説明

物品仕分け棚

【課題】容器の姿勢を自在に変えることができ、作業性を向上でき、また容器の棚への設置・搬出時の作業者の負担を軽減できる物品仕分け棚を提供することを目的とする。
【解決手段】集品容器13を収納する棚は、前面棚板25、丸棒加工棚板27の丸棒30、およびこれら前面棚板25と丸棒加工棚板27の丸棒30間の空間部26から形成され、集品容器13の前端部が空間部26に落し込まれると、前面棚板25および丸棒加工棚板27の丸棒30により、集品容器13の取り扱い作業姿勢(容器の傾斜角度)が変更自在に支持される。したがって、初期に集品容器13に対して商品12を投入するとき(あるいは容器から商品を取り出すとき)、傾斜角度を大きくすることにより、集品容器13の上面がよく見えて、投入し易くでき(あるいは取り出しやすくでき)、集品容器13が商品12で満杯なほど、傾斜角度を戻すことで、商品12がこぼれないようにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各仕分け先が割り付けられた容器、または仕分ける物品が収納された容器が収容される物品仕分け棚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の物品仕分け棚の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示されている物品仕分け棚は、商品が投入される容器が載置される、傾斜した商品投入容器載置台と、次に商品が投入される容器が載置される、水平な移動待機容器載置台と、両容器載置台の下方に配置され空の容器を載置しておくための傾斜した空容器載置台とから構成されている。また商品投入容器載置台は、商品投入を容易にするため、前方が低くなるように傾斜するとともに、下段のものほど上段のものよりも前方へ突出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−331275号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この物品仕分け棚では、商品投入を容易にするため、前方が低くなるように傾斜した商品投入容器載置台が開示されているが、単に前方が低くなるように傾斜しているだけでは、容器の姿勢が変わらないために、上段の容器ほど容器の中を上から覗くことが出来ずに、商品を入れにくく作業性が悪くなることがあった。
【0005】
そこで、本発明は、作業者が容器の姿勢を自在に変えることができ、作業性を向上でき、さらに容器の棚への設置時および棚からの搬出時の作業者の負担を軽減できる物品仕分け棚を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、各仕分け先が割り付けられた容器、または仕分ける物品が収納された容器がそれぞれ収容される複数の間口を有する棚が配置された物品仕分け棚であって、前記棚を、前記容器に対して物品を取り扱う前方に配置する前記容器の第1支持部と、後方に配置する第2支持部とにより形成し、これら支持部間に空間部を設け、前記容器の前端部が前記空間部に落し込まれると、前記第1支持部および第2支持部により、前記容器の取り扱い作業姿勢が変更自在に支持されることを特徴とするものである。
【0007】
上記構成によれば、容器を収納する棚は、容器の第1支持部、第2支持部、およびこれら支持部間の空間部から形成され、容器の前端部が空間部に落し込まれると、第1支持部および第2支持部により、容器の取り扱い作業姿勢(容器の傾斜角度)が変更自在に支持される。したがって、初期に、容器に対して物品を投入するとき、あるいは容器から物品を取り出すとき、容器の傾斜角度を大きくすることにより、容器上面がよく見えて、投入し易く、あるいは取り出しやすくでき、容器が物品で満杯なほど、容器の傾斜角度を戻すことで、物品がこぼれないようにできる。
【0008】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記第2支持部を、前後方向に配置された線材(丸棒)を、前後方向とは直角な左右方向に複数本並べて構成し、前記各線材の前端を前記第1支持部と同じ高さとし、後端を前端より高くして傾斜させたことを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、容器の前端部は空間部に落し込みされ、第1支持部および第2支持部の線材により支持される。このとき、容器は前方へ傾斜し、さらに第2支持部の線材の前端は第1支持部と同じ高さとしており、容器は、第1支持部と線接触し、第2支持部の線材の前端と点接触していることにより、容器の傾斜角度、すなわち容器の取り扱い作業姿勢は容易に自在に変更可能となる。したがって、例えば、初期に容器に対して物品を投入するとき、傾斜角度を大きくすることにより、容器上面がよく見えて、投入し易くでき、容器が物品で満杯に近づくほど、傾斜角度を戻すと、物品がこぼれないようになる。
また作業者は、容器の前端底部を第1支持部に載せて、後方へ倒すと、容器の後端底部は、第2支持部により支持されるが、このとき、第2支持部は複数の線材から構成され、傾斜していることから、容器の奥側の後端底部の角部は線材に点接触する。したがって、容器の前端部を空間部に落し込むように押し込むとき、容器の後端底部の角部と第2支持部との間の抵抗は少なく、容易に、容器は滑りながら擦って移動し、よって作業者の負担は軽減される。
また棚から容器を取り出すとき、作業者は、容器の前端部を空間部から第1支持部に載せるが、このとき、容器の後端底部の角部は線材に点接触し、したがって、容器を引くとき、容器の後端底部の角部と第2支持部との間の抵抗は少なく、容易に、容器は滑りながら擦って移動し、よって作業者の負担は軽減される。
