説明

燃焼灰等のホッパーの灰詰り防止装置及びその灰詰り防止方法

【課題】燃焼灰を貯留するホッパー等では灰抜き出し時の灰詰まり頻度が多く、灰抜き出し作業の中断を余儀なくされた。灰詰まりが発生したときには、その都度、人手による灰出しと清掃作業を行う必要があり、この灰出し作業には多くの労力と費用が必要であった。灰抜き出し時の灰詰まりを無くし、灰抜き出し作業を円滑に行なう必要がある。
【解決手段】ホッパー内壁に圧縮空気噴射口を設けて、ホッパー内の燃焼灰に向けて斜め下方に圧縮空気を吹き込み燃焼灰を吹き飛ばすと同時に浮かせる、さらに、ホッパー下部の灰排出口付近にパイプを灰排出口を横切って渡し、パイプ側面の孔から斜め上方に圧縮空気を吹き込む、または、大型ホッパーでは、灰排出口のスクリューコンベヤの中空軸側面に開けた孔よりスクリューコンベヤ内および下部ホッパー内へ圧縮空気を吹き込むことにより燃焼灰を浮かせて、灰の流動性を上げて閉塞しないように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所等のボイラーで発生し電気集塵器等で補足された燃焼灰を灰貯留ホッパー等から抜き出すときのホッパーにおける灰詰まり防止装置及び灰詰まり防止方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発電所等の大型施設のボイラー等で発生した燃焼灰は、燃焼排ガスと共に脱硝装置及び空気予熱器を経て電気集塵器に導入され、電気集塵器でその大半が捕捉される。電気集塵器の底部に、逆円錐型または逆角錐型のホッパーを複数個設置し、捕捉した燃焼灰はこのホッパー内に蓄積される。
【0003】
電気集塵器の各ホッパー内に蓄積された燃焼灰は、灰輸送管を通して吸引ブロアで吸引されて灰吸引袋詰装置等に輸送される。吸引ブロアを作動させると、電気集塵器ホッパー下の灰輸送管を通って、灰吸引袋詰装置に向かって気流が生じるため、電気集塵器ホッパーの灰排出ゲートを開くと燃焼灰が灰輸送管に吸引されて輸送される。複数のホッパーからの燃焼灰の輸送は、1基ずつ順次、灰排出ゲートを開いて燃焼灰を吸引することによって行われる。
【0004】
灰吸引袋詰装置は、バグフィルターと吸引ブロアからなり、吸引ブロアの吸込口は配管でバグフィルター出口ノズルに接続され、吸引ブロアの吐出口は大気開放されている。電気集塵器からの灰輸送管はバッグフィルターの入口ノズルに接続されて、バグフィルターにて燃焼灰が空気と分離されてバグフィルターの下部ホッパーに蓄積される。下部ホッパーが一杯になった時点で、バグフィルター前弁または吸引ブロア前弁を閉じて、燃焼灰の吸引を一時停止し、下部ホッパーに蓄積された燃焼灰を抜き出す。この時、バグフィルターの排出ダンパーを開放して燃焼灰を抜くが、燃焼灰は重量が軽く、燃焼灰の粒子間の架橋現象またはホッパー壁面への付着により灰詰まりを起こして円滑に抜き出せないことが多い。灰詰まりを起こすと、バグフィルターのマンホールを開放して人手で灰を掻き出す作業が必要になる。
【0005】
上記の灰吸引袋詰装置のバグフィルターホッパー以外にも、電気集塵器ホッパー、燃焼灰貯留ホッパー、燃焼灰貯留サイロなどにおいて、燃焼灰抜き出し時の灰詰りがよく見られる。灰詰まりを防止する技術として、空気吹き込み、攪拌機使用、電磁ノッカー使用等が行われているが、どれも完全とは言えず、灰閉塞時に灰抜き出し作業をいったん停止し、バグフィルター等のマンホールを開放して人手で掻き出さざると得ない。
【0006】
例えば、特許文献1の「燃焼灰等のホッパー灰詰り解消装置及びその灰詰り解消方法」は、燃焼灰の上部からホッパー内壁面に沿って圧縮空気を傾斜した下向きに吹き込み燃焼灰の塊りを吹き飛ばして落下させ、ホッパー下部からもホッパー内壁面に沿って圧縮空気を上向きに吹き込み、燃焼灰の塊りに貫通穴を開けるようにしたものである。また、特許文献2の「ホッパー付着物除去装置及びホッパー付着物除去方法」は、ホッパーに付着した湿灰に洗浄水ノズルから温水を噴射して湿灰を洗い流し、洗浄汚水を灰輸送管と異なる搬送経路を設けて排水側溝に洗い流すようにしたものである。
【0007】
