説明

燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置及び方法

【課題】気体拡散層シートの損傷や破壊なく気体拡散層シート全体のたるみ長さを測定することにより、間接的に曲げ剛性を評価できるようにした燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置及び方法を提供する。
【解決手段】燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置において、所定面積の支え手段に垂直に立てられた第1及び第2上板柱と、前記第1上板柱の上下長さ方向に沿って一体に付着されて気体拡散層のたるみ長さを測定するたるみ長さ測定手段と、前記たるみ長さ測定手段に装着されて測定されたたるみ長さが限界値に到達したかを認識するたるみ長さ限界値感応器と、前記第2上板柱の上端部に装着されて本来シートの大きさを有する気体拡散層サンプルの一側端部が据え置きされる気体拡散層サンプルホルダーとを含めて構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置及び方法に係り、より詳しくは、気体拡散層シートの損傷や破壊なく気体拡散層シート全体のたるみ長さ(sagging length)を測定することにより、間接的に曲げ剛性を評価できるようにした燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車用燃料電池としては高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)が適用されているが、この高分子電解質膜燃料電池が自動車の多様な運転条件で最小数十kW以上の高い出力性能を定常的に発揮するためには、数百枚の単位セルを反復積層してスタックを構成し、電流密度の広い範囲で安定的に作動可能でなければならないと知られている(非特許文献1)。
【0003】
前記燃料電池は高分子電解質膜・電極接合体(MEA)を通して電気が生成されるが、この電気化学反応を詳しく見ると、燃料電池の酸化極であるアノードに供給された水素が水素イオンと電子に分離された後、水素イオンは高分子電解質膜を通して還元極であるカソード側に移動し、電子は外部回路を通じてカソードに移動して、前記カソードで酸素分子、水素イオン及び電子が共に反応して電気と熱を生成すると同時に、反応副産物として水を生成する。
【0004】
燃料電池内での電気化学反応時に生成される水は、適切な量が存在すると膜・電極接合体の加湿性を維持させる好ましい役割を果たすが、過量の水が発生するとき、これを適切に除去してやらなければ、高い電流密度で“水氾濫(Flooding)”現象が発生し、この氾濫した水は反応気体が効率的に燃料電池セル内まで供給されるのを妨害する役割を果たし、電圧損失がより大きくなる。
【0005】
そこで、燃料電池車両用スタックの製作速度を高め、品質を安定化させるためには、スタック部品を効率的に組み立て/評価すると同時に、スタック構成部品の主要物性を迅速で正確に測定することが必須である。
【0006】
このために従来多くの評価装置及び技法が提案されたが、主に燃料電池スタック自動組立装置(特許文献1)、スタック機密検査装置及び方法(特許文献2及び3)、燃料電池活性化方法(特許文献4)などのスタック組立/品質検査/活性化に関するものと、高分子電解質膜・電極接合体内のイオン性高分子空間分布の形状化方法(特許文献5)、電解質膜のピンホール位置確認装置(特許文献6)、MEA/気体拡散層一体化設備(特許文献7)、燃料電池分離板機密検査装置(特許文献8)などの各部品特性評価に関するものと、燃料電池の高周波数抵抗の測定装置及び方法(特許文献9)、燃料電池システムの最大出力計算方法(特許文献10)など燃料電池全体性能の測定に関するものに分類される。
【0007】
最近、自動車用PEMFCの研究開発及び量産化が進展するに従って、燃料電池スタック部品中スタックの安定的な性能発現に大きな役割を行う気体拡散層(GDL)の特性評価方法及び微細構造/性能発現メカニズムに対する研究開発が活発に進められている。
【0008】
従来の気体拡散層の特性評価に対する関連技術としては、気体拡散層の圧力別厚さ/抵抗/差圧/透過度の測定装置(特許文献11)、気体拡散層分離感知装置(特許文献12)などの技術が開発されている。
【0009】
このような気体拡散層は一般的に微細気孔層と巨大気孔支持体にて構成される。
【0010】
前記気体拡散層は、燃料電池の高分子電解質膜の両表面に各々酸化極及び還元極のために塗布された触媒層の外表面に接着されて、反応気体である水素及び空気(酸素)の供給、電気化学反応により生成された電子移動、反応生成水を排出させて燃料電池セル内の水氾濫現象を最小化させるなど多様な機能を行う。
【0011】
現在商業化された気体拡散層は、水銀圧入法にて測定する時、一般的に気孔サイズ1μm未満の微細気孔層(MPL:Micro−Porous Layer)と、1〜300μmサイズの巨大気孔支持体(Macro−Porous SubstrateまたはGas Diffusion Backing)の二重層構造にて構成される(非特許文献2及び3)。
