説明

牽引車利用の台車式搬送装置

【課題】フラットな低床構造の搬送台車が利用される自動車組立てラインでの自動車車体の搬送に活用できる牽引車利用の台車式搬送装置を提供する。
【解決手段】前輪5と後輪6を備えた搬送台車2と、少なくとも後端部側が前記搬送台車2の前端部下側に入り込む自走可能な牽引車1とから成り、搬送台車2の前端部下側とその下側の牽引車1とに、互いに上下方向に嵌合する垂直軸体と連結孔とから成る連結手段41が設けられた牽引車利用の台車式搬送装置において、搬送台車2に、牽引車1の搬送台車2下側に入り込んでいる部分に対して係脱自在な牽引車吊上げ手段56が設けられ、この牽引車吊上げ手段56によって牽引車1を吊り上げたとき、当該牽引車1の少なくとも駆動車輪7a,7bが床面から浮上する構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走可能な牽引車と当該牽引車に連結されて牽引される搬送台車との組み合わせから成る牽引車利用の台車式搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記のような牽引車利用の台車式搬送装置として、特許文献1に記載されるように、前輪と後輪を備えた自立可能な搬送台車の前端近傍の底部に設けられた被連結孔に、当該搬送台車の前端部下側に入り込んだ牽引車の上向きの牽引用垂直軸体を嵌合させ、牽引車の上向きの牽引用垂直軸体で搬送台車を牽引する形式のものが知られている。この特許文献1に記載されるように、この種の牽引車利用の台車式搬送装置では、牽引車の牽引用垂直軸体を昇降自在に構成して、搬送台車との連結離脱を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007− 76518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来の構成では、牽引車の走行駆動系が故障して自走不能の状況に陥ったとき、一般的には連結手段による牽引車と搬送台車の連結を解除し、先ず搬送台車のみを走行経路の外に手作業で移動させ、その後、牽引車を手作業で走行経路の外に移動させることが考えられるが、単に搬送台車と牽引車を別々に移動させなければならなくなるだけでなく、牽引車の駆動車輪の駆動系の構成により、当該駆動車輪がロック状態になっているときは、牽引車を手作業で移動させることが非常に困難になり、場合によっては特別な重機を持ち込んで、走行不能になった牽引車を移動させなければならなくなり、は甚大であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる牽引車利用の台車式搬送装置を提案するものであって、請求項1に記載の本発明に係る牽引車利用の台車式搬送装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、前輪(5)と後輪(6)を備えた搬送台車(2)と、少なくとも後端部側が前記搬送台車(2)の前端部下側に入り込む自走可能な牽引車(1)とから成り、搬送台車(2)の前端部下側とその下側の牽引車(1)とに、互いに上下方向に嵌合する垂直軸体(25)と連結孔(52)とから成る連結手段(41)が設けられた牽引車利用の台車式搬送装置において、搬送台車(2)に、牽引車(1)の搬送台車(2)下側に入り込んでいる部分に対して係脱自在な牽引車吊上げ手段(56)が設けられ、この牽引車吊上げ手段(56)によって牽引車(1)を吊り上げたとき、当該牽引車(1)の少なくとも駆動車輪(7a,7b)が床面から浮上する構成になっている。
【発明の効果】
【0006】
上記の本発明の構成によれば、牽引車の走行駆動系が故障して自走不能の状況に陥ったとき、牽引車と搬送台車との連結を解いて両者別々に手作業で移動させなくとも、搬送台車が備える牽引車吊上げ手段により、搬送台車に連結したままの牽引車を吊り上げて当該牽引車の少なくとも駆動車輪を床面から浮上させることにより、牽引車より大型の搬送台車の周囲を任意の方向に手作業で押し引き操作して、搬送台車と牽引車とを一体に操向経路外の任意の場所へ簡単容易に移動させることが出来、牽引車が自走不能に陥ったときの悪影響を、時間的にも労力的にも最小限に抑制できる。
【0007】