【0010】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記容器の前後方向の長さ、および前記容器前面の高さ方向の長さは、前記空間部の前後方向の幅より長いことを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、前記容器の前後方向の長さ、および前記容器前面の高さ方向の長さは、前記空間部の前後方向の幅より長くされる。よって、容器の前端部が空間部に落し込まれても、容器が空間部より落ちることが防止されるとともに、容器が空間部に嵌って持ち上げることができなくなる恐れが回避され、また容器の前端部を空間部に入れやすくなる。
【0012】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記第1支持部の前後方向の幅を、前記容器の前端部が載置可能な幅とし、第1支持部を、前記容器全体の自重を支持でき、容器を滑らせても磨耗しない素材により構成したことを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、第1支持部の幅は、容器の前端部が載置可能な幅であり、容器の取り扱い時に容器の前端部が載せられる。また容器の取り扱い時には、容器の前端部が第1支持部を擦ることから、十分な強度と、滑りやすさが求められ、容器全体の自重を支持でき、容器を滑らせても磨耗しない素材とすることにより、その機能が満足される。
【0014】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記空間部の前後方向の幅を、可変としたことを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、空間部の幅は、容器毎の前後方向の幅に応じて可変され、また容器に求められる傾斜角度に応じて可変される。
【0016】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記棚が複数、上下段に配置され、各段において、前記棚の前端に対して後端が高くなるように傾斜する角度を、可変としたことを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、棚は、下段ほど傾斜角度が小さいと、容器の中が見やすくなり、上段ほど傾斜角度を大きいと、容器の中が見やすくなる。棚の高さ位置(段数)に応じて、傾斜角度が調整される。
【0018】
また請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明であって、少なくとも最下段の棚において、前記第1支持部と第2支持部の前後位置を可変としたことを特徴とするものである。
【0019】
上記構成によれば、棚は、下段ほど前方へ移動されると、容器の中が見やすくなることから、少なくとも、第1支持部と第2支持部の前後位置を可変して、前方への移動を可能とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の物品仕分け棚は、容器の取り扱い作業姿勢(容器の傾斜角度)を変更できることにより、初期に、容器に対して物品を投入するとき、あるいは容器から物品を取り出すとき、容器の傾斜角度を大きくすることにより、容器の上面がよく見えて、投入し易く、あるいは取り出しやすくでき、容器が物品で満杯なほど、容器の傾斜角度を戻して、物品がこぼれないようにできる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態における物品仕分け設備の正面図である。
【図2】同物品仕分け設備の側面図である。
【図3】同物品仕分け設備の仕分け棚中央部の図であり、(a)は中央部全体の斜視図、(b)はスライド棚を前方へ開いたときの斜視図である。
【図4】同物品仕分け設備の間口の斜視図である。
【図5】同物品仕分け設備のシャッター付き表示器の図であり、(a)は斜視図、(b)は動作説明図である。
【図6】同物品仕分け設備の間口における集品容器の設置・搬出と、角度変更の動作を説明する図であり、(a)は集品容器の設置・搬出の説明図、(b)は集品容器の角度変更を深くしたときの説明図、(c)は集品容器の角度変更を浅くしたときの説明図である。
【図7】同物品仕分け設備の液晶表示パネルに表示される仕分け設定画面図である。
【図8】同物品仕分け設備の制御構成図である。
【図9】同物品仕分け設備のデータを示す図であり、(a)は仕分け要求データ、(b)は収納容器データ、(c)は仕分けデータである。
【図10】同物品仕分け設備のコントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図11】同物品仕分け設備の動作を順に説明する説明図である。
【図12】同物品仕分け設備の動作を順に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における物品仕分け設備の仕分け棚の正面図、図2は同物品仕分け設備の仕分け棚の側面図である。
【0023】
図1において、11は、各仕分け先が割り付けられ、商品(物品の一例)12を仕分けする集品容器13がそれぞれ収納される複数(図では12)の間口14を左右に振り分けて有する仕分け棚(物品仕分け棚)であり、図1および図3に示すように、仕分け棚11内には、中央上部にコンピュータからなるコントローラ(管理手段の一例)15が設けられ、また中央部でコントローラ15の下方に、キーボード16を載せたキーボード用吊り棚16aと、液晶表示パネル17およびこの液晶表示パネル17の表示画面上に形成されたタッチパネル18からなる液晶表示装置19と、持ち運び可能なバーコードの無線式スキャナ20と、固定されたバーコードの有線式スキャナ21が設けられ、さらに中央下部に、前方へスライドするスライド棚23が設けられている。
【0024】
[間口] 前記間口14は、図1に示すように、中央部のキーボード16、液晶表示装置19、無線式スキャナ20、有線式スキャナ21、コントローラ15等を挟んで、左右それぞれに上下2段の棚24に3列に配置されており、すなわち左右にそれぞれ6個の間口14が配置されている。
