説明

物体の形状計測方法

【課題】容易、且つコストをかけずに物体の劣化計測を行うことが可能な物体の劣化計測方法などを提供する。
【解決手段】計測対象とすべき被測定物5を特定し、その特定した被測定物を樹脂15を用いて型どりした後、計測すべき任意の箇所において当該型どりした樹脂15を切断し、当該樹脂15の断面部分を2次元スキャナ25で直接読み取って、画像解析による断面部分の形状を計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の形状計測方法に関し、例えば既設構造物の鉄筋の形状計測方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鉄筋コンクリートと称される構造物は、経年劣化により、構造物自体、及び構造物に用いられている鋼材が腐食する。構造物の耐力診断を行う上で、当該構造物に用いられている鋼材(鉄筋)の腐食調査(形状計測調査)は不可欠である。
【0003】
この種の腐食調査(評価)に関する技術として、(1)既設構造物のコンクリートをはつり、鉄筋を露出させて目視によって評価する方法(2)既設構造物のコンクリートをはつり、鉄筋を露出させて当該鉄筋の断面寸法をノギスを用いて測定して評価する方法、(3)既設構造物のコンクリートをはつり、検査対象とする鉄筋を採取して重量等を測定して評価する方法などが従来から知られている。しかしながら、(1)は耐力診断を行うための有意なデータとならない、(2)は精度が悪く、腐食した不定形状の鉄筋の断面積を求めるときには特に大きな誤差を生じ、有意なデータとならない、(3)作業が煩雑となり、しかも構造物に損傷を与えるという問題がある。
【0004】
このような問題を解決すべく、最近では、例えば、レーザ形状計測器により鉄筋の形状を計測する手法が提案されている。この計測手法は、精度良く計測できるものの、装置が高価であるという問題に加えて、はつり個所のような狭隘な場所の計測が困難である。よって、計測対象とする鉄筋を採取しての計測となるため、上記(3)と同様な問題がある。
【0005】
一方、鉄筋を採取せずに鉄筋の計測を行う手法が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1の手法は、鉄筋を無収縮のエポキシ樹脂又は無発泡ウレタン樹脂により型どりし、その型どりした樹脂を型枠として他の樹脂を流し込み鉄筋のレプリカを作成した後、そのレプリカを3次元スキャナ(レーザ計測器)で計測するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−263924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の鉄筋の計測手法は、高精度に計測可能であるものの、3次元スキャナは高価であり、使用される樹脂は使い捨てのものであるためランニングコストが高価となる。
【0008】
また、型どりした樹脂からレプリカを作製するため、作業が煩雑となり、作業時間が長くなり作業者への負担も重いなどの問題がある。
【0009】
本発明は、以上の点等に鑑みてなされたものであり、容易、且つコストをかけずに物体の劣化計測を行うことが可能な物体の劣化計測方法などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の物体の形状計測方法は、既設構造物の計測対象とすべき領域を特定し、軟化させた熱可塑性樹脂を前記領域に押し付け、前記熱可塑性樹脂の硬化後、前記領域から当該熱可塑性樹脂を取り出し、任意の個所において、硬化した前記熱可塑性樹脂を切断し、前記切断した断面部分を2次元画像取得装置で読み取って、当該断面部分の形状を計測することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の物体の形状計測方法は、既設構造物のコンクリートをはつり、計測対象とすべき鉄筋を特定し、前記鉄筋に付着したコンクリート片や錆を除去して前記鉄筋の全周を露出させ、半割り形状の2つのハウジング内にそれぞれ熱可塑性樹脂を詰め、前記鉄筋の外周に前記熱可塑性樹脂が詰められた2つのハウジングを組み付けて、前記熱可塑性樹脂の硬化後、前記両ハウジングの境界に沿って熱可塑性樹脂