尚、上記本発明を実施する場合、具体的は請求項2に記載のように、牽引車(1)は、側面視において、前記連結手段(41)で連結される箇所の下側に駆動車輪(7a,7b)を配置すると共にこの駆動車輪(7a,7b)より後方に自在車輪(8)を設け、前記牽引車吊上げ手段(56)は、前記連結手段(41)の近傍位置に配設し、当該牽引車吊上げ手段(56)によって牽引車(1)を吊り上げたとき、前記自在車輪(8)を支点に牽引車(1)が前上がりに傾斜してその駆動車輪(7a,7b)が床面から浮上するように構成することが出来る。勿論、牽引車全体を床面から浮き上がらせるような牽引車吊上げ手段を設けることも出来るが、この請求項2に記載の構成によれば、牽引車吊上げ手段に要する吊上げ力が小さくて済むので、牽引車吊上げ手段に要するコストや牽引車吊上げ時に要する労力を小さくすることが出来る。しかも、牽引車の後ろ側の自在車輪を介して牽引車の重量の一部を床面で支持させた状態で、牽引車と搬送台車とを比較的軽く移動させることが出来る。
【0008】
又、請求項3に記載のように、前記牽引車吊上げ手段(56)は、前記連結手段(41)の垂直軸体(25)と同心状に搬送台車(2)の機体(2A)に設けられたネジ孔(51)と、このネジ孔(51)に螺嵌して回転操作により昇降する昇降体(42)と、この昇降体(42)の軸心の周りに相対回転自在に当該昇降体(42)に支持された牽引車吊上げ板(48)と、前記連結手段(41)の垂直軸体(25)の周囲で牽引車(1)の機体(1A)に設けられた垂直ネジ孔(27a,27b)と、前記牽引車吊上げ板(48)を下向きに貫通させて前記垂直ネジ孔(27a,27b)に螺合させることが出来るボルト(55a,55b)とから構成することが出来る。この構成によれば、牽引車と搬送台車との連結手段の垂直軸体に隣接する位置で牽引車を吊り上げることが出来るので、牽引車吊上げ時に連結手段の垂直軸体と連結孔との嵌合部に与える影響が殆どない。しかも、昇降体に対する回転操作によるネジジャッキ方式で牽引車を吊り上げることになるので、牽引車の吊上げ操作が軽く容易に行える。
【0009】
又、請求項4に記載のように、連結手段(41)の前記連結孔(52)と垂直軸体(25)の一方は、牽引車吊上げ手段(56)の前記昇降体(42)の下端に同心状に設け、前記昇降体(42)の下降移動により連結手段(41)の前記連結孔(52)と垂直軸体(25)が互いに嵌合し、前記昇降体(42)の上昇移動により連結手段(41)の前記連結孔(52)と垂直軸体(25)が互いに離脱するように構成することが出来る。この構成によれば、牽引車吊上げに使用していないときの当該牽引車吊上げ手段の昇降体を、牽引車と搬送台車とを連結させたり、その連結を解除するための操作手段として活用することが出来、別に専用の操作手段を設ける場合よりも、構成が簡単になり、安価に実施することが出来る。勿論、牽引車吊上げ手段として前記昇降体により牽引車を吊り上げるときは、連結手段の連結孔と垂直軸体とが互いに離脱する方向に相対移動することはなく、連結手段による牽引車と搬送台車との連結状態を保ったまま、牽引車を搬送台車側に吊り上げることが出来、牽引車と搬送台車とが水平方向に相対移動する恐れはない。
【0010】
更に請求項5に記載のように、連結手段(41)の前記連結孔(52)は、牽引車吊上げ手段(56)の前記昇降体(42)内に昇降自在に内嵌された被連結用軸体(43)の下端に同心状に設け、この被連結用軸体(43)を前記昇降体(42)の下端から突出する下降限位置に下向きに付勢保持するバネ(45)を前記昇降体(42)内に内装し、前記昇降体(42)が下降限位置まで下げられているとき、前記連結孔(52)に嵌合する牽引車(1)側の前記垂直軸体(25)で前記被連結用軸体(43)が前記バネ(45)の付勢力に抗して押し上げられ、前記昇降体(42)が上昇限位置まで上げられたとき、前記被連結用軸体(43)が前記バネ(45)の付勢力で前記昇降体(42)に対して下降限位置まで下降すると共に当該被連結用軸体(43)が牽引車(1)側の前記垂直軸体(25)から上方に離脱するように構成することが出来る。この構成によれば、請求項4に記載の構成を採用したときに得られる効果に加えて、更に、連結手段で牽引車と搬送台車とを連結したときに、前記バネの圧縮反力を牽引車の駆動車輪に伝えて、当該牽引車の駆動車輪の接地圧を高めて、スリップのない確実な牽引を実行させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1Aは牽引車付き搬送台車の平面図、図1Bは搬送経路中の牽引車付き搬送台車を示す側面図である。
【図2】図2Aは牽引車の上部カバープレートを取り外した状態の平面図、図2Bは牽引車の縦断側面図である。
【図3】図3は牽引車付き搬送台車の正面図である。
【図4】図4は牽引車付き搬送台車の駆動車輪位置での縦断正面図である。
【図5】図5は牽引車付き搬送台車の自在車輪位置での縦断背面図である。
