物品保持体用カバー
【課題】 本発明は、ブリスターパックなどを吊下げ及び自立させて陳列するため、ブリスターパックなどに外装される物品保持体用カバーを提供する。
【解決手段】 本発明の物品保持体用カバー1は、台紙の表面に保持手段により物品が保持された立体部を有する物品保持体を収納可能で且つシート材から形成されたカバー本体2と、前記物品保持体を係止する係止片3と、を有し、前記カバー本体2が、両側縁同士が接続されて互いに対向した表シート21及び裏シート22と、前記表シート21の下縁と裏シート22の下縁の間に設けられ且つ前記物品保持体を挿入脱可能な開口部と、を有し、前記係止片3が、前記裏シート22の下方から延設されており、前記係止片3と裏シート22の境界に、上向きに湾曲又は屈曲した折り罫線5が形成されている。
【解決手段】 本発明の物品保持体用カバー1は、台紙の表面に保持手段により物品が保持された立体部を有する物品保持体を収納可能で且つシート材から形成されたカバー本体2と、前記物品保持体を係止する係止片3と、を有し、前記カバー本体2が、両側縁同士が接続されて互いに対向した表シート21及び裏シート22と、前記表シート21の下縁と裏シート22の下縁の間に設けられ且つ前記物品保持体を挿入脱可能な開口部と、を有し、前記係止片3が、前記裏シート22の下方から延設されており、前記係止片3と裏シート22の境界に、上向きに湾曲又は屈曲した折り罫線5が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台紙に物品が保持された物品保持体に外装されるカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乾電池、化粧品、医薬品、医薬部外品、お菓子、玩具などの各種物品が、台紙の表面に保持された物品保持体が知られている。かかる物品保持体の代表的なものとしては、ブリスターパックが挙げられる。
ブリスターパックは、一般に、台紙と、透明な合成樹脂製シートを成形した収納部材と、を有する。収納部材は、その一部分に物品収納用の収納凸部が形成され、且つその収納凸部の端縁からフランジ部が延設されている。その収納凸部に物品を入れた状態で、前記収納部材のフランジ部を前記台紙の表面に接着することにより、ブリスターパックが構成される(特許文献1及び2)。
【0003】
ところで、ブリスターパックは、通常、ハンガー棒に吊り下げられて陳列販売されるが、載置面に自立させて陳列させたい場合もある。なお、自立とは、ブリスターパックの物品が購入者から見えやすいように、載置面に対して台紙が直交するようにして、ブリスターパックを載置面に立てて置くことである。
この点、特許文献1のように、台紙の表面の略中央部に収納部材が取り付けられたブリスターパックは、自立させることはできない。
一方、特許文献2のように、収納部材(シート成形品からなるカバー部材)の下部を下方に突出させたブリスターパックは、前記収納部材の下部を載置面に載せることによって自立させることができる。
【0004】
しかしながら、特許文献2のブリスターパックは、例えば、上方側が重い物品(重心が上方側にある物品)を収納した場合、下部が前方にも延びるように突出しておかなければ安定的に自立させることができない。この収納部材の下部が余りに前方に延びて出っ張っていると、全体の形状が歪になり、梱包時、より多くのブリスターパックを梱包箱に入れることができない。さらに、前記収納部材の下部を利用して自立させる構造は、収納部材の下方が台紙の下縁から随分と離れた、特許文献1のようなブリスターパックには適用できない。
【0005】
この点、合成樹脂製シートを直方体状に組み立てた箱型透明ケースの底面に対して台紙が直交するように、前記箱型透明ケースにブリスターパックを入れ、このケースの底面を載置面に載せれば、ブリスターパックを間接的に自立させることができる。
しかしながら、この種の箱型透明ケースは、ブリスターパックを入れた状態でも内部に大きな空間が残っているので、1つの梱包箱に入れ得る箱型透明ケースの数がブリスターパック単独の場合に比して少なくなる。
また、箱型透明ケースは、組み立て作業に時間が掛かる上、ブリスターパックの重量によって底面が撓んで抜けるおそれがあるので、底面の組み立て構造を特に強固なものとしなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−031967号公報
【特許文献2】特開2010−265018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、物品保持体を吊下げ及び自立させて陳列できる物品保持体用カバーを提供することであり、さらに、比較的簡易な構造でありながら吊り下げたときに物品保持体の落下を防止できる物品保持体用カバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の物品保持体用カバーは、台紙の表面に保持手段により物品が保持された立体部を有する物品保持体を収納可能で且つシート材から形成されたカバー本体と、前記物品保持体を係止する係止片と、を有し、前記カバー本体が、両側縁同士が接続されて互いに対向した表シート及び裏シートと、前記表シートの下縁と裏シートの下縁の間に設けられ且つ前記物品保持体を挿入脱可能な開口部と、を有し、前記係止片が、前記裏シートの下方から延設されており、前記係止片と裏シートの境界に、上向きに湾曲又は屈曲した折り罫線が形成されている。
【0009】
上記本発明の物品保持体用カバーは、折り罫線において係止片をカバー本体内に折り曲げて使用される。折り罫線は、上向きに湾曲又は屈曲しているので、そこで折り曲げられた係止片は、湾曲し且つ斜めに折れ曲がった状態となる。係止片が内側に折り曲げられた物品保持体用カバーを載置面に載せると、物品保持体用カバーは、裏シート側に若干傾いた状態で自立する。このように、本来、裏シート側に傾いて自立する物品保持体用カバーに対して、その内部に表シート側に重心が偏るブリスターパックを収納することにより、前記カバーは安定的に自立する。
また、上記物品保持体用カバーは、係止片により物品保持体を係止できるので、吊り下げたときに、収納される物品保持体が落下することを防止できる。
【0010】
本発明の好ましい物品保持体用カバーは、前記表シートの面内に、収納される前記物品保持体の立体部の一部分を露出させる窓部が形成されている。
より好ましくは、前記窓部が、収納される前記物品保持体の立体部の一部分を、窓部の下縁よりも外側に突出した状態で露出させることができるように形成されている。
かかる物品保持体用カバーは、収納される物品保持体の立体部を窓部において支持できるので、収納される物品保持体が落下することを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の物品保持体用カバーは、物品保持体を収納した状態で、吊り下げることもできるし、安定的に自立させることもできる。
さらに、本発明の物品保持体用カバーは、物品保持体を収納した状態で吊り下げたときに、その物品保持体が開口部から落下するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る物品保持体用カバーの正面図。
【図2】同の背面図。
【図3】同底面図。
【図4】同カバーの係止片をカバー本体内に折り曲げた状態の底面図。
【図5】同カバーの係止片をカバー本体内に折り曲げた状態の側面図。
【図6】同カバーの形成のために用いられる展開シートの正面図。
【図7】ブリスターパックの正面図。
【図8】同側面図。
【図9】本発明の第1実施形態に係る物品保持体用カバーにブリスターパックを収納した包装体の正面図。
【図10】同包装体の底面図。
【図11】同包装体の側面図。
【図12】図9のXII−XII線断面図(幅方向中央部における縦断面図)。
【図13】本発明の第2実施形態に係る物品保持体用カバーの形成のために用いられる展開シートの正面図。
【図14】本発明の第2実施形態に係る物品保持体用カバーにブリスターパックを収納した包装体の幅方向中央部における縦断面図。
【図15】本発明の第3実施形態に係る物品保持体用カバーの背面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本明細書において、方向を指す用語は、便宜上、物品保持体用カバー、物品保持体又は包装体を載置面に自立させた状態を基準としており、「上」は、載置面から離れる側を、「下」は、載置面に近づく側を指す。
幅方向は、物品保持体用カバー、物品保持体又は包装体を正面から見て、その上下方向に対して直交する方向であり、それらを構成する部材又は部分の幅は、その幅方向における長さをいう。
【0014】
[第1実施形態]
図1〜図5に於いて、物品保持体用カバー1は、物品保持体を収納可能なカバー本体2と、収納された物品保持体を係止する係止片3と、を有する。
前記カバー本体2及び係止片3は、シート材から形成されている。
前記カバー本体2は、両側縁同士が接続された表シート21及び裏シート22と、物品保持体を挿入脱する開口部23と、吊り下げ用のヘッダー片24と、を有する。
前記係止片3は、前記裏シート22の下方から延設されている。前記係止片3と裏シート22の境界には、上向きに湾曲又は屈曲した折り罫線5が形成されている。かかる物品保持体用カバー1は、比較的簡易な構造である。
以下、本発明の第1実施形態を詳細に説明する。
【0015】
(物品保持体)
物品保持体は、台紙と、台紙の表面に保持手段により保持された物品(図示せず)と、を有する。物品が保持された部分は、台紙の表面から突出しており、その三次元的に突出した部分が立体部である。
