説明

物品搬送装置

【課題】制御手段による制御の簡素化を図ることができる物品搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送コンベヤ21の端部が物品支持体2に載置支持されている物品の端部の直下に位置する突出位置と、搬送コンベヤ21を移載装置11側に引退させた引退位置とに、搬送コンベヤ21を水平方向に沿って出退移動させる出退操作手段を設け、搬送コンベヤ21を突出位置に位置させた状態において、上昇位置と下降位置とに搬送コンベヤ21の載置搬送面を水平姿勢に維持したままで搬送コンベヤ21を鉛直方向に昇降移動させる昇降操作手段を設け、搬送コンベヤ21が突出位置に位置し且つ上昇位置に位置している状態において、当該搬送コンベヤ21の搬送作用により、物品支持体2上の物品を搬送コンベヤ21上に移載する受け渡し処理と、搬送コンベヤ21上の物品を物品支持体2上に移載する受け取り処理とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載方向に沿って物品を載置搬送自在な搬送コンベヤを備えた移載装置と、物品を載置支持する複数の物品支持体の夫々に対応して設定された移載用位置に、前記移載装置を移動させる移動操作手段と、前記移載装置及び前記移動操作手段の作動を制御する制御手段とを備えて構成されている物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送装置は、移動操作手段により、移載対象の物品支持体に対応した移載用位置に移載装置を移動させ、移載装置により、物品支持体と自己との間で物品を移載させて、複数の物品支持体の間で物品を搬送するものである。
そして、このような物品搬送装置の従来例として、移載装置に備えた搬送コンベヤを出退させながら当該搬送コンベヤの姿勢を水平姿勢と先端部を上方に揺動させた傾斜姿勢とに姿勢変更させる出退姿勢操作手段を備えたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
この従来の物品搬送装置は、物品支持体上の物品を搬送コンベヤ上に移載するときは、出退姿勢操作手段にて、搬送コンベヤを突出移動させながら搬送コンベヤの姿勢を水平姿勢から傾斜姿勢に姿勢変更させて、その先端部を物品の底面の移載装置側の端部に当接させ、この状態で搬送コンベヤを搬送作動させることで、物品支持体上の物品を搬送コンベヤ上に移載し、その後、出退姿勢操作手段にて、搬送コンベヤを引退移動させながら搬送コンベヤの姿勢を傾斜姿勢から水平姿勢に復帰姿勢変更させることで、物品の移載を行っている。また、搬送コンベヤ上の物品を物品支持体上に移載するときは、上記の逆の動作をすることで、物品の移載を行っている。
【0003】
ちなみに、物品を物品支持体上から搬送コンベヤ上に移載させる場合では、物品が物品支持体に載置支持されている物品に対して、水平引退位置に位置する搬送コンベヤを傾斜突出位置に突出移動させて、搬送コンベヤの先端部にて物品の底面における手前側の端部(移載装置側の端部)を持ち上げて支持した後、搬送コンベヤを搬送作動させて、物品を物品支持体上から物品を引き上げるようにして搬送コンベヤ上に載置支持している。
また、物品を搬送コンベヤ上から物品支持体上に移載させる場合では、物品が搬送コンベヤに載置支持されている物品に対して、水平引退位置に位置する搬送コンベヤを突出移動させながら姿勢変更させて上昇突出位置に移動させた後、搬送コンベヤの先端部にて物品の底面における手前側の端部のみを載置支持する状態まで物品を押し出すように搬送コンベヤを作動させて、物品を搬送コンベヤ上から物品支持体上に移載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−45211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の物品搬送装置では、物品を物品支持体上から搬送コンベヤ上に移載する場合、水平引退位置から傾斜突出位置に搬送コンベヤを突出移動させながら傾斜姿勢に姿勢変更させるので、搬送コンベヤの端部にて物品の手前側の端部が物品支持体の奥側に向けて斜め上方に向けて持ち上げられることになる。そのため、物品が物品支持体の奥側に押し込まれて物品支持体の奥側にずれる。