【図6】図6Aは搬送台車の上部カバープレートを取り外した状態の平面図、図6Bは搬送台車の側面図である。
【図7】図7は搬送台車の被連結部を示す平面図である。
【図8】図8は搬送台車の被連結部を示す縦断正面図である。
【図9】図9は搬送台車の被連結軸体を牽引車の牽引用垂直軸体に嵌合させる直前の状態を示す要部の縦断正面図である。
【図10】図10は搬送台車の被連結軸体を牽引車の牽引用垂直軸体に嵌合させた状態を示す要部の縦断正面図である。
【図11】図11は搬送台車側に牽引車を吊り上げた状態を示す要部の縦断正面図である。
【図12】図12は搬送台車側に牽引車を吊り上げた状態を示す要部の側面図である。
【図13】図13Aは牽引車の後半部に対する保守作業時の状態を示す要部の平面図、図13Bは牽引車の前半部及び後半部に対する保守作業時の状態を示す要部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1において、1は牽引車、2は牽引車1によって牽引される搬送台車である。搬送台車2には、自動車車体などの被搬送物Wの前端側を支持する左右一対の前側被搬送物支持具3と、同被搬送物Wの後端側を支持する左右一対の後ろ側被搬送物支持具4が突設され、底部には、前側被搬送物支持具3の下側近傍位置に位置する左右一対の前側自在車輪5と、後ろ側被搬送物支持具4の下側近傍位置に位置する、前進方向に向きが固定された左右一対の後ろ側向き固定車輪6が設けられている。牽引車1は、搬送台車2の下側を、左右一対の前側被搬送物支持具3の間と左右一対の後ろ側被搬送物支持具4の間とを経由して前進走行出来るように、高さと巾が制限された扁平な低床構造のものであって、その長さ方向の中央位置付近に、前進方向に向きが固定され且つ各別に駆動自在な左右一対の駆動車輪7a,7bが設けられると共に、後端近傍位置の巾方向中央位置に、自在車輪8が設けられたものである。
【0013】
牽引車1の詳細構造を、図2、図4及び図5に基づいて説明すると、図2に示すように、牽引車1の機体1Aは、左右両側辺の縦枠材9a,9bを複数本の横枠材10a〜10dにより連結すると共に、後端横枠材10dから後方に幅の狭いコ形枠組み11を突設したものであって、前端横枠材10aと2番目の横枠材10bとの間の縦枠材9a,9b間には、制御機器12を収納する制御機器収納空間13を形成する底板14が張設され、3番目の横枠材10cと後端横枠材10dとの間の縦枠材9a,9b間には、複数台のバッテリー15を収納するバッテリー収納空間16を形成する底板17が張設されている。そして2番目の横枠材10bと3番目の横枠材10cとの間には、これら横枠材10b,10cの上側で縦枠材9a,9bに沿って左右一対の駆動ユニット取付け部材18a,18bが架設され、これら両駆動ユニット取付け部材18a,18bに、前記駆動車輪7a,7bとこれら各駆動車輪7a,7bを各別に正逆任意の方向に駆動する減速機付きモーター19a,19bとから成る駆動ユニット20a,20bが、左右一対の駆動車輪7a,7bが機体1Aのセンターラインに対して左右対称となるように取り付けられている。
【0014】
前記機体1Aの後端の横枠材10dとコ形枠組み11の後端部との間には、これら横枠材10dとコ形枠組み11の上側で前後方向に支持板21が架設され、自在車輪8は、前記支持板21の下側に垂直軸心の周りに自転可能に支持された垂直回転軸体22と、この垂直回転軸体22の下端部左右両側に、機体1Aのセンターラインに対して左右対称となるように軸支された左右一対の遊転車輪23a,23bから構成されている。
【0015】
前記機体1Aの2番目の横枠材10bと3番目の横枠材10cとの間には、左右一対の駆動ユニット20a,20bの中間で機体1Aのセンターラインに沿うように前後方向の中央縦枠材24が架設され、この中央縦枠材24の上側には、平面視において左右両側の駆動ユニット20a,20bの駆動車輪7a,7bの共通軸心と機体1Aのセンターラインとが交わる交点と同心状に牽引用垂直軸体25が、当該牽引用垂直軸体25の下端の取付け座25aと取付け用座板26を介して突設されている。尚、前記取付け用座板26には、図2A及び図11に示すように、牽引用垂直軸体25に対して前後対称位置で下側の中央縦枠材24にわたって夫々垂直ネジ孔27a,27bが設けられている。
【0016】
