説明

物品搬送装置

【課題】より高速にて物品を搬送可能な物品搬送装置を実現する。
【解決手段】回動可能に設けられ外周部に物品が収容される物品収容部を複数備え、前記物品収容部に収容された前記物品を所定の位置へ搬送するための回動部材と、各々の前記物品収容部に対応させて設けられ、前記物品収容部に収容された前記物品を前記所定の位置へ向けて押し出す押出部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を搬送する物品搬送装置としては、例えば薬品等を非接触式検査する際にアンプル等を搬送する搬送装置が知られている。このような搬送装置は、回転する円盤状のテーブル上に供給された被検査体がテーブルの外周に沿って並べられつつ順次搬送される。搬送される間に非接触式検査機器にて検査され、例えば不良と判定された被試験体は、所定の位置まで搬送されてテーブルから押し出される。このため、前記所定の位置には、テーブルの内側から外側に向かって突出して被試験体をテーブル外へ押し出すプッシャーが設けられている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−297145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような物品搬送装置は、被試験体をテーブル外へ押し出したときにはプッシャーが被試験体と接触する位置まで突出されている。一方、被試験体は順次搬送されてくるので、テーブル外へ被試験体を押し出した後、次に被試験体が搬送されてくるまでに、プッシャーを引き戻しておかなければならない。このため、被試験体が搬送されてくる間隔は、プッシャーが引き戻される時間以上確保しなければならず、要望されている搬送速度の高速化に対応できないという課題がある。
【0004】
本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、より高速にて物品を搬送可能な物品搬送装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための主たる発明は、回動可能に設けられ外周部に物品が収容される物品収容部を複数備え、前記物品収容部に収容された前記物品を所定の位置へ搬送するための回動部材と、各々の前記物品収容部に対応させて設けられ、前記物品収容部に収容された前記物品を前記所定の位置へ向けて押し出すための押出部と、を有することを特徴とする物品搬送装置である。
【0006】
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、より高速にて物品を搬送可能な物品搬送装置を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0009】
回動可能に設けられ外周部に物品が収容される物品収容部を複数備え、前記物品収容部に収容された前記物品を所定の位置へ搬送するための回動部材と、各々の前記物品収容部に対応させて設けられ、前記物品収容部に収容された前記物品を前記所定の位置へ向けて押し出すための押出部と、を有することを特徴とする物品搬送装置である。
このような物品搬送装置によれば、回動部材が備える複数の物品収容部には、各々の物品収容部に対応させて押出部が設けられているので、物品収容部に収容されている物品を他の物品収容部に収容されている物品及び押出部の状態に拘わらず押し出すことが可能である。例えば、互いに隣接する物品収容部に収容されている物品を互いに異なる押出部にて押し出すため、ある物品を押し出した後、次に物品が搬送されてくるまでに、押出部を引き戻しておく必要はない。このため、物品が所定の位置を通過する時間の間隔を縮めることが可能なので、より高速に物品を搬送することが可能である。
【0010】
かかる物品搬送装置であって、前記押出部は、前記回動部材の回動方向と交差する方向に移動するプッシャーと、前記回動部材に設けられ前記プッシャーが移動自在に収容されるプッシャー収容部と、前記プッシャー収容部と前記回動部材の外部とを連通する連通孔と、を有し、前記連通孔から前記プッシャー収容部に空気が供給されて前記プッシャーが押し出されることが望ましい。
このような物品搬送装置によれば、搬送された物品はプッシャーにより物理的に押されて押し出されるので、例えばバキューム等を用いて吸着させて取り出される場合のように吸着不良等による動作不良の発生が抑えられるため、確実に押し出すことが可能である。また、プッシャーはプッシャー収容部に空気が供給されて押し出されるので、物品収容部側から連通孔やプッシャー収容部に埃等が入り込んだり、プッシャーの突出する穴を埃等が塞ぐ畏れはなく良好に動作させることが可能である。
【0011】
かかる物品搬送装置であって、前記回動部材が回動自在に係合する回動係合部材を有し、前記回動係合部材は、前記回動部材と対向する部位に前記連通孔に前記空気を供給するための供給孔を有し、前記回動部材が回動し、前記回動部材に設けられた前記連通孔の口部と、前記回動係合部材に設けられた前記供給孔の口部とが対向する位置にて、前記連通孔に前記空気を供給可能となることが望ましい。
このような物品搬送装置によれば、連通孔の口部と供給孔の口部とが対向する位置にて連通孔に空気を供給可能となるので、回動部材が回動して所望の物品収容部と対応する連通孔の口部と供給孔の口部とが対向したときに空気を供給することにより、所望の物品収容部に収容された物品を容易に押し出すことが可能である。
【0012】
かかる物品搬送装置であって、前記回動係合部材は、前記回動部材の下方に設けられた固定されたベース部材であり、前記供給孔は、前記ベース部材に複数設けられ、各々の当該供給孔の口部は、前記回動部材と対向する上面に、前記回動部材の直径方向において互いに異なる位置に配置されており、複数の前記物品収容部は、前記回動部材の周方向に互いに間隔を隔てて形成されており、互いに隣接する前記物品収容部と連通する前記連通孔の口部は、前記回動部材の下面に直径方向において異なる複数種類の位置に設けられ、前記回動部材が回動することにより互いに異なる位置に配置された前記供給孔と対向することが望ましい。
