説明

燐酸アルミニウム系マイクロスフェア

本発明は、アモルファスリン酸アルミニウム成分及び炭素元素を含む組成物であって、該組成物は実質的にマイクロ寸法の球体形態を有する組成物。この組成物は、種々の用途に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国仮出願第60/694166(2005年6月27日出願)の優先権を主張し、全趣旨を参照することによりここに取り込む。
【背景技術】
【0002】
マイクロスフェアは、1〜1000μmのサイズの固体(solid)であるか、中空の粒子である。中空の粒子は、数100ミクロンから0.025ミクロン未満の壁厚を有している。マイクロスフェアは、完全な球形であるが、非常に多くの場合、若干卵形として認められ、幾何学的に等軸であると表現することができる。マイクロスフェアの材料は、通常、球の外径及び内径に強く密度依存する乾燥粉末として見出される。中空のマイクロスフェアの真の密度は、同じ組成の固体材料のそれより小さい。中空のマイクロスフェアの密度は、元のバルク材料の密度(0.025g/cc以下)の95%から1%未満の範囲である。
球状の形態的な形状は、これらの材料を他と区別するユニークな特徴の1つである。球体は、いずれかの幾何学的形状のなかでも、最も低い単位比表面積を有し、実現可能な高い充填密度を有する。バルクの形態では、マイクロスフェアは、負荷されるストレスに対する抵抗なく、半弾力的に変形するような流体としての挙動を示すことができ、凹凸のある表面又は引っ掛かる分岐物もなく、ボールベアリングのように互いに転がって通過することができる。スラリー又はペンキとして分散される場合、一般の負荷で、その元の粘度への最小限の影響で、それらは容積を拡張し、分散媒の乾燥及び粘着特性を強化するように作用する。材料設計技師及び他の当業者は、適切なコーティング塗布及び流動性を維持する能力を有しながら、コーティング溶液の容積を増やすために、しばしばマイクロスフェアを用いる。種々の適用におけるより高い固体負荷は、ペンキにおいて、揮発性有機化合物(VOC)、収縮、乾燥時間を低減させるかもしれない。マイクロスフェアのかなりの容積が所定の重量と置き換わることは、種々の適用において、重要な特徴となる。中空の球形材料の密度を下げる傾向があるため、それらはペンキまたはコーティング剤に加えられる。低密度のコーティング液又はペンキは、良好に霧化し、回転によってよく飛散し、塗布した時点で垂れず、マイクロスフェアの少量添加によってバッチ容積を著しく増大させるため、製剤化コストを低減させることができる。
【0003】
マイクロスフェアは独立気泡であるか、ガスが充填された又は中空の粒子であるため、それらは非常に良好な絶縁体となる。コーティング又は基材の断熱性及びで遮音性は、マイクロスフェアの添加によって改善することができる。セラミックスのマイクロスフェアの断熱性は、それらの熱伝導率及び放射線に直接関連がある。放射線の役割は、温度の上昇で増加し、〜700℃より高温で、断熱性に優れた効果を発揮する。中空の球体の熱伝導率は、シェル材料及び球体中の低伝導ガスに依存する。一般に、壁材料及び内部のガス(又は真空)の熱伝導率が低いほど、実効的なシェル熱伝導率が低くなる。また、断熱性は、薄い壁の中空粒子による放射性及び熱放射の分散などの特定の特長によって定義される。断熱用途に用いられるガラス又はポリマーの中空球体は、断熱性を改善するために、高い放射性材料のオーバーコートを必要とする。
【0004】
マイクロスフェアは、シャワー室及びボートの製造プロセスを改善するために、繊維強化ポリエステル産業で広く使われている。より軽い、より耐久性のあるファイバーグラス製品が、マイクロスフェアの創造的な用途の直接的な結果である。千差万別である厚膜インク、鉱山爆発ならびにゴム及びプラスチック製品は、ちょうどこれらの多用途材料で果たされる多くの製品のなかの2、3の例である。これらの多様な最終用途によって引き出される利益は、いくつかは特定の産業に特有である一方、他は多くのメーカーによって共有される一般のゴールであり、変化する。
セラミックスのマイクロスフェアの合成は、ソーダガラス、ケイ酸アルミニウム、二酸化ケイ素、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム及び酸化チタン等を含む[J. Szepvolgy, Z. Karoly、RF熱プラズマによる中空アルミナマイクロスフェアの製造、Key Engineering Materials VoIs. 264-268, 101- 104 (2004); 米国特許6,110,528; J.K. Cochran, セラミック中空球体及びその用途、Current Opinion in Solid State & Materials Science, 3, 474-479 (1998)]。
先行技術のリン酸アルミニウムのマイクロスフェアは、アモルファスであり、触媒支持体に適する相当な多孔質である。
中空のセラミックの球体は、種々の製造方法により製造することができる。火炎中で成分を溶融し、硫黄のような起泡剤を用いて起泡させる。この方法は、70〜100ミクロンの非常に大きな球体を与える。シリカの中空球体は、テンプレートとしてポリマー球体を用いて製造することができ、高温でのアニールにより有機ポリマーを燃やしきった後に中空球体を与える。酸化チタンのマイクロスフェアは、インターフェース−アセンブリ合成によって製造することができる(Nakashima T, Kimizuka N. J Am Chem Soc. 2003 May 28;125(21):6386-7)。金属の球体(例えば、シンタクチックフォーム)も、従来から公知である。近年、スプレードライ法がセラミックのマイクロスフェアの製造に利用されている[E. Sizgek, J.R. Bartlett, and M.P. Brungs, Production of Titanate Microspheres by Sol-Gel and Spray-Drying, Journal of Sol-Gel Science and Technology, Vol. 13, pp. 1011-1016 (1998); PXuo and T.G. Nieh, preparation hydroxyapatite powders with controlled morphology, Biomaterials, Vol. 17, pp. 1959- 1964, (1996)]。ガラスのマイクロスフェアは、製造中、製造の場で拡散するアルカリ金属を含む。そのため、アルカリ金属の溶出を防止するために、さらなる保護層が必要となる。また、これらのイオンは、ガラスの電気特性に弊害をもたらす。前駆体溶液におけるホウ素の存在は、溶液の安定性に影響を与え、マイクロスフェアの形成のために熱処理する前に、ゾルの形成又は析出をもたらす。
【0005】
先行技術のマイクロスフェアの制約は、a)高温での形態的及び熱的安定性の不足、b)顔料及びペンキを含む種々の用途に有用な黒、灰又は他の着色材料の不足、c)多用途の特性を利用するナノコンポシット構造の欠如、d)断熱用途における有用な高い放射率の不足等である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した制約を克服し、さらに、固体状及び中空のマイクロスフェアの双方を合成する低コストの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記を考慮して、本発明は、マイクロメートルスケールで必要な大きさにすることができるリン酸アルミニウムを含有する球状、球様及び/又は長球構造ならびにそれらの使用方法及び/又はその製造方法を提供することを目的とし、それによって上述したことを含む先行技術における種々の不足及び欠点を克服することができる。本発明の1以上の局面が特定の目的に対処することができ、本発明の1以上の局面が特定の他の目的に対処することができることは当業者によってよく理解されている。本発明のその局面のすべてにおいて、各々の目的は、等しく適用されないかもしれない。従って、以下の目的は、本発明のいずれかの1つの局に関して択一的に見ることができる。
【0008】
本発明の目的は、大きさに関係なく、リン酸アルミニウム化合物及び/又は組成物を含む非多孔質の球体、長球及び/又は実質的に球様構造であって、1100℃以上までの高温で熱安定性及び/又は形態的安定性を示す構造を提供することである。
本発明の目的は、リン酸アルミニウム及びその関連材料を含む組成物のマイクロスフェアを製造することである。
【0009】
本発明の他の目的は、中空の高い放射率マイクロスフェアを含む高い放射率特性を有するマイクロスフェアを形成することである。
【0010】
本発明の目的は、高い放射率リン酸アルミニウム及びリン酸アルミニウム系マイクロスフェアを用いた新規な断熱システムを構築することである。
【0011】
本発明の他の目的は、トロイド(ドーナツ様)形状のリン酸アルミニウム粒子を製造することである。