【0012】
前記気体拡散層の微細気孔層はアセチレンブラックカーボン、ブラックパールカーボンなどの炭素粉末とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系列の疎水性物質を混合して製造した後、用途に応じて巨大気孔支持体の一面または両面に塗布され得る。
【0013】
巨大気孔支持体は一般的に炭素繊維及びポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)などの疎水性物質にて構成されるが(非特許文献4)、その物理的構造によって大きく炭素繊維フェルト(felt)、紙(paper)及び布(cloth)に分類される(非特許文献5及び6)。
【0014】
このような燃料電池用気体拡散層は輸送用、携帯用、家庭用などのような詳細適用分野及び燃料電池運転条件によって適切に性能が発現されるようにその構造設計がなされなければならないが、一般的に燃料電池自動車用としては、反応気体供給性及び生成水排出性、スタック締結時の圧縮性/ハンドリング性など諸般物性が良好な炭素繊維フェルトや炭素繊維紙形気体拡散層の使用が炭素繊維布と比べてより好まれている。
【0015】
更に、前記気体拡散層は厚さ、気体透過度、圧縮度、微細気孔層と巨大気孔支持体の疎水性処理程度、炭素繊維構造、気孔度/気孔分布、気孔のねじれ度、電気抵抗及び曲げ剛性など複雑で多様な構造の差によって燃料電池の性能に大きく影響を及ぼし、特に物質伝達領域で大きな性能差が表れると知られている。
【0016】
また、前記気体拡散層は燃料電池内で優れた性能を発現し、スタックとして数百枚組み立てるとき、優れたハンドリング性を付与するために適正水準の剛性を持たなければならない。
【0017】
既に報告されたところによると、気体拡散層の剛性が燃料電池内で不足する場合、図1から分かるように、燃料電池セルの締結時、高分子電解質膜・電極接合体300を間に置き積層される気体拡散層100が分離板200の流路チャンネル220部位に浸透する現象(GDL Intrusion)が発生すると報告されている(非特許文献7、8、9と特許文献13及び14)。
【0018】
このような気体拡散層の分離板チャンネルへの浸透現象が発生すると、反応気体及び生成水などの物質伝達に必要なチャンネル空間が不足となり、気体拡散層と分離板リブ(rib)またはランド(land)及び高分子電解質膜・電極接合体との接触抵抗が増加して燃料電池セル性能低下の大きな原因となり得る。
【0019】
従って、このような問題点を解決するためには、気体拡散層の曲げ剛性のような機械的物性を増加させると同時に、燃料電池車用スタックの製作時に一定水準以上の曲げ剛性を備えた気体拡散層を均一に投入することが重要である。
【0020】
特に、車両用スタック製作を迅速で効率的にし、また安定的なスタック品質を確保するためには、1台当たり最少、数百枚使用される気体拡散層の曲げ剛性を迅速で容易に評価することが必須である。
【0021】
そして、気体拡散層の曲げ剛性のためのサンプリング評価時、一度評価したサンプルが正常である場合、スタック組立用として再使用して部品活用頻度を高めることもまた重要である。
【0022】
従来気体拡散層曲げ剛性の測定は、従来2点方式(DIN53121)、3点方式(ASTM D790)、テーバー方式(ASTM D5342;非特許文献10)など多様な方法を使用して測定してきた。
【0023】
しかし、このような従来の測定方法は、図2及び図3から分かるように、気体拡散層100の本来シートをより小さいサイズを有する一定サイズの試片102に切断するすることによって、本来シート形状が破壊される他なく、一定サイズに切断された試片102を利用して曲げ剛性などを測定するため、一度測定した気体拡散層100の本来シートはその再使用が不可能であるという短所がある。
【0024】
更に、気体拡散層本来シートを数枚の試片シートに切断し、この試片に対する厚さ/外観など基本特性の全数検査と、曲げ剛性測定検査、測定後の気体拡散層本来シート及び試片を全て破棄する過程など、試片サンプリングから剛性測定までの時間が非常に長く(20分〜1時間)、工数が非常にかかり、特に気体拡散層シート中、局部的に一部のみをサンプリングすることによって、実際の自動車用スタック製作に投入される気体拡散層シート全体の剛性を代表できないという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】韓国公開特許第2009−0106217号
【特許文献2】韓国公開特許第2009−0113429号
【特許文献3】韓国公開特許第2009−0108478号
【特許文献4】韓国公開特許第2007−0060760号
【特許文献5】米国特許公開第2009/0189076号公報
【特許文献6】韓国公開特許第2009−0107610号
【特許文献7】韓国公開特許第2009−0111898号
【特許文献8】韓国公開特許第2009−0113432号
【特許文献9】米国特許公開第2008/0091367号公報
【特許文献10】米国特許公開第2009/0197125号公報