また、物品を搬送コンベヤ上から物品支持体上に移載する場合、傾斜突出位置から水平引退位置に搬送コンベヤを手前側に引退移動させながら水平姿勢に姿勢変更させるので、搬送コンベヤに載置支持されている物品の手前側の端部が手前側に向けて斜め下方に向けて降ろされることになる。そのため、物品が物品支持体の手前側に引き出されて物品支持体の手前側にずれる。
【0006】
上記した従来の物品搬送装置では、搬送コンベヤの突出移動及び傾斜姿勢への姿勢変更に伴って物品が物品支持体の奥側に押し込まれて移動する量を、搬送コンベヤの搬送作動により物品を手前側に引き込むことで移動する量と相殺させることにより、物品が物品支持体の奥側に押し込まれるのを防止している。また、搬送コンベヤの引退移動及び水平姿勢への姿勢変更に伴って物品が物品支持体の手前側に引き出される量を、搬送コンベヤの搬送作動により物品を奥側に押し出すことで移動する量と相殺させることにより、物品が物品支持体の手前側に引き出されるのを防止している。
しかし、このようにして物品が物品支持体の奥側に押し込まれることや物品が物品支持体の手前側に引き出されることを防止するためには、出退姿勢操作手段による搬送コンベヤの出退移動と搬送コンベヤの搬送作動とを同期させる必要があるため、制御手段による搬送コンベヤ及び出退姿勢操作手段の制御として精度の高い制御が必要となり、制御手段の構成が複雑となっていた。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、制御手段の構成の簡素化を図ることができる物品搬送装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる物品搬送装置は、移載方向に沿って物品を載置搬送自在な搬送コンベヤを備えた移載装置と、物品を載置支持する複数の物品支持体の夫々に対応して設定された移載用位置に、前記移載装置を移動させる移動操作手段と、前記移載装置及び前記移動操作手段の作動を制御する制御手段とを備えて構成されているものであって、その第1特徴構成は、
前記搬送コンベヤを移載方向で前記物品支持体側に突出させて前記搬送コンベヤにおける物品支持体側の端部が、前記物品支持体に載置支持されている物品における前記移載装置側の端部の直下に位置する突出位置と、前記搬送コンベヤを前記移載装置側に引退させた引退位置とに、前記搬送コンベヤを水平方向に沿って出退移動させる出退操作手段が設けられ、前記搬送コンベヤを前記突出位置に位置させた状態において、前記搬送コンベヤの載置搬送面が前記物品支持体に載置支持された物品の下面より上方に位置する上昇位置と、前記物品支持体に載置支持された物品の下面から下方に離間する下降位置とに、前記搬送コンベヤの載置搬送面を水平姿勢に維持したままで前記搬送コンベヤを鉛直方向に昇降移動させる昇降操作手段が設けられ、前記制御手段が、前記搬送コンベヤが前記突出位置に位置し且つ前記上昇位置に位置している状態において、当該搬送コンベヤの搬送作用により、前記物品支持体上の物品を前記搬送コンベヤ上に移載する受け渡し処理と、前記搬送コンベヤ上の物品を前記物品支持体上に移載する受け取り処理とを実行するべく、前記搬送コンベヤの作動を制御する点にある。
【0009】
すなわち、物品を搬送コンベヤ上から物品支持体上に移載させる場合では、物品が搬送コンベヤに載置支持されている状態で、上昇位置に位置し且つ引退位置に位置する搬送コンベヤを、突出位置に水平方向に突出移動させた後、下降位置に鉛直方向に上昇移動させる。その後、受け渡し処理を実行して、物品を押し出すように搬送コンベヤを搬送作動させることで、物品を搬送コンベヤ上から物品支持体上に移載することができる。
【0010】
また、物品を物品支持体上から搬送コンベヤ上に移載させる場合では、物品が物品支持体に載置支持されている状態で、下降位置に位置し且つ引退位置に位置する搬送コンベヤを、突出位置に水平方向に突出移動させた後、上昇位置に鉛直方向に上昇移動させる。その後、受け取り処理を実行して、物品を引き上げるように搬送コンベヤを搬送作動させることで、物品を物品支持体上から搬送コンベヤ上に移載することができる。
【0011】
そして、物品を物品支持体上から搬送コンベヤ上に移載するときは、鉛直方向に上昇移動させて、搬送コンベヤの端部にて物品の手前側の端部を持ち上げ、また、物品を搬送コンベヤ上から物品支持体上に移載するときは、鉛直方向に下降移動させて、搬送コンベヤの端部にて支持されていた物品の手前側の端部を物品支持体に降ろすため、物品が物品支持体の奥側に押し込まれることや物品が物品支持体の手前側に引き出されることなく搬送コンベヤを移動操作することができる。