このような物品搬送装置によれば、回動部材の下面に設けられ互いに隣接する物品収容部と連通する連通孔の口部は回動部材が回動することにより、ベース部材の上面に互いに異なる位置に配置された供給孔と対向する。このため、隣接する物品収容部と連通する連通孔の口部同士が近接されて設けられたとしても、各々が対向して空気を供給可能な供給孔の位置は回動部材の直径方向において互いに異なるので、確実に一方の物品収容部の物品のみを押し出すことが可能である。
【0013】
かかる物品搬送装置であって、前記回動部材の直径方向において同位置に設けられて互いに隣接する前記連通孔の口部の周方向におけるピッチは、前記回動部材の周方向における前記供給孔の口部の幅より広いことが望ましい。
このような物品搬送装置によれば、回動部材の直径方向において同位置に設けられて互いに隣接する連通孔のうちの1つの連通孔と、供給孔とを対向させることが可能である。すなわち、隣接する各物品収容部と連通するプッシャー収容部が近接して設けられていても、隣接する物品収容部と連通する連通孔を、回動部材の直径方向において互いに異なる位置に配置することにより、一方の物品収容部の物品のみを押し出すことが可能である。
【0014】
かかる物品搬送装置であって、前記回動係合部材は、前記回動部材と同心状に形成され、前記回動部材の回動軸となる中心軸体であり、前記供給孔は、前記中心軸体に複数設けられ、各々の当該供給孔の口部は、前記回動部材と対向する外周面に、前記中心軸体の軸に沿う方向において互いに異なる位置に配置されており、複数の前記物品収容部は、前記回動部材の周方向に互いに間隔を隔てて形成されており、互いに隣接する前記物品収容部と連通する前記連通孔の口部は、前記回動部材の内周面に軸に沿う方向において異なる複数種類の位置に設けられて、前記回動部材が回動することにより互いに異なる位置に配置された前記供給孔と対向することが望ましい。
このような物品搬送装置によれば、回動部材の内周面に設けられ互いに隣接する物品収容部と連通する連通孔の口部は回動部材が回動することにより、中心軸体の外周面に互いに異なる位置に配置された供給孔と対向する。このため、隣接する物品収容部と連通する連通孔の口部同士が近接されて設けられたとしても、各々が対向して空気を供給可能な供給孔の位置は回動軸に沿う方向において互いに異なるので、確実に一方の物品収容部の物品のみを押し出すことが可能である。
【0015】
かかる物品搬送装置であって、前記回動軸の軸に沿う方向において同位置に設けられて互いに隣接する前記連通孔の口部の周方向におけるピッチは、前記回動部材の周方向における前記供給孔の口部の幅より広いことが望ましい。
このような物品搬送装置によれば、回動軸の軸に沿う方向において同位置に設けられて互いに隣接する連通孔のうちの1つの連通孔と、供給孔とを対向させることが可能である。すなわち、隣接する各物品収容部と連通するプッシャー収容部が近接して設けられていても、隣接する物品収容部と連通する連通孔を、回動軸の軸に沿う方向において互いに異なる位置に配置することにより、一方の物品収容部の物品のみを押し出すことが可能である。
【0016】
かかる物品搬送装置であって、前記回動部材の周方向における、前記供給孔の口部の幅は、前記連通孔の口部の幅より広く形成されていることが望ましい。
このような物品搬送装置によれば、回動部材が回動する際に、供給孔の口部と連通孔の口部とが対向している時間を、供給孔の口部の幅と連通孔の口部の幅とがほぼ同等の場合より長くすることが可能である。このため、回動部材を回動させつつ連通孔に確実に空気を供給することが可能であり、押出部を確実に動作させることが可能である。
【0017】
かかる物品搬送装置であって、前記回動部材の周方向における、前記供給孔の口部の幅は、互いに隣接する前記連通孔の口部の周方向におけるピッチより広いことを特徴とする。
供給孔の口部と連通孔の口部とが回動部材の軸方向において同じ位置に配置されている場合には1つの供給孔の口部と複数の連通孔の口部とが対向してしまうような場合に、供給孔の口部及び連通孔の口部が回動部材の軸方向において異なる位置に設けられている本構成が、個別に収容部の物品を押し出すための構成として特に有効である。
【0018】
かかる物品搬送装置であって、前記物品を押し出すための前記押出部の先端には、押し出す前記物品と、より広い領域にて接触させるための先端部材が設けられていることが望ましい。
このような物品搬送装置によれば、押し出される物品は、より広い領域にて先端部材と接触して押し出されるので、物品をより安定した状態にて押し出すことが可能である。
【0019】
===装置の構成===
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る物品搬送装置の全体構成を説明するための概略構成図である。図2は、本実施形態に係る物品搬送装置の構成を説明するための平断面図である。図3は、空気の供給孔、連通孔、プッシャー収容部の構成を説明するための平断面図である。図4は、物品が押し出される様子を説明するための縦断面図である。図5は、物品が押し出されるタイミングを説明するための模式図である。本実施形態では、物品として薬品が注入されたアンプル等が搬送される物品搬送装置を例に挙げて説明する。
【0020】
本実施形態の物品搬送装置1は、図1、図2に示すように、回動自在に設けられた回動部材としての搬送用スターホイール10と、搬送用スターホイール10と同心に設けられ回動軸となる固定された中心軸体20と、搬送用スターホイール10と隣接させて設けられ搬送用スターホイール10と反対方向に回動自在に設けられた受渡用スターホイール40と、搬送用スターホイール10及び受渡用スターホイール40の外周と間隔を隔てて対向するように設けられた円弧状のガイド44と、搬送用スターホイール10内に回動方向と交差する方向、すなわち直径方向に移動可能に複数設けられたプッシャーとしてのピストン30と、ピストン30を移動させるために中心軸体20を介して搬送用スターホイール10に空気を供給する空気供給源46と、空気供給源46からの空気の供給及び非供給とを切り替えるスイッチ48と、スイッチ48を制御するための制御装置49と、を有している。ここで、中心軸体20は、回動部材としての搬送用スターホイール10が回動自在に係合する回動係合部材に相当する。
【0021】
