説明

物品検査装置

【課題】表示部に物品の振分け方向ごとの検査結果の判定回数の回数積算値を振分け方向と並べて表示する物品検査装置を提供すること。
【解決手段】搬送方向に搬送されている物品を検査し、その検査結果に応じて物品を所定の振分け方向に振り分ける物品検査装置において、物品を複数の検査項目について検査して検査項目ごとに良否判定を出力する複数の検査手段を有する検査部と、物品ごとに複数の良否判定に基づいて検査結果を判定するとともに、検査結果のうち少なくとも不良品を表す検査結果と振分け方向とを対応させて予め設定された振分け方向情報に基づいて検査結果に対応する所定の振分け方向を決定し、物品を振り分ける振分け信号を出力する判定部と、判定部により決定された振分け方向ごとの回数積算値Cを振分け方向と並べて表示する表示部5とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送方向に搬送されている物品を複数の検査項目について検査し、その検査結果に応じてこの物品を所定の振分け方向に振り分ける物品検査装置に係り、検査部から出力された検査項目ごとの良否判定から判定部により決定された振分け方向ごとの振り分けられた回数を表示する表示部を備える物品検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の搬送経路に沿って、X線検査部、計量検査部などが配置され、これらの検査部をもって、物品の形状や個数、包装状態、異物混入の有無、金属混入の有無、重量などの複数の検査項目について物品を検査する物品検査装置がある。このような物品検査装置は、検査部の後段に振分け手段を備えた選別部を備えており、検査部からの検査結果に応じて物品を所定の振分け方向に振り分ける装置である。また、複数の検査項目における良否判定には、物品を振り分けるために優先順位が設定されている。すなわち、検査部にて複数の検査項目について検査された物品は、最も優先順位が高い良否判定をこの物品の検査結果として、この検査結果に応じた振分け方向に振り分けられることになる。なお、物品の検査結果の判定、検査結果に応じた振分け方向の判定は、この物品検査装置が備える判定部にて行う。
【0003】
例えば、検査項目として、金属検出、異物検出、重量測定を有する物品検査装置の例によれば、図9に示すような検査結果を得ることができる。この例では、金属検出による良否判定がNGのもの(金属NG)が最も優先順位が高い良否判定であり、次に異物検出による良否判定がNGのもの(異物NG)、次に重量測定による良否判定がNGのもの(軽量NG、過量NG)となる。これらのNGを複数含む物品は、優先順位が高いNGが優先されてこの物品の検査結果となる。なお、上述した検査結果はいずれも不良品となるが、これらの検査部による良否判定がいずれもOKであるときには良品となり、これが物品の検査結果となる。
【0004】
上述した物品検査装置は、物品の検査結果に応じて振分け方向が設定されている。それぞれの振分け方向には、各振分け方向に割り当てられたNGに該当する物品を収容するためのNGボックスが設置されており、NGの種類ごとに物品を不良品としてNGボックス内に排出して選別するとともに、OKの物品を良品として更に後段の装置へと搬送して選別する。
【0005】
また、上述した物品検査装置などは、物品の選別状況を確認するために表示部を備えている。図10に示すように、表示部100は、例えばその表示画面101に検査部にて検査された物品の合計、良品、不良品(軽量NG、過量NG、異物NG、金属NG)などのカウント値などを表示する。
【0006】
なお、上述した物品検査装置に類するものとして、下記特許文献1に開示される選別装置がある。この選別装置は、被測定物の移送経路に沿って配置され、所定の選別基準に従って被測定物の選別を行うための複数の検査装置と、検査装置から移送されてくる被測定物を、検査装置の選別結果に基づいて振り分ける振分け装置とからなる。なお、この選別装置では、各選別基準についての振分け方向及び優先順位を任意に変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−39011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来は、図10に示すように、検査部による複数の検査項目における良否判定をすべて表示部100にて表示することが一般的であった。したがって、NGを複数含む物品はすべてのNGがカウントされることになり、検査された物品の合計に対して良品を差し引いた各種NGの合計が一致しておらず、ユーザにわかりにくい表示となっていた。また、図10に示すような表示内容からはそれぞれの振分け方向に設置されたNGボックス内にどれだけの物品が排出されたかがわからず、これもユーザにとっては不便であった。
【0009】
そこで本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、表示部にて振分け方向ごとの検査結果の判定回数の回数積算値を振分け方向と並べて表示して、表示部を見れば、ユーザが振分け方向ごとの物品の数量などを的確に把握することができる物品検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明による請求項1記載の物品検査装置は、搬送方向Yに搬送されている物品Wを検査し、その検査結果Jに応じて該物品Wを所定の振分け方向D0,D1,D2に振り分ける物品検査装置1において、