【特許文献11】韓国特許第0902316号
【特許文献12】韓国公開特許第2009−0108767号
【特許文献13】米国特許第7,455,928号
【特許文献14】米国特許公開第2008/0113243号公報
【非特許文献1】S. Park, J. Lee, and B. N. Popov, J. Power Sources, 177, 457 (2008)
【非特許文献2】L. Cindrella, A. M. Kannan, J. F. Lin, K. Saminathan, Y. Ho, C. W. Lin, J. Wertz, J. Power Sources, 194, 146 (2009)
【非特許文献3】X. L. Wang, H. M. Zhang, J. L. Zhang, H. F. Xu, Z. Q. Tian, J. Chen, H. X. Zhong, Y. M. Liang, B. L. Yi, Electrochim. Acta, 51, 4909 (2006)
【非特許文献4】C. Lim and C. Y. Wang, Electrochim. Acta, 49, 4149 (2004)
【非特許文献5】Escribano, J. Blachot, J. Etheve, A. Morin, R. Mosdale, J. Power Sources, 156, 8 (2006)
【非特許文献6】M. F. Mathias, J. Roth, J. Fleming, and W. Lehnert, Handbook of Fuel Cells−Fundamentals, Technology and Applications, Vol.3, Ch. 42, John Wiley & Sons (2003)
【非特許文献7】Iwao Nitta, Tero Hottinen, Olli Himanen, Mikko Mikkola, J. Power Sources, 171, 26 (2007)
【非特許文献8】Yeh−Hung Lai, Pinkhas A. Rapaport, Chunxin Ji, Vinod Kumar, J. Power Sources, 184, 120 (2008)
【非特許文献9】J. Kleemann, F. Finsterwalder, W. Tillmetz, J. Power Sources, 190, 92 (2009)
【非特許文献10】C. Lee, W. Merida, J. Power Sources, 164, 141
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、従来の気体拡散層の曲げ剛性の測定法とは異なり、気体拡散層本来シートを切断するというような損傷や破壊なく、気体拡散層シート全体(本来シート)のたるみ長さを測定することで、気体拡散層の曲げ剛性を間接的に評価可能であり、測定後の気体拡散層本来シートに対する再使用が可能であり、別途の試片製作などの追加工程なくスタック製作用に切断された気体拡散層本来シートを測定にそのまま使用することによって、試片サンプリングからたるみ長さの測定までの時間が30秒以内で非常に迅速に行われて従来方法対比40〜120倍の検査時間を短縮させることができ、結局スタック製作用気体拡散層シートの一部ではない気体拡散層シート全体の曲げ剛性に対する間接評価が可能であり、スタック製作の効率性を大きく増加させることができる燃料電池用気体拡散層曲げ剛性の非破壊間接測定装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
このような目的を達成するための本発明の燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置は、所定面積の支え手段に垂直に立てられた第1及び第2上板柱と、前記第1上板柱の上下長さ方向に沿って一体に付着されて気体拡散層のたるみ長さを測定するたるみ長さ測定手段と、前記たるみ長さ測定手段の前面に上下移動が可能となるように装着されるたるみ長さ限界値感応器と、前記第2上板柱の上端部に装着された本来シートの大きさの気体拡散層のサンプルを固定させる気体拡散層サンプルホルダーと、を含めて構成されることを特徴とする。
【0028】
好ましくは、前記たるみ長さ限界値感応器には接触感応式電子センターが更に設置されることを特徴とする。
【0029】
好ましい一具現例として、前記気体拡散層サンプルホルダーは、前記第2上板柱の上端部に装着されるサンプル固定用下板支持台と、前記下板支持台の上面に一体に装着される1対の固定板と、前記固定板の内側に上下移動が可能となるように装着されるが、所望する位置で位置固定ピンにより固定される移動板と、で構成され、前記固定板の水平板上面と前記移動板の水平板底面間の空間は気体拡散層シートの一側端部が挿入、据え置きできる挿入口に形成されることを特徴とする。
【0030】
好ましい別の具現例として、前記気体拡散層サンプルホルダーは、上部及び前後が開放された単一型固定板と、前記固定板に上下降が可能となるように結合される蓋と、で構成され、前記固定板の水平板上面と蓋の底面間の空間は気体拡散層シートの一側端部が挿入、据え置きできる挿入口に形成されることを特徴とする。