また、非特許文献1には、粉体の架橋現象(粉体の付着力、摩擦力、物理的ないし化学的性質の変化による固結などによって、粉体層内のある部分にそれより上方の粉体圧力を支えるだけの支持力が発生すること。架橋が生じるとその層より下の部分の支持力がなくても架橋だけで上方の粉体は支持されることになり、容器下部から粉体を排出する際に閉塞を起こす。)による閉塞の防止対策として、(1)出口寸法を大きくする。(2)壁面を平滑にする。(3)壁の角度を大きく(急勾配に)する。垂直壁や、垂直な仕切板を利用する。(4)ホッパーを非対称形にする。(5)ホッパーの中間、架橋の起こりやすい部分で断面を大きくして粉体圧を殺す。または、突起をつけて上方からの粉体圧がかからないようにする。(6)振動を与える(ただし、粉体排出中に振動を与えないと、かえって強固な架橋を作る危険がある)。(7)多孔板などを利用して空気を吹込み粉体を流動化させる。(9)機械的に攪拌して架橋を破壊する。(10)架橋による閉塞が起こった時のために、架橋を破壊するために都合のよい場所に穴を設けておくなどが、一般的対策として挙げられている。また、同文献に、ホッパー壁面への粉体の付着防止対策として、(1)壁の角度を大きく、なるべく垂直に近くする。(2)壁面を平滑にする。(3)2つの面が交わる部分はできるだけ大きなアールをつける。(4)振動を与えるなどが一般的な対策として挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−143659「燃焼灰等のホッパー灰詰り解消装置及びその灰詰り解消方法」
【特許文献2】特開2003−236483「ホッパー付着物除去装置及びホッパー付着物除去方法」
【非特許文献1】化学工学協会編:「化学工学便覧 改訂3版」、840頁〜841頁、丸善(昭和48年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
燃焼灰を貯留する従来の、電気集塵器ホッパー、バグフィルターホッパー、貯留ホッパー、貯留サイロなどにおいて、燃焼灰抜き出し時の灰詰まり頻度が多く、灰抜き出し操作の中断を余儀なくされた。灰詰まり対策は各種講じられているが、効果的な方法はまだない。灰詰まりが発生した時には、その都度、人手による灰出しと清掃作業を行う必要があり、この灰出し作業には多くの労力と費用が必要であった。
【0010】
従来取られてきた灰詰まり防止対策として、たとえば、特許文献1の「燃焼灰等のホッパー灰詰り解消装置及びその灰詰り解消方法」は、ホッパー内にできた燃焼灰の塊を強力な圧縮空気で吹き飛ばして破壊し、または、塊に貫通穴を開けて崩して落下させるものであって、燃焼灰が固まらないように流動性を上げて灰詰まりを防止する技術ではなかった。また、特許文献2の「ホッパー付着物除去装置及びホッパー付着物除去方法」は、洗浄水ノズルから温水をホッパー内に噴射してホッパー内に付着した湿灰を除去する技術で、ホッパー内の燃焼灰の流動性を上げて灰の詰まりを防止する技術ではなかった。また、非特許文献1には、燃焼灰等の粉体の各種の詰まり防止方法や粉体の流動性を上げる方法が記述されているが、一般的な考え方であって具体的な方法や装置は記述されていない。
【0011】
本発明は、かかる問題を解決するために創案されたもので、本発明の目的は、燃焼灰ホッパーに簡単な装置を設けることで、ホッパーの内の燃焼灰を架橋させることなく流動性を上げて、灰抜き出し時の灰詰まりを無くし、抜き出し作業を円滑に行わせる灰詰り防止装置及び灰詰り防止方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、概略直径3mまでのホッパー付き小型燃焼灰貯留槽1に適用するもので、ホッパー形状が逆円錐型で下部に灰排出口8を備えたホッパーに対して、下部ホッパー2の内壁に圧縮空気噴射口4を設けて、下部ホッパー2内の燃焼灰に向けて斜め下方に圧縮空気を吹き込み、燃焼灰を吹き飛ばすと同時に浮かせる、さらに、ホッパー下部の灰排出口8付近に、パイプ5を灰排出口8を横切って渡し、パイプ5側面の圧縮空気吹込孔9から斜め上方に圧縮空気を吹き込み燃焼灰を吹き飛ばすと同時に浮かせることにより、灰の流動性を上げて灰が閉塞しないように構成したものである。
