説明

特典付与システム、特典付与ゲーム機、及び特典記憶媒体

【課題】遊技施設及びプレイヤの双方にとって魅力ある継続プレイを行うことが可能な特典付与システム、特典付与ゲーム機、及び特典記憶媒体を提供すること。
【解決手段】特典付与システム(1)は、ゲーム機(10)のプレイヤを特定するプレイヤ特定情報及びプレイの状態を示すプレイ状態情報を記憶する記憶手段(22、62)と、ゲーム機によりプレイが終了された後、所定の期間内にプレイの継続プレイを開始する継続プレイ開始情報を受け付ける入力制御手段(32)と、受け付けた継続プレイ開始情報と記憶されたプレイヤ特定情報とを用いて継続プレイのプレイヤとプレイのプレイヤとが同一プレイヤか否かを判定(判定手段34)した結果に応じて、プレイ状態情報に基づき継続プレイに関する有利な特典をプレイヤに付与する特典付与手段(36)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特典付与システム、特典付与ゲーム機、及び特典記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主として遊技施設に設置されるゲーム機において、プレイを終了後に、コンティニューの画面を表示し、所定の期間内にコイン等のクレジットを追加投入することにより、続きのプレイを開始可能なゲーム機が開示されている。このような、いわゆるコンティニュー・プレイ(継続プレイともいう)は、ゲームオーバーとなったプレイを、例えば、ゲームオーバー前の状態から続けて行えるものであり、各種の利点を有する。プレイヤにとっては、例えば、最初のやさしい場面からプレイを開始する煩わしさが解消され、未知なプレイである続きのプレイから行えるという利点を有する。また、コンティニュー・プレイに要するクレジットが、通常のプレイよりも少ないゲーム機が存在するが、この場合には、少ないクレジットでプレイを行えるという利点をも享受しうる。他方、遊技施設側においては、コンティニュー・プレイは、例えば、ゲームオーバー前の状態から始まるため、一般的には難しい場面からプレイが再開される。このことにより、プレイヤのプレイ時間が、通常のプレイに比較して短くなることが経験的に認められており、ゲーム機の稼働率の向上に貢献するという利点を有する。
【0003】
しかし、プレイヤにとって、ゲームオーバー前の状態から続けて行うことができても、技量がゲームクリアするまでに満たない場合は、コンティニュー・プレイを行ってもすぐにゲームオーバーとなってしまうことになり、プレイヤがコンティニュー・プレイを行う契機となりにくい。
【0004】
このコンティニュー・プレイに関して、複数のステージを有するゲームにおいて、1つでもクリアしたステージがある場合には、他のステージでコンティニュー回数がなくなっても、クリア済ステージに戻って繰り返しプレイを行うことにより技量を磨きつつ、コンティニュー回数を蓄積することにより、クリアできなかったステージを何度でも挑戦できるようにしてプレイヤのゲームに対する踏破意欲を増大させることができる複数ステージを持つゲーム機が開示されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−54305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のゲーム装置では、クリア済のステージに戻って技量を磨きながらコンティニュー回数を蓄積する構成となっている。その結果、特許文献1に例示されている携帯ゲーム機のような、時間に制約なく行える家庭用ゲーム機には有用であると考えられる。
しかし、業務用ゲーム機の場合には、遊技施設にとってクリア済のステージに戻ってコンティニュー回数を蓄積するプレイは、結局プレイヤが行うプレイ時間が長くなることにつながり、稼働率の向上に貢献し得ない結果となる。また、プレイヤにとっても、別の側面から見れば、既にクリア済のステージを何度も行わなければならず、やさしい画面からプレイを開始するという煩わしさが依然として残る。
【0006】
そこで、本発明は、遊技施設及びプレイヤの双方にとって魅力ある継続プレイを行うことが可能な特典付与システム、特典付与ゲーム機、及び特典記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0008】
