説明

特に麻酔下の患者において生理学的機能の診断、実行及び制御の少なくともいずれかを行うための装置

本発明は、特に麻酔下の患者において生理学的機能の診断、実行、及び制御の少なくともいずれかを行うための装置であって、患者(50)の身体領域又は四肢(55)のうちの少なくとも1つ用の圧力デバイス(10)を備え、圧力上昇手段(21)及び圧力低下手段(22)が圧力デバイス(10)に割り当てられ、管理デバイス(30)が設けられ、該管理デバイス(30)を用いて、前記圧力上昇手段(21)及び前記圧力低下手段(22)を介して圧力デバイス(10)内の圧力を管理可能である装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に麻酔下の患者において生理学的機能の診断、実行及び制御の少なくともいずれかを行うための装置、具体的には体温の制御を行うための装置、末梢血液量の制御を行うための装置、末梢血供給の制御を行うための装置、心機能の検査を行うための装置、及び機械的換気を行うための装置の少なくともいずれかに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツだけでも1年間に800万件の手術的介入が現在行われており、その大部分は麻酔下の患者に対して行われている。しかし、殆ど全ての形態の麻酔、特に全身麻酔は、基本的には意識の喪失を伴うだけでなく、正常な心循環機能及び正常な代謝を維持するために機能する神経体液性制御メカニズムの部分的な喪失も伴う。中枢神経系の全身抑制を通して、以下の作用を有する交感神経の緊張低下も導かれる。
【0003】
血管緊張度は、全身で低下するが、特に低血圧領域で低下する。血管拡張の結果として、胸腔内から胸腔外への循環血液量の再分配、静脈還流、及び心臓の充盈減少が導かれる。
【0004】
心臓の充盈減少により、拍出量が減少し、その結果として血圧の低下がみられる。
【0005】
更に、陽圧換気が一般に全身麻酔下で実施され、胸腔内から胸腔外への循環血液量の再分配が強化される。
【0006】
交感神経を介した拮抗調節が麻酔により阻害されるため、一般に心拍数の補償的増加は生じない。
【0007】
更に、麻酔の開始時における循環血液量の再分配は、身体外殻部と身体中核部との間に通常存在する温度勾配の低下を引き起こす。その結果として、中心温度の低下が導かれ、一方、身体外層の温度は僅かに上昇する。また、既知であるように麻酔によって制御閾値の温度がより低くなるため、この場合も拮抗調節は生じない。しかし、中核体温の低下により寒さによる震え(悪寒)等を伴う受動的拮抗調節が突然始まる、麻酔から覚めた患者において問題が更により顕著に現れることが多い。時にこれは、覚醒相の患者において実質的負担となる。
【0008】
現在のところ、麻酔のこれら作用をなくすための標準的なアプローチは、通常結晶質の形態である輸液(乳酸リンゲル液、生理食塩水など)、又はコロイド状輸液(例えばヒドロキシエチルデンプン、血漿タンパク質溶液など)の量に関する。このアプローチは、手術前の禁酒の義務を通して、麻酔の導入により脈管内に体積減少が生じるという考えに特に基づいている。しかし、この前提は間違っていることが証明されている。今日まで、血管収縮(血管狭窄)物質の代替投与は慣用的に控えられている。それは、特定の器官又は血管領域における血液供給の低下により血管収縮が達成され得るためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、先行技術の問題点を克服する、生理学的機能の診断、実行及び制御の少なくともいずれかを行うための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、独立請求項に係る生理学的機能の診断、実行及び制御の少なくともいずれかを行うための装置により実現される。有益な実施形態は、従属請求項に定義される。
【0011】
前記目的は、具体的には、特に麻酔下の患者における生理学的機能の診断、実行及び制御の少なくともいずれかを行うための装置であって、少なくとも1箇所の身体領域又は身体部位、特に患者50の四肢(55)用の圧力デバイス(10)を備え、圧力上昇手段(21)及び圧力低下手段(22)が前記圧力デバイスに割り当てられ、管理デバイス(30)が設けられ、前記管理デバイスを用いて前記圧力デバイス(10)内の圧力が前記圧力上昇手段(21)及び圧力低下手段(22)を介して継続的に管理可能である装置により解決される。麻酔投与による作用は、本発明に係る装置を介して少なくとも部分的に補われる。本発明に係る装置では、循環血液量の再分配は、好適な外部圧迫により軽減することができる。例えば継続的に交換される調温空気又は調温流体を圧媒体として使用することにより、患者の中核体温も同時に正常値に維持する、又は標的を定めて昇温若しくは降温することが好ましい。一方、患者の心臓が、ある体積の投与に応答するかどうか、即ち体積応答性であるかどうかを解明するために、本発明に係る装置は診断用途にも用いられ、それを通してフランク・スターリング曲線のどの部分で心臓が機能しているか、またどの程度機能しているかを解明することができる。例えば四肢又は下半身の治療的圧迫又は診断的圧迫を通して、静脈還流の増加及び心臓の前負荷の増加が導かれ、それにより体積応答性心臓では拍出量が増加する。一方、非体積応答性心臓では、装置の補助の下、心臓活性薬剤又は循環活性薬剤の投与の指示を行うことができる。
【0012】
