物品検出システム
【課題】複数の物品に設けた無線タグ回路部の検出を、検出漏れを防止しつつ確実に行う。
【解決手段】ゲートに取り付けられたRFIDリーダ7〜9によって、ベルトコンベア2上を搬送される物品Pの無線タグ回路部Toの情報を読み取る。その際、まずアンテナから電波を放射させ、ゲート3A〜Cを物品Pの搬送速度とほぼ等しい速度でベルトコンベア2の進行方向へ移動させる。ゲート3A〜Cが移動終点に到達したら、アンテナからの電波放射を停止した後、ゲート3A〜Cをベルトコンベア2の反進行方向へ物品の搬送速度の2倍速で移動させて、移動始点に戻す。
【解決手段】ゲートに取り付けられたRFIDリーダ7〜9によって、ベルトコンベア2上を搬送される物品Pの無線タグ回路部Toの情報を読み取る。その際、まずアンテナから電波を放射させ、ゲート3A〜Cを物品Pの搬送速度とほぼ等しい速度でベルトコンベア2の進行方向へ移動させる。ゲート3A〜Cが移動終点に到達したら、アンテナからの電波放射を停止した後、ゲート3A〜Cをベルトコンベア2の反進行方向へ物品の搬送速度の2倍速で移動させて、移動始点に戻す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される複数の物品の検出を行う物品検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送経路上を搬送される物品の検出を行う従来技術として、例えば特許文献1に記載のシステムがある。この従来技術では、搬送される各物品に無線タグを設け、無線タグ読み取り装置が無線タグに対し無線通信を行って当該物品の検出を行う。このとき、搬送経路の側方に設けた無線タグ読み取り装置の装置アンテナを、各物品の移動に合わせて首振り動作させ追従させる。これにより、装置アンテナと無線タグ回路部との通信時間が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−106897号公報(図12、段落0118〜0133)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。
【0005】
すなわち、複数の物品が比較的高速で続々と搬送されてきた場合には、1つの物品の搬送方向に対し装置アンテナの首を振らせて追従させている間に、後続する物品が装置アンテナの前を通り過ぎ、追従が間に合わない。この場合、当該後続する物品の無線タグ回路部の検出漏れが生じるおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、複数の物品に設けた無線タグ回路部の検出を、検出漏れを防止しつつ確実に行うことができる物品検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、所定の搬送経路上を一方向に搬送される物品に設けられ、情報を記憶する記憶部を備えたIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備えた、少なくとも1個の無線タグ回路部に対し無線通信を行う装置アンテナを備え、前記無線通信により前記無線タグ回路部を検出する複数の無線タグ読み取り装置と、前記複数の無線タグ読み取り装置のうち少なくとも前記装置アンテナを、前記搬送経路に沿ってそれぞれ前記一方向に移動可能な移動装置と、前記物品の搬送速度に対する前記装置アンテナの相対移動速度が所定の値に近づくように、前記移動装置を制御する移動制御手段と、複数の前記装置アンテナそれぞれの通信範囲が同一位置とならないようにすると共に、前記移動装置により前記複数の装置アンテナが前記搬送経路に沿って前記一方向に移動するときに前記無線通信のための電波を放射するように、前記複数の装置アンテナを制御する通信制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明では、所定の搬送経路上を一方向に搬送される物品に、少なくとも1つの無線タグ回路部が設けられている。そして、複数の無線タグ読み取り装置それぞれに備えられた装置アンテナが上記無線タグ回路部に対し無線通信を行う。このとき、各装置アンテナは、移動装置によって上記搬送経路に沿って一方向に移動し、その移動速度が移動制御手段によって制御される。この移動速度の制御により、各装置アンテナの上記搬送される物品に対する相対速度は、所定の値になる。これにより、搬送される物品と同等の速度で装置アンテナを移動させることが可能となり、物品に備えられた無線タグ回路部を装置アンテナの通信範囲内に長い時間存在させることができる。この結果、無線タグ読み取り装置による無線タグ回路部の検出を確実に行うことができる。
【0009】
また、本願第1発明では、上記のような移動を行う装置アンテナを複数個設けている。特定の物品の無線タグ回路部に対し1つの装置アンテナが追従して移動し通信を行っているうちに後続して別の物品が搬送されてきても、当該別の物品の無線タグ回路部に対しては別の装置アンテナが独自に通信範囲を形成しつつ追従して移動し通信を行うことができる。これにより、1つの無線タグ読み取り装置を物品の搬送方向に沿って首を振らせて追従させる場合のように、後続する物品への追従が間に合わず無線タグ回路部の検出漏れが生じるのを防止することができる。
【0010】
第2発明は、上記第1発明において、前記通信制御手段は、前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナが互いに通信干渉しないような異なる通信態様を用いるように、前記複数の装置アンテナを制御することを特徴とする。
【0011】
これにより、隣接する2つの無線タグ読み取り装置の装置アンテナの通信範囲が互いに重なる場合でも通信干渉の発生を確実に防止し、正常に無線タグ回路部の検出を行うことができる。
【0012】
第3発明は、上記第1発明において、前記通信制御手段は、前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナの通信範囲が互いに重ならないように、前記複数の装置アンテナを制御することを特徴とする。
【0013】
これにより、隣接する2つの装置アンテナが互いに同一の通信態様で無線通信を行う場合でも、通信干渉の発生を確実に防止し、正常に無線タグ回路部の検出を行うことができる。
【0014】
第4発明は、上記第2又は第3発明において、前記搬送経路上を搬送される前記物品の搬送速度を取得する搬送速度取得手段をさらに備え、前記移動制御手段は、前記搬送速度取得手段に取得された前記物品の前記搬速速度に対する、前記装置アンテナの相対移動速度が所定の値に近づくように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0015】
これにより、物品の搬送速度が変化した場合でも、各装置アンテナの上記搬送される物品に対する相対速度を確実に所定の値に近づけることができる。この結果、無線タグ読み取り装置による無線タグ回路部の検出を確実に行うことができる。
【0016】
第5発明は、上記第3又は第4発明において、前記複数の装置アンテナは、 前記搬送経路に沿って、前記一方向と当該一方向に対する逆方向とに、進退可能に設けられており、前記通信制御手段は、前記移動装置により前記装置アンテナが前記搬送経路に沿って前記逆方向に移動するときに前記電波の放射を停止するように、前記複数の装置アンテナを制御し、前記移動制御手段は、前記複数の装置アンテナのそれぞれが、互いに別個に前記搬送経路に沿って進退可能となるように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0017】
本願第5発明においては、所定の搬送経路上を一方向に搬送される物品に追従するように、複数の装置アンテナが、移動装置によって上記搬送経路に沿って一方向に移動する。このとき、移動制御手段の制御により、各装置アンテナは、互いに別個に進退可能となっている。したがって、特定の物品の無線タグ回路部に対し1つの装置アンテナが追従して移動し通信を行っているうちに後続して別の物品が搬送されてきても、当該別の物品の無線タグ回路部に対しては別の装置アンテナが独自に通信範囲を形成しつつ追従して移動することができる。また、各装置アンテナは、搬送経路に沿って逆方向に移動可能であり、上記1つの装置アンテナは、上記特定の物品への追従が終了したら逆方向へ移動し、元の位置へ戻ることができる。この逆方向への移動時には、通信制御手段によって、当該1つの装置アンテナの電波の放射が停止する。これにより、上記1つの装置アンテナの戻り移動中において、他の装置アンテナとの通信干渉の発生を、確実に防止することができる。
【0018】
第6発明は、上記第5発明において、前記移動制御手段は、前記装置アンテナの前記逆方向への移動速度が、前記装置アンテナの前記一方向への移動速度よりも速くなるように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0019】
本願第6発明では、各装置アンテナは、一方向への移動速度より速い速度で逆方向へ戻る。これにより、搬送経路上を次々と物品が搬送されてきた場合でも、複数の装置アンテナが確実に全物品へと追従し、無線タグ回路部の検出漏れがないようにすることができる。
【0020】
第7発明は、上記第5又は第6発明において、前記移動制御手段は、前記一方向へと移動する前記装置アンテナが所定の位置に達した場合、若しくは、前記装置アンテナの通信対象である前記少なくとも1個の前記無線タグ回路部のうち所定の個数の当該無線タグ回路部の検出が終了した場合、当該装置アンテナの前記一方向への移動を終了して前記逆方向へ移動するように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0021】
本願第7発明では、物品に追従して一方向へ移動する装置アンテナが、予め定めた所定の位置に達したり所定個数の無線タグ回路部の検出を終えた場合には、迅速に逆方向へ戻る。これにより、さらに確実に無線タグ回路部の検出漏れがないようにすることができる。
【0022】
第8発明は、上記第5乃至第7発明のいずれかにおいて、前記移動制御手段は、前記装置アンテナが一定期間の間、通信対象である前記無線タグ回路部を新たに検出しなかった場合、当該装置アンテナの前記一方向への移動を終了して前記逆方向へ移動するように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0023】
これにより、装置アンテナが、物品が存在せず無線タグ回路部の非検出状態のまま一方向へ移動し続ける無駄を防止し、迅速に逆方向へ戻す。これにより、さらに確実に無線タグ回路部の検出漏れがないようにすることができる。
【0024】
第9発明は、上記第5乃至第8発明のいずれかにおいて、前記複数の無線タグ読み取り装置の前記装置アンテナは、前記搬送経路の上方に位置する第1アンテナ部と、前記搬送経路の側方に位置する第2アンテナ部とを含み、前記通信制御手段は、前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナのうち一方が前記第1アンテナ部を用いて通信を行い他方が前記第2アンテナ部を用いて通信を行うように、前記複数の装置アンテナを制御することを特徴とする。
【0025】
これにより、搬送経路に沿って先行する装置アンテナが第1アンテナ部を用いて通信を行っているとき、後続する装置アンテナは第2アンテナ部を用いて通信を行う。搬送経路の上方に位置する第1アンテナ部と搬送経路の側方に位置する第2アンテナ部とで通信範囲が互いに異なる場合には、アンテナ部を使い分けることにより、2つの装置アンテナの通信範囲の重複を防止することができる。また第1アンテナ部と第2アンテナ部とで通信態様が互いに異なる場合には、アンテナ部を使い分けることにより、2つの装置アンテナが同一の通信態様を使用するのを防止できる。これらにより、通信干渉の発生を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の物品に設けた無線タグ回路部の検出を、検出漏れを防止しつつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態の物品検出システムの一部であるリーダ付きゲート及びゲート駆動ユニットを表す平面図である。
【図2】リーダ付きゲート及びゲート駆動ユニットを表す正面図である。
【図3】リーダ付きゲート及びゲート駆動ユニットを表す側面図である。
【図4】本実施形態の物品検出システムのシステム構成を表す図である。
【図5】コントローラの連携制御部によって実行される連携制御手順を表すフローチャートである。
