説明

特にセンサネットワークのためのネットワークノード、および、ネットワークノードのための駆動方法

【課題】センサノード毎に収集されたセンサ信号にタイムスタンプを付与することがなく、スループットの向上、コスト削減を図る。
【解決手段】センサデータsdを、センサデータsdを送信する少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード200、200a、200bから受信するよう構成された、ネットワークノード100は、受信されたセンサデータ値sd(i)に、当該ネットワークノード100に割り当てられた一次的な時間基準102に関して当該ネットワークノード100でのセンサデータ値sd(i)の受信時点を表すタイムスタンプcnt(i)を割り当てるよう構成されたタイムスタンプ素子106を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサデータを、センサデータを送信する少なくとも1つのさらなる別のネットワークノードから受信するよう構成された、特にセンサネットワークのためのネットワークノードに関する。
【0002】
本発明はさらに、この種のネットワークノードのための駆動方法に関する。
【0003】
さらに、本発明は、少なくとも1つのセンサ信号を収集し、収集されたセンサ信号を特徴付けるセンサデータを、センサデータを受信する少なくとも1つのネットワークノードへと送信するよう構成された、特にセンサネットワークのためのネットワークノードに関する。
【0004】
本発明はさらに、この種のネットワークノードのための駆動方法に関する。
【背景技術】
【0005】
例えば特許文献1により、冒頭の形態のネットワークノードは公知である。ネットワークノードは、収集されたセンサ信号にタイムスタンプを付し、当該センサ信号をタイムスタンプと共に他の装置へと送信するよう構成されている。これにより、大きな構成コストがもたらされる。なぜならば、センサ信号は、現場で、すなわち、センサネットワークノード内でセンサスタンプが押される必要があるからである。このために、センサネットワークノード内に非常に正確な時間基準を設けることが必要となる。さらに、収集されたセンサ信号および対応するタイムスタンプの送信には、伝送媒体のユーザデータ帯域幅が、タイムスタンプを一緒に送信することによって小さくなり、これにより、時間あたりより少ないセンサデータしか受信ネットワークノードへ伝送できないという重大な欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0219751号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、先に挙げた従来技術の欠点が回避される程度にまで、ネットワークノート、および、冒頭に挙げた形態のネットワークノードのための駆動方法を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題は、冒頭に述べた形態のネットワークノードにおいて、本発明に基づいて、受信されたセンサデータ値に、当該ネットワークノードに割り当てられた一次的な時間基準に関して当該ネットワークノードでのセンサデータ値の受信時点を表すタイムスタンプを割り当てるよう構成されたタイムスタンプ素子を、ネットワークノードが有することによって解決される。
【0009】
これにより、好適に、センサデータを送信するネットワークノード自身が、タイムスタンピング(Zeitstampelung)を行う必要がなく、センサデータは、タイムスタンプと共に受信ネットワークノードへと送信する必要がなくなる。センサデータを受信する本発明に係るネットワークノードは、好適に自身が、当該受信ネットワークノードの一次的な時間基準に関して、受信されるセンサデータの到着時点を定義するタイムスタンピングを行うことが可能であり、したがって、受信されたセンサデータの後の処理が、場合によっては生じる遅延時間に依存せずに受信ネットワークノード内で行われうる。
【0010】
本発明のさらなる別の利点は、センサ信号を収集する送信ネットワークノードと、本発明に係る受信ネットワークノードとの間の通常ではデジタル式により構成された通信インタフェースの全伝送帯域幅が、センサデータの伝送のために利用可能であり、タイムスタンプの伝送のために利用する必要がないということにある。
【0011】
