説明

燃焼評価方法とその方法を実施する装置

【課題】できるだけ僅かなコストでエミッション、特には微粒子エミッションの監視を可能にすること。
【解決手段】燃焼室(3)内の燃焼に対する火炎光信号のサンプル信号がデータ格納部(6)に格納されており、燃焼室(3)内の燃焼に対する火炎光信号が検出されるとともにデータ格納部に格納されたサンプル信号と比較され、測定された火炎光信号の信号パターンと格納されているサンプル信号の信号パターンとが一致する場合に燃焼状態の評価が行われる。前記サンプル信号は対応するエミッション値に関連付けてデータ格納部(6)に格納されており、それぞれのシリンダ(2)の燃焼室(3)での、測定された火炎光信号の信号パターンと格納されている信号パターンとが一致する場合に、発生中のエミッションに関係する燃焼状態の評価が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の少なくとも1つの燃焼室内の燃料・空気混合気状態または燃焼状態あるいはその両方を評価するための方法、及びその方法を実施する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微粒子エミッション限界値がますます強化されつつある状況を前にして、特に直接噴射式内燃機関に対して可能な限り優れた品質の混合気を供給するための対策が必要となっている。
【0003】
CH燃料燃焼時の微粒子形成はスス形成によって生ずる。微粒子形成の低減化は、最終的に均一な理論空燃比混合気が燃焼されるようにすべく、正確な燃料調量、完全な燃料気化および燃焼空気との十全な混合によって達成される。これらの課題の達成には、燃料噴射システム、空気量制御、混合気形成に影響を及ぼすプロセスならびに給気タービュランスに関して高度な要求を満たすことが必要とされる。
【0004】
NEDC(New European Driving Cycle)テストでは、微粒子エミッションは測定された微粒子量と微粒子数とによって評価される。この場合、主たるエミッションは、エンジン始動、なお冷機運転状態にあるエンジンの最初の負荷ピークおよびテスト区間終了相における高負荷運転に由来する。NEDCテストに際する厳しい限界値を内燃機関が遵守し得るのは、特に、始動相および暖機相におけるエミッションへの影響は燃料噴射と給気運動とによる正確なコントロール下にある場合のみである。同じく、高負荷運転時の寄与に対しても、正確な過渡調整とシリンダ同調が必要である。
【0005】
混合気形成に影響を及ぼそうとする開発対策が狙いとするところは、燃焼室内に分散して圧縮熱によって気化する燃料微細噴霧をつくり出すことである。この場合、ひとたび形成された壁面膜は特にエンジンが冷えている場合には十分気化し得ないために、冷えた燃焼室壁面との接触は回避されなければならない。
【0006】
研究によれば、多気筒内燃機関の場合、特に冷機運転状態において、個々のシリンダが微粒子エミッションにかかわる程度はそれぞれ相違しており、そのため、シリンダ選択的な対策が講じられなければならない。それゆえ、エンジン開発過程において、微粒子発生の原因の分析はますます重要となる。
【0007】
オーストリア公開公報第503276号明細書から、内燃機関の燃焼室における燃料/空気混合気の状態および/または燃焼状態を評価するための方法が既知である。この場合、データ格納部に格納されている、所定の混合気状態に対応する火炎光信号のサンプル信号が、測定された火炎光信号のパターンと比較される。測定された信号パターンと格納されている信号パターンとが一致すると、燃焼室内の混合気の状態が推定される。これによって、混合気状態ならびに燃焼状態の正確かつ容易な監視を可能とすることができる。
【0008】
さらに、フランス公開公報第2816056号明細書から、燃焼性混合気の状態を評価するための測定装置が既知であり、この場合、測定装置は、分光計と、ファイバーオプチックスと、検出されたスペクトルの算定測定結果をデータ格納部に格納されているデータと比較する評価装置とを有している。その際、分光計に接続されたファイバーオプチックスは燃焼室と光学的に連結されている。測定されたデータをデータ格納部に格納されている信号と比較することにより、燃焼性混合気の状態を求めることができる。
【0009】
日本公開公報第2005−226893号明細書は類似の燃焼診断方法を開示しており、この場合、燃焼の発光強度が検出され、データ格納部に格納されている信号と比較される。こうした比較により、空気/燃料混合気の状態に関する判定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】オーストリア特許公開公報第503276号明細書(特開2008−298782)
【特許文献2】フランス特許公開公報第2816056号明細書