また間口14が配置される2段の棚24の上方、すなわち仕分け棚11の上段には、集品容器13に集品した商品12の緩衝材等が予め貯留される棚24が設けられている。
【0025】
[棚] 上下に配置された各段の棚24は、図2および図4に示すように、集品容器13へ商品12を投入する前方に配置された前面棚板(第1支持部の一例)25,25’と、空間部26を空けて後方に配置された丸棒加工棚板(第2支持部の一例)27とから形成されている。また丸棒加工棚板27には、前後方向と直角な左右方向に、各間口14を仕切る仕切り板28が設けられている。また仕分け棚11の上段と中段の棚24の前面棚板25は、後部が下方へ折り曲げられた断面L字状に形成され、また下段の棚24の前面棚板25’は、角柱状に形成されている。なお、下段の棚24の前面棚板25’は、集品容器13の前部が載置可能な幅であればよく、角棒あるいは丸棒であってもよい。
【0026】
また各棚24は、図2に示すように、棚24の前端に対して後端が高くなるように傾斜しており、その傾斜角度を可変可能、調整して可変とし、下段の傾斜角度を10゜、中段および上段の傾斜角度を15゜に調整している。棚24は、下段ほど傾斜角度が小さくすると、集品容器13の中が見やすくなり、上段ほど傾斜角度を大きくすると、集品容器13の中が見やすくなる。棚24の高さ位置(段数)に応じて、傾斜角度が調整される。
【0027】
また図2に示すように、少なくとも下段の棚24の前面棚板25’、空間部26、および丸棒加工棚板27の前後位置を可変可能、調整して可変とし、中段の棚24の前面棚板25、空間部26、および丸棒加工棚板27より前面に移動させ、下段の各間口14(棚24)に収納される集品容器13の開口部がよく見えるように構成されている。
【0028】
前記丸棒加工棚板27は、前端を前面棚板25,25’の水平部と同じ高さとし、後端を前面棚板25,25’の水平部より高くした所定の角度(10゜〜20゜)で傾斜しており、この角度で左右に配置された前後一対の断面L字状の角材29と、一対の角材29に対して前後方向に配置され、左右方向に所定間隔を空けて並べた複数本のステンレス製の丸棒(線材の一例)30から構成されている。この構成により、丸棒30の前端が前面棚板25,25’(水平部)と同じ高さとされ、後端が前面棚板25,25’(水平部)より高くされ、丸棒30は、前記所定の角度(10゜〜20゜)で傾斜している。また丸棒30の間隔は、収納姿勢によるが、左右方向の集品容器13を少なくとも3本の丸棒30で支えるように設定される。
【0029】
また前記上段と中段の前面棚板25は、集品容器13の前部が載置可能な幅であればよく、丸棒でも可能であるが、後述する誤投入防止シャッター付表示器(以下、シャッター付表示器と称す)41が集品容器13の設置・搬出により損傷されることを防止するようにシャッター付表示器41の上方をガードする機能が要求されており、そのために断面L字状とし、シャッター付表示器41の本体42の上方と後方を覆う形状および幅(前後の幅)に設定されている。
また前面棚板25,25’は、集品容器13の設置・搬出時に、集品容器13により常に擦られるために、前面棚板25,25’には滑りがよく、十分な強度を有する、例えばステンレス製(集品容器13全体の自重を支持でき、集品容器13を滑らせても磨耗しない素材の一例)の板を使用している。
【0030】
また前記空間部26は、集品容器13の一部の前端底部の角部を落としこむために設けられており、集品容器13の前後方向の長さ(幅)、および集品容器13前面の高さ方向の長さは、空間部26の前後方向の幅(寸法)より長くされている。これにより、集品容器13の前端部が空間部26に落し込まれても、集品容器13が空間部26より落ちることが防止されるとともに、集品容器13が空間部26に嵌って上がらなく恐れが回避され、また集品容器13の前端部を空間部26に入れやすくされている。また丸棒加工棚板27を前後方向に変更可能とすると、空間部26の前後方向の幅(寸法)を変更することができる。すなわち、空間部26の前後方向の幅を可変可能、調整して可変できる。
上記棚24(間口14)の構成により、図6に示すように、集品容器13の設置・搬出を容易とし、傾斜角度の変更を容易とすることができる。すなわち、商品12の取り扱い作業(投入作業と取り出し作業)によって、集品容器13の前端部が空間部26に落し込まれると、前面棚板25(25’)と丸棒加工棚板27により、集品容器13の取り扱い作業姿勢(傾斜角度)が変更自在に支持されている。
【0031】
集品容器13の設置・搬出時の作用を、図6(a)を参照しながら説明する。
棚24(間口14)に集品容器13を入れるとき、作業者は、集品容器13の前端底部を前面棚板25(25’)に載せて、後方へ倒すと、集品容器13の後端底部は、丸棒加工棚板27の丸棒30により支持される。このとき、丸棒30は傾斜していることから、集品容器13の奥側の後端底部の角部は丸棒30に点接触する。したがって、集品容器13の前端部を空間部26に落し込むように押し込むとき、集品容器13の後端底部の角部と丸棒30(丸棒加工棚板27)との間の抵抗は少なく、軽い力で、集品容器13は滑りながら擦って後方へ移動される。
【0032】
また棚24(間口14)から集品容器13を取り出すとき、作業者は、集品容器13の前端部を空間部26から持ち上げて前面棚板25(25’)に載せる。このとき、集品容器13の後端底部の角部は丸棒30に点接触し、したがって、集品容器13を引くとき、集品容器13の後端底部の角部と丸棒30(丸棒加工棚板27)との間の抵抗は少なく、軽い力で、集品容器13は滑りながら擦って前方へ移動される。
【0033】
このように、集品容器13の設置・搬出時、集品容器13の後端底部の角部を丸棒加工棚板27の丸棒30上に点接触させることにより接地面積が減り、よって集品容器13を押し引きするときの抵抗が減り、作業者の負担を軽減できる。
