説明

燃料電池発電プラント

【課題】燃料電池のシステム効率を向上させる。
【解決手段】燃料電池発電プラントが、燃料処理器および燃料電池スタックを有している。燃料電池スタックのアノード室およびカソード室を、冷却水が直接通過している。高湿度のカソード排気を、燃料処理器におけるオートサーマル反応のために酸素および水蒸気を供給するために使用することができ、さらに燃焼室において熱および燃焼排気を生成するために使用することができる。燃焼排気を、タービンを駆動して出力を生成するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2005年1月25日出願の米国特許仮出願第60/646,701号の利益を主張する。上記米国出願の教示の全体が、ここでの言及によって本明細書に取り入れられたものとする。
【技術分野】
【0002】
発明の分野は、燃料を水素含有改質燃料に転換する燃料処理器と、改質燃料または水素を使用して電気を生成する燃料電池スタックとを組み合わせてなるシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
燃料電池は、燃料と酸素とを反応させて電気を生み出すことができる電気化学装置である。この発電態様は、高い効率、および、例えば1kW〜数百キロワットまでという出力における柔軟性などの利益を有している。多数の種類の燃料電池の中で、高分子電極膜燃料電池(PEMFC)は、水素または水素含有改質燃料を燃料として使用する。燃料処理器が、燃料の改質によって炭化水素燃料を改質燃料へと転換する。改質燃料は、典型的には、水素、水、二酸化炭素、一酸化炭素、および窒素を含んでいる。PEM燃料電池において、一酸化炭素は、膜電極の触媒にとって有害であり、一般的には100ppmv以下に抑えられなければならない。典型的な動作においては、改質燃料が燃料電池のアノード室を通過する一方で、酸化剤流がカソード室を通過し、酸化剤流に含まれている酸素と改質燃料の水素とが膜電極アセンブリ(MEA)において反応し、電気、水、および熱を生成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料処理器および燃料電池スタックが、発電プラントにおける主たる構成要素であり、その他の部品には、残りのプラント構成要素(例えば、ポンプ、圧縮機など)および電力用電子機器が含まれる。発電プラントの構成要素のそれぞれは、特有の効率を有しており、例えば典型的なAC−DC電力変換器は、90%の効率を有し、典型的な電動圧縮機は、70%以下の効率であり、燃料処理器の典型的な熱効率は、60%である。しかしながら、システムとしての発電プラントの効率は、単に典型的な構成要素の効率の乗算の結果ではなく、巧みなプロセス設計によってシステム内の構成要素からの廃エネルギーを最適に利用することで、システムの効率を最大化することが可能である。本発明は、燃料処理器−燃料電池発電プラント・システムのためのいくつかの新規な構成に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発電プラントが燃料電池を有しており、この燃料電池が、燃料電池のカソード室へと直接注入される冷却水によって冷却される。次いで、高湿度のカソード排気が、燃料処理器におけるオートサーマル改質反応のための酸化剤流として使用される。
【0006】
本発明の他の態様によれば、発電プラントが燃料電池を有しており、この燃料電池が、燃料電池のアノード室またはカソード室、あるいは両方へと直接注入される水によって冷却される。次いで、高湿度のカソード排気および/またはアノード排気が、燃焼器において燃焼し、燃焼排気が出力生成用のタービンを駆動するために使用される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、燃料処理器が、改質燃料を高純度の水素流と水素を除去した流れとに分離することができる膜分離モジュール、または圧力スイング吸着モジュールに一体化されている。この高純度の水素が、燃料電池の燃料として使用される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、発電プラント内の流体が、排気ガス通路に設置されたブロワによって動かされる。
【0009】
本発明の他の態様によれば、燃料処理器が、オートサーマル反応のためのセクションおよび水蒸気改質のためのセクションを有している。電力の需要が小さいときに、一方のセクションのみを動作させることができる一方で、電力の需要が大きいときには、両方のセクションを動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の上記の目的、特徴、および利点、ならびに他の目的、特徴、および利点が、添付の図面に示されるとおり、本発明の好ましい実施形態についての以下のさらに詳しい説明から明らかになるであろう。添付の図面においては、種々の図のすべてを通して、同じ参照符号が同じ部品を指し示している。図面は、燃料電池発電プラントにおいて必要とされるすべての構成要素を含んでいるわけではなく、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0012】