よって、搬送コンベヤの出退移動と搬送コンベヤの搬送作動とを同期させる必要がないため、制御手段による搬送コンベヤ及び操作手段の制御が容易なものとなるため、制御手段の構成の簡素化を図ることができる物品搬送装置を提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかる物品搬送装置の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記制御手段が、前記搬送コンベヤを前記物品支持体上の物品を前記搬送コンベヤ上に搬送するべく作動させながら当該搬送コンベヤを上昇位置に上昇移動させるように、前記搬送コンベヤ及び前記昇降操作手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0013】
すなわち、搬送コンベヤを物品支持体上の物品を搬送コンベヤ上に搬送するべく作動させながら当該搬送コンベヤを上昇位置に上昇移動させるため、搬送コンベヤの物品支持体側の端部が物品の移載装置側の端部の下面に接触した時点で、物品の移載を開始できるため、物品支持体から搬送コンベヤへの物品の移載を迅速に行うことができる。
【0014】
本発明にかかる物品搬送装置の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記移動操作手段が、前記物品支持体に載置支持した状態で物品を収納する収納部を上下方向及び棚横幅方向に複数並設した物品収納棚の棚前面側において、前記移載装置を載置支持する昇降台を上下方向及び棚横幅方向に移動操作させて、前記移載装置を前記移載用位置に移動させるように構成され、前記昇降操作手段に兼用されている点にある。
【0015】
すなわち、移動操作手段にて、移載装置を載置支持する昇降台が上下方向及び棚横幅方向に移動操作されるため、複数の収納部における夫々の物品支持体に対応して設定された移載用位置に移載装置を移動操作することができて、移載装置にて、物品を多数収納する物品収納棚との間で物品を移載することができる。
そして、移動操作手段にて昇降台を上下方向及び棚横幅方向に移動操作することができるように構成されているため、この移動操作手段にて、昇降台に載置支持された移載装置、及び、それに備えられた搬送コンベヤを鉛直方向に昇降移動させることができるため、移動操作手段を、搬送コンベヤを鉛直方向に昇降移動させる昇降操作手段に兼用することができる。
よって、搬送コンベヤを鉛直方向に昇降移動させる専用の操作手段を別途設ける必要がないため、物品移載設備の構成の簡素化を図ることができる。
【0016】
本発明にかかる物品搬送装置の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記移載装置により移載される物品の両横側部に対して案内作用して前記物品を移載方向に案内する案内体が設けられ、前記搬送コンベヤの出退移動と同期して前記案内体を出退移動させる案内体用操作手段が設けられている点にある。
【0017】
すなわち、移載装置により移載される物品の両横側部に対して案内作用して物品を移載方向に案内する案内体が設けられているため、移載装置を移動操作手段にて移動操作するときは、案内体を移載装置側に引退させておくことにより、移載装置を移動操作するときに案内体が邪魔になり難く、移載装置にて物品を移載するときは、案内体を搬送コンベヤの出退に伴って出退移動させることにより、突出した搬送コンベヤにて載置搬送されている物品に対しても案内体を案内作用させることができるので、搬送コンベヤにて搬送される物品を案内体にて適切に案内することができる。
【0018】
本発明にかかる物品搬送装置の第5特徴構成は、第4特徴構成において、前記案内体が、前記搬送コンベヤに連結されて前記搬送コンベヤと一体的に出退移動するように構成され、前記出退操作手段が、前記案内体用操作手段に兼用されている点にある。
【0019】
すなわち、案内体が、搬送コンベヤに連結されて搬送コンベヤと一体的に出退移動するように構成されているため、出退操作手段にて搬送コンベヤを出退移動させるに伴って、搬送コンベヤと一体的に案内体が出退移動するため、出退操作手段を案内体用操作手段に兼用することができる。よって、案内体を出退移動させる専用の操作手段を設ける必要がないため、物品移載設備の構成の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】物品移載設備の側面図