本実施形態の物品搬送装置1は、図2の紙面における上方から搬送された物品50が搬送用スターホイール10に供給され、搬送用スターホイール10の回転によりガイド44に案内されつつ搬送され、紙面における下方側に排出されてさらに搬送されている。そして、搬送される途中、物品50が供給された後、搬送用スターホイール10が約90°回転した位置では、必要に応じて物品50が受渡用スターホイール40に受け渡され、もう一つの物品排出方向に所定の物品50を搬送することが可能である。
【0022】
本実施形態の物品搬送装置1は、例えば、物品50が搬送用スターホイール10に供給される位置から搬送用スターホイール10が約90°回転するまでの間に物品50が検査され、検査結果に応じて2つの排出方向に振り分けて搬送する場合などに用いられる。
【0023】
中心軸体20は、円柱状をなす部材であり、中心軸体20の外周面は、中心軸体20の外側に設けられる搬送用スターホイール10の内周面と対面して搬送用スターホイール10が中心軸体20の外側を回動するように構成されている。また、中心軸体20の外周面には、搬送用スターホイール10と対面する位置の上端側と下端側とにそれぞれ、中心軸体20と搬送用スターホイール10との間を気密にするためのシール材11が全周に亘って設けられている。
【0024】
中心軸体20には、上面側と周面の外側とを連通し前記空気供給源46からの空気を搬送用スターホイール10側に供給するための3本の空気供給孔21、22、23が設けられている。3本の空気供給孔21、22、23は、受渡用スターホイール40と中心軸体20の中心とを結ぶ直線上に配置され、搬送用スターホイール10の内周面と対向する外周面側に設けられた口部21a、22a、23aは中心軸体20の軸方向に沿って上下方向並ぶように設けられている。
【0025】
また、中心軸体20の外周面における空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aの形状は、中心軸体20の軸方向に短く、周方向の長さLは搬送用スターホイール10に設けられているピストン収容部12と連通された後述する連通孔13の周方向におけるピッチp(図5)より大きく形成されている。
【0026】
また、空気供給孔21、22、23は、中心軸体20の上面にて空気供給源46と3本のパイプ47によりそれぞれ接続されている。3本のパイプ47には、それぞれ空気の供給及び非供給を切り替えるスイッチ48が設けられており、スイッチ48は、制御装置49により各々独立して空気の供給及び非供給を切り替えることが可能に構成されている。
【0027】
制御装置49は、搬送用スターホイール10の位置を検出しており、検出した搬送用スターホイール10の位置情報と搬送用スターホイール10とともに回動される物品50の位置情報とに基づいて、スイッチ48を制御可能に構成されている。
【0028】
また、中心軸体20には、搬送用スターホイール10の回動方向において空気供給孔21、22、23より下流側に、搬送用スターホイール10に設けられた各連通孔13と対向し、搬送用スターホイール10側の空気が中心軸体20の上方に抜けるように形成された空気排出孔24を有している。
【0029】
搬送用スターホイール10は、内側に設けられた円柱状の中心軸体20を軸として回動する円筒状の部材であり、外周面には周方向に等間隔にて複数箇所に物品50を収容するための物品収容部16が設けられている。物品収容部16は、搬送する物品50(ここではアンプル)の半径より僅かに大きな半径にて形成された水平断面がほぼ半円状の凹部であり、アンプルの約半分が収容される。
【0030】
搬送用スターホイール10の上下方向における中間部分は、外周側の約半分が取り除かれて全周に亘って空間が形成されている。このため、外周面に形成されている物品収容部16は、前記空間の上下に形成されている。すなわち、搬送用スターホイール10は、外周に物品収容部16が設けられて径が大きな上側部位10a及び下側部位10bと、上側部位10a、下側部位10bに挟まれた径が小さな中間部位10cとに仮想的に分けられる。そして、物品50は、搬送用スターホイール10の外周部分の上下の2箇所の物品収容部16に当接されつつ搬送される。
【0031】
搬送用スターホイール10の中間部位10cには、回動中心に向かってピストンが移動自在に収容されるプッシャー収容部としてのピストン収容部12が設けられており、ピストン収容部12からは、ピストン収容部12と搬送用スターホイール10の内周面側の外部とを連通する連通孔13が形成されている。すなわち、搬送用スターホイール10の外周側に設けられたピストン収容部12と内周側に設けられた連通孔13とが、搬送用スターホイール10の直径方向に直線上に設けられ、対をなして繋がったピストン収容部12と連通孔13が、回動中心を中心として放射状に配置されている。各ピストン収容部12と各々のピストン収容部12と繋がった連通孔13とは、周方向において等間隔にて形成されており、ピストン収容部12の外周側は、上側部位10aと下側部位10bとの間の空間に連通している。
【0032】
また、連通孔13の直径はピストン収容部12の直径より小さく形成され、ピストン収容部12を形成する空隙の物品収容部16側の端部には、ピストン収容部12の内径より小さな内径の穴15aを有する筒状部15が嵌合されている。筒状部15の穴15aからは、内部に収容されたピストン30の後述する押出ピン部31が突出される。
【0033】
ピストン30は、押出ピン部31と、拡径摺動部32とを有し、押出ピン部31と拡径摺動部32とが同軸に設けられた棒状の部材である。そしてピストン30は、ピストン収容部12に収容された際に、拡径摺動部32が中心軸体20側に、押出ピン部31が物品収容部16側に配置される。
【0034】
押出ピン部31は、筒状部15に設けられた穴15aの内径より僅かに小さな外径を有し、拡径摺動部32の外径より十分小さな外径に形成されている。
【0035】
ピストン収容部12は、連通孔13より物品収容部16側に設けられ、ピストン30が収容されて搬送用スターホイール10の直径方向に移動可能に形成されている。また、ピストン収容部12にはピストン30とともに付勢部材としての圧縮ばね38が押出ピン部31に挿通された状態で収容されている。この圧縮ばね38は、拡径摺動部32の押出ピン部31側の端面と筒状部15との間に介在されて、ピストン30を連通孔13側に付勢している。
【0036】