を切断して硬化した前記熱可塑性樹脂を取り出し、任意の個所において、硬化した前記熱可塑性樹脂を切断し、前記切断した断面部分を2次元画像取得装置で読み取って、当該断面部分の形状を計測することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の物体の形状計測方法は、請求項2に記載の物体の形状計測方法において、型どりされた硬化後の前記熱可塑性樹脂の底面と切断面をシールし、当該型どりされた熱可塑性樹脂の内部に液体を注入し、前記液体の質量から体積を求めることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の物体の形状計測方法は、既設構造物の計測対象とすべき金属部分を含む付帯設備を特定し、前記付帯設備に付着した錆を除去し、軟化させた熱可塑性樹脂を前記付帯設備に押し付け、前記熱可塑性樹脂の硬化後、前記付帯設備から当該熱可塑性樹脂を取り出し、前記金属部分を含む任意の個所において、硬化した前記熱可塑性樹脂を切断し、前記切断した断面部分を2次元画像取得装置で読み取って、当該断面部分の形状を計測することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の物体の形状計測方法は、平面状の既設構造物の計測対象とすべき領域を特定し、転写可能な印を前記領域内の前記既設構造物に付け、軟化させた熱可塑性樹脂を前記領域に押し付け、前記熱可塑性樹脂の硬化後、前記領域から前記印が転写された当該熱可塑性樹脂を取り出し、前記印に基づいて硬化した前記熱可塑性樹脂を切断し、前記切断した断面部分を2次元画像取得装置で読み取って、当該断面部分の形状を計測することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容易、且つ正確に計測すべき物体の形状(断面形状)を計測することが可能である。また、本発明によれば、鉄筋コンクリート構造物中の腐食鉄筋の断面計測の他、鋼構造物やプラントの鋼材表面の腐食、磨耗による表面凹凸の計測などに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】既設構造物の腐食鉄筋の形状を計測する工程図である。
【図2】既設構造物の表面の凹凸形状を計測する計測手法を説明するための図である。
【図3】既設構造物の付帯設備の腐食形状を計測する工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の最良の実施形態を説明する。
【0018】
1.実施形態の概要
本実施形態の物体の形状計測手法は、被計測物の断面を計測する手法である。当該物体の形状計測手法は、計測対象とすべき被測定物を特定し、その特定した被測定物を樹脂を用いて型どりした後、計測すべき任意の箇所において当該型どりした樹脂を切断し、当該樹脂の断面部分を、例えばフラットヘッドスキャナ(2次元スキャナ)などの2次元画像取得装置で直接読み取って、画像解析による断面部分の形状を計測するものである。
【0019】
本実施形態に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂である。本実施形態では、好適にポリエチレン樹脂を用いるが、その他、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂などを用いることができる。
【0020】
このように本実施形態の断面計測手法は、熱可塑性樹脂を用いることで、物体の形状計測の際の作業性が良く、計測に係るコストの低減を図れる。熱可塑性樹脂は、常温の状態においてカッター等で容易に切断でき、且つ、加熱により何度でも再利用可能であるからである。
【0021】
また、本実施形態の断面計測手法は、切断部分を2次元スキャナで読み取って、断面部分の形状を計測するため、精度良く計測できるとともに物体の形状計測の際の作業性が良く、計測に係るコストの低減を図れる。2次元スキャナは安価で精度の良い製品が多数出回っており、また、断面部分の形状を計測するための2次元画像解析においては、現在では非常に安い解析ソフトが多数出回っているからである。
【0022】
次に、本実施形態の物体の形状計測手法のより具体的な実施例について、実施例1〜実施例3に分けて説明する。