【0031】
特に、前記挿入口の高さは気体拡散層の厚さより1〜5%大きく形成され、挿入口の広さも気体拡散層の幅より1〜5%大きく形成されることを特徴とする。
【0032】
更に、前記気体拡散層サンプルホルダーは、気体拡散層のたるみ長さの測定前後の変形及び破損可否を肉眼で観察できるように透明な材料で製作されることを特徴とする。
【0033】
前記目的を達成するための本発明は、スタックに実際に組み立てられるシートサイズを有するいくつかの種類の気体拡散層に対する曲げ剛性をあらかじめ測定する段階と、前記気体拡散層の一側端部をサンプルホルダーに非接触方式で差し込み固定させた後、気体拡散層の多端部が下の垂れるたるみ長さを測定してその平均値と標準偏差を求める段階と、あらかじめ測定された気体拡散層の曲げ剛性と、非接触方式で求められた気体拡散層のたるみ長さを比較して相関関係を確立すると同時に、曲げ剛性と相関関係を有するたるみ長さを気体拡散層の正品判定のためのたるみ長さ限界値と定める段階と、新しい気体拡散層のたるみ長さを測定した後、前記たるみ長さ限界値と比較して、新しい気体拡散層のたるみ長さがたるみ長さ限界値以内の場合、新しい気体拡散層を正品と判定し、限界値を逸脱すると、不良品と判定する段階と、を含むことを特徴とする。
【0034】
好ましくは、前記正品と判定された気体拡散層を再使用するために、正品と判定された気体拡散層を実際のスタック組立ラインに供給する段階を更に含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明の燃料電池用気体拡散層曲げ剛性の非破壊間接測定装置及び方法によると、気体拡散層本来シートを数枚の試片シートに切断して曲げ剛性を測定していた従来の方法と異なり、気体拡散層本来シート自体を曲げ剛性間接測定に利用するが、気体拡散層にいかなる損傷や破壊なくして気体拡散層を据え置き、気体拡散層の曲げ剛性を間接的に評価するためのたるみ長さを測定することにより、測定後に正品判定された気体拡散層を実際にスタック組立に再使用することができる。
【0036】
更に、従来は気体拡散層の曲げ剛性を測定するために、別途の試片を切断製作したが、本発明では試片製作ではない実際の気体拡散層をそのまま使用することで、気体拡散層のサンプリングからたるみ長さの測定までの時間が30秒以内で非常に迅速に行われることによって、従来方法対比40〜120倍の検査時間を短縮させることができ、気体拡散層シート全体の曲げ剛性に対して間接評価が可能であり、スタック製作の効率性を大きく増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】気体拡散層が分離板のチャンネルに浸透される現象を説明する概略図である。
【図2】従来の気体拡散層に対する曲げ剛性の測定のために試片を切断製作することを説明する概略図である。
【図3】従来の気体拡散層の原料がスタック組立工程まで投入される過程を説明する工程図である。
【図4】本発明による燃料電池用気体拡散層の非破壊曲げ剛性の測定のための試片サンプリング方法を説明する概略図である。
【図5】本発明による気体拡散層の非破壊曲げ剛性の間接測定のための気体拡散層本来シートのたるみ長さを測定する装置を表す概略図である。
【図6】本発明による気体拡散層の非破壊曲げ剛性の間接測定のための構成中、気体拡散層サンプルホルダーを表す概略図である。
【図7】本発明によって気体拡散層の原料がスタック組立工程まで投入される過程を説明する工程図である。
【図8】本発明による気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置を利用して気体拡散層のたるみ長さを実際に測定する例を示す写真である。
【図9】本発明によって測定される気体拡散層のたるみ長さとあらかじめ測定された気体拡散層の曲げ剛性間の相関関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の好ましい実施例を添付図面を参照しながら詳しく説明する。
【0039】
図4は本発明による燃料電池用気体拡散層の非破壊曲げ剛性の測定のための試片サンプリング方法を説明する概略図であり、気体拡散層50本来シート(図4(a)参照)を気体拡散層のたるみ長さ測定用サンプル(図4(b)参照)としてそのまま使用した点に主眼点がある。
【0040】
即ち、従来は気体拡散層本来シートをいくつかの片に切断して別途の試片を製作したが、本発明は、気体拡散層の原料をスタック組立製作用として裁断した長方形のシート形状の気体拡散層50本来シートを、気体拡散層のたるみ長さを測定するためのものとする。
【0041】
図5は本発明による気体拡散層の非破壊曲げ剛性の測定のための気体拡散層本来シートのたるみを測定する装置を表す。
【0042】