又、機体1Aの前端横枠材10aの前側には、他物との衝突を検知する、機体1Aの横巾全域をカバー出来る長さの障害物衝突検知用エッジスイッチ28と、前方一定領域内の障害物を検出する障害物センサー29が取り付けられている。又、機体1Aの上側全体にはカバープレート30a〜30dがネジ止めされている。これらカバープレート30a〜30dは、少なくとも制御機器収納空間13の前半部領域と後半部領域、駆動ユニット20a,20bが配設された横枠材10b,10c間の中央領域、バッテリー収納空間16と自在車輪8が配設された後端部を含む領域ごとに分割され、各別に着脱出来るようにネジ止めされている。そして中央領域のカバープレート30cには、牽引用垂直軸体25が貫通して上向きに突出する開口部が設けられている。
【0017】
次に搬送台車2の詳細構造を図6〜図10に基づいて説明すると、搬送台車2の機体2Aは平面形状が前後方向に長方形のもので、左右両側辺の縦枠材31a,31b、両縦枠材31a,31bを前後方向複数箇所で互いに連結一体化する横枠材32a〜32g、2番目と3番目の横枠材32b,32cどうしを側辺の縦枠材31a,31bに近い位置の左右2箇所で互いに連結する中間縦枠材33a,33b、4番目と5番目の横枠材32d,32eどうしをこの機体2Aのセンターライン上で互いに連結する中間縦枠材33c、及び6番目と後端の横枠材32f,32gどうしを側辺の縦枠材31a,31bに近い位置の左右2箇所で互いに連結する中間縦枠材33d,33eから構成され、中央に近い前後2本の横枠材32d,32e上の左右2箇所に前記前側被搬送物支持具3と後ろ側被搬送物支持具4が突設されている。そして中央に近い前後2箇所で互いに接近して並列している各2本の横枠材32c,32d間及び横枠材32e,32f間には、側辺の縦枠材31a,31bに接近する左右2箇所において、車輪取付け座板34a,34b及び35a,35bが架設され、前側の左右一対の車輪取付け座板34a,34bの下側に前記左右一対の前側自在車輪5が取り付けられ、後ろ側の左右一対の車輪取付け座板35a,35bの下側に前記左右一対の後ろ側向き固定車輪6が取り付けられている。
【0018】
機体2Aの前端の横枠材32aと2番目の横枠材32bとの間には、機体2Aのセンターラインに近い位置で左右一対の縦つなぎ材36a,36bと、これら両縦つなぎ材36a,36bの下側でこれら両縦つなぎ材36a,36bから機体2Aのセンターライン側に張り出す左右一対の支持板37a,37bとが架設されると共に、これら両支持板37a,37bの上側に左右横向きの連結板38の両端が載置固定されている。又、上記搬送台車2の機体2A上には、左右両側の縦枠材31a,31b、前端の横枠材32a、2番目の横枠材32b、被搬送物支持具3,4を支持する中間2本の横枠材32d,32e、後端の横枠材32g、及び前端の縦つなぎ材36a,36bの各上面を露出させる状態で、各枠材31a〜32gで囲まれた矩形領域(前端の縦つなぎ材36a,36b間の矩形領域は除く)を各別にカバーするカバープレート39a〜39lが夫々着脱自在にネジ止めされている。更に、後端の横枠材32g上には、この機体2Aの全巾にわたって後方に延出する機体間カバープレート40が取り付けられている。この機体間カバープレート40は、前後方向の中間部が左右横巾全域にわたって山形状に突出する形状に成形され、その後側辺の高さは、機体2Aの高さより若干高くなるように構成されている。
【0019】
牽引車1と搬送台車2との連結手段41は、図7〜図10に示すように、牽引車1の機体1Aから突設された前記牽引用垂直軸体25と、搬送台車2の機体2Aの前端中央の連結板38の中央位置に高さ調整自在に取り付けられた円筒形の昇降体42、この昇降体42の下端中央から下向きに突出する被連結軸体43、昇降体42の中央孔部44に内装された圧縮コイルバネ45、昇降体42の中央孔部44の上端領域に形成されたネジ孔部44aに高さ調整自在に螺嵌するバネ受け46、及び昇降体42に高さ調整固定自在に取り付けられたリング状の下降限ストッパー47から構成されている。
【0020】
前記円筒形の昇降体42は、下端の大径フランジ部42aから上端の回転操作用角軸部42bまでの外周面がネジ軸部42cとなっており、下端の大径フランジ部42aの上に牽引車吊上げ板48をこの昇降体42の周りに回転自在に遊嵌支持させると共に、当該牽引車吊上げ板48の上にリング状のディスタンスピース49を遊嵌支持させて、これら牽引車吊上げ板48とリング状ディスタンスピース49とで上昇限ストッパー50を形成させた状態で、当該昇降体42のネジ軸部42cを、機体2A側の連結板38の中央に設けられた垂直に貫通するネジ孔51に対して下側から上向きに螺合させ、連結板38から上向きに突出している昇降体42のネジ軸部42cに前記リング状の下降限ストッパー47を螺嵌させている。このリング状の下降限ストッパー47は、回転させて昇降体42に対する高さを調整した後に、周方向の二つ割部を締結ボルト47aで締結して縮径させることにより、昇降体42に対して固定することが出来る。