請求項1の発明は、ゲーム機(10)のプレイヤを特定するプレイヤ特定情報及びプレイの状態を示すプレイ状態情報を記憶する記憶手段(22、62)と、前記ゲーム機により前記プレイが終了された後、所定の期間内に前記プレイの継続プレイを開始する継続プレイ開始情報を受け付ける入力制御手段(32)と、受け付けた前記継続プレイ開始情報と記憶された前記プレイヤ特定情報とを用いて前記継続プレイのプレイヤと前記プレイのプレイヤとが同一プレイヤか否かを判定(判定手段34)した結果に応じて、前記プレイ状態情報に基づき前記継続プレイに関する有利な特典を前記プレイヤに付与する特典付与手段(36)と、を備える特典付与システム(1)である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の特典付与システム(1)において、前記記憶手段(22、62)は、前記特典を、前記プレイヤ特定情報と共に記憶することを特徴とする特典付与システムである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の特典付与システム(1)において、前記記憶手段(62)は、前記ゲーム機(10)とネットワーク(5)を介して接続されたサーバ(3)が備えることを特徴とする特典付与システムである。
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の特典付与システム(1)において、前記記憶手段は(22)、前記ゲーム機(10)による前記プレイで使用する媒体(20)が備えることを特徴とする特典付与システムである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の特典付与システム(1)において、前記媒体(20)は、前記ゲーム機(10)の前記プレイで使用するカード型の媒体であることを特徴とする特典付与システムである。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の特典付与システム(1)において、前記記憶手段(22、62)は、前記特典付与手段(36)により前記特典が付与された回数を示す特典付与回数を記憶し、前記特典付与手段は、記憶された前記特典付与回数に応じて前記特典を変化させることを特徴とする特典付与システムである。
【0010】
請求項7の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の特典付与システム(1)を備えることを特徴とする特典付与ゲーム機(10)である。
【0011】
請求項8の発明は、ゲーム機(10)のプレイヤを特定するプレイヤ特定情報、及び前記ゲーム機の継続プレイを開始するための継続プレイ開始情報と前記プレイヤ特定情報とを用いて判定した同一プレイヤか否かの判定結果に応じて付与される前記継続プレイに関する有利な特典を記憶することを特徴とする特典記憶媒体(20)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、ゲーム機のプレイヤを特定するプレイヤ特定情報と、継続プレイを開始する際に入力する継続プレイ開始情報とを用いて、同一プレイヤか否かを判定し、判定結果に応じて継続プレイに関する有利な特典を付与するので、プレイヤにとって、最初からプレイを始めなくてよいという利点を有する。また、遊技施設にとって、比較的短時間でプレイが終了するため、ゲーム機の稼働率の向上に貢献することができる。よって、遊技施設及びプレイヤの双方にとって魅力ある継続プレイを行うことができる。
また、同一プレイヤと判断された場合に、適切に特典を付与することができるため、プレイヤ本人が継続プレイを行う場合にのみ特典を利用できる。よって、他人のなりすましによる特典の利用を防ぎ、ゲームの公平性が担保される。
(2)本発明は、特典を記憶するため、後に行うプレイに特典を使用することができる。そのため、プレイヤは付与された特典を有効に活用することができる。
(3)本発明は、サーバにプレイヤ特定情報及びプレイ状態情報を有するので、異なるゲーム機でプレイを行う場合であっても、サーバに登録したプレイヤ特定情報を使用することができる。また、大容量のデータを記憶可能なサーバの特性を生かした、情報の保有を行うことができる。
(4)本発明は、媒体にプレイヤ情報及びプレイ状態情報を有するので、異なるゲーム機でプレイを行う場合であっても、媒体に有するプレイヤ特定情報を使用することができる。
(5)本発明は、プレイで使用するカード型の媒体を、継続プレイを行う際に用いることができるので、媒体の有効活用を図ることができる。
(6)本発明は、継続プレイにより特典が付与された回数に応じて特典を変化させるので、特典が付与されるにつれて、有利な特典を付与することができる。よって、プレイヤに、何回も継続プレイを行わせるための動機づけとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、遊技施設及びプレイヤの双方にとって魅力ある継続プレイを行うことが可能な特典付与システム、特典付与ゲーム機、及び特典記憶媒体を提供するという目的を、ゲーム機のプレイヤを特定するプレイヤ特定情報と、継続プレイを開始する際に入力する継続プレイ開始情報とを用いて、同一プレイヤか否かを判定した結果に応じて継続プレイに関する有利な特典を付与することによって実現した。
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0015】
(第1の実施形態)
[システムの全体構成図]