PEM燃料電池の電気的効率(例えば、電気エネルギー/消費された水素のエネルギー)は、50%〜65%の範囲にある。すなわち燃料電池の動作において生成される熱エネルギーが、消費される水素の能力の35〜50%に等しい。反応熱は、典型的には、燃料電池スタック内の冷却セルを通って移動する冷却剤によって除去されている。冷却セルは、典型的には、アノード・セルとカソード・セルとによって挟まれている。セルにおいて生成された熱が冷却剤へと伝達されて、燃料電池スタックから除去される。反応熱を取り去るための他の方法は、アノード・セルまたはカソード・セルへと冷却水を直接注入することである。水は、セルにおいて加熱されて気化し、その温度が燃料電池の動作温度に実質的に等しい温度まで上昇する。したがって、上手く設計された直接水注入(DWI:direct water injection)式の燃料電池スタックからのアノードまたはカソードの排気は、この動作温度において水蒸気で飽和している。PEM燃料電池は、摂氏70度〜摂氏80度で動作するため、カソードまたはアノードの排気の露点は、この同じ温度であり、20%〜31%の水蒸気を含んでいる。別個の冷却剤ループを備えている燃料電池と比べ、DWI燃料電池スタックにおいては、カソードおよび/またはアノードの排気流が、流れの中の追加の水蒸気の存在ゆえに、より大きい熱エネルギーを含んでいる。アノードまたはカソードの排気を燃焼させて、燃焼の排気をタービンを駆動するために使用する場合には、この水蒸気からの追加の熱エネルギーを、タービン軸のエネルギーへと伝達して利用することができる。燃料処理器がオートサーマル改質プロセスを使用する場合には、高湿度であるカソードの排気が、ATR反応のための酸素ならびに水蒸気をもたらすことができ、したがって水を気化させるための設備およびエネルギーの必要性を減らすことができ、あるいはなくすことができる。
【0013】
図1は、本発明の好ましい一実施形態を示している。空気流10は、圧縮機100において圧縮された後に、燃料電池スタックのカソード側へと供給される。水タンク112からのカソード水53が、燃料電池のカソード側へと注入される。導入される燃料流20が、まず圧縮機(または、ポンプ)102において圧縮される。次いで、高圧の燃料流21が、燃焼用としてバーナに入る流れ22と、燃料改質のために燃料処理器103に入る流れ23とに分割される。燃料処理器103は、典型的には、ATRおよび水蒸気改質(SR)などの燃料改質セクション、ならびにCO含有量を100ppmv以下に低減するための水性ガスシフト(WGS)および選択酸化(PrOx)の各セクションを備えている。改質燃料流30が、燃料処理器103を出て、燃料電池スタック120のアノード105へと入る。燃料電池において電気が生成されて負荷(図示せず)へと供給される一方で、カソードの排気流12は、水で飽和される。カソードの排気流12は、水タンクへと進入して液体の水を取り除き、流れ13となる。流れ13の一部は、流れ15として復熱装置108へと進む。カソード排気を含んでいる流れ14を、随意により圧縮機104において圧縮した後、酸化剤流16として改質器に供給することができる。流れの第2の部分14と流れの第1の部分15との間の分割比は、燃料処理器103における空燃比(ファイ値によって示される)および水蒸気−対−炭素の比が所定の値に保たれるように、弁130によって制御される。シミュレーションの結果は、燃料電池スタック120が、セル当たり0.65ボルトかつ摂氏75度で運転される場合に、燃料処理器への導入混合気の水蒸気−対−炭素の比が、ファイ値が4であるときに4であることを示している。アノードの排気31も、復熱装置108へと入る。復熱装置108の機能は、燃焼排気からの熱をアノードおよびカソードの排気に伝達することにある。アノードおよびカソードの排気からなる過熱混合物40が、触媒燃焼器107へと入り、触媒燃焼器において燃焼して燃焼排気41を形成する。随意により、追加の空気流(図示されていない)または燃料流22を、燃焼器107におけるエネルギーの解放を増やすべく加えることができる。次いで、燃焼排気41がタービン101を駆動する。タービン101を、圧縮機100または他の出力装置に連結することができる。排気流42は、復熱装置108において冷却され、さらに水蒸気発生器109において冷却された後に、凝縮器110内で水を除去されて、流れ45としてシステムを出る。凝縮器110からの水流50を、水タンク111へと導入し、そこから流れ51として水蒸気発生器109へと供給することができ、これが水蒸気流54となって燃料処理器へと供給される。これに代え、あるいはこれに加えて、水流52をタンク112へと供給することも可能である。シミュレーションによれば、高湿度のカソード空気流をATR酸化剤およびバーナ酸化剤として利用するこのプロセスによって、システムの効率を2%〜5%向上させることができる。