【0021】
前記被連結軸体43は、上端の大径フランジ部43aにおいて昇降体42の中央孔部44の下端で受け止められるもので、牽引車1側の牽引用垂直軸体25が相対回転自在に上向きに内嵌する連結孔52が下端から同心状に刻設されている。この連結孔52の深さは、その下向きの底面52aが牽引車1側の牽引用垂直軸体25の尖端部25aに当接するように設定されている。前記圧縮コイルバネ45は、バネ受け46と被連結軸体43との間に介装され、その圧縮反力で被連結軸体43を下向きに付勢する。而して、バネ受け46の上面中央には、回転操作用の角孔部46aが設けられ、このバネ受け46を回転させて昇降体42に対する高さを調整することにより、圧縮コイルバネ45の所期圧縮力を調整することが出来る。
【0022】
昇降体42に遊嵌支持されて上昇限ストッパー50の一部を構成している牽引車吊上げ板48は、平面視において連結板38の前後両側に突出する両端部に垂直に貫通する貫通孔48a,48bが設けられている。この一対の貫通孔48a,48bは、被連結軸体43の連結孔52に牽引車1側の牽引用垂直軸体25が嵌合している、牽引車1と搬送台車2との連結状態において、牽引車吊上げ板48を必要に応じて昇降体42の周りに回転させることにより、牽引車1側の牽引用垂直軸体25の取付け用座板26に設けられている前後一対の垂直ネジ孔27a,27bの真上に合致させることが出来るものである。尚、連結手段41の上側の操作用開口部53、即ち、前端と2番目の横枠材32a,32bと左右一対の縦つなぎ材36a,36bとで囲まれた矩形領域の上端の操作用開口部53には、カバープレート39a〜39lとは別の着脱自在なカバープレート54が載置されている。
【0023】
以上のように構成された牽引車1と搬送台車2とを連結するときは、搬送台車2の連結手段41が内装された矩形領域をカバーしているカバープレート54を取り外し、図9に示すように、昇降体42を上端の回転操作用角軸部42bを利用してネジ戻し方向に回転させ、下端の上昇限ストッパー50のディスタンスピース49が連結板38に当接する上昇限まで昇降体42を連結板38に対して上昇させる。このとき、昇降体42に支持されている被連結軸体43は、圧縮コイルバネ45の付勢力で大径フランジ部43aが昇降体42の中央孔部44の底部で支持される下降限位置まで降下しており、このときの当該被連結軸体43の下端の床面上高さは、牽引車1の上側面(カバープレート30a〜30dの表面)から突出している牽引用垂直軸体25の尖端部25aの床面上高さより少し高くなるように構成されている。この状態で、床面上に待機させている牽引車1に被さるように搬送台車2を、牽引車1が搬送台車2の前側自在車輪5の間及び後ろ側向き固定車輪6の間を平行に相対移動するように手押し移動させ、搬送台車2側の上昇限位置に保持されている昇降体42の下端から突出している被連結軸体43が、牽引車1側の牽引用垂直軸体25の尖端部25aの真上に位置する状態で搬送台車2を停止させる。
【0024】
次に、図10に示すように、昇降体42を上端の回転操作用角軸部42bを利用してネジ込み方向に回転させ、当該昇降体42を連結板38に対して下降させる。この昇降体42の下降により、最初に被連結軸体43の連結孔52が牽引車1側の牽引用垂直軸体25に外嵌し、この牽引用垂直軸体25の尖端部25aが連結孔52の底面52aに当接した高さで被連結軸体43の下降が止められるので、それ以降は被連結軸体43に対して昇降体42のみが下降し、この下降に伴い被連結軸体43とバネ受け46との間の間隔が狭まることにより、圧縮コイルバネ45が圧縮され、その圧縮反力が被連結軸体43を介して牽引車1側の牽引用垂直軸体25に下向きに作用することになる。そして下降する昇降体42が、図10に示すようにその下降限ストッパー47が連結板38の上側面に当接する下降限に達したとき、牽引車1側の牽引用垂直軸体25と搬送台車2側の連結孔52との嵌合による連結が完了する。このとき、牽引車1側の左右一対の駆動車輪7a,7bには、搬送台車2側の連結手段41の圧縮コイルバネ45の圧縮反力が、被連結軸体43から牽引用垂直軸体25、牽引車1の機体1A、駆動ユニット取付け部材18a,18b、及び減速機付きモーター19a,19bを経由して駆動車輪7a,7bに下向きに伝達され、当該駆動車輪7a,7bの接地圧が増大されている。尚、牽引車1と搬送台車2との連結が完了したときは、取り外してあったカバープレート54を、搬送台車2の連結手段41の上側の操作用開口部53に被せて蓋をしておく。
