説明

物体の温度検査のためのシステム及び方法

【課題】物体(10)用の温度測定システムを提供する。
【解決手段】本システムは、複数波長範囲内の放射線を受けるように構成されかつ空間次元を表す第1の軸線(124)及び波長次元を表す第2の軸線(126)を有する二次元形態の検出器(56)のアレイを含む。本システムはまた、物体(10)によって放出された放射線を検出器(56)のアレイ上に集束させるように構成された光学システム(50)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的には温度検査システム及び方法に関し、より具体的には、システムの作動時における冷却部品の非破壊温度検査に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、燃焼セクションに加圧空気を供給する圧縮機を含み、燃焼セクションにおいて、加圧空気は燃料と混合されかつ燃焼されて、高温燃焼ガスを発生するようになる。この燃焼ガスは、下流方向に多段式タービンに流れる。各タービン段は、ホイールから半径方向外向きに延びる複数の円周方向に間隔を置いて配置されたブレードを含み、ホイールは、エンジンの中心軸線の周りで回転するようになったシャフトに締結される。燃焼ガスは、タービンブレードに対して膨脹してホイールを回転させる。ホイールの回転は次に、圧縮機に連結されかつ発電機又はギヤボックスのような負荷装置にも結合することできるシャフトを回転させる。従って、タービンは、高温ガスからエネルギーを抽出して圧縮機を駆動し、また発電する又は飛行中の航空機を推進するような有用な仕事を行う。
【0003】
ガスタービンエンジンの効率は、タービン運転温度を上昇させることによって高めることができることはよく知られている。運転温度を上昇させると、タービンバケットのような一部のエンジン構成部品の温度限界値を超えて、使用寿命の低下又は材料の損傷さえも引き起こす可能性がある。さらに、これら構成部品の大きな熱膨脹及び収縮は、その間隙に悪影響を与え、また他の構成部品との間のその相互取付け関係に悪影響を与える。従って、エンジン運転時にタービンバケットの温度を監視して、それらタービンバケットが長時間にわたってその最高定格温度を超えないことを保証するのが望ましい。
【0004】
タービンブレード温度を監視する一般的方法は、タービンから流出するガスの温度を測定し、このガス温度をバケット温度の指示値として使用することである。タービン出口温度は、熱電対のような1つ又はそれ以上の温度センサを排出ガスストリーム内に設置することによって測定することができる。ブレード温度は、間接的に測定されるので、比較的不正確である。従って、大きな安全マージンを維持しなければならないので、最適なブレード温度を利用することができない。
【0005】
間接的なブレード温度測定の欠点はよく知られており、ブレードの温度を直接測定するための方法が提案されてきた。1つの直接測定方法では、エンジンケーシングの外側に設置されかつケーシング壁に形成したのぞき窓を通してタービンバケットに焦点を当てた視野を有する放射高温計を使用する。従って、加熱タービンバケットによって放出された放射線は、高温計に衝突し、高温計は次に、バケット温度を表す電気信号を発生する。しかしながら、のぞき窓は、エンジン運転時に高温排出ガスに曝され、このことは、のぞき窓を曇らせかつ高温計の読取り値に悪影響を与えがちである。さらに、通常は、バケット表面の光学放射率は未知であり、このことはまた、温度測定値に誤差を持ち込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,698,920 B1号公報
【特許文献2】米国特許第6,786,635 B2号公報
【特許文献3】米国特許第6,796,709 B2号公報
【特許文献4】米国特許第7,281,382 B2号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】JAY GORE; YUDAYA SIVATHANU;ANDREWLLOYD; SABRINA ZHU; JUN JI and YUAN ZHENG; "MINIATURE INFRARED EMISSION BASED TEMPERATURE SENSOR", June 1, 1997 to May 12, 2000 Final Report: Volume 1; Pages 63. Retrieved from the Internet <URL:http://www.clemson.edu/scies/utsr/FinalSR044.pdf>.