【図2】物品移載設備の平面図
【図3】昇降台の側面図
【図4】昇降台の平面図
【図5】移載装置の正面図
【図6】移載装置の平面図
【図7】物品掬い処理における移載装置の動作を示す図
【図8】物品降し処理における移載装置の動作を示す図
【図9】制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送装置は、自動倉庫に配設されたスタッカークレーン1にて構成されている。自動倉庫には、スタッカークレーン1の他に、物品を載置支持する物品支持体2に載置支持した状態で物品を収納する収納部3を上下方向及び棚横幅方向に複数並設した物品収納棚4と、物品支持体2に載置支持した状態で物品を支持する入出庫用の荷受台(図示せず)が設けられており、スタッカークレーン1は、荷受台及び複数の収納部3の間で物品を搬送するように構成されている。
【0022】
図1及び図2に示すように、物品収納棚4は、前後一対を一組として棚横幅方向に複数組並設された支柱18と、前後の支柱18の間に位置して上下方向に複数枚並設された支持板19と、複数の収納部3の夫々に対応する形態で支持板19からスタッカークレーン1の走行経路側(外方側)に突出する状態で設けられた棒状の突出支持体20とを備えて構成されている。そして、物品支持体2は、支持板19における棚横幅方向の一部分と、その支持板19の一部分から突出する状態で設けられた一対の突出支持体20とで構成されており、収納部3に収納される物品は、支持板19の一部分と一対の突出支持体20とに亘る状態で載置支持されている。
【0023】
スタッカークレーン1について説明を加えると、スタッカークレーン1は、棚横幅方向に沿って床面側に設置された走行レール7に沿って走行自在な走行台車8、その走行台車8に立設された昇降マスト9に沿って昇降自在な昇降台10、及び、その昇降台10に載置支持された移載装置11を備えて構成されている。
【0024】
昇降台10は、昇降用ワイヤ12にて吊り下げ支持されている。そして、昇降用ワイヤ12が巻回された回転ドラム(図示せず)を昇降用電動モータ13にて正逆に回転駆動することにより、昇降台10を上下方向に沿って昇降移動させるように構成されている。
走行台車8には、棚横幅方向(走行方向)に間隔を隔てて前後一対の走行車輪14が配設されている。そして、走行用電動モータ15にて一対の走行車輪14の一方を正逆に回転駆動することにより、走行台車8を走行作動させて棚横幅方向に沿って走行移動させるように構成されている。
【0025】
そして、スタッカークレーン1は、走行用電動モータ15の作動による走行台車8の走行作動、及び、昇降用電動モータ13の作動による昇降台10の昇降作動により、複数の物品支持体2の夫々に対応して設定された移載用位置に、移載装置11を移動させるように構成されている。つまり、走行用電動モータ15と昇降用電動モータ13とで、物品収納棚4の前方側において、昇降台10を上下方向及び棚横幅方向に移動操作させて、昇降台10にて載置支持された移載装置11を移載用位置に移動させるものであり、これら走行用電動モータ15と昇降用電動モータ13とで移動操作手段16が構成されている。
【0026】
また、スタッカークレーン1には、移載方向に沿って物品を載置搬送自在な搬送コンベヤ21を備えた移載装置11と、移載装置11により移載される物品の両横側部に対して案内作用して物品を移載方向に案内する案内体22と、搬送コンベヤ21及び案内体22を水平方向に沿って出退移動させる出退操作手段としての出退用電動モータ23(図5参照)と、移載装置11、出退用電動モータ23、昇降用電動モータ13及び走行用電動モータ15の作動を制御する制御手段H(図9参照)とを備えて構成されている。ちなみに、搬送コンベヤ21の外幅は、一対の突出支持体20の内幅より小さく、また、一対の案内体22の内幅は、一対の突出支持体20の外幅より広くなっている。
【0027】
図3に示すように、一対の案内体22は、搬送コンベヤ21と一体的に移動するように搬送コンベヤ21に連結されており、出退用電動モータ23の作動により搬送コンベヤ21と案内体22とが一体的に出退移動するように構成されている。つまり、搬送コンベヤ21を出退移動させる出退用電動モータ23が、搬送コンベヤ21の出退移動と同期して案内体22を出退移動させる案内体用操作手段24に兼用されている。