【0013】
万一、下部ホッパー2内の壁面に燃焼灰が架橋して閉塞した場合に備えて、ホッパー側面の外面に電磁ノッカー6等を取り付ける。灰の閉塞が見られ灰が抜き出せない時に電磁ノッカー6を作動させ下部ホッパー2に衝撃を加えて架橋を崩す。
【0014】
請求項2の発明は、ホッパー付き大型燃焼灰貯留槽30に適用するもので、ホッパー形状が逆角錐型で、下部に細長い長方形をした灰排出口8があり、灰排出口8にU字トラフ型スクリューコンベヤ31を設置したホッパーに対して、下部ホッパー2の内壁に圧縮空気噴射口4を設けて、ホッパー内の燃焼灰に向けて斜め下方に圧縮空気を吹き込み、燃焼灰を吹き飛ばすと同時に浮かせ、さらに、ホッパー下部のU字トラフ型スクリューコンベヤ31の中空軸32側面の圧縮空気吹込孔35よりスクリューコンベヤ31内および下部ホッパー2内へ圧縮空気を吹き込み、燃焼灰を浮かせることにより燃焼灰の流動性を上げ、スクリューコンベヤ31による灰排出口8からの燃焼灰の抜き出し時に燃焼灰が閉塞しないように構成したものである。
【0015】
ホッパー付き大型燃焼灰貯留槽30ついても、ホッパー付き小型燃焼灰貯留槽1の時と同様に、万一の下部ホッパー2内で燃焼灰が架橋して閉塞した場合に備えて、ホッパー側面の外面に電磁ノッカー6等を取り付ける。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ホッパー付き小型燃焼灰貯留槽1の逆円錐型ホッパー対する、本発明の灰詰り防止装置は、下部ホッパー2内面に取り付けた4箇所の圧縮空気噴射口4の先端ノズルの6〜15個の直径1〜4mmの細孔から圧縮空気を斜め下方に吹き込み、燃焼灰を吹き飛ばすと同時に灰を浮かせて流動性を上げ、さらに、灰排出口8付近のパイプ5の側面に開けた直径1〜5mmの圧縮空気吹込孔9より、圧縮空気を斜め上方に吹き込んで燃焼灰を吹き飛ばすと同時に灰を浮かせて流動性を上げる。
【0017】
灰排出口8付近のパイプ5は、丸パイプ、角パイプの他、どんな断面形状のパイプでもよいが、上方からの燃焼灰の流れをできるだけ妨げない形状、すなわち断面くさび型のパイプで、くさび先端を上方に向けて配置するのが望ましい。
【0018】
ホッパー付き大型燃焼灰貯留槽30の逆角錐型ホッパー対する、本発明の灰詰り防止装置は、下部ホッパー2内面に取り付けた6〜12箇所の圧縮空気噴射口4の先端ノズルの6〜15個の直径1〜4mmの細孔から圧縮空気を斜め下方に吹き込み、燃焼灰を吹き飛ばすと同時に灰を浮かせて流動性を上げ、さらに、灰排出口8のU字トラフ型スクリューコンベヤ31の中空軸32側面に長手方向100〜300mmピッチで2列に開けた直径1〜6mmの圧縮空気吹込孔35よりスクリューコンベヤ内およびホッパー内へ圧縮空気を吹き込み、燃焼灰を浮かせることにより燃焼灰の流動性を上げ、スクリューコンベヤ31による燃焼灰の抜き出し時にホッパー内で燃焼灰が閉塞しないように構成したものである。なお、スクリューコンベヤ31の中空軸32への圧縮空気の供給は、中空軸32の軸端の圧縮空気接続口36に圧縮空気源からの配管を接続することにより行う。
【発明の効果】
【0019】
上記構成の発明では、燃焼灰を吹き飛ばすと同時に灰を浮かせて流動性を上げ、燃焼灰がホッパーで架橋して閉塞するのを防止できる。従来のように、灰詰まりにより、マンホールから人手で灰を掻き落とすことなく、灰の抜き出し作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、ホッパー付き小型燃焼灰貯留槽の正面概略図である。
【図2】図2は、ホッパー付き小型燃焼灰貯留槽の側面概略図である。
【図3】図3は、ホッパー下部の正面方向断面詳細図である。
【図4】図4は、ホッパー下部の側面方向断面詳細図である。
【図5】図5は、ホッパー下部の “A−A”矢視詳細図である。
【図6】図6は、実施例1における灰吸引袋詰装置のバグフィルター正面組立図である。
【図7】図7は、実施例1における灰吸引袋詰装置のバグフィルター側面組立図である。