【図6】コントローラのゲート・リーダ個別制御部によって開始されるゲート・リーダ制御処理手順の詳細を表すフローチャートである。
【図7】リーダ付きゲートが移動するイメージを時系列に表す図である。
【図8】管理サーバによって実行されるタグID管理処理手順を表すフローチャートである。
【図9】本発明の変形例においてコントローラの連携制御部によって実行される連携制御手順を表すフローチャートである。
【図10】本発明の他の変形例における物品検出システムのシステム構成を表す図である。
【図11】リーダ付きゲートが所定の間隔で配置されたときのRFIDリーダの通信範囲を表す平面図である。
【図12】RFIDリーダをベルトコンベアに沿って移動させる構造の変形例を表す平面図である。
【図13】RFIDリーダをベルトコンベアに沿って移動させる構造の他の変形例を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
本実施形態の物品検出システムの要部である、リーダ付きゲート及びゲート駆動ユニットを、図1〜図3を用いて説明する。
【0030】
図1〜図3において、物品検出システム1は、ベルトコンベア2上を一方向に搬送される物品P、又は物品Pを収容する段ボール等、に貼り付けられた無線タグTのタグ情報を読み取ることで、物品Pを検出するシステムである。物品検出システム1は、リーダ付きのゲート3A,3B,3Cと、ゲート駆動ユニット4A,4B,4Cとを有している。
【0031】
ゲート3A〜3Cは、それぞれ、搬送経路を構成するベルトコンベア2を挟むように配置されている。すなわち、ゲート3A〜3Cは、それぞれ、ベルトコンベア2の両側に配置された1対の側ビーム5と、これらの側ビーム5の上端同士を繋ぐ上ビーム6とを有している。ゲート3A〜3Cは、ベルトコンベア2に沿って移動したときに互いに干渉しないように、この順にサイズが大きくなっている。以下適宜、ゲート3Aを1段目ゲート、ゲート3Bを2段目ゲート、ゲート3Cを3段目ゲートと称する。
【0032】
ゲート3Aの上ビーム6及び各側ビーム5の内壁面には、1つのRFIDリーダ7aと2つのRFIDリーダ7b,7b(以下適宜、総称してRFIDリーダ7という)がそれぞれ取り付けられている。RFIDリーダ7a,7bは、装置アンテナとしてのアンテナ17a及び17bをそれぞれ有している。アンテナ17aが各請求項記載の第1アンテナ部に相当し、アンテナ17bが各請求項記載の第2アンテナ部に相当する。
【0033】
ゲート3Bの上ビーム6及び各側ビーム5の内壁面には、1つのRFIDリーダ8aと2つのRFIDリーダ8b,8b(以下適宜、総称してRFIDリーダ8という)がそれぞれ取り付けられている。RFIDリーダ8a,8bは、装置アンテナとしてのアンテナ18a,18bをそれぞれ有している。アンテナ18aが各請求項記載の第1アンテナ部に相当し、アンテナ18bが各請求項記載の第2アンテナ部に相当する。
【0034】
ゲート3Cの上ビーム6及び各側ビーム5の内壁面には、1つのRFIDリーダ9aと2つのRFIDリーダ9b,9bRFIDリーダ9a,9b(以下適宜、総称してRFIDリーダ9という)がそれぞれ取り付けられている。RFIDリーダ9a,9bは、装置アンテナとしてのアンテナ19a,19bをそれぞれ有している。アンテナ19aが各請求項記載の第1アンテナ部に相当し、アンテナ19bが各請求項記載の第2アンテナ部に相当する。
【0035】
RFIDリーダ7〜9は、物品Pに貼り付けられた無線タグTの無線タグ回路部Toに記憶された情報を無線通信により読み取り、これによって無線タグTを検出する無線タグ読み取り装置である。無線タグ回路部Toは、RFIDリーダ7〜9のアンテナ17a〜19cと非接触で信号の送受信を行うタグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続されたIC回路部150とを有している。なお、ゲート3A〜3Cのいずれにも3つのRFIDリーダが設けられているのは、物品Pに貼り付けられた無線タグTの向きによらずに無線タグ回路部Toの情報を読むためである。
【0036】
ゲート駆動ユニット4A〜4Cは、ベルトコンベア2の一方側に配置され、ゲート3A,3B,3Cをそれぞれ独立にベルトコンベア2の長手方向に往復移動させる。ゲート駆動ユニット4A〜4Cは、それぞれ、図3に示すように、駆動プーリ41及び従動プーリ42と、これらの駆動プーリ41及び従動プーリ42に掛け渡された無端ベルト43とを有している。駆動プーリ41は、駆動モータ44の出力軸に連結され、駆動モータ44の回転により回転駆動される。無端ベルト43上には固定台45が載置され、この固定台45には、ゲート3A〜3Cの一方の側ビーム5が固定されている。なお、ゲート3A〜3C及びゲート駆動ユニット4A〜4Cが、各請求項記載の移動装置を構成する。
【0037】
ゲート3A〜3Cは、ゲート駆動ユニット4A〜4Cによって互いに別個にベルトコンベア2に沿って進退可能となっている。具体的には、駆動モータ44により駆動プーリ41を一方向に回転させると、無端ベルト43が対応する方向に移動し、これに伴ってゲート3A〜3Cがベルトコンベア3の物品搬送方向に移動する。駆動モータ44により駆動プーリ41を上記一方向と反対方向に回転させると、無端ベルト43が対応する方向に移動し、これに伴ってゲート3A〜3Cがベルトコンベア2の物品搬送方向とは反対の方向に移動する。
【0038】
図4は、本実施形態の物品検出システム1のシステム構成を表す図である。図4において、物品検出システム1は、上記のRFIDリーダ7〜9及びゲート駆動ユニット4A〜4Cと、コントローラ10と、管理サーバ11と、管理者用端末12とを有している。これらは、ネットワーク13を介して互いに接続されている。
【0039】
コントローラ10は、連携制御部21と、1段目ゲート・リーダ個別制御部22と、2段目ゲート・リーダ個別制御部23と、3段目ゲート・リーダ個別制御部24とを有している。
【0040】
連携制御部21は、ゲート3A〜3Cを予め決められたパターンに従って動かすように1段目ゲート・リーダ個別制御部22、2段目ゲート・リーダ個別制御部23及び3段目ゲート・リーダ個別制御部24を連携して制御する。1段目ゲート・リーダ個別制御部22は、1段目ゲート3Aを駆動するゲート駆動ユニット4Aと1段目ゲート3Aに設けられたRFIDリーダ7とを制御する。2段目ゲート・リーダ個別制御部23は、2段目ゲート3Bを駆動するゲート駆動ユニット4Bと2段目ゲート3Bに設けられたRFIDリーダ8とを制御する。3段目ゲート・リーダ個別制御部24は、3段目ゲート3Cを駆動するゲート駆動ユニット4Cと3段目ゲート3Cに設けられたRFIDリーダ9とを制御する。
【0041】
管理サーバ11は、物品検出システム1全体の制御を行ったり、RFIDリーダ7〜9により読み取った情報を用いてタグIDの取得・管理を行う。また、管理サーバ11は、ゲート3A〜3Cを動かすための駆動パラメータ、すなわち駆動方向及び速度等をコントローラ10に送出する制御を行う。また管理サーバ11は、RFIDリーダ7〜9の通信態様、すなわち使用する周波数や偏波面の制御を行う。
【0042】
管理者用端末12は、管理者が物品検出等に関する操作入力を行うための端末である。管理者用端末12は、管理者の操作入力に応じて管理サーバ11へリクエストを出し、物品検出システム1全体の制御等を行わせると共に、管理者の操作入力に応じてコントローラ10へリクエストを出し、RFIDリーダ7〜9及びゲート駆動ユニット4A〜4Cの制御を行わせる。
【0043】
上述したコントローラ10の連携制御部21によって実行される制御を、図5を用いて説明する。
【0044】
図5において、まずステップS5において、管理者用端末12により物品検出開始の入力操作があったかどうかを判定する。物品検出開始の入力操作があるまでループ待機し、物品検出開始の入力操作があったら判定が満たされ、ステップS10に移る。
【0045】
ステップS10では、全てのゲート3A〜3Cを退避位置から予め決められた移動始点へと移動させるようにゲート駆動ユニット4A〜4Cの駆動モータ44を制御し、ステップS15に移る。
【0046】
ステップS15では、上記の1段目ゲート・リーダ個別制御部22に動作開始を指示することにより、1段目ゲート3Aの所定の移動パターンに従った移動を開始させる。このゲート制御処理については、後で詳述する。
【0047】
その後、ステップS20において、1段目ゲート3Aの制御処理の実行を開始してから所定時間tが経過したかどうかを判定する。所定時間tが経過するまでループ待機し、所定時間tが経過したら判定が満たされ、ステップS25に移る。
【0048】
ステップS25では、上記の2段目ゲート・リーダ個別制御部23に動作開始を指示することにより、2段目ゲート3Bの所定の移動パターンに従った移動を開始させる。このゲート制御処理については、後で詳述する。
【0049】
ステップS30において、2段目ゲート3Bの制御処理の実行を開始してから上記同様の所定時間tが経過したかどうかを判定する。所定時間tが経過するまでループ待機し、所定時間tが経過したら判定が満たされ、ステップS35に移る。
【0050】
ステップS35では、上記の3段目ゲート・リーダ個別制御部24に動作開始を指示することにより、3段目ゲート3Cの所定の移動パターンに従った移動を開始させる。このゲート制御処理については、後で詳述する。
【0051】
その後、ステップS40において、管理者用端末12により物品検出終了の入力操作があったかどうかを判定する。物品検出終了の入力操作があったら判定が満たされ、ステップS45に移り、全てのゲート3A〜3Cを退避位置に戻し、本フローを終了する。
【0052】
一方、物品検出終了の入力操作がない場合には、ステップS40の判定が満たされず、ステップS50に移り、3段目ゲート3Cの制御処理の実行を開始してから上記同様の所定時間tが経過したかどうかを判定する。所定時間tが経過するまでループ待機し、所定時間tが経過したら判定が満たされ、上記ステップS15に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0053】
なお、このフローの中で1つのゲート3が移動を開始してから次のゲート3を移動させるまでの間のループ待機をする所定時間tは、1段目ゲート3A及び2段目ゲート3B、2段目ゲート3B及び3段目ゲート3C、3段目ゲート3C及び1段目ゲート3Aで同じ値としているが、それぞれ異なる値を用いてもよい。但し、1つのゲート3が移動開始した後、所定時間後までに次のゲート3が移動始点に戻っているように所定時間を決める必要がある。
【0054】
図6は、上述したコントローラ10の1段目ゲート・リーダ個別制御部22によって開始されるゲート制御処理手順の詳細を表すフローチャートである。
【0055】
図6において、まずステップS105において、RFIDリーダ7a,7bのアンテナ17a,17bから、無線タグTの無線タグ回路部Toとの無線通信のための電波を放射させるように、RFIDリーダ7a,7bを制御する。
【0056】
その後、ステップS110において、ゲート3Aをベルトコンベア2の物品搬送方向(順方向)へ移動させるように、ゲート駆動ユニット4Aの駆動モータ44を制御し、ステップS115に移る。このとき、ゲート3Aの移動速度は、ベルトコンベア2の駆動速度すなわち物品Pの搬送速度との相対速度が、所定の速度に近づくように制御される。この所定の速度としては、例えば、0、又は0に近い所定範囲内の低速、とすればよい。この場合、ゲート3Aの移動速度は、物品Pの搬送速度とほぼ等しくなる。
【0057】
このようにゲート3Aがベルトコンベア2の駆動速度と同等の速度で移動することにより、物品Pに備えられた無線タグTの無線タグ回路部ToがRFIDリーダ7a,7bの通信範囲内に長い時間存在することとなる。そして、その間にRFIDリーダ7a,7bが無線タグ回路部Toに対して無線通信を行い、無線タグ回路部Toの情報がRFIDリーダ7a,7bによって読み込まれることとなる。
【0058】
ステップS115では、ゲート3Aが予め決められた移動終点に到達したかどうかを判定する。ゲート3Aが移動終点に到達したかどうかの判断は、例えば移動始点からの移動量が設定値になったか否かによって行う。ゲート3Aが移動終点に到達したと判定されたときは、ステップS120に移る。ゲート3Aが移動終点に到達していないと判定されたときは、ステップS110に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0059】