【0014】
別のプロセスが、図2に示されている。このシステムは、低い圧力で動作するように設計されており、したがってバーナの排気は、タービンの駆動には使用されない。この発電プラントの各構成要素の機能は、図1のものと同様であり、したがって可能な場合は同一の符号が付されている。また、図2は、システムの始動時に燃料処理器103をどのように暖機できるのか、すなわち燃料処理器103が、燃焼室107からの高温の排気によって加熱されることを示している。高温排気ガス再循環(EGR)弁130が、流れ46に設置されており、もう1つのEGR弁131が、改質燃料の出口通路に設置されている。第3の弁132が、流れ14の途中に設置されており、第4の弁133が、流れ30の途中に設置されている。始動時には、EGR弁130および131が開かれ、弁132および133が閉じられる。高温の燃焼排気46が、弁130を通って燃料処理器103へと入る。同じガス流が、燃料処理器103へと熱を放出した後に、流れ47として弁131を通って出る。流れ47を排気してもよく、あるいはシステムへと再導入するために、圧縮機100を介して空気流10と混合してもよい。ひとたび燃料処理器103が所定の動作温度に達すると、弁130および131が閉じられ、弁132および133が開かれる。高湿度の空気流14が、弁132を通って燃料処理器へと入り、生成された改質燃料流30が、燃料電池120のアノード105へと入る。これ以外の動作は、図1において説明した発電プラントと同様である。
【0015】
図3は、燃料処理器において燃料の水蒸気改質を使用する発電プラントを説明している。システム内の流体は、燃焼排気の通路42に設置されたブロワ102が生成する誘起力によって移動可能にされている。この実施形態においては、燃料流23が、水蒸気改質のための燃料を供給し、随意による燃料流21が、燃焼器107へと導入されて、流れ40(カソード排気15とアノード排気31との混合気)と一緒に燃焼して水蒸気改質反応を持続させるための熱を供給する。燃料電池スタック120は、直接水注入式の燃料電池として動作し、大量の水蒸気が、カソード排気15中に含まれて移動し、したがって流れ40、41、42、および43中にも存在する。流れ43は、この流れの一部(流れ44)が水蒸気改質反応のための水蒸気を供給すべく燃料処理器へと導入されるように、分割される。流れ44の量は、燃料処理器103における水蒸気−対−炭素の比の必要条件を満足しなければならない。これは、流れ43を流れ44および45へと分割する制御弁131によって達成される。さらに、流れ44が酸素を含まないことが重要であり、すなわち流れ15に含まれる酸素が、バーナ107において完全に消費される必要がある。流れ15の流量を制御することで、バーナにおいて利用できる酸素の量を調節できる。これは、流れ14を凝縮器110へと排気するための制御弁130を調節することによって達成できる。実施においては、弁130の制御機構に接続している酸素センサを流れ44に設置してもよい。ブロワ102が、システムに空気流10と随意による燃料流21および23とを導入するための誘起力を生成するので、システムにおいて燃料圧縮機(または、ポンプ)および空気圧縮機が不要になっている。
【0016】
発電プラントの第4実施形態が、図4に示されている。この実施形態は、図1に示した実施形態に類似している。相違点は、燃料処理器103において差動膜リアクタ(DMR:differential membrane reactor)が使用されている点にある。水素が、パラジウムなどといったいくつかの種類の金属に対して高い透過性を有する一方で、水および二酸化炭素などといった改質燃料中の他の物質は、非透過性である。この特性を、改質燃料から水素を分離するために使用することができる。典型的には、改質燃料が、膜の片側において高圧に保たれ、反対側において低い圧力に保たれる。膜を横切る圧力勾配が、膜の反対側へと水素を押し出す駆動力である。生成された水素(この場合には、流れ30)は、高純度(例えば、99.99%の水素含有率)であり、デッドエンド方式、すなわちアノードの排気ガス流が存在しない燃料電池スタック120に直接使用することが可能である。水素を除去したラフィネート(この場合には、流れ31)は、燃焼器107へと送られて消費される。随意により、アノード排気流を設けてもよく、これをやはり燃焼器107へと送って消費することができる。燃焼器107の酸化剤は、高湿度のカソード排気流16である。燃焼排気流40を、熱エネルギーを機械的エネルギーへと変換すべくタービン101を駆動するために使用することができる。DMRにおける反応は、オートサーマル反応であってよく、その場合には、空気流12および水蒸気54がDMRへと供給されなければならない。随意により、さらにカソード排気を、DMRに酸化剤を供給するために使用することができる(図4には示されていない)。この反応は、水蒸気改質であってもよく、その場合には酸化剤は不要であるが、水蒸気流54は依然として必要である。