【0012】
本発明の他の目的は、低誘電率リン酸アルミニウム及びマイクロスフェアを製造することである。
【0013】
本発明の目的は、セラミックスにおける添加物としてリン酸アルミニウム系マイクロスフェアを用いて、密度を低下させ、熱的、化学的及び耐酸性を改善することである。そのような添加物は、スラリー又はスリップキャスト法又は他の溶液系方法を用いて、モノリシック酸化物及び非酸化物を形成することができる。添加剤の内容物は、例えば、ムライトのようなセラミックス;炭化ケイ素、窒化ケイ素及びSiAlONを含むシリコン系セラミックスとの熱膨張係数(CTE)の整合を増加させることができる。溶液系方法を用いて形成されたセラミックマトリックス複合物を含むセラミックス複合物のために、これらの添加物は、マトリックススラリー溶浸材に含有させることができる。特に、非酸化物系の繊維強化セラミックスマトリックス複合物のために、そのような添加物は、ポリマースラリーに加えることができる。最初の溶浸は、比較的粗いマイクロスフェア粒子(織物トウ間のマトリクスに充填で1〜10ミクロン範囲)で、以降、比較的細かいマイクロスフェア粒子(繊維トウでの溶浸でミクロン又はサブミクロン範囲)を用いて行うことができる。
【0014】
本発明の他の目的は、少なくとも1つの高放射率層及び少なくとも以下のいずれかの1層:セラミックウール等の絶縁層、膨張層、泡層、波形層、反射面層及び補強材料層を含む新規な耐火(fire insulation)システムの製造である。火のバリアシステム又は耐火システム又は防火システムは、例えば、金属、ステンレススチール、木、ポリマー等の基材と一緒に用いる場合、向上した耐火特性、熱障壁、酸化バリア、二次火災の保護等を提供する。
【0015】
本発明の他の目的は、中空又は固体にかかわらず、ここに記述されるタイプの高放射能率球体を提供することであり、耐火システムの面積密度の低減又は減少のために用いることができる。
【0016】
本発明のさらなる他の目的は、本発明の材料及び適当な結合剤及びスプレー又はペンキ工程を容易に適用するための溶媒の適当量を含むスラリー処方を形成することであり、金属、ポリマー及びセラミック基材に比較的良好な均一性及び被覆性を有する種々の膜厚の堆積コーティングに使用することができる。このようなコーティングは、熱、腐食及び酸化環境に対して保護を与えることができる。また、このような処方は、野外での適用を可能にする。
【0017】
本発明の他の目的、特徴、利益及び利点が要旨及び以下の記載から明らかであり、種々のマイクロスフェア成分、組成及び製造技術の知識を有する当業者にとって容易に理解できるであろう。そのような目的、特徴、利益及び利点は実施例、データ、図面及びこれらから引き出される全ての合理的な推論の単独またはここに組み込まれた参考文献の検討を一緒に考慮することにより明らかであろう。
【0018】
本発明は、ひとつには、アモルファスリン酸アルミニウム成分及び炭素元を含む組成物に指向することができ、そのような組成物は、実質的に球形で、マイクロ寸法の形態で存在することができる。一実施形態では、そのような組成物は、実質的に固体のマイクロスフェアとして提供することができる。他の実施形態では、そのような組成物は実質的に中空のマイクロスフェアとして提供することができる。とにかく、そのようなマイクロスフェアは、約0.25μmから約1000μmの範囲の断面径を有することができる。これらの実質的な中空の実施形態では、壁厚は、約50nm〜約30μmの範囲とすることができる。
【0019】
一実施形態では、中空のマイクロスフェアであるか否かにかかわらず、そのような組成物は、リン酸アルミニウムのナノクリスタルを含むことができる。他の実施形態では、そのようなナノクリスタルが存在するか否かにかかわらず、そのような組成物は、酸化ジルコニウムナノクリスタル、二酸化チタンナノクリスタル及びその組合せから選択することができる成分のような種々の他のナノクリスタル成分を含むことができる。そのようなナノクリスタル成分の存在にかかわらず、アモルファスのリン酸アルミニウム成分は、約1:1〜約20:1のAl/Pモル比を有することができる。同様に、そのようなモル比のいずれにかかわらず、そのような組成物は、そのような組成物の約10重量%未満の量で炭素元素を含むことができる。他実施形態では、炭素元素は、約5重量%未満の量で存在することができる。他の実施形態では、炭素元素は、約2重量%未満の量で存在することができる。あるいは、そのような組成は、組成の約1重量%未満の量で存在することができる。
限定されることなく、本発明に関連する種々の形態は、その表面に結合又は堆積する他の成分を含むことができる。そのような他の成分は、ここに記載された種類の材料から選択することができ、あるいは、限定されないが、1以上の有機材料、1以上の無機材料、1以上の金属及びこれら材料の組み合わせを含む他の材料のような、本発明を認識する当業者によって理解されるような種類の材料から選択することができる。とにかく、本発明の組成物は、実質的に球又は球様形態で存在するか否かにかかわらず、ここで説明した、あるいは、当業者に公知の種類の1以上のコーティング組成物に取り込むことができる。限定されることなく、そのような球の形態、特にマイクロメートルの大きさの形態は、対応する組成物の前駆体をスプレードライを含む工程によって得ることができる。
【0020】
ひとつには、本発明は、また、アモルファスのリン酸アルミニウム成分を含む組成物からなるマイクロスフェアに指向し、そのようなマイクロスフェアは実質的に非多孔質の表面形態からなる。そのような非多孔質の形態は、当業者によって理解されるものであり、ここに記載された種類の技術を用いてイメージすることができる。上述したように、一実施形態では、そのようなマイクロスフェアは実質的に固体である。他の実施形態では、そのようなマイクロスフェアは、実質的に中空である。とにかく、1以上のそのような実施形態が、組成的に及び/又は寸法的に上述したものとすることができる。例えば、限定されることなく、いかなる特定のAl/Pモル比にかかわらず、そのような実質的な非多項質のマイクロスフェアは、上述した重量%の範囲で炭素元素を含むことができる。そのようなマイクロスフェアは結合する、堆積する又はそれらの表面に連結する1以上の他の成分を含むことができる。上述し、ここの他に記載したように、そのような他の成分は、有機材料、無機材料、金属及びそれらの材料の種々の組み合わせから選択することができる。
一つには、本発明は、アモルファスのリン酸アルミニウム成分、無機結合剤成分及び担体成分を含むマイクロスフェアからなる組成物に指向することができる。限定されることなく、そのような結合剤成分は、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸アルミニウム及びその組合せから選択することができる。以下に例示されるように及び/又は当業者によって理解されるように、そのような担体成分は、アルコール媒体、水性媒体及びその組合せから選択することができる。より広範には、そのような担体成分は、対応する組成物が、当業者によって理解されるものとして配置又は適用することができるような流体、つまり液体、ガスとすることができる。限定されることなく、そのような組成物は、エアゾールスプレーとして提供することができる。
【0021】
限定されることなく、一実施形態では、そのようなマイクロスフェアは、実質的に固定である。他の実施形態では、そのようなマイクロスフェアは、実質的に中空である。とにかく、そのようなマイクロスフェアは、より詳細に上述又は以下に示すような大きさとすることができる。同様に、そのようなマイクロスフェアは、リン酸アルミニウム、ジルコニア及び/又はチタニアナノクリスタル成分を含む、上述した種類の種々の他の成分を含むことができる。
【0022】
とにかく、そのような組成物は、その表面のコーティングとして表面に塗布することができる。そのような表面は、限定されないが、金属表面、セラミック表面、ガラス表面及び有機ポリマー表面から選択することができる。一実施形態では、そのようなコーティングは、炭素元素成分を含むことができ、そのような成分は、少なくとも一部において組成物及び放射率特性を提供する。当業者に理解され、以下により詳細に記載されているように、本発明の種々の組成物は、高い放射率、つまり約0.7〜約1.0の範囲の放射率を有することができる。そのような種々の実施形態では、そのような組成物は、その上の断熱性コーティングとして、表面に塗布することができ、そのような成分は、また、腐食及び/又は酸化保護を提供することができる。以下に詳細に説明するように、本発明の組成物は、いずれかの表面に塗布することができ、その後、組成物及び/又はその結合剤成分が硬化される。硬化は、約100℃(例えば、ケイ酸塩結合剤で)〜約400〜500℃(例えば、リン酸アルミニウム結合剤で)までの範囲の高温で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の1つの限定されない実施形態では、1つの材料における中空のマイクロスフェア特性及び高放射率特性の双方を備える。中空のマイクロスフェア自体は、良好な断熱性を示す。高放射率特性は、それらにすでに備わっている中空の球体の高断熱性を加え、耐火又は断熱に対するもっとも好ましい実施形態となる。例えば、屋根のコーティング、難燃剤及び高感度音響の器材のメーカーは、近年、そのような材料を重合樹脂又はマトリックスに添加して用いる。それらの形状、大きさ及び他の特性のため、この種の材料は、種々の応用分野での使用が見いだされている。粒子の球体形状は、容易な流動性、増大した負荷量でのマトリクスにおける経済的なパッキング等のようなユニークな特性をもたらす。マイクロスフェアの中空特性は、材料により多用途(軽量で高強度又は優れた硬度/耐引掻性等の)を付加することができる。そのような低密度セラミックスのマイクロスフェアは、研磨性、機械加工性、熱伝導率低減、高温抵抗、減量、耐水及び化学物質、断熱性、遮音、高粒子強度等を含む多くの可能性のある適用のための低コストの解決策を与えることができる。