図1は、第1の実施形態の一例に係る特典付与システム1(以下、単にシステム1という)の全体構成を示す図である。システム1は、特典付与ゲーム機10(以下、単にゲーム機10という)、及びカード20からなる。
【0016】
ゲーム機10は、プレイヤがコインを投入することにより、プレイを開始するものであり、また、コンティニュー・プレイ(継続プレイ)を実施可能なものである。ゲーム機10は、通常は、ゲームセンター等の遊技施設に設置される。ゲーム機10が備える筐体11には、プレイヤがディスプレイ12を見ながらプレイができるように、プレイヤの視認可能な位置にディスプレイ12が配置されている。ディスプレイ12には、プレイ開始前は、例えば、当該ゲーム機10のゲーム内容等を示すデモンストレーション画面(以下、デモ画面という)が表示される。また、プレイ中は、プレイに応じたプレイの内容が表示される。
【0017】
ディスプレイ12の下方には、プレーヤが操作入力するための入力コントローラ13が、プレーヤの腰の位置付近の高さ、かつ、プレーヤの左右の手でそれぞれ操作しやすい位置にある台座上に配置されている。入力コントローラ13は、上下左右に操作可能な操作レバーと各種ボタンとを有する。また、入力コントローラ13の右奥方には、コイン投入口14が設けられている。プレイヤは、コインをコイン投入口14に投入することにより、プレイを開始することができる。さらに、台座の正面方向の側面の右方には、カード挿入口15を備える。プレイヤは、コイン投入口14にコインを投入後、所定の時間内にカード挿入口15にカード20を挿入することにより、カード20を使用したプレイを行うことができる。
【0018】
なお、ゲーム機10は、コインをコイン投入口14に投入することによりプレイを開始するものとしているが、例えば、プリペイドカード等のプレイ料金の支払いを実現できるものであれば何でもよい。
また、ゲーム機10は、カード挿入口15を備える構成としているが、カード20が非接触型のカードである場合には、ゲーム機10にタッチすることによりカード20の情報を読み書きすることができるようなタッチ部を備える構成としてもよい。
【0019】
カード20は、ゲーム機10で使用するカード型の媒体であり、例えば、プラスチック・カードの内部にIC(集積回路)チップを埋め込んだICカードを指す。このカード20にプレイヤの特定をするための情報等を有することにより、後述するコンティニュー・プレイでの有利な特典を得ることができる。ここで、プレイヤを特定する情報とは、例えば、プレイヤを一意に示すIDや、プレイヤの氏名及び生年月日等のプレイヤの個人情報を指す。
なお、カード20はICカードに限らず、磁気カード等であってもよいし、カード型の媒体ではなく、例えば、車のキー型のような他の型を有する媒体であってもよい。
【0020】
[機能ブロック図]
図2は、第1の実施形態の一例に係るゲーム機10、及びカード20の機能ブロックを示した図である。
ゲーム機10は、制御部30及び記憶部40を備えている。制御部30は、本発明を実現するものとして、主に各種入力を制御する入力制御手段32、カード20の情報を用いて同一プレイヤか否かを判定する判定手段34、判定結果に応じてプレイにおける有利な特典を付与する特典付与手段36、及び各種出力を制御する出力制御手段38を含む。ここで、各種入力とは、例えば、入力コントローラ13からの操作入力、コイン投入口14からのコイン入力、及びカード挿入口15に挿入されたカード20の情報入力が挙げられる。また、各種出力とは、例えば、ディスプレイ12へのプレイ内容の出力及びカード挿入口15への特典情報等の出力が挙げられる。
【0021】
制御部30は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該ゲーム機10の全体を制御するものである。制御部30は、記憶部40に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ゲーム機10のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
記憶部40は、制御部30で実行される各種のプログラムを記憶する領域を有する他、一時的な実行領域を含むものである。記憶部40を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、半導体記憶装置、磁気ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)等が含まれる。
【0022】
カード20は、記憶手段22を有する。記憶手段22は、プレイヤを特定する情報や、ゲーム機10から出力されたプレイに関する特典情報を記憶する。例えば、ICカードの場合、カード20の中に組み込まれたICチップに情報の記録を行う。また、カード20には、半導体メモリ(ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)、イーイーピー・ROM(EEPROM))を有する。
【0023】
[メイン処理のフロー]
