約1000〜3000通路/平方インチである。より好ましくは、通路密度は少なくとも約1200、最も好ましくは少なくとも約2300である。好ましい通路サイズは、大きい方と小さい方の通路開口部の面積比が約50:1〜150:1であり、上が開いた溝の幅が好ましくは約0.020〜0.125であり、シートの厚さの少なくとも約半分である。
【0040】
燃料電池で使用した場合の本発明の他の利点は、電極周辺部における放熱性が高いことであり、これによって電池中における冷却部品の必要性が最少に抑えられると共に、比較的薄い電極が得られ、一方または両方のフローフィールドプレートの必要性が無くなることである。
【0041】
上記の説明は、当業者が本発明を実施し得ることを意図している。この説明を読むことにより当業者が自明の可能な変形や修正のすべてを詳細に説明することは意図していない。しかしながら、そのような修正および変形のすべては、請求項により規定される本発明の範囲内に入る。状況が特に反対のことを示していない限り、請求項は、記載する部品および工程を、本発明が意図する目的に有効であるあらゆる配置または順序を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明により横方向通路を有する、フレキシブルグラファイトの横方向に透過し得るシートの平面図である。
【図1(A)】図1の有孔シートに通路を形成するのに使用する、末端が平らな突起部品を示す。
【図2】図1のシートの断面を示す側方立面図である。
【図2(A)】本発明の横方向通路に好適な様々な、末端が平らな形状を示す。
【図2(B)】本発明の横方向通路に好適な様々な、末端が平らな形状を示す。
【図2(C)】本発明の横方向通路に好適な様々な、末端が平らな形状を示す。
【図3】図1の物体を製造するための機構を示す。
【図3(A)】図1の物体を製造するための機構を示す。
【図4】フレキシブルグラファイトシート材料の、配向した膨脹グラファイト粒子の拡大立面図である。
【図5】本発明で使用する、横方向通路を有するフレキシブルグラファイトシートから形成された物体の拡大立面図である。
【図6】図1のシート材料から形成された、本発明により上側表面に形成された連続的な上が開いた溝を有する製品の上平面図である。
【図6(A)】図6に示す材料の側方断面図である。
【図6(B)】本発明により底部表面に連続的な上が開いた溝を有する、図1の材料の側方断面図である。
【図6(C)】図6の一部の上平面図である。
【図7】通路カバー部品を有する図6のシート材料を示す。
【図8】部分的に切り取った図7の材料の透視図である。
【図9】本発明の図6の製品を包含する流体透過性電極組立構造を示す。
【図10】本発明の図6の製品を包含する流体透過性電極組立構造を示す。
【図10(A)】本発明の図6の製品を包含する流体透過性電極組立構造を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を含んでなり、前記シートが、前記シートの第一および第二対向表面の間を通る複数の横方向流体通路を有し、前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝が形成されているグラファイト製品であって、
前記開溝が溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁がその溝壁中を通る横方向流体通路を有する、製品。
【請求項2】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項3に記載の製品。
【請求項5】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させ、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
(i)対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料、および(ii)前記溝が形成されている前記表面に結合され、前記溝のためのカバーを備えるフレキシブルグラファイトのシートを含んでなる、電気化学的燃料電池用の構成部品の形成に好適な基材であって、前記シートは、前記シートの中を通る複数の横方向流体通路を有し、前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝が形成されてなり、
前記開溝が溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁が、その溝壁中を通る横方向流体通路を有する、基材。
【請求項8】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項7に記載の基材。
【請求項9】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項7に記載の基材。
【請求項10】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項7に記載の基材。
【請求項11】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項10に記載の基材。
【請求項12】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項7に記載の基材。
【請求項13】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項12に記載の基材。
【請求項14】
グラファイト製品の形成方法であって、対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を用意し、前記シート中に、前記シートの対向する第一および第二表面の間を通る複数の横方向流体通路を形成し、前記シートの前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝を形成することを含んでなり、
前記開溝が、溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁が、その溝壁中を通る横方向流体通路を有する、方法。
【請求項15】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記開溝に、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えることをさらに含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記開溝に、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えることをさらに含んでなる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項18に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を含んでなり、前記シートが、前記シートの第一および第二対向表面の間を通る複数の横方向流体通路を有し、前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝が形成されているグラファイト製品。
【請求項2】
前記開溝が、溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁がその溝壁中を通る横方向流体通路を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項1に記載の製品。
【請求項7】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させ、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項6に記載の製品。
【請求項8】
(i)対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料、および(ii)前記溝が形成されている前記表面に結合され、前記溝のためのカバーを備えるフレキシブルグラファイトのシートを含んでなり、前記シートは、前記シートの中を通る複数の横方向流体通路を有し、前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝が形成されてなる、電気化学的燃料電池用の構成部品の形成に好適な基材。
【請求項9】
前記開溝が溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁が、その溝壁中を通る横方向流体通路を有する、請求項8に記載の基材。
【請求項10】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項8に記載の基材。
【請求項11】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項8に記載の基材。
【請求項12】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項9に記載の基材。
【請求項13】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項12に記載の基材。
【請求項14】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項8に記載の基材。
【請求項15】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項14に記載の基材。
【請求項16】
グラファイト製品の形成方法であって、対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を用意し、前記シート中に、前記シートの対向する第一および第二表面の間を通る複数の横方向流体通路を形成し、前記シートの前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝を形成することを含んでなる、方法。
【請求項17】
前記開溝が、溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁が、その溝壁中を通る横方向流体通路を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記開溝に、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えることをさらに含んでなる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記開溝に、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えることをさらに含んでなる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項1】
