説明

燃料電池用電極、膜電極接合体及び燃料電池用セル

【課題】発電性能の向上と触媒含有量の低減とを両立し得る燃料電池用電極等を提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池用電極13は、電解質膜11aと当接する触媒層1を有する。触媒層1は、電解質膜11aの表面に対してグラフェンシート31が略直角に配置され、各グラフェンシート31が電解質膜11aの表面に平行な方向で一次元にしか延びないストライプタイプのカーボンナノウォー3ルを有している。カーボンナノウォール3の各グラフェンシート31の表面には、Pt41と、電解質からなるイオン伝導層6とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池用電極、膜電極接合体及び燃料電池用セルに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池用スタックは、図6に示すように、複数のセル10が積層されてなる。各セル10は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)11及びセパレータ12によって構成されており、隣り合うセル10はセパレータ12を共通にしている。
【0003】
各膜電極接合体11は、ナフィオン(登録商標、Nafion(Dupon社製))等の固体高分子膜からなる電解質膜11aと、この電解質膜11aの一面に接合されて空気が供給されるカソード極11bと、電解質膜11aの他面に接合されて燃料が供給されるアノード極11cとを有している。
【0004】
各セパレータ12は、各膜電極接合体11を間に挟んで積層され、個々が各カソード極11b側に空気室12bを形成するとともに、各アノード極11c側に燃料室12cを形成するようになっている。燃料電池用スタックに供給される空気は各セル10の全ての空気室12bを流通するようになっており、燃料電池用スタックに供給される燃料は各セル10の全ての燃料室12cを流通するようになっている。
【0005】
一般的なカソード極11bは、図7に示すように、電解質膜11a側に位置し、カーボン粒子に触媒が担持された触媒担持カーボンと電解質とを有する触媒層1bと、電解質膜11aの逆側に位置し、電子を触媒層1bに供給するとともに空気を拡散する拡散層2bとを有している。また、アノード極11cは、電解質膜11a側に位置し、触媒担持カーボンと電解質とを有する触媒層1cと、非電解質側に位置し、触媒層1cで電気化学的反応により生じた電子を集電するとともに燃料ガスを拡散する拡散層2cとを有している。
【0006】
このカソード極11bの触媒層1bでは、電解質膜11aから電解質を介してプロトンが伝導される。また、拡散層2bからカーボン粒子を介して電子が伝導され、電解質を介して酸素が供給される。これらプロトン、電子及び酸素は電気化学的反応し、水が生成される。生成された水は、電解質を介して拡散層2bへ排水される。
【0007】
また、アノード極11cの触媒層1cでは、拡散層2cから電解質を介して水素が供給される。この水素は電気化学的反応によりプロトンと電子とに分解される。プロトンは電解質を介して電解質膜11aに伝導される。電子はカーボン粒子を介して拡散層2cに伝導される。
【0008】
膜電極接合体11はおよそ以下のように製造される(例えば、特許文献1)。まず、基材、拡散層用ペースト、カソード極用ペースト及びアノード極用ペーストを用意する。基材は、カーボンクロス等の空孔を有する導電体である。拡散用ペーストは、カーボン粒子等の導電性粒子と撥水粒子としてのPTFE粒子との混合物である。カソード極用ペーストは、カーボン粒子等の導電性粒子に予め触媒としてのPtを担持させたPt担持カーボンと、ナフィオン(登録商標)等の電解質との混合物である。アノード極用ペーストは、Pt担持カーボン触媒とナフィオン(登録商標)等の電解質との混合物である。
【0009】
次に、基材の両面に拡散層用ペーストを塗布し、乾燥させて拡散層2bを形成する。この後、拡散層2bの一面にカソード極用ペーストを塗布し、乾燥させて触媒層1bを形成する。こうしてカソード極11bが得られる。一方、他の基材の拡散層2cの一面にアノード極用ペーストを塗布し、乾燥させて触媒層1cを形成する。こうしてアノード極11cが得られる。
