物品位置検知システム
【課題】 宅内の物品の存在場所を効率よく検知することができる物品位置検知システムを提供する。
【解決手段】 宅内に配置された複数の無線通信モジュール8bと、宅内の物品300に設けられて無線通信モジュール8bとの間で無線通信を行うIDタグ200と、複数の無線通信モジュール8bの制御、監視を行う通信制御監視モジュール8aとを備え、複数の無線通信モジュール8bが互いに異なる範囲へ無線信号を各々送信し、当該範囲に存在する物品300に設けたIDタグ200との間で無線通信を行うことによって、物品300の位置を検知する。
【解決手段】 宅内に配置された複数の無線通信モジュール8bと、宅内の物品300に設けられて無線通信モジュール8bとの間で無線通信を行うIDタグ200と、複数の無線通信モジュール8bの制御、監視を行う通信制御監視モジュール8aとを備え、複数の無線通信モジュール8bが互いに異なる範囲へ無線信号を各々送信し、当該範囲に存在する物品300に設けたIDタグ200との間で無線通信を行うことによって、物品300の位置を検知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品位置検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、宅内の物品(テレビジョン受像機、エアコン等を遠隔操作するためのリモコン装置、携帯電話、鍵、鍵ケース等)が置き忘れ等によって所在がわからなくなった場合、例えば、各物品にIDタグを取り付け、IDタグと通信可能な無線携帯端末を各部屋内で作動させれば、当該無線携帯端末の近傍に存在する物品を検知できるシステムが提供されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−93423公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述のシステムでは、ユーザが携帯端末を持って部屋全体、あるいは各部屋を歩き回らなければならないもので、効率の悪いものであった。
【0004】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、宅内の物品の存在場所を効率よく検知することができる物品位置検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、宅内に配置された複数の第1の無線通信手段と、宅内の物品に設けられて第1の無線通信手段との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、複数の第1の無線通信手段の制御、監視を行う通信制御監視手段とを備え、複数の第1の無線通信手段が互いに異なる範囲へ無線信号を各々送信し、当該範囲に存在する物品に設けた第2の無線通信手段との間で無線通信を行うことによって、物品の位置を検知することを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、本物品位置検知システムの検知範囲全体を複数に分割し、分割した各検知範囲毎に第1の無線通信手段を設けることで、検知範囲全体が広範囲に亘っている場合でも、部屋全体あるいは各部屋を歩き回ることなく、探している物品の位置がわかる。したがって、宅内の物品の存在場所を効率よく検知することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記通信制御監視手段は、複数の第1の無線通信手段による無線信号の各送信タイミングを互いに異なるタイミングに設定するとともに、送信動作中の第1の無線通信手段を提示する提示手段を備え、前記第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段の送信信号を受信したことを報知する報知手段を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、第2の無線手段の報知動作だけでなく、報知動作時の提示手段の提示内容を併せることによって、探している物品の存在場所を検知できる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記第2の無線通信手段は、RF型且つパッシブタイプのIDタグであり、前記第1の無線通信手段は、第2の無線通信手段に電力供給を行うための起動信号を送信し、第2の無線通信手段の報知手段は、起動信号によって供給された電力を用いて作動することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、第2の無線通信手段自体に電源が必要なく、第2の無線通信手段を小型に構成できる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1において、前記第1の無線通信手段は、自己の識別情報を含む送信信号を生成し、前記第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段の送信信号を受信すると、前記識別情報を含む受信確認信号を送信し、受信確認信号に含まれる識別情報が自己の識別情報に一致する第1の無線通信手段が当該受信確認信号を受信し、前記通信制御監視手段は、第1の無線通信手段における受信確認信号の受信状況を監視することによって物品の位置を検知することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、第2の無線通信手段に報知手段が必要なく、第2の無線通信手段を小型、低コストに構成できる
請求項5の発明は、請求項4において、前記受信確認信号を受信した第1の無線通信手段は、物品検知信号を前記通信制御監視手段に伝達し、通信制御監視手段は、受信確認信号を受信した第1の無線通信手段の送信範囲に基づいて物品の位置を提示する位置提示手段を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、通信制御監視手段の位置提示手段の提示内容を確認するだけで、探している物品の存在場所を検知できる。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5において、前記位置提示手段は、音声によって物品の位置を提示することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、通信制御監視手段から離れていても、物品の存在場所を知ることができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかにおいて、造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置を備え、前記第1の無線通信手段、通信制御監視手段は、ゲート装置を介して電力を供給されるとともに互いに情報信号の授受を行うことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、第1の無線通信手段、通信制御監視手段が電力路と情報路とを同時に確保できて、優れた施工性を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明では、宅内の物品の存在場所を効率よく検知することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態の物品位置検知システムが適用される配線システムは、図1に示すように住宅やビル等の建物内の適所において埋め込み配設している1乃至複数のスイッチボックス2を設け、各スイッチボックス2間に壁面内に先行配線した電力線L1と、情報線L2とを送り配線するとともに、始端のスイッチボックス2に対しては、配線盤1内の主幹ブレーカMBと分岐ブレーカBBとを介して屋内に引き込まれた電力線L1を導入し、また外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(ルータ、ハブ内蔵)を介して接続されている情報線L2を導入してある。ここでスイッチボックス2には室内の天井面のようなハイポジションHPに設けられるものと、壁スイッチ等で推奨される高さ位置の壁面のようなミドルポジションMPに設けられるものと、足元付近の壁面や床面のようなローポジションLPに設けられるものとに区分される。
【0021】
これらのスイッチボックス2は、例えばJISで規格化された大角形の1個モジュール寸法の埋め込み型の配線器具が3個取り付けることができる1連の取付枠4(図4参照)に対応して規格化されており、図3に示すように上部から配線盤1または他のスイッチボックス2から送り配線されてくる電力線L1及び情報線L2を導入するとともに、下部からは他のスイッチボックス2へ送り配線するための電力線L1及び情報線L2を導出している。そして各スイッチボックス2には基本機能モジュール8を接続するゲート装置3のボディを夫々取付枠4により取り付けてある。
【0022】
この取付枠4は図4に示すように中央に器具取り付け用の窓孔4aを設けてあって、この窓孔4aに取り付け対象の器具本体の前部を背方から嵌め、左右両側の枠片に設けた係止手段に器具本体の両側に設けた被係止部を係止させて器具本体を固定するようになっている。そして上下枠片に設けた取付孔4bに挿通する取り付けねじ(図示せず)をスイッチボックス2のねじ孔(図示せず)に締結することで、器具本体ごとスイッチボックス2に取り付けられる。またスイッチボックス2を用いず、埋め込み孔を開口した壁パネルに取り付ける場合には所謂挟み金具で壁パネルを挟持させて取り付けたり、木ねじを用いて取り付けることもできるようになっている。
【0023】
ゲート装置3は図5に示すようにボディ背面部に速結端子構造の接続端子部5a,5b及び送り配線用の接続端子部5a’、5b’を設け、夫々に対応する電力線L1、情報線L2を接続するようになっている。またボディ前面部には、送られてきた電力線L1と電気的に接続されている接触部を備えた電力路接続口6Aと、送られてきた情報線L2と電気的に接続されている情報路接続口6Bとを有しモジュール化した接続口6を図4に示すように備えている。
【0024】
これら接続口6A,6Bは両者間の間隔及び内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化されており、このゲート装置3のボディ前面部を覆うようにスイッチボックス2の前面開口側に取り付ける図6に示す基本機能モジュール8の背面部に設けたコネクタ7の被接続部7A、7Bが各接続口6A,6Bに着脱自在に結合されるようになっている。
【0025】