次に、ゲーム機10の動作について説明する。
図3は、第1の実施形態の一例に係るゲーム機10のメイン処理を示すフローチャートである。
図4及び図5は、第1の実施形態の一例に係るゲーム機10のディスプレイ12に表示される画面例を示す。
本実施形態では、ゲーム機10で行われるプレイとして、RPG(ロールプレイング・ゲーム)を行うものとして記述する。なお、RPGとは、ストーリーを持ち、ゲームにキャラクタの成長要素を備えた、主人公視点の疑似体験型冒険物語を表現するゲームをいう。まず、ステップS1において、制御部30(出力制御手段38)は、ゲーム機10に電源投入されてから、プレイヤによるプレイが開始されるまで、通常、デモ画面(図4)をディスプレイ12に表示させる制御を行う。
【0024】
ここで、図4に、ゲーム機10で行われるRPGのプロローグがディスプレイ12に表示されている様子を示す。その他、デモ画面には、例えば、ゲーム機10で行われるプレイのプレイ方法や、プレイに登場するキャラクタの紹介、また、プレイ結果を全国ランキングとして表示することができる。通常、デモ画面には、そのゲーム機10を用いたプレイを行うように誘導すべく、プレイヤが興味を惹くような内容を表示する。
【0025】
図3に戻って、ステップS2では、制御部30は、コインが投入されたか否かを判断する。具体的には、コイン投入口14にコインが投入されたことを入力制御手段32が検知したか否かによって判断する。コインが投入された場合(ステップS2の処理でYESが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS3に移す。他方、コインが投入されていない場合(ステップS2の処理でNOが判断される場合)には、制御部30は、ステップS1に留まり、デモ画面をディスプレイ12に表示させる制御を行う。
【0026】
ステップS3では、制御部30は、カード20が挿入されたか否かを判断する。具体的には、コインが投入されてから所定の時間内(例えば、10秒以内)に、カード挿入口15にカード20が挿入されたことを入力制御手段32が検知したか否かによって判断する。カード20が挿入された場合(ステップS3の処理でYESが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS4に移す。他方、カード20が挿入されていない場合(ステップS3の処理でNOが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS5に移す。
【0027】
ステップS4では、制御部30(出力制御手段38)は、カード20の記憶手段22に記憶されているユーザを特定する情報と共に、アイテムを読み出す。読み出したユーザを特定する情報は、ゲーム機10の記憶部40に記憶する。ここで、アイテムとは、ゲーム機10でのプレイで使用するものであり、例えば、主人公を襲う敵に対して攻撃や防御をする剣や盾等の武器や、主人公の体力を回復させるものを指す。この処理により、記憶手段22に記憶されたアイテムを、ゲーム機10によるプレイで用いることができる。
【0028】
ここで、図5に、カード20に記憶されているアイテムを読み出した際に、ディスプレイ12に表示される画面の例を示す。
図5の(a)は、カード20にアイテムが記憶されていない場合、すなわち、カード20を用いて初めてプレイを行った場合の状態を示す。この場合は、カード20には読み出すアイテムが存在しないため、アイテム表示領域43にはアイテムが何も表示されていない。また、主人公表示領域45には、ゲーム機10でプレイを行う主人公46が、防具等を有しておらずTシャツにパンツ姿である様子が表示される。
他方、図5の(b)は、カード20にアイテムが記憶されている場合、すなわち、以前に当該カード20を用いてプレイを行った場合の状態を示す。この場合には、カード20にはアイテムが存在するため、アイテム表示領域43には、カード20に記憶されているアイテムである剣(ロングソード71)と盾(ミドルシールド73)とが表示されている。また、主人公表示領域45には、主人公46が、アイテムとして表示されている剣(ロングソード71)と盾(ミドルシールド73)とを装備している様子が表示される。
【0029】
図3に戻って、ステップS5では、制御部30は、後述する図6で説明するプレイ処理を行う。その後、制御部30は、処理をステップS1に戻し、デモ画面をディスプレイ12に表示させる制御を行う。
このように、カード20をプレイ開始時に挿入することにより、以前のプレイで得た特典であり、カード20に既に記憶されているプレイに使用するアイテムを用いてプレイを行うことができる。
【0030】
[プレイ処理のフロー]
図6は、ステップS5(図3)におけるプレイ処理を示すフローチャートである。
図7は、第1の実施形態の一例に係るゲーム機10のディスプレイ12に表示される画面例を示す。