【0024】
以下に示すように、本発明は、マイクロスフェアの形態におけるリン酸アルミニウム及びその関連組成物材料の合成によって証明することができ、それらの可能性のある適用を含む。リン酸アルミニウム系マイクロスフェアの一般的な無機特性は、従来のマイクロスフェア材料に比較して特別な利益を与える一方、本発明の機能的な差異を認める実施形態は、ナノスケールの含浸炭素含有物の存在のために高放射率に関連し、断熱用途ならびに、特に、ペンキ製剤、ポリマー複合体及びコーティングに適する黒い顔料添加物の提供に有用である。
【0025】
リン酸アルミニウムは、触媒、耐火煉瓦、複合物、リン酸エステル結合セラミックス等における多くの用途が見いだされているよく知られた無機材料である。それは、軽量(リン酸アルミニウムのバーリナイト形態でd=2.56g/cm)であり、高い共有結合性で、化学的に不活で、比較的高温(1600℃以上)で安定である。それは、二酸化ケイ素と同型構造で、類似した多形転移に耐える(クォーツタイプ、鱗石英及びクリストバル石)。その高温「エンジニアリングセラミック」材料としての用途は、大きなモル容積変化を含むこれらの相転移のため、非常に制約される。広範な温度範囲(1400℃未満)にわたって安定なAlPO−Alシステムにおける偽アモルファス相の発見は、種々の用途を開いた(米国特許第6036762号及び米国特許第6461415号参照、全趣旨を参照することによりここに取り込む)。
【0026】
以下に議論されるように、本発明は、1以上の以下の限定されない実施形態を含むことができる。
球形に近いマイクロ粒子のリン酸アルミニウムは、約0.50g/ccから約3.00g/ccの密度を有する。
固体又は中空のマイクロスフェアである。
中空又は固体のマイクロスフェアであって、リン酸アルミニウムは、アモルファス又は結晶質又は部分的に結晶質の材料を含む。
中空又は固体のマイクロスフェアであって、その材料は、炭素、アルミニウム及びリンを含むことができ、Al:Pは広く変化することができる。
【0027】
中空又は固体のマイクロスフェアは、電磁スペクトルの赤外線領域(1〜25マイクロメータ)において高放射率特性を有する。
【0028】
中空又は固体のマイクロスフェアは、約1μm〜約1mmの平均径の実質的に球体又は球様形状である。
中空又は固体のマイクロスフェアは、さらに、有機、金属又は無機のいずれかであるコーティングにわたって機能的である。
【0029】
中空又は固体のマイクロスフェアは、リン酸アルミニウム化合物又は組成物及び任意に添加剤を含む。限定されないが、捕獲分子水、有機エステルを含む。
リン酸アルミニウムマイクロスフェアは、ゾルゲル又はスプレードライのような溶液由来化学的方法を用いて合成される。
【0030】
本発明の目的のために、フレーズ「発明材料」、その記載又はそれに対する言及は、これらに関連する組成物、方法、複合体、この発明の製品及び/又は粒子、球体、フィルム、層又はコーティングとともに用いることができるように、あるいは以下に示されるように、Al:P化学量論の全ての利用できる範囲にわたって、現在のアルミノリン酸系化合物、構造、球体又は組成物のいずれかを意味すると理解されるであろう。そのような化合物、構造、球又は組成物は、ここに説明されたように製造され、特徴付けられ、そのような化合物、構造、球又は組成物は、もう一つの選択肢として、リン酸化合物、構造、球体及び組成物として、それぞれ表現されるかもしれないように、及び製造され、特徴づけられ、及び/又は米国特許第6036762号及び第6461415及び出願中の第10/362,869号(2003年7月15日出願)及び第10/627194及びPCT/US03/36976(それぞれ2003年7月24日出願及び2003年11月19日出願)及び第10/642069及びPCT/US03/25542(2003年8月14日出願)及び第60/615986及び第60/615920(2004年10月5日出願)(現在、第11/244539(2005年10月5日出願))(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されるように適用される。
【0031】
限定されることなく、ここに及び/又は上述した組み込まれた特許又は出願の1以上を通して解説されるように、発明材料は、アルミにウム含量がリンに対して、モル基準で、化学量論、化学量論未満又は化学量論よりも大きいにかかわらず、有機分子、ポリマー、カーボン、シリコン、金属、金属酸化物及び/又は他の金属イオン/塩類(非酸化物を含む)のドーパント、粒子及び/又は含有物を含むリン酸アルミニウム系化合物及び組成物を含むことができる。具体的な発明材料は、Cerablak(アプライド・シン・フィルム社の商標)で入手可能である。
前駆体溶液からのリン酸アルミニウムのマイクロスフェアの形成のために有用ないくつかの方法がある。リン酸アルミニウムマイクロスフェアを製造することができる方法は、限定されるが、スプレードライ、テンプレート法、エマルジョン法、流動床での方法、懸濁法(例えば、層ごと(LbL)の方法)が含まれる。添加剤の有無にかかわらず、前駆体溶液は、スプレードライ(スプレードライのための器具は、例えば、ニロ社によって提供される)に付される。前駆体溶液は、ノズル又は毛細管又は回転車輪で噴霧される。液滴は、粒子形成のテンプレートと考えることができる。そのため、最適の大きさ及び濃度の液滴の形成は、所望の乾燥生成物を得るために重要である。毛細管又はノズル又は回転車輪からでる間、液体は重力、表面、流体の流れ、摩擦力のため、液滴に分散することができる噴流を形成する。制限された大きさの分布による液滴の生成は、マイクロスフェアの特性を制御するために必要である。また、液滴の大きさ分布は、比重、粘度、温度及び供給する前駆体溶液の流量によって決定される。
液滴からの固相形成は、核形成及び液滴の外側境界での高い粒子濃度をもたらす高い過飽和を引き起こす液滴表面での熱いガス雰囲気への溶媒の蒸発によって開始される。壁の形成は、しばしば流体を閉じ込め、後に、これらの中間体のマイクロカプセルを、完全な中空マイクロスフェアに乾燥することができる。
【0032】
スプレードライされたリン酸アルミニウム前駆体溶液は、種々の形、大きさ及び色の粒子を与えることができる。粒子は、固体又は実質的に中空、不均一形状又は球及びミクロン又はより小さい大きさ又はより大きな粒子とすることができる。温度、霧化、熱気の速度、前駆体組成、前駆体濃度、前駆体への添加剤、前駆体溶液の比重、溶媒混合物及びいくつか他のパラメータ等のスプレードライ条件を、1種の粒子又は過剰な他の粒子を得るために最適化することができることは、スプレードライにおける当業者にとって明らかであろう。また、形状の均質性及び粒径分布は、これらのパラメータのバラエティによって制御することができる。さらに、壁の構造及び粒径に対する壁厚の比率は、種々の添加剤によって変化させることができる。例えば、適度な温度でガスを放出する低沸点又は塩類による水溶性溶媒は、中空のマイクロスフェアを大きくするのに用いることができる。メチルセルロースのような膜形成物質は、安定した壁を作る際に役に立てることができる。当業者は、製造方法で用いられるパラメータを変化させることが、生成する粉末において中空の球形粒子のパーセンテージに影響を及ぼすことも、理解するであろう。
【0033】
500℃を上回るスプレードライ粒子のアニーリングは、前駆体化学及びスプレードライパラメータによって、固体又は実質的に中空のリン酸アルミニウム球体を形成することができる。粒子の色は、アニール温度、アニール時間、前駆体又はスプレードライ間に添加する添加剤の種類及び量によって、白、黄、茶、黒又は種々の灰色の色調とすることができる。他の着色粒子又は顔料は、適当に添加することによって得ることができる。
【0034】
発明材料の一実施形態は、アモルファスリン酸アルミニウムマトリクス中に炭素含有物を含む。炭素含有物は、黒色を与え、その結果高放射率特性をもたらす。高温で炭素を焼き尽くした後、発明材料の中空特性は、無色又は灰色とするかもしれず、高放射率及びいずれかの用途で必要とされる断熱性を与えるかもしれない。