【図8】図8は、電気集塵器から灰吸引袋詰装置までの燃焼灰のフロー図である。
【図9】図9は、ホッパー付き大型燃焼灰貯留槽の正面概略図である。
【図10】図10は、ホッパー付き大型燃焼灰貯留槽の側面概略図である。
【図11】図11は、スクリューコンベヤの中空軸詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を実施例で説明する。図6と図7と図8は本発明を小型のバグフィルターと吸引ブロアからなる燃焼灰吸引袋詰装置へ適用した実施例を示す。図8のフロー図に示すように、ボイラーの煙道に配置された電気集塵器20で捕捉された燃焼灰は電気集塵器ホッパー21に蓄積され、灰吸引袋詰装置24の吸引ブロア25によって吸引されて、灰輸送管23を経由して灰吸引袋詰装置24のバグフィルター10に導入される。バグフィルター10により燃焼灰と空気が分離されて、燃焼灰はバグフィルターの下部ホッパー2に蓄積され、空気は吸引ブロア25の吐出口から大気に放出される。
【0022】
一定時間の燃焼灰吸引運転後、バグフィルター10の下部ホッパー2が燃焼灰で一杯になった時点で、吸引ブロア前弁28およびバグフィルター前弁27を閉じて、電気集塵器20からの燃焼灰の吸引を一時停止し、バグフィルター10内の燃焼灰の抜き出し作業を行う。バグフィルター10内の燃焼灰が抜き出されて灰回収袋26に移された後、バグフィルター前弁27および吸引ブロア前弁28を開放して電気集塵器20からの燃焼灰の吸引作業を再開する。この作業を電気集塵器ホッパー21内の燃焼灰が無くなるまで繰り返す。
【0023】
図6と図7に示すように、灰吸引袋詰装置24の小型のバグフィルター10の下部ホッパー2に本発明の灰詰り防止装置が設けられている。バグフィルター10の寸法は、直径1640mm×高さ2360mmである。このうち、下部ホッパー2は逆円錐型で上部直径1640mm×下部直径500mm×高さ990mmで、円錐角は60度である。逆円錐型の下部が灰排出口8となっており、灰排出ダンパー3が取り付けられている。灰排出口8から上方450mmの高さの位置のコーン円周上の4か所に、圧縮空気噴射口4が取り付けられ、噴射口4の先端に直径1.5mmの細孔が12個開いたノズルが付いている。4つの噴射口4はコーンの円周上にお互いに等間隔で配置され、個々の噴射口4は下部ホッパー2の壁面と45度の角度で斜め下方に向けて取り付けられている。また、下部の灰排出口8付近には断面くさび型パイプ5(先端角度36度、縦100mm×横60mm×長さ500mm)が灰排出口8を横切るように取り付けられている。くさび型パイプ5はくさび先端が上方に向くように取り付けられ、くさび型パイプ5の両側面にはくさび先端から下方30mmの位置に、直径4mmの圧縮空気吹込孔9が5箇所等間隔で開けられている。灰排出口8には、灰排出ダンパー3が取り付けられている。また、灰排出口8の単管接続用フランジ14に直径820mmの短管13が付けられており、この短管13に灰回収袋26の口をあてがい袋の外周を紐で結び、燃焼灰が短管13と灰回収袋26の隙間から洩れないように固定される。
【0024】
電気集塵器20から燃焼灰を吸引する作業は、まず、バグフィルター10の下部ホッパー2の下の灰排出ダンパー3を閉じ、灰回収袋26を取り付け、下部ホッパー2の圧縮空気吹込噴射口4と断面くさび型パイプ5の圧縮空気吹込孔9からホッパーへの圧縮空気の吹き込みを開始する。その後、灰吸引袋詰装置24の吸引ブロア25を起動して、バグフィルター前弁27および吸引ブロア前弁28を開放して電気集塵器ホッパー21から燃焼灰を吸引する。灰吸引袋詰装置24のバグフィルター10で空気と燃焼灰が分離され、空気は吸引ブロア25の吐出口から大気へ放出されるが、燃焼灰はバグフィルター10の下部ホッパー2に蓄積される。運転を継続する内に下部ホッパー2が燃焼灰で一杯になった時点で、吸引ブロア前弁28とバグフィルター前弁27を閉じて、燃焼灰の吸引を一時停止する。バグフィルター10の下部ホッパー2に次第に蓄積される燃焼灰は、下部ホッパー2に吹き込まれる圧縮空気により吹き飛ばされ、浮かされて流動性が向上し、架橋がほとんど起こらない状態で蓄積される。