基本機能モジュール8は、後述する拡張機能モジュール10とで機能モジュールを構成するもので、図6,図7(a)に示す合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体8A内に図9に示す回路を内蔵しているもので、背面部のコネクタ7の被接続部7A,7Bをゲート装置3の接続口6A,6Bに結合させることで、スイッチボックス2の前面開口を覆うとともに、周部のフランジをスイッチボックス2の前面開口周辺の壁面に重ねた状態となり、その状態で上、下部の中央に穿孔している取付孔80に取り付けねじ(図示せず)を前面部側から挿通させて取付枠4の上下枠に設けたねじ孔4cに螺入締結することでスイッチボックス2に取付枠4を介して取り付けられる。
【0026】
またモジュール本体8Aの前面部には、上、下の取付孔80の開口位置より上または下側位置において、図7(a)に示すようにモジュール本体8Aの幅方向に幅広溝81aと幅狭溝81bとからなる連結用溝部81を中央の仕切壁82で左右に二分されるように形成している。
【0027】
この仕切壁82の左側または右側の連結用溝部81には図7(b)に示す合成樹脂製の連結体100の片側半分を仕切壁82に当たる位置まで嵌め込み、この連結体100の残り半分を図8に示すように拡張機能モジュール10側に同様に設けてある連結用溝部81に嵌め込むことで、基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10とを機械的に結合できるようになっている。連結体100は背面に幅広溝81a,幅狭溝81bを仕切る仕切壁81cが嵌る溝100aを設け、両溝81a、81bに跨るように挿入される。そして基本機能モジュール8では前面部側から化粧カバー8Bを着脱自在に被着することで、また拡張機能モジュール10では蓋部83を閉じることで、両者の連結用溝部81に跨るように嵌め込んである連結体100が脱落しないように保持して連結状態を維持するようになっている。而して連結体100と連結用溝部81とが基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10との連結手段を構成する。
【0028】
本配線システムでは、複数の種類の基本機能モジュール8が準備されており、基本機能モジュール8は、図9に示すように、被接続部7Aを介して供給される商用電源ACを安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vに変換するAC/DCコンバータ21と、被接続部7Bを介して接続される情報線L2を通じて双方向に伝送される情報信号を送受信する通信伝送部22と、被接続部7Aを介して商用電源ACに接続される電源用コネクタ9A,9A’と、通信伝送部22、被接続部7Bを介して情報線L2に接続される情報用コネクタ9B,9B’とを基本的に備える。そして、内部で情報信号を取り出したり、情報信号を送信する必要がある場合には、通信伝送部22で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該基本機能モジュール8から情報信号を送る場合の情報生成処理を行う演算処理部23と、I/Oインターフェース24を介して演算処理部23との間でデータの授受を行って動作する機能部25とを備える。これら各部は動作電源+Vを前記のAC/DCコンバータ21から供給される。上記機能部25の構成が基本機能モジュール8によって異なるのである。
【0029】
基本機能モジュール8のモジュール本体8Aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタ9A、情報用コネクタ9Bを、他方側には雌型の電源用コネクタ9A’、情報用コネクタ9B’を設けている。そして、これら電源用コネクタ9A,9A’の接触片に被接続部7Aの接触片を内部で接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール10が連結されても商用電源ACを供給することができるようにしている。さらに、情報用コネクタ9B,9B’の接触片に通信伝送部22の入出力を接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール10が連結されても情報信号の授受を行えるようにしている。なお、上記電源用コネクタ9A,9A’は、モジュール本体8Aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタ9B,9B’は、モジュール本体8Aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。
【0030】
これら電源用コネクタ9A,9A’、情報用コネクタ9B,9B’は、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、拡張機能モジュール10の後述する電源用コネクタ11A,11A’、情報用コネクタ11B,11B’が着脱自在に結合されるようになっている。
【0031】
次に、本配線システムでは、複数の種類の拡張機能モジュール10が準備されており、拡張機能モジュール10は図10に示すように、電源用コネクタ11A,11A’と、情報用コネクタ11B,11B’と、電源用コネクタ11A,11A’いずれか一方を介して供給される商用電源ACを、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vに変換するAC/DCコンバータ31と、情報用コネクタ11B,11B’を介して双方向に伝送される情報信号を送受信する通信伝送部32とを基本的に備える。そして、内部で情報信号を取り出したり、情報信号を送信する必要がある場合には、通信伝送部32で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該拡張機能モジュール10から情報信号を送る場合の情報生成処理を行う演算処理部33と、I/Oインターフェース34を介して演算処理部33との間でデータの授受を行って動作する機能部35とを備える。これら各部は動作電源+Vを前記のAC/DCコンバータ31から供給される。上記機能部35の構成が拡張機能モジュール10によって異なるのである。
【0032】
そして、拡張機能モジュール10は、基本的には図11(a)に示すようにモジュール本体10Aの高さ寸法を基本機能モジュール8と同じ高さ寸法に規格化され、また横幅寸法も規格化された単位モジュール寸法の整数倍に規格化されている。
【0033】
また、合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体10Aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bを、他方側には雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’を設けている。上記電源用コネクタ11A,11A’は、モジュール本体10Aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタ11B,11B’は、モジュール本体10Aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。これら電源用コネクタ11A,11A’、情報用コネクタ11B,11B’は、基本機能モジュール8の電源用コネクタ9A,9A’、情報用コネクタ9B,9B’と同様に、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、基本機能モジュール8の電源用コネクタ9A,9A’、情報用コネクタ9B,9B’、あるいは他の拡張機能モジュール10の電源用コネクタ11A,11A’、情報用コネクタ11B,11B’が着脱自在に結合されるようになっている。
【0034】
具体的には、雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bは、基本機能モジュール8の雌型の電源用コネクタ9A’、情報用コネクタ9B’、あるいは他の拡張機能モジュール10の雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’に接続し、雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’は、基本機能モジュール8の雄型の電源用コネクタ9A、情報用コネクタ9B、あるいは他の拡張機能モジュール10の雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bに接続する。
【0035】
そして、モジュール本体10A内ではこれら電源用コネクタ11A,11A’の接触片を互いに接続しており、片側の電源用コネクタが隣接する基本機能モジュール8または拡張機能モジュール10の電源用コネクタに嵌合して電力を受け取る側となると、他方の電源用コネクタが電力供給側となる。
【0036】
さらに、情報用コネクタ11B,11B’の接触片に通信伝送部32の入出力を接続することで、左右何れの方向に基本機能モジュール8や、他の拡張機能モジュール10が連結されても情報信号の授受を行えるようにしており、両側に隣接する基本機能モジュール8または拡張機能モジュール10との間で情報信号を授受できるようになっている。
【0037】
また、拡張機能モジュール10のモジュール本体10Aの形状は、背面を図11(b)、(c)に示すように平坦な面に形成して壁面に沿わせることができるようにしている。そして上下位置には上述の連結体100を基本機能モジュール8と同様に挿入するための幅広溝81a、幅狭溝81bからなる連結用溝部81を設けるとともに、この連結用溝部81を開閉する蓋部83を設け、連結体100を装着する際や外す場合にはこの蓋部83を開き、連結体100の装着状態を保持する際には上述したように閉じるようになっている(図11(c)参照)。
【0038】
図1は、上記ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10で構成される配線システムを用いて宅内の物品の存在場所を検知する物品位置検知システムの構成を示し、図2は各機能モジュールの配設例を示す。以下、この物品位置検知システムについて説明する。
【0039】
まず、電力線L1,情報線L2は住宅やビル等の建物内の壁面内に先行配線されて各ゲート装置3に配線されており、室内のハイポジションHP、ミドルポジションMP、ローポジションLPに各々設けられた複数のゲート装置3には、後述するIDタグ200との間で無線信号を用いてデータ通信を行う第1の無線通信手段たる基本機能モジュール8b(以後、無線通信モジュール8bと称す)が各々接続される。さらに、室内のミドルポジションMPに設けられた1つのゲート装置3には、情報線L2を介して全ての無線通信モジュール8bを監視、制御する基本機能モジュール8a(以後、通信制御監視モジュール8aと称す)が接続される。
【0040】