【0017】
あるいは、圧力スイング分離(PSA)モジュールを、燃料処理器に組み込むことができる。PSAモジュールは、高圧において一酸化炭素を吸着し、低圧において解放する吸着剤を使用する。実施においては、やはりPSAが、実質的に一酸化炭素を含まない水素流と、水素が除去された副流とを生成する。したがって、発電プラントに小さな変更を加えるだけで、PSAモジュールを膜分離モジュールの代わりに使用することができる。
【0018】
発電プラントの第5実施形態が、図5に示されている。この発電プラントは、主として燃料処理器103の構成および動作において、他の設計と相違している。この燃料処理器は、ATRセクション103aおよびSRセクション103bの両者で構成されている(WGSおよびProx反応セクション103Cは、他の燃料処理器の設計と共通であってよい)。ATR反応は、外部の熱源を必要としなくてもよいため、通常は始動が高速であり、リアクタを小さくできる。他方で、水蒸気改質は、通常は燃料の燃焼によって供給される外部の熱を必要とするため、SRリアクタはより大きく、始動がより遅い。図5の設計は、ATR103aおよび水蒸気改質器103bを、ただ1つの燃料処理システム内で組み合わせている。始動時には、高速な始動のためにATR反応が使用され、水蒸気改質領域を適切な動作温度とするために熱を放出する。通常の動作時は、出力の需要が少ない場合に、水蒸気改質器のみを反応領域として動作させることができ、出力の需要が大きい場合には、ATRおよびSRを組み合わせて使用することができる。ATRおよびSRの両者の反応条件のもとで、いくつかの触媒を使用できることは理解される。したがって、これらのシステムにおいて、ATRおよびSRの動作の間の相違は、酸化剤流12が供給されるか否かにある。始動または電力の過渡において、ATR反応を可能にすべく空気12を供給できる一方で、SR反応のみが望まれる場合には、空気を止めることができる。この発電プラントの残りの部分は、図1において説明したものと同様である。
【0019】
なお、これらの電力プラントの設計において、DWI(直接水注入)式のスタックが必ずしも必要ではない。別個の冷却ループを備える燃料電池も、依然として、単独またはカソード排気流の下流への水注入との組み合わせにて、高湿度のカソード流を生み出すことが可能である。
【0020】
これらの実施形態は、発電プラントの種々の設計の選択肢を例示している。これらの実施形態における各要素が、必ずしも特定の設計に専用というわけではないことを理解すべきであり、当業者であれば、本発明の原理から相違することなく、種々の要素を組み合わせて他の発電プラントの設計を作り出すことが可能である。
【0021】
本発明を、本発明の好ましい実施形態を参照しつつ詳しく示して説明したが、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の技術的範囲から離れることなく、これらの実施形態において形態および細部についてさまざまな変更が可能であることを、当業者であれば理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池発電プラントの概略図である。
【図2】燃料電池発電プラントの第2の実施形態の概略図である。
【図3】燃料電池発電プラントの第3の実施形態の概略図である。
【図4】燃料電池発電プラントの第4の実施形態の概略図である。
【図5】燃料電池発電プラントの第5の実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0023】
12−15 カソード排気の流れ
30 改質燃料流
102 ブロワ
103 燃料処理器
103a ATRセクション
103b SRセクション
105 アノード
106 カソード
107 バーナ(燃焼器)
112 水タンク
130 弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料から電気を生成するシステムであって、
燃料電池スタックにおいて使用可能な水素含有改質燃料を生成する燃料処理器と、
燃料、水、および空気の供給源と、
アノード室およびカソード室を有する燃料電池スタックと、
燃焼器と、
酸素含有カソード排気流の第1の部分を前記燃焼器へ送り、酸素含有カソード排気流の第2の部分を前記燃料処理器へ送る手段と、
水を凝縮し貯蔵する手段と
を備えているシステム。
【請求項2】
請求項1において、さらに、水素含有アノード排気を燃焼器へ送る手段を備えているシステム。
【請求項3】
請求項1において、冷却水が、前記燃料電池スタックの前記カソード室に直接注入されて反応熱を除去するシステム。