生理学的機能の診断、実行及び制御の少なくともいずれかを行うための装置は、具体的には、体温、末梢血液量、末梢還流を制御するための装置、心機能を検査するための装置、及び機械的換気を行うための装置の少なくともいずれかであってもよい。
【0013】
圧力デバイス(10)は、患者の四肢の少なくとも一部に圧力、具体的には外圧を印加することができるデバイスである。好ましくは、例えば、外部圧迫の四肢又は身体部位への適用としては以下の2つの可能性が考えられる。圧力デバイス(10)は、圧力チャンバ又は圧迫の原理のいずれに基づいていてもよい。外部圧迫は、四肢の上方に存在する圧力チャンバを通して、又は対応する身体部位を包む材料を通して達成され得る。圧力デバイスは、少なくとも1つの圧力チャンバ(12)及び圧力カフ(11)の少なくともいずれかを備えることが好ましい。圧力チャンバは、気圧の上昇及び低下を管理するための気密チャンバであることが好ましい。これは、例えば気密封止可能な還部を有する剛性外部体により達成することができる。圧力カフは、四肢に取り付けることができ、次いで印加される圧力を上げる又は下げることにより外部圧迫を作用させるカフである。かかる圧力カフは、衣類に類似する形状であってもよく、例えば圧力パンツ、圧力袖、又は圧力上着として構成されてもよい。好ましくは、圧力パンツは2本の足を取り囲むことができ、圧力レギンスは各片足を取り囲むことができ、圧力袖は各片手を取り囲むことができる。圧力デバイスは、心臓の方向に、身体部位の好ましくは少なくとも20cm、特に好ましくは少なくとも30cm、極めて好ましくは少なくとも40cmに亘って延在する。動脈圧を遥かに下回る圧力が圧力デバイスに印加されることが好ましい。したがって、圧力デバイスは、対応する身体部位における動脈圧より低い圧力を印加するよう構成されることが好ましい。したがって、圧力デバイスは、20mmHg未満、特に好ましくは10mmHg未満であり、且つ対応する身体部位における対応する静脈圧を上回る圧力を印加するよう構成されることが好ましい。この理由のために、この身体部位の動脈還流は遮断されない。
【0014】
身体領域又は身体部位は、患者の身体領域又は身体部位、例えば上体である。四肢又は手足は、上肢(上肢帯、腕、手)又は下肢(腰部、臀部、大腿部、下腿、足)の少なくとも一部であることが好ましい。それらに対して手術が行われない限り、四肢であることが多い。それは、具体的には自由四肢、例えば腕又は足に関連する場合がある。圧力デバイス(10)は、少なくとも2つの四肢用に構成されることが好ましい。本発明の意味における四肢とは、半身、例えば下半身又は上半身をも含む。圧力デバイス(10)は、患者の少なくとも1本の腕、少なくとも1本の足、胸、及び半身のいずれか用に構成されることが好ましい。圧力デバイス(10)は、患者(50)の身体(53)の少なくとも一部(上半身及び下半身の少なくともいずれか)用に構成されることが特に好ましい。極端な場合、患者の全身用の圧力デバイスを構築し、好ましくは手術を行う領域へのアクセスを可能にすることもできる。
【0015】
圧力上昇手段(21)及び圧力低下手段(22)は、それぞれ圧力デバイス(10)内の圧力を上昇又は低下させることができるデバイスである。これらは、圧力デバイス用のある種の供給ユニットを構成する。圧力デバイス内の圧力を変化させることにより、外的に印加される圧力が変化する。これは、対応する媒体を搬送するポンプの使用を通して行われ、それにより外的に印加される圧力が変化し得る。圧力上昇手段を用いると、圧力が上昇し、それにより圧迫が強まる。この上昇により、対応する身体部位における静脈圧から最高動脈圧程度の圧力を導き得ることが好ましい。圧力は、10mmHg〜20mmHg上昇することが好ましい。それによって、印加される圧力が静脈圧と動脈圧との間に位置することが好ましい。ヒトでは、関与する身体領域における中央静脈圧は、約0mmHg〜約30mmHgであり、中央動脈圧は、約60mmHg〜約140mmHgに位置する。
【0016】
既に記載した手順は、四肢及び適用可能な場合には、腹部において胸腔外静脈系の圧迫を主に導く。胸郭自体を静脈系の圧迫に利用することはできない。
【0017】
圧力低下手段を通して、例えば、チャンバの内側と患者の皮膚との間の対応するチャンバにおける印加圧力は低下する。ここで、チャンバの各構造部分の圧力は極めて高い圧力であってもよい。チャンバの内側と患者の皮膚との間の圧力は、気圧より低い圧力まで低下し得ることが好ましい。胸に吸引作用が及ぼされ、その結果呼息相において胸の拡張を導き、患者の吸息に影響を与え得ることが好ましい。吸息相では、呼息は、吸引作用の低下又は停止により胸及び肺の収縮力を通して受動的に影響を受け得ることが好ましい、或いは努力(補助付)呼息でさえも、チャンバの内側における陽圧の発生を通して影響を受け得る。
【0018】
管理デバイス(30)は、プロセッサ又は演算器であることが好ましい。圧力上昇手段及び圧力低下手段は、管理デバイスを介して管理され得る。この管理デバイスは、例えば独占的に提供され、本発明に係る装置に組み立てられるプロセッサなど、このタスクのためだけに構成され販売されていてもよく、又は例えば患者に対して既に用いられている既に入手可能なコンピュータ、具体的にはモニタなど、既に他のタスクを遂行しているデバイスを採用してもよい。管理デバイスは、圧力上昇手段及び圧力低下手段を介して、それぞれ圧力デバイスに圧力媒体を導入するポンプ又は圧力デバイスから圧力媒体を放出するポンプを管理するよう構成されることが好ましい。記憶ユニットが管理デバイスに割り当てられることが好ましい場合もある。
