説明

特に自動車のためのワイパ装置

特に自動車のためのワイパ装置が提案されており、自動車にワイパ装置(10)を取り付けるための固定エレメント(32)と取付区分(22)とが設けられている。本発明によれば、固定エレメント(32)が、接着によって取付区分(22)と結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の上位概念に記載の形式の、特に自動車のためのワイパ装置に関する。
【0002】
背景技術
既にたとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第19903140号明細書に開示されているように、自動車にワイパ装置を取り付けるための固定エレメントおよび取付区分を備えた多くのワイパ装置が公知である。自動車に組み付けるために、ワイパ装置は一般的な形式で自動車の車体の固定位置に設置され、固定エレメントとしてのねじによってねじ止めされる。このことは比較的手間が掛かり多数の作業ステップを必要としている。
【0003】
さらにまたワイパ装置を車体に溶接することが公知であり、これによって固定エレメントを節約して、固定を1ステップで行うことができる。ここで問題な点によれば、ワイパ装置はもはや自動車から着脱可能でなくなり、ひいては破損時の交換に比較的大きな手間が必要である。
【0004】
発明の利点
これに対して、本発明による、独立請求項に記載の特徴を備えたワイパ装置の利点によれば、固定エレメントを取付区分に取り付ける接着によって、ワイパ装置は1作業ステップで自動車の車体に取り付けることができ、しかもその際にワイパ装置を交換するための着脱性能を放棄しなくてもよい。
【0005】
従属請求項に記載の実施形態によって、独立請求項に記載の実施形態の改良形および変化形が得られる。
【0006】
特に有利には、取付区分が緩衝エレメントを備えており、固定エレメントが緩衝エレメントに接着されている。このようにして簡単な接着剤が使用可能であり、自動車の車体に対するワイパ装置の満足できる分離が保証される。
【0007】
固定エレメントが予め取付位置で取付区分に接着されている場合、有利には取付がさらに簡単になる。この場合特に有利には、取付区分がアイ状部分または切欠を備えており、アイ状部分または切欠に緩衝エレメントが嵌め込まれている。
【0008】
さらに有利には、緩衝エレメントが、少なくとも部分的に弾性材料、特にゴムから形成されていて、かつ固定エレメントを少なくとも部分的に包囲しており、これによって最適な接着結合が得られる。
【0009】
特に有利には、緩衝エレメントが、リングスリーブを包囲するアイ状部分を有している。この場合固定エレメントはリングスリーブに接着されるので、特に良好な保持が得られ、固定エレメントは自動車製造者への搬送中に脱落することはない。
【0010】
有利には接着は簡単に剥離可能であるので、ワイパ装置は専らねじの締付によって自動車に固定することができる。
【0011】
実施例の説明
次に本発明の実施例を図示し、詳しく説明する。
【0012】
図1には、本発明によるワイパ装置10を側面図で示した。ワイパ装置10は主に支持管12を備えており、支持管12の端部にそれぞれ1つのワイパ支承部14が配置されている。図面を判りやすくするために、ここではワイパ装置10の支持管12の一方の端部だけを図示したが、他方の端部は必要に応じて変化されるが実質的に同一である。
【0013】
ワイパ支承部14は、主に3つの区分、つまり固定区分16と支承区分18と取付区分22とを備えており、固定区分16はワイパ支承部14を支持管12に固定するのに役立ち、支承区分18は直接固定区分16に接続していて、かつワイパ軸20を支承し、取付区分22はワイパ装置10を自動車に取り付けるのに役立つ。取付区分22は実質的にプレート24から成っており、プレート24の端部はワイパ軸20の縦軸線に対して垂直に配置されている。プレート24は縁部で外壁26によって制限されており、外壁26はカラー状に高さ方向で、つまりワイパ軸20の縦軸線方向で延びている。
【0014】
プレート24は、収容部37としてU字形状の切欠を備えており、収容部に緩衝エレメント30が挿入されている。緩衝エレメント30は、実質的に円筒状のゴムスリーブから成っており、ゴムスリーブの直径は、長手延伸方向でみて中央部分で小さくなっている。安定化のために、中空円筒状の緩衝エレメント30の内側に追加的に金属製のリングスリーブ31が挿入されている。緩衝エレメント30に、ねじとして形成された固定エレメント32が挿入され、接着されている。もちろん選択的に固定エレメント32はリベットまたはピンなどから形成してもよい。
【0015】