図5から分かるように、本発明による気体拡散層の非破壊曲げ剛性の測定のための装置は、所定面積の下板支持台10と、この下板支持台10の両側上面に各々垂直に立てられた第1及び第2上板柱11,12と、第1上板柱11の上下長さ方向に沿って一体に付着されて気体拡散層のたるみ長さを測定できるようにしたたるみ長さの測定手段20と、このたるみの測定手段20の所定位置に内先端が上下移動が可能となるように装着され、外側端は自由端をなしながら水平配列されるたるみ長さ限界値感応器30と、前記第2上板柱12の上端部に装着されるサンプル固定用下板支持台41に構成される気体拡散層サンプルホルダー40などを含めて構成される。
【0043】
前記下板支持台10は第1および第2上板柱11,12を支持する支え手段として採択されただけであり、第1及び第2上板柱11,12を同時に支える単一下板支持台10だけでなく、第1及び第2上板柱11,12を別途に支える複数個の下板支持台10を使用することができ、また、下板支持台10なしに設置しようとする場所の床に第1及び第2上板柱11,12のみを垂直に設置することもできる。
【0044】
前記気体拡散層のたるみ長さを測定するたるみ長さ測定手段20は、気体拡散層のたるみ長さを肉眼で確認できるように、本体部に目盛りが刻印された形態のたるみ長さ測定ものさしを使用することができ、またはレーザー光センサーを使用することができる。
【0045】
例えば、たるみ長さ測定手段20の本体部に装着されたレーザー光センサーで気体拡散層のたるみ前の位置にレーザー光を照射した後、その反射される光を受光することで、制御部(図示せず)で気体拡散層のたるみ前の位置を計算する段階が行われ、次いで気体拡散層のたるみ後の下端位置に対してレーザー光を照射すると同時に、その反射される光を受光して制御部で気体拡散層のたるみ後の位置を計算する段階が行われた後、気体拡散層のたるみ前の位置とたるみ後の位置を差引いて実際の気体拡散層のたるみ長さを測定することができる。
【0046】
特に、前記たるみ長さ限界値感応器30は受動感応式または自動感応式で設置され、受動感応式の場合は、たるみ長さ測定手段20として測定目盛りに上下に長いスロットを形成し、たるみ長さ限界値感応器30の内先端をスロット内に上下降が可能となるように結合することで、たるみ長さ限界値感応器30の位置を上側または下側に移動させて気体拡散層の製品別特性に合わせて気体拡散層のたるみ長さ限界値を変更することができ、反面、自動感応式の場合は、たるみ長さ限界値感応器30の上面に接触感応式電子センサー32を設置して自動で限界値到達有無を感知したり、人による直接官能評価が全て可能となるようにする。
【0047】
例えば、前記受動感応式の場合、たるみ長さ測定手段20の目盛りのスロット(図示せず)内に上下方向に等間隔をなす固定溝(図示せず)を形成し、たるみ長さ限界値感応器30の内先端には固定溝に分離可能となるように、挿入固定される突起(図示せず)を一体に形成することで、固定溝内に突起を挿入させる操作によりたるみ長さ限界値感応器30の上下位置(気体拡散層の製品別特性に合わせて正品のたるみ長さ限界値)を調節することができる。
【0048】
更に、前記自動感応式の場合、気体拡散層50サンプルが接するたるみ長さ限界値感応器30の上面に接触感応式電子センサー32を更に設置し、この電子センサー32の感知値を制御部(図示せず)の演算により表示装置(図示せず)にディスプレイされるようにすることで、気体拡散層サンプルに対するたるみ長さ限界値到達有無を自動で認識することができる。
【0049】
別の実施例として、前記自動感応式の場合、たるみ長さ測定手段の用途として採択されたレーザー光センサーを利用することができ、レーザー光センサーで照射される光が気体拡散層のたるみの先端に触れた場合、気体拡散層サンプルのたるみ長さが限界値に到達したと判定し、反対にレーザー光センサーで照射される光が気体拡散層のたるみの先端に触れない場合は、気体拡散層サンプルのたるみ長さが限界値に到達されなかったと判定できる。
【0050】
一方、前記気体拡散層サンプル挿し、即ち、気体拡散層サンプルホルダー40は、図6から分かるようにシート型気体拡散層50を挿しに直接挿入する挿入型構造(図6(a))またはサンプル挿し上端に載せた後、別途の蓋で蓋をして固定する蓋型(図6(b))を使用することが全て可能である。
【0051】
図6(a)から分かるように、前記シート型気体拡散層50を挿しに直接挿入する挿入型構造の場合、垂直に折り曲げられた形状で具備されてサンプル固定用下板支持台41に一体に装着される1対の固定板42と、この固定板42の内側に重ねられながら位置固定ピン43により固定される垂直に折り曲げられた形状の移動板44とで構成されるが、前記固定板42と移動板44の垂直板42b,44bが重ねられ、位置固定ピン43により互いに結合され、固定板42と移動板44に互いに一致する差込孔(図示せず)を上下方向に沿って形成して差込孔に位置固定ピン43を挿入することで、固定板42に対する移動板44の高さ調節及び位置固定が行われる。
【0052】
特に、前記固定板42の水平板42aの上面と移動板44の水平板44aの底面間の空間は、気体拡散層50が挿入される挿入口45に形成され、この挿入口の上下高さを適正水準に維持させて気体拡散層50シートの一側端部が差し込まれるようにする。
【0053】