なお、台紙の「紙」は、台紙が紙製であるという意味ではないことに留意されたい。
【0016】
前記物品保持体としては、特に限定されないが、代表的には、ブリスターパックが挙げられる。
本実施形態では、物品保持体として、ブリスターパックを例にして説明する。
ブリスターパック7は、図7及び図8に示すように、台紙8と収納部材9とを有し、収納部材9に物品(図示せず)が収納されている。
【0017】
収納部材9は、収納凸部91とフランジ部92とを有する。この収納部材9が、物品を保持する保持手段に相当する。
収納部材9は、合成樹脂の成形品によって形成されており、比較的剛性の高い部材である。
収納部材9の材質は、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。収納部材9は、収納した物品を透視するため、透明又は半透明であることが好ましいが、不透明な材質を用いてもよい。
【0018】
収納部材9は、射出成形法によって形成することもできるが、通常、シート成形法によって形成される。前記シート成型法に用いるシートとしては、熱可塑性樹脂製シート、複数の熱可塑性樹脂製シートが一体的に積層された積層シートなどが挙げられる。
収納部材9の厚みは、0.1mm〜2mmであり、好ましくは0.2mm〜1mmである。
【0019】
収納部材9の一部分には、凸状に突出した収納凸部91が形成されている。収納部材9の収納凸部91は、物品を収納する凹状の収納空間を有する。この収納凸部91は、正面壁911と、前記正面壁911の周端縁から正面壁911に対して略直交するように延設された周面壁912と、を有する。
さらに、前記収納凸部91の端縁(周面壁912の端縁)から周面壁912に直交する方向に、フランジ部92が延設されている。このフランジ部92は、収納凸部91の突出方向を法線とする平坦面を有する。フランジ部92は、収納凸部91の周囲に形成されているので、フランジ部92の平坦面は、収納凸部91を囲繞するような環状である。フランジ部92の平坦面は、台紙8と接着する被接着面である。
【0020】
収納凸部91の形状は、物品の形状などに応じて適宜設計される。本実施形態では、収納凸部91は、その上方部の幅が下方部の幅よりも広く形成されている。
具体的には、収納凸部91は、図7のように正面から見て、その下端縁から上下方向中途部までの幅(収納凸部91の下方部の幅)が略一定で、その中途部から上端縁までの幅(収納凸部91の上方部の幅)が上方に向かうに従って徐々に広くなった後にさらに上方に向かうに従って徐々に狭くなっている。従って、収納凸部91の上方部は、収納凸部91の幅が最大となった部分を有する。
【0021】
また、収納凸部91の高さは、一定でなく、収納凸部91の上下方向において異なっている。従って、収納凸部91は、その高さが最も高い部分を有する。前記最も高い部分は、収納凸部91の正面壁911のある一点とは限られず、二点以上の場合もあるし、或いは、ある程度の拡がり有する領域でもよい。
収納凸部91の高さは、図8のように側面をから見て、フランジ部92から正面壁911の表面までの長さである。
さらに、収納凸部91の正面壁911は、上方向に向かうに従って徐々に外側に傾斜した、傾斜面911aを有する。この正面壁911の傾斜面911aは、収納凸部91の下方部から上方部の中途にまで形成されている。
【0022】
収納凸部91は、その下端縁における高さが最小であり、その下方部の高さは上方に向かうに従って徐々に高くなっている。つまり、収納凸部91の正面壁911の下方部は、上方に向かうに従って外側に傾斜している(前記傾斜面911a)。
さらに、収納凸部91は、下方部の途中から上方部の途中までの高さが上方に向かうに従って徐々に高くなった後(前記傾斜面911a)、上方部の中途から上端縁までの高さが略一定である。この収納凸部91の上方部の中途から上端縁までの領域が、収納凸部91の最も高い部分に相当する。
上記のような形状の収納部材9は、例えば、T字型安全剃刀を収納するために好適な形状である。
【0023】
台紙8は、例えば、正面視略矩形状に形成されている。もっとも、台紙8の形状は略矩形状に限られず、適宜変更できる。
台紙8の材質は特に限定されず、例えば、厚紙、合成樹脂製シート、合成紙、これらに金属蒸着膜などの適宜な層が積層されたもの、及びこれらの中から選ばれる2種以上を積層した積層シートなどが挙げられる。台紙8は、好ましくは可撓性を有する。
なお、台紙8の表面及び裏面には、必要に応じて、デザインなどの所望の表示が印刷されていてもよい。
【0024】
前記収納部材9の収納凸部91内に物品(例えば、T字型安全剃刀など)を入れた後、前記フランジ部92の被接着面に台紙8を接着することにより、物品入りのブリスターパック7が得られる。収納凸部91に物品を入れてそれを保持した収納部材9は、台紙8の表面から外側に突出している。物品が保持され且つ台紙8から突出された収納部材9が、物品保持体の立体部に相当する。
フランジ部92に対する台紙8の接着方法は特に限定されず、例えば、接着剤を用いた接着、熱融着による接着、溶剤を用いた溶着などが挙げられる。
【0025】
(物品保持体用カバー)
物品保持体用カバー1は、図1〜図5に示すように、カバー本体2と係止片3とを有し、これらは、シート材から形成されている。
カバー本体2は、前記ブリスターパック7(物品保持体)を収納する部材であり、主として、表シート21と裏シート22とを有する。前記表シート21と裏シート22は互いに対向するように重ねられ、その両側縁同士が接続されることによって、カバー本体2が形成されている。なお、シート材から形成されるカバー本体2は、例えば、1枚のシート材を適宜の形状に形成し、これを組み立てることにより構成されている。このため、前記表シート21と裏シート22の接続部である両側縁には、直線状折り罫線が形成されている。もっとも、本発明の物品保持体用カバー1は、1枚のシート材に限られず、2枚以上のシート材を接続し且つ組み合わせることにより構成することもできる。
【0026】
本実施形態においては、表シート21の一方の側縁と裏シート22の一方の側縁が直線状折り罫線を介して連設され、表シート21の他方の側縁から直線状折り罫線を介して連設された糊代片25を裏シート22側に折り曲げ、この糊代片25を裏シート22の他方の側部に貼り合わすことによって、カバー本体2が形成されている。
図6は、本実施形態に係る物品保持体用カバー1を形成するための、特定の形状に形成された展開シートの正面図である。なお、図6において、全ての折り罫線を一点鎖線で表している。
物品保持体用カバー1の各部に対応する展開シートの各部に、物品保持体用カバー1と同じ符号を付している。
【0027】
表シート21及び裏シート22の正面視形状は、略同一でもよいし、異なっていてもよい。ブリスターパック7を収納していない状態において、カバー本体2を扁平状に畳むために、前記表シート21及び裏シート22の正面視形状は、略同一であることが好ましく、又、前記表シート21及び裏シート22の正面視形状が異なる場合には、表シート21の幅と裏シート22の幅が略同一である正面視形状が好ましい。
本実施形態では、表シート21及び裏シート22の正面視形状は、互いに略同一な略矩形状に形成されている。
【0028】
カバー本体2の一部分には、ブリスターパック7を挿入脱可能な開口部23が設けられている。例えば、表シート21の下縁及び裏シート22の下縁で囲われる部分に、前記開口部23が設けられている。もっとも、本実施形態のカバー本体2は、後述するように、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁は閉塞されていないので、両上縁で囲われる部分からブリスターパック7を挿入脱することもできる。つまり、使用上、物品の挿入脱は、カバー本体2の下方にある開口部23に限られず、カバー本体2の上方にある開口部を通じて行ってもよい。
【0029】
カバー本体2の最小幅(本実施形態では、表シート21の幅又は裏シート22の幅に相当する)は、ブリスターパック7の台紙8の最大幅(本実施形態では、台紙8の幅は上下方向において一定なので、台紙8の最大幅は台紙8の幅に等しい)よりも広く、好ましくは、カバー本体2の最小幅は、台紙8の最大幅の1.01倍〜1.05倍程度である。このような最小幅を有するカバー本体2であれば、前記開口部23からブリスターパック7を挿入脱でき、且つ、カバー本体2内にブリスターパック7を収納保持できる。
【0030】
さらに、前記カバー本体2の裏シート22の下縁には、係止片3が下方に延設されている。
係止片3は、カバー本体2に収納されるブリスターパック7の下縁に係合し、ブリスターパック7がカバー本体2から落下することを防止すると共に、カバー本体2の立体形状を維持する部材である。
係止片3の幅方向両端部には、表シート21を内側から外側に向かって押圧する一対の押圧部31,31が設けられている。この一対の押圧部31,31は、係止片3の一部分であり、係止片3の幅方向中央部を基準として対称的に設けられていることが好ましい。また、係止片3の下縁は、折り罫線5と略同じ形状(折り罫線5と略平行な形状)に形成されているが、係止片3の下縁の形状は、折り罫線5と略同じ形状でなくてもよい。
【0031】
前記係止片3は、裏シート22の境界に形成された折り罫線5を介して、裏シート22に連設されている。この折り罫線5は、上向きに湾曲した曲線状であり、折り罫線5の両端部は、裏シート22の両側縁下部に一致している。つまり、折り罫線5は、裏シート22の一方の側縁下部及び他方の側縁下部をそれぞれ始点として、そこから裏シート22の幅方向略中央部に向かって上向き曲線状に延びた一対の線がその略中央部で繋がることによって構成されている。