【特許文献3】日本特許公開公報第2005−226893号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、できるだけ僅かなコストでエミッション、特には微粒子エミッションの監視を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
内燃機関の少なくとも1つの燃焼室内の燃料・空気混合気状態または燃焼状態あるいはその両方を評価するための方法において、上記目的を達成するため、本発明では、前記燃焼室内の燃焼に対する火炎光信号のサンプル信号がデータ格納部に格納されており、前記燃焼室内の燃焼に対する火炎光信号が検出されるとともに前記データ格納部に格納されたサンプル信号と比較され、測定された火炎光信号の信号パターンと格納されているサンプル信号の信号パターンとが一致する場合に前記状態の評価が行われ、前記サンプル信号は対応するエミッション値に関連付けて前記データ格納部に格納されており、それぞれのシリンダの燃焼室での、測定された火炎光信号の信号パターンと格納されている信号パターンとが一致する場合に、発生中のエミッションに関係する前記燃焼状態の評価が実行され。
【0013】
できるだけ僅かなコストで、微粒子発生に関する十分正確な判定を行い得るようにするには、燃焼室内において少なくとも2個のエリアがマルチチャネル光センサの異なるチャネルを経て検出され、その際、燃焼状態はマルチチャネル光センサの好ましくは6〜12本、特に好ましくは8または9本の光チャネルを経て検出され、この場合、マルチチャネル光センサの好ましくは各々のチャネルは燃焼室内の少なくとも1つのエリア、好ましくは正確に1個のエリアに対応し、好ましくは少なくとも2個のエリアは円錐状または円筒状の角度セグメントエリアによって形成されているのが特に有利である。
【0014】
燃焼状態の特に優れた光学的監視は燃焼室中心に配置されたマルチチャネル光センサによって達成することが可能であり、その際、マルチチャネル光センサは好ましくは圧力測定も行う1個の点火プラグに組み込まれているのが特に好適である。
【0015】
本発明の好適な実施形態の1つにおいて、さらに、火炎光強度の限界値が定められ、少なくとも1つのシリンダにおいて該限界値を超える場合、当該シリンダにおける微粒子エミッションを低減化するための処理が実行される。その際、好ましくは、火炎光信号は連続した多数の燃焼サイクルにわたって検出されるように構成してもよい。
【0016】
燃焼状態の容易かつ速やかな評価は、検出された火炎光信号が、少なくとも1つの数学的アルゴリズムにより、観察された測定時間全体にわたって数値的に評価されることで実現する。この場合、データ格納部に格納されているサンプル信号と測定されたサンプル信号との相関分析を実施することが可能である。
【0017】
測定結果のなかにいわゆる「異常値」を見つけ出され、微粒子エミッションにとってのその意味づけがなされ、さらに、内燃機関の運転領域の少なくとも1つの定常点につき、独立して現れる個々の火炎光信号が所定の基準に基づいて評価されることにより安定性のチェックが実行されるように構成してもよい。
【0018】
サンプル信号は既知の運転・エミッション条件下の測定から得られて記録されるまたは混合気形成ならびに燃焼状態に関する理論的考察から導出されることも可能である。ただし、サンプル信号は、火炎光信号とシリンダ内圧力信号またはそれから導出された信号たとえば放熱曲線との結合演算からつくり出すことも可能である。
【0019】
時間信号たとえばクランク角信号を検出するようにし、火炎光信号が該時間信号に対応させられる場合、火炎光信号の状態および推移から、微粒子エミッション増加の原因を推定することが可能である。検出された火炎光信号とデータ格納部に記憶済みのサンプル信号との比較によって、直接、微粒子エミッションの質と量に関する判定を行うことができる。この場合、さらに、少なくとも暫時、火炎光信号の検出と同時にシリンダ内圧力測定および/または排気系の末端での微粒子測定も実施されるように構成してもよい。同時的かつサイクルに合致した圧力測定および/または微粒子測定は判定の精度と信頼度を高め、結果的にその評価方法の精密度を高める。シリンダ内圧力および/または微粒子測定そしてさらに火炎光検出のそれぞれの評価を組み合わせることにより、微粒子エミッション判定時の精度ならびに的中率を向上させることが可能である。
【0020】
本発明による方法の利点の1つは、各々のシリンダにつきサイクルに合致した情報が得られることである。これにより、燃焼状態の特に正確な実時間制御が可能とされ、こうして、微粒子エミッションを大幅に改善することが可能となる。
【0021】
総合的なエンジン判定を実現するには、さらに、火炎光信号、微粒子測定および/または圧力測定信号を基礎として無次元の特性値が形成され、この特性値が微粒子エミッションおよび/または混合気状態および/または燃焼状態の評価の基礎とすると好都合である。
【0022】