【0019】
圧力デバイス内の圧力は、管理デバイスを介して継続的に管理可能であることが好ましい。それにより、手術時間中、術後介護、又は術前に麻酔を導入する前の全期間に亘って且つ正確に圧力を管理することが可能になる。圧力を継続的に適合させることにより、患者の体内の血液量の移動が影響を受け得る。このように、管理デバイスを介して圧力デバイスに媒体を汲み上げる又は放出するだけではなく、経時的に圧力を選択的に管理することも可能である。
【0020】
本発明の更に好ましい実施形態では、圧力デバイス(10)が1超の圧力セグメント(15)を備える装置が提供される。それにより、更に正確に且つより可変的に外圧を印加することが可能になる。
【0021】
個々の圧力セグメントは、独立に管理可能であることが好ましい。このように、各圧力セグメントでは、管理デバイスを介して該圧力セグメントの四肢領域に印加される個別の圧力を調整することができる。また圧力セグメントは、まとめて管理可能であることが特に好ましい。それにより特殊な圧力パターンを印加することが可能になり、好ましくは経時的にそれを変化させることも可能であり、場合によっては、1群としてまとまっている異なる圧力セグメントに同一圧力を印加することも可能になる。同一圧力又は異なる圧力のいずれかで同時に複数の圧力セグメントを集団的に管理可能である圧力セグメントを設計することも考えられる。また個別の圧力セグメントは、調温可能であり、また別々に調温可能であり、特に経時的に可変的に調温可能であることが好ましい。本明細書では調温可能とは、圧力チャンバ又は圧力カフの圧力セグメントにおいて、好ましくは圧力媒体の調節により、特に好ましくは空気又は水の調節により、圧力セグメント内の温度を調整することを意味する。これは、温度の上昇に関連していてもよく、温度の低下に関連していてもよい。
【0022】
セグメントは、例えば仰向けになっている患者では、水平方向のセグメント化に加えて、互いのセグメント上に垂直方向にセグメント化された配置であってもよい。これは垂直方向の下方に位置する圧力セグメント内の圧力増加に起因する、重力のかかっている(depending)末梢身体領域(内:背部又は後部)の重力依存性血液蓄積量増加をより強く妨げることができるためである。
【0023】
本発明の更なる実施形態では、圧力上昇手段(21)が、圧力デバイス(10)に導入可能な流体又は気体を含み、場合によっては、圧力低下手段(22)が圧力デバイス(10)から抜き取り得る流体又は気体を含む装置が提供される。この方法では、圧力デバイス内の圧力を簡単に管理することができる。
【0024】
流体としては、主に水が考えられる。気体としては、周囲空気を用いることが好ましい。圧力デバイスを用いて加圧又は減圧(吸引)を調整でき、またチャンバ内部と患者の皮膚との間では、場合によっては、圧力パターンに従ってセグメント毎に印加される圧力を変化させることにより、患者の静脈血分布及び関連する末梢身体領域における静脈血流に影響を及ぼすことができる。
【0025】
本発明の更に好ましい実施形態では、空気圧又は液圧で圧力デバイス(10)を管理可能な装置が提供される。例えば、セグメントの圧迫圧を空気圧で管理することにより、圧力を特に簡単に調整することができる。
【0026】
本発明の更なる実施形態では、圧力デバイス(10)を気候的に調節可能であり、特に生理学的気候的に調節可能である装置が提供される。本明細書では気候的に調節可能とは、温度及び湿度の少なくともいずれかが制御され得ることを意味する。該制御は、気候調節デバイスを介して行うことができる。気候調節デバイスは、調温デバイス、又は調温デバイス及び調湿デバイスの少なくともいずれかを含むことが好ましい。このような方法では、圧力デバイスの領域内の患者の外殻温度を制御することも更に可能である。但し、圧力デバイスの個々のセグメントは、個々に気候的に調節可能である、又は場合によっては調温可能であることが好ましい。
【0027】
ある実施形態では、圧力チャンバは、下半身、腕、及び場合によっては胸郭上に設けられる。セグメント又はチャンバ内の空気(即ち、媒体)は、空気圧で管理可能であり、且つ生理学的気候的に調節可能である。全てのチャンバは、再利用可能なシステムとして構築されるか、又は好ましくは単回使用システムとして構築される。各空気圧式チャンバ内の圧力条件及び温度条件は、別々に、まとめて、又は供給ユニットと管理ユニットとをまとめて制御される。麻酔を開始しても中核温度の低下が生じないように、麻酔の開始前に、(調温された空気又は調温された水を継続的に循環させることにより)体の外側をチャンバ内の対応する温度まで加温してもよい。術中及び術後の低体温の問題は、これによって避けられる。一方、患者の外体温は、圧力手段として流体を使用して急速且つ選択的に低下又は上昇させ得ることが好ましい。
【0028】
更なる実施形態では、麻酔の開始と共に、胸腔外身体領域、特に下半身及び腕の外部圧迫を行ってもよい。これにより血液は、低圧系(静脈血系)から心臓の方向に「押し出され」、胸腔内に移動する。これに関して、静脈系の「押出」は、例えば1〜4/分の頻度で蠕動的に行われることが好ましい。基本の「押出」圧をより高頻度で追加的に調節すると、振動、並びに動脈血及び静脈血供給が更に促進される。これにより、胸腔内の血液量を維持するための液体を人工的に注入することが、部分的に又は更には完全に可能になる。