ステップS120では、RFIDリーダ7a,7bのアンテナ17a,17bからの電波放射を停止するように、RFIDリーダ7a,7bを制御する。
【0060】
そして、ステップS125において、ゲート3Aをベルトコンベア2の物品搬送方向の反対方向すなわち逆方向へ移動させるように、ゲート駆動ユニット4Aの駆動モータ44を制御し、ステップS130に移る。この時のゲート3Aの移動速度は、ゲート3Aが順方向に移動するときの速度の2倍速、すなわちベルトコンベア2の駆動速度の2倍速となるように制御される。
【0061】
その後、ステップS130で、ゲート3Aが移動始点に到達したかどうかを判定する。ゲート3Aが移動始点に到達したかどうかの判断は、例えば移動終点からの移動量が設定値になったか否かで行う。ゲート3Aが移動始点に到達したと判定されたときは、本フローを終了する。ゲート3Aが移動始点に到達していないと判定されたときは、ステップS125に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0062】
なお、以上では、1段目ゲート・リーダ個別制御部22によって開始されるゲート制御処理手順を代表して説明した。2段目ゲート・リーダ個別制御部23及び3段目ゲート・リーダ個別制御部24によって開始されるゲート制御処理手順、すなわち図5に示すステップS25,S35についても同様の制御が行われる。すなわち、これらの場合、上記各手順において、RFIDリーダ7a,7bをRFIDリーダ8a,8b又は9a,9bに読み替え、ゲート3Aをゲート3B又は3Cに読み替え、駆動ユニット4Aを駆動ユニット4B又は4Cに読み替え、当該各手順の制御内容が実行される。
【0063】
図7は、図5及び図6に示した処理手順によってゲート3A〜3Cが移動するイメージを時系列に表す図である。図中、黒塗りで表されたゲートは、ベルトコンベア2の進行方向すなわち順方向に進むゲートを示し、ハッチングで表されたゲートは、ベルトコンベア2の進行方向と逆の逆方向に戻るゲートを示している。
【0064】
図7において、まず、図7(a)は、ゲート3Aが移動終点に位置し、ゲート3Bが移動終点と移動始点との中間に位置し、ゲート3Cが移動始点に位置している状態を表している。この状態では、ゲート3Aは、直後に逆方向に戻るようになる(図7(b)及び図7(c)参照)。このとき、ゲート3B,3Cはベルトコンベア2とほぼ同じ速度で順方向へ進むが、ゲート3Aはベルトコンベア2の2倍速で逆方向へ戻る。このため、ゲート3Bが移動終点に位置し、ゲート3Cが移動終点と移動始点との中間に位置したときに、ゲート3Aが移動始点に到達する(図7(d)参照)。
【0065】
すると、ゲート3C,3Aは、ベルトコンベア2とほぼ同じ速度で順方向に進み、ゲート3Bは、ベルトコンベア2の2倍速で逆方向に戻るようになる(図7(e)及び図7(f)参照)。そして、ゲート3Cが移動終点に位置し、ゲート3Aが移動終点と移動始点との中間に位置したときに、ゲート3Bが移動始点に到達する(図7(g)参照)。以下、同様にしてゲート3A〜3Cの往復移動が繰り返し行われる。
【0066】
上述したようにゲート3A〜3Cがベルトコンベア2の進行方向すなわち順方向に移動するときに、RFIDリーダ7,8,9が無線タグ回路部Toに対して無線通信を行う。このとき、RFIDリーダ7〜9同士が互いに通信干渉しないように、RFIDリーダ7〜9で互いに異なる通信態様を使用する。すなわち、通信態様として、RFIDリーダ7〜9互いに異なる通信周波数を用いたり、互いに異なる偏波面を用いる。これにより、RFIDリーダ7〜9の通信範囲が互いに重なる場合でも通信干渉の発生を確実に防止し、正常に無線タグ回路部Toの検出を行うことができる。
【0067】
また、隣接する2つのゲートに備えられたRFIDリーダ7〜9のうち、一方がベルトコンベア2の上方に位置するRFIDリーダを用いて無線通信を行い、他方がベルトコンベア2の側方に位置するRFIDリーダを用いて無線通信を行っても良い。具体的には、ゲート3A,3Bが順方向に移動しているときは、RFIDリーダ7a,8b又はRFIDリーダ7b,8aを用いて無線通信を行い、ゲート3B,3Cが順方向に移動しているときは、RFIDリーダ8a,9b又はRFIDリーダ8b,9aを用いて無線通信を行い、ゲート3C,3Aが順方向に移動しているときは、RFIDリーダ9a,7b又はRFIDリーダ9b,7aを用いて無線通信を行う。
【0068】
上記の場合、特に、ベルトコンベア2の上方に位置するRFIDリーダ7a〜9aとベルトコンベア2の側方に位置するRFIDリーダ7b〜9bとで通信範囲が互いに異なる場合には、ゲート3A〜3C毎に互いに通信範囲が異なるRFIDリーダ7〜9を使い分けることにより、RFIDリーダ7〜9の通信範囲の重複を防止することができる。あるいは、RFIDリーダ7a〜9aとRFIDリーダ7b〜9bとで通信態様、すなわち通信周波数や偏波面等が互いに異なる場合には、ゲート3A〜3C毎に互いに通信態様が異なるRFIDリーダ7〜9を使い分けることにより、RFIDリーダ7〜9が同一の通信態様を使用するのを防止できる。これらにより、通信干渉の発生を確実に防止することができる。
【0069】
図8は、上述した管理サーバ11によって実行されるタグID管理処理手順を表すフローチャートである。
【0070】
図8において、まずステップS205において、RFIDリーダ7〜9により読み込んだ無線タグ回路部Toの情報をネットワーク13を介して受け取ったかどうかを判定する。無線タグ回路部Toの情報を受け取るまでループ待機し、無線タグ回路部Toの情報を受け取ったら判定が満たされ、ステップS210に移る。
【0071】
ステップS210では、受け取った無線タグ回路部Toの情報からタグIDを取得する。その後、ステップS215において、取得したタグIDが管理サーバ11のメモリに記憶されたタグリストに含まれていないかどうかを判定する。タグIDがタグリストに含まれていないと判定されたときは、ステップS220に移り、取得したタグIDをタグリストに追加する。タグIDがタグリストに含まれていると判定されたときは、ステップS225に移り、取得したタグIDを廃棄する。
【0072】
以上において、コントローラ10の1段目ゲート・リーダ個別制御部22によって実行される、図6に表すフローチャートのステップS110,S125が、各請求項記載の移動制御手段として機能する。また、管理サーバ11のコントローラ10を制御する機能と、コントローラ10の1段目ゲート・リーダ個別制御部22によって実行される図6に表すフローチャートのステップS105,S120とが、各請求項記載の通信制御手段として機能する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、ベルトコンベア2上を一方向に搬送される物品Pの無線タグTに対し、ゲート3A〜3Cに取り付けられたRFIDリーダ7〜9が無線通信を行う。このとき、ゲート3A〜3CのRFIDリーダ7〜9は、ベルトコンベア2上を一方向に搬送される物品Pに追従するようにベルトコンベア2に沿って一方向に移動する。そしてこのとき、搬送される物品Pと同等の速度でRFIDリーダ7〜9が移動するように制御される。これにより、物品Pに備えられた無線タグ回路部ToはRFIDリーダ7〜9の通信範囲内に長い時間存在するので、RFIDリーダ7〜9による無線タグ回路部Toの検出を確実に行うことができる。
【0074】
また、図7に一例を示して説明したように、特定の物品Pの無線タグ回路部Toに対し1つのRFIDリーダが追従して移動し通信を行っているうちに後続して別の物品Pが搬送されてきても、当該別の物品の無線タグ回路部Toに対しては別のRFIDリーダが独自に通信範囲を形成しつつ追従して移動し通信を行うことができる。これにより、1つのRFIDリーダを物品の搬送方向に沿って首を振らせて追従させる場合のように、後続する物品への追従が間に合わず無線タグ回路部Toの検出漏れが生じるのを防止することができる。
【0075】
また、ゲート3A〜3Cは、移動終点に達して特定の物品への追従が終了したら、順方向への移動速度の2倍の速度で逆方向へ移動し、元の移動始点へ戻る。これにより、ベルトコンベア2上を次々と物品Pが搬送されてきた場合でも、RFIDリーダ7〜9が確実に全ての物品Pへと追従し、無線タグ回路部Toの検出漏れがないようにすることができる。
【0076】
さらに、ゲート3A〜3Cの逆方向への移動時には、RFIDリーダ7〜9からの電波の放射が停止するので、RFIDリーダ7〜9の戻り移動中において、他のRFIDリーダとの通信干渉の発生を確実に防止することができる。
【0077】
なお、以上においては、装置アンテナとしてのアンテナ17a,17b,18a,18b,19a,19bが、対応するRFIDリーダ7a,7b,8a,8b,9a,9bにそれぞれ設けられていたが、これに限られない。アンテナ17a,17b,18a,18b,19a,19bを、RFIDリーダ7a,7b,8a,8b,9a,9bとは別体として、RFIDリーダ7a,7b,8a,8b,9a,9bに対し有線により接続してもよい。この場合、少なくともアンテナ17a,17b,18a,18b,19a,19bがアンテナゲート駆動ユニット4A,4B,4Cの駆動力によって、ゲート駆動ユニット4A,4B,4Cの駆動力によって移動すれば足り、RFIDリーダ7a,7b,8a,8b,9a,9bのそれ以外の部分は、固定されていてもよい(以下の変形例においても同様)。これらの場合も上記同様の効果を得る。また、同じゲートに付けられたアンテナ17a及びアンテナ17b、又はアンテナ18a及びアンテナ18b、あるいはアンテナ19a及びアンテナ19bは、1つのRFIDリーダに接続されていてもよい。この場合、アンテナ17a、17bは一定時間間隔で切替えて使用される。
【0078】
なお、本発明は、上記一実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0079】
(1)物品が搬送されたときにリーダ付きゲートを移動させる場合
上記実施形態では、ベルトコンベア2上を物品が搬送されたか否かにかかわらず、ゲート3A〜3Cを移動させるようにしたが、本発明はこれに限られない。すなわち、ベルトコンベア2上を物品が搬送されてきたときのみ、ゲート3A〜3Cを移動させるようにしてもよい。
【0080】
図9は、本変形例においてコントローラ10の連携制御部21によって実行される連携制御手順を表すフローチャートである。
【0081】
図9において、まずステップS305において、上記ステップS5と同様、管理者用端末12により物品検出開始の入力操作があるまでループ待機し、物品検出開始の入力操作があったら判定が満たされ、ステップS310に移る。
【0082】
ステップS310では、上記ステップS10と同様、全てのゲート3A〜3Cを退避位置から移動始点へと移動させるように制御し、ステップS315に移る。
【0083】
ステップS315では、光センサ等によりベルトコンベア2上を物品が搬送されてきたかどうかを判定する。物品が搬送されてくるまでループ待機し、物品が搬送されてきたら判定が満たされ、ステップS320に移る。
【0084】
ステップS320では、1段目ゲート3Aが停止中であるかどうかを判定する。1段目ゲート3Aが停止中であると判定されたときは、ステップS325に移る。ステップS325では、上記の1段目ゲート・リーダ個別制御部22に移動開始を指示することにより、1段目ゲート3Aの所定の移動パターンに従った移動を開始させ、ステップS350に移る。なお、このステップS325の詳細手順は、前述のステップS15と同様、前述の図6に示された内容である。
【0085】
ステップS320において1段目ゲート3Aが停止中でなく移動中であると判定されたときは、ステップS330に移り、2段目ゲート3Bが停止中であるかどうかを判定する。2段目ゲート3Bが停止中であると判定されたときは、ステップS335に移る。ステップS335では、上記の2段目ゲート・リーダ個別制御部23に移動開始を指示することにより、2段目ゲート3Bの所定の移動パターンに従った移動を開始させ、ステップS350に移る。なお、このステップS335の詳細手順は、前述のステップS25と同様、前述の図6に示された内容である。
【0086】
ステップS330において2段目ゲート3Bが停止中でなく移動中であると判定されたときは、ステップS340に移り、3段目ゲート3Cが停止中であるかどうかを判定する。3段目ゲート3Cが停止中であると判定されたときは、ステップS345に移る。ステップS345では、上記の3段目ゲート・リーダ個別制御部24に移動開始を指示することにより、3段目ゲート3Cの所定の移動パターンに従った移動を開始させ、ステップS350に移る。なお、このステップS345の詳細手順は、前述のステップS35と同様、前述の図6に示された内容である。3段目ゲートが停止中でなく移動中であると判定されたときは、そのままステップS350に移る。