折り罫線5の曲率は、特に限定されないが、余りに曲率が小さいと折り罫線5において係止片3を折り曲げることが困難となり、余りに曲率が大きいと、実質的に直線と変わらなくなり、本発明の効果を奏しないおそれがある。
【0032】
また、折り罫線5の高低差Hは、カバー本体2の幅などに応じて適宜設計できる。本発明の効果を十分に発揮するために、折り罫線5の高低差Hは、1mm〜5mmが好ましく、1mm〜4mmがより好ましい。ただし、前記折り罫線5の高低差Hの好ましい範囲は、例えば、カバー本体2の幅が70mm〜150mmである場合の例示である。前記折り罫線5の高低差Hの好ましい範囲は、カバー本体2の具体的な幅を前記例示の値から大小に変化させる場合、その変化させた割合に対応した割合で変化させることが好ましい。
なお、折り罫線5の高低差Hとは、折り罫線5の前記始点と折り罫線5の前記略中央部との間の上下方向における長さをいう(図2参照)。
【0033】
本明細書において、折り罫線5は、特に限定されず、通常公知のものを使用できる。例えば、シート材の厚み方向に切り込んだVノッチ線、ミシン目線(所謂、リード罫線等)、押し罫線などが挙げられる。
【0034】
物品保持体用カバー1の保管時には、係止片3は、折り罫線5において折り曲げられずに、裏シート22と略同一面上に延ばしたままとされる。このような状態の物品保持体用カバー1は、図3に示すように扁平状であるため、保管・運搬などに便利である。
前記係止片3を折り罫線5においてカバー本体2の内部(裏シート22の内側)に折り曲げると、裏シート22と係止片3の境界である折り罫線5に沿って、係止片3は、幅方向に湾曲し且つ裏シート22に対して斜めに折れ曲がった状態となる(図4参照)。この湾曲した係止片3は、裏シート22の下方部を湾曲状に変形させると共に、斜めに折れ曲がった係止片3は、その一対の押圧部31,31が表シート21の下方部の両端部を内側から外側へ押圧する。このため、ブリスターパック7を収納していない状態であっても、物品保持体用カバー1は、カバー本体2の下方部が底面視紡錘状に拡張する。
【0035】
係止片3が内側に折り曲げられた物品保持体用カバー1を、カバー本体2の下縁を載置面Aに載せると、図5に示すように、載置面Aに対して直交状に自立せず、若干、裏シート22側に傾いた状態で自立する(図5の矢印に示す側に傾いて自立する)。つまり、表シート21と裏シート22の一方の側縁が載置面Aに対して直交せず、その側縁が載置面Aに対して裏シート22側に若干傾いた状態で、物品保持体用カバー1が自立する。これは、係止片3が上向きに湾曲した折り罫線5にて折り返されているので、裏シート22の両側縁下部は載置面Aに接するが、裏シート22の下縁の中央部及びその近傍が載置面Aから浮くからである。つまり、係止片3が内側に折り曲げられた物品保持体用カバー1は、内部にブリスターパック7を収納していない状態では、裏シート22側に若干傾斜して自立する。
【0036】
また、湾曲し且つ斜めに折れ曲がった係止片3は、折れ曲がりが解除され難い(係止片3が、裏シート22と略同一面上になる、元の状態に戻り難い)。このため、係止片3がブリスターパック7の荷重を下方から支持し、ブリスターパック7の落下を防止できる。
仮に、折り罫線5が裏シート22の一方の側縁下部から他方の側縁下部まで直線状に形成されていると、係止片3を折り曲げても係止片3が湾曲することはない。このため、かかる直線状の折り罫線5にて折り返された係止片3は、カバー本体2の下方部を底面視紡錘状に維持する機能(保形機能)及びブリスターパック7を下方から支持する機能(支持機能)が殆どないか、又は、本発明のものに比してそれらの機能が極めて弱い。
【0037】
前記係止片3の幅は、裏シート22の幅と同じでもよい。なお、係止片3の幅と裏シート22の幅が同じの場合には、係止片3の両側縁と裏シート22の両側縁が実質的に同一直線上にある。
もっとも、係止片3をカバー本体2内に折り曲げ易くするために、係止片3の幅は、裏シート22の幅よりも短いことが好ましい。ただし、余りに係止片3の幅が短いと、係止片3が前記保形機能及び支持機能を十分に奏しないおそれがある。この点を考慮すると、係止片3の幅は、裏シート22よりも短く、且つ、係止片3の両側縁と裏シート22の両側縁との間がそれぞれ1mm〜5mm程度離れていることがより好ましい。
【0038】
係止片3の上下方向長さ(延設長さ)は、特に限定されないが、余りにこれが短いと、係止片3が前記保形機能を十分に奏しないおそれがあり、一方、余りにこれが長いと、係止片3をカバー本体2の内側に折り返すことが困難となる。この点を考慮すると、係止片3の上下方向長さは、5mm〜15mmが好ましく、5mm〜10mmがより好ましい。ただし、前記係止片3の上下方向長さの好ましい範囲は、例えば、カバー本体2の幅が70mm〜150mmである場合の例示である。前記係止片3の上下方向長さの好ましい範囲は、カバー本体2の具体的な幅を前記例示の値から大小に変化させる場合、その変化させた割合に対応した割合で変化させてもよい。或いは、カバー本体2の具体的な幅が前記例示の値以外であっても、係止片3の上下方向長さは、前記好ましい範囲のままでもよい。
係止片3の上下方向長さがその幅方向において異なる場合(つまり、係止片3の下縁が折り罫線5の形状と略同じ形状でない場合)、前記係止片3の上下方向長さは、係止片3の押圧部31における上下方向長さを意味する。
【0039】
表シート21の面内には、収納されるブリスターパック7の収納部材9の収納凸部91(つまり、立体部)の一部分を外側に露出させるための窓部4が形成されている。
好ましくは、窓部4は、収納されるブリスターパック7の収納部材9の収納凸部91(つまり、立体部)の一部分を、窓部4の下縁4aよりも外側に突出した状態で露出させることができるように形成されている。
【0040】
例えば、前記窓部4は、収納凸部91の最も高い部分を含む収納凸部91の一部分を外側に露出させることができる。上記ブリスターパック7は、収納凸部91の上方部が最も高い部分を含んでいるので、窓部4は、図示したように、収納凸部91の上方部の全部を露出させるような形状に形成されている。なお、露出させる収納凸部91の一部分が最も高い部分を含んでいる限り、窓部4は、収納凸部91の上方部の全部を露出させることができる場合に限定されず、その上方部の一部でもよいし、或いは、上方部の一部又は全部と下方部の上方側の一部を露出させることができるように形成されていてもよい。
【0041】
窓部4は、表シート21の面内を無端状の切取線で切り取った領域内に生じる開口である。窓部4の縁は、この切り取りによって生じる縁であり、窓部4の下縁4aは、その下方側の縁である。
【0042】
さらに、表シート21の上方には、フラップ片26が上方に延設されている。表シート21の上縁とフラップ片26の境界には、幅方向に直線状に延びる直線状折り罫線が形成されている。このフラップ片26は、前記直線状折り罫線を介して、カバー本体2の内側に折り曲げられて、表シート21と裏シート22の間に介装されている。本実施形態のカバー本体2は、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁は閉塞されていないので、フラップ片26は、収納されたブリスターパック7が表シート21の上縁及び裏シート22の上縁の間から抜け出ることを防止するための、蓋部材として機能する。
【0043】
前記フラップ片26の幅は、表シート21の幅と同じでもよいが、フラップ片26をカバー本体2内に折り曲げ易くする観点から、前記係止片3と同様に、表シート21の幅よりも短いことが好ましい。なお、フラップ片26は、ブリスターパック7がカバー本体2の上方から抜け出ることを防止するものなので、その幅は、係止片3の幅よりも短くても不都合はない。
また、前記フラップ片26の上下方向長さ(延設長さ)は、特に限定されないが、余りにこれが短いと、蓋部材として機能せず、一方、余りにこれが長いと、フラップ片26をカバー本体2の内側に折り返すことが困難となる。この点を考慮すると、フラップ片26の上下方向長さは、例えば、カバー本体2の幅が70mm〜150mmである場合、7mm〜15mmが好ましく、7mm〜10mmがより好ましい。
【0044】
また、裏シート22の上方には、ヘッダー片24が上方に延設されている。裏シート22の上縁とへッダー片24の境界に、所望の折り罫線が形成されていてもよいが、通常は、かかる折り罫線は形成しないことが好ましい。
ヘッダー片24の面内の幅方向略中央部には、吊下げ用の孔27が穿設されている。
なお、図示例では、前記フラップ片26が表シート21に設けられ且つ前記ヘッダー片24が裏シート22に設けられているが、反対に、前記フラップ片26を裏シート22の上方に設け、且つ前記ヘッダー片24を表シート21の上方に設けてもよい。
【0045】
(物品保持体用カバーの使用方法及び包装体)
次に、上記物品保持体用カバー1の使用方法を説明する。
物品保持体用カバー1は、通常、上述のように扁平状に畳んだ状態で、保管・運搬に供される。
なお、物品保持体用カバー1を扁平状にするときには、図示したように、フラップ片26をカバー本体2の内側に折り曲げていてもよいし、或いは、図示しないが、フラップ片26を外側に出しておいてもよい(フラップ片26を表シート21と略同一面上にした状態でもよい)。
【0046】