本方法を実施するための本発明による評価装置では、いずれのシリンダにも少なくとも1つのマルチチャネル光センサが配備され、該マルチチャネル光センサは少なくとも1つの機のマルチチャネル信号評価装置と接続される。その際、好ましくは、該信号評価装置は、火炎光信号のサンプル信号が対応する微粒子エミッションと共に格納されている、データ格納部と接続される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図1】本発明による方法を実施するための装置を示す模式図である。
【図2】異なる火炎光パターンを示す説明図である。
【図3】マルチチャネル光センサの異なる斜視図である。
【図4】時間と関連させた走行サイクルの走行速度を示す線図(図4a)及び、拡散光信号線図(図4b,c)とからなる説明模式図である。
【図5】微粒子測定と火炎光測定との対照する説明図である。
【図6】典型的な測定異常値を示す拡散光信号を示す模式図である。
【図7】微粒子発生回避対策を施した内燃機関と対策を施していない内燃機関とを比較するための火炎光測定結果を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は複数のシリンダ2を有する内燃機関1を概略的に示しており、それぞれのシリンダ2内で火炎光測定が実施される。そのため、それぞれのシリンダ2の燃焼室3内にはマルチチャネル光センサ4が合流しており、該センサはたとえば1個の点火プラグに組み込むことができる。それぞれのセンサ4は、火炎光信号のサンプル信号が対応する微粒子エミッションと関係付けられて共に格納されているデータ格納部6にアクセス可能なマルチチャネル信号評価装置5と接続されている。マルチチャネル光センサ4は、シリンダセグメント形または円錐セグメント形の測定セグメント8、9で形成される基本的に扇状の検出エリアを有しており、その際、好ましくは8個の測定セグメント8がセンサ4周りを扇状に円周方向に配置され、1個の測定セグメント9が軸方向したがってピストン10の方向に配置されている。その際、それぞれの測定セグメント8、9には1個の測定チャネルが対応している。これによって、燃焼室3内の異なるエリアから光強度に関する情報を得、評価することが可能である。
【0025】
CH燃料燃焼時の微粒子形成は、スス形成とくに壁面膜として存在するまたは浮遊滴中に存在する燃料の燃焼によって生ずる。液体燃料が壁面膜として存在するまたは浮遊滴中に存在する場合、燃料はプレミックス火炎によって着火され、スス発生拡散火炎中で燃焼する。したがって、微粒子エミッションの量と質とは燃焼室内で観察される火炎強度ないし火炎サンプル信号と相関している。
【0026】
図2は、燃料噴射装置の異なる作動条件下における燃焼室3内の燃料の部分成層を示している。この場合、図2aは、理想的な混合気形成とそれに続くプレミックス燃焼時の火炎分布を示している。図2bでは、局所的に強度な火炎信号から認められる拡散燃焼による壁面湿潤が生じ、図2cおよび図2dでは、燃料噴射装置密度欠陥の結果としての拡散火炎が認められる。図中で矢印は、度で示されたクランク角度(deg CA)を表している。
【0027】
スス発生拡散火炎は火炎光信号中に、非常に容易に、高い強度ピークによって現れる。スス発生のないプレミックス火炎の火炎サンプル信号は典型的な等方性信号リングによって特徴付けられる(図2a)。
【0028】
図4aには速度v、図4bにはピストン10に向けられた測定エリアS1に関する火炎光強度(以下単位光強度)I、図4cにはテストサイクル時間tと関連させた、ピストン10、吸気弁または排気弁に向けられた測定エリアS2、S3に関する積算光強度Iがそれぞれ表されている。光強度Iに関する異なる線は燃焼室内の異なるエリアS1、S2、S3を示しており、その際、それぞれのエリアにはマルチチャネル光センサ4の1個のチャネルが対応している。これにより、たとえば、区域11および12は強度Iに対応させることができ、Iはピストン10ないし右側吸気弁に対応させることができる。
【0029】
測定点火プラグを備えた燃焼室3内における光強度測定の燃焼状態評価によって、シリンダおよびサイクルに応じた正確な評価が可能にされると共に、特に、標準的な負荷変化間隔における個々のエミッションに影響因子の、目的に合わせた正確な評価ならびに最適化が可能とされる。さらに、光強度測定に基づく燃焼状態評価方法により、キャリブレーション課題を引き受けることが可能である。この場合、信号検出には、圧力・火炎光センサ付きの点火プラグまたはそれから導出された指示センサを使用することができる。1燃焼サイクル中のプレミックス成分と拡散成分との容易な評価を可能とする信号が情報として利用可能である。サイクルの概観には、圧力評価の他に、火炎光積分が使用される。図5は、選択されたシリンダに関する、NEDCテストの初期相から得られたその種の火炎光積分(累積値:cumulative)Iを示している。積算信号表示において、この火炎光測定は排気測定の測定記録と同じであるが、サイクルに応じた正確な対応関係により、個々のシリンダのエミッションへの寄与を示している。サイクルごと(per cycle)のP1、P2、P3は光強度カーブの特性点を表している。積算光強度Iは排気系の末端で測定された微粒子数PNと一致している。