【0087】
ステップS350では、管理者用端末12により物品検出終了の入力操作があったかどうかを判定する。物品検出終了の入力操作があったと判定されたときは、ステップS355に移り、全てのゲート3A〜3Cを退避位置に戻し、本フローを終了する。物品検出終了の入力操作がないと判定されたときは、ステップS315に戻り、ステップS315〜S345を繰り返し実行する。
【0088】
以上の処理において、ゲート3A〜3Cを順次移動させた後、所定時間経過しても物品が搬送されて来なくなったときは、強制的にゲート3A〜3Cを一時停止させるようにしても良い。
【0089】
以上のように本変形例においては、ベルトコンベア2上を物品が搬送されてきたときのみ、ゲート3A〜3Cを移動させるので、ベルトコンベア2上を物品が搬送されていないときにゲート3A〜3Cを無駄に移動させることを防止し、省電力化を図ることができる。
【0090】
(2)物品の搬送速度を取得してリーダ付きゲートを移動させる場合
上記実施形態及び変形例では、特に物品の搬送速度を取得していないが、本発明はこれに限られず、物品の搬送速度を取得し、ゲート3A〜3Cの移動速度を物品の搬送速度に合わせるようにしてもよい。
【0091】
図10は、本変形例における物品検出システムのシステム構成を表す図であり、上記図4に対応する図である。なお、上記実施形態の構成と同等の部分については同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0092】
図10において、コントローラ10は、連携制御部21、1段目ゲート・リーダ個別制御部22、2段目ゲート・リーダ個別制御部23及び3段目ゲート・リーダ個別制御部24に加え、搬送速度取得手段としてのゲート速度設定部25をさらに有している。ゲート速度設定部25は、管理サーバ11からベルトコンベア2の駆動速度すなわち物品の搬送速度を取得する。なお、この取得は、管理サーバ11がベルトコンベア2へ出力する指令信号に含まれる設定速度を取得してもよいし、別途ベルトコンベア2の速度を検出するセンサ等を設け、その検出結果を取得するようにしてもよい。そして、ゲート3A〜3Cの移動速度の、上記取得したベルトコンベア2の駆動速度に対する相対速度が、所定値例えば0又は0に近い所定範囲内になるように、当該ゲート3A〜3Cの移動速度を設定する。そして、ゲート速度設定部25は、その移動速度データを1段目ゲート・リーダ個別制御部22、2段目ゲート・リーダ個別制御部23、及び3段目ゲート・リーダ個別制御部24に送出することで、ゲート3A〜3Cを当該移動速度でベルトコンベア2の進行方向すなわち順方向に移動させるようにする。
【0093】
本変形例においては、ベルトコンベア2の駆動速度が変化した場合でも、搬送される物品に対するゲート3A〜3CすなわちRFIDリーダ7〜9の相対速度を確実に0又は0に近い値に維持することができる。この結果、RFIDリーダ7〜9による無線タグ回路部Toの検出を確実に行うことができる。
【0094】
(3)各ゲートに取り付けられたRFIDリーダの通信エリアを離す場合
すなわち、ベルトコンベア2上におけるRFIDリーダ7,8,9それぞれの通信範囲を、常に重ならないように設定してもよい。
【0095】
図11は、ゲート3A〜3Cが所定の間隔で配置されたときのRFIDリーダ7〜9の通信範囲を表す平面図である。
【0096】
図11において、上述したコントローラ10の連携制御部21は、ゲート3A〜3Cを所定の移動パターンに従って移動させる際に、ゲート3A〜3Cに取り付けられたRFIDリーダ7〜9の通信範囲すなわち読取範囲Q1,Q2,Q3が重ならないように、ゲート3A〜3Cの配置間隔を常時設定する。また、ゲート3A〜3Cが移動している最中に、ベルトコンベア2上における読取範囲の隙間部分が移動し、全ての物品Pについた無線タグ回路部Toを読み取れるようにする必要があるため、例えばゲート3A〜3Cは、次式が成り立つように制御される。
0<L≦|Vr(Lm/Va)|
L:隙間の長さ
Vr:リーダと物品との相対速度
Lm:リーダの移動始点から移動終点までの距離
Va:リーダの移動速度
【0097】
すなわち、本変形例では、RFIDリーダ7〜9の通信範囲Q1〜Q3間に、無線タグ回路部Toの情報を読み取ることができない隙間が設けられる。この結果、隣接する2つのゲートに取り付けられたRFIDリーダが互いに同一の通信態様(偏波面や周波数)で無線通信を行う場合でも、通信干渉の発生を確実に防止し、正常に無線タグ回路部Toの検出を行える効果がある。また、RFIDリーダ7〜9の移動速度と、リーダと物品との相対速度から隙間の長さを規定することで、ベルトコンベア2上の全ての物品を読み落とさないようにできる。
【0098】
(4)所定数の無線タグ回路部の検出が終了したときにリーダ付きゲートを逆方向に移動させる場合
上記実施形態では、ベルトコンベア2の進行方向(順方向)に移動するゲート3A〜3Cが予め決められた移動終点に達したときに、ゲート3A〜3Cを逆方向に移動させて移動始点に戻すようにしたが、本発明はこれに限られない。すなわち、所定の個数の物品に貼り付けられた無線タグTの無線タグ回路部Toの検出が終了したときに、ゲート3A〜3Cを逆方向に移動させて移動始点に戻すようにしてもよい。このように迅速に移動始点へ戻すことにより、確実に無線タグ回路部Toの検出漏れを防ぐことができる。
【0099】
あるいは、一定期間の間、無線タグ回路部Toを検出できなかった場合に、ゲート3A〜3Cを逆方向に移動させて移動始点に戻すようにしてもよい。この場合、物品Pが存在せずRFIDリーダ7〜9が無線タグ回路部Toを検出しない状態のままゲート3A〜3Cが一方向へ移動し続ける無駄を防止し、ゲート3A〜3Cを迅速に逆方向へ戻すことができる。これにより、さらに確実に無線タグ回路部Toの検出漏れがないようにすることができる。
【0100】
(5)その他
上記実施形態では、ゲート3A〜3CにRFIDリーダ7〜9をそれぞれ取り付け、ゲート3A〜3Cをゲート駆動ユニット4A〜4Cにより個別にベルトコンベア2に沿って移動させるようにしたが、RFIDリーダを移動させる構造としては、特に上記には限られない。
【0101】
図12は、RFIDリーダをベルトコンベア2に沿って移動させる構造の変形例を表す平面図である。図12において、ベルトコンベア2の一側には、モータ(図示せず)により回転移動する無端ベルト80が設置されている。この無端ベルト80の外面には、複数のRFIDリーダ81が等間隔で固定されている。図13は、RFIDリーダをベルトコンベア2に沿って移動させる構造の他の変形例を表す側面図である。図13において、ベルトコンベア2の上方には、モータ(図示せず)により回転する回転体85が設置されている。この回転体85の外周面には、複数のRFIDリーダ86が等間隔で放射状に固定されている。
【0102】
上記図12や図13に示す構成によっても、上記実施形態とほぼ同様の効果を得る。すなわち、通信時間を長く確保してRFIDリーダ81,86による無線タグ回路部Toの検出を確実に行い、また複数の物品Pが続々と搬送されてくる場合も無線タグ回路部Toの検出漏れを防止することができる。
【0103】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0104】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0105】
1 物品検出システム
2 ベルトコンベア(搬送経路)
3A〜3C ゲート(移動装置)
4A〜4C ゲート駆動ユニット(移動装置)
7a,7b RFIDリーダ(無線タグ読み取り装置)
8a,8b RFIDリーダ(無線タグ読み取り装置)
9a,9b RFIDリーダ(無線タグ読み取り装置)
10 コントローラ
11 管理サーバ
17a〜19a アンテナ(第1アンテナ部)
17b〜19b アンテナ(第2アンテナ部)
21 連携制御部
22 1段目ゲート・リーダ個別制御部
23 2段目ゲート・リーダ個別制御部
24 3段目ゲート・リーダ個別制御部
25 ゲート速度設定部
150 IC回路部
151 タグアンテナ
155 メモリ部(記憶部)
P 物品
T 無線タグ
To 無線タグ回路部
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される複数の物品の検出を行う物品検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送経路上を搬送される物品の検出を行う従来技術として、例えば特許文献1に記載のシステムがある。この従来技術では、搬送される各物品に無線タグを設け、無線タグ読み取り装置が無線タグに対し無線通信を行って当該物品の検出を行う。このとき、搬送経路の側方に設けた無線タグ読み取り装置の装置アンテナを、各物品の移動に合わせて首振り動作させ追従させる。これにより、装置アンテナと無線タグ回路部との通信時間が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−106897号公報(図12、段落0118〜0133)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。
【0005】
すなわち、複数の物品が比較的高速で続々と搬送されてきた場合には、1つの物品の搬送方向に対し装置アンテナの首を振らせて追従させている間に、後続する物品が装置アンテナの前を通り過ぎ、追従が間に合わない。この場合、当該後続する物品の無線タグ回路部の検出漏れが生じるおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、複数の物品に設けた無線タグ回路部の検出を、検出漏れを防止しつつ確実に行うことができる物品検出システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、所定の搬送経路上を一方向に搬送される物品に設けられ、情報を記憶する記憶部を備えたIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備えた、少なくとも1個の無線タグ回路部に対し無線通信を行う装置アンテナを備え、前記無線通信により前記無線タグ回路部を検出する複数の無線タグ読み取り装置と、前記複数の無線タグ読み取り装置のうち少なくとも前記装置アンテナを、前記搬送経路に沿ってそれぞれ前記一方向に移動可能な移動装置と、前記物品の搬送速度に対する前記装置アンテナの相対移動速度が所定の値に近づくように、前記移動装置を制御する移動制御手段と、複数の前記装置アンテナそれぞれの通信範囲が同一位置とならないようにすると共に、前記移動装置により前記複数の装置アンテナが前記搬送経路に沿って前記一方向に移動するときに前記無線通信のための電波を放射するように、前記複数の装置アンテナを制御する通信制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明では、所定の搬送経路上を一方向に搬送される物品に、少なくとも1つの無線タグ回路部が設けられている。そして、複数の無線タグ読み取り装置それぞれに備えられた装置アンテナが上記無線タグ回路部に対し無線通信を行う。このとき、各装置アンテナは、移動装置によって上記搬送経路に沿って一方向に移動し、その移動速度が移動制御手段によって制御される。この移動速度の制御により、各装置アンテナの上記搬送される物品に対する相対速度は、所定の値になる。これにより、搬送される物品と同等の速度で装置アンテナを移動させることが可能となり、物品に備えられた無線タグ回路部を装置アンテナの通信範囲内に長い時間存在させることができる。この結果、無線タグ読み取り装置による無線タグ回路部の検出を確実に行うことができる。
【0009】
また、本願第1発明では、上記のような移動を行う装置アンテナを複数個設けている。特定の物品の無線タグ回路部に対し1つの装置アンテナが追従して移動し通信を行っているうちに後続して別の物品が搬送されてきても、当該別の物品の無線タグ回路部に対しては別の装置アンテナが独自に通信範囲を形成しつつ追従して移動し通信を行うことができる。これにより、1つの無線タグ読み取り装置を物品の搬送方向に沿って首を振らせて追従させる場合のように、後続する物品への追従が間に合わず無線タグ回路部の検出漏れが生じるのを防止することができる。
【0010】