【0029】
更なる実施形態では、胸郭(胸腔)上に密封圧力チャンバが圧力デバイスとして設けられる。それにより非加圧条件下では、胸腔チャンバは、胸腔の周囲で睡眠適応的に(sleep−flexibly)、且つ密閉されて閉じる。圧力伝達構造(例えば圧力管)は、主に睡眠適応性胸腔チャンバに組み込まれることが好ましく、該圧力伝達構造は、対応する圧力の圧力媒体で満たされたとき、硬く、外向きに曲がっている弓形であると推定され、それにより胸郭を加圧するため、肺に空気又は換気気体が流入することにより、胸郭を拡張させ、ひいては吸息を導く。吸息相における吸引作用を低下又は停止させることにより、呼息は、胸郭及び肺の収縮力を通して受動的に影響を受け得ることが好ましく、或いは努力(補助付)呼息さえもチャンバ内側における陽圧の発生を通して影響を受ける。
【0030】
循環に関して、外部吸引の結果としての胸腔の拡張により胸腔内吸引効果も引き起こされ、胸腔外から胸腔内への循環血液量の再分配が補助される。胸腔チャンバの硬化系(stiffening system)における圧力の好適な周期的管理を用いて、補助換気又は完全換気を行うことが可能である。この方法では、換気デバイスの低陽圧作用及びそれによる低胸腔内圧により、呼吸周期における同体積が実現し得る。理想的なケースとしては、完全外部機械換気は、人工肺の原理に従った胸腔に対する外部吸引により提供される。この場合、麻酔を行うためには、単なる気道保護(自由な気道アクセスの保証)及び例えば咽頭マスクを介した吸引保護(胃液の吸入を防ぐための気道封鎖)で十分である。
【0031】
本発明の更なる実施形態では、管理デバイス(30)が、少なくとも1つのセンサ(35)の信号を受信するよう設定される装置が提供される。この方法では、測定される信号は、更なる処理のために管理デバイスに送信されてもよい。管理デバイスは、場合によってはこれら測定される信号又は測定値に基づいて圧力デバイス内の圧力を制御するための対応するパラダイムを決定又は適用することができる。
【0032】
本発明の更なる実施形態では、皮膚温度、中核温度、血圧、脈拍−酸素測定酸素飽和度、心拍数、伝導率、及び湿度の少なくともいずれかを少なくとも1つのセンサを介して検出可能である装置が提供される。更に、少なくとも1つのセンサは、心拍数を測定するためのECG及び胸腔電気インピーダンス、インピーダンス心拍出量、インピーダンス胸腔流体量、及びインピーダンス呼吸量を取得するために胸腔チャンバ(1又は複数)内に設けられてもよい。
【0033】
本発明の更なる実施形態では、管理デバイス(30)が、静脈還流、心臓の前負荷、及び心臓の拍出量の少なくともいずれかを処理することができるよう設定される装置が提供される。したがって、圧力を調整するための管理デバイスによりこれらの値も考慮され得る。
【0034】
本発明の更なる実施形態では、センサ(35)の信号値及びそれから得られる値の少なくともいずれか;例えばパルス圧力変動PPV、拡張終期総量、胸腔内血液量、心拍出量、動脈圧などに基づいて、圧力デバイス(10)内の圧力及び温度の少なくともいずれかを調整するよう管理デバイス(30)が設定される装置が提供される。
【0035】
本発明の更なる実施形態では、場合によっては、経時的に変化する圧力パターン又は温度パターンに従って、圧力デバイス(10)内の圧力及び温度の少なくともいずれかを管理するよう管理デバイス(30)が設定される装置が提供される。経時的にかかるパターンを用いて、体液、特に血液の移動に選択的に影響を与えることができる。大気圧より低い圧力及び大気圧より高い圧力の変動パターンを用いる患者の換気も実現可能である。場合によっては、これら圧力パターン又は温度パターンは、測定値又はそれから得られる値に基づいて可変的又は固定可能であることが好ましい。測定値の変化と共に、印加される圧力パターンの変化を通して標的を絞って反応することが可能である。したがって、調整管理はオンラインで、即ち測定値又はそれから得られる値に応答してフィードバック制御ループで行われることが好ましい。
【0036】
本発明の更なる実施形態では、管理デバイス(30)がモニタ(39)と接続される装置が提供される。供給ユニット及び管理ユニットと、モニタとを接続できることが好ましい。モニタは、区画全体として又は個々の区画毎に胸腔内液及び血液量を取得することが好ましい。モニタは、心拍数及び心拍出量の決定、並びに中核温度の連続的検出の少なくともいずれかを行うことが好ましい。
【0037】
治療フィードバックモードでは、供給ユニット及び管理ユニットは、モニタにより処理され、胸腔内液及び血液量が減少し、その結果として心拍出量が減少すると、身体区画に対する圧迫圧を増加させることが好ましく、該圧迫圧は、操作者が予め選択される最高圧(好ましくは蠕動的振動/揺動)まで任意的に予め選択可能である。これは、再度胸腔により多くの血液を移動させ、心拍出量を増加させるためである。一方、胸腔内液及び血液量の増加と共に圧迫圧が低下する場合もあり、適用されない場合さえもある。
【0038】