そして、連通孔13側から空気が供給されてピストン30が物品収容部16側に押圧された際に圧縮ばね38が圧縮されてピストン30が物品収容部16側に移動する。このように、連通孔13から供給される空気によりピストン30が移動するので、拡径摺動部32とピストン収容部12の内周壁とがほぼ気密となるように形成されている。
【0037】
本実施形態の物品搬送装置1は、周方向に隣接する3つのピストン収容部12にそれぞれ繋がる連通孔13の上下方向の位置が、搬送用スターホイール10の内周面にて互いに相違するように複数種類(ここでは3箇所)の位置に配置されている。具体的には、図3〜図5に示すように、例えば周方向に隣接する3つのピストン収容部12において、回動方向における下流側のピストン収容部12aと連通する連通孔13aの口部13bは、ピストン収容部12aと同軸にて水平方向に直線状に形成されており、3つのピストン収容部12のうち真ん中のピストン収容部12bと連通する連通孔13cの口部13dは、下流側の連通孔13aの口部13bより低い位置(中段)に設けられており、最も上流側のピストン収容部12cと連通する連通孔13eの口部13fは、真ん中の連通孔13cの口部13dよりさらに低い位置(下段)に設けられている。
【0038】
このように、周方向に隣接する3つのピストン収容部12a、12b、12cごとに連通孔13a、13c、13eの上下方向の口部13b、13d、13fの位置が上段、中段、下段というように互いに相違している。そして、上段に位置する連通孔13aの口部13b同士、中段に位置する連通孔13cの口部13d同士、下段に位置する連通孔13eの口部13f同士は、同一高さに形成され、同一段にて隣接する口部13b、13d、13f同士のピッチPは空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aの周方向の幅Lより大きく形成されている。
【0039】
図4(a)は、上段の空気供給孔21に空気が供給されてピストン30が物品50を押し出した状態を示す図である。図4(b)は、中段の空気供給孔22に空気が供給されてピストン30が物品50を押し出した状態を示す図である。図4(c)は、下段の空気供給孔22に空気が供給されてピストン30が物品50を押し出した状態を示す図である。
【0040】
搬送用スターホイール10と中心軸体20とが組み合わされた状態で、搬送用スターホイール10が回動すると、上段に位置する連通孔13aの口部13bと上段に位置する空気供給孔21の口部21aとが、中段に位置する連通孔13cの口部13dと中段に位置する空気供給孔22の口部22aとが、下段に位置する連通孔13eの口部13fと下段に位置する空気供給孔23の口部23aとが所定のタイミングで対向するように構成されている。
【0041】
次に、ピストン30により物品50を押し出す動作について図2〜図5にて説明する。ここでは、先ず、すべての物品50を受渡用スターホイール40に受け渡す場合の動作について説明する。
【0042】
図5(a)は、搬送用スターホイール10が回動した際の、搬送用スターホイール10の内周面に形成された連通孔13a、13c、13eと、中心軸体20の外周面に形成された空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aとの位置関係を時系列的に示した図である。図5におけるXは、図2のXの位置、すなわち、受渡用スターホイール40の中心と中心軸体20の中心とを繋ぐ位置を中心軸体20の中心側から見たイメージにて示している。このとき搬送用スターホイール10の回動方向は左方向である。また、連通孔13は、隣接する3つずつを、実線、破線、一転鎖線にてグループ分けして示している。
【0043】
図5(b)は、すべての物品を受渡用スターホイール40に受け渡す際における、各スイッチ48の動作を示す図である。図5(b)におけるA〜Dは、図5(a)の各時点を示している。すなわち、図5(a)のAの状態では図5(b)におけるA時点のようにスイッチ48が制御され、図5(a)のBの状態では図5(b)におけるB時点のようにスイッチ48が制御され、図5(a)のCの状態では図5(b)におけるC時点のようにスイッチ48が制御され、図5(a)のDの状態では図5(b)におけるD時点のようにスイッチ48が制御される。
【0044】
まず、搬送用スターホイール10が回動し、実線にて示した隣接する3つのピストン収容部12a、12b、12cと連通している3つの連通孔13a、13c、13eのうち、上段の連通孔13aの口部13bが、上段の空気供給孔21の口部21aと対向した位置(A時点)にて、制御装置49により上段の空気供給孔21と繋がったパイプ47に設けられたスイッチ48をONし、上段の空気供給孔21に空気を供給し始める。このとき、下段の空気供給孔23と繋がったパイプ47に設けられたスイッチ48がONされていたらOFFに切り替える。
【0045】
上段の空気供給孔21に空気が供給されると、上段の空気供給孔21の口部21aと対向している連通孔13aからピストン収容部12aに空気が供給され、空気によりピストン30が圧縮ばね11を圧縮しつつ物品収容部16側に移動し始める。
【0046】
移動し始めたピストン30は、押出ピン部31が物品50に当接して物品50を押し出していく。このとき図2に示すように、物品50は、搬送用スターホイール10と受渡用スターホイール40とにそれぞれ収容された状態から、回動しつつ徐々に押し出され受渡用スターホイール40側に移動していく。
【0047】
搬送用スターホイール10が回動し、上段の空気供給孔21における下流側の領域に連通孔13aの口部13bが移動し、中段の空気供給孔22における上流側の領域に連通孔13cの口部13dが移動(B時点)すると、上段の空気供給孔21と繋がったパイプ47に設けられたスイッチ48がOFFされ、中段の空気供給孔22と繋がったパイプ47に設けられたスイッチ48がONに切り替えられる。この状態では、ピストン収容部12aに供給された空気の圧縮力により押出ピン部31の段部31aが筒状部15に突き当てられて上段のピストン30は突出した状態がほほ維持される。また、中段の空気供給孔22の口部22aと対向している連通孔13cからピストン収容部12bに空気が供給され、空気によりピストン30が圧縮ばね11を圧縮しつつ物品収容部16側に移動し始める。
【0048】