そして、前記扁平状の物品保持体用カバー1のカバー本体2の開口部23を開き、その開口部23からブリスターパック7をカバー本体2内に挿入する。ブリスターパック7を挿入すると、ブリスターパック7の収納凸部91の上方部が、カバー本体2の窓部4に嵌り込むと共に、台紙8の上方部が、内側に折り曲げられたフラップ片26と表シート21との間に入り込む。窓部4に嵌り込んだ収納凸部91の上方部の周面壁912及び正面壁911の一部は、窓部4の縁(窓部4の下縁4aを含む縁)に接する又はその縁の近傍に位置する。このため、収納凸部91の上方部の周面壁912が、窓部4の上縁に係止され、フラップ片26と表シート21の間に差し入れられた台紙8の上縁が、フラップ片26に係止される。よって、ブリスターパック7は、上方への移動が規制された状態で、カバー本体2内に収納される。
【0047】
また、収納凸部91の上方部の正面壁911の表面が、窓部4の下縁4aよりも外側に突出すると共に、正面壁911の一部が、窓部4の下縁4aに接する又はその下縁4aの近傍に位置している。特に、正面壁911の傾斜面911aが窓部4の下縁4aに接する又はその下縁4aの近傍に位置している。
【0048】
次に、ブリスターパック7の台紙8の下方部を挟持するように、係止片3をカバー本体2の内側に折り曲げる。上述のように、折れ曲げられた係止片3は、湾曲し且つ斜めに折れ曲がった状態となり、その折れ曲がりが解除され難い。かかる係止片3によって、ブリスターパック7の台紙8の下端が係止される。
このようにして、図9〜図12に示すように、ブリスターパック7(物品保持体)と、このブリスターパック7を外装した物品保持体用カバー1と、を有する包装体10が得られる。
なお、ブリスターパック7を収納すると、物品保持体用カバー1の裏シート22が湾曲するので、それに追従して可撓性を有する台紙8も湾曲する。
【0049】
上記包装体10は、吊下げ用の孔27をハンガー棒に挿入することにより、吊下げて陳列することもできるし、或いは、カバー本体2の下方を載置面に置くことにより、自立させて陳列することもできる。
上記包装体10は、折り曲げられた係止片3によって台紙8の下縁が係止されているので、包装体10を吊り下げたり、或いは、これを吊下げ状態で運搬するときに、ブリスターパック7がカバー本体2の開口部23から落下することを防止できる。
さらに、収納凸部91の上方部の正面壁911の表面が、窓部4の下縁4aよりも外側に突出しているので、自重によりブリスターパック7が下方に移動しようとしても、収納凹部の上方部の高い部分が窓部4の下縁4aに係止される。このため、前記係止片3の支持機能と窓部4の係止の相乗により、ブリスターパック7の落下を確実に防止できる。
【0050】
また、上述のように、本発明の物品保持体用カバー1は、ブリスターパック7を収納せずに係止片3を折り曲げた状態で自立させると、裏シート22側に傾く(図5参照)。けれども、かかる物品保持体用カバー1内に、台紙8の表面に立体部が突出したブリスターパック7を収納すると、ブリスターパック7の重心が表シート21側に位置するので、包装体10は安定的に自立し得る。
また、係止片3には押圧部31が設けられているので、上述のように、係止片3は、ブリスターパック7を収納していなくても、保形機能を有する。このため、ブリスターパック7を収納した場合でも、図10に示すように、カバー本体2の下方部が底面視紡錘状となる。かかる底面視形状を有する包装体10は、より安定的に自立する(図11及び図12参照)。
【0051】
前記包装体10のブリスターパック7を取り出す際には、係止片3の係止を解除した後(係止片3を外側に戻した後)、物品保持体用カバー1の開口部23を通じてブリスターパック10を下方に引き出せばよい。
前記包装体10は、ブリスターパック7の正面壁911の傾斜面911aが窓部4の下縁4aに接する又はその下縁4aの近傍に位置しているので、前述のブリスターパック7を引き出す際に、ブリスターパック7の収納部材9が窓部4の下縁4aに引っ掛かることなく、ブリスターパック7の下方移動に伴い適宜表シート21が変形する。このため、ブリスターパック7を円滑に取り出すことができる。
【0052】
なお、本発明の物品保持体用カバー、物品保持体及び包装体は、上記第1実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で、適宜変更することができる。以下、本発明の他の実施形態を説明する。ただし、以下の他の実施形態の説明においては、上記第1実施形態と異なる事項について主として説明し、上記第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し且つ用語及び符号を援用する場合がある。また、以下では、様々な他の実施形態を説明するが、それらの実施形態の各構成を、本発明の意図する範囲で適宜組み合わすことも可能である。
【0053】
[第2実施形態]
上記第1実施形態におけるカバー本体2は、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁が閉塞されていないが、本発明の物品保持体用カバー1は、カバー本体2の下方に開口部23を有する限り、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁が閉塞されていてもよいし、或いは、カバー本体2のその他の部分が開口されていてもよい。
図13は、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁が閉塞されている物品保持体用カバー1を形成するための、展開シートの正面図である。なお、図13において、全ての折り罫線を一点鎖線で表している。
【0054】
この展開シートは、表シート21の両側縁から直線状折り罫線を介して糊代片25,25がそれぞれ連設されている。また、表シート21の上方及び裏シート22の上方からヘッダー片24,24がそれぞれ延設され、この一対のヘッダー片24,24は上縁において互いに接続されている。この展開シートを前記一対のヘッダー片24,24の境界に形成された直線状折り罫線において合掌状に折り曲げ、各糊代片25,25を裏シート22の両側部に貼り合わすことによって、第2実施形態の物品保持体用カバー1が形成される。ただし、第2実施形態の物品保持体用カバー1は、カバー本体2の上方が閉塞されているので、上記第1実施形態のようなフラップ片26は設けられていない。
【0055】
かかる物品保持体用カバー1は、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁が閉塞されていることを除いて、上記第1実施形態の物品保持体用カバー1と同様である。第2実施形態の物品保持体用カバー1も、図14に示すように、ブリスターパック7に外装して使用される。
【0056】
[第3実施形態]
上記第1実施形態においては、係止片3と裏シート22の境界に形成される折り罫線5は、上向きに湾曲した線状とされているが、例えば、図15に示すように、前記折り罫線5が、上向きに屈曲した線状とされていてもよい。このような上向きに屈曲した線状としては、裏シート22の一方の側縁下部及び他方の側縁下部をそれぞれ始点として、そこから上向きに延びた一対の直線が互いに繋がった山形状などが挙げられる。かかる上向きに屈曲した折り罫線5の屈曲角度は、上向きに湾曲した上記第1実施形態の折り罫線5の曲率などに準じて設定できる。
【0057】
[その他]
本発明の物品保持体用カバー1は、上記のような形状のブリスターパック7を収納する場合に限られず、様々な形状のブリスターパックを収納できる。
上記第1実施形態以外のブリスターパックを収納する場合、その収納部材の形状に合わせて、上記窓部4の形状も適宜変更される。
さらに、本発明の物品保持体用カバー1は、ブリスターパック7を収納する場合に限られず、他の物品保持体を収納することもできる。
【0058】
他の物品保持体としては、例えば、(1)台紙に、粘着剤又は両面テープなどの貼着部材を用いて直接物品が取り付けられているもの、(2)台紙に筒状シュリンクフィルムの外面の一部分が取り付けられ且つその筒状シュリンクフィルム内に物品を挿入すると共に前記フィルムを熱収縮させることによって、物品が台紙に保持されているもの、(3)台紙と面状シュリンクフィルムの間に物品を介在させ且つ物品が介在していない領域において台紙と面状シュリンクフィルムを貼着すると共に、そのフィルムを熱収縮させることによって、物品が台紙に保持されているもの、などが挙げられる。
【0059】
前記(1)の物品保持体は、貼付部材が台紙に物品を保持させる保持手段に相当し、物品そのものが立体部に相当する。
前記(2)の物品保持体は、筒状シュリンクフィルムが台紙に物品を保持させる保持手段に相当し、筒状シュリンクフィルムと物品が立体部に相当する。
前記(3)の物品保持体は、面状シュリンクフィルムが台紙に物品を保持させる保持手段に相当し、面状シュリンクフィルムと物品が立体部に相当する。
【符号の説明】
【0060】
1…物品保持体用カバー、2…カバー本体、21…表シート、22…裏シート、23…開口部、24…ヘッダー片、26…フラップ片、27…吊下げ用の孔、3…係止片、31…押圧部、4…窓部、4a…窓部の下縁、5…折り罫線、7…ブリスターパック(物品保持体)、8…台紙、9…収納部材(立体部)、91…収納凸部、911a…収納凸部の傾斜面、92…フランジ部、10…包装体
【技術分野】
【0001】
本発明は、台紙に物品が保持された物品保持体に外装されるカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乾電池、化粧品、医薬品、医薬部外品、お菓子、玩具などの各種物品が、台紙の表面に保持された物品保持体が知られている。かかる物品保持体の代表的なものとしては、ブリスターパックが挙げられる。