【0030】
システマチックなエンジン分析には多数のサイクルが必要である。そのため、信号評価は、サイクルシーケンス全体を数値的に評価して、結果を統計的に表すアルゴリズムを用いて行われる。異常の検知は相関分析によって支援される。異常として検知されたサイクルは視覚的に評価することが可能である。その説明のために、図6は1つの定常点における安定性チェックの例を示しており、図中、光強度ピークI(縦軸)はサイクル数C(横軸)に関連させて示されている。下側の横線で区画された領域では混合燃焼(premixed)が生じ、その線の上側の領域(図中上方向矢印で示されている)では拡散燃焼(diffusion)が生ずる。個別サイクル中の異常に高い強度ピークは燃料噴射装置の安定性が不十分であることを示唆している。こうした「異常値」の検知は自動的に行うことができる。
【0031】
排気テストの総合結果が個々のシリンダのエミッションに対する影響の評価を可能にする。このことは、図7に示した改良型テストにおいて、個々の燃料噴射装置を走行テストを通じて比較するために利用される。図7Aの信号曲線はシリンダZ1、Z2、Z3およびZ4のそれぞれのシリンダエミッションの寄与因子が予想以上に大きな不一致を示すことを明らかにしている。燃料噴射装置を相互に交換した結果を示す図7Bからは、シリンダZ1においてはたとえば顕著な改善が生じ、シリンダZ2では変化がなく、2つのシリンダZ3およびZ4においては火炎光信号I中の拡散成分が高まっていることが読み取れる。したがって、このようなシリンダを選択しての火炎評価技術を用いることにより、1つの標準走行サイクル中の微粒子エミッションに関する改良型テストが排気テストに及ぼす固有の効果の評価が可能となる。
【0032】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の少なくとも1つの燃焼室(3)内の燃料・空気混合気状態または燃焼状態あるいはその両方を評価するための方法であって、前記燃焼室(3)内の燃焼に対する火炎光信号のサンプル信号がデータ格納部(6)に格納されており、前記燃焼室(3)内の燃焼に対する火炎光信号が検出されるとともに前記データ格納部に格納されたサンプル信号と比較され、測定された火炎光信号の信号パターンと格納されているサンプル信号の信号パターンとが一致する場合に前記状態の評価が行われる方法において、
前記サンプル信号は対応するエミッション値に関連付けて前記データ格納部(6)に格納されており、それぞれのシリンダ(2)の燃焼室(3)での、測定された火炎光信号の信号パターンと格納されている信号パターンとが一致する場合に、発生中のエミッションに関係する前記燃焼状態の評価が実行される方法。
【請求項2】
それぞれシリンダに対して、前記燃焼状態の評価が実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記燃焼室(3)内において少なくとも2個のエリア(8、9)がマルチチャネル光センサ(4)の異なるチャネルを経て検出され、その際、前記燃焼状態は前記マルチチャネル光センサ(4)の複数の光チャネルを通じて検出されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記マルチチャネル光センサ(4)の各チャネルは燃焼室(3)内の少なくとも1つのエリアに対応しており、その際、少なくとも2個のエリアは円錐状または円筒状の測定セグメントエリア(8、9)によって形成されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記燃焼室(3)内の燃焼は前記燃焼室(3)の中央中心に配置された少なくとも1つのマルチチャネル光センサ(4)によって検出され、その際、前記マルチチャネル光センサ(4)は前記燃焼室(3)内に通じる1個の構造部品に組み込まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記火炎光信号としての火炎光強度(I)の限界値が定められ、少なくとも1つのシリンダ(2)において前記限界値を超える火炎光強度(I)が検出されると、当該シリンダにおける微粒子エミッションを低減化するための処理が実行されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記火炎光信号は連続した複数の燃焼サイクルにわたって検出されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
検出された前記火炎光信号は、観察された測定時間全体にわたって、少なくとも1つの数学的アルゴリズムによって、数値的に評価されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