好適な実施形態において、ネットワークノードは、受信されたセンサデータのフレーム長および/またはシンボルレートにしたがって、センサデータを送信するネットワークノードの二次的な時間基準のパラメータを定めるよう構成される。発明者らの研究から、送信ネットワークノードと本発明に係る受信ネットワークノードとの間のデジタル・データ伝送の際に、好適に、デジタル伝送のフレームの到着時間、および/または、デジタル伝送される信号のフレーム長および/またはシンボルレートの評価によって、送信ネットワークノードのタイムベース(Zeitbasis)または時間基準についての情報を定めるという可能性が生まれることが明らかになった。すなわち、本発明は、送信するセンサネットワークノードから受信するネットワークノードへのタイムスタンプ情報の伝達を構想していないにも関わらず、受信ネットワークノードは好適に、このような情報、または、少なくとも、送信ネットワークノードの二次的な時間規準を特徴づけるパラメータを、受信信号から獲得することが可能である。
【0012】
さらなる好適な実施形態において、ネットワークノードは、定められた二次的な時間基準のパラメータにしたがって、一次的時間基準と二次的時間基準との間の関係を形成するよう構成されることが構想される。この種の時間的関係の知識に基づいて、好適に、ここでは受信ネットワークノード内で、タイムスタンプが付されたセンサデータによって、送信(センサ)ネットワークノードにおいて収集された信号または対応するサンプリング値が推測される。
【0013】
特に有利に、ネットワークノードは、タイムスタンプ、および/または、一次的時間基準と二次的時間基準との間の関係を利用して、受信されたセンサデータ値から、送信ネットワークノードにより本来収集されたセンサ信号を、少なくとも区分ごとにおよび/または部分的に再構成するよう構成される。区分ごとの再構成は、例えば、センサ信号の特定の着目しているタイムインターバルに関しうる。さらに、部分的な再構成は、例えば受信されたセンサデータに従ってセンサ信号のある程度の周波数部分のみが再構成されるという形態でのさらなる信号処理を含みうる。
【0014】
さらなる別の好適な実施形態において、ネットワークノードは、少なくとも1つのさらなる別のネットワークノードに対して、特に、センサデータを送信するネットワークノードに対して、当該少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード内でセンサ信号の収集および/またはネットワークノードへのセンサデータの送信を開始するトリガ信号を伝送するよう構成される。このようにして、受信ネットワークノードに関して基本的に送信ネットワークノードが同期せずに(asynchron)駆動されるにも関わらず、受信ネットワークノードを根幹として、センサ信号の収集またはセンサデータの送信をある程度制御するという可能性が生まれる。
【0015】
さらなる別の好適な実施形態において、ネットワークノードは、少なくとも1つのさらなる別のネットワークノードの二次的な時間基準を一次的な時間基準に対して同期させるために、少なくとも1つのさらなる別のネットワークノードへとトリガ信号を周期的に伝送するよう構成される。
【0016】
本発明の課題のさらなる別の解決策として、請求項7に記載のネットワークノードが示される。本発明に係るネットワークノードは、少なくとも1つのセンサ信号を収集し、収集されたセンサ信号を特徴付けるセンサデータを、当該センサデータを受信するネットワークノードへと送信するよう構成される。さらに、ネットワークノードは、本発明によれば、自身に割り当てられた二次的な時間基準であって、受信ネットワークノードの一次的な時間基準に対して特に同期していない上記二次的な時間基準にしたがって、受信ネットワークノードへとセンサデータを送信するよう構成されることを特徴とする。これにより、送信ネットワークノード(センサネットワークノード)の、特に複雑度がより低い構成が可能となる。なぜならば、タイムスタンピング、または、センサデータを受信するネットワークノードに対する送信ネットワークノードの永続的な同期化が省略されうるからである。
【0017】
好適なさらなる発展形態において、ネットワークノードはトリガ信号を受信し、かつ、当該トリガ信号にしたがって、センサ信号の収集および/またはネットワークノードへのセンサデータの送信を実行するよう構成される。
【0018】
ネットワークノードはさらに、トリガ信号を受信し、かつ、当該トリガ信号にしたがって、トリガ信号を送信するネットワークノードの一次的な時間基準に対して、自身の二次的な時間基準を同期させるよう構成される。
【0019】
さらなる別の好適な実施形態において、ネットワークノードは、収集されたセンサ信号の複数のサンプリング値の中間値を形成し、当該中間値を受信ネットワークノードへと送信するよう構成される。本実施形態は、比較的高いサンプリングレートが、センサ信号を評価するネットワークノード内で生じる場合に、および、比較的低い周波数またはデータレートで受信ネットワークノードへとデータフレームを送信すべき場合に、特に有利である。