そして、宅内のテレビジョン受像機、エアコン等を遠隔操作するためのリモコン装置や、携帯電話等の物品300には、第2の無線通信手段たるIDタグ200が各々取り付けられており、IDタグ200は、RF型且つパッシブタイプのIDタグであり、図12に示すように、変復調部200aと、制御部200bと、メモリ部200cと、アンテナ200dと、報知部200eとから構成され、無線通信モジュール8bから送信されてくる無変調の搬送波(起動信号)を、アンテナ200dを介して変復調部200aで受信して電力に変換し、この電力により各部を動作させる。したがって、IDタグ200自体に電源が必要なく、IDタグ200を小型に構成できる。
【0041】
通信制御監視モジュール8aの機能部25は、図13に示すように、制御部250a、検知物設定部250b、物品記憶部250c、操作部250d、表示部250e、モジュール情報記憶部250fで構成され、制御部250aが情報線L2を介して各無線通信モジュール8bとの間で情報信号の授受を行う。また、物品記憶部250c、表示部250e、モジュール情報記憶部250fの各動作は制御部250aによって制御され、化粧カバー8Bの前面には検知物設定部250bの設定スイッチ、操作部250dの操作スイッチ、表示部250eの液晶画面を露出させている。また、IDタグ200は自己のタグ識別情報をメモリ部200cに格納しており、通信制御監視モジュール8aの物品記憶部250cには、物品300の名称と当該物品300に取り付けられているIDタグ200のタグ識別情報とを対応付けて格納している。この物品記憶部250cへのデータ格納処理は、操作部250dを操作して、物品300の名称とIDタグ200のタグ識別情報とを入力することで行われる。
【0042】
無線通信モジュール8bの機能部25は、図14に示すように、アンテナ251aを介して無線信号を送受信する無線通信部251bと、情報線L2から入力された情報信号に基づいて無線通信部251bから無線信号を送信させるとともに、無線通信部251bが受信した情報信号を情報線L2に出力させる通信制御部251cと、メモリ部251dとで構成される。なお、本実施形態の無線通信部251bは、送信機能のみを備えるものでもよい。
【0043】
無線通信モジュール8bのアンテナ251aは特定方向に指向性を有しており、本実施形態で用いる複数の無線通信モジュール8bがアンテナ251aから発する無線信号の各到達範囲は、各無線通信モジュール8bによって互いに異なる範囲に設定され、本物品位置検知システムの検知範囲全体を複数に分割し、分割した各検知範囲毎に1つの無線通信モジュール8bを設けている。例えば、宅内の居間R1内の検知範囲全体をカバーするように6台の無線通信モジュール8bが配置され、台所R2内の検知範囲全体をカバーするように3台の無線通信モジュール8bが配置される(図1参照)。
【0044】
また、通信制御監視モジュール8aは、各無線通信モジュール8bにモジュール識別情報を自動的に割り当てる機能を有しており、各無線通信モジュール8bに割り当てられたモジュール識別情報は、各無線通信モジュール8bのメモリ部251dに格納される。また、通信制御監視モジュール8aのモジュール情報記憶部250fには、各無線通信モジュール8bに割り当てたモジュール識別情報が、対応する無線通信モジュール8bの検知範囲に関連付けて格納されている。例えば、[モジュール識別情報1−居間1]、[モジュール識別情報2−居間2]......[モジュール識別情報8−台所2]、[モジュール識別情報9−台所3]の形式で格納される。
【0045】
上記モジュール識別情報の割り付け機能は、例えば、通信制御監視モジュール8aにUPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)のコントロールポイントの機能を実装することで実現でき、UPnPにおいてデバイスの検出を行うSSDP(Simple Service Discovery Protocol)を利用してUPnPのデバイスに相当する各無線通信モジュール8bを自動的に検出し、各無線通信モジュール8bのネットワークアドレス(モジュール識別情報)、すなわちプライベートのIPアドレスを、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いて自動的に割り当てる。但し、DHCPを用いたネットワークアドレスの自動割り当てについては従来周知であるから詳細な説明は省略する。
【0046】
上記構成の物品位置検知システムの動作について、以下説明する。
【0047】
まず、通信制御監視モジュール8aの検知物設定部250bを操作して、表示部250eに表示される物品一覧表から探したい物品の名称を選択して、検知開始操作を行う。この物品一覧表は、上記物品記憶部250cに格納されている情報を参照して、制御部250aが生成する。そして、通信制御監視モジュール8aの制御部250aは、選択された物品に対応するタグ識別情報、送信先の無線通信モジュール8bのモジュール識別情報を含む情報信号を情報線L2を介して、各無線通信モジュール8bへ送信する。この際、制御部250aは、各無線通信モジュール8bが1台づつ一定間隔毎に送信動作を順次行うように、一定間隔を空けて各無線通信モジュール8bへ情報信号を送信する。すなわち、時系列的に検知範囲を移動させており、通信制御監視モジュール8aの制御部250aは、上記モジュール情報記憶部250fに格納された情報を参照して、現在送信動作を行っている無線通信モジュール8bの検知範囲を表示部250eに表示することで、現在の検知範囲を順次提示していく。この表示部250eによる表示は、2次元または3次元の部屋の見取り図に、現在の検知範囲を識別可能(色表示、点滅等)に表示すれば、検知位置の把握が容易となる。
【0048】
そして、自己のモジュール識別情報が含まれた情報信号を受信した無線通信モジュール8bの通信制御部251cは、情報信号に含まれるタグ識別情報を抽出する。そして、無線通信部251bからアンテナ251aを介して無線信号を送信する。送信される無線信号には、IDタグ200を起動させる上記起動信号に続いて、抽出したタグ識別情報が含まれる。
【0049】
送信動作中の無線通信モジュール8bの検知範囲内に存在する物品300に取り付けられたIDタグ200は、変復調部200aがアンテナ200dを介して無線通信モジュール8bからの送信信号を受信すると、まず上記起動信号から変換された電力により各部を動作させる。そして、制御部200bは、メモリ部200cに格納している自己のタグ識別情報と、受信した信号に含まれているタグ識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しなければ当該信号を破棄し、一致すれば報知部200eがブザー音等の報知音を発して周囲に存在を報知する。
【0050】
通信制御監視モジュール8aを操作していた家人は、IDタグ200からの報知音により、探している物品300の存在場所を判断できる。さらに本実施形態では、現在送信動作を行っている無線通信モジュール8bの検知範囲が表示部250eに表示されるので、本システムによる検知範囲全体が広範囲に亘っているために、報知音は聞こえるがどこで鳴動しているのかわからない場合でも、部屋全体あるいは各部屋を歩き回ることなく報知音が鳴ったときの表示部250eの表示内容を見ることで、探している物品300の存在場所を効率よく検知できる。
【0051】
なお、本実施形態の物品位置検知システムが適用される配線システムに用いられる基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10としては上記以外に、空調機器の運転操作器や、空調機器の温度設定器や、電力供給を利用した電気カミソリ、電動歯ブラシ、携帯オーディオプレーヤ等の充電器、監視カメラ等で撮像した映像の伝送機能やモニタ機能を有するインターホンの親機,子機、火災センサ、人感センサ等がある。
【0052】
また、上記各機能モジュールは、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10のいずれでも構成できる
また、ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10がコネクタの代わりにコアにコイルを巻回した構成を各々備えて、互いのコアが磁気結合することで相手側のコイルに低圧交流電源電圧を誘起させて電源供給を行い、さらには情報信号をE/O変換を経て送り出し、情報信号をO/E変換を経て取り込むことで、光信号からなる情報信号を発光素子、受光素子を用いて非接触で双方向に伝送すれば、ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10間の電力、情報信号の授受を非接触で行うことができる。
【0053】
また、システム全体の情報信号の伝送方式を電力線搬送方式で行えば、電力路と情報路との共通化を図ることができる。
【0054】
なお、本発明の機能モジュールを用いる物品位置検知システムの情報信号の伝送方式としては、ベースバンド伝送またはブロードバンド伝送の何れを採用しても良く、またプロトコルも何れでも良く、特に限定されるものではないので、説明は省略する。またゲート装置3間の使用プロトコルと、ゲート装置3に連なる機能モジュール8,10での使用プロトコルを異ならせ、例えばゲート装置3でプロトコル変換を行うようにしても良い。
【0055】
また、本物品位置検知システムにおいては、例えば図3に示すように、基本機能モジュール8をゲート装置3に接続し、基本機能モジュール8の右側部にはある機能を有する拡張機能モジュール10を接続し、この拡張機能モジュール10の右側部には異なる機能を有する拡張機能モジュール10を接続することができ、したがって、予め同一に配線されている電力線L1、情報線L2にゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10を接続することで、各機能モジュールは電力路と情報路とを同時に確保でき、新たに配線工事を行う必要がなく、施工性に優れている。また、各機能モジュールは互いに同一の情報線L2を用いることで、他の機能モジュールとの間の連動制御を容易に行なうことができ、拡張性に優れたものとなる。
【0056】
而して基本機能モジュール8を使用するに当たっては、まず、ゲート装置3を予め建物の適所の壁面に埋設してあるスイッチボックス2に取付枠4を介して取り付け、先行配線されている電力線L1,情報線L2の接続を行う。その後、ゲート装置3の前面部に設けられた電線路接続口6A,6Bに対して基本機能モジュール8のコネクタ7の対応する被接続部7A,7Bを接続するとともに、基本機能モジュール8をゲート装置3の前面部を覆うように取付枠4に取り付ける。この基本機能モジュール8はこの取り付けた状態において壁面よりも前面部が突出し、両側面が室内側に露出することになる。
【0057】