個々の圧縮チャンバ内の圧力、又は場合によっては圧力カフ若しくはセグメント内の圧力は、それ程強固に一定に保たれる訳ではなく、個別の圧力セグメント/チャンバを連続的に通過する圧力波の定方向管理が行われることが好ましく、これは例えば15秒間末梢から中枢への揺動の重ね合わせ(oscillating superposition)と共に本質的に蠕動的に血液を拍出するのに寄与する。この方法で構成される波形圧迫は、更に正確に且つ効率的に管理され得、より個々に管理可能な圧力セグメント又はチャンバ、例えば圧力カフ又は下半身用圧力パンツを構成する。波形圧迫は、要件及び循環条件に従って、大気圧又は大気圧より高い圧力から始まってこの圧力に戻り得る。通常、圧力パターンにおける最大圧を意味する、生じる圧力波のピーク圧は、圧迫される身体領域における平均静脈圧を確実に超えるが、中央心臓拡張期動脈圧より確実に低くなるよう選択される。したがって、印加される圧力パターンの中央圧は、対応する身体領域の静脈圧より低くてもよく、等しくてもよく、又は高くてもよい。中核体温は、加圧下のチャンバを通過する空気流温度の対応する制御を介した末梢及び下体又は胸腔圧力チャンバの対応する加熱を通して、又は他の熱源による更なる対流加熱を通して同時に制御されてもよい。
【0039】
診断フィードバックモードでは、モニタは、供給ユニット及び管理ユニットの少なくともいずれかを誘導して、予め選択可能な身体区画又は圧力セグメント内で、予め選択可能な期間、予め選択可能な圧迫圧パターンを実行することが好ましい。圧迫圧を上昇させ、次いで低下させることが好ましいが、圧迫圧を低下させ、次いで再度上昇させてもよい。
【0040】
上記のような診断手順を用いて、胸腔内血液量と、それにより心拍数及び心拍出量とが一時的に増加する、或いは減少するが、これは心臓が体積応答性である場合にしか生じない。かかる手順の結果は、パルス圧力変動PPVなどの対応するパラメータ、フォトプレチスモグラフィパルス信号の変動、拍数の増加、並びに/又は心拍出量及び類似の「体積負荷」パラメータの増加により、モニタ上で操作者に示される。該結果は、体積投与(注入溶液又は血液)により、又は心臓強化薬、所謂血管作動薬の投与を介して心臓のポンプ性能が向上し得るかどうかの決定を補助する。
【0041】
本発明の更なる実施形態では、圧力デバイス(10)が少なくとも1つのシーリングカラー(13)を備える装置が提供される。かかるシーリングカラーにより、圧力チャンバから患者への移動中に圧力が(本質的に)逃げず、又は胸腔チャンバの場合には、外部空気の流入が生じさせた圧力を乱さない又は弱めないことを保証することができる。
【0042】
圧力チャンバ系には、各々の移動部に液圧封止が設けられることが好ましい。この目的のために、しっかりフィットするよう構成されたシーリングカラーが設けられる。例えば、これらシーリングカラーは、下半身用圧力チャンバ区画内の腰部の周囲に、又は四肢用チャンバ内の上肢上に設けられてもよい。
【0043】
本発明の更なる実施形態では、少なくとも1つのシーリングカラー(13)が少なくとも1つのセンサ(35)を備える装置が提供される。この様式に対応するセンサは、シーリングカラーが身体にしっかりフィットすることにより患者に密着する。
【0044】
従ってシーリングカラーは、様々な非侵襲性生体センサ、例えばECG、温度計、オシロメトリック又は他の種類の血圧測定器、血圧測定器、パルス酸素濃度計、電気インピーダンストモグラフィ、及び電気インピーダンスカルジオグラフィの少なくともいずれかを備えることが好ましい。好ましくは使い捨て生体センサを対応する使い捨てカフに設けてもよく、場合によっては既に組み込まれていてもよい。
【0045】
圧力チャンバの場合チャンバ系は、実際の手術をできるだけ妨げないよう構築されることが好ましい。したがって、下半身用チャンバ系は、例えば手術器具などを置くための表面としても機能し得る。構造によっては、衛生的理由のために、衛生的に完璧な滅菌システムで内部空間及び外表面を被覆することも有益である。
【0046】
上記の通り、圧力チャンバに加えて、対応する身体部位を包む材料を用いて外部圧迫も達成し得る。本発明の場合、対応する身体部位を取り囲む圧力カフが他の好ましい実施形態として記載されている。本発明のカフでは、媒体として空気が使用されることが好ましく、圧迫圧の空気圧による管理に加えて、調温された空気の連続的循環を通してカフの調温が行われることが好ましい。これは身体から熱が失われるのを防ぐため、且つ身体に熱を移動させ得るようにするためである。
【0047】
全てのカフは、再利用可能な系として構築することができるが、使い捨て系として構築されることが好ましい。
【0048】
下半身用の場合、圧力カフは各脚用(可能であれば足先まで入る)に個々に設計されることが好ましい。或いは、圧力カフは、腰部ベルトの高さまでの「圧力パンツ」という意味のパンツとして設計される。上半身用の場合、「圧力ジャケット」と同様に、個別の腕用の袖(可能であれば手まで入る)が提供されることも好ましい。
【0049】
圧力カフは、同時にほぼ理想的に褥瘡を防ぐことができるという点で特に有利である。
【0050】
全身用手術着が提供されることが好ましい。該手術着は、病室内にてより早い段階で患者に着用させてもよい。手術領域は、事前に滅菌されていることが好ましく、また病室内も同様であり、手術領域は、手術着の透明な窓の下方に位置する。滅菌カバーが手術着と一体化しており、手術の開始時に簡単に折り畳めることが好ましい。生体センサと空気圧式/気候管理との接続は全て、フランジ様に構成されることが好ましい。したがって、手術前後の活動において多くの手順上の利点を得ることが可能である。
【0051】