【0020】
さらなる別の好適な実施形態において、ネットワークノードはさらに、収集されたセンサ信号の複数のサンプリング値のデータ圧縮を実行し、圧縮されたセンサデータを受信ネットワークノードへと送信するよう構成される。
【0021】
本発明の課題のさらなる別の解決策として、特許請求項12に記載のネットワークノードを駆動する方法が示される。本発明によれば、ネットワークノードは、タイムスタンプ素子を用いて、受信されたセンサデータ値に、ネットワークノードに割り当てられた一次的な時間基準に関してネットワークノードでのセンサデータ値の受信時点を表すタイムスタンプを割り当てる。
【0022】
さらなる別の構成は、従属請求項の発明の主題である。
【0023】
本発明のさらなる別の特徴、利用可能性、および効果は、図面に示される本発明の実施例に関する以下の記載から明らかとなろう。その際、記載されまたは示される全特徴は、それ自体が、または任意の組み合わせにおいて、特許請求項における全特徴の要約またはその引用に依存することなく、かつ、明細書または図面における表現または記述に依存することなく本発明の主題を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る受信ネットワークノードと、さらなる別の実施形態に係る送信ネットワークノードとを備えるセンサネットワークを概略的に示す。
【図2】本発明の実施形態に係るセンサネットワークのさらなる別の実施形態を示す。
【図3】本発明の実施形態に係るセンサネットワークの様々な駆動変数の時間的推移を示す。
【図4】本発明の実施形態に係る駆動方法の一実施形態の簡略化されたフロー図を示す。
【図5】本発明の実施形態に係る駆動方法のさらなる別の実施形態の簡略化されたフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、センサデータsdを、当該センサデータsdを送信する少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード200から受信するよう構成されたネットワークノード100を示す。
【0026】
ネットワークノード100、200の各通信は、必ずしも1つの通信方向(送信/受信)に限定されないが、ネットワークノード100はさらなる別のネットワークノード200からセンサデータsdを受信するため、以下の記載について、当該ネットワークノード100を特に受信ネットワークノードと呼ぶことにする。したがって、センサデータsdを送信するネットワークノード200は、以下、特に送信ネットワークノードと呼ぶ。
【0027】
ネットワークノード100、200は、例えば車両分野においてセンサデータを収集し受信ネットワークノード100へと収集したセンサデータsdを転送するために設けられるような、センサネットワークを形成する。これに対応して、センサネットワークノード200に追加して、さらなる別のセンサネットワークノード200a、200bもセンサネットワーク内に設けられるが、これらセンサネットワークノード200a、200bの機能は基本的に送信ネットワークノード200に対応し、したがって、ここではより詳細には記載されない。
【0028】
センサネットワークノード200は、少なくとも1つのセンサ信号y(t)であって、例えば圧力センサの電圧信号等のような連続時間信号および連続値信号(zeit−und wertekontinuierliches Signal)が関わりうる上記センサ信号y(t)を収集する役目を果たす。センサネットワークノード200は、図1から分かるように送信ネットワークノード200に組み込まれた二次的な時間規準202を有し、したがって、センサネットワークノード200は、自身の動作を制御するために二次的な時間規準202を利用することができる。特に、送信ネットワークノード200の二次的な時間規準202は、受信ネットワークノード100の一次的な時間規準102から独立しており、通常では、当該一次的な時間規準102に同期していない(asynchron)。
【0029】