そして、拡張機能モジュール10は基本機能モジュール8の露出した両側側面の一方に片側の側面を面接させてコネクタ接続し、この状態で連結体100を用いて拡張機能モジュール10と基本機能モジュール8とを機械的に連結する。これによって基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10とで機能モジュールが構成されることになる。このとき拡張機能モジュール10の背面はスイッチボックス2の側方の壁面に沿うことになり、例えば壁面にクロス貼り等が施されている場合、拡張機能モジュール10の背面の位置が多少のずれていてもそれを吸収して背面を壁部に密接させた状態に配設することができ、拡張機能モジュール10の前面部から操作力等が加わっても連結部位に加わる荷重を軽減することができる。
【0058】
さらに先に連結した拡張機能モジュール10に別の拡張機能モジュール10を連結する場合には、対向側面を面接させてコネクタ接続した状態で連結体100により互いに機械的に連結する。このようにして図3に示すように順次拡張機能モジュール10を側方に連結することができる。
【0059】
なお、基本機能モジュール8は両側に拡張機能モジュール10を連結することができるため、基本機能モジュール8の両側方向に拡張機能モジュール10を連結しても良い。このようにして拡張機能モジュール10を連結した後、両端に位置する拡張機能モジュール10または基本機能モジュール8の連結部位の側部に着脱自在にエンドカバー101を被着することで、拡張機能モジュール10の連結施工が完了することになる。なお、基本機能モジュール8に拡張機能モジュール9を連結しない状態、つまり未使用のまま置いておく場合にはエンドカバー101を基本機能モジュール8の両側部に被着する。
【0060】
以上のようにして配設施工が終了し、システムが完成した後は、対応する基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10間で情報信号の授受を行う。
【0061】
また、本実施形態では拡張機能モジュール10や基本機能モジュール8の追加や削除に特別な施工が不要となり、そのため一般ユーザの好みに合わせて拡張機能モジュール10を基本機能モジュール8に連結するだけで、拡張性が確保される。
【0062】
なお、本実施形態に用いるゲート装置3は取付枠4でスイッチボックス2に取り付けているが、スイッチボックス2の奥壁に直接取り付け、基本機能モジュール8をスイッチボックス2に取り付ける構成としても勿論良い。
【0063】
(実施形態2)
本実施形態の物品位置検知システムの構成は、実施形態1と同様に図1に示され、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0064】
まず、通信制御監視モジュール8aの検知物設定部250bを操作して、表示部250eに表示される物品一覧表から探したい物品の名称を選択して、検知開始操作を行う。そして、通信制御監視モジュール8aの制御部250aは、選択された物品に対応するタグ識別情報、送信先の無線通信モジュール8bのモジュール識別情報を含む情報信号を情報線L2を介して、各無線通信モジュール8bへ送信する。この際、制御部250aは、全ての無線通信モジュール8bに対して一斉に情報信号を送信してもよく、あるいは無線通信モジュール8bが1台づつ送信動作を順次行うように、各無線通信モジュール8bへ情報信号を送信してもよい。
【0065】
そして、自己のモジュール識別情報が含まれた情報信号を受信した無線通信モジュール8bの通信制御部251cは、無線通信部251bからアンテナ251aを介して無線信号を送信する。送信される無線信号には、IDタグ200を起動させる上記起動信号に続いて、タグ識別情報と自己のモジュール識別情報とが含まれる。
【0066】
送信動作中の無線通信モジュール8bの検知範囲内に存在する物品300に取り付けられたIDタグ200は、変復調部200aがアンテナ200dを介して無線通信モジュール8bからの送信信号を受信すると、まず上記起動信号から変換された電力により各部を動作させる。そして、制御部200bは、メモリ部200cに格納している自己のタグ識別情報と、受信した信号に含まれているタグ識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しなければ当該信号を破棄し、一致すれば無線通信モジュール8bからの送信信号に含まれるモジュール識別情報を抽出する。そして、抽出したモジュール識別情報を含む受信確認信号を生成して、変復調部200aからアンテナ200dを介して送信する。
【0067】
無線通信モジュール8bは、無線通信部251bがアンテナ251aを介してIDタグ200からの受信確認信号を受信すると、通信制御部251cが、メモリ部251dに格納している自己のモジュール識別情報と、受信確認信号に含まれているモジュール識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しなければ当該信号を破棄し、一致すれば自己のモジュール識別情報を含む物品検知信号を生成して、通信制御監視モジュール8aへ情報線L2を介して送信する。
【0068】
物品検知信号を受信した通信制御監視モジュール8aでは、制御部250aが、受信した物品検知信号に含まれているモジュール識別情報に対応する検知範囲を、モジュール情報記憶部250fに格納している情報を参照して認識する。そして、本実施形態の通信制御監視モジュール8aは音声出力部250gを備えており(図13参照)、制御部250aは、認識した検知範囲を表示部250eに表示させるとともに、音声出力部250gから音声(例えば、「居間2にあります」)を出力することで物品の位置を提示する。
【0069】
また、1つのIDタグ200が、複数の無線通信モジュール8bからの各送信信号を受信すると、複数の無線通信モジュール8bに対して受信確認信号を送信し、複数の無線通信モジュール8bから通信制御監視モジュール8aへ物品検知信号が送信される。この場合、通信制御監視モジュール8aの制御部250aは、複数の無線通信モジュール8bの各検知範囲に基づいて、例えば全ての検知範囲が重複している範囲を表示部250eに表示させる。
【0070】
したがって、通信制御監視モジュール8aを操作していた家人は、IDタグ200からの応答があった無線通信モジュール8bの検知範囲が表示部250eに表示されるので、本システムによる検知範囲全体が広範囲に亘っている場合でも、部屋全体あるいは各部屋を歩き回ることなく表示部250eの表示内容を見ることで、探している物品300の存在場所を効率よく検知できる。さらに、通信制御監視モジュール8aから離れていても、音声出力部250gからの音声によって物品300の存在場所を知ることができる。表示部250eによる表示は、2次元または3次元の部屋の見取り図に、認識した検知範囲を識別可能(色表示、点滅等)に表示すれば、検知位置の把握が容易となる。
【0071】
なお、本実施形態では、IDタグ200に報知部200eは必要なく(図12参照)、IDタグ200を小型、低コストに構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施形態の物品位置検知システムの構成図である。
【図2】同上のシステムの配設例を示す斜視図である。
【図3】同上の機能モジュールの配設状態を示す斜視図である。
【図4】同上のゲート装置を取付枠に取り付けた状態の正面図である。
【図5】同上のゲート装置への配線形態を示す斜視図である。
【図6】同上の基本機能モジュールをスイッチボックスから外した状態の斜視図である。
【図7】(a)は同上の基本機能モジュールの化粧カバーを外した状態の斜視図、(b)は連結体の斜視図である。
【図8】同上の基本機能モジュールと拡張モジュールとの連結構成の説明図である。
【図9】同上のゲート装置、基本機能モジュールの回路構成図である。
【図10】同上の拡張機能モジュールの回路構成図である。
【図11】同上の拡張機能モジュールを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は蓋部を開き、連結体を外した状態の側面図である。
【図12】同上のIDタグの回路構成図である。
【図13】同上の通信制御監視モジュールの機能部の回路構成図である。
【図14】同上の無線通信モジュールの機能部の回路構成図である。
【符号の説明】
【0073】
L1 電力線
L2 情報線
3 ゲート装置
8a 通信制御監視モジュール
8b 無線通信モジュール
200 IDタグ
300 物品
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品位置検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、宅内の物品(テレビジョン受像機、エアコン等を遠隔操作するためのリモコン装置、携帯電話、鍵、鍵ケース等)が置き忘れ等によって所在がわからなくなった場合、例えば、各物品にIDタグを取り付け、IDタグと通信可能な無線携帯端末を各部屋内で作動させれば、当該無線携帯端末の近傍に存在する物品を検知できるシステムが提供されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−93423公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述のシステムでは、ユーザが携帯端末を持って部屋全体、あるいは各部屋を歩き回らなければならないもので、効率の悪いものであった。