ブリスターパックは、一般に、台紙と、透明な合成樹脂製シートを成形した収納部材と、を有する。収納部材は、その一部分に物品収納用の収納凸部が形成され、且つその収納凸部の端縁からフランジ部が延設されている。その収納凸部に物品を入れた状態で、前記収納部材のフランジ部を前記台紙の表面に接着することにより、ブリスターパックが構成される(特許文献1及び2)。
【0003】
ところで、ブリスターパックは、通常、ハンガー棒に吊り下げられて陳列販売されるが、載置面に自立させて陳列させたい場合もある。なお、自立とは、ブリスターパックの物品が購入者から見えやすいように、載置面に対して台紙が直交するようにして、ブリスターパックを載置面に立てて置くことである。
この点、特許文献1のように、台紙の表面の略中央部に収納部材が取り付けられたブリスターパックは、自立させることはできない。
一方、特許文献2のように、収納部材(シート成形品からなるカバー部材)の下部を下方に突出させたブリスターパックは、前記収納部材の下部を載置面に載せることによって自立させることができる。
【0004】
しかしながら、特許文献2のブリスターパックは、例えば、上方側が重い物品(重心が上方側にある物品)を収納した場合、下部が前方にも延びるように突出しておかなければ安定的に自立させることができない。この収納部材の下部が余りに前方に延びて出っ張っていると、全体の形状が歪になり、梱包時、より多くのブリスターパックを梱包箱に入れることができない。さらに、前記収納部材の下部を利用して自立させる構造は、収納部材の下方が台紙の下縁から随分と離れた、特許文献1のようなブリスターパックには適用できない。
【0005】
この点、合成樹脂製シートを直方体状に組み立てた箱型透明ケースの底面に対して台紙が直交するように、前記箱型透明ケースにブリスターパックを入れ、このケースの底面を載置面に載せれば、ブリスターパックを間接的に自立させることができる。
しかしながら、この種の箱型透明ケースは、ブリスターパックを入れた状態でも内部に大きな空間が残っているので、1つの梱包箱に入れ得る箱型透明ケースの数がブリスターパック単独の場合に比して少なくなる。
また、箱型透明ケースは、組み立て作業に時間が掛かる上、ブリスターパックの重量によって底面が撓んで抜けるおそれがあるので、底面の組み立て構造を特に強固なものとしなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−031967号公報
【特許文献2】特開2010−265018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、物品保持体を吊下げ及び自立させて陳列できる物品保持体用カバーを提供することであり、さらに、比較的簡易な構造でありながら吊り下げたときに物品保持体の落下を防止できる物品保持体用カバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の物品保持体用カバーは、台紙の表面に保持手段により物品が保持された立体部を有する物品保持体を収納可能で且つシート材から形成されたカバー本体と、前記物品保持体を係止する係止片と、を有し、前記カバー本体が、両側縁同士が接続されて互いに対向した表シート及び裏シートと、前記表シートの下縁と裏シートの下縁の間に設けられ且つ前記物品保持体を挿入脱可能な開口部と、を有し、前記係止片が、前記裏シートの下方から延設されており、前記係止片と裏シートの境界に、上向きに湾曲又は屈曲した折り罫線が形成されている。
【0009】
上記本発明の物品保持体用カバーは、折り罫線において係止片をカバー本体内に折り曲げて使用される。折り罫線は、上向きに湾曲又は屈曲しているので、そこで折り曲げられた係止片は、湾曲し且つ斜めに折れ曲がった状態となる。係止片が内側に折り曲げられた物品保持体用カバーを載置面に載せると、物品保持体用カバーは、裏シート側に若干傾いた状態で自立する。このように、本来、裏シート側に傾いて自立する物品保持体用カバーに対して、その内部に表シート側に重心が偏るブリスターパックを収納することにより、前記カバーは安定的に自立する。
また、上記物品保持体用カバーは、係止片により物品保持体を係止できるので、吊り下げたときに、収納される物品保持体が落下することを防止できる。
【0010】
本発明の好ましい物品保持体用カバーは、前記表シートの面内に、収納される前記物品保持体の立体部の一部分を露出させる窓部が形成されている。
より好ましくは、前記窓部が、収納される前記物品保持体の立体部の一部分を、窓部の下縁よりも外側に突出した状態で露出させることができるように形成されている。
かかる物品保持体用カバーは、収納される物品保持体の立体部を窓部において支持できるので、収納される物品保持体が落下することを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の物品保持体用カバーは、物品保持体を収納した状態で、吊り下げることもできるし、安定的に自立させることもできる。
さらに、本発明の物品保持体用カバーは、物品保持体を収納した状態で吊り下げたときに、その物品保持体が開口部から落下するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る物品保持体用カバーの正面図。
【図2】同の背面図。
【図3】同底面図。
【図4】同カバーの係止片をカバー本体内に折り曲げた状態の底面図。
【図5】同カバーの係止片をカバー本体内に折り曲げた状態の側面図。
【図6】同カバーの形成のために用いられる展開シートの正面図。
【図7】ブリスターパックの正面図。
【図8】同側面図。
【図9】本発明の第1実施形態に係る物品保持体用カバーにブリスターパックを収納した包装体の正面図。
【図10】同包装体の底面図。
【図11】同包装体の側面図。
【図12】図9のXII−XII線断面図(幅方向中央部における縦断面図)。
【図13】本発明の第2実施形態に係る物品保持体用カバーの形成のために用いられる展開シートの正面図。
【図14】本発明の第2実施形態に係る物品保持体用カバーにブリスターパックを収納した包装体の幅方向中央部における縦断面図。
【図15】本発明の第3実施形態に係る物品保持体用カバーの背面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本明細書において、方向を指す用語は、便宜上、物品保持体用カバー、物品保持体又は包装体を載置面に自立させた状態を基準としており、「上」は、載置面から離れる側を、「下」は、載置面に近づく側を指す。
幅方向は、物品保持体用カバー、物品保持体又は包装体を正面から見て、その上下方向に対して直交する方向であり、それらを構成する部材又は部分の幅は、その幅方向における長さをいう。
【0014】
[第1実施形態]
図1〜図5に於いて、物品保持体用カバー1は、物品保持体を収納可能なカバー本体2と、収納された物品保持体を係止する係止片3と、を有する。
前記カバー本体2及び係止片3は、シート材から形成されている。
前記カバー本体2は、両側縁同士が接続された表シート21及び裏シート22と、物品保持体を挿入脱する開口部23と、吊り下げ用のヘッダー片24と、を有する。
前記係止片3は、前記裏シート22の下方から延設されている。前記係止片3と裏シート22の境界には、上向きに湾曲又は屈曲した折り罫線5が形成されている。かかる物品保持体用カバー1は、比較的簡易な構造である。
以下、本発明の第1実施形態を詳細に説明する。
【0015】
(物品保持体)
物品保持体は、台紙と、台紙の表面に保持手段により保持された物品(図示せず)と、を有する。物品が保持された部分は、台紙の表面から突出しており、その三次元的に突出した部分が立体部である。
なお、台紙の「紙」は、台紙が紙製であるという意味ではないことに留意されたい。
【0016】
前記物品保持体としては、特に限定されないが、代表的には、ブリスターパックが挙げられる。
本実施形態では、物品保持体として、ブリスターパックを例にして説明する。
ブリスターパック7は、図7及び図8に示すように、台紙8と収納部材9とを有し、収納部材9に物品(図示せず)が収納されている。
【0017】
収納部材9は、収納凸部91とフランジ部92とを有する。この収納部材9が、物品を保持する保持手段に相当する。
収納部材9は、合成樹脂の成形品によって形成されており、比較的剛性の高い部材である。
収納部材9の材質は、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。収納部材9は、収納した物品を透視するため、透明又は半透明であることが好ましいが、不透明な材質を用いてもよい。
【0018】
収納部材9は、射出成形法によって形成することもできるが、通常、シート成形法によって形成される。前記シート成型法に用いるシートとしては、熱可塑性樹脂製シート、複数の熱可塑性樹脂製シートが一体的に積層された積層シートなどが挙げられる。
収納部材9の厚みは、0.1mm〜2mmであり、好ましくは0.2mm〜1mmである。
【0019】
収納部材9の一部分には、凸状に突出した収納凸部91が形成されている。収納部材9の収納凸部91は、物品を収納する凹状の収納空間を有する。この収納凸部91は、正面壁911と、前記正面壁911の周端縁から正面壁911に対して略直交するように延設された周面壁912と、を有する。
さらに、前記収納凸部91の端縁(周面壁912の端縁)から周面壁912に直交する方向に、フランジ部92が延設されている。このフランジ部92は、収納凸部91の突出方向を法線とする平坦面を有する。フランジ部92は、収納凸部91の周囲に形成されているので、フランジ部92の平坦面は、収納凸部91を囲繞するような環状である。フランジ部92の平坦面は、台紙8と接着する被接着面である。