送信ネットワークノード200は、例えば、それ自体は公知の方法でセンサ信号y(t)のサンプリングを実現する図1に記載されないアナログ・デジタル(A/D)変換器を利用して、センサ信号y(t)を収集する(erfassen)。A/D変換器は、例えば、送信ネットワークノード200の信号処理ユニット204にも組み込まれうる。信号処理ユニット204によりセンサ信号y(t)から獲得されるデジタル・センサ信号は、送信ネットワークノード200のデジタル・データ伝送ユニット206へと転送され、このデジタル・データ伝送ユニット206は、デジタル・センサデータを、センサデータsdの形態で受信ネットワークノード100へと伝送する。デジタル伝送は、信号処理ユニット204による処理と同様に、二次的な時間規準202に従って行われる。
【0030】
受信ネットワークノード100は、デジタル・データ伝送ユニット108を有し、このデジタル・データ伝送ユニット108は、センサデータsdを受信することが可能であり、それ自体は公知の方法で、センサデータsdから個々のセンサデータ値sd(i)を、例えば、送信ネットワークノード200からのデジタル通信の個々のデジタルフレームの解析によって定める。
【0031】
受信ネットワークノード100は、自身の一次的な時間規準102の他にカウンタ素子104を有し、このカウンタ素子104は、一次的な時間規準102の制御下でカウンタ値を伝達する。カウンタ値は、タイムスタンプ素子106へと供給され、タイムスタンプ素子106は、特に好適な本発明の変形例にしたがって、カウンタ値からタイムスタンプcnt(i)を生成し、当該タイムスタンプcnt(i)を、データ処理ユニット110へと供給する。好適にメモリも含みうるデータ処理素子110内では、受信されたセンサデータ値sd(i)と、対応するタイムスタンプcnt(i)とが互いに結合され、その際に、各受信されたセンサデータ値sd(i)には、対応するタイムスタンプ値cnt(i)が割り当てられる。ここでは、タイムスタンプ値cnt(i)は、ネットワークノード100に割り当てられた一次的な時間規準102に関して、自身に割り当てられた所定のセンサデータ値sd(i)のネットワークノード100での受信時点を表す。
【0032】
すなわち、センサデータ値sd(i)のタイムスタンプcnt(i)から、受信ネットワークノード100内でのセンサデータ値sd(i)の受信時点が推測されうる。
【0033】
受信されたセンサデータsdまたは個々のセンサデータ値sd(i)の、評価ユニット112による後の評価は、したがって時間的に独立しており、すなわち、センサデータsdが受信ネットワークノード100に到着する際のデータレートから独立して行われる。
【0034】
好適な実施形態において、受信ネットワークノード100は、受信されたセンサデータsdのフレーム長および/またはシンボルレートに従って、および/または、特徴的なパルス波形またはパルスパターンに従って、および/または、センサデータsdを含むデータストリームの特徴的なパターンに従って、センサデータsdを送信する送信ネットワークノード200の二次的な時間規準202のパラメータを定めるよう構成される。特に有利に、送信ネットワークノード200から送信されるセンサデータsdおよび信号のこれら特徴の名目時間は、受信ネットワークノード100には分かっており、これにより、受信ネットワークノード100は、送信側の二次的な時間規準202により決定されるデータおよび測定値y(t)を、自身の一次的な時間規準102と関連づけることができる。この場合には、受信ネットワークノード100は、好適に、送信ネットワークノード200の二次的な時間規準202の特徴またはクロック周波数を推測することが可能であり、これにより特に、受信ネットワークノード100の一次的な時間規準102と、送信ネットワークノード200の二次的な時間規準202との間の同期、または、少なくとも、受信ネットワークノード100の一次的な時間規準102と、送信ネットワークノード200の二次的な時間規準202との間の時間的関係(Zeitbezug)の形成が可能となる。
【0035】
二次的な時間規準202のパラメータの決定は、デジタル伝送インタフェース108とデータ接続している、受信ネットワークノード100のクロック回復ユニット108’によって行われる。
【0036】
さらなる別の好適な実施形態において、受信ネットワークノード100は、定められた二次的な時間規準202のパラメータに従って、一次的な時間規準102と、二次的な時間規準202と、の間の関係を形成する。2つの時間規準102、202の間のこの関係は好適に、タイムスタンプcnt(i)と同様にメモリ110に格納されうるため、当該関係は、ブロック112による後の評価のためにも利用される。
【0037】
さらなる別の好適な実施形態において、受信ネットワークノード100は、タイムスタンプcnt(i)、および/または、一次的な時間規準102と二次的な時間規準202との間の関係を利用して、受信されたセンサデータ値sd(i)から、送信ネットワークノード200により本来収集されたセンサ信号y(t)を少なくとも区分ごとにおよび/または部分的に再構成する。