【0023】
2.実施例1
本実施例は既設構造物の鉄筋を計測する手法である。以下に本実施例の物体の形状計測手法について図1を用いて説明する。図1は既設構造物の腐食鉄筋の形状を計測する工程図である。
【0024】
まず、図1(a)に示すように、既設構造物のコンクリート2をはつり、計測対象となる鉄筋5を露出させる。そして、鉄筋5に付着しているコンクリート片や錆をとるため、例えば充電式ハンドドリル等にワイヤカップブラシを取り付け、鉄筋5の表面に付着した錆やコンクリート片を除去する。この作業により鉄筋全周を露出させる。
【0025】
次に、図1(b)に示すように、鉄筋5の型どり用に用いられる半割り形状のアルミ製の円筒ハウジング(以下、単に「ハウジング10」と称する。)内に熱可塑性樹脂15(以下、単に「樹脂」と称する)を詰め、加熱装置20にて加熱し、当該熱可塑性樹脂15を軟化させる。
【0026】
次に、図1(c)に示すように、樹脂15が詰められたハウジング10を計測対象となる鉄筋5の左右(又は前後)から挟みこみ、当該樹脂15が硬化するまでその状態を保持する。なお、樹脂15は約40℃以下になるとゴム状に硬化することが確認できた。
【0027】
本実施例では、ハウジング10から手を離しても当該ハウジング10は落下しないことを確認したが、念のため当該ハウジング10の外周に当該ハウジング10が移動しないように固定する固定装置を用いても構わない。なお、当該固定装置は、バンドなどであっても構わない。
【0028】
このように本実施例では、樹脂15の型どりのために半割り形状のハウジング10を用いることで、はつり部分が狭い場所でも容易に作業ができるため、作業者の負担を軽減できる。なお、ハウジング10の形状は、図1に示すように半割り可能な円筒形状でなくとも縦方向に分割可能であれば良い。すなわち、ハウジング10の形状は、角筒形状であっても良く、縦方向に複数(例えば、3分割)されていてもよい。作業者が、鉄筋5を取り外すことなく熱可塑性樹脂15により当該鉄筋5の型どり作業を容易に行えれば良い。
【0029】
次に、図1(c)、(d)に示すように、前記樹脂15が硬化した後、前記両ハウジング10の境界10aに沿ってカッターを入れて硬化した樹脂15を切断し、当該鉄筋5から鉄筋5の形状が型どりされた樹脂15aを取り出す。
【0030】
次に、図1(e)に示すように、型どりされた樹脂15aの底面とカット面をシールし、液体(例えば、水)を上面まで注入し、その注入した液体の質量から体積を求める。これにより、鉄筋5の腐食率などをコンピュータを用いて計測することができる。
【0031】
さらに、図1(f)に示すように、任意の断面で樹脂15aを切断し、その切断した樹脂15bの画像(断面画像)を2次元スキャナ25によって読み取り、画像解析ソフトを備えたコンピュータを用いて鉄筋5の断面形状を計測する。
【0032】
コンピュータは、例えば、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM、不揮発性メモリ、及び各種処理プログラムやデータを記憶するROM等を備えて構成されている。そして、CPUが例えばROM等に記憶された画像解析処理プログラムを実行(画像解析処理アプリケーションを起動)することにより、鉄筋5等の被計測物の断面形状(実施例1)、粗さ分布及び磨耗度合い(後述する実施例2)を計測するようになっている。
【0033】
なお、本実施例では自然に樹脂15が硬化するのを待ったが、冷水や氷などでハウジング10ごと冷却することでその硬化時間は短縮可能である。
【0034】
このような計測手法によれば、既設構造物の鉄筋の正確な形状の計測が容易に可能であるとともに、腐食度合いを推定することが可能である。
【0035】
次に上記手法で用いた計測装置の一例について説明する。
【0036】
まず、鉄筋5の型どり用に用いられるハウジング10は、円筒状のアルミを縦方向に二分割したものである。また、加熱装置20は、ヒータ21を備え、図1(b)に示すように、当該ヒータ21により半割り形状のハウジング10を加熱することが可能である。樹脂15を当該ハウジング10内に入れて加熱後、樹脂15が軟化したら、当該樹脂15の表面を平らな板などを用いて整形(表面が平らになるように整える)する。本実施例では、樹脂15は、加熱開始から15分で樹脂の表面温度が90℃となり軟化した。