【0028】
出退用電動モータ23にて搬送コンベヤ21を出退移動させることで、搬送コンベヤ21が、搬送コンベヤ21を移載方向で物品支持体2側に突出させて搬送コンベヤ21における物品支持体2側の端部が、物品支持体2に載置支持されている物品における移載装置11側の端部の直下に位置する突出位置(図7(b)〜(d)等)と、搬送コンベヤ21を移載装置11側に引退させた引退位置(図7(a)及び(e)等)とに出退移動するように構成されている。
また、上述の如く搬送コンベヤ21が出退移動することで、案内体22が、案内体22を移載方向の物品支持体2側に突出させて案内体22における物品支持体2側の端部が、物品支持体2に載置支持されている物品における移載装置11側の端部の真横に位置するガイド突出位置と、案内体22を移載装置11側に引退させたガイド引退位置とに出退移動するように構成されている。
【0029】
そして、走行用電動モータ15の作動を停止させた状態で昇降用電動モータ13を作動させることで、昇降台10を鉛直方向に昇降移動させるように構成されており、このように昇降台10を鉛直方向に昇降移動させることで、昇降台10に載置支持されている移載装置11およびこれに備えられている搬送コンベヤ21を鉛直方向に昇降移動させるように構成されている。つまり、昇降用電動モータ13(移動操作手段16)にて、搬送コンベヤ21を鉛直方向に昇降移動させる昇降操作手段25に兼用されている。
【0030】
昇降用電動モータ13にて昇降台10を昇降移動させることで、搬送コンベヤ21を突出位置に位置させた状態において、搬送コンベヤ21の載置搬送面が物品支持体2に載置支持された物品の下面より上方に位置する上昇位置と、物品支持体2に載置支持された物品の下面から下方に離間する下降位置とに、搬送コンベヤ21の載置搬送面を水平姿勢に維持したままで搬送コンベヤ21を鉛直方向に昇降移動させるように構成されている。
【0031】
また、昇降台10には、移載装置11が横幅方向に沿って一対並べて載置支持されており、一対の移載装置11における搬送コンベヤ21にて物品を各別に載置支持可能で且つ一対の移載装置11における搬送コンベヤ21を各別に出退移動及び搬送作動させることで2個の物品を各別に移載可能に構成されている。また、移載装置11は、搬送コンベヤ21を棚前後方向の両側に出退自在に構成されており、スタッカークレーン1の走行経路の両側に設けられた一対の物品収納棚4のいずれとの間でも物品を移載できるように構成されている。
【0032】
次に、移載装置11の具体的構成を説明するが、一対の移載装置11は同様に構成されているため、一方の移載装置11についてのみ説明し、他方の移載装置11の説明は省略する。尚、移載方向において、移載装置11の中心が位置する側を内方側、その反対側を外方側(物品支持体側)と称して説明する場合がある。また、移載方向に沿う方向において、物品支持体2に対して移載装置11が位置する側を手前側、その反対側を奥側と称して説明する場合がある。
【0033】
移載装置11における搬送コンベヤ21には、棚横幅方向に間隔を隔てた状態で一対の搬送部27が設けられ、この一対の搬送部27は、移載方向に間隔を近接させた状態で2組設けられており、4台の搬送部27が設けられている。
4台の搬送部27の夫々は、コンベヤフレーム28に片持ち状に回転自在に支持された3輪の移載用プーリ29と、その複数の移載用プーリ29に巻回された移載用ベルト30とで構成されている。そして、これら4台の搬送部27の載置搬送面にて搬送コンベヤ21の載置搬送面が形成されている。
【0034】
図5に示すように、3輪の移載用プーリ29は、移載方向に等間隔で設けられている。そして、3輪の移載用プーリ29のうちの移載方向の内方側に位置する2つの移載用プーリ29は、それらの上端の高さが同じ高さとなるようにコンベヤフレーム28に支持されており、移載方向の外方側に位置する1つの移載用プーリ29は、他の2つの移載用プーリ29より、上端の高さが低い高さとなるようにコンベヤフレーム28に支持されている。