【0035】
中空のリン酸アルミニウムマイクロスフェアは、あるいは本発明の発明材料として言及することができるものとして、高温に対する軽量材料の成分として見込みがある。リン酸アルミニウムマイクロスフェアは、ガラス繊維、ポリマー、金属、セラミックス及び他の材料と複合体を形成することができ、減量させることができる。
【0036】
発明材料のマイクロスフェアは、多くの実施形態のいずれかで形成することができる。以下は、限定されないが、リン酸アルミニウム粒子タイプ及び本発明の後処理マイクロスフェアのタイプの実施例である。
固体リン酸アルミニウム球体(図1参照)。
中空リン酸アルミニウム系マイクロスフェア(図2参照)。
ガス、生体医学又は他の関連機能材料が充填された中空の発明マイクロスフェア(図3参照)。
ペンキ又はテープキャスティングスリップとしての流体媒体中に分散された発明材料のマイクロスフェア(図4参照)。
【0037】
固体及び中空の発明マイクロスフェアは、親水性、疎水性、粘着性、抗菌性及び他の機能のような特別な特性を与えるために、有機又は無機材料で機能化することができる。発明材料への添加剤は、スプレードライの間、マイクロスフェアの形成後のようなマイクロスフェアの合成の間に添加することができる。
さらなる工程が、添加剤の所望の特性を達成するために必要かもしれない。例えば、ゼロ価の金属は、適当な還元剤を用いてより高価の金属イオンに還元することによって形成することができる(図5参照)。
【0038】
スプレードライの発明材料マイクロスフェアの化学安定性は、硬化条件、組成物中の添加剤及び他のパラメータに依存する。より高い硬化温度は、化学安定性を増加するために好ましい。また、組成物への適当な元素又は酸化物の添加は、本発明のマイクロスフェアの化学安定性を改善することができる。例えば、ランタン又はカルシウム又はジルコニウムの添加は、化学耐性を向上させることができ、光学特性を変化させることができる。好ましくは10より大、もっとも好ましくは15より大に、リンに対するアルミニウム比を増加することは、特定の厳しい環境で化学耐性を与えることに有用かもしれない。
【0039】
ペンキ、組成物等における充填剤として、安価なソーダガラスの超微粒気泡又はマイクロスフェアの使用におけるひとつの制約因子は、樹脂のようなマトリクス要素とのガラスのマイクロスフェアの弱い粘着力である。発明材料のマイクロスフェアは、リン酸系であるため、それらは、樹脂に良好な粘着力を有する。あるいは、発明材料コーティングは、同様の粘着機能性を達成するために、ガラス及び他のマイクロスフェア上に塗布することができる。また、発明材料のマイクロスフェア表面は、粘着力及び関連特性を改善するために機能化することができる。
【0040】
発明材料は、非常に高温まで微細構造的に安定である。大部分の先行技術のマイクロスフェアは、結晶性又は隣接材料との化学反応性又はガス環境によって与えられる応力のために、高温でそれらの形態的な形を失う。高温でマイクロスフェアの形態を維持することは、高温用途に用いられる発明材料の重要な実施形態である。800℃でアニールされたサンプルの粉末X線回折パターンは、完全なアモルファス材料を示す。1100℃でアニールする場合、高いアモルファスバックグランドをともなって、幅広い回折ピークがほとんど観察されず、1100℃より高温でさえ、発明材料の非晶質の性質を示す。この高温構造安定性は、酸化、腐食等のような高温を含む用途に有用である。本発明の好ましい前駆体の重要な特性は、空気又は酸化環境において、1100℃より高温でさえ黒色を保持することである。発明材料のこのユニークな特性は、黒色顔料及び高温放射率を含むいくつかの可能性のある用途において表される。
発明材料のマイクロスフェアから形成されたスラリーは、コーティングを形成するために、固体基材の上で堆積させることができる。マイクロスフェアが有機ペンキ媒体中に分散された場合、比較的柔軟な基材(例えば、ポリマー又はプラスチック)の磨耗及び引掻抵抗は著しく向上する。
白い中空又は多孔質発明材料の誘電率は、3未満の値にすることができる。発明材料の低誘電率と高温構造安定性の組合せは、それをユニークにし、レードーム及び他の低痕跡防御関連用途に適する高温誘電体特性を調製するために用いることができる。
テープキャスト(別名ドクターブレード法又はナイフ塗布)は、セラミックス材料の薄板の製造用の製造プロセスである。高放射率粉末又はそれらの前駆体のいずれか又は混合物は、薄板製品(数ミクロン〜数ミリメートル)に組み込まれる又は形成することができる。これらの高放射率材料は、限定されないが、中空マイクロスフェア、固体マイクロスフェア、均一及び不均一形状の粒子、酸化物、セラミックス又は非酸化物粒子を含む。そのようなテープキャストシートは、限定されないが、耐火、断熱及び他の用途を含む熱管理システムにも用いることができる。そのようなシステムは、熱管理システムにおいて、絶縁保護被覆、マスク又は特定の地域の非マスクに適用することができる。いずれかの高放射率材料又はいずれかの中空材料又は双方の特性を組み合わせた材料に形成されるテープキャスト層の実施形態がクレームされる。発明材料は、そのような高放射率材料の例である。発明材料は、限定されないが、シート、フレーム、薄膜、パネル及び他の実施形態を含むものを形成するために、テープキャストすることができる。セラミック粉末をテープキャストする一般的な方法(R.E. Mistier and E.R. Twiname, Tape Casting, Theory and Practice, American Ceramic Society, OH, 2000)は、発明材料粉末のテープキャストにおいて以下に示されている。
【0041】
テープキャストにおける第1の工程は、スラリーを形成することである。発明材料粉末、溶媒及び分散剤を混合し、粉砕し、次いで、適当なバインダー及び可塑剤と混合し、再度粉砕する。最終的なスラリーの粘度は、溶媒を加えることによって調節する。スラリーが、発明材料を薄いシートテープキャストするために用いられる。テープキャストは、100〜1000μmの範囲の厚みでシート状に形成することができ、それは、積層し、制限されない大きさ及び厚みの熱処理本体を形成するために焼結することができる。
【0042】
種々の最終用途の応用は、リン酸アルミニウム化合物、組成物及び発明材料の関連構造とともに認識され、開発されている。いくつかの限定されない応用を以下に示す。
【0043】
耐火システム
構造用スチールの火炎保護及び熱劣化に影響されやすい建材の分野で相当な努力が注ぎこまれている。本発明に特有であるが、構造材料に対して採用されている火炎保護又は耐火又は熱絶縁システムにおける重量、付属品システムならびに材料費及び人件費への継続した関心がある。主に用いられている船舶構造の断熱のための現行の最高水準は、重い耐火性板(1lb/ftの面密度)であり、約40ドル/ftの費用がかかり、基準コスト及び密度が類似した次世代の火炎システム実用性のために設定されている。本発明は、低熱伝導率、高放射率の元材料に多孔質(マイクロスフェア)を設計することによる熱伝導及び放射伝導法で、熱伝導を著しく低減するかもしれず、同時に、同材料が、低熱伝導率及び放射熱伝導を低減させるか又は実質的に消失させるのを助ける。これらの2つの作用の組合せは、保護のために必要な厚みを低減することを助けることができ、熱及び耐火システムにおいて面密度を低減することができる。
【0044】
他の用途
本発明の発明材料のマイクロスフェアは、多種多様な産業にわたるいくつかの用途で用いることができる。このリストは網羅的でなく、本発明の使用によって利用できるより広範囲の適用性の実例としてのみ考慮されるべきである。
【0045】
発明材料のユニークな特性(例えば、球形状、及び大きさ等)は、低表面積及び凹凸のない表面又は引っ掛る分岐がないことをもたらす。これらの特性に基づいて、発明材料のマイクロスフェアは、コーティング又はペンキの固体含有量を増大させるために用いることができる。また、溶液への発明材料の添加は、粘度に最低限の影響を及ぼすかもしれない。発明の中空材料は非常に密度が低く、高い強度を有する。そのため、造船、航空及び車の製造用の複合プラスチックの軽量フィラーとして及び産業爆薬、ニス及びペンキのフィラーの製造における添加剤の感度を高める産業として用いることができる。また、発明材料の複合物は、軽量、より耐久性のあるファイバーグラス製品をもたらす
発明材料の中空のマイクロスフェアは、シャワー室及びボートの製造プロセスを改善するための繊維強化ポリエステル産業で用いることができる。軽量で、より耐久性のあるファイバーグラス製品が、マイクロスフェアの使用によって得られる。厚膜インク、鉱業爆薬ならびにゴム及びプラスチック製品のすべての記載は、まさに2、3の他の実施例である