そして、さらに搬送用スターホイール10が回動すると、搬送用スターホイール10の上側部位10aと下側部位10bとの間の空間にピストン収容部12bに収容されているピストン30の押出ピン部31が突出し、物品収容部16の物品50を押し出して、物品50は、搬送用スターホイール10の回動に伴って徐々に押し出され受渡用スターホイール40側に移動していく。このとき、上段の連通孔13aと空気排出孔24とが対向して、ピストン収容部12aの空気は、連通孔13aから空気排出孔24へ流れ、空気の圧縮力が低下するため、ピストン30は圧縮ばね11により中心軸体20側へ押し戻される。
【0049】
搬送用スターホイール10がさらに回動し、中段の空気供給孔22における下流側の領域に連通孔13cの口部13dが移動し、下段の空気供給孔23における上流側の領域に連通孔13eの口部13fが移動(C時点)すると、中段の空気供給孔22と繋がったパイプ47に設けられたスイッチ48がOFFされ、下段の空気供給孔23と繋がったパイプ47に設けられたスイッチ48がONに切り替えられる。この状態では、ピストン収容部12bに供給された空気の圧縮力により押出ピン部31の段部31aが筒状部15に突き当てられて中段のピストン30は突出した状態がほほ維持される。また、下段の空気供給孔23の口部23aと対向している連通孔13eからピストン収容部12cに空気が供給され、空気によりピストン30が圧縮ばね11を圧縮しつつ物品収容部16側に移動し始める。
【0050】
このように、搬送用スターホイール10の回動に合わせて、上記のような適宜タイミングにて3つの空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aに空気を供給することにより、物品50を個別に受渡用スターホイール40側に受け渡すことが可能である。当然のことながら、いずれの空気供給孔21、22、23にも空気を供給しなければ、物品50は搬送用スターホイール10の物品収容部16に収容されたまま搬送されて、図2の紙面における下方の排出方向に排出される。
【0051】
本実施形態の物品搬送装置1によれば、搬送用スターホイール10が備える複数の物品収容部16には、各々の物品収容部16に対応させて、押出部としてのピストン30、ピストン収容部12、連通孔13が設けられているので、物品収容部16に収容されている物品50を他の物品収容部16に収容されている物品50及びピストン30の状態に拘わらず個別に押し出すことが可能である。特に、隣接する3つの物品収容部16に収容された物品50を押し出すピストン30を互いに異なる空気供給孔21、22、23から空気をピストン収容部12に供給して突出させる構成としたので、突出させたピストン30を、隣接する物品50を押し出すために引き戻す必要がない。このため、隣接するピストン30を動作させる時間間隔を短くすることが可能であり、短時間にてより多くの物品50を仕分けつつ搬送することが可能である。
【0052】
また、搬送された物品50はピストン30により物理的に押されて押し出されるので、例えばバキューム等を用いて吸着させて物品50を取り出す場合のような吸着不良等による動作不良の発生を抑えることが可能である。このため、物品50を確実に押し出すことが可能である。また、ピストン30はピストン収容部12に空気が供給されて押し出されるので、物品収容部16側から連通孔13やピストン収容部12に埃等が入り込んだり、ピストン30の押出ピン部31が突出する穴15aを埃等が塞ぐ畏れはなく良好に動作させることが可能である。
【0053】
また、連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fと空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aとが対向する位置にて連通孔13a、13c、13eに空気が供給可能となるので、搬送用スターホイール10が回動して所望の物品収容部16に対応する連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fと空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aとが対向したときに空気を供給することにより、所望の物品収容部16に収容された物品50を容易に押し出すことが可能である。
【0054】
また、互いに隣接する物品収容部16と連通する連通孔13a、13c、13eは、搬送用スターホイール10が回動することにより互いに異なる位置に配置された空気供給孔21、22、23と対向する。つまり本実施形態では、隣接する物品収容部16と連通する連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13f同士が近接されて設けられたとしても、各々が対向して空気が供給され得る空気供給孔21、22、23は、中心軸体20の軸に沿う方向において互いに異なる上下の位置に配置されているので、確実に一つの物品収容部16の物品50のみを押し出すことが可能である。
【0055】
また、搬送用スターホイール10が回動する際に、空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aと連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fとが対向している時間を、空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aの幅Lと連通孔13a、13c、13eの口部の幅としての直径lがほぼ同等の場合より長くしたので、搬送用スターホイール10を回動させつつ連通孔13a、13c、13eに確実に空気を供給することが可能であり、ピストン30を確実に動作させることが可能である。このような構成は、空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aと連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fとが回動軸の軸方向において同じ位置に配置されて、1つの空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aと複数の連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fとが対向してしまうような場合に特に有効である。