【0034】
また集品容器13の傾斜角度の変更を、図6(b),(c)を参照しながら説明する。
図6(b),(c)に示すように、集品容器13の前端底部の角部を空間部26に落とし込むと、集品容器13は前方へ傾斜し、さらに丸棒加工棚板27の丸棒30の前端は前面棚板25(25’)と同じ高さとしていることにより、集品容器13は前面棚板25(25’)と線接触し、丸棒加工棚板27の丸棒30と点接触しており、集品容器13の傾斜角度は、作業者の意思により容易に変更可能となる。図6(b)に示すように、傾斜角度を大きくすると、集品容器13の開口部(上面)をよく見えるようにでき、商品12の投入が容易となり(あるいは商品12の取り出しが容易となり)、また図6(c)に示すように、集品容器13が商品12により満杯なほど、傾斜角度を戻して小さくすると、集品容器13から投入した商品12がこぼれないように(落ちないように)できる。
【0035】
また図2に示すように、仕分け棚11の中段と下段の各棚24(間口14)は、実際に商品12の投入を行う集品容器13が収納される段として使用されている{図1において集品容器13が収納される間口14を、中央部の左側の左から中段と下段、右側の左から中段と下段の順に、14(1)〜14(12)としている}。そして、上段と中段の前面棚板25の下方近傍に、左右方向に、前記シャッター付表示器41を取り付ける丸棒からなる取り付け材32が備えられ、中段と下段の各間口14に対応してそれぞれ、この取り付け材32に前記シャッター付表示器41が取り付けられ、よって、実際に商品12の投入を行う集品容器13が収納される各間口14に対してそれぞれ、その上方にシャッター付表示器41が配置されている。また上段と中段の前面棚板25には、シャッター付表示器41の側方に、下方の各間口14に対応して、各間口14に割り当てられた特有のコード(バーコード)が記されたIDラベル34(図4)が取り付けられている。
【0036】
また前記集品容器13は、折り畳み可能なコンテナにより構成されており、仕分け棚11の上段に折り畳まれた状態で保管され、中段と下段の各間口14へ空の集品容器13を補充できるようにされている。また各集品容器13にはそれぞれ、割り当てられた特有のコード(バーコード)が記されたIDラベル35(図4)が取り付けられている。
【0037】
また仕分け棚11の下段より下方には、図1に示すように、前面左右方向に渡って、間口14の集品容器13へ商品12を投入する作業者の踏み台36が設けられている。
(シャッターについては、単に構成について記載するのではなく、課題、解決手段、効果について開示する。)
【0038】
[シャッター付表示器41]
前記シャッター付表示器41は、間口14に収納される集品容器13に対して商品12を投入するかどうかの有無、および投入する商品12の数量を表示する機能とともに、誤って商品12が投入されることを物理的に阻止する機能を有している。
【0039】
従来のシャッター付表示器は、特開2010−6609号に開示されているように、シャッターが、間口を覆う位置(水平位置から下方に直角な90゜の位置)から、前方(外方)へ回動して上方に直角な90゜の位置まで開く構成とされているために、すなわち間口へ商品を投入する作業者側へ開く構成とされているために、作業者が近づいていると、接触する恐れがあり、また開き終わるまで商品を投入することができず、作業効率を悪くしているという課題があった。
【0040】
この課題を解決するために、図2、図4および図5に示すように、シャッター付表示器41は、開閉扉(シャッター)43を後方(集品容器13)側へ開く構成としており、開閉扉43が作業者に接触する恐れを解消し、および作業効率を改善している。
【0041】
シャッター付表示器41は、図4、図5に示すように、本体42と、物理的に集品容器13への商品12の投入を阻止する前記開閉扉(シャッター)43と、開閉扉43が取り付けられる左右一対のL形のアーム44と、本体42を取り付け材32に取り付けるホルダー45を備え、間口14の奥側へ開く構成されている。
【0042】
各L形のアーム44はそれぞれ、図5(b)に示すように、本体42の左右側面に、下方に直角な90゜の位置から後方に水平な0゜の位置まで回動するように、すなわちアーム44に取り付けられる開閉扉43が後方(集品容器13)側へ開くように、設けられている。
【0043】
また前記ホルダー45は、本体42の背面に設けられており、下方に直角な90゜の位置から後方に水平な0゜の位置まで開くことができる、取り付け材32の断面に合わせた半円状の支持具46と、取り付け材32に噛み合せた状態の支持具46の先端を本体42に固定する固定部47から構成され、支持具46が取り付け材32に噛み合わされると、固定部47により固定され、シャッター付表示器41は、取り付け材32に取り付けられる。
【0044】
また前記開閉扉43は、アーム44に支持され、開閉駆動される長方形の黄色の板材(ボード)からなる第1扉部49と、この第1扉部49の下端に取れ付けられた(吊り下げられた)、柔らかい樹脂製または布製の長方形の黄色の布材からなる第2扉部50から構成されている。また開閉扉43(第1扉部49および第2扉部50)の左右方向の横寸法は、間口14に設置される集品容器13の左右方向の幅より狭くされている。また第1扉部49の縦寸法は、間口14に傾いて収納される集品容器13に接触することがなく、物理的に商品12の間口14への投入を阻止できる寸法とされ、また上部中央には、本体42との接触を回避するための切り欠き49aが設けられている。また第2扉部50の縦寸法は、第1扉部49が集品容器13の上方を覆うことができない隙間を覆う寸法とされている。なお、第2扉部50は柔らかい布材なので、集品容器13と接触しても傷がつく恐れはなく、また作業者が触れても傷を負う恐れはない。
【0045】