次に添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。これに関して、以下を図に示す。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、腕用の本発明の装置の実施形態の概略図である。
【図2】図2は、脚用の本発明の更なる実施形態の図である。
【図3】図3は、胸郭用の本発明の更なる実施形態の図である。
【図4a】図4aは、吸入状態における図3の実施形態の更なる図である。
【図4b】図4bは、呼気状態における図3の実施形態の更なる図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1は、本発明の装置の実施形態の概略図を示す。特に麻酔下の患者における生理学的機能の診断、実行及び制御の少なくともいずれかを行うための装置1は、圧力デバイス10を備える。この圧力デバイス10は、手袋形態の手部の付いた上腕用袖形態の圧力カフとして構成される。更に、圧力上昇手段21及び圧力低下手段22と接続される管理デバイス30が設けられる。圧力上昇手段21及び圧力低下手段22は、それぞれ管25.1及び管25.2を介して圧力デバイス10に接続される。圧力デバイス10は、6つのセグメント15.1〜15.6からなる。これら圧力セグメント15.1〜15.6は、互いに隣接するほぼ等しいセクションであるよう、圧力デバイスに取り囲まれている腕に沿って一定の間隔で配置される。最初の5つのセグメント15.1〜15.5は、腕を挿入することができる円筒形断面を有する圧力カフとして構成される。6つ目のセクションは、手を挿入することができる手袋形態の圧力セグメント15.6として構成される。個別の圧力セグメント15.1〜15.6は、管25.1及び管25.2を介して圧力上昇手段21及び圧力低下手段22により個別に管理可能である。調温手段29は、圧力上昇手段21及び圧力低下手段22に接続され、それらを介して圧力上昇手段21及び圧力低下手段22で用いられる媒体(ここでは空気)を調温することができる。調温手段29は、管理デバイス30を介して管理され得るように管理デバイス30と更に接続される。センサ35.1及びセンサ35.2も圧力カフ上に設けられる。センサ35.1は、温度センサであり、センサ35.2は、皮膚の水分を測定するためのセンサである。
【0054】
手術では、手袋セクション15.6を有する袖形態の圧力デバイス10に患者の腕を挿入する。それにより、センサ35.1及びセンサ35.2も皮膚に固定される。次いで、圧力上昇手段21を介して、圧力セグメント15.1〜15.6を予め決定されている圧力に調整する。この圧力を患者の腕に印加する。次いで、圧力波がセグメント15.6〜15.1に伝わるように、管理デバイス30が圧力上昇手段21及び圧力低下手段22を管理する。該圧力波は、例えば、セグメント15.6内の圧力が上昇し、次いでセグメント15.5内の圧力が上昇し、遅れてセグメント15.4内の圧力が上昇すると同時にセグメント15.6内の圧力は再度低下し、次いでセグメント15.3内の圧力が上昇し15.5内の圧力は低下し、次いで15.2が上昇し15.4が低下すると同時に15.6内の圧力が再度上昇し、これから第1の波の後に続く第2の波が開始されるように生じる。これにより血液は、自己注入の場合と同様に腕から体に戻る。
【0055】
またセグメント15.1〜15.6をまとめて管理して、これら全セグメント内の圧力が周期的に上昇及び低下してもよい。それにより血液量が体内を移動する。
【0056】
任意的に、調温デバイス29を介して、後にカフに運ばれる空気又は圧力流体を調温してもよい。それによってカフを加温又は冷却し、腕の温度を制御することができる。或いは、調温デバイス29を加熱コイルとして圧力カフに直接組み込み、そこで電気的又は化学的に加熱又は冷却を行うことも可能である。
【0057】
図2は、脚用の本発明の更なる実施形態の図を示す。生理学的機能の診断、実行及び制御の少なくともいずれかを行うための装置1は、「パンツ」形態で構成される圧力デバイス10を備える。これら「パンツ」は、いずれの場合も靴下部を有するレギンスと腰部領域用セクションとを備える。この圧力デバイス10の上端は、シーリングカラー13である。「圧力パンツ」10は、腰部領域から靴下部まで互いに隣接して配置される個別の圧力セグメント15.1〜15.7を更に備える。場合によっては、圧力デバイス10又は個別の圧力セグメント15.1〜15.7は、管25.1〜25.7を介して制御デバイス40と接続される。制御デバイス40は、圧力上昇手段21、圧力低下手段22、気候調節デバイス27、及び管理デバイス30を備える。気候調節デバイス27は、水分調節手段28及び調温手段29を備える。シーリングカラー13の領域には、シーリングカラー13の印加圧力により患者の皮膚に固定されるセンサ35が配置される。
【0058】
「圧力パンツ」10を患者に着用させ、空気が圧力パンツ10から逃れられないように、患者の皮膚に対してシーリングカラー13を用いて腰部領域で封止する。次いで、制御デバイス40を用いて、圧力上昇手段21及び圧力低下手段22を介して圧力パターンを印加する。それにより周囲空気が、個々の圧力セグメントにそれぞれ押し込まれる又は引き出される。それにより圧力セグメント15.2〜15.7は、両方の脚と一体化し、その結果それぞれの圧力セグメント下の対応する身体領域に対して圧力パターンがパラレルに作用することができる。右脚及び左脚に対して別々に圧力セグメント15.2〜15.7を設け、圧力セグメント左15.2〜圧力セグメント左15.7及び圧力セグメント右15.2〜圧力セグメント右15.7を互いに個々に且つ別々に管理することも考えられる。気候調節デバイス27を用いて、管25.1〜管25.7を介して導入される空気の温度及び湿度をそれぞれ調整することが可能である。この方法では、患者の外体温を制御することができる。圧力チャンバ内における患者の温度及び水分、又は空気の温度及び水分は、センサ35を介して確認することができる。気候調節デバイス27を介して温度及び水分を再調整することができるように、この測定値を制御デバイスにフィードバックしてもよい。