【0037】
ここで、本実施例で測定された結果の有意性を検証した。この検証は、本実施例により型どりされた樹脂を任意の部分で切断した時のスキャナ画像から画像解析ソフトを用いて計測した断面形状の計測値と、同一個所の鉄筋をノギスで測定した実測値と、を比較して行った。この検証は、鉄筋の複数箇所(節のある部分と節のない部分のそれぞれの任意の3ヶ所)において行った。その結果、面積の誤差は最大で2.3%、直径は最大で1.5%と本実施例における計測精度は高く、実用上十分な精度を得ることができることが確認できた。
【0038】
3.実施例2
本実施例は既設構造物の表面の凹凸形状を計測する手法である。以下に本実施例の物体の形状計測手法について図2を用いて説明する。図2は既設構造物の表面の凹凸形状を計測する計測手法を説明するための図である。
【0039】
まず、図2(a)に示すように、既設構造物50の表面の測定すべき領域Rを特定する。
【0040】
次に、例えば充電式ハンドドリル等にワイヤカップブラシを取り付け、測定すべき領域Rに付着している塗装や錆を除去する。なお、測定すべき領域Rに錆(金属部分)や塗装を含まない場合などでは、この工程は必要ない。このような場合には、当該領域Rの埃などを除去するだけで良い。
【0041】
次に、熱可塑性樹脂15を加熱装置により加熱し、当該熱可塑性樹脂15を軟化させる。
【0042】
次に、図2(a)に示すように、当該熱可塑性樹脂15を型どり用として用いられる平板状のアルミ板55に広げて載せ、測定すべき領域Rに押し付け、当該熱可塑性樹脂15が硬化するまでその状態を保持する。なお、既設構造物の一部表面の凹凸形状を計測する場合には、特定した領域の位置や測定すべき断面の位置を後で特定することが困難となるため、測定すべき領域Rにおいて、熱可塑性樹脂15を押し付ける前に、特に測定が必要な個所(例えば、磨耗が激しい個所)に、鉛筆や色つきのペンなどで計測線57を引く(印をつける)ことが好ましい。このようにすれば、図2(b)に示すように、型どりされた熱可塑性樹脂15に、当該線(印)57が裏移りする(転写される)ため、広い範囲での測定において当該型どりした位置の特定が容易となる。また、当該計測線57によって切断すべき断面(計測したい断面)を容易に特定することができる。その結果、本実施例によれば、計測した領域Rを容易に特定でき、且つ計測したい表面の凹凸形状を精度良く計測できる。
【0043】
次に、前記熱可塑性樹脂が硬化した後、アルミ板から測定個所の形状が型どりされた熱可塑性樹脂を取り出す。
【0044】
次に、任意の断面で樹脂を切断し、その切断した樹脂の画像(断面画像)を2次元スキャナによって読み取り、画像解析ソフトを用いて凹凸深さ等断面形状を計測する。
【0045】
なお、本実施例で用いた加熱装置としては、一般的に市販されているホットプレートを用いた。
【0046】
このような計測手法によれば、計測対象となる領域Rの粗さ分布をコンピュータを用いて計測することができる。よって、本実施例により、当該粗さ分布から磨耗度合いをコンピュータを用いて推定することが可能である。
【0047】
4.実施例3
本実施例は既設構造物の付帯設備を計測する手法である。以下に本実施例の物体の形状計測手法について図3を用いて説明する。図2は既設構造物の付帯設備の腐食形状を計測する工程図である。
【0048】
まず、図3(a)に示すように、例えば充電式ハンドドリル等にワイヤカップブラシを取り付け、既設構造物に備え付けられている付帯設備30(金属部分であるボルト31、ナット32、パイプ33など)に付着している錆等を塗装を除去する。
【0049】
次に、熱可塑性樹脂15を加熱装置により加熱し、当該熱可塑性樹脂15を軟化させる。
【0050】
次に、図3(a)、(b)に示すように、熱可塑性樹脂15を、例えばアルミホイルで作成された容器35内に収容し、当該熱可塑性樹脂15を測定すべき付帯設備30の計測すべき領域30aに押し付け、当該熱可塑性樹脂15が硬化するまでその状態を保持する。
【0051】
次に、図3(b)に示すように、前記熱可塑性樹脂15が硬化した後、測定個所(計測すべき領域30a)の形状が型どりされた熱可塑性樹脂15を取り出す