【0038】
例えば、受信ネットワークノード100は、この種の評価によって、センサ信号y(t)の時点t0、t1、t2、t3、t4における全てのサンプリング値を、送信ネットワークノード200によって獲得されたように再構成することができる。
【0039】
代替的に、受信ネットワークノード100は、選択されたサンプリング値、例えば、時点t0、t2、t4における、2つおきのサンプリング値も再構成しうる。さらに、受信ネットワークノード100は、例えばスプライン(Spline)を利用して、センサ信号y(i)の補間を行うことも可能である。
【0040】
送信ネットワークノード200により定義されたような、第1のサンプリング周波数から、例えば、評価ユニット112またはさらなる別の装置(図示せず)の枠内のさらなる別のデジタル信号処理において意図されるような、第2のサンプリング周波数への一連のセンサデータ値の換算は、それ自体が公知のリサンプリング(Resampling)方法を利用しても行われうる。
【0041】
図2は、本発明のさらなる別の実施形態のセンサネットワークを示している。図1のネットワークノード100に比較可能なネットワークノード100aは追加的にトリガ素子114を有し、このトリガ素子114を用いて、受信ネットワークノード100aは、送信ネットワークノード200にトリガ信号tsを伝達しうる。送信ネットワークノード200は、トリガ信号tsを受信するためのトリガ受信素子208を有し、このトリガ受信素子208は、例えば、内部の二次的な時間規準202に対して、または、信号処理ユニット204に対しても影響を与えうる。
【0042】
トリガ信号tsは、好適に、センサ信号y(t)を収集しおよび/またはネットワークノード100aへのセンサ値sdの送信を実施するよう送信ネットワークノード200に促すために、利用される。
【0043】
すなわち、トリガ信号tsの送信により、受信ネットワークノード100aは、送信ネットワークノード200に、センサデータ値の収集または送信が行われるべきであることをシグナリングすることができる。
【0044】
受信ネットワークノード100aから送信ネットワークノード200へのトリガ信号tsの送信は、好適に、一次的な時間規準102にしたがって、また特に周期的に行われうる。この場合に、送信ネットワークノード200の二次的な時間規準202もまた、好適に、一次的な時間規準102に対して同期されうる。なぜならば、トリガ信号tsにより周期的に、時間規準102、202の間の時間的関係を生成する情報が形成されるためである。
【0045】
代替的にまたは追加的に、受信ネットワークノード100aは、当該受信ネットワークノード100aが例えば車両の制御装置等のような外部ソースから獲得する外部のトリガ信号ts’にしたがっても、トリガ信号tsを送信しうる。
【0046】
トリガ信号tsと対応するトリガ時点t0は、図2のセンサ信号y(t)の時間的推移において、時点t0へのブロック矢印Tで表される。
【0047】
ネットワークノード200のさらなる別の好適な実施形態において、ネットワークノード200が、収集されたセンサ信号y(t)の複数のサンプリング値の中間値を形成し、当該中間値を受信ネットワークノード100aへと送信するよう構成されることが構想される。本発明の実施形態に係る変形例は、センサデータsdを受信ネットワークノード100aへと転送するために、送信ネットワークノード200から受信ネットワークノード100aへと伝送されるようなデータフレームのレートに対して、送信ネットワークノード200によるセンサ信号y(t)のサンプリングレートが比較的大きい場合に、特に好適に適用されうる。
【0048】
ネットワークノード200のさらなる別の好適な実施形態において、ネットワークノード200が、収集されたセンサ信号y(t)の複数のサンプリング値のデータ圧縮を行い、圧縮されたセンサデータを受信ネットワークノード100aへと送信するよう構成される。
【0049】
以上記載されたさらなる別の信号処理工程(中間値形成、データ圧縮)は、好適に、送信ネットワークノード200の信号処理ユニット204によって実施されうる。
【0050】
図3(a)〜図3(e)はそれぞれ、図2のセンサネットワークの様々な駆動変数の時間的推移を示している。
【0051】
図3(a)は、受信ネットワークノード100aから送信ネットワークノード200へと発せられるようなトリガ信号tsの推移を示す。トリガ信号tsの時間的推移は、受信ネットワークノード100aの一次的な時間規準102と対応する時間軸t100上に描かれている。