このような開閉扉43の構成により、まず閉位置(下方に直角な90゜の位置)では第2扉部50は第1扉部49に吊り下げられることにより、板材の第1扉部49と集品容器13との間の隙間が埋められ、視覚的に、作業者に対して、集品容器13への商品12の投入が阻止される。そして、図5(b)に示すように、間口14に収納された集品容器13への商品12の投入を可能とするように開くとき、すなわち閉位置(下方に直角な90゜の位置)から開位置(後方に水平な0゜の位置)まで開くとき、板材から第1扉部49は、アーム44の回転動作に合わせてアーム44の姿勢と同期して回転し、このとき第2扉部50は、柔らかい布材から形成されているので、第1扉部49の下端から垂直に垂れ下がった垂直な姿勢のまま後方へスライドする。これにより、開閉扉43が開動作を開始した直後は、第2扉部50により集品容器13の開口部が開くといっても、斜めの姿勢の第1扉部49に邪魔されて商品12を投入することは困難であり、また第2扉部50が大きく作業者に見えることにより、商品12の投入動作にブレーキがかけられる。以後、第1扉部49が90゜程回転すると、第2扉部50により集品容器13の開口部の半分が開き、また第2扉部50は見えにくくなり、また第1扉部49による邪魔がなくなり、さらに第2扉部50は柔らかい素材なので、商品12を投入できるようになる。
【0046】
またシャッター付表示器41の本体42には、前面に、3桁のディジタル表示器(指示手段)51とランプ(指示手段)52a付き完了釦スイッチ(操作手段)52が設けられ、内部にアーム44の駆動部(図示せず)が設けられている。
【0047】
このようなシャッター付表示器41に対してコントローラ15より、ディジタル表示器51へ表示する数量のデータ、ランプ52aの点灯/消灯信号、アーム44、すなわち開閉扉43の開閉信号が入力され、シャッター付表示器41よりコントローラ15に対して完了釦スイッチ52の操作信号が出力される。これら信号・データを入力したシャッター付表示器41は、開閉扉43を開閉し、ランプ52aを点滅・消灯し、ディジタル表示器51に数量を表示、消去する。
【0048】
以上のように、シャッター付表示器41によれば、開閉扉43が閉位置(下方に直角な90゜の位置)のとき、機械的に商品12の誤投入が阻止され、誤投入のままの出荷により商品12(薬等)によっては人命にかかわることが回避される。また開閉扉43が間口14より前側へ開くと、開閉扉43が開くときに、作業者に接触する恐れがあるが、開閉扉43は定められた向きに退避するように案内(作用)され、すなわち間口14の奥側へ開くこと(間口14で遠ざかる方向に作動(作用)すること)により、開閉扉43が開くときに、作業者に接触する恐れがなくなる。また開閉扉43の左右方向の幅は、集品容器13左右方向の幅より狭くされており、よって開閉扉43の開閉時に、集品容器13に接触する恐れが回避され、また集品容器13を設置・搬出するときに開閉扉43に邪魔されることなく、集品容器13を持つことができ、作業性が向上する。
【0049】
また図1において、61は、バッチ毎にこの仕分け棚11において仕分けする商品12が収納された収納容器62を搬送してくる台車(カート)であり、また63は仕分け棚11の右側に配置された出荷用コンベヤ装置であり、仕分けが完了した集品容器13を搬送することに使用される。前記カート61の収納容器62には、商品12の投入を行う上記間口14の総数12を最大とした店舗のエリアに、店舗が注文(あるいは要求)した商品12の商品名とその数量から形成される仕分け要求データ{バッチ毎に形成される;図9(a)参照}に応じて、予め商品12毎に集品され、集品された商品群が搬送されてくる。また収納容器62には、収納容器62を特定するIDコード(バーコード)が記されたIDラベル64が取り付けられ、このIDコード(バーコード)に、収納容器62に集品が実行された仕分け要求データのバッチのナンバーが紐付けされている{図9(b)参照}。収納容器62は、カート61から、図3(b)に示すように、前方へ開いたスライド棚23へ降ろされて、収納された商品12の仕分けが開始される。
【0050】
[制御構成] 上記構成の仕分け設備の制御構成図を図8に示す。
コントローラ15に、キーボード16と、液晶表示装置19の液晶表示パネル17およびタッチパネル18と、無線式スキャナ20および有線式スキャナ21と、12台のシャッター付表示器41が接続されており、物流を管理する上位コンピュータより予め、図9(a)に示す、バッチ毎の上記仕分け要求データと、図9(b)に示す収納容器データが入力される。上述したように、仕分け要求データは、バッチナンバーと店舗名(最大12店舗)と、各店舗毎に仕分ける商品12の商品名および数量から形成されており、収納容器データは、収納容器62を特定するIDコードと、バッチのナンバーから形成されている。またコントローラ15には、各商品12のデータ、すなわち商品12に付けられたJANコードに対応した商品コード、および商品名が予め記憶されている。
【0051】
またコントローラ15は、予め入力したバッチの仕分け要求データに基づいて、バッチ毎に、仕分けする店舗数を求め、図9(c)に示すように、店舗毎の商品12の数量を求めて間口データ(間口毎仕分け量)として記憶し、また各商品12毎の数量を求めて商品データ(商品別仕分け量)として記憶し、さらに全商品12のアイテム数を求めて記憶し、全商品12の数量を求めて仕分け総量として記憶している。
【0052】
そして、間口毎仕分け量の多い店舗、すなわち投入する商品12の量が多い集品容器13から順に、作業性を配慮した予め決められる優先した間口14(有線式スキャナ21や液晶表示装置19に近く、作業者が移動しなくても、手が届く範囲で商品12の投入が可能な間口14)を割り付ける。例えば、図1において、仕分け棚11の中央部に近く、コンベヤ装置63に近い順、14(7)、14(3)、14(10)、14(6)…の順に、割り付ける。詳細は後述するが、中央部のスライド棚23に、仕分ける商品12を収納した収納容器62を載せて仕分け作業を実行することにより、作業性の向上を意図している。