【0004】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、宅内の物品の存在場所を効率よく検知することができる物品位置検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、宅内に配置された複数の第1の無線通信手段と、宅内の物品に設けられて第1の無線通信手段との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、複数の第1の無線通信手段の制御、監視を行う通信制御監視手段とを備え、複数の第1の無線通信手段が互いに異なる範囲へ無線信号を各々送信し、当該範囲に存在する物品に設けた第2の無線通信手段との間で無線通信を行うことによって、物品の位置を検知することを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、本物品位置検知システムの検知範囲全体を複数に分割し、分割した各検知範囲毎に第1の無線通信手段を設けることで、検知範囲全体が広範囲に亘っている場合でも、部屋全体あるいは各部屋を歩き回ることなく、探している物品の位置がわかる。したがって、宅内の物品の存在場所を効率よく検知することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記通信制御監視手段は、複数の第1の無線通信手段による無線信号の各送信タイミングを互いに異なるタイミングに設定するとともに、送信動作中の第1の無線通信手段を提示する提示手段を備え、前記第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段の送信信号を受信したことを報知する報知手段を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、第2の無線手段の報知動作だけでなく、報知動作時の提示手段の提示内容を併せることによって、探している物品の存在場所を検知できる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記第2の無線通信手段は、RF型且つパッシブタイプのIDタグであり、前記第1の無線通信手段は、第2の無線通信手段に電力供給を行うための起動信号を送信し、第2の無線通信手段の報知手段は、起動信号によって供給された電力を用いて作動することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、第2の無線通信手段自体に電源が必要なく、第2の無線通信手段を小型に構成できる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1において、前記第1の無線通信手段は、自己の識別情報を含む送信信号を生成し、前記第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段の送信信号を受信すると、前記識別情報を含む受信確認信号を送信し、受信確認信号に含まれる識別情報が自己の識別情報に一致する第1の無線通信手段が当該受信確認信号を受信し、前記通信制御監視手段は、第1の無線通信手段における受信確認信号の受信状況を監視することによって物品の位置を検知することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、第2の無線通信手段に報知手段が必要なく、第2の無線通信手段を小型、低コストに構成できる
請求項5の発明は、請求項4において、前記受信確認信号を受信した第1の無線通信手段は、物品検知信号を前記通信制御監視手段に伝達し、通信制御監視手段は、受信確認信号を受信した第1の無線通信手段の送信範囲に基づいて物品の位置を提示する位置提示手段を備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、通信制御監視手段の位置提示手段の提示内容を確認するだけで、探している物品の存在場所を検知できる。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5において、前記位置提示手段は、音声によって物品の位置を提示することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、通信制御監視手段から離れていても、物品の存在場所を知ることができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかにおいて、造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置を備え、前記第1の無線通信手段、通信制御監視手段は、ゲート装置を介して電力を供給されるとともに互いに情報信号の授受を行うことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、第1の無線通信手段、通信制御監視手段が電力路と情報路とを同時に確保できて、優れた施工性を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明では、宅内の物品の存在場所を効率よく検知することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態の物品位置検知システムが適用される配線システムは、図1に示すように住宅やビル等の建物内の適所において埋め込み配設している1乃至複数のスイッチボックス2を設け、各スイッチボックス2間に壁面内に先行配線した電力線L1と、情報線L2とを送り配線するとともに、始端のスイッチボックス2に対しては、配線盤1内の主幹ブレーカMBと分岐ブレーカBBとを介して屋内に引き込まれた電力線L1を導入し、また外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(ルータ、ハブ内蔵)を介して接続されている情報線L2を導入してある。ここでスイッチボックス2には室内の天井面のようなハイポジションHPに設けられるものと、壁スイッチ等で推奨される高さ位置の壁面のようなミドルポジションMPに設けられるものと、足元付近の壁面や床面のようなローポジションLPに設けられるものとに区分される。
【0021】
これらのスイッチボックス2は、例えばJISで規格化された大角形の1個モジュール寸法の埋め込み型の配線器具が3個取り付けることができる1連の取付枠4(図4参照)に対応して規格化されており、図3に示すように上部から配線盤1または他のスイッチボックス2から送り配線されてくる電力線L1及び情報線L2を導入するとともに、下部からは他のスイッチボックス2へ送り配線するための電力線L1及び情報線L2を導出している。そして各スイッチボックス2には基本機能モジュール8を接続するゲート装置3のボディを夫々取付枠4により取り付けてある。
【0022】
この取付枠4は図4に示すように中央に器具取り付け用の窓孔4aを設けてあって、この窓孔4aに取り付け対象の器具本体の前部を背方から嵌め、左右両側の枠片に設けた係止手段に器具本体の両側に設けた被係止部を係止させて器具本体を固定するようになっている。そして上下枠片に設けた取付孔4bに挿通する取り付けねじ(図示せず)をスイッチボックス2のねじ孔(図示せず)に締結することで、器具本体ごとスイッチボックス2に取り付けられる。またスイッチボックス2を用いず、埋め込み孔を開口した壁パネルに取り付ける場合には所謂挟み金具で壁パネルを挟持させて取り付けたり、木ねじを用いて取り付けることもできるようになっている。
【0023】
ゲート装置3は図5に示すようにボディ背面部に速結端子構造の接続端子部5a,5b及び送り配線用の接続端子部5a’、5b’を設け、夫々に対応する電力線L1、情報線L2を接続するようになっている。またボディ前面部には、送られてきた電力線L1と電気的に接続されている接触部を備えた電力路接続口6Aと、送られてきた情報線L2と電気的に接続されている情報路接続口6Bとを有しモジュール化した接続口6を図4に示すように備えている。
【0024】
これら接続口6A,6Bは両者間の間隔及び内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化されており、このゲート装置3のボディ前面部を覆うようにスイッチボックス2の前面開口側に取り付ける図6に示す基本機能モジュール8の背面部に設けたコネクタ7の被接続部7A、7Bが各接続口6A,6Bに着脱自在に結合されるようになっている。
【0025】
基本機能モジュール8は、後述する拡張機能モジュール10とで機能モジュールを構成するもので、図6,図7(a)に示す合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体8A内に図9に示す回路を内蔵しているもので、背面部のコネクタ7の被接続部7A,7Bをゲート装置3の接続口6A,6Bに結合させることで、スイッチボックス2の前面開口を覆うとともに、周部のフランジをスイッチボックス2の前面開口周辺の壁面に重ねた状態となり、その状態で上、下部の中央に穿孔している取付孔80に取り付けねじ(図示せず)を前面部側から挿通させて取付枠4の上下枠に設けたねじ孔4cに螺入締結することでスイッチボックス2に取付枠4を介して取り付けられる。
【0026】
またモジュール本体8Aの前面部には、上、下の取付孔80の開口位置より上または下側位置において、図7(a)に示すようにモジュール本体8Aの幅方向に幅広溝81aと幅狭溝81bとからなる連結用溝部81を中央の仕切壁82で左右に二分されるように形成している。
【0027】
この仕切壁82の左側または右側の連結用溝部81には図7(b)に示す合成樹脂製の連結体100の片側半分を仕切壁82に当たる位置まで嵌め込み、この連結体100の残り半分を図8に示すように拡張機能モジュール10側に同様に設けてある連結用溝部81に嵌め込むことで、基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10とを機械的に結合できるようになっている。連結体100は背面に幅広溝81a,幅狭溝81bを仕切る仕切壁81cが嵌る溝100aを設け、両溝81a、81bに跨るように挿入される。そして基本機能モジュール8では前面部側から化粧カバー8Bを着脱自在に被着することで、また拡張機能モジュール10では蓋部83を閉じることで、両者の連結用溝部81に跨るように嵌め込んである連結体100が脱落しないように保持して連結状態を維持するようになっている。而して連結体100と連結用溝部81とが基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10との連結手段を構成する。
【0028】
本配線システムでは、複数の種類の基本機能モジュール8が準備されており、基本機能モジュール8は、図9に示すように、被接続部7Aを介して供給される商用電源ACを安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vに変換するAC/DCコンバータ21と、被接続部7Bを介して接続される情報線L2を通じて双方向に伝送される情報信号を送受信する通信伝送部22と、被接続部7Aを介して商用電源ACに接続される電源用コネクタ9A,9A’と、通信伝送部22、被接続部7Bを介して情報線L2に接続される情報用コネクタ9B,9B’とを基本的に備える。そして、内部で情報信号を取り出したり、情報信号を送信する必要がある場合には、通信伝送部22で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該基本機能モジュール8から情報信号を送る場合の情報生成処理を行う演算処理部23と、I/Oインターフェース24を介して演算処理部23との間でデータの授受を行って動作する機能部25とを備える。これら各部は動作電源+Vを前記のAC/DCコンバータ21から供給される。上記機能部25の構成が基本機能モジュール8によって異なるのである。
【0029】