【0052】
次に、図3(c)に示すように、任意の断面で熱可塑性樹脂15を切断し、その切断した熱可塑性樹脂15cの画像(断面画像)を2次元スキャナによって読み取り、画像解析ソフトを備えたコンピュータを用いて凹凸深さ等断面形状を計測する。
【0053】
なお、本実施例では、アンカーボルトの直径を通るような断面でカットした。また、本実施例で用いた加熱装置としては、一般的に市販されているホットプレートを用いた。
【0054】
このような計測手法によれば、既設構造物に備え付けられている付帯設備30等の複雑な形状の部材に対して当該部材の断面計測が容易に可能となる。また、計測結果により、各部材の腐食度合いを推定することが可能である。
【0055】
なお、本願は本実施形態に限定されるものではなく、種々の形態にて実施することが可能である。例えば、本実施例にて用いた2次元スキャナ25の代わりとして、デジタルカメラなど2次元画像をデータとして取得可能な装置(2次元画像取得装置)を用いても構わない。
【符号の説明】
【0056】
5 鉄筋
10 ハウジング
15 熱可塑性樹脂
20 加熱装置
25 2次元スキャナ
30 付帯設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設構造物の計測対象とすべき領域を特定し、
軟化させた熱可塑性樹脂を前記領域に押し付け、
前記熱可塑性樹脂の硬化後、前記領域から当該熱可塑性樹脂を取り出し、
任意の個所において、硬化した前記熱可塑性樹脂を切断し、
前記切断した断面部分を2次元画像取得装置で読み取って、当該断面部分の形状を計測することを特徴とする物体の形状計測方法。
【請求項2】
既設構造物のコンクリートをはつり、計測対象とすべき鉄筋を特定し、
前記鉄筋に付着したコンクリート片や錆を除去して前記鉄筋の全周を露出させ、
分割されたの2つのハウジング内にそれぞれ熱可塑性樹脂を詰め、
前記鉄筋の外周に前記熱可塑性樹脂が詰められた2つのハウジングを組み付けて、
前記熱可塑性樹脂の硬化後、前記両ハウジングの境界に沿って熱可塑性樹脂を切断して硬化した前記熱可塑性樹脂を取り出し、
任意の個所において、硬化した前記熱可塑性樹脂を切断し、
前記切断した断面部分を2次元画像取得装置で読み取って、当該断面部分の形状を計測することを特徴とする物体の形状計測方法。
【請求項3】
型どりされた硬化後の前記熱可塑性樹脂の底面と切断面をシールし、
当該型どりされた熱可塑性樹脂の内部に液体を注入し、
前記液体の質量から体積を求めることを特徴とする請求項2に記載の物体の形状計測方法。
【請求項4】
既設構造物の計測対象とすべき金属部分を含む付帯設備を特定し、
前記付帯設備に付着した錆を除去し、
軟化させた熱可塑性樹脂を前記付帯設備に押し付け、
前記熱可塑性樹脂の硬化後、前記付帯設備から当該熱可塑性樹脂を取り出し、
前記金属部分を含む任意の個所において、硬化した前記熱可塑性樹脂を切断し、
前記切断した断面部分を2次元画像取得装置で読み取って、当該断面部分の形状を計測することを特徴とする物体の形状計測方法。
【請求項5】
平面状の既設構造物の計測対象とすべき領域を特定し、
転写可能な印を前記領域内の前記既設構造物に付け、
軟化させた熱可塑性樹脂を前記領域に押し付け、
前記熱可塑性樹脂の硬化後、前記領域から前記印が転写された当該熱可塑性樹脂を取り出し、
前記印に基づいて硬化した前記熱可塑性樹脂を切断し、
前記切断した断面部分を2次元画像取得装置で読み取って、当該断面部分の形状を計測することを特徴とする物体の形状計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−190739(P2010−190739A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35610(P2009−35610)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(504209655)国立大学法人佐賀大学 (176)
【出願人】(591248223)株式会社計測リサーチコンサルタント (12)
【出願人】(506158496)株式会社K&Tこんさるたんと (4)
【Fターム(参考)】