【非特許文献2】YUDAYA R. SIVATHANU; JAY P. GORE; YINGJIE ZHU; "Miniature Infrared Emission Based Temperature Sensor and Light-Off Detector", Pages 24. Retrieved from the internet <URL: http://www.netl.doe.gov/publications/proceedings/97/97ats/ats_pdf/ATSP-7.PDF>.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、光学的アクセスの限界、のぞき窓の機能低下及び未知の表面特性の問題を回避しながら利用可能なのぞき窓を通してブレード温度を遠隔的に監視する、
タービンブレード温度を監視する方法を得ることが望ましいと言える。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によると、温度測定システムを提供する。本温度測定システムは、複数波長範囲内の放射線を受けるように構成された二次元形態の検出器のアレイを含み、検出器は、空間次元を表す第1の軸線及び波長次元を表す第2の軸線を有する。本システムはまた、物体によって放出された放射線を検出器のアレイ上に集束させるように構成された光学システムを含む。
【0010】
本発明の別の実施形態によると、物体用の温度測定システムを提供する。本温度測定システムは、複数の波長範囲内の放射線を受けるように構成された二次元形態の検出器のアレイを含み、検出器は、空間次元を表す第1の軸線及び波長次元を表す第2の軸線を有する。本温度測定システムはまた、物体からの放射線を検出器の各々上に集束させるように構成された光学システムを含む。本温度測定システムはまた、モータを有するヨー及びトラバースシステムを含み、モータは、軸線の周りで光学システムを回転させて、検出器のアレイ内に二次元マップを形成する望ましい視野が得られるように構成される。
【0011】
本発明の別の実施形態によると、物体用の温度測定システムを製作する方法を提供する。本方法は、複数の波長範囲内の放射線を受けるように構成されかつ空間次元を表す第1の軸線及び波長次元を表す第2の軸線を有する二次元形態の検出器のアレイを準備するステップを含む。本方法はまた、物体によって放出された放射線を検出器のアレイ上に集束させるように構成された光学システムを設けるステップを含む。
【0012】
本発明のこれらの及びその他の特徴、態様並びに利点は、図面全体を通して同じ参照符号が同様の部品を表す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、一層良好に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態による温度測定システムを用いた例示的なガスタービンエンジンの概略図。
【図2】温度測定システムを用いた、図1におけるガスタービンエンジンの拡大断面図。
【図3】図1の温度測定システムに用いた例示的な光学システムの概略図。
【図4】高圧タービンブレード上における温度測定システムの作動の概略図。
【図5】マルチカラー及びシングルカラー法によって行った絶対温度測定値のグラフ比較。
【図6】温度測定システムを製作する例示的な方法におけるステップを表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
下記により詳細に説明するように、本発明の実施形態は、物体の温度検査のためのシステム及び方法を含む。本明細書に開示したシステム及び方法は、1つの軸線に沿った複数波長の放射線を検出すると同時に垂直軸線における空間要素を検出して運転時における構成部品の正確な温度測定を達成する検出システムを用いる。得られた放射線はさらに、プランクの法則に基づいたマルチスペクトルすなわち複数波長アルゴリズムに当てはめられて(フィッティングして)、絶対温度及び見掛け放射率が得られる。本明細書で使用する場合に、「物体」という用語は、それに限定されないが、タービンブレードを意味する。下記に説明する実施例の多くは回転物体を含むが、本システムは、静止及び回転物体の両方に同様に適用可能である。
【0015】
図面に転じると、図1は、エンジン中心線11の周りに円周方向に配置されかつ直列流れ関係で、参照符号12で示したファンセクション、高圧圧縮機16、燃焼セクション18、高圧タービン20及び低圧タービン22を含む例示的なガスタービンエンジン10である。燃焼セクション18、高圧タービン20及び低圧タービン22は、エンジン10の高温セクションと呼ばれる場合が多い。高圧ロータシャフト24は、駆動関係で高圧タービン20を高圧圧縮機16に連結し、また低圧ロータシャフト26は、低圧タービン22をファンセクション12に駆動連結する。燃料は、燃焼セクション18内で燃焼して、非常に高温のガス流28を生成し、このガス流は、それぞれ高圧及び低圧タービン20及び22を通して導かれてエンジン10を駆動する。光学システム50が、ガスタービンエンジン10に対して結合される。光学システム50は、例えば高圧タービン20のブレードのようなガスタービンエンジン10の部品を含む視野内に、放出された放射線ビーム54を導く。特定の実施形態では、光学システム50は、レンズ及びミラーの組立体、又は光ファイバケーブルを含む。