【0052】
図3(b)は、トリガ信号tsの受信に応じて、センサ信号y(t)のサンプリングにおいて送信ネットワークノード200により獲得されるサンプリング値の時間的推移を示す。図3(b)にかかるサンプリング値は、送信ネットワークノード200の二次的な時間規準202と対応する時間軸t200上に描かれている。
【0053】
図3(b)から、先に例示的に記載された実施形態では、トリガ信号tsの受信に応じて、サンプリング値が全部で3つずつ送信ネットワークノード200により獲得されることが分かる。対応するセンサデータsdの伝達は、図3(b)の対応するサンプリング値の決定のために、時間的に緊密に関連して行われるが、受信ネットワークノード100aへと伝送されるセンサデータsdの時間的推移を表す図3(c)を参照されたい。
【0054】
図3(d)は、受信ネットワークノード100aのデジタル通信インタフェース108の出力口で獲得されるような、各センサデータ値sd(i)と、本発明に係るタイムスタンプユニット106によって対応するセンサデータ値sd(i)に割り当てられるような、対応するタイムスタンプcnt(i)との本発明の実施形態に基づいて得られる結合を示す。
【0055】
最後に図3(e)は、例えば受信ネットワークノード100aの評価ユニット112により実施されうるような、タイムスタンプcnt(i)が付されたセンサデータ値sd(i)のさらなる別の処理の時間的推移を示す。
【0056】
図3(e)から、通信インタフェース108の領域において送信ネットワークノード200から獲得されるようなセンサデータ値sd(i)と、対応するタイムスタンプcnt(i)と、の本発明の実施形態に基づいて得られる結合が、必ずしも同一の時間的順序で処理されないことが分かる。むしろ、本発明の実施形態に係るセンサデータ値に対するタイムスタンプの割り当てに基づいて、評価ユニット112内での後の評価が、受信ネットワークノード100aにおける個別のセンサデータ値sd(i)の到着時刻からは完全に独立して行われうる。
【0057】
図4は、送信ネットワークノード200のための本発明の実施形態に係る駆動方法の一実施形態の簡略化されたフロー図を示す(図1参照)。
【0058】
第1の工程300(図4)において、送信ネットワークノード200はセンサ信号y(t)を収集する。例えば、工程300では、離散時間的および離散値的な(zeit−und wertediskret)デジタル・サンプリング値が、センサ信号y(t)にしたがって獲得されうる。
【0059】
次の任意の工程310において、場合よっては、信号処理が既に送信ネットワークノード200内で行われうる。例えば、信号処理310は、複数のサンプリング値の中間値形成またはデータ圧縮を含みうる。
【0060】
続いて工程320において、センサデータsdが、送信ネットワークノード200から受信ネットワークノード100へと送信される。
【0061】
図5は、本発明の実施形態に係る受信ネットワークノード100、100aのための駆動方法の一実施形態の簡略化されたフロー図を示す。
【0062】
第1の工程400において、少なくとも1つの送信ネットワークノード200によりデジタル伝送されたセンサデータsdが、通信インタフェース108を用いて受信される。
【0063】
次の工程410において、受信ネットワークノード100は、タイムスタンプ素子106を用いて、受信されたセンサデータ値sd(i)にタイムスタンプcnt(i)を1つずつ割り当て、その際、タイムスタンプは、ネットワークノード100に割り当てられた一次的な時間規準102に関して、ネットワークノード100でのセンサデータ値sd(i)の受信時点を表す。
【0064】
次の工程420において、ネットワークノード100は、センサデータsdを送信するネットワークノード200の二次的な時間規準202のパラメータを定めるが、このことは特に、デジタル伝送されるセンサデータsdのフレーム長および/またはシンボルレートにしたがって行われる。
【0065】
最後に工程430において、受信されたセンサデータ、または、タイムスタンプcnt(i)が付されたセンサデータ値sd(i)のさらなる別の評価が実施される。
【0066】