第2発明は、上記第1発明において、前記通信制御手段は、前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナが互いに通信干渉しないような異なる通信態様を用いるように、前記複数の装置アンテナを制御することを特徴とする。
【0011】
これにより、隣接する2つの無線タグ読み取り装置の装置アンテナの通信範囲が互いに重なる場合でも通信干渉の発生を確実に防止し、正常に無線タグ回路部の検出を行うことができる。
【0012】
第3発明は、上記第1発明において、前記通信制御手段は、前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナの通信範囲が互いに重ならないように、前記複数の装置アンテナを制御することを特徴とする。
【0013】
これにより、隣接する2つの装置アンテナが互いに同一の通信態様で無線通信を行う場合でも、通信干渉の発生を確実に防止し、正常に無線タグ回路部の検出を行うことができる。
【0014】
第4発明は、上記第2又は第3発明において、前記搬送経路上を搬送される前記物品の搬送速度を取得する搬送速度取得手段をさらに備え、前記移動制御手段は、前記搬送速度取得手段に取得された前記物品の前記搬速速度に対する、前記装置アンテナの相対移動速度が所定の値に近づくように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0015】
これにより、物品の搬送速度が変化した場合でも、各装置アンテナの上記搬送される物品に対する相対速度を確実に所定の値に近づけることができる。この結果、無線タグ読み取り装置による無線タグ回路部の検出を確実に行うことができる。
【0016】
第5発明は、上記第3又は第4発明において、前記複数の装置アンテナは、 前記搬送経路に沿って、前記一方向と当該一方向に対する逆方向とに、進退可能に設けられており、前記通信制御手段は、前記移動装置により前記装置アンテナが前記搬送経路に沿って前記逆方向に移動するときに前記電波の放射を停止するように、前記複数の装置アンテナを制御し、前記移動制御手段は、前記複数の装置アンテナのそれぞれが、互いに別個に前記搬送経路に沿って進退可能となるように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0017】
本願第5発明においては、所定の搬送経路上を一方向に搬送される物品に追従するように、複数の装置アンテナが、移動装置によって上記搬送経路に沿って一方向に移動する。このとき、移動制御手段の制御により、各装置アンテナは、互いに別個に進退可能となっている。したがって、特定の物品の無線タグ回路部に対し1つの装置アンテナが追従して移動し通信を行っているうちに後続して別の物品が搬送されてきても、当該別の物品の無線タグ回路部に対しては別の装置アンテナが独自に通信範囲を形成しつつ追従して移動することができる。また、各装置アンテナは、搬送経路に沿って逆方向に移動可能であり、上記1つの装置アンテナは、上記特定の物品への追従が終了したら逆方向へ移動し、元の位置へ戻ることができる。この逆方向への移動時には、通信制御手段によって、当該1つの装置アンテナの電波の放射が停止する。これにより、上記1つの装置アンテナの戻り移動中において、他の装置アンテナとの通信干渉の発生を、確実に防止することができる。
【0018】
第6発明は、上記第5発明において、前記移動制御手段は、前記装置アンテナの前記逆方向への移動速度が、前記装置アンテナの前記一方向への移動速度よりも速くなるように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0019】
本願第6発明では、各装置アンテナは、一方向への移動速度より速い速度で逆方向へ戻る。これにより、搬送経路上を次々と物品が搬送されてきた場合でも、複数の装置アンテナが確実に全物品へと追従し、無線タグ回路部の検出漏れがないようにすることができる。
【0020】
第7発明は、上記第5又は第6発明において、前記移動制御手段は、前記一方向へと移動する前記装置アンテナが所定の位置に達した場合、若しくは、前記装置アンテナの通信対象である前記少なくとも1個の前記無線タグ回路部のうち所定の個数の当該無線タグ回路部の検出が終了した場合、当該装置アンテナの前記一方向への移動を終了して前記逆方向へ移動するように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0021】
本願第7発明では、物品に追従して一方向へ移動する装置アンテナが、予め定めた所定の位置に達したり所定個数の無線タグ回路部の検出を終えた場合には、迅速に逆方向へ戻る。これにより、さらに確実に無線タグ回路部の検出漏れがないようにすることができる。
【0022】
第8発明は、上記第5乃至第7発明のいずれかにおいて、前記移動制御手段は、前記装置アンテナが一定期間の間、通信対象である前記無線タグ回路部を新たに検出しなかった場合、当該装置アンテナの前記一方向への移動を終了して前記逆方向へ移動するように、前記移動装置を制御することを特徴とする。
【0023】
これにより、装置アンテナが、物品が存在せず無線タグ回路部の非検出状態のまま一方向へ移動し続ける無駄を防止し、迅速に逆方向へ戻す。これにより、さらに確実に無線タグ回路部の検出漏れがないようにすることができる。
【0024】
第9発明は、上記第5乃至第8発明のいずれかにおいて、前記複数の無線タグ読み取り装置の前記装置アンテナは、前記搬送経路の上方に位置する第1アンテナ部と、前記搬送経路の側方に位置する第2アンテナ部とを含み、前記通信制御手段は、前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナのうち一方が前記第1アンテナ部を用いて通信を行い他方が前記第2アンテナ部を用いて通信を行うように、前記複数の装置アンテナを制御することを特徴とする。
【0025】
これにより、搬送経路に沿って先行する装置アンテナが第1アンテナ部を用いて通信を行っているとき、後続する装置アンテナは第2アンテナ部を用いて通信を行う。搬送経路の上方に位置する第1アンテナ部と搬送経路の側方に位置する第2アンテナ部とで通信範囲が互いに異なる場合には、アンテナ部を使い分けることにより、2つの装置アンテナの通信範囲の重複を防止することができる。また第1アンテナ部と第2アンテナ部とで通信態様が互いに異なる場合には、アンテナ部を使い分けることにより、2つの装置アンテナが同一の通信態様を使用するのを防止できる。これらにより、通信干渉の発生を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の物品に設けた無線タグ回路部の検出を、検出漏れを防止しつつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態の物品検出システムの一部であるリーダ付きゲート及びゲート駆動ユニットを表す平面図である。
【図2】リーダ付きゲート及びゲート駆動ユニットを表す正面図である。
【図3】リーダ付きゲート及びゲート駆動ユニットを表す側面図である。
【図4】本実施形態の物品検出システムのシステム構成を表す図である。
【図5】コントローラの連携制御部によって実行される連携制御手順を表すフローチャートである。
【図6】コントローラのゲート・リーダ個別制御部によって開始されるゲート・リーダ制御処理手順の詳細を表すフローチャートである。
【図7】リーダ付きゲートが移動するイメージを時系列に表す図である。
【図8】管理サーバによって実行されるタグID管理処理手順を表すフローチャートである。
【図9】本発明の変形例においてコントローラの連携制御部によって実行される連携制御手順を表すフローチャートである。
【図10】本発明の他の変形例における物品検出システムのシステム構成を表す図である。
【図11】リーダ付きゲートが所定の間隔で配置されたときのRFIDリーダの通信範囲を表す平面図である。
【図12】RFIDリーダをベルトコンベアに沿って移動させる構造の変形例を表す平面図である。
【図13】RFIDリーダをベルトコンベアに沿って移動させる構造の他の変形例を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
本実施形態の物品検出システムの要部である、リーダ付きゲート及びゲート駆動ユニットを、図1〜図3を用いて説明する。
【0030】
図1〜図3において、物品検出システム1は、ベルトコンベア2上を一方向に搬送される物品P、又は物品Pを収容する段ボール等、に貼り付けられた無線タグTのタグ情報を読み取ることで、物品Pを検出するシステムである。物品検出システム1は、リーダ付きのゲート3A,3B,3Cと、ゲート駆動ユニット4A,4B,4Cとを有している。
【0031】
ゲート3A〜3Cは、それぞれ、搬送経路を構成するベルトコンベア2を挟むように配置されている。すなわち、ゲート3A〜3Cは、それぞれ、ベルトコンベア2の両側に配置された1対の側ビーム5と、これらの側ビーム5の上端同士を繋ぐ上ビーム6とを有している。ゲート3A〜3Cは、ベルトコンベア2に沿って移動したときに互いに干渉しないように、この順にサイズが大きくなっている。以下適宜、ゲート3Aを1段目ゲート、ゲート3Bを2段目ゲート、ゲート3Cを3段目ゲートと称する。
【0032】
ゲート3Aの上ビーム6及び各側ビーム5の内壁面には、1つのRFIDリーダ7aと2つのRFIDリーダ7b,7b(以下適宜、総称してRFIDリーダ7という)がそれぞれ取り付けられている。RFIDリーダ7a,7bは、装置アンテナとしてのアンテナ17a及び17bをそれぞれ有している。アンテナ17aが各請求項記載の第1アンテナ部に相当し、アンテナ17bが各請求項記載の第2アンテナ部に相当する。
【0033】
ゲート3Bの上ビーム6及び各側ビーム5の内壁面には、1つのRFIDリーダ8aと2つのRFIDリーダ8b,8b(以下適宜、総称してRFIDリーダ8という)がそれぞれ取り付けられている。RFIDリーダ8a,8bは、装置アンテナとしてのアンテナ18a,18bをそれぞれ有している。アンテナ18aが各請求項記載の第1アンテナ部に相当し、アンテナ18bが各請求項記載の第2アンテナ部に相当する。
【0034】
ゲート3Cの上ビーム6及び各側ビーム5の内壁面には、1つのRFIDリーダ9aと2つのRFIDリーダ9b,9bRFIDリーダ9a,9b(以下適宜、総称してRFIDリーダ9という)がそれぞれ取り付けられている。RFIDリーダ9a,9bは、装置アンテナとしてのアンテナ19a,19bをそれぞれ有している。アンテナ19aが各請求項記載の第1アンテナ部に相当し、アンテナ19bが各請求項記載の第2アンテナ部に相当する。
【0035】
RFIDリーダ7〜9は、物品Pに貼り付けられた無線タグTの無線タグ回路部Toに記憶された情報を無線通信により読み取り、これによって無線タグTを検出する無線タグ読み取り装置である。無線タグ回路部Toは、RFIDリーダ7〜9のアンテナ17a〜19cと非接触で信号の送受信を行うタグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続されたIC回路部150とを有している。なお、ゲート3A〜3Cのいずれにも3つのRFIDリーダが設けられているのは、物品Pに貼り付けられた無線タグTの向きによらずに無線タグ回路部Toの情報を読むためである。
【0036】
ゲート駆動ユニット4A〜4Cは、ベルトコンベア2の一方側に配置され、ゲート3A,3B,3Cをそれぞれ独立にベルトコンベア2の長手方向に往復移動させる。ゲート駆動ユニット4A〜4Cは、それぞれ、図3に示すように、駆動プーリ41及び従動プーリ42と、これらの駆動プーリ41及び従動プーリ42に掛け渡された無端ベルト43とを有している。駆動プーリ41は、駆動モータ44の出力軸に連結され、駆動モータ44の回転により回転駆動される。無端ベルト43上には固定台45が載置され、この固定台45には、ゲート3A〜3Cの一方の側ビーム5が固定されている。なお、ゲート3A〜3C及びゲート駆動ユニット4A〜4Cが、各請求項記載の移動装置を構成する。
【0037】
ゲート3A〜3Cは、ゲート駆動ユニット4A〜4Cによって互いに別個にベルトコンベア2に沿って進退可能となっている。具体的には、駆動モータ44により駆動プーリ41を一方向に回転させると、無端ベルト43が対応する方向に移動し、これに伴ってゲート3A〜3Cがベルトコンベア3の物品搬送方向に移動する。駆動モータ44により駆動プーリ41を上記一方向と反対方向に回転させると、無端ベルト43が対応する方向に移動し、これに伴ってゲート3A〜3Cがベルトコンベア2の物品搬送方向とは反対の方向に移動する。