【0016】
放射線ビーム54はさらに、検出器システム56上に入射する。検出器システム56は、放射線ビーム54を異なる波長のビーム58に分割する。ビーム58はさらに、複数検出器60上に入射し、複数検出器60は、ビーム58を表す出力信号62を発生する。出力信号62は、該信号62をデジタル化するアナログ−デジタル変換器64に送信されて、デジタル信号66が形成される。デジタル信号66はさらに、プロセッサ68に入力され、プロセッサ68は、見掛け放射率スペクトル及び対応する温度を計算する。
【0017】
本発明は、本発明の処理タスクを実行するためのあらゆる特定のプロセッサに限定されるものではないことに注目されたい。「プロセッサ」という用語は、その用語を本明細書で使用する場合には、本発明のタスクを実行するのに必要な算定又は計算を実行することができるあらゆる機械を意味することを意図している。「プロセッサ」という用語は、構造化入力を受取りかつ規定のルールに従って該入力を処理して出力を生成することができるあらゆる機械を意味することを意図している。本明細書で使用する場合における「〜するように構成された」という語句は、当業者には分かるように、プロセッサが本発明のタスクを実行するためのハードウェア及びソフトウェアの組合せを備えることを意味することにも注目されたい。
【0018】
図2は、タービンベーン30及びタービンブレード32を有する、図1における高圧タービン20の拡大断面図を示している。例示的な翼形部34は、タービンベーン30及びタービンブレード32のいずれか又は両方において使用することができる。翼形部34は、高温ガス流28に曝される高温ウェット表面38を備えた外壁36を有する。タービンベーン30及び多くのケースにおいてタービンブレード32は、ファン或いは1つ又はそれ以上の圧縮機段から送られた空気によって冷却されることが多い。光学システム50が、翼形部34の全領域が光学的視野71の範囲内に含まれるようにエンジン10に対して取付けられる。図1で説明したように、異なる波長のビーム58が、2D形態の検出器72のアレイ上に入射する。検出器アレイ72は、1つの軸線74に沿った空間要素及び別の軸線76に沿ったスペクトル波長要素を含む。この例示的な実施形態では、空間要素はRからほぼRまで変化し、一方、波長はλからほぼλまで変化する。特定の実施形態では、モータを有するヨー及びトラバースシステムが、軸線の周りで光学システム50を回転させて、検出器のアレイ72内に二次元マップを形成する望ましい光学的視野71が得られるようになる。別の実施形態では、静止物体における初期位置から、視野71を方向移動させる。
【0019】
図3は、例示的な光学システム90の概略図である。光学システム90は、物体(図示せず)から受けた放射線ビーム94を異なる波長のビーム96に分割するゲート92を含む。ビーム96は、複数検出器98上に入射し、複数検出器98は、異なる波長を表す信号100を出力する。検出器98の各々は、軸線に沿った空間要素及び垂直軸線に沿った波長要素を含む検出器の二次元アレイである。例示的な実施形態では、検出器98は、受けた放射線を選択的にフィルタ処理する複数フィルタを含む。別の実施形態では、検出器98は、ガス吸収作用が大きくない約0.6マイクロメートル及びそれよりも大きい波長範囲内の放射線を受ける。
【0020】
図4は、タービンシステム上への二次元マッピングを含む検出システムの作動の概略図である。この図示した実施形態では、ブレード112、114及び116は、紙面の内側の方向118に回転している。3つよりも多いブレードもまた、用いることができることに注目されたい。光学システム(図示せず)は、ブレード112、114及び116が光学的視野の範囲内に位置するように整列される。ブレード112、114及び116の回転時に、ブレードの各々について、視野120の平面121に沿った複数スポットにおいて特定の瞬間に信号収集が行われる。光学的視野120の範囲内に、二次元マップ122が形成される。ブレード112、114及び116の空間情報は、軸線124に沿って収集され、一方、スペクトル情報は、軸線124に対して垂直な軸線126に沿って収集される。この図示した実施形態では、軸線124は、R〜Rの範囲にある空間要素に関する情報を含むピクセルに分割され、また軸線126は、ほぼλ〜ほぼλの範囲にある波長に関する情報を含むピクセルに分割される。1つの実施形態では、検出器は、1回転で全てのブレードがサンプリングされるようにサンプリングする。非限定的な実施例では、検出器は、1MHzでサンプリングする。特定の実施形態では、信号収集はストローブにより行われる。別の実施形態では、サンプリングデータは、位相ロックされる。検出器から得られたスペクトル信号はさらに、プロセッサ(図1)に入力されて、ブレードの見掛け放射率及び絶対温度が計算される。特定の実施形態では、スペクトル信号は、プランクの法則のフィッティングルーティンに入力されて、放射率及び絶対温度が計算される。