【0010】
そして、カソード極11bとアノード極11cとの間にナフィオン(登録商標)等からなる電解質層11aを挟み込むように配置し、ホットプレスによる熱圧着を行う。こうして、膜電極接合体11を得ることができる。
【0011】
【特許文献1】特開2005−174768号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、上記特許文献1のカソード極11b又はアノード極11cである燃料電池用電極の触媒層1b、1cは、電子が伝導する電子伝導パスであるカーボンクロスの繊維同士やカーボン粒子同士の間に電解質が介在するため、電子抵抗が大きい。また、カーボン粒子が接触することで電子伝導パスが形成されるため、これらの接触抵抗による電子抵抗も大きい。また、この燃料電池用電極の触媒層1b、1cは、イオンが伝導するイオン伝導パスである電解質中にカーボン粒子等の導電性粒子が介在するため、イオン抵抗も大きい。そのため、電気化学的反応が効率的に行われ難く、発電性能の制限が存在する。
【0013】
また、この燃料電池用電極では、生成水等の水がカーボンクロス等の基材の空孔及びカーボン粒子間に含浸しやすく、排水性が不十分であり、残存する水によって水素及び酸素の供給性も不十分である。このことから、この燃料電池用電極では、やはり発電性能の制限が存在する。
【0014】
また、この燃料電池用電極は、触媒層1b、1cの全体に触媒が分散されているため、一部の触媒しか水素や酸素と接触せずに電気化学的反応を行い難く、高価な触媒を無駄にしていることになりかねない。
【0015】
さらに、従来の燃料電池用電極では、電子伝導パス中に電解質が存在することから、触媒層1b、1cで良好な電流分布が得られず、カソード極11bの触媒層1bに電子を均一に供給したり、アノード極11cの触媒層1cで生成された電子を効率的に集電したりするための拡散層2b、2cが必要となる。この場合、拡散層2b、2cの分だけ電子抵抗が大きくなり、発電性能の制限も存在する。また、拡散層2b、2cは電極の構造を複雑化する場合もある。
【0016】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、発電性能の向上、触媒含有量の低減及び構造の簡略化を達成し得る燃料電池用電極を提供することを解決すべき課題としている。そして、本発明は、その燃料電池用電極を用いた膜電極接合体及び燃料電池用セルを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の燃料電池用電極は、電解質膜と当接する触媒層を有する燃料電池用電極において、
前記触媒層は、前記電解質膜の表面に対してグラフェンシートが略直角に配置され、各該グラフェンシートが該電解質膜の表面に平行な方向で一次元にしか延びないカーボンナノウォールを有し、
該カーボンナノウォールの各該グラフェンシートの表面には、触媒と、電解質からなるイオン伝導層とが設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明の燃料電池用電極では、カーボンナノウォールのグラフェンシートが電解質膜の表面に対して略直角に配置され、グラフェンシート自体は電解質を含まない。これにより、触媒層内の電解質膜表面に対する略直角方向の電子伝導パスが短くなる。また、グラフェンシート自体は、カーボンの一体の構造物であるため、カーボン粒子が接触することで電子伝導パスが形成されるものに比べ、電子伝導パスは大きく形成される。つまり、電子抵抗が小さくなる。また、この燃料電池用電極では、各グラフェンシートの表面にイオン伝導層の電解質が設けられている。これにより、触媒層内の電解質膜表面に対する直角方向のイオン伝導パスが短くなる。つまり、イオン抵抗が小さくなる。そのため、電気化学的反応が効率的に行われ易い。
【0019】