前記物品Wを複数の検査項目について検査して該検査項目ごとに良否判定Kを出力する複数の検査手段を有する検査部2(2a,2b)と、
前記物品Wごとに前記複数の良否判定Kに基づいて前記検査結果Jを判定するとともに、前記検査結果Jのうち少なくとも不良品を表す検査結果と前記振分け方向D0,D1,D2とを対応させて予め設定された振分け方向情報に基づいて該検査結果に対応する前記所定の振分け方向を決定し、該物品Wを振り分ける振分け信号を出力する判定部3と、
前記判定部により決定された振分け方向ごとの回数積算値Cを前記振分け方向D0,D1,D2と並べて表示する表示部5と、
を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の物品検査装置は、前記振分け方向情報は、前記不良品を表す検査結果に前記検査項目の種類の数よりも少ない数の種類の振分け方向が対応付けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の物品検査装置は、前記表示部5は、前記回数積算値Cを表示する前記振分け方向D0,D1,D2を切り替える操作部7を備えることを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の物品検査装置は、前記表示部5は、前記検査項目について判定された各良否判定Kの判定回数を表示することを特徴としている。
【0014】
請求項5記載の物品検査装置は、前記表示部5は、前記振分け方向D0,D1,D2に対応する前記検査項目の各良否判定Kの判定回数を表示することを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の物品検査装置は、前記表示部5は、前記検査項目に対応する良否判定Kの判定回数から、該検査項目に対応する前記不良品を表す検査結果の判定回数JCを減算した減算値を表示することを特徴としている。
【0016】
請求項7記載の物品検査装置は、前記表示部5は、前記物品Wが前記各振分け方向D0,D1,D2に振り分けられる振分けタイミングTD0,TD1,TD2に基づいて、該振分け方向D0,D1,D2に対応する前記回数積算値Cを更新することを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明による請求項1記載の物品検査装置によれば、表示部を見れば、ユーザは振分け方向ごとの物品の数量などを的確に把握することができる。具体的には、例えば、振分け方向ごとに不良品などを収容するためのNGボックスが設置されている場合など、このNGボックス内の物品の数量などを把握することができる。
【0018】
請求項2記載の物品検査装置によれば、多種の良否判定が出力される場合であっても、不良品の振分け方向を少なくして振分けスペースを削減することができ、また、一つの振分け方向に複数の検査結果を対応させても、その振分け方向における検査結果ごとの物品の数量などを把握することができる。
【0019】
請求項3記載の物品検査装置によれば、表示部は、操作部の操作によってその画面を切り替えるなどして、所望の振分け方向だけを表示することができる。
【0020】
請求項4記載の物品検査装置によれば、表示部は、物品の検査結果に関係なく、この物品の複数の検査項目における良否判定の判定回数を表示することができる。
【0021】
請求項5記載の物品検査装置によれば、表示部は、振り分けられた物品にその振分け方向を決定付けた複数の検査項目の各良否判定の内訳を表示することができる。
【0022】
請求項6記載の物品検査装置によれば、表示部は、振分け方向ごとに優先されなかった検査項目の良否判定が何回あったかを表示することができる。
【0023】
請求項7記載の物品検査装置によれば、表示部は、実際に物品が振り分けられるタイミングにあわせて、振分け方向ごとの回数積算値(振り分けられた回数)を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による物品検査装置の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】同実施の形態の要部を示す機能ブロック図である。
【図3】同実施の形態の表示部の表示タイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】(a)同表示部の表示画面の他の例を示す図である。 (b)(a)の別例を示す図である。
【図5】(a)同表示部の表示画面の他の例を示す図である。 (b)(a)の別例を示す図である。
【図6】(a)同表示部の表示画面の他の例を示す図である。 (b)(a)の別例を示す図である。
【図7】(a)同表示部の表示画面の他の例を示す図である。 (b)(a)の別例を示す図である。
【図8】本発明による物品検査装置の他の構成例における表示部の表示タイミングを示すタイミングチャートである。
【図9】複数の検査項目における検査結果の一例を示す図である。
【図10】従来の表示部(表示画面)の表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1に示すように、この実施の形態の物品検査装置1は、搬送経路を搬送されている物品Wを検査部2にて検査し、検査部2による検査結果に応じて選別部8にて物品Wを所定の振分け方向Dに振り分ける装置である。