【0059】
この方法では、血液量の移動を補助することができる。周期的且つ律動的圧迫を行うことにより注入液投与を避けることができる。それにより、末梢還流を促進することができる。更に、この圧力パンツを用いて塞栓症を予防することが可能である。
【0060】
図3は、胸郭用の本発明の更なる実施形態の図を示す。圧力デバイス10は、「圧力ベスト」形態で提供される。腕用出口、頭部用出口、及び腰部の末端部において、シーリングカラー13.1〜13.4が設けられる。シーリングカラーは、患者にシーリングカラー自体の圧力がかかることなしに患者の皮膚上に位置するよう構築される。これらシーリングカラーは、シーリングカラーと皮膚との間に例えばゲルを用いることにより封止されることが好ましい。圧力セグメント15.1は、チューブ状チャンバの形態で胸郭上に縦方向に設けられ、圧力ベストにしっかりと取り付けられる。同様にチューブ状チャンバの形態である圧力セグメント15.2は、胸郭を横断するよう横方向に設けられる。これら圧力セグメント15.2及び15.2は、高圧、好ましくは最高1バールまでの圧力用に構築され、特に長手方向には拡張可能であるが、直径方向には拡張できないよう構築されることが好ましい。例えば、かかる圧力の印加下でこの種のチューブの長さが変化して、圧力ベストを拡張及び縮小させるようシリコンでこれら圧力セグメントを作製してもよい。また、これらチューブ状圧力チャンバを、ベスト上に取り付ける、縫い付ける、又は1種の蛇腹状チューブとしてひだを付けることも考えられる。したがって、ベストから見て外方向の側よりも、ベストに接触している側に、距離当たりより多くのチューブ状圧力セグメントの材料が固定される。この種の蛇腹状構造が膨張すると、ベストは取り付け具の種類に従って拡張する。逆にひだを付けると、即ちチューブ状構成要素の外方向の側にひだを付けると、ベストは圧縮される。圧力ベスト自体は、少なくとも1つの圧力セグメント15.3を備え、それを介してベストの領域における患者の表面に直接圧力を印加することができる。個々の圧力セグメント15.1〜15.3は、管25.1〜25.3を介して制御デバイス40(例えば図2の制御デバイスのように構成されている)に接続される。
【0061】
手術では、管25.1〜管25.3を介して圧力セグメント15.1〜15.3内に加圧空気を導入する、又は場合によっては加圧空気を引き出すことも可能である。図1及び図2の実施形態と同様に、この場合も圧力パターンを患者に作用させ、圧力セグメント15.3を介して体温を制御することができる。圧力は、これに関して、静脈圧の範囲内である又は静脈圧より僅かに高い(0トール〜30トール)。それにより、律動的且つ振動的に圧力セグメント15.3に圧力がかけられる。
【0062】
それぞれチューブ状に形成された圧力セグメント15.1及び15.2を介した対応する圧力チャージを用いて患者の呼吸を補助することができる、又は患者が呼吸を独力で実行することさえもできる。これについては、図4a及び図4bを参照してより正確に説明するものとする。
【0063】
図4aは、吸息状態における図3の実施形態の更なる図を示す。図3の管及び制御デバイスは、この図には示していない。
【0064】
加圧空気が、長手方向にのみ拡張可能な圧力セグメント15.2に導入され、該圧力セグメント15.2はその後直ちに拡張される。圧力セグメント15.1は、プロセス中圧力が低く、大気圧より低い圧力が供給される場合さえもあり、これは自発吸息から生じる肋骨の位置変化と同様に、構造を短くし、全体として構造を直立させる効果がある。この拡張及び圧力ベストとの強固な接続のために、ベストは拡張されて、胸郭に吸引効果をもたらす。胸郭が上昇し、同時に患者が吸息する。
【0065】
図4bは、呼息状態における図3の実施形態の更なる図を示す。
【0066】
この図では、図4aの加圧空気が放出され、チューブ状圧力セグメント15.2が再度収縮し(速度が速い場合又は「努力呼吸」の場合、これらは大気圧よりも低い圧力で収縮することもできる)、圧力セグメント15.1に同時に圧力がかかり、全体として自発呼吸と同様に、胸郭の低下を導く。これは、これらチューブ状圧力セグメント15.1及び15.2に対応する材料を選択することにより補助されることが好ましい。該圧力セグメントは、例えば弾性であり且つ長手方向にのみ拡張可能な材料から形成され、図4bにおける弛緩状態の胸郭に僅かに圧力作用を及ぼすよう予め伸長しているものなどである。
【0067】
この方法では、図3、図4a、及び図4bに係る実施形態を用いて患者を人工的に換気させることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 生理学的機能の診断、実行、及び制御の少なくともいずれかを行うための装置
10 圧力デバイス
11 圧力カフ
12 圧力チャンバ
13 シーリングカラー
15 圧力セグメント