【0021】
図5は、マルチカラー及びシングルカラー法によって測定した絶対温度のグラフ比較150である。X軸152は、熱電対の読取り値(測定値)を°Fで表し、一方、Y軸154は、マルチカラー又はシングルカラー法で測定した温度を表している。曲線156は、熱電対を使用したベースライン測定値を示している。曲線158は、最適光学経路の状態でマルチカラー法によって行った温度測定値を表し、また曲線160は、低下光学経路の状態でマルチカラー法によって行った温度測定値を表している。本明細書で使用する場合に、「低下した」という用語は、厳しい環境条件のため曇った視野のような光学システムにおける変化を意味する。図示したように、曲線160は、厳しい環境条件の存在下での正確な温度測定値を示しており、従って目標の不確実さの範囲内でロバスト性を示している。同様に、曲線162及び164は、それぞれ最適光学経路(及び既知の目標放射特性)及び低下光学経路の状態でシングルカラー法を用いて測定した温度を示している。シングルカラー法はまた、推定放射率を用いている。曲線164は、低下光学経路での温度測定値の大きな誤差を示しており、従って厳しい環境条件では低下光学経路は望ましくないものになる。
【0022】
図6は、物体用の温度測定システムを製作する例示的な方法180におけるステップを表すフローチャートである。本方法180は、ステップ182において、複数の波長範囲内の放射線を受けるように構成された二次元形態の検出器のアレイを準備するステップを含み、その場合に、検出器のアレイは、空間次元を表す第1の軸線及び波長次元を表す第2の軸線を有する。ステップ184において、物体によって放出された放射線を二次元検出器のアレイ上に集束させるような光学システムが設けられる。
【0023】
従って、上記した温度検査のためのシステム及び方法の様々な実施形態では、運転時に物体の絶対温度を正確に測定するための高速オンラインかつ非侵入型のマルチカラー完全現場検出が可能になる。これらの方法及びシステムはまた、温度及び見掛け放射率測定のために複数波長の熱放射線のオンライン検知を可能にする。さらに、オンライン温度計算により、フィルム孔閉塞、構成部品温度性能の局所的及び全体的変動或いはそれらの変化をモニタすることが可能になって、部品間温度変化データ及び設置時から実使用終了までの温度性能履歴が得られる。さらに、本方法により、一層高品質のタービン信頼性及び運転性がもたらされ、従って契約上の使用協定が保護されかつオペレータ自由度及び機械運転性における向上が得られる。最新式リアルタイムタービン診断すなわち累積的損傷診断と組合さったオンライン温度測定により、個々の構成部品及び全体機械寿命の向上及び改善が可能になる。
【0024】
当然ながら、上記した全てのそのような目的又は利点は、あらゆる特定の実施形態により必ずしも達成することができるというわけではないことを理解されたい。従って、例えば本明細書に記載したシステム及び方法は、本明細書で教示又は暗示することができるその他の目的或いは利点を必ずしも達成しない状態で、本明細書で教示したような1つの利点又は一群の利点を達成又は最適化する方法で具現化し或いは実行することができることは当業者には分かるであろう。
【0025】
さらに、当業者には、異なる実施形態から様々な要素の互換性が理解されるであろう。例えば、1つの実施形態に関して説明したヒ化インジウムガリウムベース検出器の使用は、別の実施形態に関して説明した静止物体で使用するようにすることができる。同様に、当業者は、記載した様々な特徴並びに各特徴におけるその他の公知の均等物を、本発明の原理により組合せかつ調和させて付加的システム及び方法を構成することができる。
【0026】
本明細書では、本発明の一部の特徴のみを図示しかつ説明してきたが、当業者には多くの修正及び変更が想起されるであろう。従って、特許請求の範囲は、本発明の技術思想の範囲内に属する全てのそのような修正及び変更を保護しようとするものであることを理解されたい。
【符号の説明】
【0027】
10 ガスタービンエンジン
11 エンジン中心線
12 ファンセクション
16 高圧圧縮機
18 燃焼セクション
20 高圧タービン
22 低圧タービン
24 高圧ロータシャフト
26 低圧ロータシャフト