【0026】
図1,2に示すように、物品検査装置1は、物品Wを複数の検査項目について検査し、検査項目ごとに良否判定を出力する検査部2と、検査部2から出力される複数の良否判定に基づいて検査結果を判定する判定部3と、判定部3により判定された検査結果や物品検査装置1の動作情報を表示する表示部5とを備えている。
【0027】
検査部2は、前段から搬入される物品Wを所定の搬送方向Yに搬送する搬送コンベア4を備えている。また、検査部2は、搬送コンベア4により搬送されている物品Wの通過による磁界の変動を検出して物品W中の金属の有無を検査する金属検査、同様に搬送コンベア4により搬送されている物品Wに対してX線を照射して得られたX線透過画像に基づいて物品Wの形状や個数、包装状態、異物の有無などの検査項目について、予め設定された検査条件に従って良否を判定するX線検査、同様に搬送コンベア4により搬送されている物品Wの重量を計量して得られた計量値に基づいて物品Wの重量などの良否を判定する計量検査などを行う。
【0028】
すなわち、検査部2は、一つの物品Wに対して複数の検査項目について良否を判定する複数の検査手段を有することになる。この例の検査部2は、金属検査手段2a、形状検査手段2b、計量検査手段2cを有し、金属検査手段2aは、磁界を発生させた検査空間で物品Wの通過による磁界の変動を検出して金属混入の有無を検査する。形状検査手段2bは、物品WのX線透過画像を画素濃度に基づいて二値化した物品画像を抽出することにより、割れや欠けなどの物品Wの形状の良否を検査する。計量検査手段2cは、計量センサ(秤)からの出力を順次取り込んで生成した物品Wの計量波形に公知のローパスフィルタを適用して重畳するノイズ成分を除去して計量値を算出することにより、物品Wの重量の良否を検査する。
【0029】
なお、検査部2は、上述した検査手段2a,2b,2cの他に、X線透過画像の濃淡を強調して異物の有無を検査する異物検査手段、X線透過画像を画素濃度に基づいて二値化した物品画像から袋や箱に包装された物品Wの個数が所定個数か否かなどの個数の良否を検査する個数検査手段、包装体の封止部分に物品Wが漏れ出して噛み込んでいないかなどの包装状態の良否を検査する包装検査手段、物品Wの搬送状態を検査する搬送検査手段などを有するとしてもよい。
【0030】
また、検査部2は、図示しないパラメータ記憶部に記憶された検査パラメータに基づいて、この検査部2に順次搬入される物品Wについて各種の検査を実行する。
【0031】
表示部5には、その表示画面6の他、各種パラメータを入力設定する操作パネルなどからなる操作部7が設けられており、ユーザによる各種入力操作を可能にしている。
【0032】
さらに、物品検査装置1は選別部8を備えている。選別部8は、検査部2から搬送されてきた物品Wを搬送方向Yに搬送する搬送コンベア9と、物品Wを搬送方向Yと異なる方向に振り分けて搬送経路外に排出するためのアーム式の振分け手段10とからなる。また、振分け手段10の振分け動作による振分け先に設定された振分け方向D1,D2には、物品Wが排出される第一、第二の収容ボックス(NGボックス)11(11a,11b)が設置されている。
【0033】
ここから、図3などを参照して検査部2の動作を説明する。
図3に示すように、検査部2に物品Wが搬入されると、搬送コンベア4の搬入側に設けられている搬入検知手段としての投受光センサ12,12から出力される搬入検知信号を受けるごとに順次タイマを起動する。タイマが、第一の検査実施タイミング、すなわち、金属検査手段2aの検査開始タイミングT1に達すると第一の検査開始信号を生成し、第二の検査実施タイミング、すなわち、形状検査手段2bの検査開始タイミングT2に達すると第二の検査開始信号を生成し、第三の検査実施タイミング、すなわち、計量検査手段2cの検査開始タイミングT3に達すると第三の検査開始信号を生成する。なお、物品Wが搬入される搬入時間ピッチが各検査開始タイミングT1,T2,T3より短い場合であっても、順次搬入される物品Wに対応する搬入検知信号ごとにそれぞれ異なるタイマが起動するようになっており、各検査手段2a,2b,2cに対応する各検査開始信号を生成するまでリセットされないようになっている。
【0034】
各検査手段2a,2b,2cは、搬入された物品Wごとに、それぞれの検査結果を良否判定として出力する。このとき、例えば、搬入される物品Wごとに「金属NG」、「形状NG」、「重量NG」というように、検査部2から出力された各検査手段2a,2b,2cの各良否判定は、判定部3に入力される。
【0035】
なお、計量検査手段2cは、物品Wの計量値に基づいて、予め設定された良品範囲内であるか、良品範囲外の不良許容範囲であるかを検査し、物品Wの計量値が良品範囲内のときには「重量OK」とし、良品範囲外のときには「重量NG」とするが、「重量NG」の場合に、軽量側の不良許容範囲であれば「軽量NG」とし、過量側の不良許容範囲であれば「過量NG」として軽量か過量かを識別可能にしてもよい。この例の検査部2(計量検査手段2c)ではこの検査を実施している。また、良品範囲を更に細分化して実質的に重量ランクを判定可能としてもよい。この場合、「重量ランク1OK」、「重量ランク2NG」・・などのように判定する。
【0036】