【0056】
特に、回動軸の軸に沿う方向において同位置に設けられて互いに隣接する連通孔13a、13c、13e、すなわち、上段の連通孔13a同士、中段の連通孔13c同士、下段の連通孔13e同士の口部13b、13d、13fのピッチPを、搬送用スターホイール10の周方向における空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aの幅Lより広くしたので、上段の連通孔13a同士、中段の連通孔13c同士、下段の連通孔13e同士のうちの1つの連通孔13a、13c、13eと、空気供給孔21、22、23を対向させることが可能である。すなわち、隣接する各物品収容部16と連通するピストン収容部12が近接して設けられていても、隣接する物品収容部16と連通する連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fを、回動軸の軸に沿う方向において互いに異なる位置に配置することにより、隣接している物品収容部16のうち一方の物品収容部16の物品50のみを押し出すことが可能である。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形が可能である。
【0058】
上記実施形態においては、物品50を棒状の押出ピン部31の先端にて押し出す形態について説明したが、これに限るものではない。
【0059】
図6は、プッシャーの変形例を示す図であり、図6(a)は、プッシャーの変形例を示す平断面図、図6(b)は、プッシャーの変形例を示す縦断面図、図6(c)は、接触部材の拡大図である。図示するように、搬送用スターホイール10の上側部位10aと下側部位10bとに凹部10dを設け、ピストン30の押出ピン部31の先端には物品50の長さに合わせ上下方向に長い接触部材33を設け、凹部10dに収容された接触部材33がピストン30に押し出されることにより接触部材33にて物品50を押し出す形態でも構わない。この場合には、物品50をほぼ全体的に押し出すことができるため、物品を安定した状態にて押し出すことが可能である。
【0060】
図7は、空気の供給経路の変形例を説明するための図である。図7(a)は、直径方向における外周側の空気供給孔21に空気が供給されてピストン30が物品50を押し出した状態を示す図である。図7(b)は、直径方向における中央の空気供給孔22に空気が供給されてピストン30が物品50を押し出した状態を示す図である。図7(c)は、直径方向における中心側の空気供給孔22に空気が供給されてピストン30が物品50を押し出した状態を示す図である。
【0061】
上記実施形態においては、空気を搬送用スターホイール10側に供給するための3本の空気供給孔21、22、23が中心軸体20に設けられ、口部21a、22a、23aが搬送用スターホイール10の周面側に、中心軸体20の軸方向に沿って上下方向並ぶように設けられている例について説明したが、これに限るものではない。例えば、図7に示すように、搬送用スターホイール10が、回動自在に保持されている中心軸体20が搬送用スターホイール10の下方に位置するベース部材8と一体に形成されており、このベース部材8に3本の空気供給孔21、22、23が設けられていても良い。この場合には、空気供給源46からの空気はベース部材8の下側から供給され、3本の空気供給孔21、22、23は、鉛直方向に沿って設けられる。また、口部21a、22a、23aは、搬送用スターホイール10と対向するベース部材8の上面に設けられ、搬送用スターホイール10の直径方向に沿って並ぶように設けられる。
【0062】
また、搬送用スターホイール10に設けられた周方向に隣接する3つのピストン収容部12と連通する連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fは、搬送用スターホイール10の下面に設けられる。そして、3つのピストン収容部12において、回動方向における下流側のピストン収容部12aと連通する連通孔13aの口部13bは、搬送用スターホイール10の直径方向において外周側に形成されており、最も上流側のピストン収容部12cと連通する連通孔13eの口部13fは、搬送用スターホイール10の直径方向において中心側に設けられており、3つのピストン収容部12のうち真ん中のピストン収容部12bと連通する連通孔13cの口部13dは、外周側の口部13bと中心側の口部13fの中間に設けられている。
【0063】
このように、周方向に隣接する3つのピストン収容部12a、12b、12cごとに連通孔13a、13c、13eの直径方向に並ぶ口部13b、13d、13fの位置が外周側、中心側、それらの中間というように互いに相違している。そして、外周側に位置する連通孔13aの口部13b同士、中間に位置する連通孔13cの口部13d同士、中心側に位置する連通孔13eの口部13f同士は、中心からの距離が等しくなるように形成され、中心からの距離が等しい位置にて隣接する口部13b、13d、13f同士のピッチPは空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aの周方向の幅Lより大きく形成されている。
【0064】
本変形例の物品搬送装置9によれば、搬送用スターホイール10の下面に設けられ互いに隣接する物品収容部16と連通する連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fは搬送用スターホイール10が回動することにより、ベース部材8の上面に互いに異なる位置に配置された空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23と対向する。このため、隣接する物品収容部16と連通する連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13f同士が近接されて設けられたとしても、各々が対向して空気を供給可能な空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23の位置は搬送用スターホイール10の直径方向において互いに異なるので、確実に一方の物品収容部16の物品50のみを押し出すことが可能である。
【0065】