【0038】
図4は、本実施形態の物品検出システム1のシステム構成を表す図である。図4において、物品検出システム1は、上記のRFIDリーダ7〜9及びゲート駆動ユニット4A〜4Cと、コントローラ10と、管理サーバ11と、管理者用端末12とを有している。これらは、ネットワーク13を介して互いに接続されている。
【0039】
コントローラ10は、連携制御部21と、1段目ゲート・リーダ個別制御部22と、2段目ゲート・リーダ個別制御部23と、3段目ゲート・リーダ個別制御部24とを有している。
【0040】
連携制御部21は、ゲート3A〜3Cを予め決められたパターンに従って動かすように1段目ゲート・リーダ個別制御部22、2段目ゲート・リーダ個別制御部23及び3段目ゲート・リーダ個別制御部24を連携して制御する。1段目ゲート・リーダ個別制御部22は、1段目ゲート3Aを駆動するゲート駆動ユニット4Aと1段目ゲート3Aに設けられたRFIDリーダ7とを制御する。2段目ゲート・リーダ個別制御部23は、2段目ゲート3Bを駆動するゲート駆動ユニット4Bと2段目ゲート3Bに設けられたRFIDリーダ8とを制御する。3段目ゲート・リーダ個別制御部24は、3段目ゲート3Cを駆動するゲート駆動ユニット4Cと3段目ゲート3Cに設けられたRFIDリーダ9とを制御する。
【0041】
管理サーバ11は、物品検出システム1全体の制御を行ったり、RFIDリーダ7〜9により読み取った情報を用いてタグIDの取得・管理を行う。また、管理サーバ11は、ゲート3A〜3Cを動かすための駆動パラメータ、すなわち駆動方向及び速度等をコントローラ10に送出する制御を行う。また管理サーバ11は、RFIDリーダ7〜9の通信態様、すなわち使用する周波数や偏波面の制御を行う。
【0042】
管理者用端末12は、管理者が物品検出等に関する操作入力を行うための端末である。管理者用端末12は、管理者の操作入力に応じて管理サーバ11へリクエストを出し、物品検出システム1全体の制御等を行わせると共に、管理者の操作入力に応じてコントローラ10へリクエストを出し、RFIDリーダ7〜9及びゲート駆動ユニット4A〜4Cの制御を行わせる。
【0043】
上述したコントローラ10の連携制御部21によって実行される制御を、図5を用いて説明する。
【0044】
図5において、まずステップS5において、管理者用端末12により物品検出開始の入力操作があったかどうかを判定する。物品検出開始の入力操作があるまでループ待機し、物品検出開始の入力操作があったら判定が満たされ、ステップS10に移る。
【0045】
ステップS10では、全てのゲート3A〜3Cを退避位置から予め決められた移動始点へと移動させるようにゲート駆動ユニット4A〜4Cの駆動モータ44を制御し、ステップS15に移る。
【0046】
ステップS15では、上記の1段目ゲート・リーダ個別制御部22に動作開始を指示することにより、1段目ゲート3Aの所定の移動パターンに従った移動を開始させる。このゲート制御処理については、後で詳述する。
【0047】
その後、ステップS20において、1段目ゲート3Aの制御処理の実行を開始してから所定時間tが経過したかどうかを判定する。所定時間tが経過するまでループ待機し、所定時間tが経過したら判定が満たされ、ステップS25に移る。
【0048】
ステップS25では、上記の2段目ゲート・リーダ個別制御部23に動作開始を指示することにより、2段目ゲート3Bの所定の移動パターンに従った移動を開始させる。このゲート制御処理については、後で詳述する。
【0049】
ステップS30において、2段目ゲート3Bの制御処理の実行を開始してから上記同様の所定時間tが経過したかどうかを判定する。所定時間tが経過するまでループ待機し、所定時間tが経過したら判定が満たされ、ステップS35に移る。
【0050】
ステップS35では、上記の3段目ゲート・リーダ個別制御部24に動作開始を指示することにより、3段目ゲート3Cの所定の移動パターンに従った移動を開始させる。このゲート制御処理については、後で詳述する。
【0051】
その後、ステップS40において、管理者用端末12により物品検出終了の入力操作があったかどうかを判定する。物品検出終了の入力操作があったら判定が満たされ、ステップS45に移り、全てのゲート3A〜3Cを退避位置に戻し、本フローを終了する。
【0052】
一方、物品検出終了の入力操作がない場合には、ステップS40の判定が満たされず、ステップS50に移り、3段目ゲート3Cの制御処理の実行を開始してから上記同様の所定時間tが経過したかどうかを判定する。所定時間tが経過するまでループ待機し、所定時間tが経過したら判定が満たされ、上記ステップS15に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0053】
なお、このフローの中で1つのゲート3が移動を開始してから次のゲート3を移動させるまでの間のループ待機をする所定時間tは、1段目ゲート3A及び2段目ゲート3B、2段目ゲート3B及び3段目ゲート3C、3段目ゲート3C及び1段目ゲート3Aで同じ値としているが、それぞれ異なる値を用いてもよい。但し、1つのゲート3が移動開始した後、所定時間後までに次のゲート3が移動始点に戻っているように所定時間を決める必要がある。
【0054】
図6は、上述したコントローラ10の1段目ゲート・リーダ個別制御部22によって開始されるゲート制御処理手順の詳細を表すフローチャートである。
【0055】
図6において、まずステップS105において、RFIDリーダ7a,7bのアンテナ17a,17bから、無線タグTの無線タグ回路部Toとの無線通信のための電波を放射させるように、RFIDリーダ7a,7bを制御する。
【0056】
その後、ステップS110において、ゲート3Aをベルトコンベア2の物品搬送方向(順方向)へ移動させるように、ゲート駆動ユニット4Aの駆動モータ44を制御し、ステップS115に移る。このとき、ゲート3Aの移動速度は、ベルトコンベア2の駆動速度すなわち物品Pの搬送速度との相対速度が、所定の速度に近づくように制御される。この所定の速度としては、例えば、0、又は0に近い所定範囲内の低速、とすればよい。この場合、ゲート3Aの移動速度は、物品Pの搬送速度とほぼ等しくなる。
【0057】
このようにゲート3Aがベルトコンベア2の駆動速度と同等の速度で移動することにより、物品Pに備えられた無線タグTの無線タグ回路部ToがRFIDリーダ7a,7bの通信範囲内に長い時間存在することとなる。そして、その間にRFIDリーダ7a,7bが無線タグ回路部Toに対して無線通信を行い、無線タグ回路部Toの情報がRFIDリーダ7a,7bによって読み込まれることとなる。
【0058】
ステップS115では、ゲート3Aが予め決められた移動終点に到達したかどうかを判定する。ゲート3Aが移動終点に到達したかどうかの判断は、例えば移動始点からの移動量が設定値になったか否かによって行う。ゲート3Aが移動終点に到達したと判定されたときは、ステップS120に移る。ゲート3Aが移動終点に到達していないと判定されたときは、ステップS110に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0059】
ステップS120では、RFIDリーダ7a,7bのアンテナ17a,17bからの電波放射を停止するように、RFIDリーダ7a,7bを制御する。
【0060】
そして、ステップS125において、ゲート3Aをベルトコンベア2の物品搬送方向の反対方向すなわち逆方向へ移動させるように、ゲート駆動ユニット4Aの駆動モータ44を制御し、ステップS130に移る。この時のゲート3Aの移動速度は、ゲート3Aが順方向に移動するときの速度の2倍速、すなわちベルトコンベア2の駆動速度の2倍速となるように制御される。
【0061】
その後、ステップS130で、ゲート3Aが移動始点に到達したかどうかを判定する。ゲート3Aが移動始点に到達したかどうかの判断は、例えば移動終点からの移動量が設定値になったか否かで行う。ゲート3Aが移動始点に到達したと判定されたときは、本フローを終了する。ゲート3Aが移動始点に到達していないと判定されたときは、ステップS125に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0062】
なお、以上では、1段目ゲート・リーダ個別制御部22によって開始されるゲート制御処理手順を代表して説明した。2段目ゲート・リーダ個別制御部23及び3段目ゲート・リーダ個別制御部24によって開始されるゲート制御処理手順、すなわち図5に示すステップS25,S35についても同様の制御が行われる。すなわち、これらの場合、上記各手順において、RFIDリーダ7a,7bをRFIDリーダ8a,8b又は9a,9bに読み替え、ゲート3Aをゲート3B又は3Cに読み替え、駆動ユニット4Aを駆動ユニット4B又は4Cに読み替え、当該各手順の制御内容が実行される。
【0063】
図7は、図5及び図6に示した処理手順によってゲート3A〜3Cが移動するイメージを時系列に表す図である。図中、黒塗りで表されたゲートは、ベルトコンベア2の進行方向すなわち順方向に進むゲートを示し、ハッチングで表されたゲートは、ベルトコンベア2の進行方向と逆の逆方向に戻るゲートを示している。
【0064】
図7において、まず、図7(a)は、ゲート3Aが移動終点に位置し、ゲート3Bが移動終点と移動始点との中間に位置し、ゲート3Cが移動始点に位置している状態を表している。この状態では、ゲート3Aは、直後に逆方向に戻るようになる(図7(b)及び図7(c)参照)。このとき、ゲート3B,3Cはベルトコンベア2とほぼ同じ速度で順方向へ進むが、ゲート3Aはベルトコンベア2の2倍速で逆方向へ戻る。このため、ゲート3Bが移動終点に位置し、ゲート3Cが移動終点と移動始点との中間に位置したときに、ゲート3Aが移動始点に到達する(図7(d)参照)。
【0065】
すると、ゲート3C,3Aは、ベルトコンベア2とほぼ同じ速度で順方向に進み、ゲート3Bは、ベルトコンベア2の2倍速で逆方向に戻るようになる(図7(e)及び図7(f)参照)。そして、ゲート3Cが移動終点に位置し、ゲート3Aが移動終点と移動始点との中間に位置したときに、ゲート3Bが移動始点に到達する(図7(g)参照)。以下、同様にしてゲート3A〜3Cの往復移動が繰り返し行われる。
【0066】
上述したようにゲート3A〜3Cがベルトコンベア2の進行方向すなわち順方向に移動するときに、RFIDリーダ7,8,9が無線タグ回路部Toに対して無線通信を行う。このとき、RFIDリーダ7〜9同士が互いに通信干渉しないように、RFIDリーダ7〜9で互いに異なる通信態様を使用する。すなわち、通信態様として、RFIDリーダ7〜9互いに異なる通信周波数を用いたり、互いに異なる偏波面を用いる。これにより、RFIDリーダ7〜9の通信範囲が互いに重なる場合でも通信干渉の発生を確実に防止し、正常に無線タグ回路部Toの検出を行うことができる。
【0067】
また、隣接する2つのゲートに備えられたRFIDリーダ7〜9のうち、一方がベルトコンベア2の上方に位置するRFIDリーダを用いて無線通信を行い、他方がベルトコンベア2の側方に位置するRFIDリーダを用いて無線通信を行っても良い。具体的には、ゲート3A,3Bが順方向に移動しているときは、RFIDリーダ7a,8b又はRFIDリーダ7b,8aを用いて無線通信を行い、ゲート3B,3Cが順方向に移動しているときは、RFIDリーダ8a,9b又はRFIDリーダ8b,9aを用いて無線通信を行い、ゲート3C,3Aが順方向に移動しているときは、RFIDリーダ9a,7b又はRFIDリーダ9b,7aを用いて無線通信を行う。
【0068】
上記の場合、特に、ベルトコンベア2の上方に位置するRFIDリーダ7a〜9aとベルトコンベア2の側方に位置するRFIDリーダ7b〜9bとで通信範囲が互いに異なる場合には、ゲート3A〜3C毎に互いに通信範囲が異なるRFIDリーダ7〜9を使い分けることにより、RFIDリーダ7〜9の通信範囲の重複を防止することができる。あるいは、RFIDリーダ7a〜9aとRFIDリーダ7b〜9bとで通信態様、すなわち通信周波数や偏波面等が互いに異なる場合には、ゲート3A〜3C毎に互いに通信態様が異なるRFIDリーダ7〜9を使い分けることにより、RFIDリーダ7〜9が同一の通信態様を使用するのを防止できる。これらにより、通信干渉の発生を確実に防止することができる。
【0069】
図8は、上述した管理サーバ11によって実行されるタグID管理処理手順を表すフローチャートである。
【0070】