この例の検査部2では、X線検査となる金属検査手段2aと形状検査手段2bは計量検査手段2cよりも搬送方向Yの上流側に設けられており、X線画像処理に要する時間が長くなった場合でも、計量検査手段2cから良否判定が出力されるまでの時間差を利用して検査能力が低下しないようになっている。
【0037】
判定部3は、各検査手段2a,2b,2cから出力された各良否判定を、良否判定バッファを有する図示しない記憶手段に順次蓄積する。そして、図3に示すように、一つの物品Wに対してすべての検査項目についての良否判定が出揃ったタイミングで順次検査結果を出力する。
【0038】
また、判定部3には、各検査項目に対応する良否判定について優先順位が設定されている。すなわち、一つの物品Wについて複数の検査項目の良否判定で「NG」の判定がなされたときに、最終的な検査結果としてどの検査項目の不良をその物品Wの不良理由と決定するかの順位が設定されている。具体的には、ある物品Wについて「金属NG」と「重量NG」の両方が判定されたときには、より危害として重度である「金属NG」が優先処理されるように初期値として予め設定されていることが好ましい。
【0039】
なお、重量に関する検査項目については、例えば「軽量NG」(軽量不良)と「過量NG」(過量不良)は、一つの物品Wについて同時に判定されることが通常ないものである。このように、互いに排他的な良否判定については、重量不良として同一の優先順位として優先処理されてもよいし、「軽量検査」(「軽量OK」、「軽量NG」)及び「過量検査」(「過量OK」、「過量NG」)のように、それぞれ異なる検査項目として他の検査項目との優先関係を順位付けしてもよい。
【0040】
また、重量検査の良品範囲を更に細分化して、重量ランクを判定するようにすることもできる。すなわち、計量値がどの重量ランクに属するかについて、重量ランクの検査を実施する。このとき、例えば、「重量ランク1OK」と「重量ランク2NG」が共に判定されるが、これは「重量ランク2」ではなく「重量ランク1」に適合するものとなるだけで不良品とはならないから、「重量OK(重量ランク1)」などと処理される。
【0041】
このようにして、判定部3では、すべての検査項目における各良否判定について優先順位が設定されている。なお、言うまでもないが、一つの物品Wについて、すべての検査項目の良否判定が「OK」の判定がなされた場合にはその物品Wに対する検査結果が「OK」(良品)となる。
【0042】
そして、判定部3には、各良否判定を優先処理して決定された検査結果ごとに、後段の振分け手段10による振分け方向D(D0,D1,D2)が設定された振分け方向情報が記憶されている。図1,3に示す例では、それぞれの検査結果について、例えば、「OK」が振分け方向D0、「重量NG(「軽量NG」、「過量NG」)」が振分け方向D1、「形状NG」と「金属NG」が振分け方向D2に振り分けられるように設定されている。なお、不良品の振分け方向D1,D2は、ユーザが適宜設定することができる。
【0043】
このように、判定部3は、各物品Wについて判定された検査結果と、この検査結果に応じて物品Wをどの振分け方向D0,D1,D2に振り分けるかを設定した振分け方向情報とに基づいて、検査結果に対応する振分け方向を決定し、物品Wを振り分けるための振分け信号を出力する。また、振分け方向情報は、「OK」、「金属NG」、「形状NG」、「重量NG」などの検査結果の種類よりも少ない振分け方向が対応付けられている。さらに言うと、振分け方向情報は、検査結果のうち不良品を表す検査結果、すなわち、「金属NG」、「形状NG」、「重量NG(「軽量NG」、「過量NG」)」などの検査結果の種類よりも少ない振分け方向(不良品が振り分けられる振分け方向D1,D2)が対応付けられている。
【0044】
ここから、図4〜7を参照して表示部5の各表示画面6a〜6hの表示例について説明する。
表示部5は、判定部3にて判定された検査結果Jと振分け方向情報に基づいて、各振分け方向D0,D1,D2に対応させてカウントされた回数積算値Cを振分け方向D0,D1,D2と並べて表示する。なお、図4〜7において、振分け方向D0は表示項目「良品」に対応し、振分け方向D1,D2はそれぞれ表示項目「第一のNGボックス」、「第二のNGボックス」に対応している。したがって、表示部5は、物品Wの振分け方向D0,D1,D2ごとの回数積算値Cを「良品」、「第一のNGボックス」、「第二のNGボックス」に対応させて表示する。また、以下で説明する表示例は、例えば表示画面6に設けられたタッチパネルなどの上述した操作パネル7からの操作によって、各表示画面6a〜6hに切り替えて表示することができる。
【0045】
まず、第一の表示例(図4(a)に示す表示画面6aの例)について説明する。判定部3は、検査項目ごとの良否判定Kの優先順位に基づいて検査結果Jとなる一つの良否判定を判定する。この判定をJn(nは0以上の整数)と定義する。この例の場合、J1,J2,J3,J4が「軽量NG」、「過量NG」、「形状NG」、「金属NG」に対応し、このときの優先順位は、J4>J3>J2>J1となる。また、検査項目ごとの良否判定Kがすべて「OK」のときの判定をJ0とし、前記優先順位には関連付けないようにしている。表示部5は、これらの判定の中から判定部3にて最終的に判定されたJnに従って統計処理を行い、検査結果Jが不良であるとき(不良品を表す検査結果)の判定回数JCを表示する。
【0046】