図2には、固定エレメント32ならびに緩衝エレメント30を詳しく示した。緩衝エレメント30は実質的に中空円筒状に形成されている。長手延伸方向に沿って、緩衝エレメント30はリング状の溝35を備えており、溝35はプレート24に収容するのに役立つ。中空円筒状の緩衝エレメント30の中心部分にリングスリーブ31が挿入されており、リングスリーブ31は安定化に役立つ。固定エレメント32は六角頭ねじとして形成されており、六角頭ねじは六角頭33とは反対側の自由端部で円筒状の差込区分34を備えており、差込区分34にねじ山区分36が続いている。差込区分34は、ねじ山を有しておらず、かつねじ山区分36の谷径よりも小さな直径を有している。ワイパ装置10を組み付ける際に、差込区分34によって自己センタリング効果が得られる。
【0016】
ねじ山区分36の、差込区分34とは反対側の端部に、円形ディスク状のプレート38が取り付けられている。プレート38によって緩衝エレメント30に対する均等な圧力分布がもたらされる。プレート38に六角頭33が続いている。
【0017】
図3には、固定エレメント32および緩衝エレメント30を、自動車製造者に納入する状態で示した。取付状態で緩衝エレメント30はプレート24のU字形の切欠37に挿入されている。固定エレメント32としてのねじはリングスリーブ31に接着されている。ねじ32のプレート38は、直接緩衝エレメント32に載設している。この場合固定エレメント32のねじ山区分36と緩衝エレメント30とを結合する接着剤は、一方では固定エレメントが搬送中にワイパ支承部14から脱落し得ないように選択されていて、また他方では固定エレメント32の回動によって簡単に剥離できるように選択されているので、ワイパ装置10は簡単な形式で自動車に取り付けることができる。このために接着剤は、リングスリーブ31とねじ山区分36との間に付着されている。選択的に接着剤は六角頭33とプレート24または緩衝エレメント30との間に配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明によるワイパ装置を示す斜視図である。
【図2】固定エレメントおよび緩衝エレメントを示す斜視図である。
【図3】図2に示した固定エレメントを、緩衝エレメントの接着された状態で示す斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
10 ワイパ装置、 12 支持管、 14 ワイパ支承部、 16 固定区分、 18 支承区分、 20 ワイパ軸、 22 取付区分、 24 プレート、 26 外壁、 30 緩衝エレメント、 31 リングスリーブ、 32 固定エレメント、 33 六角頭、 34 差込区分、 35 溝、 36 ねじ山区分、 37 収容部、 38 プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車のためのワイパ装置であって、自動車にワイパ装置(10)を取り付けるための固定エレメント(32)と取付区分(22)とを備えている形式のものにおいて、
固定エレメント(32)が、取付区分(22)に接着されていることを特徴とする、ワイパ装置。
【請求項2】
取付区分(22)が、緩衝エレメント(30)を備えており、固定エレメント(32)が、緩衝エレメント(30)に接着されている、請求項1記載のワイパ装置。
【請求項3】
固定エレメント(32)が、取付位置で取付区分(22)に接着されている、請求項1または2記載のワイパ装置。
【請求項4】
取付区分(22)が、収容部(37)、特にアイ状部分を備えており、収容部(37)に緩衝エレメント(30)が挿入されている、請求項2または3記載のワイパ装置。
【請求項5】
緩衝エレメント(30)が、少なくとも部分的に弾性材料、特にゴムから形成されていて、かつ固定エレメント(32)を少なくとも部分的に包囲している、請求項4記載のワイパ装置。
【請求項6】
緩衝エレメント(30)が、中空円筒状に形成されていて、かつ内側でリングスリーブ(31)を支持している、請求項5記載のワイパ装置。
【請求項7】
固定エレメント(32)が、リングスリーブ(31)に接着されている、請求項6記載のワイパ装置。
【請求項8】
接着部分が、特に固定エレメント(32)の回動によって簡単に剥離可能になっている、請求項1から7までのいずれか1項記載のワイパ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−506592(P2007−506592A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515653(P2006−515653)
【出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000832
【国際公開番号】WO2005/009809
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】