21 圧力上昇手段
22 圧力低下手段
25 管
27 気候調節デバイス
28 調湿手段
29 調温手段
30 管理デバイス
35 センサ
40 制御デバイス
50 患者
53 患者の身体
55 患者50の四肢

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に麻酔下の患者において、生理学的機能の診断、実行、及び制御の少なくともいずれかを行うための装置(1)であって、患者の少なくとも1つの身体領域用の圧力デバイス(10)を備え、圧力上昇手段(21)及び圧力低下手段(22)が前記圧力デバイス(10)に割り当てられ、管理デバイス(30)が設けられ、該管理デバイス(30)を用いて、前記圧力上昇手段(21)及び前記圧力低下手段(22)を介して前記圧力デバイス(10)内の圧力を継続的に管理可能であることを特徴とする装置。
【請求項2】
圧力デバイス(10)が患者の少なくとも1本の腕、少なくとも1本の脚、胸郭、及び下半身の少なくともいずれか用に構成される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
圧力デバイス(10)が四肢のうちの少なくとも2本用に構成される請求項1から2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
圧力デバイス(10)が患者(50)の身体(53)の少なくとも一部用に構成される請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
圧力デバイス(10)が1超の圧力セグメント(15)を備える請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
圧力上昇手段(21)が圧力デバイス(10)に供給され得る流体又は気体を含む請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
圧力低下手段(22)が圧力デバイス(10)から引き出し得る流体又は気体を含む請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
圧力デバイス(10)が空気圧で管理可能である請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
圧力デバイス(10)が気候的に調節可能である請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
管理デバイス(30)が少なくとも1つのセンサ(35)から信号を受信するよう設定される請求項1から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのセンサ(35)を介して皮膚温度、中核温度、血圧、伝導率、及び水分の少なくともいずれかを検出可能である請求項10に記載の装置。
【請求項12】
管理デバイス(30)が静脈還流、心臓の前負荷、及び心拍数の少なくともいずれかを処理することができるよう設定される請求項1から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
管理デバイス(30)がセンサ(35)の信号値及びそれから得られる値の少なくともいずれかに基づいて、圧力デバイス(10)内の圧力及び温度の少なくともいずれかを調整するよう設定される請求項1から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
管理デバイス(30)が経時的に変化する圧力パターン又は温度パターンに従って、圧力デバイス(10)内の圧力及び温度の少なくともいずれかを制御するよう設定される請求項1から13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
管理デバイス(30)がモニタ(39)と接続されている請求項1から14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
圧力デバイス(10)が少なくとも1つのシーリングカラー(13)を備える請求項1から15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのシーリングカラー(13)が少なくとも1つのセンサ(35)を備える請求項16に記載の装置。
【請求項18】
圧力デバイス(10)が圧力カフ(11)及び圧力チャンバ(12)の少なくともいずれかを少なくとも1つ備える請求項1から17のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2011−516223(P2011−516223A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504382(P2011−504382)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002837
【国際公開番号】WO2009/127427
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(509245821)ユーピー メッド ゲーエムベーハー (7)
【氏名又は名称原語表記】UP MED GMBH
【住所又は居所原語表記】Neumarkter Str. 41 81673 Munchen (DE)
【Fターム(参考)】