説明

物品の画像表示ラベル作成装置

【課題】 商品画像の撮影からラベル作成までを一連の作業として、一つの装置を用いて容易に操作できる物品の画像表示ラベル作成装置を提供する。
【解決手段】 物品を撮影して画像情報を生成する撮影手段と、物品に関する書誌的事項を入力する書誌的情報入力手段と、前記画像情報と書誌的情報とを同じ画像表示ラベルに形成する画像形成手段とを備えた物品の画像表示ラベル作成装置において、前記撮影手段は画像表示ラベル作成装置自体またはその付属品上に連結されたことを特徴とする物品の画像表示ラベル作成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売り場で平積みされトレーや箱、袋等の包装体内に収納される加工食品、青果物や魚介類等の農水産物、建材やねじ等の工業産品の画像を棚ラベルや値付けラベルの外表面に表示するための物品の画像表示ラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の陳列棚に商品の画像と、商品の値段、品目、品種、等級、数量、生産者名などの書誌的情報を表示した棚ラベルや値付ラベルを貼付して用いている。
【0003】
このような物品の画像表示ラベルを作成するには、予め商品の写真がプレ印刷されたラベルに必要な書誌事項をラベルプリンタで印字して作成するか、電子式スチルカメラ等で撮影した商品の画像データをパソコンに取り込み、画像の大きさ、貼り付け位置等を調整、加工してカラープリンタで印刷していた(特許文献1)。
【特許文献1】特開平07−037000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然るに上述した従来の技術では、撮影した商品の画像データをパソコンに取り込み、画像の大きさを調整したり、画像の周辺部分の不要箇所を切り取り(トリミング)したり、貼り付け位置等を調整する作業が繁雑で時間がかかり、タイムリーに商品陳列を行ったり、変更するのに不便であった。
【0005】
本発明は上記従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、商品画像の撮影からラベル作成までを一連の作業として、一つの装置を用いて容易に操作できる物品の画像表示ラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の発明が採用する構成の特徴は、物品を撮影して画像情報を生成する撮影手段と、物品に関する書誌的事項を入力する書誌的情報入力手段と、前記画像情報と書誌的情報とを同じ画像表示ラベルに形成する画像形成手段とを備えた物品の画像表示ラベル作成装置において、前記撮影手段は画像表示ラベル作成装置自体またはその付属品上に連結されたことにある。
【0007】
第二の発明では、前記画像形成手段が、書誌的情報と画像情報から画像表示ラベルの画像を合成するに際して、前記画像情報が画像表示ラベルの画像の範囲内に収まるように大きさを変更する自動調整手段を備えることができる。
【0008】
第三の発明では、前記画像情報が画像表示ラベルの画像の範囲内に収まるように、画像情報を書誌的情報の下側に隠すオーバーレイ機能を備えることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一つの装置を操作して、商品画像の撮影からラベル作成までが一連の作業として、容易に操作できる。
【0010】
また、第二、第三の発明により、値付品の画像の編集作業を大幅に省略でき、値付品の画像表示ラベル作成を簡略化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1〜図6は本発明の実施の形態を示す。
【0012】
図1は、ラベルプリンタ1の概略の構成を示す構成図であり、該ラベルプリンタ1は、値付品の書誌的事項を入力する書誌的情報入力手段としての操作表示部2と、値付品を撮影する撮影手段としての電子式スチルカメラ3とを備え、前記電子式スチルカメラ3は自由雲台(ball head)を介してラベルプリンタ1に本体内接続されている。
【0013】
前記操作表示部2には、キーボード、タブレット、ジョイスティックなどの書誌的情報入力部と撮影ボタン(いずれも不図示)、液晶ディスプレイパネルなどの表示部5が設けられ、表示部5には前記電子式スチルカメラ3で撮影した値付品8の画像情報7と前記書誌的情報入力部で入力した書誌的情報6とを同時に表示し、同じ棚ラベル9に形成するようになっている。
【0014】