また、上記実施形態及び変形例においては、いずれも突出したピストン30を圧縮ばね38の反発力により押し戻す例について説明したが、ピストン30を戻す機構は、これに限るものではない。図8は、突出したピストンを戻す機構の変形例を説明するための図である。図8に示すように、搬送用スターホイール10には、ピストン30が空気により物品収容部16側に突出されて押出ピン部31の段部31aが筒状部15に突き当てられたときに、各ピストン収容部12の拡径摺動部32と筒状部15との間となる位置からベース部材8と対向する側(図8では下方)に向けて外部と連通する連通孔13gが設けられている。
【0066】
また、ベース部材8には、搬送用スターホイール10が回動し、ピストン収容部12の中心軸体側に設けられた連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fが空気排出孔24と対向する位置に移動した際に、物品収容部16側に設けられた連通孔13gの口部13hと対向する位置に、空気供給源46からの空気が供給される空気供給孔28の口部28aが設けられている。空気供給孔28には、空気供給源46との間に、空気の供給と非供給とを切り替えるスイッチ48が設けられており、スイッチ48は制御装置49にて制御可能に構成されている。
【0067】
そして、突出されたピストン30が収容されているピストン収容部12と連通している連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fが、空気排出孔24と対向する位置に搬送用スターホイール10が回動したときに、制御装置49の制御によりスイッチ48がONされて空気供給源46から空気供給孔28に空気が供給される。空気供給孔28に供給された空気は物品収容部16側に設けられた連通孔13gを通ってピストン収容部12の拡径摺動部32と筒状部15との間に供給される。ピストン収容部12の拡径摺動部32と筒状部15との間に供給された空気は、ピストン30を中心軸体20側に移動させるべく作用する。このため、たとえ圧縮ばね38に不具合が生じたとしても、ピストン収容部12の拡径摺動部32と筒状部15との間に空気を供給することにより、ピストン30を強制的に元の位置、すなわち中心軸体20側に移動させることが可能である。このように、ピストン30を強制的に元の位置に戻す機構を備えた構成とすると、より円滑に物品50を搬送及び次工程に供給することが可能であり、また、ピストン30が戻ることなく突出しつつけることにより生じる破損及び損傷を回避することが可能である。
【0068】
上記実施形態においては、回動部材をスターホイールとしたが、これに限らず、物品収容部を有するベルト状の部材を、受け渡し部分にて屈曲させて回動させた形態でも構わない。
【0069】
上記実施形態においては、図2の紙面において上方から物品50が供給され、供給された位置から搬送用スターホイール10が90°回動した位置にて受渡用スターホイール40に受け渡し、図2の紙面において下方に排出する例について説明したが、供給する位置及び受け渡し位置はこれに限るものではない。また、受け渡し位置を、1箇所としたが複数箇所に設けても構わない。さらに、物品搬送装置1は必ずしも受け渡す必要はなく、物品50を所定の複数の領域に押し出して振り分ける物でも構わない。このため、物品搬送装置1としては、受渡用スターホイール40が必ずしも設けられていなくともよい。
【0070】
また、上記実施形態においては、互いに隣接する3つのピストン等の押出部を1セットとして連通孔の口部の位置を互いに異ならせたが、セットとする押出部は、3つに限るものではない。
【0071】
上記実施形態においては、ピストン30を確実に動作させるために、搬送用スターホイール10が回動する際に、空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aと連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fとが対向する時間を長くすべく、空気供給孔21、22、23の口部21a、22a、23aの、回動方向における幅Lを連通孔13a、13c、13eの口部13b、13d、13fの直径lより長くした例について説明したが、これに限らず、たとえば、空気供給孔の口部の形状をほぼ円形とし、搬送用スターホイールの内周面に形成される連通孔の口部の、回動方向における幅を、空気供給孔の口部の直径より長くしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態においては、搬送用スターホイール10の外周面と対向させてガイド44を備えた形態としたが、物品収容部にて物品を収容できる形態、例えば把持部を有する構成であれば、ガイドは必ずしも設けられていなくともよい。
【0073】
また、上記実施形態においては、物品50を薬品のアンプルを例に挙げて説明したが、これに限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態に係る物品搬送装置の全体構成を説明するための概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る物品搬送装置の構成を説明するための平断面図である。
【図3】空気の供給孔、連通孔、プッシャー収容部の構成を説明するための縦断面図である。
【図4】図4(a)は、上段の空気供給孔に空気が供給されてピストンが物品を押し出した状態を示す図である。図4(b)は、中段の空気供給孔に空気が供給されてピストンが物品を押し出した状態を示す図である。図4(c)は、下段の空気供給孔に空気が供給されてピストンが物品を押し出した状態を示す図である。
【図5】図5(a)は、搬送用スターホイールが回動した際の、搬送用スターホイールの内周面に形成された連通孔と、中心軸体の外周面に形成された空気供給孔の口部との位置関係を時系列的に示した図である。図5(b)は、すべての物品を受渡用スターホイールに受け渡す際における、各スイッチの動作を示す図である。
【図6】図6(a)は、プッシャーの変形例を示す平断面図である。図6(b)は、プッシャーの変形例を示す縦断面図である。図6(c)は、接触部材の拡大図である。