【0025】
バグフィルター10の下部ホッパー2一杯に蓄積した燃焼灰は、ホッパー下部の灰排出口8の灰排出ダンパー3を開放して、短管13に固定した灰回収袋26へ落下させる。この時も、下部ホッパー2内の灰は、圧縮空気吹込噴射口4および断面くさび型パイプ5の圧縮空気吹込孔9からの吹き込み圧縮空気により吹き飛ばされ、浮かされて流動性が高い状態で閉塞することなく回収袋26へ落下する。
【0026】
バグフィルター10の下部ホッパー2内の燃焼灰が全て抜き出された後、灰排出ダンパー3を閉じ、灰回収袋26の口の少し下を紐で結んで口を閉じてから、回収袋26を短管13に固定していた紐を緩めて回収袋26を短管13から取り外す。
【0027】
再度、バグフィルター前弁27および吸引ブロア前弁28を開放して、電気集塵器ホッパー21から燃焼灰を吸引する。灰吸引運転をバグフィルター10の下部ホッパー2に燃焼灰が一杯になるまで続けて、一杯になった時点で上記と同じ作業を行いバグフィルター10の下部ホッパー2内の灰を抜き出す。以後、同様の作業を電気集塵器ホッパー21内の燃焼灰を全て抜き終わるまで繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の燃焼灰等のホッパー灰詰り防止装置及びその灰詰り防止方法は、バグフィルター他の燃焼灰等の貯留に使用されるホッパーやサイロに適用できる。
【符号の説明】
【0029】
1.ホッパー付き小型燃焼灰貯留槽
2.下部ホッパー
3.灰排出ダンパー
4.圧縮空気噴射口
5.くさび型パイプ
6.電磁ノッカー
7.マンホール
8.灰排出口
9.圧縮空気吹込孔
10.バグフィルター
11.入口ノズル
12.出口ノズル
13.短管
14.単管接続用フランジ
15.架台
20.電気集塵器
21.電気集塵器ホッパー
22.灰排出ゲート
23.灰輸送管
24.灰吸引袋詰装置
25.吸引ブロア
26.灰回収袋
27.バグフィルター前弁
28.吸引ブロア前弁
30.ホッパー付き大型燃焼灰貯留槽
31.スクリューコンベヤ
32.中空軸
33.モーター
34.スクリューコンベヤ羽根
35.圧縮空気吹込孔
36.圧縮空気接続口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆円錐型で下部に灰排出口を備えた燃焼灰等を貯留する小型ホッパーにおいて、該ホッパー内壁に圧縮空気噴射口を設けて、該ホッパー内の該燃焼灰に向けて斜め下方に圧縮空気を吹き込み、該燃焼灰を吹き飛ばすと同時に浮かせ、さらに、該ホッパー下部の該灰排出口付近に該灰排出口を横切ってパイプを渡し、該パイプの側面の孔から斜め上方に圧縮空気を吹き込み、該燃焼灰を吹き飛ばすと同時に浮かせることにより、該燃焼灰の流動性を上げ該灰排出口からの抜き出し時に閉塞しないように構成した燃焼灰等のホッパーの灰詰り防止装置及びその灰詰り防止方法。
【請求項2】
逆角錐型で下部に細長い長方形の灰排出口を備え、該灰排出口にU字トラフ型スクリューコンベヤを設置した燃焼灰等を貯留する大型ホッパーにおいて、該ホッパー内壁に圧縮空気噴射口を設けて、該ホッパー内の該燃焼灰に向けて斜め下方に圧縮空気を吹き込み、該燃焼灰を吹き飛ばすと同時に浮かせ、さらに、該スクリューコンベヤの中空軸側面の孔より該スクリューコンベヤ内および該ホッパー内へ圧縮空気を吹き込み、該燃焼灰を浮かせることにより該燃焼灰の流動性を上げ、該スクリューコンベヤによる該灰排出口からの該燃焼灰の抜き出し時に該燃焼灰が閉塞しないように構成した燃焼灰等のホッパーの灰詰り防止装置及びその灰詰り防止方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−112525(P2013−112525A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−276430(P2011−276430)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(511308211)株式会社大門 (1)
【Fターム(参考)】