判定部3は、上述したように、物品Wの不良品を表す検査結果と振分け方向情報に基づいて物品Wの振分け方向Dを判定する。この判定をDm(mは0以上の整数)と定義する。この場合は、振分け方向D0,D1,D2となる。なお、上述した判定Jnと振分け方向Dmはパラメータによって関連付けられており、判定部3にて設定されている。
【0047】
そして、表示部5は、表示画面6aに図4(a)に示すような表示内容を表示する。この表示画面6aでは、振分け方向D0,D1,D2が表示項目「良品」、「第一のNGボックス」、「第二のNGボックス」に対応し、検査結果J1,J2,J3,J4がこの画面6aの右側に表示された表示項目「軽量NG」、「過量NG」、「形状NG」、「金属NG」に対応している。なお、検査結果J0は表示項目「良品」に対応している。また、表示項目「良品」、「第一のNGボックス」、「第二のNGボックス」の右横には、これらに対応する振分け方向D0,D1,D2ごとの回数積算値Cを表示する。さらに、表示項目「軽量NG」、「過量NG」、「形状NG」、「金属NG」の右横には、これらの検査項目について判定された各良否判定Kの「NG」のすべての判定回数を表示する。
【0048】
また、この表示例の別例を図4(b)に示している。この表示画面6bでは、画面6bの右側に表示された表示項目「軽量NG」、「過量NG」、「形状NG」、「金属NG」の各良否判定Kの「NG」のすべての判定回数の左横に検査結果Jが不良であるときの判定回数JCを追加して表示する。
【0049】
次に、第二の表示例(図5(a)、図6(a)に示す表示画面6c,6eの例)について説明する。表示画面6は、表示部5に設けられた操作パネル7を操作することにより、例えば図4に示す表示から図5(a)に示すような表示に切り替わる。この表示例では、振分け方向D1,D2に対応する検査結果Jが不良であるときの判定回数JCを表示する。図5(a)に示すように、振分け方向D1となった、すなわち、「第一のNGボックス」となった物品Wの数量(振分け方向D1の回数積算値C)と、振分け方向D1における検査項目ごとの検査結果Jが不良であるときの判定回数JCとをそれぞれ表示する。なお、この表示からは、検査結果Jの判定が、「軽量NG」が1個、「過量NG」が2個の内訳で物品Wが不良品として第一のNGボックス11a内に3個排出されていることがわかる。
【0050】
また、表示部5に設けられた操作パネル7からの操作により、表示画面6は、例えば図5(a)に示す表示から図6(a)に示すような表示に切り替わる。この表示例では、図6(a)に示すように、振分け方向D2となった、すなわち、「第二のNGボックス」となった物品Wの数量(振分け方向D2の回数積算値C)と、振分け方向D2における検査項目ごとの検査結果Jが不良であるときの判定回数JCとをそれぞれ表示する。なお、この表示からは、検査結果Jの判定が、「形状NG」が4個、「金属NG」が6個の内訳で物品Wが不良品として第二のNGボックス11b内に10個排出されていることがわかる。また、図5(a)、図6(a)に示すような表示例からは、第一のNGボックス11a内に排出された物品Wがどの検査結果Jで排出されたものか、又は、第二のNGボックス11b内に排出された物品Wがどの検査結果Jで排出されたものかが一目でわかるようになる。
【0051】
なお、図5(a)、図6(a)に示す表示例では、「第一のNGボックス」のときはこれに対応する検査結果J、つまり、判定J1,J2の判定回数JCだけを表示し、「第二のNGボックス」のときはこれに対応する検査結果J、つまり、判定J3,J4の判定回数JCだけを表示するようにしたが、この表示例のそれぞれに、すべての判定回数JCを表示するようにしてもよい。
【0052】
また、図5(b)、図6(b)には、図5(a)、図6(a)の表示例の別例をそれぞれ示している。図5(b)、図(b)に示す表示例(表示画面6d,6f)では、各振分け方向D1,D2における検査結果Jが不良であるときの判定回数JCに加えて、検査項目ごとの各良否判定Kの「NG」のすべての判定回数を表示する。
【0053】
次に、第三の表示例(図7(a)に示す表示画面6gの例)について説明する。この表示例を実現するために表示部5は、検査項目に対応する良否判定Kの「NG」の判定回数から、この検査項目に対応する検査結果Jが不良であるときの判定回数JCを減算した減算値を表示する。ここでは、判定部3にて判定された検査結果Jによって他の検査結果Jとなった各検査手段による良否判定Kの「NG」判定をKp(p=n−1)と定義する。この例の場合、判定K1,K2,K3が「軽量NG」、「過量NG」、「形状NG」に対応し、優先順位が最も高い「金属NG」は除外される。なお、図7(a)に示す表示例は、表示部5の操作パネル7からの操作により、例えば図6(b)に示す表示から切り替わる。
【0054】
この表示例では、図7(a)に示すように、振分け方向Dが「第二のNGボックス」となった物品Wの数量(振分け方向D2の回数積算値C)と、振分け方向D2に対応する検査結果Jの判定にならなかった「NG」、すなわち、判別部3にて判定された検査結果Jによって他の検査結果Jとなった良否判定K1,K2,K3の判定回数とをそれぞれ表示する。この表示からは、第二のNGボックス11b内に排出された10個の物品Wの中には他の優先順位の高い「NG」があるためにその優先結果とならなかった(優先されなかった)「NG」として、「軽量NG」が4固、「過量NG」が6個、「形状NG」が3個あることがわかり、最終的な検査結果Jによって無視された複数の検査項目における各良否判定Kの「NG」の判定回数を表示することができる。同様にして、操作パネル7を操作することにより、回数積算値Cを表示する振分け方向をD2からD1へと切り替えて、第一のNGボックス11a内に排出された物品Wの中に他の高い優先順位の「NG」により優先されなかった検査項目の良否判定Kの「NG」がそれぞれ何回あったかを表示することができる。