また、この燃料電池用電極では、各グラフェンシートが電解質膜の表面に平行な方向で一次元しか延びていないカーボンナノウォールであるため、触媒層の一側面から一方向に連続している連続空間が形成されている。この連続空間はカーボン粒子間の細孔より大きいものとされ得る。このため、生成された水等はこの連続空間を経て好適に排水され、水素及び酸素の供給性も向上する。特に、ブロワにより一側面から酸素を供給すれば、生成水はこの流れに沿って他側面に好適に排水され、酸素の供給性は確実に向上する。そのため、電気化学的反応が効率的に行われ易い。
【0020】
また、この燃料電池用電極では、触媒を各グラフェンシートの表面に設けており、水素や酸素は各グラフェンシート間の空間によって各グラフェンシートの表面に接触し、ほぼ全ての触媒が電気化学的反応に関与し、触媒含有量の低減が図られている。
【0021】
さらに、この燃料電池用電極では、電子伝導パスであるグラフェンシート中に電解質が存在しないことから、拡散層を設けなくても、カソード極での電子の供給、アノード極での電子の集電が良好に行われる。そのため、拡散層を省略でき、拡散層の分だけ電子抵抗をさらに小さくすることが可能であり、発電性能がさらに向上する。また、拡散層を省略すれば、電極の構造を簡略化することもできる。
【0022】
したがって、本発明の燃料電池用電極によれば、発電性能の向上、触媒含有量の低減及び構造の簡略化を達成することができる。
【0023】
なお、カーボンナノファイバやカーボンナノチューブも電解質が存在しない電子伝導パスを実現し得る材料として公知ではある(例えば、特開2005−203332号公報)。しかも、これら同士の間に空間を確保できると考えられる。しかしながら、これらは電子伝導パスを電解質膜の表面に対して略直角に配置することが困難であり、実用化に困難を伴うものと考えられる。また、これら同士の間に確保できる空間は、カーボンクロスの各繊維間及びカーボン粒子間の細孔と同程度又はより小さなものとなり易い。一方で、これら同士が互いに接触して配置することは困難であるため、カーボンナノファイバ等間の接触抵抗は大きくなる。つまり電子抵抗は大きくなってしまう。さらに空間を一方向に連続するように形成することは困難である。これに対し、カーボンナノウォールは、「RFプラズマCVDによるカーボンナノウォールの配向成長」(Journal of Plasma and Fusion Research Vol.81, No.9 September 2005 P.669-673)に開示されているように、基材の表面に対してグラフェンシートを略直角に配置することが可能である。また、各グラフェンシート間に比較的大きく一方向に連続する空間を設けることも可能である。そのため、成長させたカーボンナノウォールを電解質膜に貼り付けたり、基材に電解質膜を用いたりすること等によって、電子伝導パスを電解質膜の表面に対して略直角に配置することを容易に実現可能である。また、これにより排水性並びに水素及び酸素の供給性を向上させることも可能である。
【0024】
本発明の燃料電池用電極では、グラフェンシートの表面には、導電性粒子に触媒が担持された触媒担持導電性粒子が設けられていことが好ましい。これにより、触媒層内で電気化学的反応が行われる反応面積が増加する。そのため、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
【0025】
本発明の膜電極接合体は、前記電解質膜と、該電解質膜を挟持し、前記触媒層が前記カーボンナノウォールを有する一対の燃料電池用電極とからなることを特徴とする。
【0026】
この膜電極接合体によれば、発電性能の向上、触媒含有量の低減及び構造の簡略化を達成し得る燃料電池用セル及び燃料電池用スタックが得られる。
【0027】
また、本発明の燃料電池用セルは、該膜電極接合体と、一方の前記触媒層側に空気室を形成するとともに、他方の該触媒層側に燃料室を形成するように該膜電極接合体を挟持する対をなす導電性材料製のセパレータとを備えていることを特徴とする。
【0028】
この燃料電池用セルによれば、発電性能の向上、触媒含有量の低減及び構造の簡略化を達成し得る燃料電池用スタックが得られる。
【0029】
燃料電気用スタックは、前記膜電極接合体又は前記セルを多数組み合わせて得られる。
【0030】
この燃料電池用スタックが適用された燃料電池システムは、上述の理由により、高い発電性能を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、実施例を説明する。