即ち、前記固定板42の水平板42aと移動板44の水平板44a間の空間である挿入口45の上下高さは、気体拡散層50シートの挿入時に気体拡散層50の微細気孔層の表面が破損されたり引っかかれないように気体拡散層50の厚さに比べて余裕空間を置いた高さに定めるが、気体拡散層50の厚さの5%以上内で設定するようにする。
【0054】
更に、1対の固定板42の垂直板42b間の左右距離を表す幅は、気体拡散層50サンプルの幅より5%以上大きく設定してやることで、気体拡散層50のたるみ長さ測定前後のサンプルの入れ出しが容易に行われるようにする。
【0055】
図6(b)から分かるように、蓋型構造の場合は、上部及び前後が開放された単一型固定板46と、この固定板46に上下降が可能となるように結合される蓋47とで構成される。
【0056】
例えば、前記固定板46の垂直板46b内面に上下方向のスライド溝(図示なし)を形成し、前記蓋47をスライド溝に上下降が可能となるように結合するが、垂直板46bのスライド溝内に多数の固定溝(図示せず)を形成し、蓋47の両端部に固定溝に差し込む突起(図示せず)を形成して、突起を固定溝に差し込むことで、固定板46に対する蓋47の高さを所望する高さに調節できるようにする。
【0057】
このとき、気体拡散層50サンプルを固定板46の水平板46aの上面とその上の蓋47の底面との間の挿入口48内に差し込んで気体拡散層50のたるみ長さを測定し、同様に気体拡散層50サンプルを固定するが、蓋47との接触により気体拡散層50の微細気孔層が破損されるのを最小化するために、蓋47との接触により気体拡散層50間の高さ余裕空間、即ち、挿入口48の高さを気体拡散層50の厚さの5%以上維持することが好ましく、また、固定板46の垂直板46b間の幅を気体拡散層50サンプルの幅より5%以上大きく設定してサンプルの入れ出しが容易に行われるようにする。
【0058】
一方、前記のように挿入型構造または蓋型構造からなる気体拡散層サンプル挿し、即ち、気体拡散層サンプルホルダー40は金属、セラミック、高分子材料のうちいずれか一つまたは二つ以上を混合して使用することができ、気体拡散層のたるみ長さ測定時の破損や変形を最小化するために、軽量でありながらもたるみ長さ測定前後のサンプル変形及び破損可否を肉眼で観察評価するのに容易な透明な材料を使用するのがより好ましい。
【0059】
そこで、前記気体拡散層サンプルホルダー40を製作するための適合した材料の例としては、高分子材料のうちポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレートなどのアクリル系、ポリスチレン、ポリパラメチルスチレン、ポリアルファメチルスチレンなどのスチレン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのエステル系、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、ポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリカーボネート系、ポリエーテルイミド系及びエポキシ系のうち選択されたいずれか一つであり、前記高分子各々の単独重合体またはランダム/グラフト/ブロック/交互共重合体を単独で使用したり、前記高分子を異なる1種以上の熱可塑性/熱硬化性/ゴム高分子とブランドしたり、有機/無機物質と混合した混合剤形態を適用することができる。
【0060】
従って、前記のようにサンプルホルダー40に気体拡散層サンプル(本来シート)の一側端部を差し込んだ後、気体拡散層50の他側端部が下に垂れるたるみ長さを測定し、このような測定方法により数個の気体拡散層サンプルに対するたるみ長さを反復測定してその平均値と標準偏差を求めた後、既存で測定しておいたテーバー曲げ剛性値と比較して相関関係を確立し、気体拡散層正品に対するたるみ長さ適正範囲及びたるみ長さ限界値を定める。
【0061】
このとき、前記サンプルホルダー40に気体拡散層サンプル(本来シート)を差し込んでたるみ長さを測定するが、本来シートを従来のように異なるサイズを有するサンプル片に切って使用する場合にもたるみ長さを測定することができる。
【0062】
このように定めた気体拡散層50のたるみ長さに対する適正範囲及び限界値を気体拡散層の曲げ剛性を間接評価するたるみ長さの基準とすると同時に、前記のようにたるみ長さ限界値感応器30の高さを気体拡散層50正品に対するたるみ長さ限界値に合わせて調節する。
【0063】
そこで、前記気体拡散層50サンプルの他側端部が垂れながらたるみ長さ限界値感応器30に接しなかったり、たるみ長さ限界値感応器30の下に垂れない状態でたるみ長さ測定手段20の目盛りを読んだり、前記レーザー光センサーによる自動測定が行われた後、その測定値がたるみ長さの限界値内ならば、気体拡散層50サンプルを正品と判定して再使用し、反面、気体拡散層50サンプルのたるみ長さが限界値を逸脱すると、不良品と判定して除去する。
【0064】