【0025】
上記のように牽引車1と搬送台車2とを連結することにより、牽引車1側の左右一対の駆動車輪7a,7bの接地圧を搬送台車2側の連結手段41が備える圧縮コイルバネ45により増大させることが出来るのであるが、このときの駆動車輪7a,7bの接地圧、即ち、圧縮コイルバネ45の圧縮反力の大きさは、昇降体42に対するバネ受け46の高さ調整、又は連結部材38に対する昇降体42の下降限高さ、即ち、昇降体42に対する下降限ストッパー47の高さ調整により、一定範囲内で任意に調整することが出来る。又、牽引車1は、連結手段41の牽引用垂直軸体25の周りで搬送台車2に対して回転できるが、このときの搬送台車2に対する牽引車1の回動軌跡よりも後方側に、搬送台車2の左右一対の前側自在車輪5が配設されている。
【0026】
而して、搬送台車2に連結された牽引車1の左右一対の駆動車輪7a,7bを夫々減速機付きモーター19a,19bにより前進方向に等速で回転駆動させることにより、牽引車1が直進し、搬送台車2は、牽引車1側の牽引用垂直軸体25により、当該牽引用垂直軸体25の周りに左右方向に揺動出来る状態で牽引され、追従走行することになる。牽引車1の操向は、左右一対の駆動車輪7a,7bの回転速度に差を生じさせることにより自在に行えるので、牽引車1とこれに牽引される搬送台車2を床面上に設定された走行経路に沿って走行させることが出来る。このとき、上記のように牽引車1の左右一対の駆動車輪7a,7bの接地圧が高められているので、仮に搬送台車2が自動車車体などの大重量の被搬送物Wを積載している場合でも、このときの牽引負荷に応じた接地圧を牽引車1の左右一対の駆動車輪7a,7bに生じさせることが出来るように、搬送台車2側の連結手段41における圧縮コイルバネ45の強さや初期圧縮応力を設定しておくことにより、牽引車1をしてスリップさせることなく確実に搬送台車2を牽引走行させることが出来る。
【0027】
上記のようにして一定走行経路上で牽引車1により搬送台車2を牽引走行させることが出来るのであるが、牽引車1は、その全体が搬送台車2と床面との間を走行できる扁平な低床構造のものであるから、図1Bに示すように、牽引する搬送台車2の前端から前方に突出する各牽引車1の前半部が直前の先行搬送台車2の下側に入り込んで、前後に隣り合って夫々牽引車1で牽引される搬送台車2の前後両端が互いに小間隙を隔てて連続する形態を保たせながら、走行させることが可能である。このとき、直前の先行搬送台車2の機体2Aの後端辺から後方に延出している機体間カバープレート40が、直後の後続搬送台車2の機体2Aの前端上に被さって、前後に隣接する搬送台車2の機体2A間の隙間を塞いでいる。
【0028】
上記のように搬送台車2を牽引走行させる牽引車1であるが、その駆動ユニット20a,20bの減速機付きモーター19a,19bが故障した場合、牽引車1を手作業で引っ張るか又は搬送台車2を後押しして、走行経路上から別の場所に移動させる必要が生じる。このとき、駆動車輪7a,7bの駆動系の構成により、当該駆動車輪7a,7bがロック状態になっているときは、牽引車1と搬送台車2とが連結された列車構造体を手作業により移動させることが出来ない。仮に減速機付きモーター19a,19bを通電駆動していないときに駆動車輪7a,7bがフリーになる構造であったとしても、上記列車構造体を手作業で移動させる場合、前半部のみが搬送台車2から前方に延出している小型の牽引車1を操作するよりも、大型の搬送台車2をその周囲から操作する方が容易である。
【0029】
上記のような状況に陥った場合、図7、図8、及び図11に示すように、搬送台車2の連結手段41の上側の操作用開口部53をカバーしているカバープレート54を取り外し、横枠材32a,32b、支持板37a,37b、及び連結板38によって囲まれた、連結板38の前後の空間から手先を差し入れて、昇降体42の下端の大径フランジ部42a上に回転自在に支持されている牽引車吊上げ板48を昇降体42の周りに回転させ、その両端にある貫通孔48a,48bを連結板38の前後の空間内に臨ませると共に、その下側に位置する牽引車1の牽引用垂直軸体25を機体1Aに取り付けている取付け用座板26の前後一対の垂直ネジ孔27a,27bと前記貫通孔48a,48bとを上下ほぼ同心状態に位置決めする。この状態で、図11に示すように、牽引車吊上げ板48の貫通孔48a,48bに上から差し込んだボルト55a,55bを牽引車1側の前記垂直ネジ孔27a,27bに螺合連結させる。そして昇降体42を、搬送台車2との連結の準備段階で行ったようにネジ戻し方向に回転操作して連結板38に対して上昇させることにより、当該昇降体42と一体に引き上げられる前記牽引車吊上げ板48と2本のボルト55a,55bとを介して、牽引車1の駆動車輪7a,7bが配置された長さ方向の中央付近を搬送台車2側に吊り上げることが出来る。