【0032】
図1及び図2に示すように、実施例の燃料電池用電極13は、触媒層1がカーボンナノウォール3を有している。
【0033】
カーボンナノウォール3は、図3に示すように、各グラフェンシート31が一次元にしか延びていないストライプタイプのものである。各グラフェンシート31が延びる長さは数ナノメートルから数十ナノメートルであり、この長さが板状のカーボンナノウォール3の厚みになっている。このカーボンナノウォール3は、電解質膜11aの表面に対してグラフェンシート31が略直角に配置され、各グラフェンシート31の間には触媒層1の一側面から一方向に連続している連続空間5が存在している。
【0034】
各グラフェンシート31の両表面には、図4に示すように、Pt41が担持されているとともに、電解質からなるイオン伝導層6がコーティングされている。
【0035】
この燃料電池用電極13では、公知のカーボンクロス等からなる拡散層2が電解質膜11aとは反対側の面に形成されている。
【0036】
以上のように構成された燃料電池用電極13は、従来と同様、図6に示すように、膜電極接合体11とされる。この膜電極接合体11は、電解質膜11aと、触媒層1がカーボンナノウォール3等からなるカソード極11b及びアノード極11cとからなる。
【0037】
そして、この膜電極接合体11は、従来と同様、燃料電池用セル10とされる。この燃料電池用セル10は、膜電極接合体11と、一方の触媒層1側に空気室12bを形成するとともに、他方の触媒層1側に燃料室12cを形成するように膜電極接合体11を挟持する対をなす導電性材料製のセパレータ12とを備えている。この燃料電池用セル10を多数積層し、燃料電池用スタックが得られる。
【0038】
この燃料電池用スタックは、モータ、ブロワ、水素ボンベ、コントローラ等とともに燃料電池システムを構成する。そして、各空気室12bにはブロワによって空気が供給され、燃料室12cには水素ボンベ内の水素が供給される。これにより、触媒層1に供給される空気と水素との電気化学的反応により、カソード極11bとアノード極11cとの間に起電力を生じる。
【0039】
この際、アノード極11cでは、水素が拡散層2を通じて触媒層1に供給される。触媒層1では、水素は各グラフェンシート31の間に存在する連続空間5に充満し、各グラフェンシート31の表面に設けられたPt42により酸化されてプロトン及び電子となる。生成されたプロトンは、イオン抵抗の小さいイオン伝導層6を通じて電解質膜11aへ供給され、電解質膜11aを通ってカソード極11bの触媒層1に達する。また、生成された電子は、電子抵抗の小さいグラフェンシート31を通じて拡散層2へ集電される。
【0040】
一方、カソード極11bでは、酸素と電子とが拡散層2を通じて触媒層1に供給される。また、プロトンが電解質膜11aを通じて触媒層1に供給される。そして、カソード極側の触媒層1では、酸素は各グラフェンシート31の間に存在する連続空間5に充満し、電子は、自体が電解質を含まずに電子抵抗の小さいグラフェンシート31を通じ、触媒層1全体に行き渡る。また、プロトンは、イオン抵抗の小さいイオン伝導層6を通じて触媒層1全体に行き渡る。このため、触媒層1のグラフェンシート31のほぼ全ての表面で酸素、電子及びプロトンによる電気化学的反応が生じる。その反応により、生成された水等は、連続空間5から拡散層2へ好適に排水されるため、水素及び酸素の供給性が向上する。そのため、電気化学的反応が効率的に行われ、発電性能が向上することになる。
【0041】
また、この燃料電池用スタックにおいて、図1に示すように、電極13がカソード極11bである場合には、空気が触媒層1の一側面から一方向(矢印で示す方向)へ向けて供給される。また、電極13がアノード極11cである場合には、水素が触媒層1の一側面から一方向(矢印で示す方向)へ向けて供給される。その場合、拡散層2は、空気等を拡散する機能を必要とせず、電子を伝導する機能を有すれば足りるため、緻密体であることができる。また、カソード極11bにおいては、触媒層1内で電気化学的反応により水が生成されるが、その生成水は、この空気の流れを利用して触媒層1bの外へ好適に排水されるため、酸素の供給性が向上する。そのため、電気化学的反応は効率的に行われ、発電性能が向上することになる。