まず、ステップS11では、制御部30は、ゲームをスタートさせ、プレイを開始する。その後、ステップS12では、制御部30は、例えば、図7に示すようなアイテムを使いながら主人公が冒険をするRPGのプレイを行う。
ここで、図7の(a)に、主人公が冒険をしている様子を示す。この場合には、主人公は、新たなアイテムを見つけるべく、さらに次のステージへ進むべく、ステージ内のフィールドを歩いている。次に、図7の(b)に、主人公が冒険中に遭遇した敵と戦い、敵にダメージを与えている様子を示す。画面下方には、主人公のHPを示すHPゲージ51とMP(マジックポイント)を示すMPゲージ52とが表示されている。この図7の(b)では、HPゲージ51がフルであるため、主人公は敵と戦うことができる。また、MPゲージ52にも値が残っているため、主人公は、魔法を使うことができる。なお、MPとは、魔法を使うことができるか否かを示す値をいう。
【0031】
図6に戻って、ステップS13では、制御部30は、ゲームオーバーとなったか否かを判断する。ゲームオーバーとは、例えば、RPGにおける主人公の体力を表すHP(ヒットポイント)がゼロになることを示す。
ここで、図7の(c)に、主人公が敵と戦い、主人公が敵にやられてしまった様子を示す。画面下方に表示されているHPゲージ51がゼロになっている。そのため、ゲームオーバーとなり、プレイが終了する。
【0032】
図6に戻って、ゲームオーバーしたと判断される場合(ステップS13でYESが判断される場合)には、プレイ開始時にカード20を挿入した場合には、制御部30は、どこでゲームオーバーとなったかプレイ状態等をカード20に記憶させる制御を行い、カード20を排出する。その後、制御部30は、処理をステップS14に移す。他方、ゲームオーバーしたと判断されない場合(ステップS13でNOが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS12に戻し、引続きプレイを行う。
ステップS14では、制御部30は、プレイヤによりコンティニュー・プレイが選択されたか否かを判断する。コンティニュー・プレイとは、ゲームオーバーとなったタイミングから所定の期間内(例えば20秒以内)に、プレイヤからの入力により開始される続きのプレイを示す。
ここで、図7の(d)にゲームオーバーの様子を示す。ディスプレイ12には、ゲームオーバーを示す文言と、コンティニュー・プレイを行うか否かをプレイヤに選択させるためのコンティニュー・プレイが可能な時間をカウントダウンしているカウントダウン値55とが表示されている。このように、ゲームオーバーになった際に、プレイヤにコンティニュー・プレイをするか否かを考えさせる時間の猶予を与える画面を表示することにより、プレイヤはコンティニュー・プレイをするか否かを選択することができる。
【0033】
図6に戻って、コンティニュー・プレイが選択された場合(ステップS14の処理でYESが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS15に移す。他方、コンティニュー・プレイが選択されない場合(ステップS14の処理でNOが判断される場合)には、制御部30は、本処理を終了する。すなわち、制御部30は、図3に示すメイン処理に戻り、デモ画面をディスプレイ12に表示させることとなる。
【0034】
ステップS15では、制御部30は、排出したカード20が再び挿入されたか否かを判断する。具体的には、コンティニュー・プレイが選択されてから所定の時間内(例えば、10秒以内)に、カード挿入口15にカード20が挿入されたことを入力制御手段32が検知したか否かによって判断する。カード20が挿入された場合(ステップS15の処理でYESが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS16に移す。他方、カード20が挿入されていない場合(ステップS15の処理でNOが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS12に移し、ゲームオーバーとなったプレイの続きのコンティニュー・プレイを行う。
【0035】
ステップS16では、制御部30は、同一プレイヤか否かを判断する。具体的には、判定手段34は、記憶されたカード20から読み出したユーザ特定情報と、上述した図3のステップS4においてゲーム機10の記憶部40に記憶されたユーザ特定情報とが一致するか否かを判断する。同一プレイヤであると判断した場合(ステップS16の処理でYESが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS17に移す。他方、同一プレイヤではないと判断した場合(ステップS16の処理でNOが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS12に移し、ゲームオーバーとなったプレイの続きのコンティニュー・プレイを行う。
ステップS17では、制御部30は、後述する図8で説明する特典付与処理を行う。その後、制御部30は、処理をステップS12に移し、ゲームオーバーとなったプレイの続きのコンティニュー・プレイを行う。