図8において、まずステップS205において、RFIDリーダ7〜9により読み込んだ無線タグ回路部Toの情報をネットワーク13を介して受け取ったかどうかを判定する。無線タグ回路部Toの情報を受け取るまでループ待機し、無線タグ回路部Toの情報を受け取ったら判定が満たされ、ステップS210に移る。
【0071】
ステップS210では、受け取った無線タグ回路部Toの情報からタグIDを取得する。その後、ステップS215において、取得したタグIDが管理サーバ11のメモリに記憶されたタグリストに含まれていないかどうかを判定する。タグIDがタグリストに含まれていないと判定されたときは、ステップS220に移り、取得したタグIDをタグリストに追加する。タグIDがタグリストに含まれていると判定されたときは、ステップS225に移り、取得したタグIDを廃棄する。
【0072】
以上において、コントローラ10の1段目ゲート・リーダ個別制御部22によって実行される、図6に表すフローチャートのステップS110,S125が、各請求項記載の移動制御手段として機能する。また、管理サーバ11のコントローラ10を制御する機能と、コントローラ10の1段目ゲート・リーダ個別制御部22によって実行される図6に表すフローチャートのステップS105,S120とが、各請求項記載の通信制御手段として機能する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、ベルトコンベア2上を一方向に搬送される物品Pの無線タグTに対し、ゲート3A〜3Cに取り付けられたRFIDリーダ7〜9が無線通信を行う。このとき、ゲート3A〜3CのRFIDリーダ7〜9は、ベルトコンベア2上を一方向に搬送される物品Pに追従するようにベルトコンベア2に沿って一方向に移動する。そしてこのとき、搬送される物品Pと同等の速度でRFIDリーダ7〜9が移動するように制御される。これにより、物品Pに備えられた無線タグ回路部ToはRFIDリーダ7〜9の通信範囲内に長い時間存在するので、RFIDリーダ7〜9による無線タグ回路部Toの検出を確実に行うことができる。
【0074】
また、図7に一例を示して説明したように、特定の物品Pの無線タグ回路部Toに対し1つのRFIDリーダが追従して移動し通信を行っているうちに後続して別の物品Pが搬送されてきても、当該別の物品の無線タグ回路部Toに対しては別のRFIDリーダが独自に通信範囲を形成しつつ追従して移動し通信を行うことができる。これにより、1つのRFIDリーダを物品の搬送方向に沿って首を振らせて追従させる場合のように、後続する物品への追従が間に合わず無線タグ回路部Toの検出漏れが生じるのを防止することができる。
【0075】
また、ゲート3A〜3Cは、移動終点に達して特定の物品への追従が終了したら、順方向への移動速度の2倍の速度で逆方向へ移動し、元の移動始点へ戻る。これにより、ベルトコンベア2上を次々と物品Pが搬送されてきた場合でも、RFIDリーダ7〜9が確実に全ての物品Pへと追従し、無線タグ回路部Toの検出漏れがないようにすることができる。
【0076】
さらに、ゲート3A〜3Cの逆方向への移動時には、RFIDリーダ7〜9からの電波の放射が停止するので、RFIDリーダ7〜9の戻り移動中において、他のRFIDリーダとの通信干渉の発生を確実に防止することができる。
【0077】
なお、以上においては、装置アンテナとしてのアンテナ17a,17b,18a,18b,19a,19bが、対応するRFIDリーダ7a,7b,8a,8b,9a,9bにそれぞれ設けられていたが、これに限られない。アンテナ17a,17b,18a,18b,19a,19bを、RFIDリーダ7a,7b,8a,8b,9a,9bとは別体として、RFIDリーダ7a,7b,8a,8b,9a,9bに対し有線により接続してもよい。この場合、少なくともアンテナ17a,17b,18a,18b,19a,19bがアンテナゲート駆動ユニット4A,4B,4Cの駆動力によって、ゲート駆動ユニット4A,4B,4Cの駆動力によって移動すれば足り、RFIDリーダ7a,7b,8a,8b,9a,9bのそれ以外の部分は、固定されていてもよい(以下の変形例においても同様)。これらの場合も上記同様の効果を得る。また、同じゲートに付けられたアンテナ17a及びアンテナ17b、又はアンテナ18a及びアンテナ18b、あるいはアンテナ19a及びアンテナ19bは、1つのRFIDリーダに接続されていてもよい。この場合、アンテナ17a、17bは一定時間間隔で切替えて使用される。
【0078】
なお、本発明は、上記一実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0079】
(1)物品が搬送されたときにリーダ付きゲートを移動させる場合
上記実施形態では、ベルトコンベア2上を物品が搬送されたか否かにかかわらず、ゲート3A〜3Cを移動させるようにしたが、本発明はこれに限られない。すなわち、ベルトコンベア2上を物品が搬送されてきたときのみ、ゲート3A〜3Cを移動させるようにしてもよい。
【0080】
図9は、本変形例においてコントローラ10の連携制御部21によって実行される連携制御手順を表すフローチャートである。
【0081】
図9において、まずステップS305において、上記ステップS5と同様、管理者用端末12により物品検出開始の入力操作があるまでループ待機し、物品検出開始の入力操作があったら判定が満たされ、ステップS310に移る。
【0082】
ステップS310では、上記ステップS10と同様、全てのゲート3A〜3Cを退避位置から移動始点へと移動させるように制御し、ステップS315に移る。
【0083】
ステップS315では、光センサ等によりベルトコンベア2上を物品が搬送されてきたかどうかを判定する。物品が搬送されてくるまでループ待機し、物品が搬送されてきたら判定が満たされ、ステップS320に移る。
【0084】
ステップS320では、1段目ゲート3Aが停止中であるかどうかを判定する。1段目ゲート3Aが停止中であると判定されたときは、ステップS325に移る。ステップS325では、上記の1段目ゲート・リーダ個別制御部22に移動開始を指示することにより、1段目ゲート3Aの所定の移動パターンに従った移動を開始させ、ステップS350に移る。なお、このステップS325の詳細手順は、前述のステップS15と同様、前述の図6に示された内容である。
【0085】
ステップS320において1段目ゲート3Aが停止中でなく移動中であると判定されたときは、ステップS330に移り、2段目ゲート3Bが停止中であるかどうかを判定する。2段目ゲート3Bが停止中であると判定されたときは、ステップS335に移る。ステップS335では、上記の2段目ゲート・リーダ個別制御部23に移動開始を指示することにより、2段目ゲート3Bの所定の移動パターンに従った移動を開始させ、ステップS350に移る。なお、このステップS335の詳細手順は、前述のステップS25と同様、前述の図6に示された内容である。
【0086】
ステップS330において2段目ゲート3Bが停止中でなく移動中であると判定されたときは、ステップS340に移り、3段目ゲート3Cが停止中であるかどうかを判定する。3段目ゲート3Cが停止中であると判定されたときは、ステップS345に移る。ステップS345では、上記の3段目ゲート・リーダ個別制御部24に移動開始を指示することにより、3段目ゲート3Cの所定の移動パターンに従った移動を開始させ、ステップS350に移る。なお、このステップS345の詳細手順は、前述のステップS35と同様、前述の図6に示された内容である。3段目ゲートが停止中でなく移動中であると判定されたときは、そのままステップS350に移る。
【0087】
ステップS350では、管理者用端末12により物品検出終了の入力操作があったかどうかを判定する。物品検出終了の入力操作があったと判定されたときは、ステップS355に移り、全てのゲート3A〜3Cを退避位置に戻し、本フローを終了する。物品検出終了の入力操作がないと判定されたときは、ステップS315に戻り、ステップS315〜S345を繰り返し実行する。
【0088】
以上の処理において、ゲート3A〜3Cを順次移動させた後、所定時間経過しても物品が搬送されて来なくなったときは、強制的にゲート3A〜3Cを一時停止させるようにしても良い。
【0089】
以上のように本変形例においては、ベルトコンベア2上を物品が搬送されてきたときのみ、ゲート3A〜3Cを移動させるので、ベルトコンベア2上を物品が搬送されていないときにゲート3A〜3Cを無駄に移動させることを防止し、省電力化を図ることができる。
【0090】
(2)物品の搬送速度を取得してリーダ付きゲートを移動させる場合
上記実施形態及び変形例では、特に物品の搬送速度を取得していないが、本発明はこれに限られず、物品の搬送速度を取得し、ゲート3A〜3Cの移動速度を物品の搬送速度に合わせるようにしてもよい。
【0091】
図10は、本変形例における物品検出システムのシステム構成を表す図であり、上記図4に対応する図である。なお、上記実施形態の構成と同等の部分については同じ符号を付して適宜説明を省略する。
【0092】
図10において、コントローラ10は、連携制御部21、1段目ゲート・リーダ個別制御部22、2段目ゲート・リーダ個別制御部23及び3段目ゲート・リーダ個別制御部24に加え、搬送速度取得手段としてのゲート速度設定部25をさらに有している。ゲート速度設定部25は、管理サーバ11からベルトコンベア2の駆動速度すなわち物品の搬送速度を取得する。なお、この取得は、管理サーバ11がベルトコンベア2へ出力する指令信号に含まれる設定速度を取得してもよいし、別途ベルトコンベア2の速度を検出するセンサ等を設け、その検出結果を取得するようにしてもよい。そして、ゲート3A〜3Cの移動速度の、上記取得したベルトコンベア2の駆動速度に対する相対速度が、所定値例えば0又は0に近い所定範囲内になるように、当該ゲート3A〜3Cの移動速度を設定する。そして、ゲート速度設定部25は、その移動速度データを1段目ゲート・リーダ個別制御部22、2段目ゲート・リーダ個別制御部23、及び3段目ゲート・リーダ個別制御部24に送出することで、ゲート3A〜3Cを当該移動速度でベルトコンベア2の進行方向すなわち順方向に移動させるようにする。
【0093】
本変形例においては、ベルトコンベア2の駆動速度が変化した場合でも、搬送される物品に対するゲート3A〜3CすなわちRFIDリーダ7〜9の相対速度を確実に0又は0に近い値に維持することができる。この結果、RFIDリーダ7〜9による無線タグ回路部Toの検出を確実に行うことができる。
【0094】
(3)各ゲートに取り付けられたRFIDリーダの通信エリアを離す場合
すなわち、ベルトコンベア2上におけるRFIDリーダ7,8,9それぞれの通信範囲を、常に重ならないように設定してもよい。
【0095】
図11は、ゲート3A〜3Cが所定の間隔で配置されたときのRFIDリーダ7〜9の通信範囲を表す平面図である。
【0096】
図11において、上述したコントローラ10の連携制御部21は、ゲート3A〜3Cを所定の移動パターンに従って移動させる際に、ゲート3A〜3Cに取り付けられたRFIDリーダ7〜9の通信範囲すなわち読取範囲Q1,Q2,Q3が重ならないように、ゲート3A〜3Cの配置間隔を常時設定する。また、ゲート3A〜3Cが移動している最中に、ベルトコンベア2上における読取範囲の隙間部分が移動し、全ての物品Pについた無線タグ回路部Toを読み取れるようにする必要があるため、例えばゲート3A〜3Cは、次式が成り立つように制御される。
0<L≦|Vr(Lm/Va)|
L:隙間の長さ
Vr:リーダと物品との相対速度
Lm:リーダの移動始点から移動終点までの距離
Va:リーダの移動速度
【0097】
すなわち、本変形例では、RFIDリーダ7〜9の通信範囲Q1〜Q3間に、無線タグ回路部Toの情報を読み取ることができない隙間が設けられる。この結果、隣接する2つのゲートに取り付けられたRFIDリーダが互いに同一の通信態様(偏波面や周波数)で無線通信を行う場合でも、通信干渉の発生を確実に防止し、正常に無線タグ回路部Toの検出を行える効果がある。また、RFIDリーダ7〜9の移動速度と、リーダと物品との相対速度から隙間の長さを規定することで、ベルトコンベア2上の全ての物品を読み落とさないようにできる。
【0098】
(4)所定数の無線タグ回路部の検出が終了したときにリーダ付きゲートを逆方向に移動させる場合
上記実施形態では、ベルトコンベア2の進行方向(順方向)に移動するゲート3A〜3Cが予め決められた移動終点に達したときに、ゲート3A〜3Cを逆方向に移動させて移動始点に戻すようにしたが、本発明はこれに限られない。すなわち、所定の個数の物品に貼り付けられた無線タグTの無線タグ回路部Toの検出が終了したときに、ゲート3A〜3Cを逆方向に移動させて移動始点に戻すようにしてもよい。このように迅速に移動始点へ戻すことにより、確実に無線タグ回路部Toの検出漏れを防ぐことができる。