このように設けられた3輪の移載用プーリ29に移載用ベルト30が巻回された搬送部27は、その載置搬送面は、外方側に位置する部分では外方側ほど下方に位置する傾斜面となっており、内方側に位置する部分では水平面となっている。ちなみに、搬送コンベヤ21を鉛直方向に昇降移動させる際は、水平面となっている内方側に位置する部分を水平姿勢に維持したままとなっている。
【0035】
図6に示すように、移載方向の一方側に位置する一対の搬送部27が連動軸31にて連動連結されており、また、移載方向の他方側に位置する一対の搬送部27が連動軸31にて連動連結されている。このように設けられた2本の連動軸31の夫々には、一体回転する状態で回転ギヤ32が設けられており、移載用電動モータ33の出力ギヤ34と一対の回転ギヤ32とに連動ギヤ35が噛合されている。
よって、移載用電動モータ33が正逆に回転駆動されることで、出力ギヤ34、連動ギヤ35及び一対の回転ギヤ32が回転し、4台の搬送部27が同期した状態で搬送作動させて、搬送コンベヤ21にて物品を移載方向に沿って載置搬送するように構成されている。
【0036】
図5に示すように、コンベヤフレーム28は、移載装置11の基台36に対して移載方向に沿って移動自在に支持されており、このコンベヤフレーム28に案内体22が連結されている。そして、基台36側に支持された出退用電動モータ23の出力プーリ37及び従動プーリ38に亘って出退用ベルト39が巻回されて、その出退用ベルト39がコンベヤフレーム28に連結されている。
よって、出退用電動モータ23が正逆に回転駆動されることで、コンベヤフレーム28が移載方向に沿って移動し、これに伴って搬送コンベヤ21と案内体22とが移載方向に沿って出退移動するように構成されている。
【0037】
図7に示すように、昇降台10には、移載方向に沿って、一方側外方存否センサ41、一方側内方存否センサ42、他方側内方存否センサ43及び他方側外方存否センサ44の4つの存否センサが並設されており、搬送コンベヤ21上において移載方向に適切な位置(スタッカークレーン1が走行するときに物品を載置支持する位置)に物品が載置支持されている状態においては、一対の内方存否センサ42,43にて物品の存在が検出され、一対の外方存否センサ41,44にて物品の存在が検出されないように設けられている。
【0038】
次に、制御手段Hによる制御について説明する
制御手段Hには、複数の物品支持体2の夫々に対応して走行方向及び上下方向での位置が定められた移載用位置が記憶されており、移載用位置としては、物品支持体2に載置支持されている物品の下面より搬送コンベヤ21の載置搬送面が低い下降位置(図7(a),(b)及び(e)等)と、物品支持体2に載置支持されている物品の下面より搬送コンベヤ21の載置搬送面が高い上昇位置(図7(c)及び(d)等)との2位置が設定されている。
下降位置は上昇位置に対して下方に設定距離にずらした位置に設定されており、下降位置と上昇位置とは走行方向では同じ位置に設定されている。
【0039】
そして、制御手段Hは、搬送元の物品支持体2に対応する下降位置に移載装置11を位置させるべく、移動操作手段16の作動を制御する空移動処理、搬送元の物品支持体2から移載装置11に物品を移載するべく、移載装置11及び移動操作手段16の作動を制御する物品掬い処理、搬送先の物品支持体2に対応する上昇位置に移載装置11を位置させるべく、移動操作手段16の作動を制御する実移動処理、移載装置11から搬送先の物品支持体2に物品を移載するべく、移載装置11及び移動操作手段16の作動を制御する物品降し処理を実行するように構成されている。
【0040】
次に、図7に基づいて物品掬い処理について説明する。
物品を物品支持体2上から搬送コンベヤ21上に移載させる物品掬い処理では、まず、下降位置に位置し且つ引退位置に位置している搬送コンベヤ21(図7(a)参照)を、出退用電動モータ23の作動により、突出位置に水平方向に突出移動させた後(図7(b)参照)、昇降用電動モータ13の作動により、上昇位置に鉛直方向に上昇移動させて、搬送コンベヤ21の外方側の端部にて物品の手前側の端部を載置支持する(図7(c)参照)。
ちなみに、図7(c)に示すように、搬送コンベヤ21にて物品を載置支持している状態では物品は傾いているが、搬送コンベヤ21の端部の載置搬送面が傾斜しており、この載置搬送面の傾斜が物品の下面の傾斜と同じ角度となるように設定されている。
【0041】