【0036】
[特典付与処理のフロー]
図8は、ステップS17(図6)における特典付与処理を示すフローチャートである。本処理は、コンティニュー・プレイを行う度に特典を付与し、コンティニュー・プレイが所定回数行われると、さらに有利な特典を付与するものである。
図9は、第1の実施形態の一例に係るゲーム機10のディスプレイ12に表示される画面例を示す。
【0037】
まず、ステップS31では、制御部30は、特典付与回数としてCの値に1を加算する。具体的には、出力制御手段38は、まずコンティニュー・プレイを最初に行う場合には、記憶手段22に特典付与回数Cとして1をセットさせるよう出力を制御する。また、1回以上コンティニュー・プレイがゲームオーバーになり、さらにそのコンティニュー・プレイを行う場合には、記憶手段22に特典付与回数Cに1を加算させるよう出力を制御する。ステップS32では、制御部30は、これらの加算処理を繰り返した結果、記憶手段22に記憶されたCの値が5より大であるか否かを判断する。Cの値が5より大である場合(ステップS32の処理でYESが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS33に移す。他方、Cの値が5以下である場合(ステップS32の処理でNOが判断される場合)には、制御部30は、処理をステップS35に移す。
【0038】
ステップS33では、制御部30は、パワーアップした剣を付与する。具体的には、主人公が持っているアイテムに剣がある場合には、現在、有している剣より強力な威力を発揮する剣を付与する制御を行う。また、主人公が剣のアイテムを持っていない場合には、剣のアイテムを付与する制御を行う。
ここで、図9の(a)では、アイテム表示領域43に、剣(シルバーソード72)と盾(ミドルシールド73)とが表示されており、剣の種類が、上述の図5の(b)で示した剣(ロングソード71)よりも強力なものとなっている。なお、ここで、付与するとは、直後のプレイで使用できるようにすることを表す他、出力制御手段38が、カード20に記憶させるためにアイテム情報を出力する制御を行うことを含む。
【0039】
図8に戻って、ステップS34では、制御部30は、特典付与回数Cの値に0をセットする。具体的には、出力制御手段38は、記憶手段22に特典付与回数Cとして0をセットさせるよう出力を制御する。その後、制御部30は、本処理を終了する。
他方、ステップS35では、制御部30は、HP回復アイテムを付与する。具体的には、主人公の体力が回復するアイテムを、直後のプレイで使用できるようにする他、出力制御手段38は、カード20に記憶させるために、アイテム情報を出力する制御を行う。
ここで、図9の(b)では、アイテム表示領域43に、剣(ロングソード71)、盾(ミドルシールド73)の他に、図5の(b)で示したものと比較して、主人公の体力が回復するアイテムである回復のリンゴ75が追加されている様子が示されている。
図8に戻って、その後、制御部30は、本処理を終了する。
【0040】
本処理により、コンティニュー・プレイの回数に応じてプレイに有益なアイテム(特典)を得ることができる。よって、有益なアイテムを入手するために、プレイヤに、コンティニュー・プレイを繰り返し行わせることができる。また、有益なアイテムを使用して前回クリア不可能であったプレイをクリアすることにより、プレイヤは、達成感を感じることができる。さらに、遊技施設においては、ゲーム機10の稼働率の向上を図り、収益の増大を見込むことができる。
【0041】
(第2の実施形態)
[システムの全体構成図]
図10は、第2の実施形態の一例に係るシステム1の全体構成を示す図である。ここでは、第1の実施形態と異なり、複数のゲーム機10が、ネットワーク5を介してサーバ3に接続されている。
【0042】
複数のゲーム機10は、それぞれ同一の遊技施設内に有してもよいし、異なる遊技施設内に点在させてもよい。ネットワーク5は、ゲーム機10とサーバ3との通信を行うためのものであり、例えば、インターネット回線を指す。また、サーバ3は、図10には1つのサーバであるかのように記載しているが、ハードウェアの数に制限はない。必要に応じて、1又は複数で構成してよい。また、サーバ3のハードウェアは、必要に応じてDB(データベース)サーバ、アプリケーション・サーバ等の各種サーバを含んで構成してもよく、1台のサーバで構成しても、それぞれ別のサーバで構成してもよい。
【0043】
[機能ブロック図]
図11は、第2の実施形態の一例に係るゲーム機10、及びサーバ3の機能ブロックを示した図である。なお、第1の実施形態と重複する部分については記載を省略する。
ゲーム機10は、通信インタフェース部18を備える。通信インタフェース部18は、ネットワーク5を介してサーバ3との通信を行う際に通信を制御する働きを担う。
カード20には、記憶手段22を有し、プレイヤを特定する情報が記憶されている。