銀の抗菌性は、貴金属によってもたらされ、傷及び火傷のために一般的な処置である。それは、皮膚が感染症を食い止めることによって回復するのを助ける。近年、数社は、以前の銀処置よりより痛みがないことを必要とする銀−含浸ドレッシングで、傷治療に革命をもたらした。銀の遅い放出は、包帯の長期使用のために必要とされる。従って、銀を発明材料の固体又は中空のマイクロスフェアの内部に埋め込むか、その上に被覆することができ、傷ドレッシングに用いることができる。発明材料は黒色であるため、それは医者が簡単に確認することができる。また、発明材料のマイクロスフェアの壁を通しての銀の遅い放出は、ドレッシングの長期の使用を助長する。また、発明材料のマイクロスフェアに含有されるそのような銀は、伝導性を示すかもしれず、導電性に関連する可能性のある用途を見いだすかもしれない4,5
発明材料のマイクロスフェアは、薬物送出を含むいくつかの生医学的な用途に用いることができるかもしれない。発明材料の中空マイクロスフェアに基づくマイクロカプセル化技術は、種々の用途を見いだすことができる。例えば、それは、化粧品の分野で、日焼け止め活性成分のために、好ましくない光毒性及び光線アレルギー性の反応に対して用いることができる。この技術は、0.3〜3ミクロンの範囲の大きさで、紫外線吸収材コアを有する発明材料の中空のマイクロスフェアで利用することができる。よって、これらの改良された日焼け止め活性は、高いサンプロテクト因子(SPF)を達成するために適当な化粧用担体に取り込むことができ、同時に、紫外線吸収材の含浸が著しく減少されるので、改善された安全プロファイルを提供する。また、発明材料のマイクロスフェアは、皮膚に望ましい色を達成し、汗及び他の要因のために皮膚の変色を避けるために調整することができる。
【0046】
発明材料のコーティングは、地上の保存タンクに塗布することができる。発明材料は、受動火保護として機能する。
【0047】
発明材料は、1750°F〜3000°Fにわたる温度使用限度で、低密度セラミックスの繊維ボードとともに又はなしに用いることができる。ボードは、種々の面積で、バックアップの絶縁体としてワーキング裏層の後ろに載置される。
【0048】
ボイラー/公共施設は、多くの他のプロセスに加えて設備を稼動させるために、必要な蒸気を発生させる。それらは、日々の活動において用いられる。これらのユニットを再建することは、時折、大きな労働力を要するかもしれない。発明材料の製品は、受動熱の絶縁体として作用することによって、設備の寿命を長くするために用いることができる。
【0049】
高温安定性を伴う発明材料は、絶縁性及び化学耐性を提供するために、箱炉ライナーで用いることができる。高放射率特性を有する発明材料は、背面に熱放射を発することによって内部の温度を増大させることができ、従って外部システムへの絶縁体の働きをすることができる。
発明材料は、断熱材として、レンガ、粘土下水道パイプ及び送気管タイルの製造において用いることができる。
【0050】
発明材料は、減圧雰囲気、アルカリ蒸気、高温−長時間サイクル、機械の乱用に耐性がある。これらは、長期にわたる、一貫した耐用年数及び低メンテナンスを炉に提供することができる。
発明材料は、アルミニウム又は他の非鉄金属及び合金のキャスティングにおける非濡れライナーとして用いることができる。
発明材料の耐火システムは、隔壁とデッキ施設でファイバーグラスのブランケットの有無にかかわらず、商業的な及び海洋船において使用することができる。
【0051】
発明材料の製品は、船、電車、自動車及び飛行機の突発的な環境では、データレコーダーのようなオンボード電子機器の保護を促進することができる。
【0052】
発明材料は、火炎保護及び耐火のための複雑なケーブルトレイ、電気な緊急ラインコンジット導管において使用することができる。
【0053】
発明材料は、精練所産業で火炎保護のために使用することができる。発明材料は、可燃性の高い導管である及び火炎のために危険が大きいパイプ及び器材を保護するのに用いることができる。発明材料の火炎保護製品は、鋼、ケーブルトレイ及びモータ操作される弁を保護するのに用いることができる。
【0054】
火がついたヒータは、多くの精練所及び石油化学植物の「セントラスプロセスユニット」である。発明材料は、その間における煙突及びいずれかの配管に対する対流セクションの火がついたヒータのための絶縁内面において用いることができる。
【0055】
発明材料は、高温窯(例えば、ロータリー焼却炉、ボイラー及び種々の炉)で用いることができる。
【0056】
発明材料コーティングは、熱管理のためにその高放射率及び低密度のため、自動車排気システムで用いることができる。
【0057】
発明材料は、非可燃性のケーブル/プラスチックパイプで用いることができる。そのシステムは、外部の火炎伝播からの保護及びプラスチックパイプで発生する煙からの保護を提供することができる。
【0058】
発明材料は、高温にさらされ、保護が必要なガスケット、ダイ−カット形状、炎管、ブラケット、ボード、パネル、コード形状、ログ、残り火、攪拌器、ブレンダー及び他の部品で用いることができる。
【0059】
水素移動導管及び第二級アンモニア改質剤は、高圧、高水素環境のために、耐火性材料の非常に厳しい供給条件をもたらす。発明材料は、これらの厳しい条件に対する保護のために必要とされる加熱導管に用いることができる。
発明材料は、ガソリン、白色顔料及び電気の生産において用いられる流動床ユニットでの用途を見いだすことができる。これらのユニットは、主に、固体媒体を流動化するために空気を用いる垂直シリンダーである。よって、廃棄物流は、1500〜2200°Fの範囲で稼動する典型的な温度で注入され、焼却される。発明材料の高温安定性は、この用途によく適している。
【0060】
発明材料は、耐火性ライナーとして又は耐火性ライナーの温度を減少させるライナーとして流動接触分解装置で用いることができる。
【0061】
燃料電池スタックは、絶縁性を提供することができ、熱又はガス流を止め、高温で弾力的なままであることができる熱機械特性を有する材料の使用を必要とする。よって、発明材料は、燃料電池アセンブリの用途を見いだすことができる。
【0062】
発明材料は、熱蒸気発生器における用途を見いだすことができる。
【0063】
発明材料は、熱及び音波の管理で用途を見いだすことができる。毛布、書類及びフェルトの形態での発明材料は、これらの用途のために適用することができる
【0064】
中空の発明材料における高温安定性及び化学耐性は、合成スポンジへの軽量添加剤としてその適用を助ける。
【0065】
中空の発明材料のマイクロスフェアは、水素、メタン及び他の小分子ガスを保存するために用いることができる。発明材料のマイクロスフェアは、非常に安全となる可能性があり、汚染に耐性があり、安全幅を増加する低圧での水素及び他のガスを収容する。
【0066】
発明材料のマイクロスフェアは、コスト低減に対するいくつかの方法を助けるとともに、ペンキ及び粉末コーティング性能を高める。中空の発明材料の球体、性能を強化し、ペンキ及びコーティングの粘度を低下するために、プラスチック部品への軽量添加剤として用いられる。不均一な形状の粒子又はフィラーは、ペンキに充填するか、分散させるのが困難かもしれない。発明材料のマイクロスフェアは、形状が球形で、ボールベアリングと同様に互いに簡単に転がるあうことができる。これは良好な流れをもたらし、ペンキのスプレー能を改善する。また、より高度の充填負荷は、樹脂の減量需要のため、コストの低減を助けることができ、容積積載量を増加させることができる。より小さな球体は、より大きなものの間で空隙を満たすことができ、パックすることを強化することができる。高硬度ならびに球体形状は、仕上げ被覆表面の磨耗及び艶出し抵抗を改善することができる。これも、ペンキの光学仕上げ品質を維持するのを助ける。また、ペンキへの発明材料の球形粒子の添加は、ペンキの粘度にあまり変化を与えずに、表面に望ましい光沢を達成するのを助ける。軍におけるカモフラージュコーティングのために必要な低光沢及び灰色は、発明材料を添加してペンキによって提供することができる。硬度と不活性とが組み合わせられた硬い粒子のパック(例えば、小粒子が空隙を充填する)により、発明材料は、気候、腐食及び化学物質に対して耐久性、低浸透性及びバリア膜を形成するのに用いることができる。また、発明材料の粒子表面は、疎水性のような特性を与えることにおいて機能的にする。二酸化ケイ素のような発明材料の不活性の性質のため、化学物質に対する抵抗を必要とする用途に用いることができる。発明材料のマイクロスフェアの1つの重要な利点は、例えば、砂、ボール及びルールミルを用いた粉砕及び分散のような処理においてその構造安定性を含む。通常、球形の粒子は、不均一形状の粒子よりも低い装備磨耗である。発明材料は、構造上、粉末、メンテナンス、ポリマーコンクリート、質感のある装飾的なフローリング、接着剤、コイル、高固体産業、含量及び紫外線硬化コーティングを含む種々のタイプのコーティングに用いることができる。また、マスチック、合成化粧しっくい及びグラウトに有用である。
【0067】