基本機能モジュール8のモジュール本体8Aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタ9A、情報用コネクタ9Bを、他方側には雌型の電源用コネクタ9A’、情報用コネクタ9B’を設けている。そして、これら電源用コネクタ9A,9A’の接触片に被接続部7Aの接触片を内部で接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール10が連結されても商用電源ACを供給することができるようにしている。さらに、情報用コネクタ9B,9B’の接触片に通信伝送部22の入出力を接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール10が連結されても情報信号の授受を行えるようにしている。なお、上記電源用コネクタ9A,9A’は、モジュール本体8Aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタ9B,9B’は、モジュール本体8Aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。
【0030】
これら電源用コネクタ9A,9A’、情報用コネクタ9B,9B’は、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、拡張機能モジュール10の後述する電源用コネクタ11A,11A’、情報用コネクタ11B,11B’が着脱自在に結合されるようになっている。
【0031】
次に、本配線システムでは、複数の種類の拡張機能モジュール10が準備されており、拡張機能モジュール10は図10に示すように、電源用コネクタ11A,11A’と、情報用コネクタ11B,11B’と、電源用コネクタ11A,11A’いずれか一方を介して供給される商用電源ACを、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源+Vに変換するAC/DCコンバータ31と、情報用コネクタ11B,11B’を介して双方向に伝送される情報信号を送受信する通信伝送部32とを基本的に備える。そして、内部で情報信号を取り出したり、情報信号を送信する必要がある場合には、通信伝送部32で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該拡張機能モジュール10から情報信号を送る場合の情報生成処理を行う演算処理部33と、I/Oインターフェース34を介して演算処理部33との間でデータの授受を行って動作する機能部35とを備える。これら各部は動作電源+Vを前記のAC/DCコンバータ31から供給される。上記機能部35の構成が拡張機能モジュール10によって異なるのである。
【0032】
そして、拡張機能モジュール10は、基本的には図11(a)に示すようにモジュール本体10Aの高さ寸法を基本機能モジュール8と同じ高さ寸法に規格化され、また横幅寸法も規格化された単位モジュール寸法の整数倍に規格化されている。
【0033】
また、合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体10Aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bを、他方側には雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’を設けている。上記電源用コネクタ11A,11A’は、モジュール本体10Aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタ11B,11B’は、モジュール本体10Aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。これら電源用コネクタ11A,11A’、情報用コネクタ11B,11B’は、基本機能モジュール8の電源用コネクタ9A,9A’、情報用コネクタ9B,9B’と同様に、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、基本機能モジュール8の電源用コネクタ9A,9A’、情報用コネクタ9B,9B’、あるいは他の拡張機能モジュール10の電源用コネクタ11A,11A’、情報用コネクタ11B,11B’が着脱自在に結合されるようになっている。
【0034】
具体的には、雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bは、基本機能モジュール8の雌型の電源用コネクタ9A’、情報用コネクタ9B’、あるいは他の拡張機能モジュール10の雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’に接続し、雌型の電源用コネクタ11A’、情報用コネクタ11B’は、基本機能モジュール8の雄型の電源用コネクタ9A、情報用コネクタ9B、あるいは他の拡張機能モジュール10の雄型の電源用コネクタ11A、情報用コネクタ11Bに接続する。
【0035】
そして、モジュール本体10A内ではこれら電源用コネクタ11A,11A’の接触片を互いに接続しており、片側の電源用コネクタが隣接する基本機能モジュール8または拡張機能モジュール10の電源用コネクタに嵌合して電力を受け取る側となると、他方の電源用コネクタが電力供給側となる。
【0036】
さらに、情報用コネクタ11B,11B’の接触片に通信伝送部32の入出力を接続することで、左右何れの方向に基本機能モジュール8や、他の拡張機能モジュール10が連結されても情報信号の授受を行えるようにしており、両側に隣接する基本機能モジュール8または拡張機能モジュール10との間で情報信号を授受できるようになっている。
【0037】
また、拡張機能モジュール10のモジュール本体10Aの形状は、背面を図11(b)、(c)に示すように平坦な面に形成して壁面に沿わせることができるようにしている。そして上下位置には上述の連結体100を基本機能モジュール8と同様に挿入するための幅広溝81a、幅狭溝81bからなる連結用溝部81を設けるとともに、この連結用溝部81を開閉する蓋部83を設け、連結体100を装着する際や外す場合にはこの蓋部83を開き、連結体100の装着状態を保持する際には上述したように閉じるようになっている(図11(c)参照)。
【0038】
図1は、上記ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10で構成される配線システムを用いて宅内の物品の存在場所を検知する物品位置検知システムの構成を示し、図2は各機能モジュールの配設例を示す。以下、この物品位置検知システムについて説明する。
【0039】
まず、電力線L1,情報線L2は住宅やビル等の建物内の壁面内に先行配線されて各ゲート装置3に配線されており、室内のハイポジションHP、ミドルポジションMP、ローポジションLPに各々設けられた複数のゲート装置3には、後述するIDタグ200との間で無線信号を用いてデータ通信を行う第1の無線通信手段たる基本機能モジュール8b(以後、無線通信モジュール8bと称す)が各々接続される。さらに、室内のミドルポジションMPに設けられた1つのゲート装置3には、情報線L2を介して全ての無線通信モジュール8bを監視、制御する基本機能モジュール8a(以後、通信制御監視モジュール8aと称す)が接続される。
【0040】
そして、宅内のテレビジョン受像機、エアコン等を遠隔操作するためのリモコン装置や、携帯電話等の物品300には、第2の無線通信手段たるIDタグ200が各々取り付けられており、IDタグ200は、RF型且つパッシブタイプのIDタグであり、図12に示すように、変復調部200aと、制御部200bと、メモリ部200cと、アンテナ200dと、報知部200eとから構成され、無線通信モジュール8bから送信されてくる無変調の搬送波(起動信号)を、アンテナ200dを介して変復調部200aで受信して電力に変換し、この電力により各部を動作させる。したがって、IDタグ200自体に電源が必要なく、IDタグ200を小型に構成できる。
【0041】
通信制御監視モジュール8aの機能部25は、図13に示すように、制御部250a、検知物設定部250b、物品記憶部250c、操作部250d、表示部250e、モジュール情報記憶部250fで構成され、制御部250aが情報線L2を介して各無線通信モジュール8bとの間で情報信号の授受を行う。また、物品記憶部250c、表示部250e、モジュール情報記憶部250fの各動作は制御部250aによって制御され、化粧カバー8Bの前面には検知物設定部250bの設定スイッチ、操作部250dの操作スイッチ、表示部250eの液晶画面を露出させている。また、IDタグ200は自己のタグ識別情報をメモリ部200cに格納しており、通信制御監視モジュール8aの物品記憶部250cには、物品300の名称と当該物品300に取り付けられているIDタグ200のタグ識別情報とを対応付けて格納している。この物品記憶部250cへのデータ格納処理は、操作部250dを操作して、物品300の名称とIDタグ200のタグ識別情報とを入力することで行われる。
【0042】
無線通信モジュール8bの機能部25は、図14に示すように、アンテナ251aを介して無線信号を送受信する無線通信部251bと、情報線L2から入力された情報信号に基づいて無線通信部251bから無線信号を送信させるとともに、無線通信部251bが受信した情報信号を情報線L2に出力させる通信制御部251cと、メモリ部251dとで構成される。なお、本実施形態の無線通信部251bは、送信機能のみを備えるものでもよい。
【0043】
無線通信モジュール8bのアンテナ251aは特定方向に指向性を有しており、本実施形態で用いる複数の無線通信モジュール8bがアンテナ251aから発する無線信号の各到達範囲は、各無線通信モジュール8bによって互いに異なる範囲に設定され、本物品位置検知システムの検知範囲全体を複数に分割し、分割した各検知範囲毎に1つの無線通信モジュール8bを設けている。例えば、宅内の居間R1内の検知範囲全体をカバーするように6台の無線通信モジュール8bが配置され、台所R2内の検知範囲全体をカバーするように3台の無線通信モジュール8bが配置される(図1参照)。
【0044】
また、通信制御監視モジュール8aは、各無線通信モジュール8bにモジュール識別情報を自動的に割り当てる機能を有しており、各無線通信モジュール8bに割り当てられたモジュール識別情報は、各無線通信モジュール8bのメモリ部251dに格納される。また、通信制御監視モジュール8aのモジュール情報記憶部250fには、各無線通信モジュール8bに割り当てたモジュール識別情報が、対応する無線通信モジュール8bの検知範囲に関連付けて格納されている。例えば、[モジュール識別情報1−居間1]、[モジュール識別情報2−居間2]......[モジュール識別情報8−台所2]、[モジュール識別情報9−台所3]の形式で格納される。
【0045】