【0030】
上記説明から明らかなように、この実施例では、搬送台車2に設けられた牽引車吊上げ手段56は、牽引車1と搬送台車2とを連結する連結手段41を構成している昇降体42、この昇降体42に当該昇降体42の垂直軸心の周りに回転自在に支持された牽引車吊上げ板48、牽引車1の機体1A側に設けられた垂直ネジ孔27a,27b、及び前記牽引車吊上げ板48を下向きに貫通して前記垂直ネジ孔27a,27bに螺合連結されるボルト55a,55bから構成されている。
【0031】
牽引車1は、図2に示すように、長さ方向の中央付近に牽引用垂直軸体25と左右一対の駆動車輪7a,7bが配置され、この位置よりも後ろ側に駆動ユニット20a,20bの減速機付きモーター19a,19bとバッテリー15を積載したバッテリー収納空間16が配置され、後端に自在車輪8が配置されているので、機体1Aの重心位置は、牽引用垂直軸体25よりも後端側に位置する。従って、牽引車1の牽引用垂直軸体25の前後2箇所を搬送台車2側からボルト55a,55bで吊り上げると、図12に示すように、牽引車1は後端中央位置の自在車輪8を支点に前上がりに傾斜し、左右一対の駆動車輪7a,7bは床面から浮き上がることになる。そしてボルト55a,55bを介して牽引車1を吊り上げている牽引車吊上げ板48が昇降体42の周りに回転自在であることと、牽引車1側の牽引用垂直軸体25が昇降体42と同心状に配置されている連結孔52に対して相対回転自在に嵌合していることとにより、吊り上げられて後端の自在車輪8においてのみ接地している牽引車1は、昇降体42の周りに回転することが出来る状況にある。従って、搬送台車2の周囲を任意の方向に押して、牽引車1と共に搬送台車2を走行経路の外へ容易に移動させることが出来る。
【0032】
又、牽引車1と搬送台車2とが上記のように連結されている状態では、その牽引車1のバッテリー収納空間16を備えた後半部が搬送台車2の下側に入り込んでいるが、図13に示すように、搬送台車2の上面を覆っているカバープレート39a〜39lの内、機体2Aの横枠材32b,32cと中間縦枠材33a,33bで囲まれた矩形領域、即ち、下側に位置する牽引車1のバッテリー収納空間16の真上に位置し且つ当該バッテリー収納空間16よりも平面積の大きな矩形領域、をカバーしているカバープレート39dを取り外すことにより、そのカバープレート39dの取り外し跡の大きな矩形状開口を通じて、牽引車1のバッテリー収納空間16をカバーしているカバープレート30dを取り外し、当該バッテリー収納空間16を開放することが出来るので、バッテリー15の保守点検作業などが必要になったときでも、牽引車1を搬送台車2から離脱させることなく、走行経路上にある姿のまま容易に当該バッテリー15の保守点検作業などを行うことが出来る。
【0033】
更に、先に説明したように、走行経路上で各搬送台車2が、その前後両端辺が互いに隣接する連続状態で牽引車1により牽引駆動される場合には、牽引車1はその全体が前後に隣接する搬送台車2の下側に隠れてしまう。このような場合でも、牽引車1の前半部に被さっている直前の先行搬送台車2の上面を覆っているカバープレート39a〜39lの内、機体2Aの横枠材32f,32gと中間縦枠材33d,33eで囲まれた矩形領域、即ち、下側に位置する牽引車1の制御機器収納空間13の真上に位置し且つ当該制御機器収納空間13よりも平面積の大きな矩形領域、をカバーしているカバープレート39kを取り外すことにより、そのカバープレート39kの取り外し跡の大きな矩形状開口を通じて、牽引車1の制御機器収納空間13をカバーしているカバープレート30a,30bを取り外し、当該制御機器収納空間13を開放することが出来るので、制御機器12の保守点検作業などが必要になったときでも、牽引車1が走行経路上にある姿のまま容易に当該制御機器12の保守点検作業などを行うことが出来る。
【0034】
尚、本発明においては、牽引車1と搬送台車2とを連結する連結手段41は、牽引車1と搬送台車2の内の一方に突設した垂直軸体と、この垂直軸体が嵌合するように牽引車1と搬送台車2の内の他方に設けた連結孔とから成る、従来周知の単純な構成のものであっても良いし、牽引車吊上げ手段56は、牽引車1と搬送台車2とを連結する連結手段41とは別の位置に、牽引車吊上げ専用の手段として設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の牽引車利用の台車式搬送装置は、自動車車体を積載する搬送台車を牽引車で牽引走行させる自動車組立てラインにおいて、牽引車が故障して自走不能に陥ったときも安全且つ容易に当該牽引車及び搬送台車を手作業でライン外に搬出させることが出来る搬送装置として活用できる。