【0099】
あるいは、一定期間の間、無線タグ回路部Toを検出できなかった場合に、ゲート3A〜3Cを逆方向に移動させて移動始点に戻すようにしてもよい。この場合、物品Pが存在せずRFIDリーダ7〜9が無線タグ回路部Toを検出しない状態のままゲート3A〜3Cが一方向へ移動し続ける無駄を防止し、ゲート3A〜3Cを迅速に逆方向へ戻すことができる。これにより、さらに確実に無線タグ回路部Toの検出漏れがないようにすることができる。
【0100】
(5)その他
上記実施形態では、ゲート3A〜3CにRFIDリーダ7〜9をそれぞれ取り付け、ゲート3A〜3Cをゲート駆動ユニット4A〜4Cにより個別にベルトコンベア2に沿って移動させるようにしたが、RFIDリーダを移動させる構造としては、特に上記には限られない。
【0101】
図12は、RFIDリーダをベルトコンベア2に沿って移動させる構造の変形例を表す平面図である。図12において、ベルトコンベア2の一側には、モータ(図示せず)により回転移動する無端ベルト80が設置されている。この無端ベルト80の外面には、複数のRFIDリーダ81が等間隔で固定されている。図13は、RFIDリーダをベルトコンベア2に沿って移動させる構造の他の変形例を表す側面図である。図13において、ベルトコンベア2の上方には、モータ(図示せず)により回転する回転体85が設置されている。この回転体85の外周面には、複数のRFIDリーダ86が等間隔で放射状に固定されている。
【0102】
上記図12や図13に示す構成によっても、上記実施形態とほぼ同様の効果を得る。すなわち、通信時間を長く確保してRFIDリーダ81,86による無線タグ回路部Toの検出を確実に行い、また複数の物品Pが続々と搬送されてくる場合も無線タグ回路部Toの検出漏れを防止することができる。
【0103】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0104】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0105】
1 物品検出システム
2 ベルトコンベア(搬送経路)
3A〜3C ゲート(移動装置)
4A〜4C ゲート駆動ユニット(移動装置)
7a,7b RFIDリーダ(無線タグ読み取り装置)
8a,8b RFIDリーダ(無線タグ読み取り装置)
9a,9b RFIDリーダ(無線タグ読み取り装置)
10 コントローラ
11 管理サーバ
17a〜19a アンテナ(第1アンテナ部)
17b〜19b アンテナ(第2アンテナ部)
21 連携制御部
22 1段目ゲート・リーダ個別制御部
23 2段目ゲート・リーダ個別制御部
24 3段目ゲート・リーダ個別制御部
25 ゲート速度設定部
150 IC回路部
151 タグアンテナ
155 メモリ部(記憶部)
P 物品
T 無線タグ
To 無線タグ回路部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の搬送経路上を一方向に搬送される物品に設けられ、情報を記憶する記憶部を備えたIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備えた、少なくとも1個の無線タグ回路部に対し無線通信を行う装置アンテナを備え、前記無線通信により前記無線タグ回路部を検出する複数の無線タグ読み取り装置と、
前記複数の無線タグ読み取り装置のうち少なくとも前記装置アンテナを、前記搬送経路に沿ってそれぞれ前記一方向に移動可能な移動装置と、
前記物品の搬送速度に対する前記装置アンテナの相対移動速度が所定の値に近づくように、前記移動装置を制御する移動制御手段と、
複数の前記装置アンテナそれぞれの通信範囲が同一位置とならないようにすると共に、前記移動装置により前記複数の装置アンテナが前記搬送経路に沿って前記一方向に移動するときに前記無線通信のための電波を放射するように、前記複数の装置アンテナを制御する通信制御手段と
を有することを特徴とする物品検出システム。
【請求項2】
前記通信制御手段は、
前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナが互いに通信干渉しないような異なる通信態様を用いるように、前記複数の装置アンテナを制御する
ことを特徴とする請求項1記載の物品検出システム。
【請求項3】
前記通信制御手段は、
前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナの通信範囲が互いに重ならないように、前記複数の装置アンテナを制御する
ことを特徴とする請求項1記載の物品検出システム。
【請求項4】
前記搬送経路上を搬送される前記物品の搬送速度を取得する搬送速度取得手段をさらに備え、
前記移動制御手段は、
前記搬送速度取得手段に取得された前記物品の前記搬速速度に対する、前記装置アンテナの相対移動速度が所定の値に近づくように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の物品検出システム。
【請求項5】
前記複数の装置アンテナは、
前記搬送経路に沿って、前記一方向と当該一方向に対する逆方向とに、進退可能に設けられており、
前記通信制御手段は、
前記移動装置により前記装置アンテナが前記搬送経路に沿って前記逆方向に移動するときに前記電波の放射を停止するように、前記複数の装置アンテナを制御し、
前記移動制御手段は、
前記複数の装置アンテナのそれぞれが、互いに別個に前記搬送経路に沿って進退可能となるように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の物品検出システム。
【請求項6】
前記移動制御手段は、
前記装置アンテナの前記逆方向への移動速度が、前記装置アンテナの前記一方向への移動速度よりも速くなるように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項5記載の物品検出システム。
【請求項7】
前記移動制御手段は、
前記一方向へと移動する前記装置アンテナが所定の位置に達した場合、若しくは、前記装置アンテナの通信対象である前記少なくとも1個の前記無線タグ回路部のうち所定の個数の当該無線タグ回路部の検出が終了した場合、当該装置アンテナの前記一方向への移動を終了して前記逆方向へ移動するように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の物品検出システム。
【請求項8】
前記移動制御手段は、
前記装置アンテナが一定期間の間、通信対象である前記無線タグ回路部を新たに検出しなかった場合、当該装置アンテナの前記一方向への移動を終了して前記逆方向へ移動するように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項5乃至請求項7記載の物品検出システム。
【請求項9】
前記複数の無線タグ読み取り装置の前記装置アンテナは、
前記搬送経路の上方に位置する第1アンテナ部と、前記搬送経路の側方に位置する第2アンテナ部とを含み、
前記通信制御手段は、
前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナのうち一方が前記第1アンテナ部を用いて通信を行い他方が前記第2アンテナ部を用いて通信を行うように、前記複数の装置アンテナを制御する
ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項記載の物品検出システム。
【請求項1】
所定の搬送経路上を一方向に搬送される物品に設けられ、情報を記憶する記憶部を備えたIC回路部と情報を送受信するタグアンテナとを備えた、少なくとも1個の無線タグ回路部に対し無線通信を行う装置アンテナを備え、前記無線通信により前記無線タグ回路部を検出する複数の無線タグ読み取り装置と、
前記複数の無線タグ読み取り装置のうち少なくとも前記装置アンテナを、前記搬送経路に沿ってそれぞれ前記一方向に移動可能な移動装置と、
前記物品の搬送速度に対する前記装置アンテナの相対移動速度が所定の値に近づくように、前記移動装置を制御する移動制御手段と、
複数の前記装置アンテナそれぞれの通信範囲が同一位置とならないようにすると共に、前記移動装置により前記複数の装置アンテナが前記搬送経路に沿って前記一方向に移動するときに前記無線通信のための電波を放射するように、前記複数の装置アンテナを制御する通信制御手段と
を有することを特徴とする物品検出システム。
【請求項2】
前記通信制御手段は、
前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナが互いに通信干渉しないような異なる通信態様を用いるように、前記複数の装置アンテナを制御する
ことを特徴とする請求項1記載の物品検出システム。
【請求項3】
前記通信制御手段は、
前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナの通信範囲が互いに重ならないように、前記複数の装置アンテナを制御する
ことを特徴とする請求項1記載の物品検出システム。
【請求項4】
前記搬送経路上を搬送される前記物品の搬送速度を取得する搬送速度取得手段をさらに備え、
前記移動制御手段は、
前記搬送速度取得手段に取得された前記物品の前記搬速速度に対する、前記装置アンテナの相対移動速度が所定の値に近づくように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の物品検出システム。
【請求項5】
前記複数の装置アンテナは、
前記搬送経路に沿って、前記一方向と当該一方向に対する逆方向とに、進退可能に設けられており、
前記通信制御手段は、
前記移動装置により前記装置アンテナが前記搬送経路に沿って前記逆方向に移動するときに前記電波の放射を停止するように、前記複数の装置アンテナを制御し、
前記移動制御手段は、
前記複数の装置アンテナのそれぞれが、互いに別個に前記搬送経路に沿って進退可能となるように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の物品検出システム。
【請求項6】
前記移動制御手段は、
前記装置アンテナの前記逆方向への移動速度が、前記装置アンテナの前記一方向への移動速度よりも速くなるように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項5記載の物品検出システム。
【請求項7】
前記移動制御手段は、
前記一方向へと移動する前記装置アンテナが所定の位置に達した場合、若しくは、前記装置アンテナの通信対象である前記少なくとも1個の前記無線タグ回路部のうち所定の個数の当該無線タグ回路部の検出が終了した場合、当該装置アンテナの前記一方向への移動を終了して前記逆方向へ移動するように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の物品検出システム。
【請求項8】
前記移動制御手段は、
前記装置アンテナが一定期間の間、通信対象である前記無線タグ回路部を新たに検出しなかった場合、当該装置アンテナの前記一方向への移動を終了して前記逆方向へ移動するように、前記移動装置を制御する
ことを特徴とする請求項5乃至請求項7記載の物品検出システム。
【請求項9】
前記複数の無線タグ読み取り装置の前記装置アンテナは、
前記搬送経路の上方に位置する第1アンテナ部と、前記搬送経路の側方に位置する第2アンテナ部とを含み、
前記通信制御手段は、
前記搬送経路に沿って移動しつつ前記無線通信を行う際、隣接する2つの前記装置アンテナのうち一方が前記第1アンテナ部を用いて通信を行い他方が前記第2アンテナ部を用いて通信を行うように、前記複数の装置アンテナを制御する
ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項記載の物品検出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−70614(P2011−70614A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223537(P2009−223537)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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