図2は、ラベルプリンタ1の操作手順を示すフローチャートであり、まず操作者は前記操作表示部2に書誌的事項の入力を行い、値付品8の撮影を行う(なお、この順序は逆でもよい)。
【0015】
次いで、前記撮影で得られた値付品画像の、ラベルの枠罫線情報への嵌め込みを行う。
前記枠罫線は、ラベルプリンタ1で印刷が可能なラベル画像の最外縁と一致しており、画像情報の周辺部が前記枠罫線からはみ出した場合、このはみ出した部分は印刷がされないようになっている。
【0016】
そして、前記画像嵌め込み方法は、操作表示部2の操作により、後述する2つの態様から選択可能になっており、枠罫線情報と書誌的情報と画像情報から画像表示ラベルの画像を合成し、画像ラベル9の印字を行う。
【0017】
次に、図3ないし図6により、前記画像嵌め込み工程について説明する。
まず、図3および図4は第一の態様を示し、前記値付品の撮影工程において、値付品の画像情報10がラベルプリンタ1内に取り込まれると、この画像情報10が枠罫線5内に収まるように、画像の大きさを縦横等倍率で自動的に拡大縮小変更するものである。この方法によれば、画像の編集を書略しても画像を枠内の中央に余裕をもって表示できる。
【0018】
一方、図5および図6は第二の態様を示し、前記値付品の撮影工程において、値付品の画像情報10がラベルプリンタ1内に取り込まれると、この画像情報10が枠罫線内に収まるように、画像情報を枠罫線情報の下側に隠すオーバーレイ機能を備えている。この方法によれば、不要な情報である画像周辺部のトリミングが省略できる利点がある。
【0019】
なお、図3ないし図6中の符号11は、オーバーレイとして画像10上に表示可能な書誌的情報である。例えば画像10が黒っぽい場合には白抜き文字で、画像10が白っぽい時には黒文字で、画像上に書誌的情報を表示することができる。例えば図4では南瓜の画像10の上に「無農薬有機栽培」の文字を表示しており、図6ではホタテ貝の画像10の上に「刺身生食用」の文字を表示している。
【0020】
尚、本発明の物品の画像表示ラベル作成装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の画像表示ラベル作成装置は、棚札や値付ラベル以外にも、素材と応用例(例えば、調理例や組立例)とか、製品と原材料の関係を画像表示して販売促進用ラベルの作成にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ラベルプリンタの概略構成図である。
【図2】ラベルプリンタの操作手順を示すフローチャート
【図3】画像嵌め込み行程の第一の態様を示す説明図である。
【図4】第一の画像嵌め込み態様により形成される画像ラベルのイメージ図である。
【図5】画像嵌め込み行程の第二の態様を示す説明図である。
【図6】第二の画像嵌め込み態様により形成される画像ラベルのイメージ図である。
【符号の説明】
【0023】
1…ラベルプリンタ、2…操作表示部、3…電子式スチルカメラ(撮影手段)、4…自由雲台、6…書誌的情報、7…画像情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を撮影して画像情報を生成する撮影手段と、物品に関する書誌的事項を入力する書誌的情報入力手段と、前記画像情報と書誌的情報とを同じ画像表示ラベルに形成する画像形成手段とを備えた物品の画像表示ラベル作成装置において、前記撮影手段は画像表示ラベル作成装置自体またはその付属品上に連結されたことを特徴とする物品の画像表示ラベル作成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段が、書誌的情報と画像情報から画像表示ラベルの画像を合成するに際して、前記画像情報が画像表示ラベルの画像の範囲内に収まるように大きさを変更する自動調整手段を備えた請求項1に記載の物品の画像表示ラベル作成装置。
【請求項3】
前記画像形成手段が、書誌的情報と画像情報から画像表示ラベルの画像を合成するに際して、前記画像情報が画像表示ラベルの画像の範囲内に収まるように、画像情報を書誌的情報の下側に隠すオーバーレイ機能を備えた請求項2に記載の物品の画像表示ラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−119795(P2009−119795A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298518(P2007−298518)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】