28 高温ガス流
30 タービンベーン
32 タービンブレード
50 光学システム
54 放射線ビーム
56 検出器システム
58 ビーム
60 複数検出器
62 出力信号
64 アナログ−デジタル変換器
66 デジタル信号
68 プロセッサ
71 光学視野
72 検出器のアレイ
90 光学システム
92 ゲート
94 放射線ビーム
96 ビーム
98 検出器
100 異なる波長を表す信号
112 ブレード
114 ブレード
116 ブレード
118 紙面の内側の方向
120 光学視野
122 二次元マップ
124 軸線
126 軸線124に対して垂直な軸線
150 グラフ比較
152 X軸は熱電対読取り値を°Fで表す
154 Y軸はマルチカラー又はシングルカラー法によって測定した温度を表す
156 曲線は熱電対を使用したベースライン測定値を示す
158 曲線は最適光学経路の状態でマルチカラー法によって行った温度測定値を表す
160 低下光学経路の状態でマルチカラー法によって行った温度測定値
162 曲線はシングルカラー法を用いて測定した温度を示す
164 曲線はシングルカラー法を用いて測定した温度を示す
180 物体用の温度測定システムを製作する方法
182 複数の波長範囲内の放射線を受けるように構成された二次元形態の検出器のアレイを準備するステップ
184 物体によって放出された放射線を検出器のアレイ上に集束させるように構成された光学システムを設けるステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体(10)用の温度測定システムであって、
複数の波長範囲内の放射線を受けるように構成されかつ空間次元を表す第1の軸線(124)及び波長次元を表す第2の軸線(126)を有する二次元形態の検出器(56)のアレイと、
前記物体によって放出された前記放射線を前記検出器のアレイ上に集束させるように構成された光学システム(50)と、を含む、
温度測定システム。
【請求項2】
前記検出器(56)が、0.6マイクロメートル及びそれよりも大きい波長範囲内の放射線を受けるように構成される、請求項1記載の温度測定システム。
【請求項3】
前記検出器(56)が、3つ又はそれ以上の検出器を含む、請求項1または2に記載の温度測定システム。
【請求項4】
前記物体(10)が、静止物体又は回転物体である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の温度測定システム。
【請求項5】
前記回転物体が、ガスタービンブレードを含む、請求項4記載の温度測定システム。
【請求項6】
物体(10)用の温度測定システムであって、
複数の波長範囲内の放射線を受けるように構成されかつ空間次元を表す第1の軸線(124)及び波長次元を表す第2の軸線(126)を有する二次元形態の検出器(56)のアレイと、
前記物体(10)からの放射線を前記検出器のアレイの各々上に集束させるように構成された光学システム(50)と、
モータを含むヨー及びトラバースシステムと、を含み、
前記モータが、前記軸線の周りで前記光学システム(50)を回転させて、前記検出器(56)のアレイ内に二次元マップ(122)を形成する望ましい視野が得られるように構成される、
温度測定システム。
【請求項7】
前記検出器(56)が、ヒ化インジウムガリウムベース検出器、シリコンベース検出器、拡張ヒ化インジウムガリウムベース検出器及び鉛アンチモンベース検出器からなる群から選択される、請求項6記載の温度測定システム。
【請求項8】
前記検出器(56)で受けた前記放射線を選択的にフィルタ処理するように構成された複数のフィルタをさらに含む、請求項6または7に記載の温度測定システム。
【請求項9】
前記検出器(56)の各々から強度データを受けかつ該強度データに基づいて前記物体(10)の温度プロフィールを決定するように構成されたプロセッサ(68)をさらに含む、請求項6乃至8のいずれか1項記載の温度測定システム。
【請求項10】
物体用の温度測定システムを製作する方法(180)であって、
複数の波長範囲内の放射線を受けるように構成されかつ空間次元を表す第1の軸線及び波長次元を表す第2の軸線を有する二次元形態の検出器のアレイを準備するステップ(182)と、
前記物体によって放出された前記放射線を前記検出器のアレイ上に集束させるように構成された光学システムを設けるステップ(184)と、を含む、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−276347(P2009−276347A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−115066(P2009−115066)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】