特に、夜間の低可視条件で、反射する舗道を標識する線は、ハイウェイの安全性に対して相当の貢献をする。発明材料の球体は、水性ペンキ、エポキシ、ポリエステル、熱可塑性プラスチック、PMMA、ポリウレタン、ポリウレア及びVOC対応ペンキ等の市販の用途の全てにおいて、ドロップオンの球体として適用することができる
【0068】
発明材料のマイクロスフェアは、スムーズな、絹感を提供し、適用特性を改善するために、化粧品に用いることができる。球形は、この用途のために、化学的に不活性であり、非常に低い油吸収であり、非多孔質であることが必要である。
【0069】
発明材料の固体球体は、接着結合において結合線厚を確立するのに用いることができる。
従来のソーダガラスの球体は、ガラス及び樹脂間の良好な接着力のために、結合剤コーティングを必要とする。先行技術では、中空のガラスのマイクロスフェア表面は、ポリマー樹脂化合物において、リン酸エステルと、被覆された中空のガラスのマイクロスフェアのような高容積を達成する適切な他の表面張力抑制剤とで被覆されている。発明材料の特定の実施形態は、表面張力を低減させることに有用であり、ペンキのような重合体又は有機分散媒でマイクロスフェアの負荷を改善することができる組成物の一部として有機基からなる。発明材料のマイクロスフェアは、限定されないが、エポキシ、フェノール樹脂、フラン、ポリエステル、キシレン、アルキド、メラミン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、メタクリル酸等を含む樹脂にフィラーとして添加される。必要ならば、発明のマイクロスフェアは、非常に簡単に機能的にすることができる。また、発明材料のコーティングは、ガラスの中空の成分における防護物及びバリアコーティングとして用いることができる
【0070】
発明材料の中空の球体の、ファイバーグラス強化プラスチック、エポキシ化合物、ウレタンキャスティングへの添加は、減量コスト削減を提供することができ、耐衝撃性を向上させることができる。また、中空の球体の絶縁特性は、熱衝撃及び熱伝導領域において助けとなり得る。ポリマーコンクリートにおいて用いられる場合、発明材料の中空の球体は、物理特性を低下させることなく、費用効果のよい選択肢を提供することができる。
【0071】
発明材料の球体は、航空宇宙、自動車及びエレクトロニクスを含む種々の産業において、ピーニング、洗浄、仕上げ及びデバリングプロセスでガラスビーズの代わりに用いることができる。
【0072】
発明材料の固体ビーズは、種々の材料の粉砕、分散及び脱凝集に用いることができる。中でも、その材料は、磁気テープ酸化物、顔料(例えば、ペンキ、コーティング及びインクのために)、化粧品、ファインケミカル、医薬、農産品及び染料である。発明材料の球体の他の用途は、機械の表面被覆、研磨、クロマトグラフィ、流動床、熱伝導及び濾過を含む。
【0073】
発明材料の中空のマイクロスフェアは、鉱業、採石業及び建設において使われる水性産業爆薬のための感光剤として用いることができる。小さい球体は、爆薬マトリクス内で封入された空気として機能し、システムの重要な部分となる。プライマーによる開始の間、球体はホットスポットになり、最大の温度を生み出し、周囲の爆薬混合を分解するためにエネルギーに集中する。発明材料の中空の球体は、有機ニトロ及び硝酸塩化合物のような代替材料と比較して感光剤としてより無駄がなく、信頼でき、それらは、高強度の球形シェルのために、圧力のポンピングに耐え、他の無機材料より良好に脱感作に衝撃を与える。マイクロスフェアの用途は、小径のカートリッジからオープンピットショットに由来する大きなバルクの全てを含む。水ゲル類、連続したエマルジョン類及びエマルジョンブレンドは、世界中で、マイクロスフェア活性から相当利益を得ている。
また、発明材料の球体は、離れたホールにおける摩擦及びトルクの低減を望む石油採掘者のために設計するができる。発明のマイクロスフェアは、摩擦を低減し、圧力差を低減する小さなボールベアリングの働きをする。発明のマイクロスフェアの球体は、化学的に不活性で、石油採掘で見いだされる泥系の化学的特徴に影響しない。
制御された脆性による中空の発明材料の中空は、薬物伝達において用いることができる。発明材料の脆性は、アニール温度及び製造されたスプレードライ発明材料粉末としての条件を選択することによって制御することができる。
【0074】
発明材料のマイクロスフェアの球体は、生物学的アプリケーションのマイクロキャリアとして機能させることができる。マイクロキャリアシステムは、目下それらの相当の表面積のため、大規模な細胞培養に最も適当なシステムと思われる。生体適合性リン酸カルシウムの特別の形態がマイクロキャリアとして用いることができることが先行技術の報告で示されている。リン酸アルミニウムは、ワクチンのアジュバントとして本式に使用されている。また、リン酸アルミニウムは、薬において使用されている。従って、リン酸アルミニウムを基にする発明材料のマイクロスフェアは、マイクロキャリアとして及びマイクロキャリアにおいて使用することができる。
【0075】
発明材料の中空のマイクロスフェアは、アスベストを用いない断熱システムにおいて使用することができる。
【0076】
発明材料のマイクロスフェアは、適切に処理されると、限定されないが、高圧及び高温を含むさらなるプロセス条件下、その形状及び他の特性を保持することができる。その一例は、熱可塑性樹脂におけるフィラーとして用いられ、射出成形に付した場合である。
【0077】
発明材料のマイクロスフェアを含む低誘電率ラミネートは、プリント回路基板のようないくつかのアプリケーション等で用いることができる。半導体装置のための高速相互接続は、伝搬遅延及び容量性ライン負荷を最小にするために低誘電率材料を必要とする。3.5〜4.5の範囲の低誘電率が、これらのアプリケーションのために要求される。電子セラミックスの厚膜への発明の中空マイクロスフェアの添加は、膜の誘電率を低減するために助けとなるかもしれない
熱可塑性プラスチックのマイクロスフェアは、圧縮性、弾性があり、中空の粒子である。プラスチックの球体で可能な限りの極薄シェル壁は、0.0025の小さい比重を与え、これらの材料の少ない重量割合が大容積にまさに取って代わることを可能とする。弾性のあるプラスチックはストレス下で変形することができるので、これらの製品を混合又はポンピングする場合、高い剪断混合でさえ、実質的に破壊がない。その上、プラスチックの圧縮可能な性質は、通常仕上げ製品を変形させるかもしれない作用を吸収することができ、それによって、石のチップ、歩行者交通又は凍結−解凍サイクルに起因するダメージを低減させる。しかし、これらのプラスチックは、化学的及び環境的な衝撃に影響されやすい。これらマイクロスフェアにおける発明材料のコーティングは、化学的安定性及び他の関連特性を改善するのに役立つかもしれない。
発明材料のマイクロスフェアは、厳しい環境下で使われる材料に塗布されるコーティング、特に、高温の複合体における重大な要因である強度を強化し、クラック防止材の作用をさせることができ、それによって、マイクロスフェアによる中空は、クラック変形を促進し、そのような複合体の剛性を高めることができる。
発明材料は、家で、多くの揮発性の化学物質がしばしば保管されるガレージ領域で、料理及び機器の火事を防ぐ台所で、煙突火災を防ぐ内層として、また、ガレージと家との間のファイアウォールとして用いることができる。
【0078】
発明材料は、自動車、トラック、ボート、航空機、記憶装置及び高層の施設での用途を見いだすことができる。
ファイバーグラスドアは、極めて可燃性で、火事の場合には有害な煙を生じる。中空の発明材料で処理されたファイバーグラスドアは、今日の市場で現在利用できる高価で、重い鋼火ドアに、低コスト及び軽量の代替となり得る。
【0079】
発明材料のコーティングは、炎の広がりを妨げることができる。また、下層の材料の熱伝導を低減することができる。
高温の部品、高出力キセノンヘッドライトは、内部の部品の溶融を防止するために、断熱材として、発明材料で被覆することができる。
【0080】
発明材料のコーティングは、エネルギー損失を減らすのに役に立つかもしれず、配管裏、窯レンガ及び他の耐火煉瓦の部品に保護を提供する。
また、やかん及び容器の発明材料のコーティングは、溶融金属のために、製造工場でも用いることができる。これはヤカン初期の浸食を溶融金属から防止するかもしれず、よって、大きな容器の相当の取替原価を節約する。また、溶融金属への非濡れは、この用途を助長する。
【0081】
発明材料は、貨物コンパートメントから火の広がりを防止するために、航空機の貨物容器のコーティングに用いることができる。
【0082】
発明材料は、銀、アルミニウム及び高密度クロムの誘導電気炉のコーティングにおいて用いることができる。
【0083】
発明材料のコーティングは、車でのファイアウォール及びドライバーコンパートメントで、自動車内部の温度を低下させるために用いることができる。
発明材料コーティングは、タイヤ温度を低下させるために、レース車の車輪に用いることができ、それによってタイヤ破裂及び大事故の危険性を減らす。
【0084】