【請求項4】
請求項1において、冷却水が、前記燃料電池スタックの前記アノード室に直接注入されて反応熱を除去するシステム。
【請求項5】
請求項1において、冷却水が、前記燃料電池スタックの前記アノード室およびカソード室に直接注入されて反応熱を除去するシステム。
【請求項6】
請求項1において、前記燃焼器からの燃焼排気が、タービンを駆動して出力を生成するために使用されるシステム。
【請求項7】
請求項1において、前記カソード排気が、前記燃料処理器におけるオートサーマル反応のための酸素および水蒸気の供給源であるシステム。
【請求項8】
請求項1において、前記燃料処理器が、改質燃料から高純度の水素を分離する水素精製手段を含んでいるシステム。
【請求項9】
請求項8において、前記高純度の水素が燃料電池スタックへと送られるシステム。
【請求項10】
請求項8において、前記水素精製手段が、水素選択性膜、水素選択性圧力スイング吸収装置、水性ガスシフト・リアクタ、および選択的酸化リアクタのうちの1つ以上を有しているシステム。
【請求項11】
請求項1において、当該システムにおける空気流が、前記燃焼器からの排気通路上のブロワが生み出す誘起力によって駆動されるシステム。
【請求項12】
請求項1において、前記燃焼排気が、前記燃料処理器における水蒸気改質反応のための水蒸気の供給源であるシステム。
【請求項13】
請求項1において、前記燃料処理器が、オートサーマル反応領域および水蒸気改質反応領域の両方を有しているシステム。
【請求項14】
請求項1において、さらに、始動時に前記燃料処理器の入り口へと酸化剤流、燃料流、および水蒸気を導く少なくとも1つの排気ガス再循環弁を備えているシステム。
【請求項15】
請求項14において、前記カソード排気流が、始動時の前記燃料処理器の入り口への酸化剤および水蒸気を含んでいるシステム。
【請求項16】
請求項15において、前記カソード排気流が、前記燃料処理器の入り口へ送られる前に燃焼器において燃焼するシステム。
【請求項17】
請求項15において、前記排気ガス再循環弁が、前記燃料処理器内の温度が所定の温度に達したときに閉じられるシステム。
【請求項18】
燃料から電気を生成するシステムであって、
燃料電池スタックにおいて使用可能な水素含有改質燃料を生成する燃料処理器と、
燃料、水、および空気の供給源と、
アノード室およびカソード室を有する燃料電池スタックと、
燃焼器排気流を生成する燃焼器と、
酸素含有カソード排気流の少なくとも一部を燃焼器へ送る手段と、
水を凝縮し貯蔵する手段と、
燃焼器からの排気通路上に位置して、当該システムにおいて流体を動かすための誘起力を生成するブロワと
を備えているシステム。
【請求項19】
燃料から電気を生成する方法であって、
燃料処理器において、燃料電池スタックにおいて使用可能な水素含有改質燃料を生成することと、
前記改質燃料を燃料電池スタックに供給して、電気および酸素含有カソード排気流を生成することと、
酸素含有カソード排気流の第1の部分を燃焼器に供給して高温の排気を生成し、前記酸素含有カソード排気流の第2の部分を入力として前記燃料処理器に供給すること
を含んでいる方法。
【請求項20】
請求項19において、さらに、水素含有アノード排気を前記燃焼器へと供給することを含んでいる方法。
【請求項21】
請求項19において、さらに、冷却水を前記燃料電池スタックのカソード室に直接注入して反応熱を除去することを含んでいる方法。
【請求項22】
請求項19において、さらに、冷却水を前記燃料電池スタックのアノード室に直接注入して反応熱を除去することを含んでいる方法。
【請求項23】
請求項19において、さらに、冷却水を前記燃料電池スタックのアノード室およびカソード室に直接注入して反応熱を除去することを含んでいる方法。
【請求項24】
請求項12に記載のシステムの運転方法であって、
始動時に前記燃料処理器の入り口に酸化剤流、燃料流、および水蒸気を供給することと、
前記水蒸気改質反応領域の温度を監視することと、
前記水蒸気改質反応領域の温度が所定の温度に達したときに、前記燃料処理器の入り口への前記酸化剤流を断つことと
を含んでいる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−529218(P2008−529218A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552148(P2007−552148)
【出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/047438
【国際公開番号】WO2006/081033
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(500501579)ヌベラ フュエル セルズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】