【0055】
また、図7(b)には、図7(a)の表示例の別例を示している。この表示例(表示画面6h)では、検査項目の良否判定Kの「NG」のうち、優先されなかった「NG」判定に加えて、検査項目についてのすべての良否判定の「NG」の判定回数を表示する。
【0056】
ここで、表示部5における振分け方向D0,D1,D2ごとの回数積算値C(振り分けられた回数)のカウントタイミングについて説明する。
図3に示すように、表示部5に表示される振分け方向D0,D1,D2ごとの回数積算値Cは、判定部3が検査結果Jを出力した後、実際に物品Wが振り分けられる振分けタイミングTDに基づいて回数積算値Cがカウントアップされて、表示部5にて回数積算値Cを更新するようになっている。これにより、例えば、振分け方向D1に振り分けられる物品Wが、振分け手段10まで搬送されている間は対応する回数積算値Cがカウントアップされず、振分け手段10に到達して振分け動作が開始された時点で回数積算値Cがカウントアップされ、常に、振分け方向D1に振り分けられた物品Wの数と、対応する回数積算値Cとが一致するようになる。
【0057】
したがって、物品検査装置1に異常が発生した場合や、他の何らかの理由で振分け手段10を含む検査ラインの搬送コンベア4,9を停止させた場合でも、表示部5に表示されている振分け方向D1,D2ごとの回数積算値Cと、実際に振分け方向D1,D2に振り分けられた物品Wの数とが一致するようになる。特に、各振分け方向D1,D2に振り分けられた物品Wを複数のNGボックス11に収容して管理する場合に、実際に振り分けられた物品Wの数と検査結果Jが不良であるときの判定回数JCとを照合する際に都合がよいものとなる。
【0058】
また、ここで、上述した振分けタイミングTDについて説明する。
図示しない制御部は、判定部3から出力された振分け信号を受けて、対応する振分け手段10を動作させる振分け制御手段を備えている。
【0059】
振分け制御手段には、振分け手段10を動作させる振分けタイミングTD(TD1,TD2)が設定されている。図3に示すように、この振分けタイミングTD1,TD2は、振分け信号が出力されてから、振分け対象の物品Wが振分け位置に搬送されるまでの搬送時間に基づいて設定されている。なお、図3では、三つの物品W(W1,W2,W3)がそれぞれ所定の振分け方向D(D0,D1,D2のいずれか)に振り分けられた例を示している。
【0060】
これにより、例えば、三つの物品W1,W2,W3のうち、最初と次の物品W1,W2が最も下流側の振分け方向D0に振り分けられ、物品W2の次の物品W3が上流側の振分け方向D1,D2のいずれかに振り分けられる場合には、物品W3より先に検査された物品W2が振分け方向D0に到達するタイミングよりも、後に検査された物品W3が上流側の振分け方向D1(D2)に到達するタイミングの方が早いため、物品Wが搬入される順番と各振分け方向D0,D1(D2)の回数積算値Cをカウントアップする順番とが逆転され、実際の振分け状態に近似させることができる。
【0061】
また、図8には、図1〜7を参照して上述した物品検査装置1の他の構成例(物品検査装置1’)における振分け方向D(D0,D1,D2,D3,D4)ごとの検査結果の判定回数の回数積算値の表示タイミングを示している。以下、この例の物品検査装置1’における表示部の表示タイミングについて説明する。この物品検査装置1’は、二つの振分け手段10a,10bからなる選別部3を備えており、これに応じて、振分け方向D0,D1,D2,D3,D4が設定されている。なお、この例においても、上述した例と同様に、物品Wを複数の検査項目について検査し、検査項目ごとに良否判定を出力する検査部2と、検査部2から出力される複数の良否判定に基づいて検査結果を判定する判定部と、判定部により判定された検査結果や物品検査装置1’の動作情報を表示する表示部とを備えている。
【0062】
検査部2は、X線検査手段2aと、計量検査手段2bとを有している。X線検査手段2aは、搬送コンベア4により搬送されている物品Wに対してX線を照射して得られたX線透過画像に基づいて物品Wの形状や個数、包装状態、異物の有無などの検査項目について、予め設定された検査条件に従って良否を判定する。また、計量検査手段2bは、同様に搬送コンベア4により搬送されている物品Wの重量を計量して得られた計量値に基づいて物品Wの重量の良否を判定する。
【0063】
この例の検査部2では、X線検査手段2aは、形状検査、異物検査、金属検査の三つの検査項目について良否判定をを行うものとする。また、計量検査手段2bは、軽量検査、過量検査、搬送状態検査の三つの検査項目について良否判定を行うものとする。
【0064】