本発明の実施形態によれば、好適に、センサデータsdを送信するネットワークノード200自身がタイムスタンピングを行う必要がなく、かつ、センサデータsdはタイムスタンプと共に受信ネットワークノード100、100aへと送信される必要がない。本発明の実施形態に係るセンサデータを受信するネットワークノード100、100a自身が、好適に、当該受信ネットワークノード100、100aの一次的な時間規準102に関して受信されたセンサデータの到着時点を定義するタイムスタンピングを行うことが可能であり、したがって、受信されたセンサデータの後の処理が、受信ネットワークノード100、100a内での場合によっては生じる遅延時間から独立して実施されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデータ(sd)を、前記センサデータ(sd)を送信する少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード(200、200a、200b)から受信するよう構成された、特にセンサネットワークのためのネットワークノード(100、100a)において、
前記ネットワークノード(100)は、受信されたセンサデータ値(sd(i))に、前記ネットワークノード(100)に割り当てられた一次的な時間基準(102)に関して当該ネットワークノード(100)での前記センサデータ値(sd(i))の受信時点を表すタイムスタンプ(cnt(i))を割り当てるよう構成されたタイムスタンプ素子(106)を有することを特徴とする、ネットワークノード(100、100a)。
【請求項2】
前記ネットワークノード(100)は、前記受信されたセンサデータ(sd)のフレーム長および/またはシンボルレートに従って、および/または、特徴的なパルス波形またはパルスパターンに従って、および/または、前記センサデータ(sd)を含むデータストリームの特徴的なパターンに従って、前記センサデータ(sd)を送信する前記ネットワークノード(200、200a、200b)の二次的な時間基準(202)のパラメータを定めるよう構成される、請求項1に記載のネットワークノード(100)。
【請求項3】
前記ネットワークノード(100)は、前記定められた二次的な時間基準(202)のパラメータに従って、前記一次的な時間基準(102)と前記二次的な時間基準(202)との間の関係を形成するよう構成される、請求項2に記載のネットワークノード(100)。
【請求項4】
前記ネットワークノード(100)は、前記タイムスタンプ(cnt(i))、および/または、前記一次的時間基準(102)と前記二次的時間基準(202)との間の前記関係を利用して、受信されたセンサデータ値(sd(i))から、前記送信ネットワークノード(200、200a、200b)により本来収集されたセンサ信号(y(t))を、少なくとも区分ごとにおよび/または部分的に再構成するよう構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のネットワークノード(100)。
【請求項5】
前記ネットワークノード(100a)は、センサ信号(y(t))の収集および/または前記ネットワークノード(100)へのセンサデータ(sd)の送信を開始するトリガ信号(ts)を、少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード(200、200a、200b)へと伝送するよう構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のネットワークノード(100a)。
【請求項6】
前記ネットワークノード(100a)は、少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード(200、200a、200b)の二次的な時間基準(202)を前記一次的な時間基準(102)に対して同期させるために、前記少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード(200、200a、200b)へとトリガ信号(ts)を周期的に伝送するよう構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のネットワークノード(100a)。
【請求項7】
少なくとも1つのセンサ信号(y(t))を収集し、かつ、前記収集されたセンサ信号を特徴付けるセンサデータ(sd)を、前記センサデータ(sd)を受信する少なくとも1つのネットワークノード(100、100a)へと送信するよう構成された、特にセンサネットワークのためのネットワークノード(200)において、
前記ネットワークノード(200)は、自身に割り当てられた二次的な時間基準(202)であって、前記受信ネットワークノード(100、100a)の一次的な時間基準(102)に対して特に同期していない前記二次的な時間基準(202)に従って、前記受信ネットワークノード(100、100a)へと前記センサデータ(sd)を送信するよう構成されることを特徴とする、ネットワークノード(200)。