上記モジュール識別情報の割り付け機能は、例えば、通信制御監視モジュール8aにUPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)のコントロールポイントの機能を実装することで実現でき、UPnPにおいてデバイスの検出を行うSSDP(Simple Service Discovery Protocol)を利用してUPnPのデバイスに相当する各無線通信モジュール8bを自動的に検出し、各無線通信モジュール8bのネットワークアドレス(モジュール識別情報)、すなわちプライベートのIPアドレスを、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いて自動的に割り当てる。但し、DHCPを用いたネットワークアドレスの自動割り当てについては従来周知であるから詳細な説明は省略する。
【0046】
上記構成の物品位置検知システムの動作について、以下説明する。
【0047】
まず、通信制御監視モジュール8aの検知物設定部250bを操作して、表示部250eに表示される物品一覧表から探したい物品の名称を選択して、検知開始操作を行う。この物品一覧表は、上記物品記憶部250cに格納されている情報を参照して、制御部250aが生成する。そして、通信制御監視モジュール8aの制御部250aは、選択された物品に対応するタグ識別情報、送信先の無線通信モジュール8bのモジュール識別情報を含む情報信号を情報線L2を介して、各無線通信モジュール8bへ送信する。この際、制御部250aは、各無線通信モジュール8bが1台づつ一定間隔毎に送信動作を順次行うように、一定間隔を空けて各無線通信モジュール8bへ情報信号を送信する。すなわち、時系列的に検知範囲を移動させており、通信制御監視モジュール8aの制御部250aは、上記モジュール情報記憶部250fに格納された情報を参照して、現在送信動作を行っている無線通信モジュール8bの検知範囲を表示部250eに表示することで、現在の検知範囲を順次提示していく。この表示部250eによる表示は、2次元または3次元の部屋の見取り図に、現在の検知範囲を識別可能(色表示、点滅等)に表示すれば、検知位置の把握が容易となる。
【0048】
そして、自己のモジュール識別情報が含まれた情報信号を受信した無線通信モジュール8bの通信制御部251cは、情報信号に含まれるタグ識別情報を抽出する。そして、無線通信部251bからアンテナ251aを介して無線信号を送信する。送信される無線信号には、IDタグ200を起動させる上記起動信号に続いて、抽出したタグ識別情報が含まれる。
【0049】
送信動作中の無線通信モジュール8bの検知範囲内に存在する物品300に取り付けられたIDタグ200は、変復調部200aがアンテナ200dを介して無線通信モジュール8bからの送信信号を受信すると、まず上記起動信号から変換された電力により各部を動作させる。そして、制御部200bは、メモリ部200cに格納している自己のタグ識別情報と、受信した信号に含まれているタグ識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しなければ当該信号を破棄し、一致すれば報知部200eがブザー音等の報知音を発して周囲に存在を報知する。
【0050】
通信制御監視モジュール8aを操作していた家人は、IDタグ200からの報知音により、探している物品300の存在場所を判断できる。さらに本実施形態では、現在送信動作を行っている無線通信モジュール8bの検知範囲が表示部250eに表示されるので、本システムによる検知範囲全体が広範囲に亘っているために、報知音は聞こえるがどこで鳴動しているのかわからない場合でも、部屋全体あるいは各部屋を歩き回ることなく報知音が鳴ったときの表示部250eの表示内容を見ることで、探している物品300の存在場所を効率よく検知できる。
【0051】
なお、本実施形態の物品位置検知システムが適用される配線システムに用いられる基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10としては上記以外に、空調機器の運転操作器や、空調機器の温度設定器や、電力供給を利用した電気カミソリ、電動歯ブラシ、携帯オーディオプレーヤ等の充電器、監視カメラ等で撮像した映像の伝送機能やモニタ機能を有するインターホンの親機,子機、火災センサ、人感センサ等がある。
【0052】
また、上記各機能モジュールは、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10のいずれでも構成できる
また、ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10がコネクタの代わりにコアにコイルを巻回した構成を各々備えて、互いのコアが磁気結合することで相手側のコイルに低圧交流電源電圧を誘起させて電源供給を行い、さらには情報信号をE/O変換を経て送り出し、情報信号をO/E変換を経て取り込むことで、光信号からなる情報信号を発光素子、受光素子を用いて非接触で双方向に伝送すれば、ゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10間の電力、情報信号の授受を非接触で行うことができる。
【0053】
また、システム全体の情報信号の伝送方式を電力線搬送方式で行えば、電力路と情報路との共通化を図ることができる。
【0054】
なお、本発明の機能モジュールを用いる物品位置検知システムの情報信号の伝送方式としては、ベースバンド伝送またはブロードバンド伝送の何れを採用しても良く、またプロトコルも何れでも良く、特に限定されるものではないので、説明は省略する。またゲート装置3間の使用プロトコルと、ゲート装置3に連なる機能モジュール8,10での使用プロトコルを異ならせ、例えばゲート装置3でプロトコル変換を行うようにしても良い。
【0055】
また、本物品位置検知システムにおいては、例えば図3に示すように、基本機能モジュール8をゲート装置3に接続し、基本機能モジュール8の右側部にはある機能を有する拡張機能モジュール10を接続し、この拡張機能モジュール10の右側部には異なる機能を有する拡張機能モジュール10を接続することができ、したがって、予め同一に配線されている電力線L1、情報線L2にゲート装置3、基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10を接続することで、各機能モジュールは電力路と情報路とを同時に確保でき、新たに配線工事を行う必要がなく、施工性に優れている。また、各機能モジュールは互いに同一の情報線L2を用いることで、他の機能モジュールとの間の連動制御を容易に行なうことができ、拡張性に優れたものとなる。
【0056】
而して基本機能モジュール8を使用するに当たっては、まず、ゲート装置3を予め建物の適所の壁面に埋設してあるスイッチボックス2に取付枠4を介して取り付け、先行配線されている電力線L1,情報線L2の接続を行う。その後、ゲート装置3の前面部に設けられた電線路接続口6A,6Bに対して基本機能モジュール8のコネクタ7の対応する被接続部7A,7Bを接続するとともに、基本機能モジュール8をゲート装置3の前面部を覆うように取付枠4に取り付ける。この基本機能モジュール8はこの取り付けた状態において壁面よりも前面部が突出し、両側面が室内側に露出することになる。
【0057】
そして、拡張機能モジュール10は基本機能モジュール8の露出した両側側面の一方に片側の側面を面接させてコネクタ接続し、この状態で連結体100を用いて拡張機能モジュール10と基本機能モジュール8とを機械的に連結する。これによって基本機能モジュール8と拡張機能モジュール10とで機能モジュールが構成されることになる。このとき拡張機能モジュール10の背面はスイッチボックス2の側方の壁面に沿うことになり、例えば壁面にクロス貼り等が施されている場合、拡張機能モジュール10の背面の位置が多少のずれていてもそれを吸収して背面を壁部に密接させた状態に配設することができ、拡張機能モジュール10の前面部から操作力等が加わっても連結部位に加わる荷重を軽減することができる。
【0058】
さらに先に連結した拡張機能モジュール10に別の拡張機能モジュール10を連結する場合には、対向側面を面接させてコネクタ接続した状態で連結体100により互いに機械的に連結する。このようにして図3に示すように順次拡張機能モジュール10を側方に連結することができる。
【0059】
なお、基本機能モジュール8は両側に拡張機能モジュール10を連結することができるため、基本機能モジュール8の両側方向に拡張機能モジュール10を連結しても良い。このようにして拡張機能モジュール10を連結した後、両端に位置する拡張機能モジュール10または基本機能モジュール8の連結部位の側部に着脱自在にエンドカバー101を被着することで、拡張機能モジュール10の連結施工が完了することになる。なお、基本機能モジュール8に拡張機能モジュール9を連結しない状態、つまり未使用のまま置いておく場合にはエンドカバー101を基本機能モジュール8の両側部に被着する。
【0060】
以上のようにして配設施工が終了し、システムが完成した後は、対応する基本機能モジュール8、拡張機能モジュール10間で情報信号の授受を行う。
【0061】
また、本実施形態では拡張機能モジュール10や基本機能モジュール8の追加や削除に特別な施工が不要となり、そのため一般ユーザの好みに合わせて拡張機能モジュール10を基本機能モジュール8に連結するだけで、拡張性が確保される。
【0062】
なお、本実施形態に用いるゲート装置3は取付枠4でスイッチボックス2に取り付けているが、スイッチボックス2の奥壁に直接取り付け、基本機能モジュール8をスイッチボックス2に取り付ける構成としても勿論良い。
【0063】
(実施形態2)
本実施形態の物品位置検知システムの構成は、実施形態1と同様に図1に示され、同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
【0064】
まず、通信制御監視モジュール8aの検知物設定部250bを操作して、表示部250eに表示される物品一覧表から探したい物品の名称を選択して、検知開始操作を行う。そして、通信制御監視モジュール8aの制御部250aは、選択された物品に対応するタグ識別情報、送信先の無線通信モジュール8bのモジュール識別情報を含む情報信号を情報線L2を介して、各無線通信モジュール8bへ送信する。この際、制御部250aは、全ての無線通信モジュール8bに対して一斉に情報信号を送信してもよく、あるいは無線通信モジュール8bが1台づつ送信動作を順次行うように、各無線通信モジュール8bへ情報信号を送信してもよい。
【0065】
そして、自己のモジュール識別情報が含まれた情報信号を受信した無線通信モジュール8bの通信制御部251cは、無線通信部251bからアンテナ251aを介して無線信号を送信する。送信される無線信号には、IDタグ200を起動させる上記起動信号に続いて、タグ識別情報と自己のモジュール識別情報とが含まれる。
【0066】