【0053】
[表示画面] 液晶表示装置19の液晶表示パネル17に表示される仕分け設定画面を図7に示す。この仕分け設定画面において、仕分け作業が実行される。
図7に示すように、収納容器62のIDラベル64から収納容器62を特定するIDコードを、無線式スキャナ20を読み取り、このIDコードに紐付けされたバッチのナンバーに応じて収納容器62のデータを表示するバッチ表示部66と、仕分け指示を表示する仕分け表示部67が表示され、さらにタッチパネル18にて操作される、検品完了を入力する「POS検品完了」、および仕分け棚11より集品容器13を全て搬出したときに入力する「集品容器搬出完了」のボタンが表示される。
【0054】
上記バッチ表示部66には、前記バッチナンバーと、このバッチナンバーにより検索された、仕分けする店舗数、商品12のアイテム数、および仕分け総量(総仕分け数)とが表示され、また仕分け表示部67には、商品12に添付されたバーコード(物品を特定する情報の一例)を有線式スキャナ21により読み取ることによって表示されるJANコードと、このJANコードにより検索された、商品12のコード、商品12の名称(商品名)、および仕分け数と、各間口14における仕分け量とが表示される。
【0055】
[仕分け制御と仕分け動作] 上記コントローラ15による仕分け制御を、作業者による設備の仕分け動作とともに、図10に示すフローチャートと、図11および図12に示す説明図に基づいて説明する。なお、最初は全ての間口14では、開閉扉43は閉の状態、間口14へ商品12を投入できない状態であるとする{図11(a)参照}。
【0056】
まず、カート61により収納容器62が搬送されてくると、作業者は、スライド棚23を開いてカート61より収納容器62をスライド棚23へ移載する。これにより、液晶表示装置19、無線式スキャナ20および有線式スキャナ21の真下に収納容器62が位置し、作業者は作業しやすくなる。
【0057】
ステップ−1
作業者は、収納容器62のIDラベル64のIDコードを無線式スキャナ20にて読み取る。すると、コントローラ15は、収納容器データを検索してこのIDコードに紐付けされたバッチのナンバーを求め、このバッチのナンバーにより、仕分けデータを検索して、店舗数、全商品12のアイテム数、仕分け総量(総仕分け数)を求め、液晶表示パネル17のバッチ表示部66に表示し、さらに間口割り付けデータを検索して各店舗へ割り付けた間口14を求める。
【0058】
ステップ−2
コントローラ15は、全てのシャッター付表示器41へ、開閉扉43の開信号(開く指令)を出力し、全てのシャッター付表示器41は、開閉扉43を開く(作業を許容するように開閉扉43を開放する)。これにより、開閉扉43が作業前に予め解放され、作業に必要な空間が形成され、開閉扉43が閉じているために間口14に集品容器13をセットし難いという事態が避けられる。続いて、各店舗を割り付けた間口14のシャッター付表示器41へ、ランプ52aの点滅信号を出力し、点滅信号を入力したシャッター付表示器41は、ランプ52aを点滅する{図11(b)参照}。
【0059】
このように、間口14に集品容器13が格納されていない状態で、全ての開閉扉43を開くことで、作業者に対して、空の集品容器13の設置が指令され、さらにシャッター付表示器41のランプ52aの点滅により、空の集品容器13を設置する間口14が指令される。
【0060】
ステップ−3
作業者は、全ての開閉扉43が開き、シャッター付表示器41のランプ52aが点滅したことによる指令(開閉扉43を指向させる指令)に応じて、ランプ52aが点滅している対象の間口14に空の集品容器13をセットする。なお、対象外間口14には空の集品容器13をセットせず、誤投入を防止している。
【0061】
ステップ−4
間口14にセットした空の集品容器13のIDラベル35のIDコードを無線式スキャナ20にて読み取り、続いてセットした間口14のIDラベル34のIDコードを無線式スキャナ20にて読み取り、コントローラ15は、間口14(ナンバー)と集品容器13を紐付けして記憶する。そして、コントローラ15は、セットした全ての空の集品容器13の紐付けが完了すると、シャッター付表示器41へ出力していたランプ52aの点滅信号を消灯信号へ変更し、続いて全てのシャッター付表示器41へ開閉扉43の閉信号(後垂直位置まで戻す、すなわち閉じる指令)を出力する。これにより、全てのシャッター付表示器41は、ランプ52aが消灯し、開閉扉43が閉じる{図11(c)参照}。
【0062】
ステップ−5
作業者は、収納容器62から1つの商品12を取り出し、有線式スキャナ21にて商品12のJANコードを読み取る。コントローラ15は、JANコードを入力すると、JANコードに対応した商品コード、および商品名を求め、前記仕分けデータ{図9(c)}を検索して、商品別仕分け量(仕分け数)、および間口14毎に仕分ける商品12の数量を求めて、液晶表示パネル17の仕分け表示部67に表示する。
【0063】
作業者は、取り出した商品12の商品コードおよび商品名を確認し、同じ商品12を仕分け数分取り出し、1つずつ有線式スキャナ21にてJANコードを読み取り、終了すると、「POS検品完了」のボタン(タッチパネル18)を操作する。コントローラ15は、読み取られたJANコードをカウントし、「POS検品完了」のボタンの操作信号を入力すると、商品別仕分け量と一致しているかを確認する(検品を実行する)。
【0064】
ステップ−6
コントローラ15は、検品が完了すると、商品12を仕分ける各間口14のシャッター付表示器41へ、開閉扉43の開信号と、ランプ52aの点滅信号と、投入する商品12の数量のデータを出力し、これら信号・データを入力したシャッター付表示器41は、開閉扉43を開き、ランプ52aを点滅し、ディジタル表示器51に数量を表示する{図11(d)参照}。