【0020】
収納凸部91の形状は、物品の形状などに応じて適宜設計される。本実施形態では、収納凸部91は、その上方部の幅が下方部の幅よりも広く形成されている。
具体的には、収納凸部91は、図7のように正面から見て、その下端縁から上下方向中途部までの幅(収納凸部91の下方部の幅)が略一定で、その中途部から上端縁までの幅(収納凸部91の上方部の幅)が上方に向かうに従って徐々に広くなった後にさらに上方に向かうに従って徐々に狭くなっている。従って、収納凸部91の上方部は、収納凸部91の幅が最大となった部分を有する。
【0021】
また、収納凸部91の高さは、一定でなく、収納凸部91の上下方向において異なっている。従って、収納凸部91は、その高さが最も高い部分を有する。前記最も高い部分は、収納凸部91の正面壁911のある一点とは限られず、二点以上の場合もあるし、或いは、ある程度の拡がり有する領域でもよい。
収納凸部91の高さは、図8のように側面をから見て、フランジ部92から正面壁911の表面までの長さである。
さらに、収納凸部91の正面壁911は、上方向に向かうに従って徐々に外側に傾斜した、傾斜面911aを有する。この正面壁911の傾斜面911aは、収納凸部91の下方部から上方部の中途にまで形成されている。
【0022】
収納凸部91は、その下端縁における高さが最小であり、その下方部の高さは上方に向かうに従って徐々に高くなっている。つまり、収納凸部91の正面壁911の下方部は、上方に向かうに従って外側に傾斜している(前記傾斜面911a)。
さらに、収納凸部91は、下方部の途中から上方部の途中までの高さが上方に向かうに従って徐々に高くなった後(前記傾斜面911a)、上方部の中途から上端縁までの高さが略一定である。この収納凸部91の上方部の中途から上端縁までの領域が、収納凸部91の最も高い部分に相当する。
上記のような形状の収納部材9は、例えば、T字型安全剃刀を収納するために好適な形状である。
【0023】
台紙8は、例えば、正面視略矩形状に形成されている。もっとも、台紙8の形状は略矩形状に限られず、適宜変更できる。
台紙8の材質は特に限定されず、例えば、厚紙、合成樹脂製シート、合成紙、これらに金属蒸着膜などの適宜な層が積層されたもの、及びこれらの中から選ばれる2種以上を積層した積層シートなどが挙げられる。台紙8は、好ましくは可撓性を有する。
なお、台紙8の表面及び裏面には、必要に応じて、デザインなどの所望の表示が印刷されていてもよい。
【0024】
前記収納部材9の収納凸部91内に物品(例えば、T字型安全剃刀など)を入れた後、前記フランジ部92の被接着面に台紙8を接着することにより、物品入りのブリスターパック7が得られる。収納凸部91に物品を入れてそれを保持した収納部材9は、台紙8の表面から外側に突出している。物品が保持され且つ台紙8から突出された収納部材9が、物品保持体の立体部に相当する。
フランジ部92に対する台紙8の接着方法は特に限定されず、例えば、接着剤を用いた接着、熱融着による接着、溶剤を用いた溶着などが挙げられる。
【0025】
(物品保持体用カバー)
物品保持体用カバー1は、図1〜図5に示すように、カバー本体2と係止片3とを有し、これらは、シート材から形成されている。
カバー本体2は、前記ブリスターパック7(物品保持体)を収納する部材であり、主として、表シート21と裏シート22とを有する。前記表シート21と裏シート22は互いに対向するように重ねられ、その両側縁同士が接続されることによって、カバー本体2が形成されている。なお、シート材から形成されるカバー本体2は、例えば、1枚のシート材を適宜の形状に形成し、これを組み立てることにより構成されている。このため、前記表シート21と裏シート22の接続部である両側縁には、直線状折り罫線が形成されている。もっとも、本発明の物品保持体用カバー1は、1枚のシート材に限られず、2枚以上のシート材を接続し且つ組み合わせることにより構成することもできる。
【0026】
本実施形態においては、表シート21の一方の側縁と裏シート22の一方の側縁が直線状折り罫線を介して連設され、表シート21の他方の側縁から直線状折り罫線を介して連設された糊代片25を裏シート22側に折り曲げ、この糊代片25を裏シート22の他方の側部に貼り合わすことによって、カバー本体2が形成されている。
図6は、本実施形態に係る物品保持体用カバー1を形成するための、特定の形状に形成された展開シートの正面図である。なお、図6において、全ての折り罫線を一点鎖線で表している。
物品保持体用カバー1の各部に対応する展開シートの各部に、物品保持体用カバー1と同じ符号を付している。
【0027】
表シート21及び裏シート22の正面視形状は、略同一でもよいし、異なっていてもよい。ブリスターパック7を収納していない状態において、カバー本体2を扁平状に畳むために、前記表シート21及び裏シート22の正面視形状は、略同一であることが好ましく、又、前記表シート21及び裏シート22の正面視形状が異なる場合には、表シート21の幅と裏シート22の幅が略同一である正面視形状が好ましい。
本実施形態では、表シート21及び裏シート22の正面視形状は、互いに略同一な略矩形状に形成されている。
【0028】
カバー本体2の一部分には、ブリスターパック7を挿入脱可能な開口部23が設けられている。例えば、表シート21の下縁及び裏シート22の下縁で囲われる部分に、前記開口部23が設けられている。もっとも、本実施形態のカバー本体2は、後述するように、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁は閉塞されていないので、両上縁で囲われる部分からブリスターパック7を挿入脱することもできる。つまり、使用上、物品の挿入脱は、カバー本体2の下方にある開口部23に限られず、カバー本体2の上方にある開口部を通じて行ってもよい。
【0029】
カバー本体2の最小幅(本実施形態では、表シート21の幅又は裏シート22の幅に相当する)は、ブリスターパック7の台紙8の最大幅(本実施形態では、台紙8の幅は上下方向において一定なので、台紙8の最大幅は台紙8の幅に等しい)よりも広く、好ましくは、カバー本体2の最小幅は、台紙8の最大幅の1.01倍〜1.05倍程度である。このような最小幅を有するカバー本体2であれば、前記開口部23からブリスターパック7を挿入脱でき、且つ、カバー本体2内にブリスターパック7を収納保持できる。
【0030】
さらに、前記カバー本体2の裏シート22の下縁には、係止片3が下方に延設されている。
係止片3は、カバー本体2に収納されるブリスターパック7の下縁に係合し、ブリスターパック7がカバー本体2から落下することを防止すると共に、カバー本体2の立体形状を維持する部材である。
係止片3の幅方向両端部には、表シート21を内側から外側に向かって押圧する一対の押圧部31,31が設けられている。この一対の押圧部31,31は、係止片3の一部分であり、係止片3の幅方向中央部を基準として対称的に設けられていることが好ましい。また、係止片3の下縁は、折り罫線5と略同じ形状(折り罫線5と略平行な形状)に形成されているが、係止片3の下縁の形状は、折り罫線5と略同じ形状でなくてもよい。
【0031】
前記係止片3は、裏シート22の境界に形成された折り罫線5を介して、裏シート22に連設されている。この折り罫線5は、上向きに湾曲した曲線状であり、折り罫線5の両端部は、裏シート22の両側縁下部に一致している。つまり、折り罫線5は、裏シート22の一方の側縁下部及び他方の側縁下部をそれぞれ始点として、そこから裏シート22の幅方向略中央部に向かって上向き曲線状に延びた一対の線がその略中央部で繋がることによって構成されている。
折り罫線5の曲率は、特に限定されないが、余りに曲率が小さいと折り罫線5において係止片3を折り曲げることが困難となり、余りに曲率が大きいと、実質的に直線と変わらなくなり、本発明の効果を奏しないおそれがある。
【0032】
また、折り罫線5の高低差Hは、カバー本体2の幅などに応じて適宜設計できる。本発明の効果を十分に発揮するために、折り罫線5の高低差Hは、1mm〜5mmが好ましく、1mm〜4mmがより好ましい。ただし、前記折り罫線5の高低差Hの好ましい範囲は、例えば、カバー本体2の幅が70mm〜150mmである場合の例示である。前記折り罫線5の高低差Hの好ましい範囲は、カバー本体2の具体的な幅を前記例示の値から大小に変化させる場合、その変化させた割合に対応した割合で変化させることが好ましい。
なお、折り罫線5の高低差Hとは、折り罫線5の前記始点と折り罫線5の前記略中央部との間の上下方向における長さをいう(図2参照)。
【0033】
本明細書において、折り罫線5は、特に限定されず、通常公知のものを使用できる。例えば、シート材の厚み方向に切り込んだVノッチ線、ミシン目線(所謂、リード罫線等)、押し罫線などが挙げられる。
【0034】
物品保持体用カバー1の保管時には、係止片3は、折り罫線5において折り曲げられずに、裏シート22と略同一面上に延ばしたままとされる。このような状態の物品保持体用カバー1は、図3に示すように扁平状であるため、保管・運搬などに便利である。
前記係止片3を折り罫線5においてカバー本体2の内部(裏シート22の内側)に折り曲げると、裏シート22と係止片3の境界である折り罫線5に沿って、係止片3は、幅方向に湾曲し且つ裏シート22に対して斜めに折れ曲がった状態となる(図4参照)。この湾曲した係止片3は、裏シート22の下方部を湾曲状に変形させると共に、斜めに折れ曲がった係止片3は、その一対の押圧部31,31が表シート21の下方部の両端部を内側から外側へ押圧する。このため、ブリスターパック7を収納していない状態であっても、物品保持体用カバー1は、カバー本体2の下方部が底面視紡錘状に拡張する。