X線検査手段2aにおける形状検査は、物品WのX線透過画像を画素濃度に基づいて二値化した物品画像を抽出することにより、割れや欠けなどの物品Wの形状の良否を検査する。また、異物検査は、物品WのX線透過画像に公知の画像処理フィルタを適用して画像の濃淡を強調することにより、異物の有無を検査する。さらに、金属検査は、上述した例の金属検査とは異なり、異物検査に複数の異物検出アルゴリズムを用いて異物の種類(金属)を特定し、金属の有無を検査する。
【0065】
計量検査手段2bは、計量センサ(秤)からの出力を順次取り込んで、物品Wの計量波形を生成し、計量波形に公知のローパスフィルタを適用して重畳するノイズ成分を除去して計量値を算出することにより、物品Wの重量の良否を検査する。計量検査手段2bにおける軽量検査は、物品Wの計量値に基づいて、予め設定された良品範囲内であるか、良品範囲外の不良許容範囲であるかを検査し、不良許容範囲であれば軽量側の不良許容範囲か否かを検査する。また、過量検査は、軽量検査とは別に、物品Wの計量値が不良許容範囲であれば過量側の不良許容範囲か否かを検査する。さらに、搬送状態検査は、例えば計量波形の立ち上がりタイミングから物品Wの搬入遅れや、計量波形レベル変動から物品Wの倒れなどを検査する。
【0066】
検査部2は、図示しないパラメータ記憶部に記憶された検査パラメータに基づいて、この検査部2に順次搬入される物品Wについて各種の検査を実行する。
【0067】
表示部は、その表示画面の他、各種パラメータを入力設定する操作パネルなどからなる操作部が設けられており、ユーザによる各種入力操作を可能にしている。
【0068】
この例においても、上述した物品検査装置1と同様に、判定部には、各良否判定を優先処理して決定された検査結果ごとに、振分け手段10a,10bによる振分け方向D0,D1,D2,D3,D4が設定された振分け方向情報が記憶されている。なお、図8では、「OK」が振分け方向D0、「軽量NG」が振分け方向D1、「過量NG」が振分け方向D2、「形状NG」と「搬送状態NG」が振分け方向D3、「異物NG」と「金属NG」が振分け方向D4に振り分けられるように設定されていることとする。なお、この振分け方向D0,D1,D2,D3,D4の設定は一例であり、これ以外でもよく、振分け方向Dや「NG」の組合せはユーザが適宜設定することができる。
【0069】
各振分け方向D0,D1,D2,D3,D4には、物品Wが排出される第一〜第五の収容ボックス11(11a〜11e)が設置されている。
【0070】
ここから、図8を参照して検査部2の動作を説明する。
図8に示すように、検査部2に物品Wが搬入されると、搬送コンベア4の搬入側に設けられている搬入検知手段としての投受光センサ12,12から出力される搬入検知信号を受けるごとに順次タイマを起動する。タイマが、第一の検査実施タイミング、すなわち、X線検査手段2aのX線検査開始タイミングT1に達すると第一の検査開始信号(X線検査開始信号)を生成し、第二の検査実施タイミング、すなわち、計量検査手段2bの計量検査開始タイミングT2に達すると第二の検査開始信号(計量検査開始信号)を生成する。なお、物品Wが搬入される搬入時間ピッチが各検査開始タイミングT1,T2より短い場合であっても、順次搬入される物品Wに対応する搬入検知信号ごとにそれぞれ異なるタイマが起動するようになっており、各検査手段2a,2bに対応する各検査開始信号を生成するまでリセットされないようになっている。
【0071】
X線検査手段2aは、搬入された物品Wごとに、それぞれの検査結果を第一の良否判定(a),(b),(c)として出力する。このとき、例えば、搬入される物品Wごとに「形状NG」、「異物NG」、「金属NG」というように、複数の良否判定を一群として出力する。X線検査手段2aから出力された各良否判定は、判定部に入力される。
【0072】
X線検査手段2aを通過した物品Wは、次に計量検査手段2bに搬入される。計量検査手段2bは、計量検査開始信号を受けると、搬入された物品Wごとに、それぞれの検査結果を第二の良否判定(a),(b),(c)として出力する。このとき、例えば、搬入される物品Wごとに、「軽量NG」、「過量OK」、「搬送状態OK」というように、複数の良否判定を一群として出力する。計量検査手段2bから出力された各良否判定は、判定部に入力される。
【0073】
なお、この例では、X線検査手段2aは計量検査手段2bよりも搬送方向Yの上流側に設けられており、X線画像処理に要する時間が長くなった場合でも、計量検査手段2bから良否判定が出力されるまでの時間差を利用して検査能力が低下しないようになっている。
【0074】
判定部は、各検査手段2a,2bから出力された各良否判定を、良否判定バッファを有する図示しない記憶手段に順次蓄積する。そして、図8に示すように、一つの物品Wに対してすべての検査項目についての良否判定が出揃ったタイミングで順次検査結果を出力する。
【0075】
また、判定部は、物品Wについて判定された検査結果に応じてその物品Wをどの振分け方向D0,D1,D2,D3,D4に振り分けるかを設定した振分け方向情報に基づいて物品Wを振り分けるための振分け信号を出力する。
【0076】
ここで、表示部における振分け方向D0,D1,D2,D3,D4ごとの回数積算値(振り分けられた回数)のカウントタイミングについて説明する。