【0065】
ステップ−7
作業者は、シャッター付表示器41の表示と開閉扉43の開状態を確認して商品12を投入する間口14を確認する。そして、確認した間口14のシャッター付表示器41のディジタル表示器51により指示された数量の商品12を集品容器13に投入し、表示器41の完了釦スイッチ52を押す。コントローラ15は、完了釦スイッチ52の操作信号を確認すると、操作信号を入力したシャッター付表示器41へ、開閉扉43の閉信号と、ランプ52aの消灯信号を出力する。これにより、これら信号・データを入力したシャッター付表示器41は、ランプ52aを消灯し、開閉扉43を閉じる。なお、ディジタル表示器51の表示はそのまま点灯する{図12(a)参照}。
【0066】
続いて、同様に、作業者は、次の間口14の集品容器13に対して、商品12を投入し、完了釦スイッチ52を押し、コントローラ15は同様に、投入が終了した間口14のシャッター付表示器41のランプ52aを消灯し、開閉扉43を閉じる。
【0067】
ステップ−8
そして、コントローラ15は、検品した商品12の全ての投入が終了すると、商品12の投入を行った全ての間口14のシャッター付表示器41へディジタル表示器51の消灯信号を出力し、シャッター付表示器41は、ディジタル表示器51を消す{図12(b)参照}。
【0068】
ステップ−9
作業者は、まだ商品12が収納容器62が残っていると、次の商品12を取り出して、有線式スキャナ21にて商品12のJANコードを読み取る。
これにより、上記ステップ−5〜ステップ−8が繰り返される。
【0069】
ステップ−10
コントローラ15は、収納容器62内の全ての商品12の仕分けが完了すると、全ての間口14のシャッター付表示器41へ開閉扉43の開信号を出力し、全てのシャッター付表示器41は、開閉扉43を開く{図12(c)参照}。
このように、間口14に集品容器13が格納されている状態で、全ての開閉扉43を開くことで、作業者に対して、格納されている全ての集品容器13の搬出が指令される。
【0070】
ステップ−11
作業者は、全ての開閉扉43が開くことによる指令により、全ての集品容器13を搬出して、出荷用コンベヤ装置63へ投入し、終了すると、「集品容器取出し完了」のボタン(タッチパネル18)を操作する。コントローラ15は、この「集品容器取出し完了」の操作信号を入力すると、全ての間口14のシャッター付表示器41へ開閉扉43の閉信号を出力し、全てのシャッター付表示器41は、開閉扉43を閉じる{図11(a)の状態に戻る}。
【0071】
これらステップの作用により、開閉扉43の状態およびシャッター付表示器41の表示の状態により、商品12の仕分け作業が実行されるとともに、集品容器13の設置・搬出が実行される。
【0072】
以上のように本実施の形態によれば、集品容器13を収納する棚は、前面棚板25,25’、丸棒加工棚板27の丸棒30、およびこれら前面棚板25,25’と丸棒加工棚板27の丸棒30間の空間部26から形成され、集品容器13の前端部が空間部26に落し込まれると、前面棚板25,25’および丸棒加工棚板27の丸棒30により、集品容器13の取り扱い作業姿勢(容器の傾斜角度)が変更自在に支持される。したがって、初期に集品容器13に対して商品12を投入するとき(あるいは容器から商品12を取り出すとき)、傾斜角度を大きくすることにより、集品容器13の上面がよく見えて、投入し易くでき(あるいは取り出しやすくでき)、集品容器13が商品12で満杯なほど、傾斜角度を戻すことで、商品12がこぼれないようにできる。
また丸棒加工棚板27は、複数の丸棒30から構成され、後方が高くなるように傾斜していることにより、棚24への集品容器13の設置・搬出は、集品容器13の後端底部の角部を丸棒加工棚板27の丸棒30上に点接触させ、滑らせることで可能となり、よって集品容器13と丸棒30(丸棒加工棚板27)との接地面積が減り、抵抗が減ることにより、軽い力で集品容器13の設置・搬出が可能となり、作業者の負担を軽減できる。
【0073】
また本実施の形態によれば、集品容器13の前後方向の長さ、および容器前面の高さ方向の長さは、空間部26の前後方向の幅より長くされることによって、集品容器13の前端部が空間部26に落し込まれても、集品容器13が空間部26より落ちることを防止できるとともに、集品容器13が空間部26に嵌って持ち上げることができなくなる恐れを回避でき、また集品容器13の前端部を空間部26に入れやすくすることができる。
【0074】
また本実施の形態によれば、前面棚板25,25’の幅は、集品容器13の前端部が載置可能な幅であり、集品容器13の設置・搬出時に集品容器13の前端部が載せられるが、集品容器13の設置・搬出時には、集品容器13の前端部が前面棚板25,25’を擦ることから、十分な強度と、滑りやすさが求められ、ステンレス製とすることにより、その機能を満足できる。
【0075】
また本実施の形態によれば、空間部26の幅は、集品容器13毎の前後方向の幅に応じて可変でき、また集品容器13に求められる傾斜角度に応じて可変できる。
【0076】
また本実施の形態によれば、棚24は、下段ほど傾斜角度を小さくしており、集品容器13の中が見やすくでき、上段ほど傾斜角度を大きくしており、集品容器13の中が見やすくできる。
【0077】
また本実施の形態によれば、少なくとも、下段の棚24の前後位置を可変して、前方への移動を可能とすることにより、下段の棚24の集品容器13の中が見やすくすることができる。
【0078】
なお、本実施の形態では、カート61により搬送されてきた収納容器62の商品12を、各間口14に格納された集品容器13へ仕分ける仕分け設備としているが、逆に各間口14に収納容器(仕分ける商品が収納された容器)62を格納し、カート61により搬送されてきた集品容器13へ、間口14の収納容器62より取り出した商品12を集品する物品仕分け棚、仕分け設備としてもよい。このとき、全ての間口14に設けた開閉扉43が開状態とすることにより、商品12が収納された収納容器62を間口14に設置し、また空となった収納容器62を間口14から取り出すように指令する。またシャッター付表示器41のランプ52aの点滅により、収納容器62を格納する間口14を指令する。