搬送コンベヤ21が突出位置に位置し且つ上昇位置に位置している状態において、当該搬送コンベヤ21の搬送作用により、搬送コンベヤ21上の物品を物品支持体2上に移載する受け取り処理が実行される(図7(c)〜(e)参照)。この受け取り処理における搬送コンベヤ21の作動は、搬送コンベヤ21が上昇位置まで上昇するよりも先に作動が開始されており、また、搬送コンベヤ21が突出位置からの引退移動が開始するよりも後に作動が停止している。つまり、受け取り処理は、搬送コンベヤ21が突出位置に位置し且つ上昇位置に位置している状態だけでなく、搬送コンベヤ21が上昇位置に向けて上昇移動している状態及び搬送コンベヤ21が引退位置に向けて引退移動している状態でも実行されている。
【0042】
説明を加えると、搬送コンベヤ21が上昇位置に向けて上昇移動が開始すると同時に搬送コンベヤ21の作動が開始されて、受け取り処理が開始される。また、受け取り処理の途中において、一方側内方センサ42にて物品の存在が検出される(図7(d)参照)と、出退用電動モータ23を作動により、搬送コンベヤ21の引退位置への水平方向の引退移動が開始される。そして、他方側内方センサ43にて物品の存在が検出された後、設定時間経過後に搬送コンベヤ21の作動を停止させて、物品が移載方向に適正な位置まで搬送された状態で受け取り処理が終了する(図7(e)参照)。
【0043】
次に、図8に基づいて物品降し処理について説明する。
物品を搬送コンベヤ21上から物品支持体2上に移載させる物品降し処理では、上昇位置に位置し且つ引退位置に位置する搬送コンベヤ21(図8(a)参照)を、突出位置に水平方向に突出移動させた後(図8(b)参照)、下降位置に鉛直方向に下降移動させる(図8(c)参照)。
【0044】
そして、搬送コンベヤ21が突出位置に位置し且つ上昇位置に位置している状態において、当該搬送コンベヤ21の搬送作用により、搬送コンベヤ21上の物品を物品支持体2上に移載する受け渡し処理が実行される(図8(a)〜(c)参照)。この受け渡し処理における搬送コンベヤ21の作動は、搬送コンベヤ21が突出位置まで突出移動するよりも先に作動が開始されている。つまり、受け渡し処理は、搬送コンベヤ21が突出位置に位置し且つ上昇位置に位置している状態だけでなく、搬送コンベヤ21が突出位置に向けて突出移動している状態でも実行されている。
【0045】
説明を加えると、搬送コンベヤ21が突出位置に向けて突出移動が開始すると同時に搬送コンベヤ21の作動が開始されて、受け取り処理が開始される。また、受け取り処理の途中において、一方側外方存否センサ41にて物品の存在が検出された後に物品の存在が検出されなくなると、搬送コンベヤ21の作動を停止させて、搬送コンベヤ21の外方側の端部にて物品の手前側の端部を載置支持された状態で受け渡し処理が終了する(図8(c)参照)。
その後、昇降用電動モータ13の作動により、搬送コンベヤ21が下降位置に鉛直方向に下降移動させた後(図8(d)参照)、出退用電動モータ23の作動により、搬送コンベヤ21を引退位置に水平方向に引退移動させる(図8(e)参照)。
【0046】
従って、物品を物品支持体2上から搬送コンベヤ21上に移載させる場合では、搬送コンベヤ21を鉛直方向に上昇移動させて物品の手前側端部を掬い、また、物品を搬送コンベヤ21上から物品支持体2上に移載させる場合では、搬送コンベヤ21を鉛直方向に下降移動させて物品の手前側端部を降ろすため、搬送コンベヤ21の移動により物品の押し込みや物品の引き出しが生じることがなく、搬送コンベヤ21の出退に同期させて搬送コンベヤ21を搬送作動させる必要がないので、搬送コンベヤ21や移動操作手段16の作動を制御手段Hにて制御し易いものとなる。
【0047】
〔別実施形態〕
(1) 上記実施形態では、受け取り処理において、搬送コンベヤ21を物品支持体2上の物品を搬送コンベヤ21上に搬送するべく作動させながら当該搬送コンベヤ21を上昇位置に上昇移動させるようにしたが、搬送コンベヤ21の作動を停止させた状態で当該搬送コンベヤ21を上昇位置に上昇移動させるように構成してもよい。
【0048】
(2) 上記実施形態では、移動操作手段16を、昇降操作手段25に兼用したが、移動操作手段16を、昇降操作手段25に兼用せずに、別途設けた昇降操作手段25にて、昇降台10に対して搬送コンベヤ21を昇降移動させるように構成してもよい。
【0049】