【0035】
係止片3が内側に折り曲げられた物品保持体用カバー1を、カバー本体2の下縁を載置面Aに載せると、図5に示すように、載置面Aに対して直交状に自立せず、若干、裏シート22側に傾いた状態で自立する(図5の矢印に示す側に傾いて自立する)。つまり、表シート21と裏シート22の一方の側縁が載置面Aに対して直交せず、その側縁が載置面Aに対して裏シート22側に若干傾いた状態で、物品保持体用カバー1が自立する。これは、係止片3が上向きに湾曲した折り罫線5にて折り返されているので、裏シート22の両側縁下部は載置面Aに接するが、裏シート22の下縁の中央部及びその近傍が載置面Aから浮くからである。つまり、係止片3が内側に折り曲げられた物品保持体用カバー1は、内部にブリスターパック7を収納していない状態では、裏シート22側に若干傾斜して自立する。
【0036】
また、湾曲し且つ斜めに折れ曲がった係止片3は、折れ曲がりが解除され難い(係止片3が、裏シート22と略同一面上になる、元の状態に戻り難い)。このため、係止片3がブリスターパック7の荷重を下方から支持し、ブリスターパック7の落下を防止できる。
仮に、折り罫線5が裏シート22の一方の側縁下部から他方の側縁下部まで直線状に形成されていると、係止片3を折り曲げても係止片3が湾曲することはない。このため、かかる直線状の折り罫線5にて折り返された係止片3は、カバー本体2の下方部を底面視紡錘状に維持する機能(保形機能)及びブリスターパック7を下方から支持する機能(支持機能)が殆どないか、又は、本発明のものに比してそれらの機能が極めて弱い。
【0037】
前記係止片3の幅は、裏シート22の幅と同じでもよい。なお、係止片3の幅と裏シート22の幅が同じの場合には、係止片3の両側縁と裏シート22の両側縁が実質的に同一直線上にある。
もっとも、係止片3をカバー本体2内に折り曲げ易くするために、係止片3の幅は、裏シート22の幅よりも短いことが好ましい。ただし、余りに係止片3の幅が短いと、係止片3が前記保形機能及び支持機能を十分に奏しないおそれがある。この点を考慮すると、係止片3の幅は、裏シート22よりも短く、且つ、係止片3の両側縁と裏シート22の両側縁との間がそれぞれ1mm〜5mm程度離れていることがより好ましい。
【0038】
係止片3の上下方向長さ(延設長さ)は、特に限定されないが、余りにこれが短いと、係止片3が前記保形機能を十分に奏しないおそれがあり、一方、余りにこれが長いと、係止片3をカバー本体2の内側に折り返すことが困難となる。この点を考慮すると、係止片3の上下方向長さは、5mm〜15mmが好ましく、5mm〜10mmがより好ましい。ただし、前記係止片3の上下方向長さの好ましい範囲は、例えば、カバー本体2の幅が70mm〜150mmである場合の例示である。前記係止片3の上下方向長さの好ましい範囲は、カバー本体2の具体的な幅を前記例示の値から大小に変化させる場合、その変化させた割合に対応した割合で変化させてもよい。或いは、カバー本体2の具体的な幅が前記例示の値以外であっても、係止片3の上下方向長さは、前記好ましい範囲のままでもよい。
係止片3の上下方向長さがその幅方向において異なる場合(つまり、係止片3の下縁が折り罫線5の形状と略同じ形状でない場合)、前記係止片3の上下方向長さは、係止片3の押圧部31における上下方向長さを意味する。
【0039】
表シート21の面内には、収納されるブリスターパック7の収納部材9の収納凸部91(つまり、立体部)の一部分を外側に露出させるための窓部4が形成されている。
好ましくは、窓部4は、収納されるブリスターパック7の収納部材9の収納凸部91(つまり、立体部)の一部分を、窓部4の下縁4aよりも外側に突出した状態で露出させることができるように形成されている。
【0040】
例えば、前記窓部4は、収納凸部91の最も高い部分を含む収納凸部91の一部分を外側に露出させることができる。上記ブリスターパック7は、収納凸部91の上方部が最も高い部分を含んでいるので、窓部4は、図示したように、収納凸部91の上方部の全部を露出させるような形状に形成されている。なお、露出させる収納凸部91の一部分が最も高い部分を含んでいる限り、窓部4は、収納凸部91の上方部の全部を露出させることができる場合に限定されず、その上方部の一部でもよいし、或いは、上方部の一部又は全部と下方部の上方側の一部を露出させることができるように形成されていてもよい。
【0041】
窓部4は、表シート21の面内を無端状の切取線で切り取った領域内に生じる開口である。窓部4の縁は、この切り取りによって生じる縁であり、窓部4の下縁4aは、その下方側の縁である。
【0042】
さらに、表シート21の上方には、フラップ片26が上方に延設されている。表シート21の上縁とフラップ片26の境界には、幅方向に直線状に延びる直線状折り罫線が形成されている。このフラップ片26は、前記直線状折り罫線を介して、カバー本体2の内側に折り曲げられて、表シート21と裏シート22の間に介装されている。本実施形態のカバー本体2は、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁は閉塞されていないので、フラップ片26は、収納されたブリスターパック7が表シート21の上縁及び裏シート22の上縁の間から抜け出ることを防止するための、蓋部材として機能する。
【0043】
前記フラップ片26の幅は、表シート21の幅と同じでもよいが、フラップ片26をカバー本体2内に折り曲げ易くする観点から、前記係止片3と同様に、表シート21の幅よりも短いことが好ましい。なお、フラップ片26は、ブリスターパック7がカバー本体2の上方から抜け出ることを防止するものなので、その幅は、係止片3の幅よりも短くても不都合はない。
また、前記フラップ片26の上下方向長さ(延設長さ)は、特に限定されないが、余りにこれが短いと、蓋部材として機能せず、一方、余りにこれが長いと、フラップ片26をカバー本体2の内側に折り返すことが困難となる。この点を考慮すると、フラップ片26の上下方向長さは、例えば、カバー本体2の幅が70mm〜150mmである場合、7mm〜15mmが好ましく、7mm〜10mmがより好ましい。
【0044】
また、裏シート22の上方には、ヘッダー片24が上方に延設されている。裏シート22の上縁とへッダー片24の境界に、所望の折り罫線が形成されていてもよいが、通常は、かかる折り罫線は形成しないことが好ましい。
ヘッダー片24の面内の幅方向略中央部には、吊下げ用の孔27が穿設されている。
なお、図示例では、前記フラップ片26が表シート21に設けられ且つ前記ヘッダー片24が裏シート22に設けられているが、反対に、前記フラップ片26を裏シート22の上方に設け、且つ前記ヘッダー片24を表シート21の上方に設けてもよい。
【0045】
(物品保持体用カバーの使用方法及び包装体)
次に、上記物品保持体用カバー1の使用方法を説明する。
物品保持体用カバー1は、通常、上述のように扁平状に畳んだ状態で、保管・運搬に供される。
なお、物品保持体用カバー1を扁平状にするときには、図示したように、フラップ片26をカバー本体2の内側に折り曲げていてもよいし、或いは、図示しないが、フラップ片26を外側に出しておいてもよい(フラップ片26を表シート21と略同一面上にした状態でもよい)。
【0046】
そして、前記扁平状の物品保持体用カバー1のカバー本体2の開口部23を開き、その開口部23からブリスターパック7をカバー本体2内に挿入する。ブリスターパック7を挿入すると、ブリスターパック7の収納凸部91の上方部が、カバー本体2の窓部4に嵌り込むと共に、台紙8の上方部が、内側に折り曲げられたフラップ片26と表シート21との間に入り込む。窓部4に嵌り込んだ収納凸部91の上方部の周面壁912及び正面壁911の一部は、窓部4の縁(窓部4の下縁4aを含む縁)に接する又はその縁の近傍に位置する。このため、収納凸部91の上方部の周面壁912が、窓部4の上縁に係止され、フラップ片26と表シート21の間に差し入れられた台紙8の上縁が、フラップ片26に係止される。よって、ブリスターパック7は、上方への移動が規制された状態で、カバー本体2内に収納される。
【0047】
また、収納凸部91の上方部の正面壁911の表面が、窓部4の下縁4aよりも外側に突出すると共に、正面壁911の一部が、窓部4の下縁4aに接する又はその下縁4aの近傍に位置している。特に、正面壁911の傾斜面911aが窓部4の下縁4aに接する又はその下縁4aの近傍に位置している。
【0048】
次に、ブリスターパック7の台紙8の下方部を挟持するように、係止片3をカバー本体2の内側に折り曲げる。上述のように、折れ曲げられた係止片3は、湾曲し且つ斜めに折れ曲がった状態となり、その折れ曲がりが解除され難い。かかる係止片3によって、ブリスターパック7の台紙8の下端が係止される。
このようにして、図9〜図12に示すように、ブリスターパック7(物品保持体)と、このブリスターパック7を外装した物品保持体用カバー1と、を有する包装体10が得られる。
なお、ブリスターパック7を収納すると、物品保持体用カバー1の裏シート22が湾曲するので、それに追従して可撓性を有する台紙8も湾曲する。
【0049】
上記包装体10は、吊下げ用の孔27をハンガー棒に挿入することにより、吊下げて陳列することもできるし、或いは、カバー本体2の下方を載置面に置くことにより、自立させて陳列することもできる。
上記包装体10は、折り曲げられた係止片3によって台紙8の下縁が係止されているので、包装体10を吊り下げたり、或いは、これを吊下げ状態で運搬するときに、ブリスターパック7がカバー本体2の開口部23から落下することを防止できる。