図7の工程図から分かるように、従来の気体拡散層に対する曲げ剛性の測定法とは異なり、気体拡散層本来シートをサンプルとして気体拡散層の損傷や破壊なく気体拡散層の曲げ剛性をたるみ長さの測定にて間接評価することで、サンプリングからたるみ長さの測定までの時間が30秒以内で非常に早く進行して、従来方法対比40〜120倍の検査時間を短縮させることができ、従来の別途製作されて試片用途として使用された後に廃棄されていた気体拡散層サンプルと異なり、正常的な正品判定を受けた気体拡散層サンプルを直接スタックの組立に使用することができるという再使用の利点を提供することができる。
【0065】
ここで、数個の気体拡散層サンプルに対するたるみ長さを反復測定してその平均値と標準偏差を求めた後、既存で測定しておいたテーバー曲げ剛性値と比較して相関関係を確立することで、気体拡散層正品に対するたるみ長さ適正範囲及びたるみ長さ限界値を定める方法を説明すると次のとおりである。
【0066】
まず、商業化された気体拡散層5種を選択して評価し、燃料電池反応気体の供給性及び生成水の排出性、スタック締結時の圧縮性及びハンドリング性など諸般物性が良好であり、自動車用燃料電池に多く使用される炭素繊維フェルト形と炭素繊維紙形の気体拡散層のうちフェルト形3種(GDL1−F、GDL2−F及びGDL3−F)、紙形2種(GDL4−P及びGDL5−P)を各々選択して使用した。
【0067】
更に、本発明の測定に使用される気体拡散層は微細気孔層と巨大気孔支持体とで構成されるか、または、巨大気孔支持体のみで構成されたものを全て使用することができるが、本発明の実施例では微細気孔層と巨大気孔支持体とで構成された製品を使用した。
【0068】
このように本発明の実施例に選択された気体拡散層5種は、微細気孔層と巨大気孔支持体各々に疎水性物質を使用して疎水性処理がされている製品であり、これに対する基本特性は下記表1に表されたように、気体拡散層の厚さはミツトヨ社の厚さ測定器を使用して各気体拡散層の種類別に50回以上測定して平均値及び標準偏差を求めた。
【0069】
【表1】

【0070】
前述した本発明のたるみ長さ測定装置を利用して、上の表1に記載された特性を有する気体拡散層5種に対するたるみ長さを測定すると、図8の実際の測定写真から分かるように、気体拡散層の種類及び特性によって互いに相異するたるみ長さを表すことが分かる(図8には気体拡散層5種のうちGDL1−F、GDL4−P、GDL5−Pのたるみ長さの測定状態を表す)。
【0071】
従って、与えられた各燃料電池スタックシステムの特性、運転条件及びセル締結条件などを総括的に考慮して適合した気体拡散層を選択した後、各気体拡散層別のたるみ長さの平均値及び標準偏差を求めて、品質検査の一因子として活用することができる。
【0072】
前記気体拡散層5種別に対する実際の曲げ剛性を既存のテーバー方法[テーバー曲げ強度測定器(モデル:150−E V−5、テーバー社、米)を使用して曲げ強度を15°とし、気体拡散層の種類当り最小3個以上の試片をサンプリングした後、シートの長さ方向を基準として測定する]を利用して測定し、その結果を本発明の方法にて測定したたるみ長さと比較してみると、その結果は下記の表2及び図9に表した通りである。
【0073】
【表2】

【0074】
表2及び図9から分かるように、気体拡散層5種のうちGDL1−Fの実際の曲げ剛性は75.5±6.6g×cmで、たるみ長さは85±16mmであり、GDL2−Fの実際の曲げ剛性は66.4±9.1g×cmで、たるみ長さは95±10mmであり、GDL3−Fの実際の曲げ剛性は19.4±1.3g×cmで、たるみ長さは163±7mmであるなど、各気体拡散層の実際の曲げ剛性とたるみ長さは相互間の相関関係を表す。
【0075】
よって、既存で測定しておいたテーバー曲げ剛性値と比較して、気体拡散層のたるみ長さに対するたるみ長さ限界値を定めるが、例えば、気体拡散層5種のうち実際に75.5±6.6の曲げ剛性を有するGDL1−Fの場合は、たるみ長さ限界値を85±16mm以下に定め、前記気体拡散層のたるみ長さ測定装置を利用してGDL1−Fのたるみ長さを測定した結果、85±16mm以下ならば正品と判定し、それ以上ならば不良と判定する。
【0076】
このように、炭素繊維フェルト形及び紙形の気体拡散層全てのテーバー曲げ剛性とたるみ長さ間の一定の相関関係を表しており、本発明の気体拡散層のたるみ長さ測定装置を利用して気体拡散層のたるみ長さを測定するとき、その曲げ剛性を間接的に迅速に評価することが可能であり、測定に使用された気体拡散層に全く損傷がないため、スタックの製作に再使用が可能であり、サンプリングからたるみ長さの測定時間が30秒以内で非常に迅速に行われて、従来対比40〜120倍の検査時間の短縮が可能である利点を提供する。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置及び方法の分野に適用できる
【符号の説明】
【0078】
10 下板支持台
11 第1上板柱
12 第2上板柱
20 たるみ長さ測定手段
30 たるみ長さ限界値感応器
32 接触感応式電子センサー
40 気体拡散層サンプルホルダー
41 サンプル固定用下板支持台
42 固定板
42a 水平板
42b 垂直板
43 位置固定ピン
44 移動板
44a 水平板
44b 垂直板
45 挿入口
46 固定板