(3) 上記実施形態では、搬送コンベヤ21の出退移動と同期して案内体22を出退移動させる案内体用操作手段24を設けたが、案内体22を基台36に位置固定状態に設けて、案内体22を出退移動不能に設けてもよい。
【0050】
(4) 上記実施形態では、案内体22を、搬送コンベヤ21に連結させて搬送コンベヤ21と一体的に出退移動するように構成し、出退操作手段23を、案内体用操作手段24に兼用したが、案内体22を、基台36に移載方向に移動自在に連結支持させて搬送コンベヤ21と別体に出退移動するように構成し、出退操作手段23を、案内体用操作手段24に兼用せずに、別途設けた出退操作手段24にて、案内体22を出退移動させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 物品搬送装置
2 物品支持体
3 収納部
4 物品収納棚
10 昇降台
11 移載装置
16 移動操作手段
21 搬送コンベヤ
22 案内体
23 出退操作手段
24 案内体用操作手段
25 昇降操作手段
H 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移載方向に沿って物品を載置搬送自在な搬送コンベヤを備えた移載装置と、
物品を載置支持する複数の物品支持体の夫々に対応して設定された移載用位置に、前記移載装置を移動させる移動操作手段と、
前記移載装置及び前記移動操作手段の作動を制御する制御手段とを備えて構成されている物品搬送装置であって、
前記搬送コンベヤを移載方向で前記物品支持体側に突出させて前記搬送コンベヤにおける物品支持体側の端部が、前記物品支持体に載置支持されている物品における前記移載装置側の端部の直下に位置する突出位置と、前記搬送コンベヤを前記移載装置側に引退させた引退位置とに、前記搬送コンベヤを水平方向に沿って出退移動させる出退操作手段が設けられ、
前記搬送コンベヤを前記突出位置に位置させた状態において、前記搬送コンベヤの載置搬送面が前記物品支持体に載置支持された物品の下面より上方に位置する上昇位置と、前記物品支持体に載置支持された物品の下面から下方に離間する下降位置とに、前記搬送コンベヤの載置搬送面を水平姿勢に維持したままで前記搬送コンベヤを鉛直方向に昇降移動させる昇降操作手段が設けられ、
前記制御手段が、前記搬送コンベヤが前記突出位置に位置し且つ前記上昇位置に位置している状態において、当該搬送コンベヤの搬送作用により、前記物品支持体上の物品を前記搬送コンベヤ上に移載する受け渡し処理と、前記搬送コンベヤ上の物品を前記物品支持体上に移載する受け取り処理とを実行するべく、前記搬送コンベヤの作動を制御する物品搬送装置。
【請求項2】
前記制御手段が、前記搬送コンベヤを前記物品支持体上の物品を前記搬送コンベヤ上に搬送するべく作動させながら当該搬送コンベヤを上昇位置に上昇移動させるように、前記搬送コンベヤ及び前記昇降操作手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記移動操作手段が、前記物品支持体に載置支持した状態で物品を収納する収納部を上下方向及び棚横幅方向に複数並設した物品収納棚の棚前方側において、前記移載装置を載置支持する昇降台を上下方向及び棚横幅方向に移動操作させて、前記移載装置を前記移載用位置に移動させるように構成され、前記昇降操作手段に兼用されている請求項1又は2記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記移載装置により移載される物品の両横側部に対して案内作用して前記物品を移載方向に案内する案内体が設けられ、
前記搬送コンベヤの出退移動と同期して前記案内体を出退移動させる案内体用操作手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記案内体が、前記搬送コンベヤに連結されて前記搬送コンベヤと一体的に出退移動するように構成され、
前記出退操作手段が、前記案内体用操作手段に兼用されている請求項4記載の物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−218904(P2012−218904A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87640(P2011−87640)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】