【0044】
サーバ3は、制御部61、記憶部62、及び通信インタフェース部63を有する。制御部61は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該サーバ3の全体を制御するものである。制御部61は、記憶部62に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、サーバ3のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0045】
記憶部62は、制御部61と組み合わせてプログラムの実行に使用するメモリを含んでもよい。記憶部62を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでもよい。より具体的には、半導体記憶装置、磁気ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リードオンリー・メモリ(ROM)等が含まれる。サーバ3と外部接続することができる磁気テープ、CD−ROMとCD−R/WとDVDとを含む光ディスクや、メモリカード等の補助記憶装置も含む概念である。本実施例では、記憶部62に、プレイヤごとに、プレイヤ特定情報に対応したアイテム情報、後述するコンティニュー・プレイ回数、及びプレイ状態としてプレイ終了時プレイヤがプレイをしていたステージの情報等を有する。
通信インタフェース部63は、ゲーム機10との間でプレイヤ特定情報やアイテム情報等の通信の送受信を行うものである。
【0046】
[特典付与処理のフロー]
図12は、第2の実施形態の一例に係るコンティニュー・プレイ時の特典付与処理を示すフローチャートである。この処理は、コンティニュー・プレイを行う度に、コンティニュー・プレイを開始するステージと、コンティニュー・プレイを行う回数とに応じて有利な特典を付与するものである。
【0047】
まず、ステップS51では、制御部30(通信インタフェース部18)は、該当のプレイヤのコンティニュー・プレイの回数をサーバ3から受信する。その後、ステップS52では、制御部30は、後述の図13に示すアイテムテーブルを参照し、コンティニュー・プレイの回数と、コンティニュー・プレイの開始ステージとから付与するアイテムを決定する。その後、ステップS53では、制御部30(通信インタフェース部18)は、ステップS52により決定されたアイテムをプレイヤに付与するためにサーバ3に送信する。その後、ステップS54では、制御部30は、コンティニュー・プレイの回数に1を加算し、コンティニュー・プレイの回数をサーバ3に送信する。その後、本処理を終了する。
【0048】
[アイテムテーブル]
図13は、第2の実施形態の一例に係る特典付与処理で使用するアイテムテーブルを示す。アイテムテーブルは、ゲーム機10の記憶部40に記憶されているが、サーバ3の記憶部62に有し適宜ゲーム機10にダウンロードしてもよい。
アイテムテーブルは、ステージ番号を列にし、コンティニュー・プレイを行う回数を行にしてアイテムをマトリックス状に表すものである。例えば、ステージ1をプレイ中にゲームオーバーとなり、コンティニュー・プレイを開始した場合は、ステージ番号が1である(a)の行を参照する。そして、コンティニュー・プレイを初めて行った場合には、コンティニュー・プレイ回数が1であるため、回数が1である(b)の列を参照する。そして、行と列が交差した場所に示されたアイテムとして、回復のリンゴ75を付与する。なお、ステージが変わる度に、プレイ継続回数を1にリセットしてアイテムを付与してもよいし、コンティニュー・プレイを行ったトータルの回数からアイテムを付与してもよい。また、同日に行われるコンティニュー・プレイではプレイ継続回数をリセットせず、異なる日に行われる場合にはリセットしてもよい。
【0049】
このような処理により、プレイの終了した際の状態に基づいて、有利な特典を付与することができる。また、サーバ3にプレイヤ情報に対応した各種情報を有することにより、異なるゲーム機10を用いてプレイをする場合であってもプレイヤを特定した上でプレイ状態情報を使用することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した第1及び第2の実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0051】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
本実施形態では、RPGのプレイを行うものとして記載したが、これに限らない。例えば、シューティング・ゲームや、パズルゲーム等、種々のゲームにおいても実現することができる。
また、本実施形態では、媒体としてカードを、プレイヤを特定し、アイテムを付与するために用いたが、これに限らない。例えば、当該カードを用いてプレイを行うカードゲームに使用することができる。このことにより、カードの有効活用を図ることができる。