送信動作中の無線通信モジュール8bの検知範囲内に存在する物品300に取り付けられたIDタグ200は、変復調部200aがアンテナ200dを介して無線通信モジュール8bからの送信信号を受信すると、まず上記起動信号から変換された電力により各部を動作させる。そして、制御部200bは、メモリ部200cに格納している自己のタグ識別情報と、受信した信号に含まれているタグ識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しなければ当該信号を破棄し、一致すれば無線通信モジュール8bからの送信信号に含まれるモジュール識別情報を抽出する。そして、抽出したモジュール識別情報を含む受信確認信号を生成して、変復調部200aからアンテナ200dを介して送信する。
【0067】
無線通信モジュール8bは、無線通信部251bがアンテナ251aを介してIDタグ200からの受信確認信号を受信すると、通信制御部251cが、メモリ部251dに格納している自己のモジュール識別情報と、受信確認信号に含まれているモジュール識別情報とが一致するか否かを判定し、一致しなければ当該信号を破棄し、一致すれば自己のモジュール識別情報を含む物品検知信号を生成して、通信制御監視モジュール8aへ情報線L2を介して送信する。
【0068】
物品検知信号を受信した通信制御監視モジュール8aでは、制御部250aが、受信した物品検知信号に含まれているモジュール識別情報に対応する検知範囲を、モジュール情報記憶部250fに格納している情報を参照して認識する。そして、本実施形態の通信制御監視モジュール8aは音声出力部250gを備えており(図13参照)、制御部250aは、認識した検知範囲を表示部250eに表示させるとともに、音声出力部250gから音声(例えば、「居間2にあります」)を出力することで物品の位置を提示する。
【0069】
また、1つのIDタグ200が、複数の無線通信モジュール8bからの各送信信号を受信すると、複数の無線通信モジュール8bに対して受信確認信号を送信し、複数の無線通信モジュール8bから通信制御監視モジュール8aへ物品検知信号が送信される。この場合、通信制御監視モジュール8aの制御部250aは、複数の無線通信モジュール8bの各検知範囲に基づいて、例えば全ての検知範囲が重複している範囲を表示部250eに表示させる。
【0070】
したがって、通信制御監視モジュール8aを操作していた家人は、IDタグ200からの応答があった無線通信モジュール8bの検知範囲が表示部250eに表示されるので、本システムによる検知範囲全体が広範囲に亘っている場合でも、部屋全体あるいは各部屋を歩き回ることなく表示部250eの表示内容を見ることで、探している物品300の存在場所を効率よく検知できる。さらに、通信制御監視モジュール8aから離れていても、音声出力部250gからの音声によって物品300の存在場所を知ることができる。表示部250eによる表示は、2次元または3次元の部屋の見取り図に、認識した検知範囲を識別可能(色表示、点滅等)に表示すれば、検知位置の把握が容易となる。
【0071】
なお、本実施形態では、IDタグ200に報知部200eは必要なく(図12参照)、IDタグ200を小型、低コストに構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施形態の物品位置検知システムの構成図である。
【図2】同上のシステムの配設例を示す斜視図である。
【図3】同上の機能モジュールの配設状態を示す斜視図である。
【図4】同上のゲート装置を取付枠に取り付けた状態の正面図である。
【図5】同上のゲート装置への配線形態を示す斜視図である。
【図6】同上の基本機能モジュールをスイッチボックスから外した状態の斜視図である。
【図7】(a)は同上の基本機能モジュールの化粧カバーを外した状態の斜視図、(b)は連結体の斜視図である。
【図8】同上の基本機能モジュールと拡張モジュールとの連結構成の説明図である。
【図9】同上のゲート装置、基本機能モジュールの回路構成図である。
【図10】同上の拡張機能モジュールの回路構成図である。
【図11】同上の拡張機能モジュールを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は蓋部を開き、連結体を外した状態の側面図である。
【図12】同上のIDタグの回路構成図である。
【図13】同上の通信制御監視モジュールの機能部の回路構成図である。
【図14】同上の無線通信モジュールの機能部の回路構成図である。
【符号の説明】
【0073】
L1 電力線
L2 情報線
3 ゲート装置
8a 通信制御監視モジュール
8b 無線通信モジュール
200 IDタグ
300 物品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅内に配置された複数の第1の無線通信手段と、宅内の物品に設けられて第1の無線通信手段との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、複数の第1の無線通信手段の制御、監視を行う通信制御監視手段とを備え、
複数の第1の無線通信手段が互いに異なる範囲へ無線信号を各々送信し、当該範囲に存在する物品に設けた第2の無線通信手段との間で無線通信を行うことによって、物品の位置を検知することを特徴とする物品位置検知システム。
【請求項2】
前記通信制御監視手段は、複数の第1の無線通信手段による無線信号の各送信タイミングを互いに異なるタイミングに設定するとともに、送信動作中の第1の無線通信手段を提示する提示手段を備え、前記第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段の送信信号を受信したことを報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1記載の物品位置検知システム。
【請求項3】
前記第2の無線通信手段は、RF型且つパッシブタイプのIDタグであり、前記第1の無線通信手段は、第2の無線通信手段に電力供給を行うための起動信号を送信し、第2の無線通信手段の報知手段は、起動信号によって供給された電力を用いて作動することを特徴とする請求項1または2記載の物品位置検知システム。
【請求項4】
前記第1の無線通信手段は、自己の識別情報を含む送信信号を生成し、前記第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段の送信信号を受信すると、前記識別情報を含む受信確認信号を送信し、受信確認信号に含まれる識別情報が自己の識別情報に一致する第1の無線通信手段が当該受信確認信号を受信し、前記通信制御監視手段は、第1の無線通信手段における受信確認信号の受信状況を監視することによって物品の位置を検知することを特徴とする請求項1記載の物品位置検知システム。
【請求項5】
前記受信確認信号を受信した第1の無線通信手段は、物品検知信号を前記通信制御監視手段に伝達し、通信制御監視手段は、受信確認信号を受信した第1の無線通信手段の送信範囲に基づいて物品の位置を提示する位置提示手段を備えることを特徴とする請求項4記載の物品位置検知システム。
【請求項6】
前記位置提示手段は、音声によって物品の位置を提示することを特徴とする請求項5記載の物品位置検知システム。
【請求項7】
造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置を備え、前記第1の無線通信手段、通信制御監視手段は、ゲート装置を介して電力を供給されるとともに互いに情報信号の授受を行うことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の物品位置検知システム。
【請求項1】
宅内に配置された複数の第1の無線通信手段と、宅内の物品に設けられて第1の無線通信手段との間で無線通信を行う第2の無線通信手段と、複数の第1の無線通信手段の制御、監視を行う通信制御監視手段とを備え、
複数の第1の無線通信手段が互いに異なる範囲へ無線信号を各々送信し、当該範囲に存在する物品に設けた第2の無線通信手段との間で無線通信を行うことによって、物品の位置を検知することを特徴とする物品位置検知システム。
【請求項2】
前記通信制御監視手段は、複数の第1の無線通信手段による無線信号の各送信タイミングを互いに異なるタイミングに設定するとともに、送信動作中の第1の無線通信手段を提示する提示手段を備え、前記第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段の送信信号を受信したことを報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1記載の物品位置検知システム。
【請求項3】
前記第2の無線通信手段は、RF型且つパッシブタイプのIDタグであり、前記第1の無線通信手段は、第2の無線通信手段に電力供給を行うための起動信号を送信し、第2の無線通信手段の報知手段は、起動信号によって供給された電力を用いて作動することを特徴とする請求項1または2記載の物品位置検知システム。
【請求項4】
前記第1の無線通信手段は、自己の識別情報を含む送信信号を生成し、前記第2の無線通信手段は、第1の無線通信手段の送信信号を受信すると、前記識別情報を含む受信確認信号を送信し、受信確認信号に含まれる識別情報が自己の識別情報に一致する第1の無線通信手段が当該受信確認信号を受信し、前記通信制御監視手段は、第1の無線通信手段における受信確認信号の受信状況を監視することによって物品の位置を検知することを特徴とする請求項1記載の物品位置検知システム。
【請求項5】
前記受信確認信号を受信した第1の無線通信手段は、物品検知信号を前記通信制御監視手段に伝達し、通信制御監視手段は、受信確認信号を受信した第1の無線通信手段の送信範囲に基づいて物品の位置を提示する位置提示手段を備えることを特徴とする請求項4記載の物品位置検知システム。
【請求項6】
前記位置提示手段は、音声によって物品の位置を提示することを特徴とする請求項5記載の物品位置検知システム。
【請求項7】
造営面に埋め込み配設され、造営面の裏側に先行配線されて電力、情報信号を伝送する電線に接続された複数のゲート装置を備え、前記第1の無線通信手段、通信制御監視手段は、ゲート装置を介して電力を供給されるとともに互いに情報信号の授受を行うことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の物品位置検知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−263771(P2007−263771A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−89646(P2006−89646)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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