【0042】
さらに、この実施例の燃料電池用スタックは、それを構成する燃料電池用電極13において、Pt41を触媒層1全体に分散して配置するのではなく、グラフェンシート31の表面にPt41単体を設けているため、電気化学的反応に関与しないPt41を無駄に含有することがなく、ほぼ全てのPt41が電気化学的反応に関与し、Ptの含有量の低減が図られている。
【0043】
したがって、実施例の燃料電池用スタックは、発電性能の向上、触媒含有量の低減及び構造の簡略化を達成できる。
【0044】
上記実施例では、グラフェンシート31の両表面にPt41を担持させていたが、図5に示すように、各グラフェンシート31の両表面にPt担持カーボン4を設けてもよい。Pt担持カーボン4は、カーボン粒子42にPt41が担持された公知のものである。この場合、電気化学的反応が行なわれる反応面積が増加し、発電性能が向上する。
【0045】
また、上記実施例の燃料電池用スタックでは、膜電極接合体11の拡散層2が触媒層1の電解質膜11aとは反対側の面に形成されていたが、拡散層2を設けない構成も可能である。この場合でも、カソード極11bでの電子の供給、アノード極11cでの電子の集電が良好に行われる。そのため、拡散層2を省略したとしても、拡散層2の分だけ電子抵抗がなくなるため、発電性能がさらに向上する。また、拡散層2を省略すれば、その分電極13、膜電極接合体11、セル10、ひいては燃料電池用スタックを薄くできるなど、構造の簡略化が図れる。
【0046】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、電気自動車等の移動用電源、屋外据え置き用電源、ポータブル電源等の燃料電池システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施例の膜電極接合体の一部を示す斜視図である。
【図2】実施例の膜電極接合体の一部を示す模式断面図である。
【図3】実施例のカーボンナノウォールの一部を示す斜視図である。
【図4】実施例の触媒層の一部を示す断面図である。
【図5】触媒層の他の実施例を示す一部断面図である。
【図6】燃料電池用スタックの一部を示す模式断面図である。
【図7】一般的な膜電極接合体を示す模式断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1…触媒層
11a…電解質膜
3…カーボンナノウォール
31…グラフェンシート
4…Pt担持カーボン
5…連続空間
6…イオン伝導層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜と当接する触媒層を有する燃料電池用電極において、
前記触媒層は、前記電解質膜の表面に対してグラフェンシートが略直角に配置され、各該グラフェンシートが該電解質膜の表面に平行な方向で一次元にしか延びないカーボンナノウォールを有し、
該カーボンナノウォールの各該グラフェンシートの表面には、触媒と、電解質からなるイオン伝導層とが設けられていることを特徴とする燃料電池用電極。
【請求項2】
各前記グラフェンシートの表面には、導電性粒子に前記触媒が担持された触媒担持導電性粒子が設けられている請求項1記載の燃料電池用電極。
【請求項3】
前記電解質膜と、該電解質膜を挟持し、前記触媒層が前記カーボンナノウォールを有する請求項1又は2記載の一対の燃料電池用電極とからなることを特徴とする膜電極接合体。
【請求項4】
請求項3記載の膜電極接合体と、一方の前記触媒層側に空気室を形成するとともに、他方の該触媒層側に燃料室を形成するように該膜電極接合体を挟持する対をなす導電性材料製のセパレータとを備えていることを特徴とする燃料電池のセル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−335251(P2007−335251A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−166243(P2006−166243)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】