また、本実施形態では、特典としてアイテムを付与するものとして記載したが、これに限られない。例えば、シューティング・ゲーム等における残機の増加、ゲーム内での得点の獲得率及び獲得量のアップ、プレイヤのキャラクタの強化、アイテムの獲得率のアップ等、ゲーム内容に応じた有利な特典を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1の実施形態の一例に係る特典付与システムの全体構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の一例に係るゲーム機、及びカードの機能ブロックを示す図である。
【図3】第1の実施形態の一例に係るゲーム機のメイン処理を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の一例に係るゲーム機に表示される画面の例である。
【図5】第1の実施形態の一例に係るゲーム機に表示される画面の例である。
【図6】第1の実施形態の一例に係るプレイ処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態の一例に係るゲーム機に表示される画面の例である。
【図8】第1の実施形態の一例に係る特典付与処理を示すフローチャートである。
【図9】第1の実施形態の一例に係るゲーム機に表示される画面の例である。
【図10】第2の実施形態の一例に係るシステムの全体構成を示す図である。
【図11】第2の実施形態の一例に係るゲーム機、及びサーバの機能ブロックを示す図である。
【図12】第2の実施形態の一例に係る特典付与処理を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施形態の一例に係るアイテムテーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 特典付与システム
3 サーバ
5 ネットワーク
10 特典付与ゲーム機
12 ディスプレイ
14 コイン投入口
15 カード挿入口
20 カード
22 記憶手段
30 制御部
32 入力制御手段
34 判定手段
36 特典付与手段
38 出力制御手段
40 記憶部
61 制御部
62 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム機のプレイヤを特定するプレイヤ特定情報及びプレイの状態を示すプレイ状態情報を記憶する記憶手段と、
前記ゲーム機により前記プレイが終了された後、所定の期間内に前記プレイの継続プレイを開始する継続プレイ開始情報を受け付ける入力制御手段と、
受け付けた前記継続プレイ開始情報と記憶された前記プレイヤ特定情報とを用いて前記継続プレイのプレイヤと前記プレイのプレイヤとが同一プレイヤか否かを判定した結果に応じて、前記プレイ状態情報に基づき前記継続プレイに関する有利な特典を前記プレイヤに付与する特典付与手段と、を備える特典付与システム。
【請求項2】
請求項1に記載の特典付与システムにおいて、
前記記憶手段は、前記特典を、前記プレイヤ特定情報と共に記憶することを特徴とする特典付与システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の特典付与システムにおいて、
前記記憶手段は、前記ゲーム機とネットワークを介して接続されたサーバが備えることを特徴とする特典付与システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の特典付与システムにおいて、
前記記憶手段は、前記ゲーム機による前記プレイで使用する媒体が備えることを特徴とする特典付与システム。
【請求項5】
請求項4に記載の特典付与システムにおいて、
前記媒体は、前記ゲーム機の前記プレイで使用するカード型の媒体であることを特徴とする特典付与システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の特典付与システムにおいて、
前記記憶手段は、前記特典付与手段により前記特典が付与された回数を示す特典付与回数を記憶し、
前記特典付与手段は、記憶された前記特典付与回数に応じて前記特典を変化させることを特徴とする特典付与システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の特典付与システムを備えることを特徴とする特典付与ゲーム機。
【請求項8】
ゲーム機のプレイヤを特定するプレイヤ特定情報、及び前記ゲーム機の継続プレイを開始するための継続プレイ開始情報と前記プレイヤ特定情報とを用いて判定した同一プレイヤか否かの判定結果に応じて付与される前記継続プレイに関する有利な特典を記憶することを特徴とする特典記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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