発明材料コーティングは、内部の温度を増大させることによって触媒変換効率を改善するために、自動車で触媒コンバーターの内部の金属プレートに用いることができる。これは、自動車エンジンの排出物をかなり減らすことができる。
発明材料のコーティングは、石炭及び天然ガス発電所のために、金属ボイラーで用いることができる。
【0085】
発明材料は、スチール構造の火炎保護に用いることができる。
【0086】
発明材料のコーティングは、軍用船で火の広がりを低減させるのを助けるために、船でスチールのバルクヘッドに用いることができる。
発明材料コーティングは、爆発のおそれを減らすために、高温の熱源から保護する金属弾薬ボックスに用いることができる。
発明材料コーティングは、アルミニウム弾薬不活性なシェルのフィンに用いることができる。これは、高速の弾道フライトの間、屈曲からシェルにおけるフィンを防ぐことによって、正確さを改善することができる。
【0087】
発明材料のコーティングは、人体内部の赤外線のイメージをブロックするために、テント及びカバーにおいて用いることができる。衛星、カメラ又は他の視覚補助を感知する敵の赤外線探知による人々、例えば、兵士の探知を避けることは重要である。
【0088】
発明材料は、アルミニウムのための保護コーティング及び軍用の用途(船における船楼、アルミニウムの軍隊輸送車両、他の軍の車両のアルミニウム成分)におけるスチールとして用いることができる。
発明材料は、鋼製造工場等で用いられる電気アーク炉のレンガのコーティングに用いることができる。これは、炉を再度レンガで覆うのに必要な停止時間を低減するかもしれず、その結果、発明材料の高放射率のために相当のエネルギー節約をもたらす。
【0089】
発明材料は、ドア及び会議室のパーティションにおいて、1つの部屋の他からの火の侵入を妨げるために用いることができる。
【0090】
発明材料は、火炎の高い危険にさらされる家で、木の屋根板のコーティングのために用いることができる。
【0091】
発明材料は、消防活動器具(例えば、火避難所、軽量テント、ホース及びその他のツール)のためのコーティングとして用いることができる。
発明材料でコートされた防水布は、消防士及び保存された物を、相当の熱から保護するのに用いられるかもしれない。
【0092】
発明材料は、電気配線の束、揮発性流体又はガスを運ぶ孔又はパイプのための断熱、防火絶縁カバーとして機能するかもしれない。
【0093】
発明材料は、相当の熱保護を与えるための金庫及びセーフティーボックスの製造での用途を見いだすことができる。
【0094】
発明材料は、セラミックス材料のための保護コーティングとして用いることができる。発明材料は、セラミック繊維、ブロック、モジュールブランケット、板、フェルト、カスタブル及びレンガに適用することができる。発明材料コーティングは、熱制御構造の表面温度を低下させることができ、下層のセラミック材料の分解を防ぐ表面による熱伝導を低減させることができる。
発明材料は、優れた熱保持のための炉内部/外部におけるコーティングとして用いることができる。また、溶鉱炉、高温のガスバルブ、炉及びチャンバーは、熱保持及び耐熱のために、発明材料で被覆することができる。
【0095】
一般に、断熱ペンキは、熱線を反射する球体材料、つまり、中空マイクロビーズから形成された複合体材料及び粘着性のない(loose)多孔質の断熱材料又はその表面の3つの主な成分からなるが、断熱ペンキは、熱線を反射し、粘着性の接着剤用の材料で被覆されている。本発明は、それらの中空特性、高放射率の成分としての炭素の存在及びリン酸エステル結合による非常に良好な粘着力のため、これら全ての特性を1つの材料に組み込むことによってこのシステムを簡略化する。そのような発明材料は、建築、自動車の電車、パイプライン及びタンク用の外装ペンキとして用いることができる。
【0096】
ファブリック材は、発明材料からなる構造材料で被覆された基材からなる。ファブリック材は、耐火性で、マットレス、カーテン及び家具カバーの生産において、特に、適当な耐火性装飾的なファブリックを提供する装飾的なファブリックに接着するかもしれない。
【0097】
発明材料は、高温安定な顔料のように、レーザー印刷インク等で用いることができる。
【0098】
本発明のマイクロスフェアは、磁気、半導性、セラミック、金属的、生体分子及び複合材料を含む種々の材料に作りあげられるかもしれない。その結果、マイクロスフェアは、例えば、徐放カプセル(薬、染料、化粧品及びインク)、人工細胞、触媒、フィラー、支持体、研磨材、ボールペンのペン先、複合物、断熱体、電気回路基板、クロマトグラフィ、ショック吸収装甲板、ガス又は化学保管庫の全ての分野及び電磁波吸収コーティングにおいて、広範な適用を見いだす。
【0099】
実施例
以下に示す限定されない実施例ならびに本発明の組成物、マイクロスフェア及び/又は製造方法に関する種々の局面及び特徴を示すデータは、ここに記載される合成方法論を通して入手可能である。先行技術と比較すると、本発明の組成物及びマイクロスフェアは、驚きで、予想外である結果とデータを提供し、それらに反する。本発明の有用性は、いくつかの組成物、成分及び/又はそれらとともに製造されるマイクロスフェアの用途によって例示され、一方、相当する結果が種々の他の組成物/成分及び形態で得られることは、当業者によってよく理解されており、そのことは本発明の範囲に相応している。
【0100】
実施例1
408.90gのA1(NO)・9HOを、382mlのエタノールに溶解し、500mlの溶液を調製した。別の容器に、大気中で、25.23gのPを300mlのエタノールに溶解した。Pを溶解した後、2つの溶液を一緒に混合し、数分攪拌した。
【0101】
実施例2
回転車輪を伴うスプレー付きのニロ携帯用の噴霧乾燥器を、実施例1で調製した前駆体溶液を噴霧乾燥するのに用いる。本発明材料液状前駆体溶液の濃度は、主にアルコール性組成物の含水量によって、ここで示されるであろう。この変化量が、粉末粒子の形を制御することに2番目に最も効果的であることを見いだしている。広範囲にわたる含水量の値を、噴霧乾燥を通して球状粉末を生産するために用いた。スプレードライ溶液の比重と得られた粉末の形状との間に、強い関係がある(Iskandar, F., Gradon L., and Okuyama K. "Control of the Morphology of Nanostructured Particles Prepared by the Spray Drying of a Nanoparticle Sol". J. Colloid and Interface Science. 265 (2003) 296-303)。若干の例を挙げれば、多すぎる又は少なすぎる含水量は、卵形、環状体、プレート又はまたは集合体のようなはっきりとした形で、非球状粉末を生産するであろう。
【0102】
実施例3
図6は、本発明材料で形成されたマイクロスフェアの走査型電子顕微鏡画像を示す。顕微鏡写真は、発明材料のマイクロスフェアの狭い粒径分布と均一性を示す。
実施例4
図7は、発明材料のスプレードライで形成されたマイクロスフェアの光学顕微鏡画像である。
【0103】
実施例5
発明材料のマイクロスフェアの表面は、スプレードライの条件及び前駆体の化学に依存して異なる構造を組織化して形成することができる。図8A〜8Cでは、走査型電子顕微鏡画像は、種々の表面の形態学を示し、左上から時計回りに続いて、表面の形態は粗く、非常になめらか、なめらか、非常に粗く、黒様形態は生産できるが、表されていない。
【0104】
実施例6
図9は、本発明の断熱システムの一実施形態を概略的に示す。
【0105】
実施例7
図10は、標準的な断熱体(Thermal Ceramics(モーガンカンパニー)から市販されているファイアーマスター607ブランケットと比較して中間層(FISと分類)を用いて与えられる熱的利益をグラフに示す。面積及び容積密度の双方が、優れた性能で効果的に低減されている。
【0106】
実施例8
図11は、黒色粉末のX線回折(XRD)パターンを示す。本発明の材料における(A)800℃、1時間(B)1100℃、1時間を示す。
当業者によって理解されるように、本発明の種々の実施形態は、ここに記載されたように又は以下に列挙する文献の1以上で又はその中の技術的な直接の修正をとおして、調製及び/又は利用することができ、また、そのような修正は、本発明を認識される個人のそれらによって理解されるであろう。そのような文献のそれぞれの全趣旨をここに取り込む。

1. (a) J.K. Cochran, Ceramic hollow spheres and their applications, Current Opinion in Solid State & Materials Science, 3, 474-479 (1998). (b) J. Bertling, J. Blomer, R. Kummel, Hollow Microspheres, Chem. Eng. Technol. 27, 829-837 (2004).