46a 水平板
46b 垂直板
47 蓋
48 挿入口
50 気体拡散層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定面積の支え手段に垂直に立てられた第1及び第2上板柱と、
前記第1上板柱の上下長さ方向に沿って一体に付着されて気体拡散層のたるみ長さを測定するたるみ長さ測定手段と、
前記たるみ長さ測定手段に上下移動が可能となるように装着されて測定されたたるみ長さが限界値に到達したかを認識するたるみ長さ限界値感応器と、
前記第2上板柱の上端部に装着されて本来シートの大きさを有する気体拡散層サンプルの一側端部が据え置きされる気体拡散層サンプルホルダーと、
を含めて構成されることを特徴とする燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置。
【請求項2】
前記たるみ長さ限界値感応器は平板形構造であり、その上面に接触感応式電子センサーが更に設置されることを特徴とする、請求項1記載の燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置。
【請求項3】
前記気体拡散層サンプルホルダーは、
前記第2上板柱の上端部に装着されるサンプル固定用下板支持台と、
前記下板支持台の上面に一体に装着される1対の固定板と、
前記固定板の内側に上下移動が可能となるように装着されるが、所望する位置で位置固定ピンにより固定される移動板と、
で構成され、
前記固定板の水平板上面と前記移動板の水平板底面との間の空間は、気体拡散層シートの一側端部が挿入、据え置きできる挿入口に形成されることを特徴とする、請求項1記載の燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置。
【請求項4】
前記気体拡散層サンプルホルダーは、
上部及び前後が開放された単一型固定板と、
前記固定板の垂直板にスライド固定方式にて昇降が可能となるように結合される蓋と、
で構成され、
前記固定板の水平板上面と蓋の底面との間の空間は、気体拡散層シートの一側端部が挿入、据え置きできる挿入口に形成されることを特徴とする、請求項1記載の燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置。
【請求項5】
前記挿入口の高さは気体拡散層の厚さより1〜5%大きく形成され、挿入口の幅も気体拡散層の幅より1〜5%大きく形成されることを特徴とする、請求項3または4記載の燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置。
【請求項6】
前記気体拡散層サンプルホルダーは、気体拡散層のたるみ長さ測定前後の変形及び破損可否を肉眼で観察できるように透明な材料で製作されることを特徴とする、請求項3または4記載の燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置。
【請求項7】
前記たるみ長さ測定手段は、
気体拡散層のたるみ長さを肉眼で識別できるように目盛りが刻印された測定ものさし、または気体拡散層のたるみ長さを計算できるように気体拡散層のたるみ前及びたるみ後の長さを感知するレーザー光センサーから採択されることを特徴とする、請求項1記載の燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定装置。
【請求項8】
スタックに実際に組み立てられるシートサイズを有する数種類の気体拡散層に対する曲げ剛性をあらかじめ測定する段階と、
前記気体拡散層の一側端部をサンプルホルダーに非接触方式にて差し込んで固定させた後、気体拡散層の他端部が下に垂れるたるみ長さを測定して、その平均値と標準偏差を求める段階と、
あらかじめ測定された気体拡散層の曲げ剛性と、非接触方式にて求められた気体拡散層のたるみ長さを比較して相関関係を確立すると同時に、曲げ剛性と相関関係を有するたるみ長さを気体拡散層の正品判定のためのたるみ長さ限界値と定める段階と、
新しい気体拡散層のたるみ長さを測定した後、前記たるみ長さ限界値と比較して、新しい気体拡散層のたるみ長さがたるみ長さ限界値以内ならば、新しい気体拡散層を正品と判定し、限界値を逸脱すると不良品と判定する段階と、
を含むことを特徴とする燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定方法。
【請求項9】
前記正品と判定された気体拡散層を再使用するために、正品と判定された気体拡散層を実際のスタック組立ラインに供給する段階を更に含むことを特徴とする、請求項8記載の燃料電池用気体拡散層の曲げ剛性の非破壊間接測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−15085(P2012−15085A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234843(P2010−234843)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【Fターム(参考)】