さらに、収納凸部91の上方部の正面壁911の表面が、窓部4の下縁4aよりも外側に突出しているので、自重によりブリスターパック7が下方に移動しようとしても、収納凹部の上方部の高い部分が窓部4の下縁4aに係止される。このため、前記係止片3の支持機能と窓部4の係止の相乗により、ブリスターパック7の落下を確実に防止できる。
【0050】
また、上述のように、本発明の物品保持体用カバー1は、ブリスターパック7を収納せずに係止片3を折り曲げた状態で自立させると、裏シート22側に傾く(図5参照)。けれども、かかる物品保持体用カバー1内に、台紙8の表面に立体部が突出したブリスターパック7を収納すると、ブリスターパック7の重心が表シート21側に位置するので、包装体10は安定的に自立し得る。
また、係止片3には押圧部31が設けられているので、上述のように、係止片3は、ブリスターパック7を収納していなくても、保形機能を有する。このため、ブリスターパック7を収納した場合でも、図10に示すように、カバー本体2の下方部が底面視紡錘状となる。かかる底面視形状を有する包装体10は、より安定的に自立する(図11及び図12参照)。
【0051】
前記包装体10のブリスターパック7を取り出す際には、係止片3の係止を解除した後(係止片3を外側に戻した後)、物品保持体用カバー1の開口部23を通じてブリスターパック10を下方に引き出せばよい。
前記包装体10は、ブリスターパック7の正面壁911の傾斜面911aが窓部4の下縁4aに接する又はその下縁4aの近傍に位置しているので、前述のブリスターパック7を引き出す際に、ブリスターパック7の収納部材9が窓部4の下縁4aに引っ掛かることなく、ブリスターパック7の下方移動に伴い適宜表シート21が変形する。このため、ブリスターパック7を円滑に取り出すことができる。
【0052】
なお、本発明の物品保持体用カバー、物品保持体及び包装体は、上記第1実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で、適宜変更することができる。以下、本発明の他の実施形態を説明する。ただし、以下の他の実施形態の説明においては、上記第1実施形態と異なる事項について主として説明し、上記第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し且つ用語及び符号を援用する場合がある。また、以下では、様々な他の実施形態を説明するが、それらの実施形態の各構成を、本発明の意図する範囲で適宜組み合わすことも可能である。
【0053】
[第2実施形態]
上記第1実施形態におけるカバー本体2は、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁が閉塞されていないが、本発明の物品保持体用カバー1は、カバー本体2の下方に開口部23を有する限り、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁が閉塞されていてもよいし、或いは、カバー本体2のその他の部分が開口されていてもよい。
図13は、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁が閉塞されている物品保持体用カバー1を形成するための、展開シートの正面図である。なお、図13において、全ての折り罫線を一点鎖線で表している。
【0054】
この展開シートは、表シート21の両側縁から直線状折り罫線を介して糊代片25,25がそれぞれ連設されている。また、表シート21の上方及び裏シート22の上方からヘッダー片24,24がそれぞれ延設され、この一対のヘッダー片24,24は上縁において互いに接続されている。この展開シートを前記一対のヘッダー片24,24の境界に形成された直線状折り罫線において合掌状に折り曲げ、各糊代片25,25を裏シート22の両側部に貼り合わすことによって、第2実施形態の物品保持体用カバー1が形成される。ただし、第2実施形態の物品保持体用カバー1は、カバー本体2の上方が閉塞されているので、上記第1実施形態のようなフラップ片26は設けられていない。
【0055】
かかる物品保持体用カバー1は、表シート21の上縁及び裏シート22の上縁が閉塞されていることを除いて、上記第1実施形態の物品保持体用カバー1と同様である。第2実施形態の物品保持体用カバー1も、図14に示すように、ブリスターパック7に外装して使用される。
【0056】
[第3実施形態]
上記第1実施形態においては、係止片3と裏シート22の境界に形成される折り罫線5は、上向きに湾曲した線状とされているが、例えば、図15に示すように、前記折り罫線5が、上向きに屈曲した線状とされていてもよい。このような上向きに屈曲した線状としては、裏シート22の一方の側縁下部及び他方の側縁下部をそれぞれ始点として、そこから上向きに延びた一対の直線が互いに繋がった山形状などが挙げられる。かかる上向きに屈曲した折り罫線5の屈曲角度は、上向きに湾曲した上記第1実施形態の折り罫線5の曲率などに準じて設定できる。
【0057】
[その他]
本発明の物品保持体用カバー1は、上記のような形状のブリスターパック7を収納する場合に限られず、様々な形状のブリスターパックを収納できる。
上記第1実施形態以外のブリスターパックを収納する場合、その収納部材の形状に合わせて、上記窓部4の形状も適宜変更される。
さらに、本発明の物品保持体用カバー1は、ブリスターパック7を収納する場合に限られず、他の物品保持体を収納することもできる。
【0058】
他の物品保持体としては、例えば、(1)台紙に、粘着剤又は両面テープなどの貼着部材を用いて直接物品が取り付けられているもの、(2)台紙に筒状シュリンクフィルムの外面の一部分が取り付けられ且つその筒状シュリンクフィルム内に物品を挿入すると共に前記フィルムを熱収縮させることによって、物品が台紙に保持されているもの、(3)台紙と面状シュリンクフィルムの間に物品を介在させ且つ物品が介在していない領域において台紙と面状シュリンクフィルムを貼着すると共に、そのフィルムを熱収縮させることによって、物品が台紙に保持されているもの、などが挙げられる。
【0059】
前記(1)の物品保持体は、貼付部材が台紙に物品を保持させる保持手段に相当し、物品そのものが立体部に相当する。
前記(2)の物品保持体は、筒状シュリンクフィルムが台紙に物品を保持させる保持手段に相当し、筒状シュリンクフィルムと物品が立体部に相当する。
前記(3)の物品保持体は、面状シュリンクフィルムが台紙に物品を保持させる保持手段に相当し、面状シュリンクフィルムと物品が立体部に相当する。
【符号の説明】
【0060】
1…物品保持体用カバー、2…カバー本体、21…表シート、22…裏シート、23…開口部、24…ヘッダー片、26…フラップ片、27…吊下げ用の孔、3…係止片、31…押圧部、4…窓部、4a…窓部の下縁、5…折り罫線、7…ブリスターパック(物品保持体)、8…台紙、9…収納部材(立体部)、91…収納凸部、911a…収納凸部の傾斜面、92…フランジ部、10…包装体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙の表面に保持手段により物品が保持された立体部を有する物品保持体を収納可能で且つシート材から形成されたカバー本体と、前記物品保持体を係止する係止片と、を有し、
前記カバー本体が、両側縁同士が接続されて互いに対向した表シート及び裏シートと、前記表シートの下縁と裏シートの下縁の間に設けられ且つ前記物品保持体を挿入脱可能な開口部と、を有し、
前記係止片が、前記裏シートの下方から延設されており、前記係止片と裏シートの境界に、上向きに湾曲又は屈曲した折り罫線が形成されている、物品保持体用カバー。
【請求項2】
前記表シートの面内には、収納される前記物品保持体の立体部の一部分を露出させる窓部が形成されている、請求項1に記載の物品保持体用カバー。
【請求項3】
前記窓部が、収納される前記物品保持体の本体部の一部分を、窓部の下縁よりも外側に突出した状態で露出させることができるように形成されている、請求項2に記載の物品保持体用カバー。
【請求項1】
台紙の表面に保持手段により物品が保持された立体部を有する物品保持体を収納可能で且つシート材から形成されたカバー本体と、前記物品保持体を係止する係止片と、を有し、
前記カバー本体が、両側縁同士が接続されて互いに対向した表シート及び裏シートと、前記表シートの下縁と裏シートの下縁の間に設けられ且つ前記物品保持体を挿入脱可能な開口部と、を有し、
前記係止片が、前記裏シートの下方から延設されており、前記係止片と裏シートの境界に、上向きに湾曲又は屈曲した折り罫線が形成されている、物品保持体用カバー。
【請求項2】
前記表シートの面内には、収納される前記物品保持体の立体部の一部分を露出させる窓部が形成されている、請求項1に記載の物品保持体用カバー。
【請求項3】
前記窓部が、収納される前記物品保持体の本体部の一部分を、窓部の下縁よりも外側に突出した状態で露出させることができるように形成されている、請求項2に記載の物品保持体用カバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−229045(P2012−229045A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99103(P2011−99103)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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