図8に示すように、表示部に表示される振分け方向D0,D1,D2,D3,D4ごとの検査結果の判定回数の回数積算値は、判定部が検査結果を出力した後、実際に物品Wが振り分けられる振分けタイミングTDでカウントアップされて、表示部にて回数積算値を更新するようになっている。これにより、例えば、振分け方向D1に振り分けられる物品Wが、振分け手段10bまで搬送されている間は対応する回数積算値がカウントアップされず、振分け手段10bに到達して振分け動作が開始された時点でカウントアップされ、常に、振分け方向D1に振り分けられた物品Wの数と、対応する回数積算値とが一致するようになる。
【0077】
したがって、上述した物品検査装置1と同様に、物品検査装置1’に異常が発生した場合や、他の何らかの理由で振分け手段10a,10bを含む検査ラインの搬送コンベア4又は搬送コンベア9を停止させた場合でも、表示部に表示される振分け方向D0,D1,D2,D3,D4ごとの回数積算値と、実際に振分け方向D0,D1,D2,D3,D4に振り分けられた物品Wの数とが一致するようになる。特に、各振分け方向D0,D1,D2,D3,D4に振り分けられた物品Wを複数の収容ボックス11に収容して管理する場合に、実際に振り分けられた物品Wの数と検査結果の判定回数とを照合する際に都合がよいものとなる。
【0078】
また、ここで、振分けタイミングTDについて説明する。
制御部は、判定部から出力される振分け信号を受けて、対応する振分け手段10a,10bを動作させる振分け制御手段を備えている。
【0079】
振分け制御手段には、振分け手段10a,10bを動作させる振分けタイミングTD(TD1,TD2,TD3,TD4)が設定されている。図8に示すように、この振分けタイミングTD1,TD2,TD3,TD4は、振分け信号が出力されてから、振分け対象の物品Wが振分け位置に搬送されるまでの搬送時間に基づいて設定されている。なお、図8では、三つの物品W(W1,W2,W3)がそれぞれ所定の振分け方向D(D0,D1,D2,D3,D4のいずれか)に振り分けられた例を示している。
【0080】
これにより、例えば、三つの物品W1,W2,W3のうち、最初の物品W1が最も下流側の振分け方向D0に振り分けられ、次の物品W2が下流側の振分け方向D1,D2のいずれかに振り分けられる場合には、先に検査された物品W1が振分け方向D0に到達するタイミングよりも、後に検査された物品W2が上流側の振分け方向D1(D2)に到達するタイミングの方が早いため、物品Wが搬入される順番と各振分け方向D0,D1(D2)の回数積算値をカウントアップする順番とが逆転され、実際の振分け状態に近似させることができる。
【符号の説明】
【0081】
1…物品検査装置
2…検査部
3…判定部
5…表示部
7…操作部
D…振分け方向
W…物品
Y…搬送方向
K…検査項目ごとの良否判定
J…検査結果
JC…不良品を表す検査結果の判定回数
C…検査結果の判定回数の回数積算値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向(Y)に搬送されている物品(W)を検査し、その検査結果(J)に応じて該物品を所定の振分け方向(D)に振り分ける物品検査装置(1)において、
前記物品を複数の検査項目について検査して該検査項目ごとに良否判定(K)を出力する複数の検査手段を有する検査部(2)と、
前記物品ごとに前記複数の良否判定に基づいて前記検査結果を判定するとともに、前記検査結果のうち少なくとも不良品を表す検査結果と前記振分け方向とを対応させて予め設定された振分け方向情報に基づいて該検査結果に対応する前記所定の振分け方向を決定し、該物品を振り分ける振分け信号を出力する判定部(3)と、
前記判定部により決定された振分け方向ごとの回数積算値(C)を前記振分け方向と並べて表示する表示部(5)と、
を備えることを特徴とする物品検査装置。
【請求項2】
前記振分け方向情報は、前記不良品を表す検査結果に前記検査項目の種類の数よりも少ない数の種類の振分け方向が対応付けられていることを特徴とする請求項1記載の物品検査装置。
【請求項3】
前記表示部(5)は、前記回数積算値(C)を表示する前記振分け方向(D)を切り替える操作部(7)を備えることを特徴とする請求項2記載の物品検査装置。
【請求項4】
前記表示部(5)は、前記検査項目について判定された各良否判定(K)の判定回数を表示することを特徴とする請求項2又は3記載の物品検査装置。
【請求項5】
前記表示部(5)は、前記振分け方向(D)に対応する前記検査項目の各良否判定(K)の判定回数を表示することを特徴とする請求項2乃至4の何れか一つに記載の物品検査装置。
【請求項6】
前記表示部(5)は、前記検査項目に対応する良否判定(K)の判定回数から、該検査項目に対応する前記不良品を表す検査結果の判定回数(JC)を減算した減算値を表示することを特徴とする請求項2乃至5の何れか一つに記載の物品検査装置。
【請求項7】
前記表示部(5)は、前記物品(W)が前記各振分け方向(D)に振り分けられる振分けタイミング(TD)に基づいて、該振分け方向に対応する前記回数積算値(C)を更新することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載の物品検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−206710(P2011−206710A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77656(P2010−77656)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】