【請求項8】
前記ネットワークノード(200)は、トリガ信号(ts)を受信し、かつ、前記トリガ信号(ts)に従って、前記センサ信号(y(t))の収集および/または前記ネットワークノード(100)へのセンサデータ(sd)の送信を実行するよう構成される、請求項7に記載のネットワークノード(200)。
【請求項9】
前記ネットワークノード(200)は、トリガ信号(ts)を受信し、かつ、前記トリガ信号(ts)に従って、前記トリガ信号(ts)を送信するネットワークノード(100)の一次的な時間基準(102)に対して自身の二次的な時間基準(202)を同期させるよう構成される、請求項7または8のいずれか1項に記載のネットワークノード(200)。
【請求項10】
前記ネットワークノード(200)は、前記収集されたセンサ信号(y(t))の複数のサンプリング値の中間値を形成し、前記中間値を前記受信ネットワークノード(100、100a)へと送信するよう構成される、請求項7〜9のいずれか1項に記載のネットワークノード(200)。
【請求項11】
前記ネットワークノード(200)は、前記収集されたセンサ信号(y(t))の複数のサンプリング値のデータ圧縮を実行し、圧縮されたセンサデータを前記受信ネットワークノード(100、100a)へと送信するよう構成される、請求項7〜10のいずれか1項に記載のネットワークノード(200)。
【請求項12】
センサデータ(sd)を、前記センサデータ(sd)を送信する少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード(200、200a、200b)から受信する(400)よう構成された、特にセンサネットワークのためのネットワークノード(100、100a)を駆動する方法であって、前記ネットワークノード(100)は、タイムスタンプ素子(106)を用いて、受信されたセンサデータ値(sd(i))に、前記ネットワークノード(100)に割り当てられた一次的な時間基準(102)に関して前記ネットワークノード(100)での前記センサデータ値(sd(i))の受信時点を表すタイムスタンプ(cnt(i))を割り当てる(410)ことを特徴とする、方法。
【請求項13】
前記ネットワークノード(100)は、前記受信されたセンサデータ(sd)のフレーム長および/またはシンボルレートに従って、および/または、特徴的なパルス波形またはパルスパターンに従って、および/または、前記センサデータ(sd)を含む前記データストリームの特徴的なパターンに従って、前記センサデータ(sd)を送信する前記ネットワークノード(200、200a、200b)の二次的な時間基準(202)のパラメータを定める(420)、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ネットワークノード(100)は、前記定められた二次的な時間基準(202)のパラメータに従って、前記一次的な時間基準(102)と前記二次的な時間基準(202)との間の関係を形成し、および/または、前記タイムスタンプ(cnt(i))、および/または、前記一次的な時間基準(102)と前記二次的な時間基準(202)との間の前記関係を利用して、受信されたセンサデータ値(sd(i))から、前記送信ネットワークノード(200、200a、200b)により本来収集されたセンサ信号(y(t))を、少なくとも区分ごとにおよび/または部分的に再構成する、請求項12〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ネットワークノード(100a)は、少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード(200、200a、200b)内で、センサ信号(y(t))の収集および/または前記ネットワークノード(100)へのセンサデータ(sd)の送信を開始するために、および/または、前記一次的な時間基準(102)に対して、前記少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード(200、200a、200b)の二次的な時間基準(202)を同期させるために、前記少なくとも1つのさらなる別のネットワークノード(200、200a、200b)へとトリガ信号(ts)を伝送する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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