【符号の説明】
【0036】
1 牽引車
2 搬送台車
5 前側自在車輪
6 後ろ側向き固定車輪
7a,7b 駆動車輪
8 自在車輪
12 制御機器
13 制御機器収納空間
15 バッテリー
16 バッテリー収納空間
19a,19b 減速機付きモーター
25 牽引用垂直軸体
25a 尖端部
26 取付け用座板
27a,27b 垂直ネジ孔
30a〜30d,39a〜39l,54 カバープレート
38 連結板
40 機体間カバープレート
41 連結手段
42 昇降体
42a 大径フランジ部
42b 回転操作用角軸部
42c ネジ軸部
43 被連結軸体
43a 大径フランジ部
44 中央孔部
44a ネジ孔部
45 圧縮コイルバネ
46 バネ受け
46a 角孔部
47 下降限ストッパー
48 牽引車吊上げ板
48a,48b 貫通孔
49 ディスタンスピース
50 上昇限ストッパー
51 ネジ孔
52 連結孔
52a 底面
53 操作用開口部
55a,55b ボルト
56 牽引車吊上げ手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪と後輪を備えた搬送台車と、少なくとも後端部側が前記搬送台車の前端部下側に入り込む自走可能な牽引車とから成り、搬送台車の前端部下側とその下側の牽引車とに、互いに上下方向に嵌合する垂直軸体と連結孔とから成る連結手段が設けられた牽引車利用の台車式搬送装置において、搬送台車に、牽引車の搬送台車下側に入り込んでいる部分に対して係脱自在な牽引車吊上げ手段が設けられ、この牽引車吊上げ手段によって牽引車を吊り上げたとき、当該牽引車の少なくとも駆動車輪が床面から浮上するように構成された、牽引車利用の台車式搬送装置。
【請求項2】
牽引車は、側面視において、前記連結手段で連結される箇所の下側に駆動車輪を備えると共にこの駆動車輪より後方に自在車輪を備え、前記牽引車吊上げ手段は、前記連結手段の近傍位置に配設され、当該牽引車吊上げ手段によって牽引車を吊り上げたとき、前記自在車輪を支点に牽引車が前上がりに傾斜してその駆動車輪が床面から浮上するように構成された、請求項1に記載の牽引車利用の台車式搬送装置。
【請求項3】
前記牽引車吊上げ手段は、前記連結手段の垂直軸体と同心状に搬送台車の機体に設けられたネジ孔と、このネジ孔に螺嵌して回転操作により昇降する昇降体と、この昇降体の軸心の周りに相対回転自在に当該昇降体に支持された牽引車吊上げ板と、前記連結手段の垂直軸体の周囲で牽引車の機体に設けられた垂直ネジ孔と、前記牽引車吊上げ板を下向きに貫通させて前記垂直ネジ孔に螺合させることが出来るボルトとから構成されている、請求項2に記載の牽引車利用の台車式搬送装置。
【請求項4】
連結手段の前記連結孔と垂直軸体の一方は、牽引車吊上げ手段の前記昇降体の下端に同心状に設けられ、前記昇降体の下降移動により連結手段の前記連結孔と垂直軸体が互いに嵌合し、前記昇降体の上昇移動により連結手段の前記連結孔と垂直軸体が互いに離脱するように構成されている、請求項3に記載の牽引車利用の台車式搬送装置。
【請求項5】
連結手段の前記連結孔は、牽引車吊上げ手段の前記昇降体内に昇降自在に内嵌された被連結用軸体の下端に同心状に設けられ、この被連結用軸体を前記昇降体の下端から突出する下降限位置に下向きに付勢保持するバネが前記昇降体内に内装され、前記昇降体が下降限位置まで下げられているとき、前記連結孔に嵌合する牽引車側の前記垂直軸体で前記被連結用軸体が前記バネの付勢力に抗して押し上げられ、前記昇降体が上昇限位置まで上げられたとき、前記被連結用軸体が前記バネの付勢力で前記昇降体に対して下降限位置まで下降すると共に当該被連結用軸体が牽引車側の前記垂直軸体から上方に離脱するように構成されている、請求項4に記載の牽引車利用の台車式搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−121651(P2012−121651A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272396(P2010−272396)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】