検出された前記火炎光信号と格納されている前記サンプル信号との相関分析が実施されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
内燃機関の運転領域の少なくとも1つの定常点につき、独立して現れる個々の火炎光信号が所定の基準に基づいて評価されることにより安定性検査が行われることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
既知の運転・エミッション条件下の測定から得られたサンプル信号が記録されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
サンプル信号は、混合気形成ならびに燃焼状態に関する理論的考察から導出されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記サンプル信号は、火炎光信号(I)とシリンダ内圧力信号との結合演算またはエミッション測定またはそれから導出された信号との結合演算あるいはその両方からつくり出されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
時間信号が検出され、前記火炎光信号は前記時間信号に対応させられることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記火炎光信号の状態および推移から、エミッションが推定されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記火炎光信号の検出と同時に、それぞれのシリンダ(2)内の圧力測定も実施されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
シリンダ内圧力ピークは少なくとも1つのサイクル内で前記火炎光信号のピークと比較されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記シリンダ内圧力ピークと前記光信号ピークとの少なくとも1回の相違から、エンジン過渡運転時の不規則な燃焼が推定されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
混合気状態または前記シリンダ内圧力ピークと前記火炎光信号のピークとの相違あるいはその両方に基づいて、燃料噴射または空気スロットルあるいはその両方をパラメータ化するための最適化処理が実行されることを特徴とする請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記火炎光信号(I)の検出と同時に、エミッション測定が実施されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
積算検出されたエミッションはシリンダ毎に選択的に検出された火炎光信号のピークと比較され、それぞれのシリンダに対応付けられることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記火炎光信号または前記内圧測定信号あるいはそれら両方の信号をベースにして無次元特性値が求められ、前記特性値が混合気状態または燃焼の評価あるいはその両方の基礎とされることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
内燃機関の少なくとも1つの燃焼室(3)内の燃料・空気混合気の状態または燃焼状態あるいはその両方を評価するための請求項1〜22のいずれか1項記載の方法を実施するための装置であって、
それぞれのシリンダ(2)に少なくとも1つのマルチチャネル光センサ(4)が配備され、該マルチチャネル光センサ(4)は少なくとも1つのマルチチャネル信号評価装置(5)と接続されていることを特徴とする装置。
【請求項24】
マルチチャネル信号評価装置(5)は、火炎光信号のサンプル信号が対応する微粒子エミッションに関連付けられて格納されているデータ格納部(6)と接続されていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つのマルチチャネル光センサ(4)は少なくとも1つのシリンダ(2)の前記燃焼室内に通じる1個の構造部品に組み込まれていることを特徴とする請求項23または24に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−118080(P2012−118080A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−264108(P2011−264108)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(597083976)アー・ファウ・エル・リスト・ゲー・エム・ベー・ハー (26)
【氏名又は名称原語表記】AVL LIST GMBH
【住所又は居所原語表記】HANS−LIST−PLATZ 1,A−8020 GRAZ,AUSTRIA
【Fターム(参考)】