またこのとき、取り出す商品12の量が多い収納容器62から順に、作業性を配慮した予め決められる優先の間口14を設定する。よって作業性を向上できる。
またこのとき、開閉扉43の左右方向の幅を、収納容器62の左右方向の幅より狭くする。よって開閉扉43の開閉時に収納容器62に接触する恐れが回避され、また収納容器62を設置・搬出するときに開閉扉に邪魔されることなく、収納容器62を持つことができ、作業性を向上できる。
またこのとき、第2扉部50は第1扉部49に吊り下げられることにより、板材の第1扉部49と収納容器62との間の隙間が埋められる。よって、視覚的に、作業者に対して、収納容器62からの商品12の取り出しを阻止できる。また第2扉部50は、布材で柔らかく、収納容器62に傷がつく恐れを回避できる。
【0079】
また本実施の形態では、作業者への指令を、全ての間口14に設けた開閉扉43が開状態とすることにより行っているが、各間口14の開閉扉43の開閉状態、開閉扉43により形成される模様で、色々な指令を行うことができる。また各間口14の開閉扉43を複数回、開閉を繰り返すことで、指令を発信することも可能である。
例えば、作業の中断指令が上位コンピュータよりコントローラ15へ搬送されてきたとき、コントローラ15は、仕分け棚11の中央部を挟んで右半分の間口14の開閉扉43を全て開くことで、作業の中断指令を指令する。なお、シャッター付表示器41のランプ52aは消灯の状態とする。
【0080】
また本実施の形態では、第2支持部を形成する丸棒加工棚板27の線材を丸棒30にて構成しているが、丸棒30に限ることはなく、集品容器13または収納容器62との接触面が最小とされるもの、例えば、角部を上方に向けた角柱であってもよい。
また本実施の形態では、カート61により商品群を搬送してきているが、カート61に限ることはなく、バッチ毎に商品群を搬送してくる搬送手段、例えばコンベヤ等であればよい。
【0081】
また本実施の形態では、間口14、集品容器13、および収納容器62にはIDラベル34,35,64を取り付けているが、IDラベルに代えて、ICカードやICタグを取り付けて、各間口14、各集品容器13、および各収納容器62を特定するようにしてもよい。
また本実施の形態では、仕分け棚11を上下の間口14が直線状に配置された1台の棚により形成しているが、必ずしも1台の棚である必要はなく、複数台の棚により形成してもよい。また3台の仕分け棚を並べるときは、平面にコ字状に配置し、コ字状に囲まれる面の側にシャッター付表示器41を配置すると、作業効率がよい。
また本実施の形態では、商品12の仕分け先を店舗としているが、店舗に限ることはなく、個人あるいはグループなどとしてもよい。
また本実施の形態では、開閉扉43(第1扉部49および第2扉部50)の色を黄色としているが、黄色に限ることはなく、他の色としてもよい。
【符号の説明】
【0082】
11 仕分け棚
12 商品
13 集品容器
14 間口
15 コントローラ
24 棚
25,25’ 前面棚板
26 空間部
27 丸棒加工棚板
30 丸棒
41 誤投入防止シャッター付表示器
42 本体
43 開閉扉
62 収納容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各仕分け先が割り付けられた容器、または仕分ける物品が収納された容器がそれぞれ収容される複数の間口を有する棚が配置された物品仕分け棚であって、
前記棚を、前記容器に対して物品を取り扱う前方に配置する前記容器の第1支持部と、後方に配置する第2支持部とにより形成し、これら支持部間に空間部を設け、
前記容器の前端部が前記空間部に落し込まれると、前記第1支持部および第2支持部により、前記容器の取り扱い作業姿勢が変更自在に支持されること
を特徴とする物品仕分け棚。
【請求項2】
前記第2支持部を、前後方向に配置された線材を、前後方向とは直角な左右方向に複数本並べて構成し、前記各線材の前端を前記第1支持部と同じ高さとし、後端を前端より高くして傾斜させたこと
を特徴とする請求項1に記載の物品仕分け棚。
【請求項3】
前記容器の前後方向の長さ、および前記容器前面の高さ方向の長さは、前記空間部の前後方向の幅より長いこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物品仕分け棚。
【請求項4】
前記第1支持部の前後方向の幅を、前記容器の前端部が載置可能な幅とし、第1支持部を、前記容器全体の自重を支持でき、容器を滑らせても磨耗しない素材により構成したこと
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の物品仕分け棚。
【請求項5】
前記空間部の前後方向の幅を、可変としたこと
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の物品仕分け棚。
【請求項6】
前記棚が複数、上下段に配置され、
各段において、前記棚の前端に対して後端が高くなるように傾斜する角度を、可変としたこと
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の物品仕分け棚。
【請求項7】
少なくとも最下段の棚において、前記第1支持部と第2支持部の前後位置を可変としたこと
を特徴とする請求項6に記載の物品仕分け棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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