【図7】図7(a)は、直径方向における外周側の空気供給孔に空気が供給されてピストンが物品を押し出した状態を示す図である。図7(b)は、直径方向における中央の空気供給孔に空気が供給されてピストンが物品を押し出した状態を示す図である。図7(c)は、直径方向における中心側の空気供給孔に空気が供給されてピストンが物品を押し出した状態を示す図である。
【図8】突出したピストンを戻す機構の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0075】
1 物品搬送装置、8 ベース部材、9 物品搬送装置、
10 搬送用スターホイール、10a 上側部位、10b 下側部位、
10c 中間部位、10d 凹部、11 シール材、12 ピストン収容部、
12a ピストン収容部、12b ピストン収容部、12c ピストン収容部、
13 連通孔、13a 連通孔、13b 口部、13c 連通孔、13d 口部、
13e 連通孔、13f 口部、13g 連通孔、13h 口部、15 筒状部、
15a 穴、16 物品収容部、20 中心軸体、21 空気供給孔、21a 口部、
22 空気供給孔、22a 口部、23 空気供給孔、23a 口部、
24 空気排出孔、28 空気供給孔、28a 口部、30 ピストン、
31 押出ピン部、31a 段部、32 拡径摺動部、33 接触部材、
38 圧縮ばね、40 受渡用スターホイール、44 ガイド、46 空気供給源、
47 パイプ、48 スイッチ、49 制御装置、50 物品、
L 空気供給孔の幅、l 連通孔の幅、P 同じ段の連通孔のピッチ、
p 隣接する連通孔のピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動可能に設けられ外周部に物品が収容される物品収容部を複数備え、前記物品収容部に収容された前記物品を所定の位置へ搬送するための回動部材と、
各々の前記物品収容部に対応させて設けられ、前記物品収容部に収容された前記物品を前記所定の位置へ向けて押し出すための押出部と、
を有することを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物品搬送装置であって、
前記押出部は、前記回動部材の回動方向と交差する方向に移動するプッシャーと、
前記回動部材に設けられ前記プッシャーが移動自在に収容されるプッシャー収容部と、
前記プッシャー収容部と前記回動部材の外部とを連通する連通孔と、を有し、
前記連通孔から前記プッシャー収容部に空気が供給されて前記プッシャーが押し出されることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の物品搬送装置であって、
前記回動部材が回動自在に係合する回動係合部材を有し、
前記回動係合部材は、前記回動部材と対向する部位に、前記連通孔に前記空気を供給するための供給孔を有し、
前記回動部材が回動し、前記回動部材に設けられた前記連通孔の口部と、前記回動係合部材に設けられた前記供給孔の口部とが対向する位置にて、前記連通孔に前記空気を供給可能となることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の物品搬送装置であって、
前記回動係合部材は、前記回動部材の下方に設けられ固定されたベース部材であり、
前記供給孔は、前記ベース部材に複数設けられ、各々の当該供給孔の口部は、前記回動部材と対向する上面に、前記回動部材の直径方向において互いに異なる位置に配置されており、
複数の前記物品収容部は、前記回動部材の周方向に互いに間隔を隔てて形成されており、互いに隣接する前記物品収容部と連通する前記連通孔の口部は、前記回動部材の下面に直径方向において異なる複数種類の位置に設けられ、前記回動部材が回動することにより互いに異なる位置に配置された前記供給孔と対向することを特徴とする物品搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の物品搬送装置であって、
前記回動部材の直径方向において同位置に設けられて互いに隣接する前記連通孔の口部の周方向におけるピッチは、前記回動部材の周方向における前記供給孔の口部の幅より広いことを特徴とする物品搬送装置。
【請求項6】
請求項3に記載の物品搬送装置であって、
前記回動係合部材は、前記回動部材と同心状に形成され、前記回動部材の回動軸となる中心軸体であり、
前記供給孔は、前記中心軸体に複数設けられ、各々の当該供給孔の口部は、前記回動部材と対向する外周面に、前記中心軸体の軸に沿う方向において互いに異なる位置に配置されており、
複数の前記物品収容部は、前記回動部材の周方向に互いに間隔を隔てて形成されており、互いに隣接する前記物品収容部と連通する前記連通孔の口部は、前記回動部材の内周面に軸に沿う方向において異なる複数種類の位置に設けられて、前記回動部材が回動することにより互いに異なる位置に配置された前記供給孔と対向することを特徴とする物品搬送装置。
【請求項7】
請求項6に記載の物品搬送装置であって、
前記回動軸の軸に沿う方向において同位置に設けられて互いに隣接する前記連通孔の口部の周方向におけるピッチは、前記回動部材の周方向における前記供給孔の口部の幅より広いことを特徴とする物品搬送装置。
【請求項8】
請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の物品搬送装置であって、
前記回動部材の周方向における、前記供給孔の口部の幅は、前記連通孔の口部の幅より広く形成されていることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項9】
請求項3乃至請求項8のいずれかに記載の物品搬送装置であって、
前記回動部材の周方向における、前記供給孔の口部の幅は、互いに隣接する前記連通孔の口部の周方向におけるピッチより広いことを特徴とする物品搬送装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の物品搬送装置であって、
前記物品を押し出すための前記押出部の先端には、押し出す前記物品と、より広い領域にて接触させるための先端部材が設けられていることを特徴とする物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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