2. (a) Polymeric and inorganic microspheres and their applications. Dubey, Rama; LaI, D.; Mathur, G. N. Kanpur, India. Paintindia (2003), 53(8), 63-64, 66. (b) US Patent 5,017,523 Enables production of hollow glass spheres from starting material of 20mu]m or less. Useful as filler in lightweight composite materials for buildings.
3. C. Rosenbusch, Duluth, and B. Holcomb The Benefits of Microspheres, Ceramic Industry, August 2003.
4. (a) Starling, et al. US patent 6,210,715, Calcium phosphate microcarriers and microspheres (2001); (b) Starling, et al. US patent 6,358,532, Calcium phosphate microcarriers and microspheres (2002). (c) Starling, L. Brian; Stephan, James E. Calcium phosphate microcarriers and microspheres. PCT Int. Appl. (1998), 44 pp. WO 9843558.
5. US patent application 20020012645 Leave-in hair cosmetic compositions for enhancing volume containing fluid-encapsulated, flexible microspheres.
6. (a) Kablov, E. N.; Surnin, E. G.; Grimailovskaya, T. P.; Ponomareva, E. A.; Ryazantseva, T. S. Method for manufacturing sound-absorbing materials for airports and highways (2004), RU 2232148 Cl 20040710 Patent written in Russian. Application: RU 2002-134946 20021225. (b) Soundproofing panel with beads, and a method of manufacture. Dravet, Alain; Riou, Georges; Julliard, Jacques; Delverdier, Osmin; Vie, Philippe. U.S. Pat. Appl. Publ. (2005), US 20050109557.
7. (a) Frey et al. US patent 6,479,417, Ceramic microspheres that impart yellow color to retroreflected light (b) US patent application 20020013207 Glass-ceramic microspheres that impart yellow color to retroreflected light.
8. (a) Phosphate ester coated hollow glass microspheres, resin compositions comprising such microspheres, and low density syntactic foams prepared from then- mixture. Kistner, John F.; Larson, Loren D. PCT Int. Appl. (2001), 61 pp. WO 2001014273 (b) De With, G.; Verweij, H. Properties and shaping of lightweight ceramics based on phosphate-bonded hollow silica microspheres. Journal de Physique, Colloque (1986), (Cl), C1-359-C1-363. (c) Terase, Kunihiko; Yamada, Kenji; Hirano, Hachiro; Sugimoto, Naoki; Yarita, Tomio. Phosphate-based glass microballoons. Jpn. Kokai Tokkyo Koho (1996), 4 pp. JP 08225340.
9. R.M. Japp, K.I. Papathomas, Low dielectric constant laminates containing microspheres, Hollow and Solid Spheres and Microspheres: Science and Technology Associated With Their Fabrication and Application Editors: M. Berg, T. Bernat, D.L. Wilcox, Sr., J.K. Cochran, Jr., D. Kellerman, Materials Research Society Symposium Proceedings, pp. 221-229372, (1995).
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の固体リン酸アルミニウム球体を示す概略図である。
【図2】本発明の中空のリン酸アルミニウム系マイクロスフェアを示す概略図である。
【図3】少なくとも一部のガスが充填された発明材料の中空のマイクロスフェア、治療剤又は他の機能化材料を示す概略図である。
【図4】ペンキ又はテープキャスティングスリップとしての流体媒体に分散されたマイクロスフェアを示す概略図である。
【図5】本発明のマイクロスフェアに関する他の組成の実施形態を示す概略図である。
【図6】本発明の発明材料マイクロスフェアの走査電子顕微鏡像である。
【図7】本発明のスプレードライマイクロスフェアの光学顕微鏡像である。
【図8】A〜Cは、種々のマイクロスフェアの表面形態の走査電子顕微鏡像である。
【図9】耐火システムのひとつの限定されない実施形態を示す概略図である。
【図10】本発明の一実施形態の用途によって与えられる熱特性を示すグラフである。
【図11】本発明の黒色粉末組成物のX線回折パターンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アモルファスリン酸アルミニウム成分及び炭素元素を含む組成物であって、該組成物は実質的にマイクロ寸法の球体形態を有する組成物。
【請求項2】
形態は、実質的に固体マイクロスフェア及び実質的に中空マイクロスフェアから選択される請求項1の組成物。
【請求項3】
マイクロスフェアは、約0.25μm〜約1000μmの範囲の断面寸法を有する請求項2の組成物。
【請求項4】
形状は、約50nm〜約30μmの範囲の壁厚寸法を有する実質的に中空である請求項3の組成物。
【請求項5】
リン酸アルミニウムナノクリスタルを含む請求項1の組成物。
【請求項6】
ナノクリスタル成分は、酸化ジルコニウムナノクリスタル、二酸化チタンナノクリスタル及びそれらの組み合わせから選択される請求項1の組成物。
【請求項7】
リン酸アルミニウム成分は、約1:1〜約20:1の範囲のAl/Pのモル比を有する請求項1の組成物。
【請求項8】
炭素元素は、組成物中約10重量%以下、約5重量%以下、約2重量%以下約1重量%以下から選択される量で存在する請求項1の組成物。
【請求項9】
組成物の前駆体溶液のスプレードライからなる方法によって得られる請求項1の組成物。
【請求項10】
形態の表面に結合した成分を含み、該成分は、有機材料、無機材料、金属及びこれらの材料の組み合わせから選択される請求項1の組成物。
【請求項11】
コーティング組成物に組み込まれる請求項1の組成物。
【請求項12】
コーティングは表面に適用される請求項11の組成物。
【請求項13】
アモルファスリン酸アルミニウムを含む組成物からなるマイクロスフェアであって、該マイクロスフェアは実質的に非多孔質表面形態を含むマイクロスフェア。
【請求項14】
実質的に固体マイクロスフェア及び実質的に中空マイクロスフェアから選択される請求項13のマイクロスフェア
【請求項15】
マイクロスフェアは、約0.25μm〜約1000μmの範囲の断面寸法を有する請求項14のマイクロスフェア。
【請求項16】
形状は、約50nm〜約30μmの範囲である壁厚寸法を有する実質的に中空である請求項15のマイクロスフェア。
【請求項17】
組成物は、酸化ジルコニウムナノクリスタル、二酸化チタンナノクリスタル及びそれらの組み合わせから選択されるナノクリスタル成分を含む請求項13のマイクロスフェア。
【請求項18】
リン酸アルミニウム成分は、約1:1〜約20:1のAl/Pのモル比を有する請求項13のマイクロスフェア。
【請求項19】
組成物の前駆体溶液のスプレードライからなる方法によって得られる請求項13のマイクロスフェア。
【請求項20】
形態の表面に結合した成分を含み、該成分は、有機材料、無機材料、金属及びこれらの材料の組み合わせから選択される請求項13のマイクロスフェア。
【請求項21】
アモルファスリン酸アルミニウム、無機結合剤成分及び担体成分を含むマイクロスフェアからなる組成物。
【請求項22】
接合剤成分は、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸アルミニウム及びそれらの組み合わせから選択される請求項21の組成物。
【請求項23】
担体成分は、アルコール媒体、水系媒体及びそれらの組み合わせから選択される請求項21の組成物。
【請求項24】
マイクロスフェアは、実質的に固体マイクロスフェア及び実質的に中空マイクロスフェアから選択される請求項23の組成物。
【請求項25】
マイクロスフェアは、約0.2μm〜約1000μmの範囲の断面寸法を有する請求項24の組成物。
【請求項26】
コーティングとしてその表面に適用される請求項21の組成物。
【請求項27】
表面が、金属表面、セラミックス表面、ガラス表面及び有機ポリマー表面から選択される請求項26の組成物。
【請求項28】
炭素元素成分を含み、該炭素成分は少なくとも一部において、放射率特性を組成物に与える請求項21の組成物。
【請求項29】
断熱コーティングとしてその表面に適用される請求項21の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−546633(P2008−546633A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519517(P2008−519517)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/025155
【国際公開番号】WO2007/002744
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(503072942)アプライド シン フィルムズ,インコーポレイティッド (4)
【Fターム(参考)】