対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を含んでなり、前記シートが、前記シートの第一および第二対向表面の間を通る複数の横方向流体通路を有し、前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝が形成されているグラファイト製品であって、
前記開溝が溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁がその溝壁中を通る横方向流体通路を有する、製品。
【請求項2】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項3に記載の製品。
【請求項5】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させ、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
(i)対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料、および(ii)前記溝が形成されている前記表面に結合され、前記溝のためのカバーを備えるフレキシブルグラファイトのシートを含んでなる、電気化学的燃料電池用の構成部品の形成に好適な基材であって、前記シートは、前記シートの中を通る複数の横方向流体通路を有し、前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝が形成されてなり、
前記開溝が溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁が、その溝壁中を通る横方向流体通路を有する、基材。
【請求項8】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項7に記載の基材。
【請求項9】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項7に記載の基材。
【請求項10】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項7に記載の基材。
【請求項11】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項10に記載の基材。
【請求項12】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項7に記載の基材。
【請求項13】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項12に記載の基材。
【請求項14】
グラファイト製品の形成方法であって、対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を用意し、前記シート中に、前記シートの対向する第一および第二表面の間を通る複数の横方向流体通路を形成し、前記シートの前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝を形成することを含んでなり、
前記開溝が、溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁が、その溝壁中を通る横方向流体通路を有する、方法。
【請求項15】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記開溝に、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えることをさらに含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記開溝に、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えることをさらに含んでなる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項18に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を含んでなり、前記シートが、前記シートの第一および第二対向表面の間を通る複数の横方向流体通路を有し、前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝が形成されているグラファイト製品。
【請求項2】
前記開溝が、溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁がその溝壁中を通る横方向流体通路を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項1に記載の製品。
【請求項7】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させ、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項6に記載の製品。
【請求項8】
(i)対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料、および(ii)前記溝が形成されている前記表面に結合され、前記溝のためのカバーを備えるフレキシブルグラファイトのシートを含んでなり、前記シートは、前記シートの中を通る複数の横方向流体通路を有し、前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝が形成されてなる、電気化学的燃料電池用の構成部品の形成に好適な基材。
【請求項9】
前記開溝が溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁が、その溝壁中を通る横方向流体通路を有する、請求項8に記載の基材。
【請求項10】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項8に記載の基材。
【請求項11】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項8に記載の基材。
【請求項12】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項9に記載の基材。
【請求項13】
前記開溝が、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えてなる、請求項12に記載の基材。
【請求項14】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項8に記載の基材。
【請求項15】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項14に記載の基材。
【請求項16】
グラファイト製品の形成方法であって、対向する第一および第二表面を有するシートの形態にある膨脹グラファイト粒子の圧縮材料を用意し、前記シート中に、前記シートの対向する第一および第二表面の間を通る複数の横方向流体通路を形成し、前記シートの前記対向表面の一方に、複数の前記横方向流体通路と連絡する開溝を形成することを含んでなる、方法。
【請求項17】
前記開溝が、溝床および溝壁を含んでなり、前記溝壁が、その溝壁中を通る横方向流体通路を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記通路が、前記シートの前記第一表面に複数の位置で機械的な衝撃を作用させて、その位置において前記シート中のグラファイトを移動させ、前記第一および第二対向表面の両方に開口部を有する前記通路を設けることにより形成される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記開溝に、その溝が形成された前記表面に結合されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えることをさらに含んでなる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記開溝に、その溝が形成された前記表面に結合された、ロールプレス加工およびカレンダー加工されたフレキシブルグラファイトシートの形態にあるカバーを備えることをさらに含んでなる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記開溝が、前記通路が形成された後に形成される、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記開溝が、前記シートの表面に機械的な衝撃を作用させて、前記シート中のグラファイトを移動させることにより形成される、請求項21に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2006−501621(P2006−501621A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541781(P2004−541781)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2003/030513
【国際公開番号】WO2004/031497
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(505064286)アドバンスド、エナジー、テクノロジー、インコーポレーテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED ENERGY TECHNOLOGY INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2003/030513
【国際公開番号】WO2004/031497
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(505064286)アドバンスド、エナジー、テクノロジー、インコーポレーテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED ENERGY TECHNOLOGY INC.
【Fターム(参考)】
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